JP4949025B2 - アシルホスファンおよびそれらの誘導体の製造方法 - Google Patents

アシルホスファンおよびそれらの誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、モノおよびビスアシルホスファン、モノおよびビスアシルホスファンオキシド、またはモノおよびビスアシルホスファンスルフィドの新規で選択的な製造方法に関する。
欧州特許公報EP1135399B1には、モノおよびビスアシルホスファン、モノおよびビスアシルホスファンオキシド、またはモノおよびビスアシルホスファンスルフィドの製造方法が記載されており、その方法は、まず、有機P−モノハロゲノホスファンまたはP、P−ジハロゲノホスファンまたはそれらの混合物を、適切な場合には触媒の存在下に、アルカリ金属またはリチウムと組み合わせたマグネシウムと反応させ、次いで、酸ハロゲン化物との反応を行い、オキシドの製造方法の場合には酸化工程を行い、また、スルフィドの製造方法の場合にはそのようにして得られたホスファンを硫黄と反応させることを含む。反応は、通常、溶媒中で行われる。使用される溶媒は、特に、常圧および室温で液体であるエーテルである。その例は、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、ジオキサンまたはテトラヒドロフランである。テトラヒドロフランを使用することが好ましい。
国際出願PCT/EP03/50873には、トルエン等の有機溶媒中で、活性化剤、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)の存在下に、R1PHal2をアルカリもしくはアルカリ土類水酸化物と反応させることによる、式(R1P)の環状有機ホスファンの製造方法が記載されている。
さらに、PCT/EP03/50873には、塩化メシトイル(MesCO−Cl)と反応して式PhP(COMes)2のアシルホスファンを与える、カテナ−有機ホスファン−α,ω−ジイドの製造、例えば、Na(L)3[Na5(P2Ph23(L)3](L=溶媒)の製造が記載されている。
H. Schindlbauerら(Monatshefte Chemie 90 148 [1959])には、R1PHal2をトルエン中に高度に分散された4当量のナトリウムと反応させることによりR1PNa2を得、続いてアルコール/水と反応させることによる、ホスファンの製造方法が記載されている。使用されるアルコールは、エタノールである。
Schindlbauer法は、除去する必要がある、相当量の望ましくない副生物が得られるという短所を有する。
そこで、有機ハロゲン化リンから直接にアシルホスファンを高収率かつ実質的に完全な転化率で製造する方法が依然として必要とされている。
立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸のようなプロトン源を使用することにより、要求された選択性が達成されることが見出された。
本発明は、式I
Figure 0004949025
(式中、
nおよびmは、各々互いに独立に、1または2であり、
1がn=1である場合、C1〜C18アルキル、1個または数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C18アルキル;フェニル−C1〜C4アルキル、C2〜C8アルケニル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、C5〜C12シクロアルキルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環であり、それらの基フェニル、ナフチル、ビフェニル、C5〜C12シクロアルキルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環は、非置換であるか、または1個〜5個の、ハロゲン、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキルチオ、C1〜C8アルコキシおよび/もしくは−N(R82で置換されており;
1がn=2である場合、C1〜C18アルキレン、1個または数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C18アルキレンであるか;またはR1は、C1〜C4アルコキシ、フェニル、C1〜C4アルキルフェニル、フェニル−C1〜C4アルキルまたはC1〜C6アルケコキシフェニルで置換されたC1〜C6アルキレンであるか;またはR1は、フェニレンまたはキシリレンであって、それらの基は非置換であるか、または1個〜3個の、C1〜C4アルキルおよび/もしくはC1〜C4アルコキシで置換されており、あるいはR1は、
Figure 0004949025
基であり;
2は、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C18アルケニル、フェニル−C1〜C4アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環であり、それらの基フェニル、ナフチル、ビフェニルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環は、非置換であるか、または1個〜5個の、ハロゲン、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシおよび/もしくはC1〜C8アルキルチオで置換されており;
3は、C1〜C18アルキル、1個または数個の非連続のO原子で中断されるか、または−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CO−N(R9)−、−N(R9)−CO−、−N(R9)−CO−N(R9)−、−N(R9)−COO−で中断されたC2〜C18アルキル;−OR10、−OCO−R10、−COO−R10、−N(R9)−CO−R10、−CO−N(R9)−R10、−C(R11)=C(R12)−CO−OR10または−C(R11)=C(R12)−フェニルで置換されたC1〜C18アルキル;C2〜C12アルケニルまたは1個もしくは数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C12アルケニル;フェニル−C1〜C4アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、C5〜C12シクロアルキルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環であり、それらの基フェニル、ナフチル、ビフェニル、C5〜C12シクロアルキルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環は、非置換であるか、または1個〜5個の、ハロゲン、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキルチオ、C1〜C8アルコキシおよび/もしくは−N(R82で置換されているか;またはR3は、−CO−OR9もしくは−CO−N(R92であり;
Qは、単結合、CR67、−O−または−S−であり;
4およびR5は、各々互いに独立に、水素、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシであり;
6およびR7は、各々互いに独立に、水素またはC1〜C4アルキルであり;
8は、C1〜C18アルキル、1個または数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C18アルキルであるか;または−N(R82は、5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環を形成し;
9は、水素、C1〜C18アルキル、1個または数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C18アルケニル、フェニル−C1〜C4アルキル、フェニル、ナフチル、ピリジルであり、それらの基フェニル、ナフチルまたはピリジルは、非置換であるか、あるいは1個〜5個の、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオおよび/またはハロゲンで置換されており;または−N(R92は、5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環を形成し;
10は、C1〜C18アルキル、1個または数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、フェニル−C1〜C4アルキル、C2〜C18アルケニル、フェニル、ナフチル、ビフェニルであり;それらの基フェニル−C1〜C4アルキル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルは、非置換であるか、あるいは1個〜5個の、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオおよび/またはハロゲンで置換されており;
11は、水素またはC1〜C4アルキルであり;
12は、水素またはC1〜C4アルキルである)
のアシルホスファンの製造方法であって、
(1)式IIaのハロゲン化第一リンまたは式IIbのハロゲン化第一リンオキシドまたは式IIcのハロゲン化第一リンスルフィド:
Figure 0004949025
(式中、R1、R3、nおよびmは上記の意味を有し、Halは、F、Cl、BrまたはIである)
を、プロトン源の存在下に(還元)、溶媒中でアルカリ金属と反応させ(金属化);
(2)式III
Figure 0004949025
(式中、R2、Halおよびmは上記の意味を有する)
のm個の酸ハロゲン化物と引き続き反応させることによる製造方法に関する。
その態様の他のものにおいて、本発明は、式I’:
Figure 0004949025
(式中、R1、R2およびR3は、上で定義したとおりである)
のモノアシルホスファン(n=1およびm=1の式Iの化合物)の製造のための方法であって、
(1)式II’:
Figure 0004949025
(式中、R1およびHalは、上で定義したとおりである)
の有機ハロゲン化リンを、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸のようなプロトン源の存在下に溶媒中で、アルカリ金属と反応させ;
(2)式III’:
Figure 0004949025
(式中、R2およびHalは、上で定義したとおりである)
の酸ハロゲン化物と引き続き反応させ、続いて求電子性化合物R3−Hal(式中、R3およびHalは、上で定義したとおりである)と反応させるかまたは逆の順序で反応させることによる、方法に関する。
酸ハロゲン化物と化合物R3−Halとの添加順序を、入れ替えることができる。すなわち、最初に化合物R3−Hal、次いで、酸ハロゲン化物を加えることが可能である。
その態様の他のものにおいて、本発明は、式I”:
Figure 0004949025
(式中、R1およびR2は、上で定義したとおりである)
の対称性ビアシルホスファン(n=1およびm=2の式Iの化合物)の製造のための方法であって、
(1)式II”:
Figure 0004949025
(式中、R1およびHalは、上で定義したとおりである)
の有機ハロゲン化リンを、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸のようなプロトン源の存在下に溶媒中で、アルカリ金属と反応させ;
(2)式III”:
Figure 0004949025
(式中、R2およびHalは、上で定義したとおりである)
の酸ハロゲン化物と引き続き反応させることによる、方法に関する。
その態様の他のものにおいて、本発明は、式I’”:
Figure 0004949025
(式中、R1は、上で定義したとおりであり、R2およびR2’は、互いに独立に、R2がR2’と同じでないことを条件に、R2について上で定義したとおりである)
の非対称性ビアシルホスファン(n=1およびm=2の式Iの化合物)の製造のための方法であって、
(1)式II”:
Figure 0004949025
(式中、R1およびHalは、上で定義したとおりである)
