JP4952386B2 - チップ型電子部品収納台紙 - Google Patents

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本発明は、帯電防止性能を付与したチップ型電子部品収納台紙に関するものである。
チップ型電子部品収納台紙は、通常、次のように加工処理をしてチップ型電子部品のキャリアとして使用される。
(1)所定の幅にスリットする。
(2)所定大きさの角穴と丸穴を開ける。角穴はチップ型電子部品収納用で、丸穴は充填機内送り用である。
(3)台紙の裏面(ボトム側)にカバーテープを接着する。なお、角穴を開けないで、所定の大きさの角状エンボンス加工をすることもあり、この場合、この工程は省かれる。台紙とカバーテープを接着する方法は、台紙とカバーテープを重ね、カバーテープ上から熱と圧力を加えて接着する、いわゆるヒートシール法で行われる。
(4)チップ型電子部品を充填する。
(5)台紙の表面(トップ側)にヒートシール法によってカバーテープを接着する。
(6)所定の大きさのカセットリールに巻き付け、チップ型電子部品と共に出荷する。
(7)最終ユーザーでトップ側カバーテープを剥がし、チップ型電子部品を取り出す。
以上のように使用されることから、収納台紙に求められる品質には充填したチップ部品に悪影響を及ぼさないこと、更に、カバーテープが良好に接着されるよう紙の表面に平滑性を有すること、紙に対する各種処理に耐え得る強度を有すること、チップ部品を挿入する角穴(以下キャビティと記す)の寸法が正確であること等が挙げられる。
中でも、キャリアテープには電子部品が収納されることから、トップテープを剥がしたときに発生する剥離帯電、或いはキャリアテープが走行する際に接触する物質との間に生じる摩擦帯電などにより、電子部品が帯電することによるトラブルが懸念されてきた。
これまで、電子部品収納台紙の帯電防止方法としては、特開平9−188385号公報(特許文献1参照)には表面にカーボンブラックなどの導電剤を塗工あるいは導電紙を貼合する方法、特開平9−216659号公報(特許文献2参照)には1本の導電体をキャビティに沿って敷設する方法、特開2000−203521号公報(特許文献3参照)と特許第3383935号公報(特許文献4参照)では全層あるいは中層に導電性物質を内添し表面に導電性物質を塗工する方法が提案されているが、工程が増えたり、過剰な導電剤が必要であるなどコストアップが大きく採用が困難であった。

特開平9−188385号公報 特開平9−216659号公報 特開2000−203521号公報 特許第3383935号公報
本発明は、紙製のチップ型電子部品収納台紙に関するものであり、詳しくは、カバーテープ剥離時に静電気によるトラブルがない、帯電防止性能に優れたチップ型電子部品収納台紙に関するものである。
本発明者らは、マウンターによる実装時の静電気によるトラブルと帯電状態及びキャリアテープに必要十分な導電性レベルを把握することにより、簡易な方法により帯電防止性能を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1)チップ型電子部品を収納する電子部品収納台紙であって、裏面に導電層を有し、温度23℃、相対湿度50%の環境下での裏面の表面電気抵抗値が1.0×10Ω以下であり、且つ、JIS−L−1094の「半減期測定法」に記載される半減期測定装置を用いて測定した台紙表面の初期帯電圧が10mV以下であるチップ型電子部品収納台紙。
(2)前記導電層が、導電性微粒子層、金属蒸着層、導電性高分子層、帯電防止剤層から選ばれる(1)に記載のチップ型電子部品収納台紙。
(3)前記導電性微粒子層が、カーボンブラック、金属等の微粒子を含有する塗料又はインクを塗工又は印刷することにより形成されている(2)に記載のチップ型電子部品収納台紙。
本発明は、マウンターでの実装時に静電気によるトラブルが発生せず、電子部品を安全に実装できるという功を奏する。
本発明では、チップが充填され、トップテープが接着される表面とは反対側の裏面に、導電層を設けることが重要である。電子部品収納台紙(キャリアテープ)が走行時には裏面のほうが、接触面積が大きく、摩擦帯電への影響が大きい。表面に導電層を設ける場合には、トップテープを剥がしたときの剥離帯電の低下とトップテープの台紙との接着性のバランスを取ることは非常に難しいが、裏面の場合にはその問題はなく、特定の表面電気抵抗値以下にすることにより表面の剥離帯電まで抑制できる。
