JP4946376B2 - 線織線射影抽出プログラム、線織線射影抽出装置および線織線射影抽出方法 - Google Patents

線織線射影抽出プログラム、線織線射影抽出装置および線織線射影抽出方法 Download PDF

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Description

この発明は、線織線射影抽出プログラム、線織線射影抽出装置および線織線射影抽出方法に関する。
従来より、銀行などの金融業界では、入力業務の効率化を行なうために、CCD(Charge Coupled Device)やデジタルカメラなどの非接触型画像撮像装置により紙帳票や紙文書を高速に入力する技術が実用化されている。しかし、非接触型画像撮像装置により入力された画像には、紙面の曲がりによる様々な画像歪みが存在するので(例えば、特許文献1の図19〜図23を参照)、この画像歪みを補正する歪み補正方式の開発が重要な課題となっている。
例えば、本願の出願人は、特許文献1において、画像から抽出された紙面の2次元輪郭の歪みを手がかりとして3次元紙面曲面を推定し、画像の歪みを補正する技術を開示している。
特開2002−150280号公報
ところで、上記した従来の技術は、補正対象となる歪みの種類が限定されるとともに、その種類を指定する必要があり、歪みの種類が多様である実際の画像には適用が困難であるという問題点があった。
また、上記した従来技術では、画像に紙面全体が撮像されていない場合は、その輪郭が抽出できないので、適用できる画像が限定されるという問題点があった。
この問題点を解決するには、本願の出願人の先行発明である「画像歪み補正プログラム、画像歪み補正装置、画像歪み補正方法並びに画像歪み補正プログラムを格納した記録媒体」(特願2005−514903)に開示したように、3次元紙面曲面の撮像画像から平行測地線射影の集合を抽出し、紙面が線織面であるという性質を用いて線織線射影の集合を抽出し、平行測地線射影の集合と線織線射影の集合とから3次元紙面曲面を推定し、推定した3次元紙面曲面と撮像画像との画素対応付けを行うことにより画像歪みを補正した画像を生成する方法も考えられる。
しかしながら、上記した手法では、撮像画像上から探索される線織線候補射影の集合の組み合わせが膨大であり、すべての場合について「ずれ」の総和を算出するには膨大な計算量が必要であり、例えば、逐次的探索法である最急降下法を用いて計算量を減少させたとしても、設定する初期値によっては局所的最適値を与える線織線候補射影の集合を線織線射影の集合として抽出してしまうので、高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出できないという問題点がある。
また、上記した手法では、「ずれ」の総和が算出されるのは、抽出された平行測地線射影の集合すべてと交わる線織線候補射影に限られており、すべての平行測地線射影とは交わらない線織線候補射影の「ずれ」は線織線射影としての探索対象から除外されるために、例えば、画像上の平行測地線射影の集合における中心部に集中して線織線射影の集合が抽出される可能性があるので、高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出できない結果として、高精度に安定して紙面の歪みを補正できないという問題点がある。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる線織線射影抽出プログラム、線織線射影抽出装置および線織線射影抽出方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出手順と、前記線織線候補射影抽出手順によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線の前記内分比から定まるベクトルとの距離である近傍のずれを、前記線織線候補射影ごとに算出する近傍ずれ算出手順と、前記近傍ずれ算出手順によって算出された前記近傍のずれを前記線織線候補射影ごとに格納して保持する近傍ずれ保持手順と、前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記近傍ずれ保持手順によって保持した近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、前記線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する線織線射影抽出手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出手順と、前記線織線候補射影抽出手順によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルである線織線候補射影ベクトルを前記線織線候補射影ごとに算出する線織線候補射影ベクトル算出手順と、前記線織線候補射影ベクトル算出手順によって算出された前記線織線候補射影ベクトルを、前記線織線候補射影ごとに格納して保持する線織線候補射影ベクトル保持手順と、線織線候補射影ベクトル保持手順によって保持された前記線織線候補射影ベクトルと前記線織線射影の集合として任意に選択した選択線織線射影の集合それぞれの前記選択線織線射影の前記内分比から定まる前記ベクトルの平均である選択平均ベクトルとの距離であるずれを、前記線織線候補射影ごとに算出するずれ算出手順と、前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記ずれ算出手順によって算出した前記ずれの総和が最小となる直線の集合を新たな前記選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する選択線織線射影抽出手順と、前記線織線候補射影ベクトル保持手順によって保持された前記線織線候補射影ベクトルと前記選択線織線射影抽出手順によって新たに抽出された前記選択線織線射影の集合とを用いた前記ずれ算出手順による処理と、前記選択線織線射影抽出手順による処理とを反復させて実行し、前記ずれの総和の値の減少が収束した際の当該選択線織線射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出する反復線織線射影抽出手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、前記3次元紙面曲面を前記線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、前記一般化円錐モデルによる曲面を撮像した前記画像では前記線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、任意に設定した前記消失点の候補である消失点候補ごとに前記平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を調べて前記線織線射影の集合を抽出する一般化円錐モデル線織線射影抽出手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合の中で、前記平行測地線射影の集合すべてと交わる前記線織線候補射影である完全線織線候補射影の部分集合と、前記平行測地線射影の集合の一部としか交わらない前記線織線候補射影である不完全線織線候補射影の部分集合からなる前記線織線候補射影の不完全集合について、前記不完全線織線候補射影と前記平行測地線の集合の一部との前記内分比から定まるベクトルである不完全ベクトルと、前記完全線織線候補射影の部分集合それぞれと前記平行測地線射影の集合すべてとの前記内分比から定まるベクトルである完全ベクトルの平均である平均完全ベクトルとの距離であるずれの最小値を前記線織線候補射影の不完全集合ごとの不完全線織線候補射影すべてについて推定する不完全線織線候補射影ずれ推定手順と、前記不完全線織線候補射影ずれ推定手順によって推定された前記ずれの最小値を当該不完全線織線候補射影の前記不完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの距離であるずれとして、前記完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの距離であるずれとともにさらに加算したものを、前記線織線候補射影の不完全集合のずれの総和として算出する不完全集合ずれ総和算出手順と、前記不完全集合ずれ総和算出手順によって算出した前記線織線候補射影の不完全集合のずれの総和を、前記完全線織線候補射影のみからなる前記線織線候補射影の完全集合それぞれから算出した前記完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの前記ずれの総和とともに比較して、前記ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出する推定ずれ線織線射影抽出手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出装置であって、前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出手段と、前記線織線候補射影抽出手段によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線の前記内分比から定まるベクトルとの距離である近傍のずれを、前記線織線候補射影ごとに算出する近傍ずれ算出手段と、前記近傍ずれ算出手段によって算出された前記近傍のずれを前記線織線候補射影ごとに格納して保持する近傍ずれ保持手段と、前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記近傍ずれ保持手段によって保持した近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、前記線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する線織線射影抽出手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法であって、前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出工程と、前記線織線候補射影抽出工程によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線の前記内分比から定まるベクトルとの距離である近傍のずれを、前記線織線候補射影ごとに算出する近傍ずれ算出工程と、前記近傍ずれ算出工程によって算出された前記近傍のずれを前記線織線候補射影ごとに格納して保持する近傍ずれ保持工程と、前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記近傍ずれ保持工程によって保持した近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、前記線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する線織線射影抽出工程と、を含んだことを特徴とする。