の有機ハロゲン化リンを、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸のようなプロトン源の存在下に溶媒中で、アルカリ金属と反応させ;
(2)式III”:
Figure 0004949025
(式中、R2およびHalは、上で定義したとおりである)
の酸ハロゲン化物と引き続き反応させ、
(3)式III’”:
Figure 0004949025
(式中、R2’およびHalは、上で定義したとおりである)
の第二の酸ハロゲン化物と引き続き反応させることによる、方法に関する。
その態様の他のものにおいて、本発明は、式VIおよびVI’:
Figure 0004949025
(式中、R1、R2、R2’は、上で定義したとおりであり、Meは、Li、Na、Kである)
のモノアシル化ホスファンの製造方法であって、
(1)式II”:
Figure 0004949025
(式中、R1およびHalは、上で定義したとおりである)
の有機ハロゲン化リンを、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸のようなプロトン源の存在下に溶媒中で、アルカリ金属と反応させ;
(2)式III”またはIII’”:
Figure 0004949025
(式中、R2、R2’およびHalは、上で定義したとおりである)
の酸ハロゲン化物と引き続き反応させることによる、製造方法に関する。
式VIおよびVI’のモノアシル化ホスファンは、当業者に公知の標準的な手法により単離することができる。
式VIおよびVI’の化合物は、上記の式I’、I”およびI’”の化合物の合成用の原料となる。
本発明の他の態様において、工程(1)は、式(R12−P−P(R12のジホスファンまたは式[R1P]のポリホスファン(式中、R1は上記のとおりであり、nは≧3である)を、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸のようなプロトン源の存在下に溶媒中で、アルカリ金属と反応させ;酸ハロゲン化物(III、III’、III”、III’”)と引き続き反応させ、かつ/または求電子性化合物R3−Halと反応させることにより行われる。
その態様の他のものにおいて、本発明は、式IV:
Figure 0004949025
(式中、R1、R2、nおよびmは、上で定義したとおりであり、ZはOまたはSである)
のアシルホスファンオキシドおよびアシルホスファンスルフィドの製造方法であって、式I、I’、I”またはI’”のアシルホスファンの酸化または硫黄との反応による方法に関する。
プロトン源は、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸から選択される。
立体障害アルコールは、第二級または第三級C3〜C18アルコール、好ましくはt−ブタノール、tert−アミルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、トリフェニルメタノール、3,7−ジメチル−3−オクタノール、2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール、2−メチル−4−フェニル−2−ブタノール、フェンキルアルコール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノールまたはヘキシレングリコールよりなる群から選択される
トリアルキルアミンハロゲン化水素は、tert(C1〜C83N−HCl、好ましくは、トリメチルアミン塩酸塩、トリエチルアミン塩酸塩またはトリブチルアミン塩酸塩から選択される。
適切なアルカリ金属は、リチウム、ナトリウムまたはカリウムであり、好ましくはナトリウムである。リチウムと組み合わせたマグネシウムも使用可能である。
1〜C18アルキルは、直鎖状または分岐状であり、例えば、C1〜C12−、C1〜C8−、C1〜C6−またはC1〜C4アルキルである。例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチルペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシルまたはオクタデシルである。
1〜C12−、C1〜C8−、C1〜C6−またはC1〜C4アルキルは、同じく、直鎖状または分岐状であり、例えば、炭素原子数が対応する数までの、上記の意味を有する。
非連続のO原子で1回または数回中断されたC2〜C18アルキルは、例えば、1〜9、例えば1〜7、1〜5、1〜3または1もしくは2回、−O−で中断されており、該酸素原子は常に、少なくとも1個のメチレン基で中断されている。アルキル基は、直鎖状または分岐状であってもよい。したがって、得られた構造単位は、例えば、−CH2−O−CH3、−CH2CH2−O−CH2CH3、−[CH2CH2−O]y−CH3、(ここで、y=1〜8)、−(CH2CH2O)7CH2CH3、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH2CH3または−CH2CH(CH3)−O−CH2−CH3である。
2〜C18アルケニル基は、モノ−またはポリ不飽和、直鎖状または分岐状であってもよく、例えば、ビニル、アリル、メタリル、1,1−ジメチルアリル、プロペニル、ブテニル、ペンタジエニル、ヘキセニルまたはオクテニル、好ましくはビニルまたはアリルである。C2〜C18アルケニルとして定義されたR2は、典型的には、C2〜C8−、C2〜C6−、好ましくはC2〜C4アルケニルである。
5〜C12シクロアルキルは、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、好ましくはシクロペンチルおよびシクロヘキシル、より好ましくはシクロヘキシルである。C3〜C12シクロアルキルは、さらに、例えば、シクロプロピルである。
1〜C8アルコキシは、直鎖状または分岐状の基であり、典型的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシまたはオクチルオキシ、好ましくはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、最も好ましくはメトキシである。
ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード、好ましくはクロロおよびブロモ、最も好ましくはクロロである。
O−、S−またはN−含有の5員環もしくは6員環のへテロ環の例は、フリル、チエニル、ピロリル、オキシニル、ジオキシニルまたはピリジルである。記載のヘテロ環基は、1個〜5個、例えば1個または2個の、直鎖状または分岐状のC1〜C18アルキル、ハロゲンおよび/またはC1〜C8アルコキシで置換されていてもよい。そのような化合物の例は、ジメチルピリジル、ジメチルピロリルまたはメチルフリルである。
5員環または6員環のO−、S−またはN−含有へテロ環を形成する−N(R82、−N(R92の例は、
Figure 0004949025
(上で定義したR8を有する)である。
置換されたフェニル、ナフチルまたはビフェニルは、1個〜5個、例えば1個、2個、3個もしくは4個、好ましくは1個、2個もしくは3個の、例えば直鎖状または分岐状のC1〜C18アルキル、直鎖状もしくは分岐状のC1〜C8アルコキシまたはハロゲンで置換されている。
フェニル、ナフチルまたはビフェニルへの好ましい置換基は、C1〜C4アルキル、好ましくはメチル、C1〜C4アルコキシ、より好ましくはメトキシ、およびクロロである。特に好ましい置換基は、例えば、2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2,6−ジメチルフェニルまたは2,6−ジメトキシフェニルである。
2は、例えば、C1〜C18アルキルまたはフェニル、好ましくは2,4,6−トリメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニルまたは2,6−ジメトキシフェニル、最も好ましくは2,4,6−トリメチルフェニルである。
1およびR3は、好ましくは非置換であるか、フェニル、C1〜C6アルキル置換フェニルまたはC1〜C6アルコキシ置換フェニル、最も好ましくはフェニルである。
1〜C8アルキレンとして定義されるR1は、直鎖状または分岐状のアルキレン、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、sec−ブチレン、イソブチレン、tert−ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ドデシレン、テトラデシレン、ヘプタデシレンまたはオクタデシレンである。R1は、好ましくはC1〜C12アルキレン、例えばエチレン、デシレン、
Figure 0004949025
である。
1が、1個または数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C18アルキレンである場合、構造単位、例えば、−CH2−O−CH2−、−CH2CH2−O−CH2CH2−、−[CH2CH2O]y−が得られ、ここで、y=1〜9、−(CH2CH2−O)7CH2CH2−または−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH(CH3)−である。
アルキレンが数個のO原子で中断される場合、これらのO原子は、常に、少なくとも1個のメチレン基で互いに分離されている。
フェニル−C1〜C4アルキルは、例えば、ベンジル、フェニルエチル、α−メチルベンジルまたはα,α−ジメチルベンジル、好ましくはベンジルである。フェニル−C1〜C2アルキルが特に好ましい。
1〜C4アルキルフェニルは、典型的にはトリル、キシリル、メシチル、エチルフェニル、ジエチルフェニル、好ましくはトリルまたはメシチルである。
1〜C6アルコキシフェニルは、1個〜4個のアルコキシ基で置換されているフェニル、例えば、2,6−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,4−ジペントキシフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、プロポキシフェニルまたはブトキシフェニルである。
フェニレンは、1,4−、1,2−または1,3−フェニレン、好ましくは1,4−フェニレンである。
フェニレンが置換されている場合、それは、フェニル環において、一〜四置換、例えば、一、二または三置換、好ましくは一または二置換されている。キシリレンは、o−、m−またはp−キシリレン:
Figure 0004949025
であり、例えば、フェニル環において、一〜四置換、例えば、一、二または三置換、好ましくは一または二置換されている。
好ましい置換基:
上記の方法において、R1がn=1の場合、C1〜C12アルキル、シクロヘキシル、フェニルまたはビフェニルであり、基フェニルおよびビフェニルは、非置換であるか、または1個〜4個の、C1〜C18アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシで置換されており;
1がn=2の場合、C6〜C10アルキレンまたは
Figure 0004949025
であり;R3は、C1〜C12アルキル、シクロヘキシル、フェニルまたはビフェニルであり、基フェニルおよびビフェニルは、非置換であるか、または1個〜4個の、C1〜C8アルキルおよび/もしくはC1〜C8アルコキシで置換されており;
Qは、単結合または−O−であり、また、R4およびR5は水素である。
上記の方法において強調される化合物は、R2が、2,6−または2,4,6−位においてC1〜C4アルキルおよび/またはC1〜C4アルコキシで置換されているフェニルである、式Iの化合物である。
上記の方法において特に好ましく使用される式Iの化合物は、nが1である化合物である。
残基「Hal」は、好ましくはクロロである。
上記の方法において他の好ましい式Iの化合物は、mが数の2として定義される化合物、すなわち、ビスアシルホスファン、ビスアシルホスファンオキシド、またはビスアシルホスファンスルフィドである。
好ましい方法は、式Iにおいて、nが1であり、mが1または2であり、R1が非置換であるか、またはC1〜C4アルキルもしくはC1〜C8アルコキシで置換されているフェニルであるか、あるいはR1はC1〜C12アルキルであり;R2は、C1〜C18アルキルまたは、ハロゲン、C1〜C4アルコキシもしくはC1〜C4アルキルで置換されているフェニルであり;R3は、非置換であるか、またはC1〜C4アルキル置換フェニルである。
