JP4947997B2 - 制動力制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、自動車などの車両の車輪にブレーキ力を付与する際に作動する制動力制御システムに関する。
自動車に代表される車両に搭載の制動力制御システムは、車輪にブレーキ力を付与した際の車輪ロックを防止する装置や、車両が旋回する際の車両挙動を安定化させる横滑り防止装置などに適用される。
このような制動力制御システムにおいては、車輪にブレーキ力を付与するブレーキ機構は、油圧配管式から電気的なバイワイヤ式のものに移行している。ブレーキ機構のバイワイヤ化に伴って車両に種々の演算装置が複数搭載されることがある。その場合、演算装置間の伝送時間に起因する通信遅延を低減することが求められる。例えば、アンチスキッド制御に代表される車輪のスリップ制御は、制動性能や操縦性を確保する観点から高い応答性が要求されるため、通信遅延を可及的に低減することが求められる。
そこで、車両の車輪にブレーキ力を付与するブレーキ機構と、車輪の車輪速情報を検出する車輪速検出センサと、ブレーキ機構を駆動制御する演算装置とを車輪ごとに分散して搭載し、車輪のロックを防止するためのスリップ制御機能も各演算装置に実装することにより、演算装置間の通信配線を短縮して制御遅延を低減することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−324411号公報
しかしながら、特許文献1などの方式では、車輪ごとに搭載された各演算装置は、自己の制御対象車輪以外の他の車輪の車輪速情報を認知しないことから、制御対象車輪の車輪速情報の正当性を相対的かつ客観的に判断できず、車両の制動性能が低下するおそれがある。例えば、制動対象車輪の車輪速検出センサに異常が生じた場合、そのセンサの検出値に基づき車輪のスリップ制御を実行すると、車両の挙動が不安定になるおそれがある。
本発明は、車両の制動性能及び制動信頼性をより高めるのに好適な制動力制御システムを実現することにある。
上記課題を解決するため、本発明の制動力制御システムは、車両の車輪に制動力を付与する制動手段と、前記車輪の車輪速情報を取得する車輪速検出手段とを前記車輪ごとに搭載し、前記車輪速検出手段の検出値に基づき前記制動手段を駆動制御する制御演算手段を前記車輪ごとに備え、前記各制御演算手段は、通信手段を介して相互に接続され、前記通信手段から自己の制御対象車輪以外の他の前記車輪に対応する前記車輪速検出手段の検出値に基づいた速度情報を取得し、該取得した他の前記車輪の速度情報に基づいて前記車両の車体速度を算出し、該算出した車体速度を前記通信手段によって相互に送受信し、前記通信手段によって受信した他の制御演算手段により算出された前記車両の車体速度に基づき自己の制御対象車輪の前記制動手段を駆動制御する機能を備えて構成されることを特徴とする。
すなわち、車輪速検出手段の検出値に基づいた速度情報は、制御演算手段の間で共有されることになる。したがって、制御演算手段は、制御対象車輪以外の車輪の速度情報に基づいても制動手段を駆動制御することが可能になる。これにより、例えば、自己の車輪速検出手段に異常が生じた際でも、制御演算手段は、他の車輪に関する速度情報を利用して制御対象車輪の制動を制御することができるため、車両の制動性能及び制動信頼性が高まる。
この場合において、前記速度情報とは、車輪速検出手段の検出値に対応する車輪速情報であるし、また車輪速情報から算出された車体速度情報などである。
また、本発明の一態様によれば、前記一の制御演算手段は、自己の制御対象車輪に対応する前記車輪速検出手段の検出値に基づいた速度情報又は前記通信手段から取得した速度情報の少なくとも一方に基づき前記車両の車体速度を算出する。これにより、通信手段に接続された各制御演算手段は、自己の車輪速検出手段に異常が生じた場合でも、通信手段から取得した速度情報に基づき車両の車体速度を把握できるから、車両の制動性能及び制動信頼性が高まる。