本発明において、裏面に導電層を設けることにより、表面の帯電防止性能を付与できるのは以下のように説明できる。すなわち、元々紙キャリアテープに使用されるパルプ繊維を構成するセルロース、ヘミセルロースには、末端に電子伝達しやすいOH基が出ており、これらが複雑に絡み合って紙層が形成されている。この為、何も帯電防止性能を付与されていない紙でも、表面電気抵抗は通常1010〜1013Ωの範囲に入っており、電気を全く通さないわけではない。しかしながら、表面にヒートシールされたトップテープ(プラスチックフィルム)を急激に剥がすと、剥離帯電が生じるものの、縦方向にテープが長く、放電するには長い距離を介さないとならないために、継続的テープ剥離の際には高い帯電圧が残ってしまうこととなる。一方、裏面に導電層を設けた場合には、トップテープを剥離した際に生じた電荷が台紙の厚さ方向に伝達され、裏面に設けられた導電層を通じて実装機(マウンター)のフィーダー等金属部に接触する等により系外に簡単に放電される。台紙の厚さは通常0.3〜1.3mmとごく薄いため、電荷がこの短い距離を移動さえすれば、放電が完了することとなる。裏面の表面電気抵抗が1.0×10Ω以下であれば、上記の説明の通り、数cm〜数十cmの距離を一瞬にして電荷伝達させることができ、更に裏面の電気抵抗が1.0×10Ω未満であることが好ましい。
裏面に導電層を設ける方法としては、裏面の表面電気抵抗を1.0×10Ω以下にできれば特に制限はないが、例えば、導電性微粒子を含有する塗料を用いた印刷、塗工、金属蒸着、金箔・銀箔・アルミ箔等の金属箔貼付、導電性高分子物質の塗工、帯電防止剤の塗布等が挙げられる。
本発明では、チップ型電子部品収納台紙の裏面の表面電気抵抗が1.0×10Ω以下であることが必須であるが、それだけでは十分でなく、JIS−L−1094の「半減期測定法」に記載される半減期測定装置を用いて測定した台紙表面の初期帯電圧が10mV以下であることが重要である。これは、実際にトップテープの貼られる表面で剥離する際に発生する電荷が効率良く放電されているかを捉えるための指標となるためである。初期帯電圧とは、スタチックオネストメーターを用いて10kVもの電圧を一定時間印加した直後の電圧と定義されるが、この値が小さいほど、印加中にも電気を継続して逃がすことができているということであり、10mV以下のものであれば、実際にトップテープを剥離する際に帯電しづらく、実装時に電子部品が飛び出すようなトラブルが発生しない傾向となる。逆に10mVを超えると帯電しやすいために上記のようなトラブルの発生する確率が高くなってくる。
裏面の表面電気抵抗が1.0×10Ω以下だけで十分でない理由は、前述の通り、トップテープ剥離時に発生した電荷はまず、台紙の厚さ方向に逃がされ、これが裏面の導電層を通じて系外に排出されるが、厚さ方向に存在する物質の電気の流れやすさのファクターを受けてしまうためである。ごく一般の紙に使用されるセルロース繊維、すなわち、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ、非木材繊維パルプ等は、前述の通り、特に問題なく台紙の厚さ方向に一瞬にして電荷を通過させることができるが、電気を通しにくい物質のみで形成されていた場合、或いは、そのような物質が混在していた場合、本発明の目的を達成できない場合がありえるためである。
本発明に使用される導電性微粒子としては、カーボンブラック微粒子、導電性金属・金属酸化物、などが挙げられ、必要に応じて糊・バインダー等とともに、塗工、印刷、等の手法により裏面に付着させることができる。この方法を用いれば、安価に、効率よく裏面に導電層を設けることが可能であり、特に好ましい。
本発明に使用される金属蒸着は、金属・金属酸化物の種類を特に限定するものではないが、アルミニウム蒸着が好ましい。これは、導電性金属の中でも安価に加工できるためである。通常、真空中で金属を蒸発させた状態で、シート表面に付着させて加工されるが、本発明の場合、キャリアテープが巻取状態で通常使用されることから、巻取蒸着が好ましい。