請求項1、5、または6の発明によれば、平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出し、抽出された線織線候補射影の内分比から定まるベクトルと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線の内分比から定まるベクトルとの距離である近傍のずれを、線織線候補射影ごとに算出し、近傍のずれを線織線候補射影ごとに格納して保持し、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、保持した近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出するので、線織線候補射影の集合から選択されるすべての組み合わせについて線織線射影としての評価を行なう場合に比べて、少ない計算量で最適な組み合わせからなる線織線射影の集合を抽出することができ、歪んだ紙面である紙面曲面を撮像した画像から高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる。
また、請求項2の発明によれば、平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出し、抽出された前記線織線候補射影の内分比から定まるベクトルである線織線候補射影ベクトルを線織線候補射影ごとに算出し、算出された前記線織線候補射影ベクトルを、線織線候補射影ごとに格納して保持し、保持された線織線候補射影ベクトルと線織線射影の集合として任意に選択した選択線織線射影の集合それぞれの選択線織線射影の内分比から定まるベクトルの平均である選択平均ベクトルとの距離であるずれを、線織線候補射影ごとに算出し、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、算出したずれの総和が最小となる直線の集合を新たな選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出し、保持された線織線候補射影ベクトルと新たに抽出された選択線織線射影の集合とを用いた「ずれ」を算出する処理と、新たに選択線織線射影の集合を抽出する処理とを反復させて実行し、ずれの総和の値の減少が収束した際の当該選択線織線射影の集合を線織線射影の集合として抽出するので、線織線候補射影の集合から選択されるすべての組み合わせについて線織線射影としての評価を行なう場合に比べて、少ない計算量で最適な組み合わせからなる線織線射影の集合を反復して抽出することができ、歪んだ紙面である紙面曲面を撮像した画像から高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる。
また、請求項3の発明によれば、3次元紙面曲面を前記線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、一般化円錐モデルによる曲面を撮像した画像では線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、任意に設定した消失点の候補である消失点候補ごとに平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を調べて線織線射影の集合を抽出するので、線織線射影の探索範囲を多次元から2次元に限定して少ない計算量で線織線射影の集合を抽出することができ、歪んだ紙面である紙面曲面を撮像した画像から高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる。
また、請求項4の発明によれば、線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合の中で、平行測地線射影の集合すべてと交わる前記線織線候補射影である完全線織線候補射影の部分集合と、平行測地線射影の集合の一部としか交わらない線織線候補射影である不完全線織線候補射影の部分集合からなる線織線候補射影の不完全集合について、不完全線織線候補射影と平行測地線の集合の一部との内分比から定まるベクトルである不完全ベクトルと、完全線織線候補射影の部分集合それぞれと平行測地線射影の集合すべてとの内分比から定まるベクトルである完全ベクトルの平均である平均完全ベクトルとの距離であるずれの最小値を線織線候補射影の不完全集合ごとの不完全線織線候補射影すべてについて推定し、推定されたずれの最小値を当該不完全線織線候補射影の不完全ベクトルと平均完全ベクトルとの距離であるずれとして、完全ベクトルと平均完全ベクトルとの距離であるずれとともにさらに加算したものを、線織線候補射影の不完全集合のずれの総和として算出し、算出した線織線候補射影の不完全集合のずれの総和を、完全線織線候補射影のみからなる線織線候補射影の完全集合それぞれから算出した完全ベクトルと平均完全ベクトルとのずれの総和とともに比較して、ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出するので、不完全線織線候補射影を多く含む集合でも「ずれ」を推定して線織線射影としての評価を行うことができるので、歪んだ紙面である紙面曲面を撮像した画像から高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る線織線射影抽出プログラム、線織線射影抽出方法および線織線射影抽出装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、この発明に係る線織線射影抽出プログラムを含んで構成される線織線射影抽出装置を実施例として説明する。また、以下では、実施例1における線織線射影抽出装置の構成および処理の手順、実施例1の効果を順に説明し、次に実施例1と同様に、実施例2に係る線織線射影抽出装置、実施例3に係る線織線射影抽出装置、実施例4に係る線織線射影抽出装置、実施例5に係る線織線射影抽出装置について順に説明する。
[用語の説明]
まず最初に、線織線射影抽出装置を含む画像歪み補正装置の一例を説明する。本願の出願人の先行発明である「画像歪み補正プログラム、画像歪み補正装置、画像歪み補正方法並びに画像歪み補正プログラムを格納した記録媒体」(特願2005−514903号)に開示した線織線射影抽出装置を含む画像歪み補正装置は、3次元紙面曲面の撮像画像から平行測地線射影の集合を抽出し、紙面が線織面である性質を用いて線織線射影の集合を抽出し、平行測地線射影の集合と線織線射影の集合とから3次元紙面曲面を推定し、推定した3次元紙面曲面と撮像画像との画素対応付けを行うことにより画像歪みを補正した画像を生成する。
本先行発明では、まず、3次元紙面曲面のモデル化を行なう。ここで、3次元紙面曲面は、「曲面上の任意の点において、その点を通り曲面に含まれる直線である線織線が存在する」という性質を満たす線織面である。また、「3次元紙面曲面上では、伸展した紙面上の平行線は、平行な測地線である平行測地線となる」という性質がある。この線織線と平行測地線とを利用して3次元紙面曲面を、図1の(A)に示すように、曲線座標系(s,t)(0≦s≦1,0≦t≦1)を用いて、x(s,t)=(1-t)xU(s)+txD(s)と表す。ここで、図1の(B)に示すように、xU(s)は、3次元紙面曲面の中で上端に位置する平行測地線である上端平行測地線を構成する点を表し、xD(s)は、3次元紙面曲面の中で下端に位置する平行測地線である下端平行測地線を構成する点を表す。そして、上端平行測地線上の点xU(s)と下端平行測地線上の点xD(s)とを通る直線が線織線となるように、パラメータ「s」を設定する。ここで、図1の(A)に示す式では、「s」を固定することで線織線を表し、「t」を固定することで平行測地線を表すことになる。例えば、図1の(B)に示すように、「t=0」では、上端平行測地線を表し、「t=1」では、下端平行測地線を表し、それ以外の「t」では、上端平行測地線と下端平行測地線との間にある内部平行測地線を表すことになる。
そして、撮像画像のモデル化を行なう。図1の(C)に示すように、デジタルカメラなどによる撮像画像は、xyz座標空間中の3次元紙面曲面からカメラ中心xC=(xC,yC,zC)を中心としたxy平面への透視射影により取得される。ここで、3次元紙面曲面上の平行測地線を透視射影した画像上の曲線を平行測地線射影と呼び、平行測地線を構成する点xa=(xa,ya,za)に対応する画像上の平行測地線射影を構成する点Xa=(Xa,Ya,0)と表す。なお、a=Uの場合は、上端平行測地線の透視射影である上端平行測地線射影を表し、a=Dの場合は、下端平行測地線の透視射影である下端平行測地線射影を表し、a=iの場合は、内部平行測地線の透視射影である内部平行測地線射影を表す。ここで、図1の(C)に示すように、カメラ中心の高さと平行測地線上を構成する点との高さの内分比をhaとすると、平行測地線を構成する点およびこの点を透視射影した平行測地線射影を構成する点の間には、図1の(D)に示す式が成立する。これにより、3次元紙面曲面とそれを透視射影した撮像画像との対応付けができる。
これらのモデルを用いて、本先行発明では、最初に、撮像画像から平行測地線射影の集合を抽出する。具体的には、撮像画像から、伸展した紙面上では平行な直線であった歪んだ文字列や罫線を抽出し、これを手がかりに連結成分抽出や近接性の活用による画像処理により、平行測地線射影の集合を抽出する。例えば、図2の(A)に示す撮像画像から、図2の(B)に黒線で示す複数の平行測地線射影からなる集合を抽出する。
次に、撮像画像から3次元紙面曲面における線織線がxy平面への透視射影された直線である線織線射影の集合を抽出する。ここで、線織線射影の集合を抽出する際に、「線織線射影それぞれが平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比は一定」という性質を、線織線射影の集合を抽出する条件として利用する。具体的に、この条件について説明すると、図3−1の(A)に示すように、上端平行測地線射影と、下端平行測地線射影と、2本の内部平行測地線射影1〜2とからなる平行測地線射影の集合によって、線織線射影1が線分長「a1」、「b1」、「c1」に分割され、線織線射影2が線分長「a2」、「b2」、「c2」に分割され、線織線射影3が線分長「a3」、「b3」、「c3」に分割された場合、「a1:b1:c1=a2:b2:c2=a3:b3:c3」となる。