また、本発明の一態様によれば、前記一の制御演算手段は、自己の制御対象車輪に対応する前記車輪速検出手段の検出値に基づいた速度情報と前記通信ラインから取得した速度情報に基づき、前記車輪速検出手段の異常を判定する。すなわち、通信手段に接続された各制御演算手段は、自己の制御対象車輪の速度情報と他の車輪の速度情報を比較して自己の車輪速検出手段の異常を検出する。これにより、各制御演算手段は、自己の車輪速検出手段の異常に起因する制動手段の誤動作を防止できるし、また制動手段の誤動作が生じた際はその誤動作を迅速に判断して制動手段の駆動制御を停止できる。
また、本発明の一態様によれば、前記一の制御演算手段は、運転者の制動要求又は外部から入力された制動要求に対応して生成した制動力指令と、前記車輪のロックを防止して車輪をスリップ状態に保つための制動力指令とを比較して優先度を決定し、前記優先度の高い制動力指令に応じて自己の制御対象車輪の前記制動手段を駆動制御する。
本発明によれば、車輪の制動性能及び制動信頼性を高めるのにより好適な制動力制御システムを実現することができる。
本発明を適用した制動力制御システムの一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の制動力制御システムの構成を示す図である。
図1に示すように、制動力制御システムは、自動車の車輪10a〜10dに制動力を付与する制動手段としてのフロント制動装置12a,12b及びリア制動装置12c,12dと、車輪10a〜10dの回転速度を検出する車輪速検出手段としての車輪速センサ14a〜14dとが車輪10a〜10dごとに搭載されている。また、車輪速センサ14a、14bの検出値に基づきフロント制動装置12a,12bを駆動制御するフロント制動力制御演算装置16(以下、フロント演算装置16)と、車輪速センサ14c、14dの検出値に基づきリア制動装置12c,12dを駆動制御するリア制動力制御演算装置18(以下、リア演算装置18)が配設されている。
ここで、本実施形態のフロント演算装置16及びリア演算装置18は、通信ライン20を介して相互に接続されている。そして、フロント演算装置16は、リア演算装置18の配下の車輪速センサ14c,14dの検出値に基づいた速度情報(例えば、車輪速、車体速度)を通信ライン20から取得し、取得した速度情報に基づきフロント制動装置12a,12bを駆動制御する機能を有する。同様に、リア演算装置18は、フロント演算装置16の配下の車輪速センサ14a,14bの検出値に基づいた速度情報を通信ライン20から取得し、取得した速度情報に基づきリア制動装置12c,12dを駆動制御する機能を有する。
すなわち、車輪速センサ14a,14bの検出値に基づいた速度情報は、フロント演算装置16とリア演算装置18との間で共有される。したがって、フロント演算装置16は、車輪10a,10b以外の車輪10c,10dの速度情報に基づいてもフロント制動装置12a,12bを駆動制御することが可能になる。同様に、リア演算装置18は、車輪10c,10d以外の車輪10a,10bの速度情報に基づいてもリア制動装置12c,12bを駆動制御することが可能になる。これにより、例えば、車輪速センサ14aに異常が生じた際でも、フロント演算装置16は、車輪10c,10dに関する速度情報を利用して車輪10a,10bの制動を制御することができるため、車両の制動性能及び制動信頼性が高まる。
より詳細に、本実施形態の制動力制御システムについて説明する。図1に示すように、制動力制御システムは、車輪10aの付近に、車輪10aに制動力を付与するフロント制動装置12aと、車輪10aの回転速度を検出する車輪速センサ14aが搭載されている。同様に、車輪10bの付近にフロント制動装置12b及び車輪速センサ14bが搭載されているし、車輪10cの付近にリア制動装置12c及び車輪速センサ14cが搭載されているし、車輪10dの付近にリア制動装置12d及び車輪速センサ14dが搭載されている。
車輪速センサ14a,14bは、車輪10a,10bの回転速度を検出してフロント演算装置16に出力する。車輪速センサ14c,14dは、車輪10c,10dの回転速度を検出してリア演算装置18に出力する。