モノ−およびビスアシルホスファンの新規な製造方法において、式IIaの有機ハロゲン化リンまたは式IIbのハロゲン化リンオキシドまたは式IIcのハロゲン化リンスルフィドを、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸のようなプロトン源の存在下に溶媒中で、アルカリ金属とまず反応させる。
この第一工程は、二つの異なる反応タイプ、金属化および還元工程を含む。
金属化は、式IIa、IIbまたはIIcの化合物を、溶媒中でアルカリ金属と反応させることにより行われ、それにより、式V:
Figure 0004949025
の金属化ホスファニドが、環状ホスファン(R1P)、n≧3と共に、中間体として形成される。Meはリチウム、ナトリウムもしくはカリウムまたはリチウムと組み合わせたマグネシウムであり、R1は上で定義されるとおりである
1PHal2から調製されたビスアシルホスファンまたはモノアシルホスファンの製造に対しては、固体または融解形態のアルカリ金属、好ましくはナトリウムを4〜6原子当量、また、(R12PHalから調製されたモノアシルホスファンの製造に対しては、固体または融解形態のアルカリ金属を2〜3原子当量使用することが有用である。アルカリ金属が高度に分散されていることは不必要である。
触媒量のアルカリもしくはアルカリ土類水酸化物またはNa、KもしくはLiアルコラートまたはアルコール、好ましくは立体障害アルコールが、金属化工程の前またはその間に添加される。
さらに、触媒量のアルカリおよび/またはアルカリ土類金属および/または立体障害アルコールが、金属化工程の前またはその間に添加される。
触媒量とは、有機リン化合物IIa、IIbまたはIIcに対して、0.1〜50モル%をいう。
反応は、アレーン溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、o−、m−またはp−キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジフェニルエタン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、イソプロピルベンゼン(クモール)またはそれらの混合物中で行われる。
反応温度は、好ましくは、ナトリウムの融解温度より上である。反応混合物を攪拌することが推奨される。
還元は、中間体Vおよび/または(R1P)、n≧3を、金属化工程からの残余のアルカリ金属の存在下に、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸のようなプロトン源と反応させることにより行われ、それにより、プロトン化されたおよび/または金属化されたホスファン(IId)ならびにプロトン化されたおよび/または金属化されたジホスファン(IIe)R−P(H,Me)−P(H,Me)−R1が、異なる中間工程を経て、主たる成分として形成される。
Figure 0004949025
(R1、R3、Me、mおよびnは上記の意味を有する)。
ジホスファン(IIe)の量は、金属化工程の前、間または後に上記の触媒を適切に添加することにより影響される。好ましい触媒は、例えば、有機リン化合物IIa、IIbまたはIIcに対して、0.1〜10モル%の量のアルカリまたはアルカリ土類水酸化物である。他の好ましい触媒は、例えば、IIa、IIbまたはIIcに対して、5〜50モル%の量の、Li、NaまたはKアルコラート、好ましくは立体障害アルコールのアルコラート、最も好ましくはKOHおよび立体障害K−アルコラートである。
さらなる実施態様において、方法は、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸のようなプロトン源の存在下に、式(R12−P−P(R12のジホスファンまたは式[R1P]nのポリホスファン(ここで、R1は上で定義されたとおりであり、nは≧3である)を、金属、好ましくはナトリウムでのバーチ様の還元(birch-like reduction)をすることで始まり、式R1PH2または(R12PHのホスファンが得られる。ホスファンは、次いで、酸ハロゲン化物または求電子性化合物R3−Halと反応させる。
上記の式(R12−P−P(R12のジホスファンまたは式[R1P]nのポリホスファンは、R1PHal2を、例えばトルエン等の有機溶媒中、場合により、例えばN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)等の活性化剤の存在下に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と反応させるか、あるいは溶媒の存在下に、R1PHal2を活性亜鉛と反応させることにより、国際出願PCT/EP03/50873に記載のように調製することができる。
還元工程は、この工程が全方法の改善された選択性に大きく関わることが示されたので、上記の新規な方法における本質的な特徴である。
還元工程は、活性化剤、例えばアミン(トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン)または例えばTMEDA=N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等のポリアミンの存在下に行うことができる。
1〜2当量の、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸のようなプロトン源を使用することが有用である。溶媒は、好ましくは、金属化工程においてと同様である。
反応温度は、好ましくは、−20℃〜+160℃、例えば、80℃〜140℃である。
上記のように得られたプロトン化されたおよび/または金属化されたホスファン(IId)および(IIe)は、次の反応工程において、酸ハロゲン化物(III、III’、III”、III’”)または求電子性化合物R3−Halと反応させて、モノ−またはビスアシルホスファン(I、I’、I”、I’”)とする。
さらに、金属化ホスファニド(V)または(V)と環状ホスファン(R1P)、n≧3との混合物を、酸ハロゲン化物(III、III’、III”、III’”)または求電子性化合物R3−Halと直接反応させて、モノ−またはビスアシルホスファン(I、I’、I”、I’”)とすることも可能である。
使用される溶媒は、例えば、第一工程のために上で使用したものと同様である。しかし、第一工程で使用した溶媒を留去し、残渣を他の溶媒中に取り、次いで、それをさらに処理することも可能である。前の工程と同じ溶媒中、好ましくはキシレンまたはトルエン中で行うことが好ましい。
還元工程中にまたはその後に、極性または双極性共溶媒を反応混合物に添加することが可能である。そのような溶媒は、ジメチルアセトアミド(DMA)、n−メチルピロリドン(NMP)のような直鎖状または環状のアミド、1,3−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)のような環状尿素、ジグライムおよびジメトキシエタン(DME)のような直鎖状または環状のグリコールである。
酸ハロゲン化物との反応の反応温度は、−20℃〜+80℃の範囲が有用である。
式Iのモノ−またはビスアシルホスファンは、当業者に公知である慣用の技術的方法、例えば、ろ過、エバポレーションまたは蒸留により単離することができる。同様に、精製の慣用の方法、例えば、結晶化、蒸留またはクロマトグラフィーが使用できる。
しかしながら、ホスファンは、単離することなく、対応するモノ−もしくはビスアシルホスファンオキシドまたはモノ−もしくはビスアシルホスファンスルフィドへと反応させることもできる。
本発明の方法を用いて、モノ−およびビスアシルホスファンを一緒に、一つの反応工程で製造することも可能である。
使用される置換基に応じて、非対称化合物がこの新規な方法により形成される。
モノアシルホスファンオキシドは、n=1およびm=1である式Iの化合物に対応する、式I’の化合物である。
Figure 0004949025
残基R1およびR3は、同一でも異なっていてもよい。
ビスアシルホスファンオキシドは、n=1およびm=2である式Iの化合物に対応する、式I’”の化合物である。
Figure 0004949025
残基R1およびR2’は、同一でも異なっていてもよい。
この新規な方法を用いて、さらに、脂肪族および芳香族モノアシルホスファンの混合物あるいは脂肪族および芳香族ビスアシルホスファンの混合物を製造することも可能である。
必要ならば、全ての混合物を、この技術分野で慣用される方法により分離してもよく、あるいはそれらは、そのままでさらに使用してもよい。
本発明は、また、モノ−およびビスアシルホスファンオキシドまたはモノ−およびビスアシルホスファンスルフィドの製造方法に関する。この方法は、まず、上記のように行われ、モノ−またはビスアシルホスファン(I)が製造される。粗反応生成物(I)は、次いで、精製することなく引き続き処理され、付加的な反応工程が、粗生成物の溶液を用いて、ホスファン(I)を単離することなく行われる。必要であれば、例えば、モノ−またはビスアシルホスファンを含む溶液を濃縮し、残渣を新規な溶媒に入れることにより、溶媒を変えてもよい。当然のことながら、式(I)の化合物の上記の分離していない混合物をさらに反応させて、対応するオキシドまたはスルフィドにすることも可能である。
酸化工程の前に、代表的な無機酸および/または有機酸あるいは緩衝液系を添加することにより、反応混合物のpHを、pH2〜8、好ましくはpH3〜6に調整することが推奨される。
対応するオキシド(IVa)を製造する場合、ホスファン(I)の酸化は、この技術分野で慣用される酸化剤を用いて行われる:
Figure 0004949025
適切な酸化剤は、特に、過酸化水素および有機ペルオキシ化合物、例えば、過酢酸もしくはt−ブチルヒドロペルオキシド、空気または純酸素である。
酸化は、通常、溶媒中で行われる。好適な溶媒は、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼンもしくはメシチレン、または脂肪族炭化水素、例えばアルカン類およびアルカン混合物、例えば、石油エーテル、ヘキサンもしくはシクロヘキサンである。酸化の間、反応温度は、0〜120℃、好ましくは20〜80℃の範囲に維持することが好ましい。
反応生成物(IVa)は、当業者に公知の慣用の処理方法により、単離し、精製することができる。
対応するスルフィド(IVb)は、硫黄との反応により製造される:
Figure 0004949025
モノ−またはビスアシルホスファン(I)は、この場合、物質中で、あるいは適当な場合には、適切な不活性有機溶媒中で、当量〜2倍モル量の単体硫黄と反応させる。好適な溶媒は、例えば、酸化反応について記載した溶媒である。しかしながら、例えば、脂肪族または芳香族エーテル、例えばジブチルエーテル、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテルまたはジフェニルエーテルを、20〜250℃、好ましくは60〜120℃の温度範囲で使用することも可能である。得られたモノ−もしくはビスアシルホスファンスルフィドまたはその溶液は、通常、ろ過により、残存する単体硫黄から有効に分離される。溶媒除去後、モノ−またはビスアシルホスファンスルフィドは、蒸留、クロマトグラフィーまたは再結晶により、純粋な形態で単離することができる。
上記のように、酸化あるいはスルフィドへの反応に、式Iの化合物の混合物を使用することも可能である。対応して得られるオキシドまたはスルフィド混合物は、この技術分野で慣用される方法により分離するか、あるいは混合物として使用することができる。
上記の反応の全ては、不活性気体雰囲気で、例えば、窒素下またはアルゴン下で、空気を排除して行うのが有効である。それぞれの反応混合物は、また、攪拌することが有効である。
出発原料として使用される酸ハロゲン化物(III、III’、III”、III’”)または求電子性化合物R3−Halは、公知物質であり、そのいくつかは、市販されており、あるいは公知化合物に類似の方法で製造することができる。