本発明に使用される金属箔貼付も、金箔、銀箔、銅箔、アルミ箔、等、各種の薄箔を使用できるが、安価に加工できることから、アルミ箔が特に好ましい。貼合の方法も特に限定するものではないが、糊や粘着物を使用する場合に絶縁性のものを使用すると、本発明の目的を達成することができないため、導電性・帯電防止性能のある糊・粘着物を使用する、もしくは、部分的に糊・粘着物を使用し、金属箔とパルプ繊維が直接接触する部分を確保する、或いは、糊を殆ど使用しないホットプレスを用いる、等の方法が好適に用いられる。
本発明に使用される導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレンなどが挙げられる。これらは、必要に応じて、水・有機溶媒等の分散媒に分散された形で適宜調整されて使用される。チップ型電子部品収納台紙(キャリアテープ)の裏面に塗布される量としては、特に限定されるものではないが、有効成分固形分で0.1〜2.0g/mの塗布により、1.0×10Ω以下の表面電気抵抗が達成される。
本発明に使用される帯電防止剤としては、無機塩類、有機塩類、イオン性高分子が挙げられる。無機塩類としては、リチウム化合物、アルミン酸ソーダ、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウム等のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の塩、有機塩類としては、ギ酸カルシウム、シュウ酸ナトリウム等のカルボン酸塩類が挙げられる。また、分子中にカルボキシル基、スルホン基、硫酸基等を有するアニオン性高分子、またはアミノ基、第4級アンモニウム基等の塩基を有するカチオン性高分子などから選ばれるイオン性高分子帯電防止剤を使用することができる。イオン性高分子を用いる場合、水溶液タイプ、エマルジョンタイプのいずれでもよいが、エマルジョンタイプの帯電防止剤は、凝集やエマルジョンの崩壊を避けるために、使用する樹脂エマルジョンのイオン性を考慮して選定した方が良い。樹脂エマルジョンとして特に好ましいアクリル酸エステル共重合体はアニオン性であり、分子中にカルボキシル基、スルホン基、硫酸基等を有するアニオン性高分子が好適である。チップ型電子部品収納台紙(キャリアテープ)の裏面に塗布される量としては、特に限定されるものではなく、種類によりバラツキがあるが、有効成分固形分で1〜10g/mの塗布で1.0×10Ω以下の表面電気抵抗が達成される。
本発明で、カーボンブラック・各種金属、等の微粒子を含有したインクを印刷する方法として特に限定するものではなく、オフセット印刷(枚葉、輪転)、グラビア印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、スクリーン(シルク)印刷、インクジェット印刷、等、一般的に用いられる方式で印刷される。中でも、オフセット輪転印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷の各方式は、数千mに及ぶチップ型電子部品収納台紙(キャリアテープ)を連続的に高速で効率よく前加工でき、また、二色以上の多色機が主流で必要に応じてオーバー(保護)コートとしての透明ニス(酸化型、熱硬化型、光硬化型)等も同時にコートできるため、特に好ましい。チップ型電子部品収納台紙(キャリアテープ)の裏面に塗布される量としては、特に限定されるものではなく、表面にごく薄く印刷を行うだけで、1.0×10Ω以下の表面電気抵抗を達成する量を確保できる。
本発明では、導電性微粒子、導電性高分子または帯電防止剤はコーター、スプレー等の設備によっても塗布することができる。コーターとしては、バーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター、ベルバパコーター等が採用できる。塗工後は60℃〜150℃の範囲で加熱乾燥することが好ましい。
乾燥装置には特に制限は無く、加熱できるものであればいずれでもよい。加熱乾燥温度が60℃以下では乾燥が不十分となり、特にチップ型電子部品収納台紙のような厚みのあるものの場合には、マイグレーションが起こり易く、内部の樹脂量が少なくなり効果が減少することがあるため好ましくない。また150℃を越えて高い温度で乾燥しても、効果が頭打ちになるだけでなく不経済であるため好ましくない。