これを、内分比を使うことで、以下のように表現することができる。ここで、線織線射影1の3次元紙面曲面での線織線に対応するパラメータ「s」を「s1」、線織線射影2の3次元紙面曲面での線織線に対応するパラメータ「s」を「s2」、線織線射影3の3次元紙面曲面での線織線に対応するパラメータ「s」を「s3」として、以下の値を定義する。線織線射影1においては、T1(s1)=a1/(a1+b1+c1)、T2(s1)=(a1+b1)/(a1+b1+c1)、 線織線射影2においては、T1(s2)= a2/(a2+b2+c2)、T2(s1)= (a2+b2)/(a2+b2+c2)、線織線射影3においては、T1(s3)= a3/(a3+b3+c3)、T2(s3)= (a3+b3)/(a3+b3+c3)と定義する。ここで、上付きの数字「1」は内部平行測地線射影1を、「2」は内部平行測地線射影2を示す。これにより、線織線射影1が内部平行測地線射影1との交点によって分割(内分)された場合の内分比は、T1(s1):1- T1(s1)であり、線織線射影1が内部平行測地線射影2との交点によって内分された場合の内分比は、T2(s1):1− T2(s1)であり、線織線射影2が内部平行測地線射影1との交点によって内分された場合の内分比は、T1(s2):1- T1(s2)であり、線織線射影2が内部平行測地線射影2との交点によって内分された場合の内分比は、T2(s2):1- T2(s2)であり、線織線射影3が内部平行測地線射影1との交点によって内分された場合の内分比は、T1(s3):1- T1(s3)であり、線織線射影3が内部平行測地線2との交点によって内分された場合の内分比は、T2(s3):1- T2(s3)である。そして、上記した「分割された線分長の比は一定」という条件は、図3−1の(B)に示すように、内分比から求まる内分比率 の比である「((T1(s))-1): ((T2(s))-1)」は、すべての線織線射影において(すべてのパラメータ「s」において)一定であると表現することができる。
この内分比を使った条件は、パラメータ「s」が表す線織線に対応する線織線射影がN本の内部平行測地線射影によって内分された場合の内分比をN次元のベクトルT(s)として、図3−2の(C)に示すように定義すると、『すべてのパラメータ「s」においてこのN次元ベクトルT(s)は等しい』と一般化することができる。
ここで、撮像画像上の直線の集合を線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として評価するには、それぞれの線織線候補の集合におけるN次元ベクトルT(s)の分散(条件からの「ずれ」)を評価すればよく、この「ずれ」が最小となる線織線候補射影の集合を探索して、線織線射影の集合として抽出すればよい。
これを実施するために、さらに、図3−2の(D)に示すcross ratio vector「U(s)」を定義する。なお、図3−2の(D)に示す「k」は、ベクトルU(s)の長さを「1」にするための正規化係数である。ここで、図3−2の(E)で示す式で、Ns本の線織線候補射影の集合が与えられた際の「ずれ」の総和である「E」を定義する。なお、Uの上に線がある記号は、「ずれ」の累積対象であるNs本の線織線候補射影それぞれのcross ratio vector「U(s)」から求まる平均ベクトルであり、「‖・‖」はベクトル空間における距離を示すノルムである。この「E」が最小となる線織線候補射影の集合を探索して、線織線射影の集合として抽出する。例えば、図4の点線で示す線織線候補射影の集合を、線織線射影の集合を探索して抽出する。これにより、平行測地線射影の集合と測地線射影の集合とを対応付けることができる。
続いて、平行測地線射影の集合と線織線射影の集合とから3次元紙面曲面を推定する。具体的には、平行測地線の性質から、「線織線と平行測地線それぞれの交点における接ベクトルは平行」という条件が成立するので、あるパラメータ「s」で表される線織線と上端平行測地線との交点xU(s)の接ベクトルと、同一線織線と下端平行測地線との交点xD(s)の接ベクトルとは平行であり、図5の(A)に示す行列式を求めることができる。ここで、文字の上にドット「・」がある記号は、パラメータ「s」に対しての微分値であることを示している。この行列式から、図5の(B)に示す上端平行測地線の高さの内分比の微分関数(a=U)および下端平行測地線の高さの内分比の微分関数(a=D)である関数fa(s)が定まり、図5の(C)に示す式により、3次元紙面曲面を推定することができる。
そして、推定した3次元紙面曲面と撮像画像との画素対応付けを行なうことで、歪んだ3次元紙面曲面の撮像画像から歪みを補正した画像を生成する。例えば、図6に示すような歪み補正結果を得る。
[実施例1における線織線射影抽出装置の概要および特徴]
続いて、図7と図8とを用いて、実施例1における線織線射影抽出装置の主たる特徴を具体的に説明する。図7は実施例1における線織線射影抽出装置を含む画像歪み補正装置の構成を示すブロック図であり、図8は実施例1における線織線射影抽出装置の概要および特徴を説明するための図である。
図7に示すように、実施例1における画像歪み補正装置10は、撮像画像入力部11と、補正画像出力部12と、入出力制御I/F部13と、記憶部20と、処理部30とから構成される。
撮像画像入力部11は、処理部30による各種処理に用いる撮像画像を入力する。具体的には、デジタルカメラなどの非接触型画像撮像装置により歪んだ紙面が撮像された画像データであって、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)などの形式で保存された画像データなどを非接触型画像撮像装置から直接入力する。なお、画像歪み補正装置10は、図示しない入力部として、キーボードや、タッチパネルを備えており、これにより画像歪み補正要求を受け付けるようにしている。
補正画像出力部12は、後述する画像対応付け部34による処理結果として得られる歪んだ3次元紙面曲面の撮像画像から歪みを補正した画像を、例えば、画像歪み補正装置10に接続されるディスプレイに出力する。
入出力制御I/F部13は、撮像画像入力部11および補正画像出力部12と、記憶部20および処理部30との間におけるデータ転送を制御する。
記憶部20は、処理部30による各種処理に用いるデータと、処理部30による各種処理結果を記憶し、例えば、図7に示すように、平行測地線射影集合記憶部21と、線織線射影集合記憶部22と、推定紙面曲面記憶部23とを備える。なお、各部については、後に詳述する。
処理部30は、入出力制御I/F部13から転送された画像データに基づき各種処理を実行し、例えば、図7に示すように、平行測地線射影抽出部31と、線織線射影抽出部32と、紙面曲面推定部33と、画像対応付け部34とを備える。
平行測地線射影抽出部31は、入力された画像データから平行測地線射影を抽出し、抽出された平行測地線射影の集合を平行測地線射影集合記憶部21に格納する。具体的には、撮像画像から文字列や罫線を抽出し、これを手がかりに連結成分抽出や近接性の活用による画像処理により、平行測地線射影の集合を抽出する。例えば、図2の(A)に示す撮像画像から、図2の(B)に黒線で示す複数の平行測地線射影からなる集合を抽出する。
線織線射影抽出部32は、平行測地線射影集合記憶部21が記憶する平行測地線射影の集合を手がかりに、線織線射影を抽出し、抽出された線織線射影の集合を線織線射影集合記憶部22に格納する。具体的には、「線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定」という条件に基づいて、例えば、図4の点線で示す線織線候補射影の集合を、線織線候補射影の集合を探索して抽出する。
紙面曲面推定部33は、平行測地線射影集合記憶部21が記憶する平行測地線射影の集合と線織線射影集合記憶部22が記憶する線織線射影の集合とから、3次元紙面曲面を推定し、その結果を推定紙面曲面記憶部23に格納する。
画像対応付け部34は、推定した3次元紙面曲面と撮像画像との画素対応付けを行なうことで、歪んだ3次元紙面曲面の撮像画像から歪みを補正した画像を生成する。例えば、図6に示すような歪み補正結果を得る。
さて、実施例1における線織線射影抽出装置(線織線射影抽出部32および線織線射影集合記憶部22から構成される部分)は、先行発明のように、線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から抽出された平行測地線射影を手がかりに、線織線射影の集合を探索して抽出することを概要とするが、この先行発明と比較して、高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出することが可能になることに主たる特徴がある。
この主たる特徴について簡単に説明すると、まず、実施例1における線織線射影抽出装置は、平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する。例えば、図8の(A)に示すように、上端平行測地線射影を「P」ドットおきに分割することにより、上端平行測地線射影において「U個」の離散点集合を取得し、下端平行測地線射影を「Q」ドットおきに分割することにより、下端平行測地線射影において「D個」の離散点集合を取得する。そして、上端平行測地線射影の離散点「U個」と下端平行測地線射影の離散点「D個」とを1点ずつ選んで結んだすべての組み合わせからなる直線の集合(UxD本の直線の集合)を、線織線候補射影の集合として抽出する。
続いて、実施例1における線織線射影抽出装置は、線織線候補射影のcross ratio vectorと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線のcross ratio vectorとの距離である近傍のずれを、線織線候補射影ごとに算出する。すなわち、図8の(A)に示す「UxD本」の線織線候補射影それぞれについて、近傍のずれを算出する。例えば、図8の(B)に示すように、上端平行測地線射影の離散点「a」と下端平行測地線射影の離散点「b個」を通る線織線候補射影「ab」を左に「R]ドットずらした近傍直線「ab−R」と、線織線候補射影「ab」を右に「R]ドットずらした近傍直線「ab+R」とを設定し、図3−2の(D)で示した数式を用いて、線織線候補射影「ab」のcross ratio vectorであるU(ab)と、近傍直線「ab−R」のcross ratio vectorであるU(ab−R)と、近傍直線「ab+R」のcross ratio vectorであるU(ab+R)とを算出する。そして、U(ab)とU(ab−R)との距離(ノルム)と、U(ab)とU(ab+R)との距離(ノルム)とを算出し、これらの平均を求め、この平均値を「近傍のずれ」とする。この計算を、UxD本の線織線候補射影ごとに行なう。なお、「cross ratio vector」は、特許請求の範囲に記載の「ベクトル」に対応する。
また、実施例1における線織線射影抽出装置は、算出された「近傍のずれ」を線織線候補射影ごとに格納して保持する。具体的には、図8の(C)の表に示すように、UxD本の線織線候補射影ごとの「近傍のずれ」(d(1)〜d(UxD))を格納して保持する。
そして、実施例1における線織線射影抽出装置は、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する。すなわち、UxD本の線織線射影候補から互いに交わらない直線の集合(Ns本)のうち、図8の(C)の表に示す「近傍のずれ」(d(1)〜d(UxD))の総和が最小となるNs本の直線の集合を、線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する。この問題は、「UxD」個の変数(近傍のずれ)から「互いに交わらない直線」という条件下でNs個の変数を選択して、その合計が最小となる組み合わせを求める組み合わせ最適化問題であり、「最適性原理」が成立する問題として連続動的計画法を用いることで、すべての組み合わせについて近傍のずれの総和を算出して比較する場合に比べて少ない計算量により、この問題を解くことができる。
