JP4946525B2 - プロピレン共重合体 - Google Patents
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Description
かかる状況の下、本発明の目的は、高温下での寸法安定性および剛性に優れるプロピレン共重合体を提供することにある。
すなわち、本発明の一は、
プロピレン単独重合体成分(A1)0.1〜15重量%と、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(B1)85〜99.9重量%とを含有するプロピレン共重合体であって(ただし、前記成分(A1)の重量と前記成分(B1)の重量の合計を100重量%とする)、
前記成分(A1)が第一工程で製造され前記成分(B1)が第二工程で製造されてなり、
前記成分(B1)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が0.1〜5重量%(ただし、前記成分(B1)の全重量を100重量%とする)である
プロピレン共重合体に係るものである。
プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン共重合体成分(A2)0.1〜15重量%と、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン共重合体成分(B2)を85〜99.9重量%とを含有するプロピレン共重合体であって(ただし、前記成分(A2)の重量と前記成分(B2)の重量の合計を100重量%とする)、
前記成分(A2)が第一工程で製造され前記成分(B2)が第二工程で製造されてなり、
前記成分(A2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が0.1〜5重量%であり(ただし、前記成分(A2)の全重量を100重量%とする)、
前記成分(B2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が0.2〜5重量%であり(ただし、前記成分(B2)の全重量を100重量%とする)、
前記成分(B2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が前記成分(A2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量より多い
プロピレン共重合体に係るものである。
上記のプロピレン共重合体からなるフィルムまたはシート、および、そのフィルムまたはシートを二軸に延伸してなる二軸延伸フィルムに係るものである。
プロピレン単独重合体成分(A1)0.1〜15重量%と、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(B1)85〜99.9重量%とを含有するプロピレン共重合体であって(ただし、前記成分(A1)の重量と前記成分(B1)の重量の合計を100重量%とする)、
前記成分(A1)が第一工程で製造され前記成分(B1)が第二工程で製造されてなり、
前記成分(B1)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が0.1〜5重量%(ただし、前記成分(B1)の全重量を100重量%とする)である
プロピレン共重合体である。
プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン共重合体成分(A2)0.1〜15重量%と、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン共重合体成分(B2)を85〜99.9重量%とを含有するプロピレン共重合体であって(ただし、前記成分(A2)の重量と前記成分(B2)の重量の合計を100重量%とする)、
前記成分(A2)が第一工程で製造され前記成分(B2)が第二工程で製造されてなり、
前記成分(A2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が0.1〜5重量%であり(ただし、前記成分(A2)の全重量を100重量%とする)、
前記成分(B2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が0.2〜5重量%であり(ただし、前記成分(B2)の全重量を100重量%とする)、
前記成分(B2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が前記成分(A2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量より多い
プロピレン共重合体である。
好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、より好ましくは、共重合性や経済性等の観点から、1−ブテン、1−ヘキセンである。
公知の重合触媒としては、例えば、
(1)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分等からなるTi−Mg系触媒、
(2)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分とを組み合わせた触媒系(3)メタロセン系触媒等が挙げられる。
好ましくはマグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と電子供与性化合物とを組み合わせた触媒系である。
有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物およびテトラエチルジアルモキサン等が挙げられる。
電子供与性化合物としては、tert−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン等が挙げられる。
添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収材、帯電防止剤、滑剤、造核剤、防曇剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