フロント制動装置12aは、ブレーキアクチュエータ22と、ブレーキディスク24と、ブレーキパッド26などから構成される。ブレーキアクチュエータ22は、モータ、ポンプ、ソレノイドバルブを有し、駆動信号に応じてホイールシリンダ内の液圧を増大する。ホイールシリンダ内の液圧が増大すると、ブレーキパッド26がブレーキディスク24に押付けられる。これによって、車輪10aの回転を制動するブレーキ力が発生する。
なお、フロント制動装置12aとして液圧式のものを例示したが、モータの駆動に応じてブレーキパッドがブレーキディスクに押付けられる電動式ブレーキを適用してよいし、ブレーキパッドを用いずにモータの回転力により制動力を発生させる回生ブレーキを適用してもよい。また、フロント制動装置12aは、ブレーキアクチュエータ22の駆動に応じて発生した車輪10aの制動力を測定又は推定する制動力検出手段(例えば、ホール圧センサや推力センサ)を備えてもよい。ここでの制動力検出手段は、検出値としてのセンサ信号をフロント演算装置16に出力する。フロント制動装置12aを代表して説明したが、フロント制動装置12b及びリア制動装置12c,12dも同様である。
このようなフロント制動装置12a,12b及び車輪速センサ14a,14bはフロント演算装置16の制御グループに属し、リア制動装置12c,12d及び車輪速センサ14c,14dはリア演算装置18の制御グループに属している。
フロント演算装置16は、車輪速センサ14a,14bの出力信号の取得手段を有し、通信ライン20を介してリア演算装置18の間で情報を授受する。リア演算装置18も同様に、車輪速センサ14c,14dの出力信号の取得手段を有し、通信ライン20を介してフロント演算装置16の間で情報を授受する。要するに、車輪速センサ14a,14bからフロント演算装置16に入力された車輪10a,10bの車輪速情報と、車輪速センサ14c,14dからリア演算装置18に入力された車輪10c,10dの車輪速情報は、通信ライン20を介してフロント演算装置16及びリア演算装置18に共有される。
また、フロント演算装置16は、車輪速センサ14a,14bの出力信号の取得手段や通信ライン20のほかに、外部信号の取得手段を有する。外部信号の取得手段は、ブレーキ入力手段の出力信号や車両状態検出センサ28の出力信号を取り込むものである。リア演算装置18も同様である。
ブレーキ入力手段は、ブレーキペダル30、ストロークシミュレータ32、ストロークセンサ34を有する。ブレーキペダル30は、運転者の意思に基づき操作されるものであり、ストロークシミュレータ32に連結されている。ストロークシミュレータ32は、ブレーキペダル30の踏込み量を運転者に知らせるための反力を生成する。ストロークセンサ34は、ブレーキペダル30の踏込み量を検出してフロント演算装置16及びリア演算装置18に出力する。なお、ブレーキペダル30の踏込み量を油圧で伝える方式のものを適用してもよい。
車両状態検出センサ28は、操舵角センサ、ヨーレイトセンサ、前後加速度センサ、横加速度センサを有し、各センサの検出値をフロント演算装置16及びリア演算装置18に出力する。なお、車両状態検出センサ28の検出値を車両挙動情報と適宜称する。また、車両状態検出センサ28の形態を図1に例示したが、その形態に限られるものではない。
このようなフロント演算装置16は、車輪速センサ14a,14bから取得した車輪10a,10bの車輪速情報と、通信ライン20を介して取得した車輪10c,10dの車輪速情報とに基づいて車体速度を算出する。またリア演算装置18も同様に、車輪速センサ14c,14dから取得した車輪10c,10dの車輪速情報と、通信ライン20を介して取得した車輪10a,10bの車輪速情報とに基づいて車体速度を算出する。このようにフロント演算装置16及びリア演算装置18のそれぞれで作成された車体速度は、通信ライン20を介して共有される。これにより、フロント演算装置16は、車輪速センサ14a,14bに異常が生じた場合やリア演算装置18に異常が生じた場合でも、自己が保持する的確な車体速度に基づきフロント制動装置12a,12bを駆動制御できる。同様に、リア演算装置18は、車輪速センサ14c,14dに異常が生じた場合やフロント演算装置16に異常が生じた場合でも、自己が保持する的確な車体速度に基づきリア制動装置12c,12dを駆動制御できる。また、通信ライン20を介して共有する情報は、フロント制動装置12a,12b又はリア制動装置12c,12dの駆動状態や、車輪10a〜10dに発生している制動力情報や、ストロークセンサ34の検出信号や、車両状態検出センサ28の検出信号などでもよい。