なお、「近傍のずれ」を用いるのは、『線織線候補射影が「線織線射影としての条件」をみたす直線であるならば、線織線候補射影のcross ratio vectorと前記線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線のcross ratio vectorとの距離である「近傍のずれ」の値は小さく、線織線候補射影が「線織線射影としての条件」から逸脱した直線であるならば、「近傍のずれ」の値は大きい』という前提に基づいている。
このようなことから、実施例1における線織線射影抽出装置は、線織線候補射影の集合から選択されるすべての組み合わせについて線織線射影としての評価を行なう場合に比べて、少ない計算量で最適な組み合わせからなる線織線射影の集合を抽出することができ、上記した主たる特徴の通り、高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出することが可能になる。
[実施例1における線織線射影抽出装置の構成]
次に、図9を用いて、実施例1における線織線射影抽出装置を説明する。図9は、実施例1における線織線射影抽出装置の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、実施例1における線織線射影抽出装置100は、画像歪み補正装置10における線織線射影抽出部32と、線織線射影集合記憶部22とから構成され、平行測地線射影集合記憶部21が記憶する平行測地線射影の集合を手がかりに、線織線射影を抽出し、その結果に基づいて、紙面曲面推定部33は、3次元紙面曲面を推定する。
線織線射影集合記憶部22は、後に詳述する線織線射影抽出部32による各種処理結果を記憶し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図9に示すように、線織線候補射影集合記憶部22aと、近傍ずれ記憶部22bと、近傍ずれ線織線射影集合記憶部22cとを備える。ここで、近傍ずれ記憶部22bは、特許請求の範囲に記載の「近傍ずれ保持手順」に対応する。線織線候補射影集合記憶部22aは、後述する線織線候補射影抽出部32aが抽出した線織線候補射影の集合を記憶し、近傍ずれ記憶部22bは、後述する近傍ずれ算出部32bが算出した近傍ずれを線織線候補射影ごとに記憶し、近傍ずれ線織線射影集合記憶部22cは、後述する近傍ずれ線織線射影抽出部32cが抽出した線織線射影の集合を記憶する。
線織線射影抽出部32は、平行測地線射影集合記憶部21が記憶する平行測地線射影の集合に基づき各種処理を実行し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図9に示すように、線織線候補射影抽出部32aと、近傍ずれ算出部32bと、近傍ずれ線織線射影抽出部32cとを備える。ここで、線織線候補射影抽出部32aは、特許請求の範囲に記載の「線織線候補射影抽出手順」に対応し、近傍ずれ算出部32bは、同じく「近傍ずれ算出手順」に対応し、近傍ずれ線織線射影抽出部32cは、同じく「線織線射影抽出手順」に対応する。なお、各部については、以下に詳述する。
線織線候補射影抽出部32aは、平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出し、その結果を線織線候補射影集合記憶部22aに記憶する。例えば、図8の(A)に示すように、上端平行測地線射影を「P」ドットおきに分割することにより、上端平行測地線射影において「U個」の離散点集合を取得し、下端平行測地線射影を「Q」ドットおきに分割することにより、下端平行測地線射影において「D個」の離散点集合を取得する。そして、上端平行測地線射影の離散点「U個」と下端平行測地線射影の離散点「D個」とを1点ずつ選んで結んだすべての組み合わせからなる直線の集合(UxD本の直線の集合)を、線織線候補射影の集合として抽出する。
近傍ずれ算出部32bは、線織線候補射影のcross ratio vectorと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線のcross ratio vectorとの距離である近傍のずれを、線織線候補射影ごとに算出し、その結果を近傍ずれ記憶部22bに記憶する。すなわち、図8の(A)に示す「UxD本」の線織線候補射影それぞれについて、近傍のずれを算出する。例えば、図8の(B)に示すように、上端平行測地線射影の離散点「a」と下端平行測地線射影の離散点「b個」を通る線織線候補射影「ab」を左に「R]ドットずらした近傍直線「ab−R」と、線織線候補射影「ab」を右に「R]ドットずらした近傍直線「ab+R」とを設定し、図3−2の(D)で示した数式を用いて、線織線候補射影「ab」のcross ratio vectorであるU(ab)と、近傍直線「ab−R」のcross ratio vectorであるU(ab−R)と、近傍直線「ab+R」のcross ratio vectorであるU(ab+R)とを算出する。そして、U(ab)とU(ab−R)との距離(ノルム)と、U(ab)とU(ab+R)との距離(ノルム)とを算出し、これらの平均を求め、この平均値を「近傍のずれ」とする。この計算を、UxD本の線織線候補射影ごとに行なう。
なお、近傍直線「ab−R」と近傍直線「ab+R」とのどちらか一方のみを使って、例えば、U(ab−R)とU(ab)との距離(ノルム)とを算出し、これを「近傍のずれ」とて算出してもよい。
近傍ずれ線織線射影抽出部32cは、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出し、その結果を近傍ずれ線織線射影集合記憶部22cに記憶する。すなわち、UxD本の線織線射影候補から互いに交わらない直線の集合(Ns本)のうち、図8の(C)の表に示す「近傍のずれ」(d(1)〜d(UxD))の総和が最小となるNs本の直線の集合を、線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する。
ここで、「連続動的計画法」とは、各変数xi(i=1〜n)が有限個の離散値からなるn次関数「J=f(x1,x2,・・,xn)」が2変数関数の和として表される場合に、効率的に最適解(例えば、最小値や最大値など)を求めることができる解法である。例えば、このn次関数「J=f(x1,x2,・・,xn)」が「J=f1(x1)+h1(x1,x2)+h2(x2+x3)+・・・+hn-1(xn-1,xn)」のように、対ごとの2変数関数の和として表されるとし、この最小値を与える最適解を求めるとする。まず、「f1(x1)+h1(x1,x2)」が最小となる最適な「x'1」を、「x2」のすべての場合について計算する。これを「x2」の関数とみなして「f2(x2)」とすると、「J」は変数の数が1つ減った関数「J=f2(x2)+ h2(x2+x3)+・・・+hn-1(xn-1,xn)」となり、この最小値を与える最適解を求める問題となる。続いて、「f2(x2)+h2(x2,x3)」が最小となる最適な「x'2」を「x3」のすべての場合について計算する。これを同じように、「x3」の関数とみなして「f3(x3)」とすると、「J」は変数の数がさらに1つ減った関数「J=f3(x3)+ h3(x3+x4)+・・・+hn-1(xn-1,xn)」となり、この最小値を与える最適解を求める問題となる。これを順次繰り返し、最終的に、1次関数「J=fn(xn)」の最小値を与える最適な「x'n」を求めることにより、今度は、「x'n」を与えた「x'n-1」、「x'n-1」を与えた「x'n-2」、・・・、「x'2」を与えた「x'1」とさかのぼることで、最適解を与える変数xi(i=1〜n)の組み合わせを算出することができる。この解法により、『「最適解」=「近傍のずれ」の総和が最小値』を与えるNs個の変数からなる「直線の集合」である「線織線射影の集合」を効率的に求めることができる。
[実施例1における線織線射影抽出装置による処理の手順]
次に、図10を用いて、実施例1における線織線射影抽出装置100による処理を説明する。図10は、実施例1における線織線射影抽出装置の処理の手順を示すフローチャートである。
まず、実施例1における線織線射影抽出装置100は、平行測地線射影集合記憶部21に抽出された平行測地線の集合データが格納されると(ステップS1001肯定)、線織線候補射影抽出部32aは、平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する(ステップS1002)。
例えば、図8の(A)に示すように、上端平行測地線射影において「U個」の離散点集合を取得し、下端平行測地線射影において「D個」の離散点集合を取得し、上端平行測地線射影の離散点「U個」と下端平行測地線射影の離散点「D個」とを1点ずつ選んで結んだすべての組み合わせからなる直線の集合(UxD本の直線の集合)を、線織線候補射影の集合として抽出する。
続いて、近傍ずれ算出部32bは、線織線候補射影のcross ratio vectorと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線のcross ratio vectorとの距離である近傍のずれを、線織線候補射影ごとに算出する(ステップS1003)。すなわち、図8の(A)に示す「UxD本」の線織線候補射影それぞれについて、近傍のずれを算出する。
例えば、図8の(B)に示すように、線織線候補射影「ab」に対して、近傍直線「ab−R」と近傍直線「ab+R」とを設定し、図3−2の(D)で示した数式を用いて算出したU(ab)、U(ab−R)およびU(ab+R)から、「(‖U(ab−R)−U(ab)‖+‖U(ab+R)−U(ab)‖)/2」を算出して、この値を「近傍のずれ」とする。
そして、近傍ずれ線織線射影抽出部32cは、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出して(ステップS1004)、処理を終了する。すなわち、UxD本の線織線射影候補から互いに交わらない直線の集合(Ns本)のうち、図8の(C)の表に示す「近傍のずれ」(d(1)〜d(UxD))の総和が最小となるNs本の直線の集合を、線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する。
[実施例1の効果]