その他の樹脂としては、ポリエチレン系樹脂や、本発明で用いられるプロピレン共重合体以外のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
本発明のフィルムまたはシートの製造方法としては、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等が挙げられる。多層フィルムの製造方法としては、押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。
また、本発明の延伸フィルムは、本発明のフィルムまたはシートを少なくとも一軸に延伸してなる延伸フィルムであり、延伸方法としては、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等により一軸または二軸に延伸する方法が挙げられる。
本発明のフィルムとして好ましくは、透明性や剛性の物性バランスの観点から、未延伸フィルム、押出ラミネート法によって製造される多層フィルム、または二軸延伸方法によって製造される二軸延伸フィルムである。
(1)プロピレン共重合体の成分(A1)と成分(B1)、および成分(A2)と成分(B2)の含有量(単位:重量%)
プロピレン共重合体を製造した時の物質収支から求めた。
高分子分析ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の第619頁に記載されているIRスペクトル測定を行い、1−ブテン含有量を求めた。
成分(B1)または成分(B2)に含有される1−ブテンの含有量は、成分(A1)または成分(A2)の含有量と、成分(A1)または成分(A2)に含有される1−ブテン含有量を用いて次式によって計算した。
{プロピレン共重合体の1−ブテン含有量(重量%)×100−成分(A)の1−ブテン含有量(重量%)×成分(A)の含有量(重量%)}/{成分(B)の含有量(重量%)}
(なお、上記式中、成分(A)とは成分(A1)または成分(A2)を表し、成分(B)とは成分(B1)または成分(B2)を表す。)
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。成分(A1)、成分(A2)、成分(B1)、成分(B2)の極限粘度([η]A1、[η]A2、[η]B1、[η]B2)
第一工程で成分(A1)または成分(A2)の重合終了後に測定した極限粘度[η]A1または[η]A2と、第二工程の重合終了後に測定した極限粘度[η]AB、および成分(A1)の重量割合(PA1(重量%))または成分(A2)の重量割合(PA2(重量%))、成分(B1)の重量割合(PB1(重量%))または成分(B2)の重量割合(PB2(重量%))から、次式によって成分(B1)の極限粘度[η]B1または成分(B2)の極限粘度[η]B2を求めた。
[η]B=([η]AB−[η]A×PA/100)×100/PB
(なお、上記式中、[η]Aは[η]A1または[η]A2を表し、[η]Bは[η]B1または[η]B2を表し、PAはPA1またはPA2を表し、PBはPB1またはPB2を表す。)
試料1gを沸騰キシレン100mlに完全に溶解させた後、20℃に降温、4時間放置した。その後、これを析出物と溶液とに濾別し、濾液を乾固して減圧下70℃で乾燥し、残存物を得た。得られた残存物の重量を測定して、20℃キシレン可溶成分量(CXS)を求めた。
JIS K7210に従い、温度230℃、荷重21.18Nで測定した。
プロピレン共重合体を熱プレス成形(230℃で5分間予熱後、3分間かけて50kgf/cm2まで昇圧し2分間保圧した後、30℃、30kgf/cm2で5分間冷却)して、厚さ0.5mmのシートを作成した。示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製、DSC−7型)を用い、作成されたシートの10mgを窒素雰囲気下220℃で5分間熱処理後、降温速度300℃/分で150℃まで冷却し、150℃において1分間保温し、さらに降温速度5℃/分で50℃まで冷却し、50℃において1分間保温した後、50℃から180℃まで昇温速度5℃/分で加熱した際に得られた融解曲線において、最大吸熱ピークを示す温度(℃)を測定した。
長軸が縦方向(MD)と平行になるように、A4サイズのフィルムを採取し、縦方向(MD)および横方向(TD)にそれぞれ20cmの標線を引き、規定温度に保温しているオーブン中で吊るして15分間保持した。その後、フィルムを取り出し、室温にて30分間冷却した後に、試験片の標線長さを測定した。各方向に対する加熱収縮率を、次の計算式から算出した。
加熱収縮率(%)={(20−加熱後の標線長さ)/20}×100
加熱収縮率が小さいことは、高温下での寸法安定性に優れることを示す。
長さ120mm、幅20mmの試験片の長手方向をフィルムの縦方向(MD)に一致させて試験片を採取し、また、長さ120mm、幅20mmの試験片の長手方向をフィルムの横方向(TD)に一致させて試験片を採取し、採取されたそれぞれの試験片について、引張試験機によってチャック間隔60mm、引張速度5mm/分の条件で、S−S曲線をとり、初期弾性率(ヤング率)を測定した。
[固体触媒の合成]
内容積200Lの攪拌機付きのSUS製反応容器を窒素で置換した後、ヘキサン80L、テトラブトキシチタン6.55モル、フタル酸ジイソブチル2.8モルおよびテトラブトキシシラン98.9モルを投入し均一溶液とした。次に濃度2.1モル/Lのブチルマグネシウムクロリドのジイソブチルエーテル溶液51Lを反応容器内の温度を5℃に保ちながら5時間かけて徐々に滴下した。滴下終了後室温でさらに1時間攪拌した後、室温で固液分離し、トルエン70Lで3回洗浄を繰り返した。
次いで、スラリー濃度が0.6kg/Lになるようにトルエンを抜き出した後、n−ブチルエーテル8.9モルと四塩化チタン274モルの混合液を加えた後、更にフタル酸クロライドを20.8モル加え110℃で3時間反応を行った。反応終了後、95℃のトルエンで2回洗浄を行った。