なお、複数の車輪速情報に基づき車体速度を算出する方法は、最も速度の大きい車輪速を選択して作成するセレクト・ハイ法などを適用してよいし、その他の方法を適用してもよい。また、フロント演算装置16とリア演算装置18の間で通信ライン20を介して車輪速情報を授受するに際し、通信ライン20から得られた車輪速情報は、伝送時間に起因する時間遅れを含んだものになるため、車輪速センサ14a〜14dから得られた車輪速情報よりも時間的な精度が劣る。しかし、伝送時間に起因する遅れ時間を例えば0.02秒とすると、この遅れ時間に対応する車体速度の誤差は例えば14m/sで減速している車両で例えば1km/時間である。すなわち、複数の車輪から車体速度を作成するに際し、伝送時間に起因する誤差は許容範囲のものである。
図2を参照して、本実施形態の制動力制御方法について更に詳細に説明する。図2は、図1のフロント演算装置16の制御ロジックを示すフローチャートである。なお、車輪10aに付与する制動力をフロント演算装置16で制御する例を説明するが、車輪10bに付与する制動力を制御する場合も同様である。また、車輪10c,10dに付与する制動力をリア演算装置18で制御する場合も同様である。
まず、フロント演算装置16は、車輪速センサ14aから車輪10aに関する車輪速情報を取得するとともに、車輪10c,10dに関する車輪速情報をリア制動装置12bから通信ライン20を介して取得し、取得した複数の車輪速情報に基づいて異常判定を実行する(S10)。より具体的には、フロント演算装置16は、車輪速センサ14aから信号が検出されない場合、車輪10c,10dに関する車輪速情報に基づき、車輪10aがロックしたのか、あるいは断線や車輪速センサ14aに異常が生じたのかを判定する。なお、車輪のロックとは、車両の走行中に車輪の回転運動が停止することである。
例えば、フロント演算装置16は、車両の走行中にブレーキ制御をしていないにもかかわらず、車輪速センサ14aから信号を取得できない場合は、車輪速センサ14aが異常であると判定する。また、ブレーキ制御状態にある車輪10aの車輪速センサ14aの信号だけが検出されず、その状態が所定時間にわたって継続した場合は、車輪速センサ14aが異常であると判定する。
また、例えば、車両状態検出センサ28からフロント演算装置16に車両挙動情報が入力されている場合、フロント演算装置16は、各車輪速情報に加えて、車両の前後加速度、横加速度、ヨーレートの変化に基づいて車輪速センサ14aが異常であると判定する。また、ブレーキ制御状態にある車輪10aの車輪速センサ14aの信号だけが検出されず、車両の前後加速度、横加速度、ヨーレートの変化も車輪10aが実際にロックした場合と異なるときは、その車輪速センサ14aが異常であると判定してもよい。なお、車輪速センサ14aの異常判定方法は、本実施形態で例示したものに限られず、複数の車輪速情報又は車両挙動情報に基づき車輪速センサ14aの異常を判定可能な方法であればよい。
S10の判定処理の後、フロント演算装置16は、車輪速センサ14a,14bから取得した車輪速情報と、通信ライン20から取得した車輪速情報とに基づき車体速度を算出する(S11)。また、車両状態検出センサ28からフロント演算装置16に車両挙動情報が入力されている場合、フロント演算装置16は、各車輪速情報に加えて、車両の前後加速度及び横加速度から求めた車体の加速度情報に基づいて車体速度を算出してもよい。
S11の処理で車体速度を算出した後、フロント演算装置16は、制動力指令値Aを生成する。制動力指令値Aとは、運転者のブレーキ発生要求や車両挙動制御の制動力発生要求に基づき生成される指令値である。運転者のブレーキ発生要求は、ストロークセンサ34の出力信号に基づき算出される。車両挙動制御の制動力発生要求は、車輪速センサ14aから取り込んだ車輪速情報や、車輪速情報から算出した車体速度や、車両状態検出センサ28の検出信号に基づいて演算される。なお、車両挙動制御は、運転者の制動要求によらず、車輪速センサ14aや車両状態検出センサ28などの検出信号に基づいてフロント演算装置16が制動要求を行う制御である。例えば、車両挙動制御は、車両旋回時の横すべり防止制御、自動ブレーキによる追突防止制御、坂道での後進防止制御、駆動車輪の空転防止制御である。また、制動力指令値Aとしては、通信ライン20又は他の通信手段を介して他の演算装置から入力された指令値でもよい。