上記したように、実施例1によれば、平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出し、抽出された線織線候補射影のcross ratio vectorと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線のcross ratio vectorとの距離である近傍のずれを、線織線候補射影ごとに算出し、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、前記線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出するので、線織線候補射影の集合から選択されるすべての組み合わせについて線織線射影としての評価を行なう場合に比べて、少ない計算量で最適な組み合わせからなる線織線射影の集合を抽出することができ、歪んだ紙面である紙面曲面を撮像した画像から高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる。
上述した実施例1では、「近傍のずれ」の総和が最小となる直線の集合を、線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する場合について説明したが、実施例2では、任意に選択した選択線織線射影の平均ベクトルとの「ずれ」の総和が最小となる直線の集合を、新たな選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出し、この処理を反復して行って、「ずれ」の総和の減少が収束した際の選択線織線射影の集合を線織線射影の集合として抽出する場合について説明する。
[実施例2における線織線射影抽出装置の概要および特徴]
まず最初に、図11−1と図11−2とを用いて、実施例2における線織線射影抽出装置の主たる特徴を具体的に説明する。図11−1と図11−2とは、実施例2における線織線射影抽出装置の概要および特徴を説明するための図である。
実施例2における線織線射影抽出装置は、実施例1における線織線射影抽出装置100と同様に、平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する。例えば、図8の(A)に示すように、上端平行測地線射影における「U個」の離散点集合と下端平行測地線射影における「D個」の離散点集合とから1点ずつ選んで結んだすべての組み合わせからなる直線の集合(UxD本の直線の集合)を、線織線候補射影の集合として抽出する。
続いて、実施例2における線織線射影抽出装置は、線織線候補射影のcross ratio vectorを線織線候補射影ごとに算出する。すなわち、図11−1の(A)に示すように、上端平行測地線射影の離散点「a」と下端平行測地線射影の離散点「b個」を通る線織線候補射影「ab」のcross ratio vectorであるU(ab)を、図3−2の(D)で示した数式を用いて算出し、これをUxD本の線織線候補射影それぞれについて算出する。
続いて、実施例2における線織線射影抽出装置は、線織線候補射影のcross ratio vectorと線織線射影の集合として任意に選択した選択線織線射影の集合それぞれの選択線織線射影のcross ratio vectorの平均である選択平均ベクトルとの距離であるずれを、線織線候補射影ごとに算出する。
例えば、図11−1の(B)に示すように、上端平行測地線射影および下端平行測地線をそれぞれ等間隔で切断するNs本の直線の集合を選択線織線射影の集合(0)として選択し、図3−2の(D)で示した数式を用いて選択線織線射影ごとのcross ratio vectorを算出して、これらの平均ベクトルである選択平均ベクトル(0)を算出する。そして、UxD本の線織線候補射影それぞれについて算出したcross ratio vectorと選択平均ベクトル(0)との距離である「ずれ=d(0)」を算出し、図11−1の(C)の表に示すように線織線候補射影ごとに「ずれ」:d(0:1)〜d(0:UxD)を格納する。
続いて、実施例2における線織線射影抽出装置は、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、ずれの総和が最小となる直線の集合を新たな選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する。すなわち、図11−1の(C)に示すように、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合(Ns本)において、「ずれ」の総和が最小となる直線の集合を新たな選択線織線射影の集合(1)として連続動的計画法により抽出する。なお、「ずれ」の総和は、図3−2の(E)で示す数式で算出される「E」によって定義される値であり、新たに抽出された選択線織線射影の集合(1)の「ずれ」の総和をE(1)とする。
そして、「線織線候補射影のcross ratio vector」と「新たに抽出された選択線織線射影の集合から算出した選択平均ずれ」とから「ずれ」を線織線候補射影ごとに算出する処理と、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、ずれの総和が最小となる直線の集合を新たな選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する処理とを反復させて実行し、ずれの総和の値の減少が収束した際の当該選択線織線射影の集合を線織線射影の集合として抽出する。
すなわち、図11−2の(D)に示すように、「線織線候補射影のcross ratio vector」と『「ずれ」の総和がE(k−1)である選択線織線射影の集合(k−1)から算出した選択平均ベクトル(k−1)』とから「ずれ」:d(k−1:1)〜d(k−1:UxD)を線織線候補射影ごとに算出し、織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合(Ns本)において、「ずれ」の総和が最小となる直線の集合を新たな『選択線織線射影の集合(k):「ずれ」の総和がE(k)』として連続動的計画法により抽出する処理とを反復させて実行し、例えば、E(k―1)とE(k)との減少率「(E(k―1)―E(k))/E(k―1)」が所定の値(例えば、0.1%)より小さい場合に、ずれの総和の値の減少が収束したとみなし、選択線織線射影の集合(k)を線織線射影の集合として抽出する(図11−2の(E)を参照)。
このようなことから、実施例2における線織線射影抽出装置は、線織線候補射影の集合から選択されるすべての組み合わせについて線織線射影としての評価を行なう場合に比べて、少ない計算量で最適な組み合わせからなる線織線射影の集合を反復して抽出することができ、歪んだ紙面である紙面曲面を撮像した画像から高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる。
[実施例2における線織線射影抽出装置の構成]
次に、図12を用いて、実施例2における線織線射影抽出装置を説明する。図12は、実施例1における線織線射影抽出装置の構成を示すブロック図である。
図12に示すように、実施例2における線織線射影抽出装置100は、実施例1と同様に、画像歪み補正装置10における線織線射影抽出部32と、線織線射影集合記憶部22とから構成され、平行測地線射影集合記憶部21が記憶する平行測地線射影の集合を手がかりに、線織線射影を抽出し、その結果に基づいて、紙面曲面推定部33は、3次元紙面曲面を推定する。
線織線射影集合記憶部22は、後に詳述する線織線射影抽出部32による各種処理結果を記憶し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図12に示すように、線織線候補射影集合記憶部22aと、線織線候補射影ベクトル記憶部22dと、ずれ記憶部22eと、選択線織線射影集合記憶部22fと、反復線織線射影集合記憶部22gとを備える。ここで、線織線候補射影ベクトル記憶部22dは、特許請求の範囲に記載の「線織線候補射影ベクトル保持手順」に対応する。線織線候補射影集合記憶部22aは、実施例1と同様に、線織線候補射影抽出部32aが抽出した線織線候補射影の集合を記憶し、線織線候補射影ベクトル記憶部22dは、後述する線織線候補射影ベクトル算出部32dが算出した線織線候補射影ベクトルを線織線候補射影ごとに記憶し、ずれ記憶部22eは、後述するずれ算出部32eが算出したずれを線織線候補射影ごとに記憶し、選択線織線射影集合記憶部22fは、選択線織線射影抽出部32fが新たに抽出した選択線織線射影の集合を記憶し、反復線織線射影集合記憶部22gは、反復線織線射影抽出部32gが抽出した線織線射影の集合を記憶する。
線織線射影抽出部32は、平行測地線射影集合記憶部21が記憶する平行測地線射影の集合に基づき各種処理を実行し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図12に示すように、線織線候補射影抽出部32aと、線織線候補射影ベクトル算出部32dと、ずれ算出部32eと、選択線織線射影抽出部32fと、反復線織線射影抽出部32gとを備える。ここで、線織線候補射影抽出部32aは、特許請求の範囲に記載の「線織線候補射影抽出手順」に対応し、線織線候補射影ベクトル算出部32dは、同じく「線織線候補射影ベクトル算出手順」に対応し、ずれ算出部32eは、同じく「ずれ算出手順」に対応し、選択線織線射影抽出部32fは、同じく「選択線織線射影抽出手順」に対応し、反復線織線射影抽出部32gは、同じく「反復線織線射影抽出手順」に対応する。なお、各部については、以下に詳述する。
線織線候補射影抽出部32aは、実施例1と同様に、平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出し、その結果を線織線候補射影集合記憶部22aに記憶する。
線織線候補射影ベクトル算出部32dは、線織線候補射影のcross ratio vectorを線織線候補射影ごとに算出し、その結果を線織線候補射影ベクトル記憶部22dに記憶する。すなわち、図11−1の(A)に示すように、線織線候補射影「ab」のcross ratio vectorであるU(ab)を、図3−2の(D)で示した数式を用いて算出し、これをUxD本の線織線候補射影それぞれについて算出する。
続いて、ずれ算出部32eは、線織線候補射影のcross ratio vectorと線織線射影の集合として任意に選択した選択線織線射影の集合それぞれの選択線織線射影のcross ratio vectorの平均である選択平均ベクトルとの距離であるずれを、線織線候補射影ごとに算出、その結果をずれ記憶部22eに記憶する。
例えば、図11−1の(B)に示すように、上端平行測地線射影および下端平行測地線をそれぞれ等間隔で切断するNs本の直線の集合を選択線織線射影の集合(0)として選択し、図3−2の(D)で示した数式を用いて選択線織線射影ごとのcross ratio vectorを算出して、これらの平均ベクトルである選択平均ベクトル(0)を算出する。そして、UxD本の線織線候補射影それぞれについて算出したcross ratio vectorと選択平均ベクトル(0)との距離である「ずれ=d(0)」を算出し、図11−1の(C)の表に示すように線織線候補射影ごとに「ずれ」:d(0:1)〜d(0:UxD)を、ずれ記憶部22eに格納する。