次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、フタル酸ジイソブチル3.13モル、n−ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、105℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離した後、95℃のトルエン90Lで2回洗浄を行った。
次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、n−ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を行った。反応終了後、同温度で固液分離し、同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行った。
次いで、スラリー濃度を0.6kg/Lに調整した後、n−ジブチルエーテル8.9モルおよび四塩化チタン137モルを加え、95℃で1時間反応を行った。
反応終了後、同温度で固液分離し、同温度でトルエン90Lで3回洗浄を行った後、更にヘキサン90Lで3回洗浄した後、減圧乾燥して固体触媒成分11.0kgを得た。
固体触媒成分はチタン原子1.89重量%、マグネシウム原子20重量%、フタル酸エステル8.6重量%、エトキシ基0.05重量%、ブトキシ基0.21重量%を含有した微紛のない良好な粒子性状を有していた。
内容積3Lの攪拌機付きのSUS製オートクレーブに充分に脱水、脱気処理したn−ヘキサン1.5L、トリエチルアルミニウム37.5ミリモル、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン3.75ミリモルおよび上記固体触媒成分15gを添加し、槽内温度を5〜15℃に保ちながらプロピレン15gを30分かけて連続的に供給し予備活性化を行った後、得られた固体触媒スラリーを内容積200Lの攪拌機付きSUS製オートクレーブに移送し、液状ブタン140Lを加えて希釈し5℃以下の温度で保存した。
(第一工程)
内容積40Lの攪拌機付きのSUS製重合槽において、液状プロピレン35Kg/hr、および気相部の濃度が2.5vol%に保持される量の水素を供給し、さらに予備活性化された固体触媒成分0.6g/hr、トリエチルアルミニウム47mmol/hr、およびt−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン5mmol/hrを供給し、重合温度を60℃、実質的な槽内滞留スラリー量を20Lに保持する条件にて液状プロピレンを媒体とするスラリー重合を継続した。この時のプロピレン重合体生成量は1.1Kg/hrであり、重合体の一部を分析した結果[η]は1.9dl/gであった。得られた重合体を含むスラリーは失活することなく第二工程重合槽へ連続的に移送した。
内容積1m3の攪拌機付き気相流動床反応器において、流動床の重合体保持量80Kg、重合温度80℃、重合圧力1.8MPa、気相部の水素濃度を0.5vol%、気相部の1−ブテン濃度を2.7vol%に保持するようにプロピレン、水素、1−ブテンが供給された条件下に、第一工程反応器より移送される固体触媒成分含有重合体を供給し連続重合を継続することにより重合体21.3Kg/hrを得た。重合体の1−ブテン含量は2.5重量%、[η]は2.0dl/gであった。第一工程での重合体(A1成分)と第二工程での重合体(B1成分)の重量比は各工程での重合体生成量より5/95であり、B1成分の1−ブテン含量は2.63重量%、[η]は2.0dl/gであった。
得られたプロピレン共重合体の粉末100重量部に対してハイドロタルサイト 0.01重量部、イルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製) 0.15重量部、イルガフォス168(チバスペシャリティーケミカルズ社製) 0.10重量部を混合して溶融混練してペレットを得た。得られたペレットの物性を表2に示した。
65mmφのスクリューを有するTダイ押出機を用いて、上記で得られたペレットを260℃で溶融押出を行い、次いで30℃の冷却ロールで急冷してシートを得た。このシートを145℃で加熱しながら縦延機のロール周速差により縦方向に5倍延伸し、次いで加熱炉にて延伸温度157℃で横方向に8倍延伸した後、165℃で熱処理を行い、25μmの二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表3に示した。
固体触媒および固体触媒の予備活性化は実施例1と同様の触媒および同様の方法で実施した。
(第一工程)
内容積40Lの攪拌機付きのSUS製重合槽において、液状プロピレン35Kg/hr、1−ブテン2.0Kg/Hrおよび気相部の濃度が3.3vol%に保持される量の水素を供給し、さらに予備活性化された固体触媒成分0.6g/hr、トリエチルアルミニウム51mmol/hr、およびt−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン5mmol/hrを供給し、重合温度を60℃、実質的な槽内滞留スラリー量を20Lに保持する条件にて液状プロピレンを媒体とするスラリー重合を継続した。この時の重合体生成量は1.2Kg/hrであり、重合体の一部を分析した結果1−ブテン含量は2.0重量%、[η]は1.8dl/gであった。得られた重合体を含むスラリーは失活することなく第二工程重合槽へ連続的に移送した。
内容積1m3の攪拌機付き気相流動床反応器において、流動床の重合体保持量60Kg、重合温度80℃、重合圧力1.8MPa、気相部の水素濃度を0.5vol%、気相部の1−ブテン濃度を2.7vol%に保持するようにプロピレン、水素、1−ブテンが供給された条件下に、第一工程反応器より移送される固体触媒成分含有重合体を供給し連続重合を継続することにより重合体22.3Kg/hrを得た。重合体の1−ブテン含量は2.5重量%であった。第一工程での重合体(A2成分)と第二工程での重合体(B2成分)の重量比は各工程での重合体生成量より5/95であり、B1成分の1−ブテン含量は2.53重量%、[η]は2.0dl/gであった。