ハロゲン化リン(II)の製造は、また、多くの出版物に記載されており、その中の記述と類似の方法で行うことができる。J. Chem. Soc. (1935), 462およびJ. Chem. Soc. (1944), 276において、W. Daviesは、例えば、三塩化アルミニウムの存在下での、アリーレンと三塩化リンとの反応による塩化アリールリンの製造を開示している。F. Nief, Tetrahedron 47 (1991) 33, 667またはTh. Knapp, Tetrahedron 40 (1984) 4, 76によれば、ハロゲン化アリールとマグネシウムおよび三塩化リンとのグリニャール反応が、他の可能な方法である。S. Metzger, J. Org. Chem. 29 (1964), 627によれば、塩化アルキルリンが同じ方法で入手可能である。Helv. Chim. Act. 36 (1953), 1353), 1314において、Th. Weilは、ハロゲン化アリールまたはハロゲン化アルキルとマグネシウムとの反応と、その後の塩化亜鉛との反応および引き続く三塩化リンとの反応を記載している。ハロゲン化アリールとブチルリチウムおよび三塩化リンとの反応で対応する塩化アリールリンとすることが、JACS 96 (1974), 5398においてG. Whitesidesにより開示されている。Th. Knapp, Tetrahedron 40 (1984) 4, 765によれば、ハロゲン化アリールマグネシウムと塩化ビス(ジメチルアミノ)リンとの反応とその後の塩酸との反応は、所望の出発原料を与える。A. Burg, 米国特許第2934564号明細書によれば、同じ方法が、同様に、対応する塩化アルキルリンの製造に使用することができる。
個々の処理工程は、対応する中間体の単離および精製を必要とすることなく、順次直接行うことができるということが、本新規方法の特徴である。
対応するホスファンの製造方法において記載されたもののような混合物が、モノ−もしくはビスアシルホスファンオキシドまたはモノ−もしくはビスアシルホスファンスルフィドの上記の製造方法において、同様に生成されるか、あるいは特異的に製造される可能性がある。そのような混合物は、この技術分野で公知の方法により分離することができるか、あるいは混合物の形態で引き続き使用することができる。
本新規方法により入手可能なホスファンは、対応するホスファンオキシドおよびホスファンスルフィドの製造に重要なエダクトである。ホスファンオキシドおよびホスファンスルフィドは、技術的に、光重合反応における開始剤として使用される。
以下の例は、本発明をより詳細に説明するが、本発明をそれらの実施例に限定することを意図するものではない。以下の記載および特許請求の範囲において、特記しない限り、部またはパーセントは重量によるものである。
実施例
一般的溶媒は、受理したままで(処理することなく)、またはモレキュラーシーブ上でまたは共沸蒸留により乾燥して、使用される。反応の経過は、31P−NMR分光法によりモニターされる。
実施例1
表1〜8に収載された実験の基本的な手順:tert−ブタノールをプロトン源として用いるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
Figure 0004949025

式I’”、R1=フェニル、R2、R2’=メシチル;
a)トルエン中98〜110℃でのP,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム塊(20.61g、0.896モル)を、トルエン(870g)中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が98℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィン(40.10g、0.224モル)を、激しく攪拌しながら、1時間かけて滴下した。さらに16時間加熱攪拌すると、黄色析出物が生成した。
b)プロトン化/還元
黄色析出物を、98〜110℃で1時間かけてtert−ブタノール(33.20g、0.448モル)で滴下処理した。全てのナトリウムが使い尽くされるまで(約1時間)、還流下に攪拌を続けた。
c)アシル化
得られた希薄な、黄色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(82.12g、0.450モル)を、温度が35〜37℃に保たれるような速度で添加した。その後、混合物をさらに1時間、35〜37℃で攪拌した。
d)30%H22を用いる、40〜50℃での酸化
得られた希薄な、淡黄色懸濁液に、30%過酸化水素(76.16g、0.672モル)を、温度が40〜45℃に保たれるような速度で滴下した。攪拌を40〜50℃で2時間続けた。淡黄色懸濁液を250gの5%水性NaHCO3で処理し、次いで、40〜50℃で5分間攪拌した。2相を分離し、有機相を水(2×250g)で洗浄した。トルエンを蒸発後、ヘプタン(150g)を加え、混合物を80℃まで加熱し、次いで、室温に冷却した。得られた固体を集め、ヘプタン(2×60g)で洗浄した。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド71.0g(75.7%)が、融点130〜131℃の淡黄色粉末として得られた。
以下の表中に、実施例1に記載の手順に基づいて行われる、典型的な実験の条件と結果がまとめられている。各々の表のヘッダーに示された合成工程における条件の変動は、実施例1に記載の四つの工程a)〜d)に関連する。
略号
Conc.:濃度[モルPhPCl2/金属化反応の全重量(kg)];TMBCl=塩化1,3,5−トリメチルベンゾイル;試薬(Naなど)の当量(eq.)は、PhPCl2(モル)の使用量に関するものである。
全般
表2〜8中のビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの収率は、粗単離生成物の1H−NMRスペクトルから計算される。いくつかの場合に、収率は、ヘプタンからの再結晶またはフラッシュクロマトグラフィーを経由する純粋なビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド生成物の単離により、さらに確認される。
Figure 0004949025
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Figure 0004949025
Figure 0004949025
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実施例2
TMEDA、およびプロトン源としてのtert−ブタノールを用いるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
a)P,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム塊(20.61g、0.896モル)を、トルエン(870g)とTMEDA(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)(31.23g、0.268モル)の混合物中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が98℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィン(40.10g、0.224モル)を、激しく攪拌しながら、1時間かけて滴下した。さらに22時間加熱攪拌すると、黄色析出物が得られた。
b)プロトン化/還元
黄色析出物を、98〜110℃で1時間かけてtert−ブタノール(33.20g、0.448モル)で滴下処理した。全てのナトリウムが使い尽くされるまで、還流下に攪拌を続けた。
c)アシル化およびTMEDAの中和
得られた希薄な、黄色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(82.12g、0.450モル)を、温度が35〜37℃に保たれるような速度で添加した。その後、混合物をさらに1時間、35〜37℃で攪拌した。
濃H2SO4(27.46g、0.270モル)を、激しく攪拌しながら室温で、温度が40℃より低い温度に保たれるような速度で滴下した。攪拌を室温で10分間続けた。
d)30%H22を用いる、40〜50℃での酸化
得られた希薄な、淡黄色懸濁液に、30%過酸化水素(76.16g、0.672モル)を、温度が40〜45℃に保たれるような速度で滴下した。攪拌を40〜50℃で1〜2時間続けた。淡黄色懸濁液を250gの5%水性NaHCO3で処理し、次いで、40〜50℃で5分間攪拌した。相を分離し、有機相を水(2×250g)で洗浄した。トルエンを蒸発後、ヘプタン(150g)を加え、混合物を80℃まで加熱し、次いで、室温に冷却した。得られた固体を集め、ヘプタン(2×60g)で洗浄した。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド70.4g(75%)が、融点130〜131℃の淡黄色粉末として得られた。
実施例3
金属化中に触媒量の水酸化ナトリウム、およびプロトン源としてのtert−ブタノールを用いるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
a)トルエン中98〜110℃でのP,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム塊(21.85g、0.940モル)を、水酸化ナトリウム(0.09g)と共に、トルエン(430g)中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が98℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィン(41.80g、0.224モル)を、激しく攪拌しながら、4時間かけて滴下した。全てのP,P−ジクロロフェニルホスフィンが反応するまで(31P−NMRでチェック)、約5時間加熱還流した。
b)プロトン化/還元
得られた緑がかった灰色の懸濁液を、98〜110℃で40分間かけてtert−ブタノール(33.40g、0.448モル)で滴下処理した。全てのナトリウムが使い尽くされるまで(約1時間)、還流下に攪拌を続けた。
c)アシル化
得られた希薄な、黄色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(82.53g、0.448モル)を、温度が35〜37℃に保たれるような速度で添加した。その後、混合物をさらに1時間、35〜37℃で攪拌した。
d)30%H22を用いる、40〜50℃での酸化
得られた希薄な、黄橙色懸濁液に、30%過酸化水素(30.50g、0.268モル)を、温度が75〜80℃に保たれるような速度で滴下した。攪拌を80℃で1〜2時間続けた。淡黄色懸濁液を150gの1%水性NaHCO3で処理し、次いで、65〜70℃で15分間攪拌した。2相を分離し、有機相を水(3×80g)で洗浄した。トルエンを蒸発後、ヘプタン(150g)を加え、混合物を98℃まで加熱し、15分間攪拌し、次いで、室温に冷却した。得られた固体を集め、ヘプタン(2×60g)で洗浄した。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド73.8g(78%)が、融点130〜131℃の淡黄色粉末として得られた。
実施例4
金属化中に触媒量の3−メチル−3−ペンタノール、およびプロトン源としての3−メチル−3−ペンタノールを用いるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
a)トルエン中98〜110℃でのP,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム塊(23.40g、1.008モル)を、3−メチル−3−ペンタノール(0.26g)と共に、トルエン(280g)中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が98℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィン(44.50g、0.246モル)を、激しく攪拌しながら、4.5時間かけて滴下した。全てのP,P−ジクロロフェニルホスフィンが反応するまで(31P−NMRでチェック)、約1時間加熱還流を続けた。
b)プロトン化/還元
得られた緑がかった灰色の懸濁液を、98〜110℃で40分間かけて3−メチル−3−ペンタノール(53.60g、0.514モル)で滴下処理した。全てのナトリウムが使い尽くされるまで(約1時間)、還流下に攪拌を続けた。