S12の処理で制動力指令値Aを生成した後、フロント演算装置16は、制動力指令の有無を判定する(S13)。より具体的には、フロント演算装置16は、制動力指令値Aが閾値以下の場合、制動指令が無いと判断してS10の処理を再び実行する。一方、フロント演算装置16は、制動力指令値Aが閾値よりも大きい場合は、制動指令が有ると判断する。
S13の処理で制動指令が有ると判断された場合、フロント演算装置16は、車体速度が閾値以下のときは車両が停止状態にあると判断し、また車体速度が閾値よりも大きいときは車両が走行状態にあると判断する(S14)。車両が停止状態にあると判断したとき、フロント演算装置16は、制動力指令値Aに基づきフロント制動装置12aを駆動制御して車輪10aにブレーキ力を発生させる(S15)。なお、停止車両に対する運転者の制動要求が過度に大きい場合、フロント演算装置16は、フロント制動装置12aの負荷を低減するために、車両の停止状態を維持するのに十分な制動力に抑制する指令をフロント制動装置12aに出力する。
S14の処理で車両が走行状態にあると判断された場合、フロント演算装置16は、アンチスキッド制御の適用可否を判定する(S16)。例えば、フロント演算装置16は、車輪10aがロック傾向にあるときにアンチスキッド制御が必要であると判断し、また車輪10aがロック傾向にないときはアンチスキッド制御が不必要であると判断する。ここでのアンチスキッド制御とは、車輪のロックを防止して車輪をスリップ状態に保つ制動力制御技術である。
S16の処理でアンチスキッド制御が必要であると判断した場合、フロント演算装置16は、アンチスキッド制御に対応する制動力指令値Bを生成する(S17)。より具体的には、フロント演算装置16は、車体速度、車輪10aの車輪速、車輪10aの車輪加速度、車輪10aに付与されたブレーキ力などに基づき制動力指令値Bを生成する。例えば、フロント演算装置16は、予め設定された目標車輪スリップ量と車輪10aのスリップ量との差に基づき制動力指令値Bを生成する。また、車輪10aの車輪速情報や車輪加速度や制動力に加えて、車両状態検出センサ28の検出信号に基づいて制動力指令値Bを生成してもよい。また、路面の摩擦係数μを推定又は検出する手段を備え、摩擦係数μに基づき制動力指令値Bを生成してもよい。なお、制動力指令値Bは、アンチスキッド制御を実現可能な値であればよいし、生成方法は本実施形態で例示したものに限られない。
S17の処理で制動力指令値Bが生成されると、フロント演算装置16は、制動力指令値BとS12の制動力指令値Aとを比較し、比較結果に基づきフロント制動装置12aを駆動制御するための指令値を選択する(S18)。より具体的には、フロント演算装置16は、制動力指令値Bが制動力指令値Aよりも大きいとき、運転者の制動要求又は車両挙動制御の制動要求が十分に小さいと判断し、アンチスキッド制御を適用せずに制動力指令値Aを優先して選択する。一方、制動力指令値Bが制動力指令値A以下のときは、運転者の制動要求又は車両挙動制御の制動要求に従うと車輪10aがロックするおそれがあると判断し、アンチスキッド制御の制動力指令値Bを優先して選択する。
S18の処理で制動力指令値Bが選択されると、フロント演算装置16は、制動力指令値Bに基づいてフロント制動装置12aを駆動制御することにより、制動力対象車輪としての車輪10aに制動力を付与する(S19)。また、S18の処理で制動力指令値Aが選択された場合、フロント演算装置16は、アンチスキッド制御を停止する(S20)。また、S16の処理でアンチスキッド制御が不必要であると判断した場合もS20の処理が実行される。そして、フロント演算装置16は、制動力指令値Aに基づいてフロント制動装置12aを駆動制御することにより、車輪10aに制動力を付与する(S21)。なお、S15及びS19並びにS21の処理終了後はS10の処理が再び実行される。