選択線織線射影抽出部32fは、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、ずれの総和が最小となる直線の集合を新たな選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出し、その結果を選択線織線射影集合記憶部22fに記憶する。すなわち、図11−1の(C)に示すように、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合(Ns本)において、図3−2の(E)で示す数式で算出される「ずれ」の総和が最小となる直線の集合を新たな『選択線織線射影の集合(1):「ずれ」の総和がE(1)』として連続動的計画法により抽出する。ここで、「連続動的計画法」とは、実施例1で述べたように、各変数xi(i=1〜n)が有限個の離散値からなるn次関数「J=f(x1,x2,・・,xn)」が2変数関数の和として表される場合に、効率的に最適解(例えば、最小値や最大値など)を求めることができる解法であり、実施例2では、『「最適解」=「ずれ」の総和が最小値』を与えるNs個の変数からなる「直線の集合」である「線織線射影の集合」を効率的に求める。
反復線織線射影抽出部32gは、ずれ算出部32eが実行する線織線候補射影ベクトル記憶部22dの保持する「線織線候補射影のcross ratio vector」と選択線織線射影集合記憶部22fに新たに格納された「選択線織線射影の集合」とに基づいて「ずれ」を算出する処理と、選択線織線射影抽出部32fが実行する、「ずれ」の総和が最小となる直線の集合をさらに新たな選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する処理とを反復させて、「ずれ」の総和の値の減少が収束した際の当該選択線織線射影の集合を線織線射影の集合として抽出し、その結果を反復線織線射影集合記憶部22gに記憶する。
すなわち、図11−2の(D)に示すように、「線織線候補射影のcross ratio vector」と『選択線織線射影の集合(k−1):「ずれ」の総和がE(k−1)』とから、「ずれ」:d(k−1:1)〜d(k−1:UxD)を線織線候補射影ごとに算出する処理と、これに基づいて新たな『選択線織線射影の集合(k):「ずれ」の総和がE(k)』として連続動的計画法により抽出する処理とを反復させて実行し、例えば、E(k―1)とE(k)との減少率「(E(k―1)―E(k))/E(k―1)」が所定の値(例えば、0.1%)より小さい場合に、ずれの総和の値の減少が収束したとみなし、選択線織線射影の集合(k)を線織線射影の集合として抽出する(図11−2の(E)を参照)。
[実施例2における線織線射影抽出装置による処理の手順]
次に、図13を用いて、実施例2における線織線射影抽出装置100による処理を説明する。図13は、実施例2における線織線射影抽出装置の処理の手順を示すフローチャートである。
まず、実施例2における線織線射影抽出装置100は、平行測地線射影集合記憶部21に抽出された平行測地線の集合データが格納されると(ステップS1301肯定)、実施例1と同様に、線織線候補射影抽出部32aは、平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、例えば、図8の(A)に示すように、線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する(ステップS1302)。
続いて、線織線候補射影ベクトル算出部32dは、線織線候補射影のcross ratio vectorを線織線候補射影ごとに算出する(ステップS1303)。すなわち、図11−1の(A)に示すように、線織線候補射影「ab」のcross ratio vectorであるU(ab)を、図3−2の(D)で示した数式を用いて算出し、これをUxD本の線織線候補射影それぞれについて算出する。
そして、ずれ算出部32eは、線織線候補射影のcross ratio vectorと線織線射影の集合として任意に選択した選択線織線射影の集合それぞれの選択線織線射影のcross ratio vectorの平均である選択平均ベクトルとの距離であるずれを、線織線候補射影ごとに算出する(ステップS1304)。例えば、図11−1の(B)に示すように、上端平行測地線射影および下端平行測地線をそれぞれ等間隔で切断するNs本の直線の集合を選択線織線射影の集合(0)として選択し、この選択線織線射影の集合(0)から算出される選択平均ベクトル(0)と、線織線候補射影のcross ratio vectorとの距離である「ずれ」を図11−1の(C)の表に示すように、線織線候補射影ごとに算出する。
その後、選択線織線射影抽出部32fは、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、ずれの総和が最小となる直線の集合を新たな選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する(ステップS1305)。すなわち、図11−1の(C)に示すように、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合(Ns本)において、図3−2の(E)で示す数式で算出される「ずれ」の総和が最小となる直線の集合を新たな『選択線織線射影の集合(1):「ずれ」の総和がE(1)』として連続動的計画法により抽出する。
続いて、反復線織線射影抽出部32gは、ずれ算出部32eが実行する線織線候補射影ベクトル記憶部22dの保持する「線織線候補射影のcross ratio vector」と選択線織線射影集合記憶部22fに新たに格納された「選択線織線射影の集合」とに基づいて「ずれ」を算出する処理(ステップS1306)と、選択線織線射影抽出部32fが実行する、「ずれ」の総和が最小となる直線の集合をさらに新たな選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する処理(ステップS1307)とを(反復して)実行し、「ずれ」の総和の値の減少が収束した場合(ステップS1308肯定)、当該選択線織線射影の集合を線織線射影の集合として抽出して(ステップS1309)、処理を終了する。
すなわち、「線織線候補射影のcross ratio vector」と『選択線織線射影の集合(1):「ずれ」の総和がE(1)』とから、「ずれ」:d(1:1)〜d(1:UxD)を線織線候補射影ごとに算出する処理(ステップS1306)と、これに基づいて新たな『選択線織線射影の集合(2):「ずれ」の総和がE(2)』として連続動的計画法により抽出する処理(ステップS1307)とを実行し、E(1)とE(2)との減少率「(E(1)―E(2))/E(1)」が所定の値(例えば、0.1%)より小さい場合に(ステップS1307)、ずれの総和の値の減少が収束したとみなし、選択線織線射影の集合(1)を線織線射影の集合として抽出して(ステップS1309)、処理を終了する。
これとは反対に、減少率「(E(1)―E(2))/E(1)」が所定の値(例えば、0.1%)以上の値であった場合(ステップS1308否定)は、新たな選択線織線射影の集合の抽出を開始し(ステップS1310)、ステップS1306とステップS1307とを、ステップS1308が肯定となるまで反復して実行する。
[実施例2の効果]
上記したように、実施例2によれば、平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出し、抽出された線織線候補射影のcross ratio vectorを線織線候補射影ごとに算出し、線織線候補射影のcross ratio vectorと線織線射影の集合として任意に選択した選択線織線射影の集合それぞれのcross ratio vectorの平均である選択平均ベクトルとの距離である「ずれ」を、線織線候補射影ごとに算出し、線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、「ずれ」の総和が最小となる直線の集合を新たな選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出し、線織線候補射影のcross ratio vectorと新たに抽出された選択線織線射影の集合とを用いた「ずれ」を算出する処理と、これら「ずれ」の総和が最小となる直線の集合を新たな選択線織線射影の集合として抽出する処理とを反復させて実行し、「ずれ」の総和の値の減少が収束した際の当該選択線織線射影の集合を線織線射影の集合として抽出するので、線織線候補射影の集合から選択されるすべての組み合わせについて線織線射影としての評価を行なう場合に比べて、少ない計算量で最適な組み合わせからなる線織線射影の集合を反復して抽出することができ、歪んだ紙面である紙面曲面を撮像した画像から高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる。
上述した実施例1および実施例2では、3次元紙面曲面を線織面として線織線射影を抽出する場合を説明したが、実施例3では、3次元紙面曲面を線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定して線織線射影を抽出する場合の線織線射影抽出装置について説明する。
[実施例3における線織線射影抽出装置の概要および特徴]
続いて、図14を用いて、実施例3における線織線射影抽出装置の主たる特徴を具体的に説明する。図14は、実施例3における線織線射影抽出装置の概要および特徴を説明するための図である。
実施例3における線織線射影抽出装置は、3次元紙面曲面を線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、一般化円錐モデルによる曲面を撮像した画像では線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、任意に設定した消失点の候補である消失点候補ごとに平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を調べて線織線射影の集合を抽出する。
ここで、一般化円錐とは、図14の(A)の左側に示すように、底面が円に限らない任意の形に一般化した円錐であり、一般化円錐モデルによる曲面では、すべての線織線は頂点で交わる。そして、図14の(A)の右側に示すように、一般化円錐モデルによる曲面を撮像した画像では、線織線射影がすべて一つの消失点で交わる。
すなわち、「線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定」という条件に加えて、3次元紙面曲面を一般化円錐モデルによる曲面に限定すると、「線織線射影がすべて一つの消失点で交わる」という条件をさらに用いて、線織線射影の集合を抽出することができる。