c)アシル化
得られた希薄な、黄色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(91.62g、0.492モル)を、温度が35〜37℃に保たれるような速度で添加した。その後、混合物をさらに1時間、35〜37℃で攪拌した。
d)30%H22を用いる、40〜50℃での酸化
得られた希薄な、黄橙色懸濁液に、まず、H2O(125g)を室温、10分間で滴下した。反応混合物を60℃に加熱し、続いて、30%過酸化水素(30.62g、0.270モル)を、温度が75〜80℃に保たれるような速度で滴下した。攪拌を80℃で30分間続け、水相を50℃で分離した。淡黄色懸濁液を77gの1%水性NaHCO3で処理し、次いで、40〜50℃で5分間攪拌した。2相を分離し、有機相を水(3×36g)で洗浄した。トルエンおよび3−メチル−3−ペンタノールを蒸発後、ヘプタン(132g)を加え、混合物を80℃まで加熱し、15分間攪拌し、次いで、室温まで徐々に冷却した。得られた固体を集め、ヘプタン(2×25g)で洗浄した。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド77.6g(75.4%)が、融点130〜131℃の淡黄色粉末として得られた。
実施例5
金属化中に触媒量のカリウムtert−ブトキシド、およびプロトン源としての3−メチル−3−ペンタノールを用いるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
a)トルエン中98〜110℃でのP,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム塊(22.66g、0.984モル)を、カリウムtert−ブトキシド(2.77g、0.024モル)と共に、トルエン(280g)中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が98℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィン(44.50g、0.246モル)を、激しく攪拌しながら、9時間かけて滴下した。全てのP,P−ジクロロフェニルホスフィンが反応するまで(31P−NMRでチェック)、15分間加熱還流を続けた。
b)プロトン化/還元
得られた黄色の懸濁液を、98〜110℃で1時間かけて3−メチル−3−ペンタノール(51.29g、0.492モル)で滴下処理した。全てのナトリウムが使い尽くされるまで(約1時間)、還流下に攪拌を続けた。
c)アシル化
得られた希薄な、黄色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(91.62g、0.492モル)を、温度が35〜37℃に保たれるような速度で添加した。その後、混合物をさらに1時間、35〜37℃で攪拌した。
d)30%H22を用いる、40〜50℃での酸化
得られた希薄な、黄橙色懸濁液に、H2O(125g)を室温、10分間で滴下した。反応混合物を60℃に加熱し、続いて、30%過酸化水素(30.62g、0.270モル)を、温度が75〜80℃に保たれるような速度で添加した。攪拌を80℃で2時間続け、続いて水相を50℃で分離した。得られた淡黄色相を77gの1%水性NaHCO3と共に、40〜50℃で5分間攪拌した。2相を分離し、有機相を水(3×36g)で洗浄した。トルエンおよび3−メチル−3−ペンタノールを蒸発後、ヘプタン(132g)を加え、混合物を80℃まで加熱し、15分間攪拌し、次いで、室温まで徐々に冷却した。得られた固体を集め、ヘプタン(2×25g)で洗浄した。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド80.3g(78%)が、融点130〜131℃の淡黄色粉末として得られた。
実施例6
金属化中に触媒量のカリウムtert−ブトキシド、およびプロトン源としての3−メチル−3−ペンタノールを用いるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
a)トルエン中110℃でのP,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、カリウムtert−ブトキシド(2.84g、24.6ミリモル)をトルエン(280g)と共に室温にて短時間攪拌した。攪拌を止め、小さなナトリウム塊(23.51g、1.021モル)を添加した。反応混合物を、攪拌せずに、105℃に加熱し、全てのナトリウムが融解するまでこの温度に保った。次いで、激しい攪拌を開始し、微細なナトリウム懸濁液が生成するまで続けた。P,P−ジクロロフェニルホスフィン(44.47g、0.246モル)を、激しく攪拌しながら、9時間かけて懸濁液に滴下した。全てのP,P−ジクロロフェニルホスフィンが反応するまで(31P−NMRでチェック)、15分間加熱を続けた。
b)プロトン化/還元
得られた黄色の懸濁液を、110℃で4時間かけて3−メチル−3−ペンタノール(55.14g、0.529モル)で滴下処理した。全てのナトリウムが使い尽くされるまで(約15分間)、攪拌を続けた。
c)アシル化
得られた淡黄色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(91.7g、0.492モル)を、35〜37℃の温度で3時間かけて添加した。その後、混合物をさらに1時間、35〜37℃で攪拌した。
d)30%H22を用いる、40〜50℃での酸化
得られた希薄な、黄色懸濁液に、H2O(155g)を35〜37℃、30分間で滴下した。次いで、水相を反応混合物から分離し、続いて、追加量のH2O(45g)で処理した。35〜37℃で5分間攪拌後、反応混合物を60℃に加熱し、続いて、30%過酸化水素(27.86g、0.246モル)を2時間で、温度が78〜82℃に保たれるような速度で添加した。攪拌を78〜82℃で2時間続け、続いて水相を65〜70℃で分離した。得られた淡黄色有機相を、65〜70℃で水(3×36g)で洗浄した。トルエンおよび3−メチル−3−ペンタノールを蒸発後、78〜82℃にて1時間でヘプタン(100g)を加え、混合物を攪拌下に、室温までゆっくり冷却した。得られた固体を集め、ヘプタン(2×25g)で洗浄した。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド80g(78%)が、融点130〜131℃の淡黄色粉末として得られた。
実施例7
金属化中に3−メチル−3−ペンタノールと共に触媒量の水酸化カリウム、およびプロトン源としての3−メチル−3−ペンタノールを用いるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
a)トルエン中98〜110℃でのP,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム塊(22.85g、0.984モル)を、水酸化カリウム(1.61g、24.6ミリモル)および3−メチル−3−ペンタノール(2.54g、24.6ミリモル)と共に、トルエン(280g)中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が98℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィン(44.93g、0.246モル)を、激しく攪拌しながら、2時間かけて滴下した。全てのP,P−ジクロロフェニルホスフィンが反応するまで(31P−NMRでチェック)、1時間加熱還流を続けた。
b)プロトン化/還元
得られた橙色の懸濁液を、98〜110℃で1時間かけて3−メチル−3−ペンタノール(50.78g、0.492モル)で滴下処理した。全てのナトリウムが使い尽くされるまで(約1時間)、還流下に攪拌を続けた。
c)アシル化
得られた希薄な、黄色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(91.62g、0.492モル)を、温度が35〜37℃に保たれるような速度で添加した。その後、混合物をさらに1時間、35〜37℃で攪拌した。
d)30%H22を用いる、40〜50℃での酸化
得られた希薄な、黄橙色懸濁液に、H2O(125g)を室温にて10分間で滴下した。反応混合物を、30%過酸化水素(41.83g、0.369モル)で、温度が40〜50℃に保たれるような速度で処理した。攪拌を70℃で1時間続け、水相を室温で分離した。得られた淡黄色懸濁液を150mlの5%水性NaHCO3、次いで100mlの水で2回洗浄した。合わせた水相をトルエン(100ml)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し、トルエンと3−メチル−3−ペンタノールを蒸発して、黄色固体(98.0g)を得た。ヘプタン(132g)を加え、混合物を80℃まで加熱し、15分間攪拌し、次いで、ゆっくりと室温まで冷却した。得られた固体を集め、ヘプタン(2×40g)で洗浄した。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド79.3g(77%)が、融点130〜131℃の淡黄色粉末として得られた。
実施例8
金属化中に触媒量のカリウム、およびプロトン源としての3−メチル−3−ペンタノールを用いるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
a)トルエン中98〜110℃でのP,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム塊(22.60g、0.984モル)およびカリウム塊(0.96g、24.6ミリモル)を、3−メチル−3−ペンタノール(0.25g、2.46ミリモル)と共に、トルエン(280g)中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が98℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム/カリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィン(44.50g、0.246モル)を、激しく攪拌しながら、4時間かけて滴下した。全てのP,P−ジクロロフェニルホスフィンが反応するまで(31P−NMRでチェック)、約2時間加熱還流を続けた。
工程b)〜d)は、実施例4に記載したように行った。
実施例9
アシル化工程中に3−メチル−3−ペンタノールを部分除去しての、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
a)トルエン中98〜110℃でのP,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、トルエンで3回洗浄したナトリウム塊(22.99g、0.984モル)を、カリウムt−ブトキシド(2.77g、0.024モル)と共に、トルエン(280g)中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が100℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィン(44.50g、0.246モル)を、激しく攪拌しながら、3〜4時間かけて滴下した。全てのP,P−ジクロロフェニルホスフィンが反応するまで(31P−NMRでチェック)、1時間15分加熱還流を続けた。
b)プロトン化/還元
得られた黄色の懸濁液を、98〜110℃で1時間15分かけて3−メチル−3−ペンタノール(51.29g、0.492モル)で滴下処理した。全てのナトリウムが使い尽くされるまで(1時間30分)、還流下に攪拌を続けた。得られた希薄な、黄色懸濁液を、室温でアルゴン下に一晩保持した。
c)アシル化
塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(45.81g、0.246モル)を黄色懸濁液に、温度が35〜37℃に保たれるような速度で添加した(50分)。ここで、以下の手順を5回繰り返した:a)トルエンの添加、b)減圧下(280mbar)に65〜75℃で反応混合物からトルエン/3−メチル−3−ペンタノールの混合物の蒸留(添加したトルエンの全量:830ml;除去した液体の全量:830ml)。さらに1当量の塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(45.81g、0.246モル)を黄色懸濁液に、温度が35〜37℃に保たれるような速度で添加した(2時間20分)。その後、混合物をさらに35分間、35〜37℃で攪拌した。