図3は、図2のS16のアンチスキッド制御判定処理を詳細に示したフローチャートである。S16の処理が開始されると、フロント演算装置16は、アンチスキッド制御不許可指令のオンオフを確認し、その指令のオンオフに基づきアンチスキッド制御の適用可否を判定する(S16−1)。アンチスキッド制御不許可指令とは、車輪10aがロック傾向にあるか否かにかかわらず、アンチスキッド制御を行わないようにする指令である。例えば、図2のS10の処理で制動力制御対象としての車輪10aの車輪速が異常であると判断された場合、アンチスキッド制御不許可指令がオンにされる。また、車両状態検出センサ28の検出信号から演算された車両挙動制御に基づきアンチスキッド制御が不可であると判断された場合、アンチスキッド制御不許可指令をオンにしてよい。また、他の演算装置からアンチスキッド制御が不可である旨の指令が送られてきた場合も、アンチスキッド制御不許可指令をオンにしてよい。
S16−1の処理でアンチスキッド制御不許可指令がオフであると判断された場合、フロント演算装置16は、車輪10aがアンチスキッド制御中であったか否かを判定する(S16−2)。車輪10aがアンチスキッド制御中であった場合は、アンチスキッド制御判定を可にする(S16−3)。車輪10aがアンチスキッド制御中ではなかった場合、車輪10aの車輪速に基づいて車輪10aがロック傾向にあるか否かを判定する(S16−4)。例えば、車体速度と車輪10aの車輪速の差つまり車輪スリップ量が閾値よりも大きい場合、車輪10aがロック傾向にあると判定し、S16−3の処理を実行する。ここでの車輪10aのスリップ量は、車体速度が車輪10aの車輪速よりも大きいときを正とする。
S16−4の処理で車輪スリップ量が閾値以下の場合は、車輪10aの車輪速の時間変化つまり車輪加速度に基づいて車輪10aがロック傾向にあるか否かを判定する(S16−5)。例えば、車輪加速度が閾値よりも小さい場合、車輪10aがロック傾向にあると判定し、S16−3の処理を実行する。ここでの車輪加速度は、車輪速が時間と共に増加するときを正とする。車輪加速度が閾値以上である場合、アンチスキッド制御判定を不可にする(S16−6)。なお、S16−1の処理でアンチスキッド制御不許可指令がオンであると判断された場合もS16−6の処理が実行される。
以上、本実施形態によれば、車輪速センサ14a,14bの検出値に基づいた速度情報は、フロント演算装置16とリア演算装置18との間で共有される。このようにすれば、フロント演算装置16は、対象車輪以外の車輪10c,10dの速度情報に基づいてもフロント制動装置12a,12bを駆動制御できる。同様に、リア演算装置18は、対象車輪以外の車輪10a,10bの速度情報に基づいてもリア制動装置12c,12bを駆動制御できる。したがって、例えば、車輪速センサ14aに異常が生じた際でも、フロント演算装置16は、車輪10c,10dに関する速度情報に基づいて車輪10a,10bの制動を制御できることから、車両の制動性能及び制動信頼性が高まる。
図4は、本発明を適用した制動力制御システムの他の形態を示す図である。図4に示すように、本形態の制動力制御システムは、2個のリア演算装置18,19を備えた点で、1個のリア演算装置18を備えた図1の形態と異なる。リア演算装置18は、車輪速センサ14cから車輪10cの車輪速情報を取得し、取得した車輪速情報に基づきリア制動装置12cを駆動制御することにより、車輪10cに制動力を付与する。リア演算装置19は、車輪速センサ14dから車輪10dの車輪速情報を取得し、取得した車輪速情報に基づきリア制動装置12dを駆動制御することにより、車輪10dに制動力を付与する。そして、リア演算装置18及びリア演算装置19は、通信ライン20を介してフロント演算装置16に接続されている。フロント演算装置16とリア演算装置18,19との間で車輪速情報又は車体速度情報が共有される点は図1の形態と同様である。要するに、図1のフロント演算装置16とリア演算装置18の数については必要に応じて増やすことができる。