重合方法を変更してプロピレン−1−ブテン共重合体を得た以外は、実施例1と同様の方法で、ペレットおよび二軸延伸フィルムを得た。得られたペレットの基本物性および二軸延伸フィルムの物性をそれぞれ表2および表3に示した。
固体触媒および固体触媒の予備活性化は実施例1と同様の触媒および同様の方法で実施した。
(第一工程)
実施例1と同様の方法で重合を行い、2.14dl/gのプロピレン単独重合体を得た。得られた重合体を含むスラリーは失活することなく第二工程用の重合層へ連続的に移送した。
1−ブテンの濃度を変更した以外は、実施例2と同様の方法で重合を実施し、1−ブテン含量は3.2重量%、[η]は2.14dl/gであった。
第一工程での重合体(A1成分)と第二工程での重合体(B1成分)の重量比は各工程での重合体生成量より7/93であり、B1成分の1−ブテン含量は3.4重量%、[η]は2.14dl/gであった。
重合方法を変更してプロピレン−1−ブテン共重合体を得た以外は、実施例1と同様の方法で、ペレットおよび二軸延伸フィルムを得た。得られたペレットの基本物性および二軸延伸フィルムの物性をそれぞれ表2および表3に示した。
固体触媒および固体触媒の予備活性化は実施例1と同様の触媒および同様の方法で実施した。
内容積1m3の攪拌機付き気相流動床反応器において、流動床の重合体保持量80Kg、重合温度80℃、重合圧力1.8MPa、気相部の水素濃度を1.6vol%、気相部の1−ブテン濃度を1.1vol%に保持するようにプロピレン、水素、1−ブテンが供給された条件下に、予備活性化された固体触媒成分0.93g/h、トリエチルアルミニウム48ミリモル/hr、t−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン6ミリモル/hrを供給しながら、連続気相重合を行うことにより、プロピレン共重合体23.3Kg/hrを得た。得られた重合体の1−ブテン含有量は、2.2重量%、[η]は1.9dl/gであった。
重合方法を変更してプロピレン−1−ブテン共重合体を得た以外は、実施例1と同様の方法で、ペレットおよび二軸延伸フィルムを得た。得られたペレットの基本物性および二軸延伸フィルムの物性をそれぞれ表2および表3に示した。
固体触媒および固体触媒の予備活性化は実施例1と同様の触媒および同様の方法で実施した。
(第一工程)
1−ブテンの濃度を変更した以外は実施例2と同様の方法で重合を行い、1−ブテン含量は2.0重量%、[η]は2.24dl/gの共重合体を得た。得られた共重合体を含むスラリーは失活することなく第二工程用の重合層へ連続的に移送した。
1−ブテンの濃度を変更した以外は、実施例2と同様の方法で重合を実施し、1−ブテン含量は5.8重量%、[η]は2.20dl/gであった。
第一工程での重合体(A2成分)と第二工程での重合体(B2成分)の重量比は各工程での重合体生成量より11/89であり、B2成分の1−ブテン含量は6.3重量%、[η]は2.20dl/gであった。
重合方法を変更してプロピレン−1−ブテン共重合体を得た以外は、実施例1と同様の方法で、ペレットおよび二軸延伸フィルムを得た。得られたペレットの基本物性および二軸延伸フィルムの物性をそれぞれ表2および表3に示した。
これに対して、本発明の要件である成分A1または成分A2を含まない比較例1、2は高温での寸法安定性および剛性が不充分であることが分かる。
Claims (4)
- プロピレン単独重合体成分(A1)0.1〜15重量%と、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(B1)85〜99.9重量%とを含有するプロピレン共重合体であって(ただし、前記成分(A1)の重量と前記成分(B1)の重量の合計を100重量%とする)、
前記成分(A1)が第一工程で製造され前記成分(B1)が第二工程で製造されてなり、前記成分(B1)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が0.1〜5重量%(ただし、前記成分(B1)の全重量を100重量%とする)である
プロピレン共重合体。 - プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン共重合体成分(A2)0.1〜15重量%と、プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン共重合体成分(B2)を85〜99.9重量%とを含有するプロピレン共重合体であって(ただし、前記成分(A2)の重量と前記成分(B2)の重量の合計を100重量%とする)、
マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と電子供与性化合物とを組み合わせた触媒系を用いて、前記成分(A2)が第一工程で製造され前記成分(B2)が第二工程で製造されてなり、前記成分(A2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が0.1〜5重量%であり(ただし、前記成分(A2)の全重量を100重量%とする)、
前記成分(B2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が0.2〜5重量%であり(ただし、前記成分(B2)の全重量を100重量%とする)、
前記成分(B2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が前記成分(A2)に含有される炭素数4以上のα−オレフィンの含有量より多い
プロピレン共重合体。 - 請求項1または2に記載のプロピレン共重合体からなるフィルムまたはシート。
- 請求項3に記載のフィルムまたはシートを二軸に延伸してなる二軸延伸フィルム。
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