d)30%H22を用いる、40〜50℃での酸化
得られた希薄な、黄橙色懸濁液に、H2O(125g)を室温で5分間、滴下した。反応混合物を60℃まで加熱し、続いて、30%過酸化水素(41.9g、0.370モル)を、温度が75〜80℃に保たれるような速度で添加した。攪拌を70℃で1時間15分続けた。反応混合物を150mlの5%NaHCO3で1回、次いで150mlの水で2回抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、蒸発して、黄色油状体(103g)を得た。粗物質をヘプタン(132ml)から結晶化すると、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド80.5g(77%)が、淡黄色粉末として得られた。
実施例10
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシドの製造
Figure 0004949025

式I’”、R1=2,4−ジペントキシフェニル、R2、R2’=メシチル;
a)トルエン中98〜110℃でのP,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、トルエンで3回洗浄したナトリウム塊(3.1g、135ミリモル)を、カリウムt−ブトキシド(0.39g、34.0ミリモル)と共に、トルエン(130g)中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が100℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、トルエン20ml中に溶解したP,P−ジクロロ−2,4−ジペントキシフェニルホスフィン(11.87g、34.0ミリモル)を、激しく攪拌しながら、3〜4時間かけて滴下した。17時間加熱還流を続けた。
b)プロトン化/還元
得られた濃紫色の懸濁液を、98〜110℃で1時間かけて3−メチル−3−ペンタノール(6.91g、68ミリモル)で滴下処理した。全てのナトリウムが使い尽くされるまで(24時間)、還流下に攪拌を続けた。
c)アシル化
得られた灰色/黒色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(12.34g、68ミリモル)を、温度が35〜37℃に保たれるような速度で添加した。その後、混合物をさらに1時間、35〜37℃で攪拌した。
d)30%H22を用いる、40〜50℃での酸化
得られた緑色/黒色懸濁液に、H2O(10g)を50℃で5分以内に滴下した。反応混合物を50〜60℃に保ち、続いて、30%過酸化水素(5.73g、51ミリモル)を、温度が50〜60℃に保たれるような速度で添加した。攪拌を50〜60℃で1時間続けた。反応混合物を5%水性NaHCO3で1回および水で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、蒸発して、黄色油状体24.0gを得た。粗物質1gを分取液体クロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル60:40)で精製した。蒸発後、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシド230mgが、黄色油状体として得られた。標題生成物の算出された全体を通しての収率は、28%であった。
実施例11
I)ペンタフェニルシクロペンタホスファン(PhP)5の製造
(PhP)5は、トルエン/TMEDAの混合物中にナトリウム断片を懸濁し、P,P−ジクロロフェニルホスフィンを添加することにより、国際特許出願PCT/EP03/50873に記載のようにして製造した。
II)tert−ブタノールをプロトン源とする、ペンタフェニルシクロペンタホスファン(PhP)5からのビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
a)ペンタフェニルシクロペンタホスファン(PhP)5の金属化とプロトン化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、(PhP)5(0.26g、0.48ミリモル)を乾燥トルエン30mlに溶解した。ナトリウム塊(0.11g、4.8ミリモル)を室温で加え、混合物を、ナトリウムが融解するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。得られた懸濁液を、98〜110℃で、tert−ブタノール(0.356g、4.8ミリモル)で処理した。全ての(PhP)5が使用し尽され、PhPH2が生成するまで、加熱還流を続けた。アシル化と酸化は、実施例1に記載したように行った。
実施例12
I)式[Na(dme)3+[Na5(P2Ph23(dme)3-の(ジフェニルジホスファンジイド)二ナトリウムの製造
式[Na(dme)3+[Na5(P2Ph23(dme)3-の(ジフェニルジホスファンジイド)二ナトリウムは、トルエン/DMEの混合物中にナトリウム断片を懸濁し、P,P−ジクロロフェニルホスフィンを添加することにより、国際特許出願PCT/EP03/50873に記載のようにして製造した。
II)[Na(dme)3+[Na5(P2Ph23(dme)3-のアシル化
結晶[Na(dme)3+[Na5(P2Ph23(dme)3-(3g)をトルエン(20mL)に懸濁し、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(1.5倍過剰)を、反応温度が40℃を超えないようにして添加した。NaClが直ちに析出することが観察された。淡黄色の溶液は、60モル%のアシル化生成物と40モル%のシクロオリゴホスファンを含んでいた。アシル化生成物の画分は、約60モル%PhP(COMes)2、30モル%のPh22(COMes)2、および10モル%の(PhPCOMes)-の2:1のモル比の(E,Z)−異性体からなるものであった。シクロホスファンの画分は、85モル%の(PhP)5および15モル%の(PhP)4よりなるものであった。
実施例13
プロトン源なしでのビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
a)P,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム塊(2.58g、112ミリモル)を、トルエン(17.4g)およびTMEDA(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)(1.62g、14.0ミリモル)の混合物中に室温で懸濁した。この混合物を、ナトリウムが融解するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィン(5g、28ミリモル)を、激しく攪拌しながら、1時間かけて滴下した。さらに2.5時間加熱還流すると、緑色/黄色懸濁液が得られた。
b)アシル化
得られた希薄な、緑色/黄色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(10.2g、56ミリモル)を、0〜10℃で添加した。その後、混合物をさらに1.5時間、0〜10℃で攪拌した。
c)30%H22を用いる、80℃での酸化
30%過酸化水素(6.0g、53ミリモル)を、得られた懸濁液に室温で滴下した。
混合物を80℃に加熱し、攪拌を1〜2時間続けた。淡黄色懸濁液を水(2×50g)で洗浄した。トルエンを蒸発後、ヘプタン(35g)を加え、混合物を80℃まで加熱し、次いで、室温まで冷却した。得られた固体を集め、ヘプタン(2×15g)で洗浄した。ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド3.75g(32%)が、融点130〜131℃の淡黄色粉末として得られた。
実施例14
P,P−ジクロロフェニルホスフィンオキシドを出発原料とするビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
a)P,P−ジクロロフェニルホスフィンオキシドの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム塊(2.3g、0.10モル)を、キシレン(50ml)およびTMEDA(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)(1.47g、12.5ミリモル)の混合物中に室温で懸濁した。この混合物を、ナトリウムが融解するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、105〜110℃に加熱した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィンオキシド(4.87g、25.0ミリモル)を、激しく攪拌しながら、10分間かけて滴下した。さらに23時間加熱還流すると、黄色析出物が得られた。
b)アシル化
得られた黄色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(9.13g、50ミリモル)を、5℃で20分間かけて添加した。その後、混合物をさらに2時間、30℃で攪拌した。
c)過酸化水素での酸化は、実施例1に記載のように行った。
実施例15
(E,Z)−ナトリウム−フェニルホスファ−2,4,6−トリメチルベンゾイルエノラートの製造
Figure 0004949025
a)トルエン中98〜110℃でのP,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム塊(6.78g、0.295モル)を、カリウムt−ブトキシド(827mg、7.37ミリモル)と共に、トルエン(100ml)中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が98℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィン(13.2g、73.7ミリモル)を、激しく攪拌しながら、2時間で添加した。添加の間、反応混合物の色は、黄色から、橙色へ、淡黄色へ、次いで、灰色へ変化した。全てのP,P−ジクロロフェニルホスフィンが反応するまで(31P−NMRでチェック)、6時間加熱還流を続けた。
b)プロトン化/還元
得られた緑黄色懸濁液を、98〜110℃で3時間かけて、トルエン(10ml)中でtert−ブタノール(14ml)で滴下処理した。2時間、還流下に攪拌を続けた。
c)アシル化
得られた淡黄色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(12.11g、66.3ミリモル、0.9eq.)を添加した。懸濁液をろ過し、トルエン(10ml)で洗浄し、ろ液の体積を溶媒の蒸発によって半分に減少させた。淡黄色固体を−18℃で一晩析出させた。固体を分離し、ヘキサン(20ml)で洗浄し、次いで、減圧下に12時間乾燥して、生成物9.13gを得た。繰り返し析出により、さらに生成物3.72gをろ液から単離した。1H−NMRに従えば、生成物は、(Z)−エノラート/(E)−エノラート/tert−ブタノール2:1:2の混合物((Z)−エノラートが暫定的に主異性体とされた)からなるものであった。
Figure 0004949025
実施例16
2,4,6−トリメチルベンゾイル−2,6−ジメトキシベンゾイル−フェニルホスフィンオキシドの製造
Figure 0004949025

式I’”、R1=フェニル、R2=メシチル、R2’=2,6−ジメトキシ;
a)トルエン中98〜110℃でのP,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム塊(6.28g、0.270モル)を、カリウムt−ブトキシド(782mg、6.76ミリモル)と共に、トルエン(150ml)中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が98℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、P,P−ジクロロフェニルホスフィン(12.10g、67.6ミリモル)を、激しく攪拌しながら、2時間で滴下した。全てのP,P−ジクロロフェニルホスフィンが反応するまで(31P−NMRでチェック)、3時間加熱還流を続けた。