図5は、本発明を適用した制動力制御システムの他の形態を示す図である。図5に示すように、本形態の制動力制御システムは、フロント演算装置16及びリア演算装置18に制動力指令値を出力する車両制御演算装置50が配設された点で図1の形態と異なる。車両制御演算装置50は、ストロークセンサ34及び車両状態検出センサ28の検出信号を取得し、取得した検出信号に基づき制動力指令値Aを生成する。ここでの制動力指令値Aは、図2のS12の処理で生成される制動力指令値に対応する。そして、車両制御演算装置50は、制動力指令値Aをフロント演算装置16及びリア演算装置18に出力する。このような形態にも本発明を適用できる。また、フロント演算装置16及びリア演算装置18は、運転者の制動要求などを入力として保持するとともに相互に通信している。したがって、車両制御演算装置50に異常が生じた場合でも、運転者の制動要求に基づいた制動力制御やアンチスキッド制御を行うことができる。
本発明を適用した制動力制御システムの一実施形態の構成を示す図である。 図1のフロント演算装置の制御ロジックを示すフローチャートである。 図2のS16のアンチスキッド制御判定処理を詳細に示したフローチャートである。 本発明を適用した制動力制御システムの他の形態を示す図である。 本発明を適用した制動力制御システムの他の形態を示す図である。
符号の説明
10a 車輪
12a フロント制動装置
14a 車輪速センサ
16 フロント演算装置
18 リア演算装置
20 通信ライン
28 車両状態検出センサ
30 ブレーキペダル
34 ストロークセンサ

Claims (4)

  1. 車両の車輪に制動力を付与する制動手段と、前記車輪の車輪速情報を取得する車輪速検出手段とを前記車輪ごとに搭載し、前記車輪速検出手段の検出値に基づき前記制動手段を駆動制御する制御演算手段を前記車輪ごとに備え、
    前記各制御演算手段は、通信手段を介して相互に接続され、前記通信手段から自己の制御対象車輪以外の他の前記車輪に対応する前記車輪速検出手段の検出値に基づいた速度情報を取得し、該取得した他の前記車輪の速度情報に基づいて前記車両の車体速度を算出し、該算出した車体速度を前記通信手段によって相互に送受信し、前記通信手段によって受信した他の制御演算手段により算出された前記車両の車体速度に基づき自己の制御対象車輪の前記制動手段を駆動制御する機能を備えていることを特徴とする制動力制御システム。
  2. 前記各制御演算手段は、自己の制御対象車輪に対応する前記車輪速検出手段の検出値に基づいた速度情報前記通信手段から取得した他の車輪に対応する前記車輪速検出手段の検出値に基づいた速度情報に基づき、前記自己の制御対象車輪に対応する車輪速検出手段の異常を判定し、前記自己の制御対象車輪に対応する車輪速検出手段に異常がある場合に、前記通信手段によって受信した他の制御演算手段により算出された前記車両の車体速度に基づき自己の制御対象車輪の前記制動手段を駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の制動力制御システム。
  3. 前記各制御演算手段は、自己の制御対象車輪に対応する前記車輪速検出手段の検出値に基づいた速度情報と前記通信手段から取得した他の車輪に対応する前記車輪速検出手段の検出値に基づいた速度情報に基づき、前記自己の制御対象車輪に対応する車輪速検出手段の異常を判定し、前記自己の制御対象車輪に対応する車輪速検出手段に異常がある場合には、他の前記車輪速検出手段の検出値に基づいた速度情報に基づき自己の制御対象車輪の前記制動手段を駆動制御する機能を備えていることを特徴とする請求項に記載の制動力制御システム。
  4. 前記各制御演算手段は、運転者の制動要求又は外部から入力された制動要求に対応して生成した制動力指令と、前記車輪のロックを防止して車輪をスリップ状態に保つための制動力指令とを比較して優先度を決定し、前記優先度の高い制動力指令に応じて自己の制御対象車輪の前記制動手段を駆動制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制動力制御システム。
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