そこで、例えば、図14の(B)に示すように、消失点の候補である消失点候補を設定する。まず、上端平行測地線射影を「n」ドットおきに分割することにより、「Ns個」の離散点集合を取得する。そして、「Ns個」の離散点集合から2個の離散点(「Nsx(Ns−1)/2」通りの組み合わせ)を選択する。続いて、「選択した離散点のうち、左側に位置する点と下端平行測地線射影における左端の点とを通る直線」と「選択した離散点のうち、右側に位置する点と下端平行測地線射影における右端の点とを通る直線」との交点を「消失点候補」とする。これにより、「Nsx(Ns−1)/2」個の「消失点候補」を設定し、さらに、図14の(C)に示すように、消失点候補と、上述した上端平行測地線における「Ns個」の離散点それぞれとを結んだ「Ns本」の直線の集合を抽出する。
そして、図14の(C)に示すように、抽出した直線の集合それぞれについて、「Ns本」の直線それぞれのcross ratio vectorを図3−2の(D)に示す式を用いて算出し、これにより算出した「Ns本」の直線の集合における平均ベクトルを算出し、これらの値を図3−2の(E)に示す式に代入して当該直線の集合がもつ『「ずれ」の総和:E』を算出する。
そして、「消失点候補」ごとに定まる「Nsx(Ns−1)/2」種類の直線の集合がもつ『「ずれ」の総和:E』の中で、Eが最小となる直線の集合を、線織線射影の集合として抽出する。
このようなことから、実施例3における線織線射影抽出装置は、線織線射影の探索範囲を多次元から2次元に限定して少ない計算量で線織線射影の集合を抽出することができ歪んだ紙面である紙面曲面を撮像した画像から高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる。
[実施例3における線織線射影抽出装置の構成]
次に、図15を用いて、実施例3における線織線射影抽出装置を説明する。図15は、実施例1における線織線射影抽出装置の構成を示すブロック図である。
図15に示すように、実施例3における線織線射影抽出装置100は、実施例1、2と同様に、画像歪み補正装置10における線織線射影抽出部32と、線織線射影集合記憶部22とから構成され、平行測地線射影集合記憶部21が記憶する平行測地線射影の集合を手がかりに、線織線射影を抽出し、その結果に基づいて、紙面曲面推定部33は、3次元紙面曲面を推定する。
線織線射影集合記憶部22は、後に詳述する線織線射影抽出部32による各種処理結果を記憶し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図15に示すように、消失点候補直線集合記憶部22hと、一般化円錐モデル線織線射影集合記憶部22iとを備える。消失点候補直線集合記憶部22hは、後述する消失点候補直線抽出部32hが抽出した消失点候補ごとの直線の集合を記憶し、一般化円錐モデル線織線射影集合記憶部22iは、後述する一般化円錐モデル線織線射影抽出部32iが抽出した線織線射影の集合を記憶する。
線織線射影抽出部32は、平行測地線射影集合記憶部21が記憶する平行測地線射影の集合に基づき各種処理を実行し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図15に示すように、消失点候補直線抽出部32hと、一般化円錐モデル線織線射影抽出部32iとを備える。ここで、消失点候補直線抽出部32hおよび一般化円錐モデル線織線射影抽出部32iは、特許請求の範囲に記載の「一般化円錐モデル線織線射影抽出手順」に対応する。なお、各部については、以下に詳述する。
消失点候補直線抽出部32hは、3次元紙面曲面を線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、一般化円錐モデルによる曲面を撮像した画像では線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、消失点の候補である消失点候補を設定し、消失点候補ごとに平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を抽出し、その結果を消失点候補直線集合記憶部22hに記憶する。
例えば、図14の(B)に示すように、上端平行測地線射影における「Ns個」の離散点集合と「下端平行測地線射影における左端の点および右端の点」とから決まる直線の交点を「消失点候補」とし、図14の(C)に示すように、消失点候補と、上述した上端平行測地線における「Ns個」の離散点それぞれとを結んだ「Ns本」の直線の集合を「Nsx(Ns−1)/2」抽出する。
一般化円錐モデル線織線射影抽出部32iは、抽出された直線の集合を調べて線織線射影の集合を抽出し、その結果を一般化円錐モデル線織線射影抽出部32iに記憶する。すなわち、図14の(C)に示すように、抽出した直線の集合それぞれについて、図3−2の(E)に示す式から求められる『「ずれ」の総和:E』を算出し、Eが最小となる直線の集合を、線織線射影の集合として抽出する。
[実施例3における線織線射影抽出装置による処理の手順]
次に、図16を用いて、実施例3における線織線射影抽出装置100による処理を説明する。図16は、実施例3における線織線射影抽出装置の処理の手順を示すフローチャートである。
まず、実施例3における線織線射影抽出装置100は、平行測地線射影集合記憶部21に抽出された平行測地線の集合データが格納されると(ステップS1601肯定)、消失点候補直線抽出部32hは、3次元紙面曲面を線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、一般化円錐モデルによる曲面を撮像した画像では線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、消失点の候補である消失点候補を設定し、消失点候補ごとに平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を抽出する(ステップS1602)。例えば、図14の(C)に示すように、消失点候補と、上述した上端平行測地線における「Ns個」の離散点それぞれとを結んだ「Ns本」の直線の集合を「Nsx(Ns−1)/2」抽出する。
そして、一般化円錐モデル線織線射影抽出部32iは、抽出された直線の集合それぞれについて、図3−2の(E)に示す式から求められる『「ずれ」の総和:E』を算出する(ステップS1603)。
その後、一般化円錐モデル線織線射影抽出部32iは、『「ずれ」の総和:E』が最小となる直線の集合を、線織線射影の集合として抽出し(ステップS1604)、処理を終了する。
[実施例3の効果]
上記したように、実施例3によれば、3次元紙面曲面を線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、一般化円錐モデルによる曲面を撮像した画像では線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、任意に設定した消失点の候補である消失点候補ごとに平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を調べて線織線射影の集合を抽出するので、線織線射影の探索範囲を多次元から2次元に限定して少ない計算量で線織線射影の集合を抽出することができ、歪んだ紙面である紙面曲面を撮像した画像から高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる。
上述した実施例1〜3では、すべての平行測地線射影と交わる直線を探索対象にして線織線射影を抽出する場合を説明したが、実施例4では、すべての平行測地線射影と交わらない直線も探索対象にして線織線射影を抽出する場合の線織線射影抽出装置について説明する。
[実施例4における線織線射影抽出装置の概要および特徴]
続いて、図17−1と図17−2とを用いて、実施例4における線織線射影抽出装置の主たる特徴を具体的に説明する。図17−1と図17−2とは、実施例4における線織線射影抽出装置の概要および特徴を説明するための図である。
実施例1〜3における線織線射影抽出装置は、図17−1の(A)に示すような、平行測地線射影の集合すべてと交わる線織線候補射影である「完全線織線候補射影」のみからなる「線織線候補射影の完全集合」についてのみ、線織線射影の集合としての条件からのずれを評価したが、実施例4における線織線射影抽出装置では、線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合の中で、平行測地線射影の集合すべてと交わる線織線候補射影である完全線織線候補射影の部分集合と、平行測地線射影の集合の一部としか交わらない線織線候補射影である不完全線織線候補射影の部分集合からなる前記線織線候補射影の不完全集合についても、線織線射影の集合としての条件からのずれを評価する。
例えば、図14の(C)に示す消失点候補ごとから抽出した線織線候補射影である直線の集合などにおいては、図17−1の(B)に示すような「線織線候補射影の不完全集合」が存在する可能性がある。すなわち、図17−1の(B)に示す「線織線候補射影の不完全集合」では、上端平行測地線射影、内部測地線射影1〜2の2本と交わるが、その他の内部平行測地線射影(N−2)本および下端平行測地線射影とは交わらない『「不完全線織線候補射影(2本)」の「部分集合」』が、『「完全線織線候補射影」の「部分集合」』と混在している。これまでの方法では、「線織線候補射影の不完全集合」が有するずれの総和は、線織線候補射影すべてに対しては算出できず、『「不完全線織線候補射影」の「部分集合」』を除外した『「完全線織線候補射影」の「部分集合」』のcross ratio vectorと平均ベクトルからしか算出できなかった。
そこで、実施例4における線織線射影抽出装置は、不完全線織線候補射影と平行測地線の集合の一部との内分比から定まる不完全なcross ratio vectorと、完全線織線候補射影の部分集合それぞれと平行測地線射影の集合すべてとのcross ratio vectorの平均である平均完全ベクトルとの距離であるずれの最小値を線織線候補射影の不完全集合ごとの不完全線織線候補射影すべてについて推定する。具体的には、図17−2の(C)に示すような、上端平行測地線射影、内部測地線射影1〜2の2本と交わるが、その他の内部平行測地線射影(N−2)本および下端平行測地線射影とは交わらない「不完全線織線候補射影」のcross ratio vector「U」と、『「完全線織線候補射影」の「部分集合」』の平均ベクトルである完全平均ベクトルとの距離であるずれの最小値を推定する。
ここで、線織線射影を上端平行測地線と内部平行測地線「i」とで切断した長さを「Li」、上端平行測地線と下端平行測地線とで切断した長さを「L」とすると、図17−2の(C)に示すように、「Ti=Li/L」と表すことができる。ここで、『「完全線織線候補射影」の「部分集合」』において、「完全線織線候補射影」のcross ratio vectorの平均ベクトルである完全平均ベクトルは算出することができ既知である。また、「L1,L2」は既知であるが、「L3〜LN」および「L」は未知である。さらに、「U」の長さを「1」にするための正規化係数「k」も未知である。