本発明の電子部品収納台紙の坪量は一般に200g/m〜1000g/m程度である。このような坪量範囲であるため、台紙基材の抄造方法としては、地合いの取り易い多層抄きが好ましい。
本発明で使用される原料パルプは各種のものが使用でき、例えば、化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ、非木材繊維パルプ等を単独で使用してもよいし、複数組み合わせて使用してもよいが繊維形態が均一なパルプを使用するのが好ましい。
本発明で使用されるパルプは公知の方法により叩解して使用することができるが、叩解しなくても問題はない。叩解機には特に限定はなく、ビーター、ジョルダン、デラックス・ファイナー(DF)、ダブル・ディスク・レファイナー(DDR)等、種々の叩解機が使用される。叩解した場合ではカナダスタンダードフリーネスで250ml〜560ml程度の処理が好ましい。560mlよりも高いと強度、得に層間強度が弱くなり好ましくない。一方、250mlよりも叩解を進めると、歩留の低下、高密度化による量目損の問題が生じ、あまり好ましくない。
本発明では特に限定しないが、抄紙に際して、必要に応じて種々の内添薬品を使用できる。例えば、ロジン系サイズ剤、スチレン・マレイン酸、スチレン・アクリル、スチレン・オレフィン、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸など、天然および合成の製紙用の内添サイズ剤、各種紙力増強剤、濾水歩留り向上剤、耐水化剤、消泡剤、タルク等の填料、染料等を使用することができる。
本発明では、カバーテープの剥離時のケバ立ちを抑える目的で、台紙の表層に表面処理剤を塗布することができる。表面処理剤は、水溶性高分子を含有する。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、澱粉、ポリアクリルアミド、アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−イソプレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−ビニルアルコール系樹脂、ウレタン系樹脂などがあるが、本発明ではポリビニルアルコール、澱粉、ポリアクリルアミドから選ばれる少なくともひとつを含有する。ポリビニルアルコール、澱粉、ポリアクリルアミドはパルプ繊維の接着強度を効率よく安価に高めることができ、台紙表面への塗工適性も良好である事から好ましい。
水溶性高分子の塗布量は、0.1g/m以上1.1g/m以下であることが好ましく、更に好ましくは0.6g/m以上1.1g/m以下である。1.1g/mを超えて塗布すると、ピール強度が低下し、0.1g/mよりも少ないとケバを抑える効果が発現しない。
また、表面処理剤にはカバーテープとの接着性を向上させ、さらに台紙表面の強度を高めるためにスチレン・マレイン酸樹脂、オレフィン・マレイン酸樹脂を含有させることができる。スチレン・マレイン酸樹脂、オレフィン・マレイン酸樹脂は疎水基と親水基を有しており、台紙表面に塗工する事により、表面のカバーリングのほか、紙層中に浸透し、親水基であるカルボン酸がパルプ繊維と水素結合を形成し、繊維間を架橋した状態にし、繊維間結合を大幅に向上させる。繊維間結合の向上により、カバーテープを剥がす際の抵抗力が向上し、剥離強度を強くするほかケバとなる繊維の抜けを防止出来る。
また、スチレン・マレイン酸樹脂、オレフィン・マレイン酸樹脂を使用する場合は、ガラス転移温度が10〜50℃であるものが好ましい。ガラス転移温度が10℃未満であれば、カバーテープを貼り付ける際の貼り付け温度によって、パルプ繊維間に架橋状態として存在しているスチレン・マレイン酸樹脂、オレフィン・マレイン酸樹脂の結合を弱めてしまう。また、ガラス転移温度が50℃を超えると、パルプ繊維との架橋が硬くなり過ぎ、カバーテープ接着剤層が剥がれるときのストレスで破損し、破損部がケバとして発生する恐れがある。
本発明では、スチレン・マレイン酸又はオレフィン・マレイン酸の塗布・含浸量をコントロールすることにより、ケバ発生を抑制して必要なカバーテープの接着強度のレベルを得ることができる。表面処理剤にスチレン・マレイン酸又はオレフィン・マレイン酸を混合して塗布する場合、水溶性高分子との固形分比率は任意に調整できるが、スチレン・マレイン酸又はオレフィン・マレイン酸の塗布・含浸量は、0.01g/m〜0.10g/mの範囲が好ましい。スチレン・マレイン酸又はオレフィン・マレイン酸の塗布・含浸量が0.10g/mを超えても効果は頭打ちとなるため好ましくなく、0.01g/mよりも少ないと効果が明確に発現しない。