b)プロトン化/還元
得られた黄色懸濁液を、98〜110℃で35分かけて、3−メチル−3−ペンタノール(13.95g、135.2ミリモル)で滴下処理した。全てのナトリウムが使い尽くされるまで(約1.5時間)、還流下に攪拌を続けた。
c)アシル化
得られた希薄な黄色懸濁液に、トルエン(20ml)中の塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(10.45g、56.1ミリモル)を、温度が35〜37℃に保たれるような速度で、添加した。その後、混合物を1時間30分、35〜37℃で攪拌した。トルエン(20ml)中の塩化2,6−ジメトキシベンゾイル(12.51g、56.1ミリモル)を室温で10分以内に添加し、攪拌を1時間30分続けた。
d)30%H22を用いる、室温での酸化
得られた黄橙色懸濁液に、室温で水性2M HCl(7ml)をまず滴下した。その後、30%過酸化水素(76.16g、0.672モル)を、温度が35℃より低い温度に保たれるような速度で添加した。攪拌を室温で2時間続けた。淡黄色懸濁液を、42gの5%水性5%NaHCO3で、次いで水(2×60ml)で洗浄し、水相をトルエン(60ml)で再抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥し、減圧下に濃縮して、黄色固体を得た。結晶化(ヘキサン/アセトン2:1)すると、2,4,6−トリメチルベンゾイル−2,6−ジメトキシベンゾイル−フェニルホスフィンオキシド13.4g(46%)が、淡黄色粉末として得られた。
Figure 0004949025
実施例17
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ピバロイル−フェニルホスフィンオキシドの製造
Figure 0004949025

式I’”、R1=フェニル、R2=メシチル、R2’=tert−ブチル;
a)P,P−ジクロロフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム片(2.07g、90.3ミリモル)を、トルエン(100g)とTMEDA(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)(4ml)の混合物中に室温で懸濁した。この混合物を、激しい攪拌をしながら、加熱還流した。P,P−ジクロロフェニルホスファン(4.02g、22.4ミリモル)を添加し、懸濁液を、黄色析出物が生成するまで、5時間加熱還流した。
b)プロトン化/還元
アルゴン雰囲気により水分を排除し、tert−ブタノール(3.32g、44.8ミリモル)を100℃で1時間かけて添加し、黄色析出物を溶解させた。得られた黄色析出物を、全てのナトリウムが使い尽くされるまで、さらに還流下に攪拌した。
c)アシル化およびTMEDAの中和
黄色懸濁液に、トルエン(15ml)中の塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(4.09g、22.4ミリモル)を、攪拌下に添加した。反応温度を室温に保持した。その後、混合物をさらに2時間、室温で攪拌した。塩化ピバロイル(塩化2,2−ジメチルプロピオニル)(2.71g、22.4ミリモル)を室温で攪拌下に滴下した。濃H2SO4(1.48ml、26.7ミリモル)を、45℃より低い温度で滴下した。
d)酸化
得られた懸濁液に、30%過酸化水素(6.9ml、67.6ミリモル)を、温度が55℃より高い温度に上がらないような速度で攪拌下に添加した。攪拌を40〜50℃で1時間続け、その後、水(10ml)を添加した。有機相を分離し、2回水でまた10%NaHCO3で洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥した。蒸発させると、黄色油状体が得られ、これを30mlの石油エーテル(40/70)/酢酸エチル(9:1)に入れた。ろ過後、標題化合物を、融点110〜112℃の黄色固体(5.1g、64%)として得た。
Figure 0004949025
実施例18
2,4,6−トリメチルベンゾイル−2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシドの製造
Figure 0004949025

式I’”、R1=2,4−ジペントキシフェニル、R2=メシチル、R2’=2,6−ジメトキシフェニル;
a)トルエン中98〜110℃でのP,P−ジクロロ−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、トルエンで3回洗浄したナトリウム塊(1.55g、67.6ミリモル)を、水酸化カリウム(粉末)(0.1g、1.7ミリモル)と共に、トルエン(70ml)中に室温で懸濁した。この混合物を、温度が100℃に達するとすぐに開始する激しい攪拌をしながら、加熱還流した。微細なナトリウム懸濁液の生成後、トルエン10mlに溶解したP,P−ジクロロ−2,4−ジペントキシフェニルホスフィン(6.6g、16.9ミリモル)を、激しく攪拌しながら、3〜4時間で滴下した。1時間40分加熱還流を続けた。
b)プロトン化/還元
得られた濃紫色懸濁液を、95〜110℃で40分かけて、3−メチル−3−ペンタノール(3.48g、33.8ミリモル)で滴下処理した。全てのナトリウムが使い尽くされるまで(24時間)、還流下に攪拌を続けた。
c)アシル化
得られた灰色懸濁液に、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル(1.59g、8.7ミリモル)を、温度が35〜40℃に保たれるような速度で添加した(31P−NMRスペクトルはPhPH2のシグナルをもはや示さなかった)。その後、混合物をさらに2時間30分、35〜40℃で攪拌した。塩化2,6−ジメトキシベンゾイル[1.94g、8.7ミリモル;トルエン/テトラヒドロフラン(5ml/1ml)に溶解]を35〜40℃で60分以内に添加し、攪拌を35〜40℃で一晩続けた。得られた反応混合物を、追加量の塩化2,6−ジメトキシベンゾイル[3.77g、16.9ミリモル;トルエン/テトラヒドロフラン(5ml/2ml)に溶解]で、35〜40℃で60分以内処理した。攪拌を、35〜40℃で9時間続けた。
d)テトラヒドロフランの除去−30%H22を用いる、40〜50℃での酸化
得られた灰色懸濁液に、トルエン50mlを添加した。その後、溶媒(テトラヒドロフラン/トルエン混合物)60mlを留去した(100mbar/40〜50℃)。灰色/黄色懸濁液を少量のトルエン(10ml)で希釈し、次いで、50〜60℃で5分以内、H2O(5ml)で滴下処理した。50〜60℃で10分間、攪拌を続け、引き続いて、30%過酸化水素(2.87g、25.4ミリモル)を、温度が、50〜60℃に保たれるような速度で添加した。攪拌を、50〜60℃で40分間続けた。反応混合物を水で希釈し、5%水性NaHCO3で1回、次いで水で2回抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥し、蒸発させると、黄色油状体9.3gを得た。分取液体クロマトグラフィー(ヘプタン/酢酸エチル80:20)でさらに精製すると、純粋な2,4,6−トリメチルベンゾイル−2,6−ジメトキシベンゾイル−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシド1.85g(18%)が、黄色粘稠油状体として得られた。
Figure 0004949025
実施例19
ビス(ピバロイル)フェニルホスフィンオキシドの製造
Figure 0004949025

式I’”、R1=フェニル、R2、R2’=tert−ブチル;
a)ペンタフェニルシクロペンタホスファンの金属化
アルゴン雰囲気により水分を排除し、ナトリウム片(0.64g、30ミリモル)、(PPh)5(1.5g、Pに関して13.88ミリモル)を、トルエン(50ml)とTMEDA(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)(2ml)の混合物中で、黄色析出物が生成するまで、加熱還流した。(PhP)5は、トルエン/TMEDAの混合物中にナトリウム片を懸濁し、P,P−ジクロロフェニルホスファンを添加することにより、国際特許出願PCT/EP03/50873に記載のようにして製造した。
b)プロトン化/還元
アルゴン雰囲気により水分を排除し、tert−ブタノール(2.3g、2.2eq.)を100℃で30分かけて添加し、黄色析出物を溶解させた。得られた黄色析出物を、全てのナトリウムが使い尽くされるまで、さらに還流下に攪拌した。
c)アシル化およびTMEDAの中和
塩化ピバロイル(3.68g、2.2eq.)を、攪拌下に添加した。反応温度を70℃に保持した。濃H2SO4(0.9ml)を、45℃より低い温度で滴下した。
d)酸化
30%水性過酸化水素(4.3ml、42.1ミリモル)を、55℃より低い温度で攪拌下に滴下した。攪拌を40〜50℃で1時間続け、その後、水(10ml)を添加した。有機相を分離し、2回水でまた10%NaHCO3で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥した。蒸発およびヘキサンでの洗浄後、標題化合物を、黄色固体(1.84g、45%)として得た。
Figure 0004949025
比較例:プロトン化/還元工程におけるプロトン源としてのエタノール対tert−ブタノール
実施例2の工程b)を、tert−ブタノールの代わりに、2当量(Pに関して)のエタノールを用いて繰り返した。気体が多く発生した。選択性のデータが、31P−NMRにより得られた。31P−NMR実験は、BrukerDPX−250分光計で行った。
Figure 0004949025
上記の31P−NMRデータは、tert−ブタノールの存在下に、大幅に改善された選択性が得られることを明確に示す。

Claims (13)

  1. 式I
    Figure 0004949025
    (式中、
    nおよびmは、各々互いに独立に、1または2であり、
    1は、n=1である場合、C1〜C18アルキル、1個または数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C18アルキル;フェニル−C1〜C4アルキル、C2〜C8アルケニル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、C5〜C12シクロアルキルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環であり、それらの基フェニル、ナフチル、ビフェニル、C5〜C12シクロアルキルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環は、非置換であるか、または1個〜5個の、ハロゲン、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキルチオ、C1〜C8アルコキシおよび/もしくは−N(R82で置換されており;
    1は、n=2である場合、C1〜C18アルキレン、1個または数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C18アルキレンであるか;またはR1は、C1〜C4アルコキシ、フェニル、C1〜C4アルキルフェニル、フェニル−C1〜C4アルキルまたはC1〜C6アルコキシフェニルで置換されたC1〜C6アルキレンであるか;またはR1は、フェニレンまたはキシリレンであって、それらの基は非置換であるか、または1個〜3個の、C1〜C4アルキルおよび/もしくはC1〜C4アルコキシで置換されており、あるいは
    1は、
    Figure 0004949025
    基であり;
    2は、C1〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C18アルケニル、フェニル−C1〜C4アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環であり、それらの基フェニル、ナフチル、ビフェニルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環は、非置換であるか、または1個〜5個の、ハロゲン、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシおよび/もしくはC1〜C8アルキルチオで置換されており;