本発明において、台紙表面に表面処理剤を塗布・含浸する手段としては、例えばバーコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ゲートロールコーターやサイズプレスやキャレンダーコーター等のロールコーター、ビルブレードコーター等がある。中でも、サイズプレスやキャレンダーコーターがニップ圧により表面処理剤を深く浸透させやすいためが好ましい。
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。配合、濃度等を示す数値は、固型分または有効成分の質量基準の数値である。また、特に記載の無い場合については抄造した紙はJIS−P−8111に準じて前処理を行った後、測定やテストに供し、その結果を表1に示す。尚、表面電気抵抗の測定法、初期帯電圧の測定方法、部品飛び出し評価方法の詳細は下記の通りである。
<表面電気抵抗の測定法>
温度23℃、相対湿度50%の環境下で、試料を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 0806−3に準拠し、4mm間隔で直径1.54mmの丸穴を開けると同時に、2mm間隔でCD方向0.66mm、MD方向0.36mm、Z軸方向0.35mmのキャビティをもつチップ型電子部品収納台紙を作成した。次に、この幅8mmのテープ状サンプルから、長さ45mmずつ3本切り取り、これら3本のテープを机上で裏面を上にして重なりが無いよう、また隙間が生じないように密着させ、幅24mm×長さ45mmの長方形を形成させた。JIS−K−6911に準拠して、表面電気抵抗計(三菱油化(株)製、型式:Hiresta IP MCP−HT260)を使用して、電極を押し当て、印加電圧100V、時間10秒間で表面電気抵抗を測定した。
<初期帯電圧の測定方法>
温度23℃、相対湿度50%の環境下で、試料を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 0806−3に準拠し、4mm間隔で直径1.54mmの丸穴を開けると同時に、2mm間隔でCD方向0.66mm、MD方向0.36mm、Z軸方向0.35mmのキャビティをもつチップ型電子部品収納台紙を作成した。次に、この幅8mmのテープ状サンプルから、長さ45mmずつ5本切り取り、スタチックオネストメーター(シシド静電気(株)製、型式:S−5109)のサンプル窓に、5本のテープ状サンプルを表面を上にして重なりが無いよう、また隙間が生じないように密着させつつ挟み込んで、JIS−L−1094中の「半減期測定法」に準じて、印加電圧(+)10kV、印加30秒した直後の帯電圧(初期帯電圧)を測定した。
<部品飛び出し評価方法>
温度23℃、相対湿度50%の環境下で、試料を8mm幅のテープ状にスリットして、JIS C 0806−3に準拠し、4mm間隔で直径1.54mmの丸穴を開けると同時に、2mm間隔でCD方向0.66mm、MD方向0.36mm、Z軸方向0.35mmのキャビティをもつチップ型電子部品収納台紙を作成した。次に、この台紙を、東京ウェルズ(株)製の「TWA6601」を速度2400タクト/minにて運転し、部品(0603のチップ型電子部品)を挿入しながら、カバーテープを貼り付、カバーテープのヒートシールされたテープリールを得た。
次いで、温度10℃、湿度30%RHの環境チャンバーに、図1の模式図に示すような剥離装置及び定速引張装置を持ち込こんだ。定速引張装置(高速剥離試験機を代用、商品名:ZPE−1100W、米国IMASS INC.社製)には、テープリールをセットしてテープを剥離機に導入してトップテープを剥離させ、トップテープのみを厚さ1mmの金属板の端(A地点)で台紙進行方向と反対側に引っ張り、定速引張装置のニップ部分に挟んだ。その後、定速引張装置を4.5m/分の定速で引っ張り、剥がした後の電子部品収納台紙の各キャビティの中に、ちゃんと部品が残っているか否かを確認して、部品が全て残っていた場合は○、部品が一つでも残ってなかった場合(トップテープ剥離時に飛び出した場合)は×、と評価した。