    3は、C1〜C18アルキル、1個または数個の非連続のO原子で中断されるか、または−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−、−CO−N(R9)−、−N(R9)−CO−、−N(R9)−CO−N(R9)−、−N(R9)−COO−で中断されたC2〜C18アルキル;−OR10、−OCO−R10、−COO−R10、−N(R9)−CO−R10、−CO−N(R9)−R10、−C(R11)=C(R12)−CO−OR10または−C(R11)=C(R12)−フェニルで置換されたC1〜C18アルキル;C2〜C12アルケニルまたは1個もしくは数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C12アルケニル;フェニル−C1〜C4アルキル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、C5〜C12シクロアルキルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環であり、それらの基フェニル、ナフチル、ビフェニル、C5〜C12シクロアルキルまたは5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環は、非置換であるか、または1個〜5個の、ハロゲン、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルキルチオ、C1〜C8アルコキシおよび/もしくは−N(R82で置換されているか;またはR3は、−CO−OR9もしくは−CO−N(R92であり;
    Qは、単結合、CR67、−O−または−S−であり;
    4およびR5は、各々互いに独立に、水素、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシであり;
    6およびR7は、各々互いに独立に、水素またはC1〜C4アルキルであり;
    8は、C1〜C18アルキル、1個または数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C18アルキルであるか;または−N(R82は、5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環を形成し;
    9は、水素、C1〜C18アルキル、1個または数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C2〜C18アルケニル、フェニル−C1〜C4アルキル、フェニル、ナフチル、ピリジルであり、それらの基フェニル、ナフチルまたはピリジルは、非置換であるか、あるいは1個〜5個の、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオおよび/またはハロゲンで置換されており;または−N(R92は、5員環もしくは6員環のO−、S−もしくはN−含有へテロ環を形成し;
    10は、C1〜C18アルキル、1個または数個の非連続のO原子で中断されたC2〜C18アルキル、C3〜C12シクロアルキル、フェニル−C1〜C4アルキル、C2〜C18アルケニル、フェニル、ナフチル、ビフェニルであり;それらの基フェニル−C1〜C4アルキル、フェニル、ナフチルまたはビフェニルは、非置換であるか、あるいは1個〜5個の、C1〜C8アルキル、C1〜C8アルコキシ、C1〜C8アルキルチオおよび/またはハロゲンで置換されており;
    11は、水素またはC1〜C4アルキルであり;
    12は、水素またはC1〜C4アルキルである)
    のアシルホスファンの製造方法であって、
    (1)式IIaのハロゲン化第一リンまたは式IIbのハロゲン化第一リンオキシドまたは式IIcのハロゲン化第一リンスルフィド:
    Figure 0004949025
    (式中、R1、R3、nおよびmは上記の意味を有し、Halは、F、Cl、BrまたはIである)
    を、プロトン源の存在下に(還元)、溶媒中でアルカリ金属と反応させ(金属化)、ここで、プロトン源が、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸から選択され;
    (2)m個の式III:
    Figure 0004949025
    (R 2、Halおよびmは上記の意味を有する)
    の酸ハロゲン化物と引き続き反応させることによる製造方法。
  2. 工程(1)における金属化が、式IIa、IIbまたはIIcの化合物を、溶媒中でアルカリ金属と反応させることにより行われ、それにより式V:
    Figure 0004949025
    (式中、Meはリチウム、ナトリウムもしくはカリウムまたはリチウムと組み合わせたマグネシウムであり、R1は請求項1で定義されるとおりである)
    の金属化ホスファニドが、環状ホスファン(R1P)、n≧3と共に、中間体として形成され;
    還元が、中間体Vおよび/または(R1P)、n≧3をプロトン源と反応させることにより行われ、ここで、プロトン源が、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸から選択される、請求項1記載の方法。
  3. アルカリ金属がナトリウムであり、
    プロトン源が、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸から選択され;
    溶媒が、ベンゼン、トルエン、o−、m−またはp−キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジフェニルエタン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン(テトラリン)、イソプロピルベンゼン(クモール)およびそれらの混合物;ならびに
    工程(1)の反応温度は、−20℃〜+160℃である、
    請求項2に記載の方法。
  4. 立体障害アルコールが、第二級または第三級C3〜C18アルコールよりなる群から選択されるものである、請求項3記載の方法。
  5. 金属化が、触媒量の、アルカリもしくはアルカリ土類水酸化物またはNa、KもしくはLiアルコラートまたはアルコールの存在下に行われる、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  6. 金属化および還元工程が活性化剤の存在下に行われる、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  7. 活性化剤が、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピペリジン、モルホリン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、またはポリアミンから選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 式I’:
    Figure 0004949025
    のモノアシルホスファンの製造のための請求項1記載の方法であって、
    (1)式II’:
    Figure 0004949025
    の有機ハロゲン化リンを、プロトン源の存在下に溶媒中で、アルカリ金属と反応させ、ここで、プロトン源が、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸から選択され;
    (2)引き続いて、式III’:
    Figure 0004949025
    の酸ハロゲン化物と反応させ、続いて求電子性化合物R3−Halと反応させるか、または逆の順序で反応させることによる、
    (式中、R1、R2およびR3ならびにHalは、請求項1で定義したとおりである)
    請求項1記載の方法。
  9. 式I”:
    Figure 0004949025
    の対称性ビスアシルホスファン(n=1およびm=2の式Iの化合物)の製造のための請求項1記載の方法であって、
    (1)式II”:
    Figure 0004949025
    の有機ハロゲン化リンを、プロトン源の存在下に溶媒中で、アルカリ金属と反応させ、ここで、プロトン源が、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸から選択され;
    (2)式III”:
    Figure 0004949025
    (R1およびR2ならびにHalは、請求項1で定義したとおりである)
    の酸ハロゲン化物と引き続き反応させることによる、請求項1記載の方法。
  10. 式I’”:
    Figure 0004949025
    の非対称性ビスアシルホスファンの製造のための請求項1記載の方法であって、
    (1)式II”:
    Figure 0004949025
    の有機ハロゲン化リンを、プロトン源の存在下に溶媒中で、アルカリ金属と反応させ、ここで、プロトン源が、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸から選択され;
    (2)式III”:
    Figure 0004949025
    の酸ハロゲン化物と引き続き反応させ、
    (3)式III’”:
    Figure 0004949025
    の第二の酸ハロゲン化物と引き続き反応させることによる、
    (式中、R1は、請求項1で定義したとおりであり、
    2およびR2’は、R2がR2’と同じでないことを条件に、互いに独立に、R2について請求項1で定義したとおりであり、
    Halは、請求項1で定義したとおりである)
    請求項1記載の方法。
  11. 請求項1に記載の式Iのアシルホスファンの製造方法であって、
    工程(1)が、式(R12−P−P(R12のジホスファンまたは式[R1P]環状ホスファン(式中、R1請求項1で定義したとおりであり、nは≧3である)を、プロトン源の存在下に溶媒中で、アルカリ金属と反応させ、ここで、プロトン源が、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸から選択され;次いで工程(2)が、請求項1で定義したm個の酸ハロゲン化物(III)と反応させ(mは、請求項1で定義したとおりである)、かつ/または求電子性化合物R3−Hal(式中、R は請求項1に定義したとおりである)と反応させることによる、方法。
  12. 式VIおよびVI’:
    Figure 0004949025
    のモノアシル化ホスファンの製造方法であって、
    (1)式II”:
    Figure 0004949025
    の有機ハロゲン化リンを、プロトン源の存在下に溶媒中で、アルカリ金属と反応させ、ここで、プロトン源が、立体障害アルコール、トリアルキルアミンハロゲン化水素、ビスアリールアミン、マロノニトリル、マロン酸エステル、アミジンハロゲン化水素およびカルボン酸から選択され;
    (2)式III”またはIII’”:
    Figure 0004949025
    の酸ハロゲン化物と引き続き反応させることによる、
    (式中、R1およびR2は、請求項1で定義したとおりであり、R2’は、請求項10で定義したとおりであり、Meは、Li、Na、KまたはLiと組み合わせたMgである)
    モノアシル化ホスファンの製造方法。
  13. 請求項1記載の式Iのアシルホスファンの製造方法に続く式(IV):
    Figure 0004949025
    (式中、R、R、R、nおよびmは、請求項1で定義したとおりであり、Zは、OまたはSである)
    のアシルホスファンオキシドまたはアシルホスファンスルフィドの製造方法であって、式Iのアシルホスファンを製造した後、酸化または硫黄との反応によりアシルホスファンオキシドまたはアシルホスファンスルフィドを得る、方法。
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