表層、中層、裏層でパルプを使い分け、表層用には針葉樹クラフトパルプ30質量%、広葉樹晒クラフトパルプ70質量%の混合パルプをダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダードフリーネス)450mlに調製し、中層用には針葉樹クラフトパルプ10質量%、広葉樹晒クラフトパルプ90質量%をダブル・ディスク・リファイナーで混合叩解し、CSF(カナダスタンダードフリーネス)410mlに調製し、裏層用には広葉樹晒クラフトパルプを単独でダブル・ディスク・リファイナーでCSF(カナダスタンダードフリーネス)470mlまで叩解し、調製した。表層と裏層各々のパルプスラリーには、硫酸バンドを添加してpH6.0に調整し、内添紙力剤としてポリアクリルアミド系紙力剤(荒川化学工業社製ポリストロン1250)を1.0質量%添加した。中層用パルプスラリーには、ロジン系サイズ剤(サイズパインN−111:荒川化学工業製)をパルプ質量に対して0.7質量%添加し、硫酸バンドを添加してPH6.0に調整し、内添紙力剤としてポリアクリルアミド系紙力剤(荒川化学工業社製ポリストロン1250)を1.0質量%添加した。以上の条件のパルプスラリーを3層抄合わせ抄紙機で、表層:中層:裏層=1:1.5:1の割合でウェットシートを形成し、抄紙機に設置されたカレンダーで平滑化処理した後、ポリアクリルアミド(荒川化学製ポリマセット−512、分子量20万)を0.9g/m塗工し、坪量370g/m、厚さ0.42mmのチップ型電子部品収納台紙aを製造した。
実施例1
チップ型電子部品収納台紙aの巻取を準備し、台紙aの裏面に墨インキ(カーボンブラック含有)を用いてグラビア印刷を行った。カーボンブラック付着量は、1.1g/mであった。
実施例2
チップ型電子部品収納台紙aの巻取を準備し、台紙aの裏面にアルミニウム真空蒸着を行った。アルミ付着量を測定したところ、1.0g/mであった。
実施例3
チップ型電子部品収納台紙aの巻取を準備し、オフマシン塗工機を使用し、台紙aの裏面に導電性ポリマー(導電性ポリアニリン水分散液、星光PMC製、T−Y243)を、有効成分付着量が1.0g/mとなるように濃度を調整して塗布して乾燥させた。
実施例4
チップ型電子部品収納台紙aの巻取を準備し、オフマシン塗工機を使用し、台紙aの裏面に、スチレン系樹脂スルホン酸塩系帯電防止剤(日本エヌエスシー製、VERSA−TL125)を、有効成分付着量が2.8g/mとなるように濃度を調整して塗布して乾燥させた。
比較例1
台紙aをそのままチップ型電子部品収納台紙として使用した。
比較例2
有効成分付着量が0.5g/mとなるように濃度を調整して塗布して乾燥させること以外は実施例4と同様にしてチップ型電子部品収納台紙を製造した。
得られた試料の表面電気抵抗、初期帯電圧、部品飛び出し評価を前述の方法で実施した評価結果を表1に示す。実施例1〜4は、台紙裏面の表面電気抵抗が1.0×10Ω以下であり、且つ、台紙表面の初期帯電圧が10mV以下であるため、部品の飛び出しがなかった。一方、比較例1及び2では、台紙裏面の表面電気抵抗が1.0×10Ωを越えており、紙表面の初期帯電圧も10mVを越えており、部品の飛び出しテストで×という結果となった。
Figure 0004952386
剥離装置及び定速引張装置
符号の説明
1:カバーテープ剥離装置
2:テープリール
3:電子部品収納台紙
4:トップテープ
5:金属板
6:定速引張装置
7:ニップロール

Claims (2)

  1. チップ型電子部品を収納する電子部品収納台紙であって、裏面に導電性微粒子、金属微粒子、導電性高分子、帯電防止剤から選ばれる塗料又はインクを塗工または印刷、または金属蒸着することにより形成した導電層を有し、温度23℃、相対湿度50%の環境下での裏面の表面電気抵抗値が1.0×10以下であり、且つ、JIS−L−1094の「半減期測定法」に記載される半減期測定装置を用いて測定した台紙表面の初期帯電圧が10mV以下であることを特徴とするチップ型電子部品収納台紙。
  2. 前記導電性微粒子はカーボンブラック、金属の微粒子であることを特徴とする請求項1記載のチップ型電子部品収納台紙。
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