「不完全線織線候補射影」のcross ratio vector「U」と、『「完全線織線候補射影」の「部分集合」』の平均ベクトルである完全平均ベクトルとの距離である「ずれ」は図17−2の(D)に示す式で表すことができ、この「ずれ」が最小となる場合の「L3〜LN」と「L」と「k」とが満たす条件は、図17−2の(E)で示す3種類の式で表すことができる。これを解くと、「ずれ」が最小となる場合の「L3〜LN」と「L」と「k」が図17−2の(F)に示す式として求められる。これを、図17−2の(D)で示す式に代入してずれの最小値を推定する。
そして、実施例4における線織線射影抽出装置は、推定されたずれの最小値を不完全線織線候補射影の不完全なcross ratio vectorと平均完全ベクトルとの距離であるずれとして、『「完全線織線候補射影」の「部分集合」』におけるcross ratio vectorと平均完全ベクトルとの距離であるずれとともにさらに加算したものを、線織線候補射影の不完全集合のずれの総和として算出する。具体的には、図17−2の(F)に示す条件式に基づいて推定した不完全線織線候補射影の『「ずれ」の最小値』を当該不完全線織線候補射影「ずれ」とし、これを「完全線織線候補射影」の「ずれ」とともに加算した値を「線織線候補射影の不完全集合のずれの総和」として算出する(図17−2の(G)を参照)。
そして、実施例4における線織線射影抽出装置は、線織線候補射影の不完全集合のずれの総和を、完全線織線候補射影のみからなる前記線織線候補射影の完全集合それぞれから算出した完全なcross ratio vectorと平均完全ベクトルとのずれの総和とともに比較して、ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を線織線射影の集合として抽出する。すなわち、図17−1の(B)で示した「線織線射影候補の不完全集合」のずれの総和を「完全線織線候補射影」だけでなく「不完全線織線候補射影」も含めて算出し、これを図17−1の(A)で示したような「線織線射影候補の完全集合」のずれの総和とともに比較して、ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を線織線射影の集合として抽出する。
このようなことから、実施例4における線織線射影抽出装置は、不完全線織線候補射影を多く含む集合でも「ずれ」を推定して線織線射影としての評価を行うことができるので、線織線射影の探索範囲を多次元から2次元に限定して少ない計算量で線織線射影の集合を抽出することができ歪んだ紙面である紙面曲面を撮像した画像から高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる。
[実施例4における線織線射影抽出装置の構成]
次に、図18を用いて、実施例4における線織線射影抽出装置を説明する。図18は、実施例4における線織線射影抽出装置の構成を示すブロック図である。
図18に示すように、実施例4における線織線射影抽出装置100は、実施例1〜3と同様に、画像歪み補正装置10における線織線射影抽出部32と、線織線射影集合記憶部22とから構成され、平行測地線射影集合記憶部21が記憶する平行測地線射影の集合を手がかりに、線織線射影を抽出し、その結果に基づいて、紙面曲面推定部33は、3次元紙面曲面を推定する。
線織線射影集合記憶部22は、後に詳述する線織線射影抽出部32による各種処理結果を記憶し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図18に示すように、消失点候補直線集合記憶部22hと、不完全線織線候補射影ずれ記憶部22jと、不完全集合ずれ総和記憶部22kと、推定ずれ線織線射影集合抽出結果記憶部22Lとを備える。前述したように、消失点候補直線集合記憶部22hは、消失点候補直線抽出部32hが抽出した消失点候補ごとの直線の集合を記憶する。また、不完全線織線候補射影推定ずれ記憶部22jは、後述する不完全線織線候補射影ずれ推定部32jが推定した「ずれの最小値」を記憶し、不完全集合ずれ総和記憶部22kは、後述する不完全集合ずれ総和算出部32kが算出した「ずれの総和」を記憶し、推定ずれ線織線射影集合抽出結果記憶部22Lは、後述する推定ずれ線織線射影抽出部32Lが抽出した線織線射影の集合を記憶する。
線織線射影抽出部32は、平行測地線射影集合記憶部21が記憶する平行測地線射影の集合に基づき各種処理を実行し、特に本発明に密接に関連するものとしては、図18に示すように、消失点候補直線抽出部32hと、不完全線織線候補射影ずれ推定部32jと、不完全集合ずれ総和算出部32kと、推定ずれ線織線射影抽出部32Lとを備える。ここで、不完全線織線候補射影ずれ推定部32jは、特許請求の範囲に記載の「不完全線織線候補射影ずれ推定手順」に対応し、不完全集合ずれ総和算出部32kは同じく「不完全集合ずれ総和算出手順」に対応し、推定ずれ線織線射影抽出部32Lは同じく「推定ずれ線織線射影抽出手順」に対応する。なお、各部については、以下に詳述する。
消失点候補直線抽出部32hは、図14に示したように、3次元紙面曲面を線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、一般化円錐モデルによる曲面を撮像した画像では線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、消失点の候補である消失点候補を設定し、消失点候補ごとに平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を抽出し、その結果を消失点候補直線集合記憶部22hに記憶する。
不完全線織線候補射影ずれ推定部32jは、不完全線織線候補射影と平行測地線の集合の一部との内分比から定まる不完全なcross ratio vectorと、完全線織線候補射影の部分集合それぞれと平行測地線射影の集合すべてとのcross ratio vectorの平均である平均完全ベクトルとの距離であるずれの最小値を線織線候補射影の不完全集合ごとの不完全線織線候補射影すべてについて推定し、その結果を不完全線織線候補射影推定ずれ記憶部22jに記憶する。
例えば、図17−2の(C)に示すような、上端平行測地線射影、内部測地線射影1〜2の2本と交わるが、その他の内部平行測地線射影(N−2)本および下端平行測地線射影とは交わらない「不完全線織線候補射影」のcross ratio vector「U」と、『「完全線織線候補射影」の「部分集合」』の平均ベクトルである完全平均ベクトル(既知値)との距離であるずれの最小値を推定する。すなわち、図17−2の(D)で表される「不完全線織線候補射影」のcross ratio vector「U」と完全平均ベクトルとの「ずれ」が最小となるのは、図17−2の(C)で示す「U」における未知変数である「L3〜LN」と「L」と「k」とが、図17−2の(E)で示す条件を満たすときであり、この条件式を解くことにより、「ずれ」が最小となる場合の「L3〜LN」と「L」と「k」が図17−2の(F)に示す式として求められる。これを、図17−2の(D)で示す式に代入してずれの最小値を推定する。
不完全集合ずれ総和算出部32kは、推定されたずれの最小値を不完全線織線候補射影の不完全なcross ratio vectorと平均完全ベクトルとの距離であるずれとして、『「完全線織線候補射影」の「部分集合」』におけるcross ratio vectorと平均完全ベクトルとの距離であるずれとともにさらに加算したものを、線織線候補射影の不完全集合のずれの総和として算出し、その結果を不完全集合ずれ総和記憶部22kに記憶する。
具体的には、図17−2の(F)に示す条件式に基づいて推定した不完全線織線候補射影の『「ずれ」の最小値』を当該不完全線織線候補射影の「ずれ」とし、これを「完全線織線候補射影」の「ずれ」とともに加算した値を「線織線候補射影の不完全集合のずれの総和」として算出する(図17−2の(G)を参照)。なお、不完全集合ずれ総和算出部32kは、「線織線射影候補の完全集合」の「ずれ」の総和も、完全線織線射影候補ごとのcross ratio vectorと「線織線射影候補の完全集合」の平均完全ベクトルとの「ずれ」を合計して算出する。
推定ずれ線織線射影抽出部32Lは、線織線候補射影の不完全集合のずれの総和を、完全線織線候補射影のみからなる前記線織線候補射影の完全集合それぞれから算出した完全なcross ratio vectorと平均完全ベクトルとのずれの総和とともに比較して、ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を線織線射影の集合として抽出し、その結果を推定ずれ線織線射影集合抽出結果部22Lに記憶する。すなわち、図17−1の(B)で示した「線織線射影候補の不完全集合」のずれの総和を「完全線織線候補射影」だけでなく「不完全線織線候補射影」も含めて算出し、これを図17−1の(A)で示したような「線織線射影候補の完全集合」のずれの総和とともに比較して、ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を線織線射影の集合として抽出する。
[実施例4における線織線射影抽出装置による処理の手順]
次に、図19を用いて、実施例4における線織線射影抽出装置100による処理を説明する。図19は、実施例4における線織線射影抽出装置の処理の手順を示すフローチャートである。
まず、実施例4における線織線射影抽出装置100は、平行測地線射影集合記憶部21に抽出された平行測地線の集合データが格納されると(ステップS1901肯定)、線織線候補射影の集合を抽出する(ステップS1902)。例えば、図14に示したように、3次元紙面曲面を線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、一般化円錐モデルによる曲面を撮像した画像では線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、消失点の候補である消失点候補を設定し、消失点候補ごとに平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を抽出する。
そして、不完全線織線候補射影ずれ推定部32jは、不完全線織線候補射影と平行測地線の集合の一部との内分比から定まる不完全なcross ratio vectorと、完全線織線候補射影の部分集合それぞれと平行測地線射影の集合すべてとのcross ratio vectorの平均である平均完全ベクトルとの距離であるずれの最小値を線織線候補射影の不完全集合ごとの不完全線織線候補射影すべてについて推定する(ステップS1903)。
例えば、図17−2の(C)に示すような、上端平行測地線射影、内部測地線射影1〜2の2本と交わるが、その他の内部平行測地線射影(N−2)本および下端平行測地線射影とは交わらない「不完全線織線候補射影」のcross ratio vector「U」と、『「完全線織線候補射影」の「部分集合」』の平均ベクトルである完全平均ベクトル(既知値)との距離であるずれの最小値を、図17−2の(E)で示す条件を用いて、推定する。
その後、不完全集合ずれ総和算出部32kは、推定されたずれの最小値を不完全線織線候補射影の不完全なcross ratio vectorと平均完全ベクトルとの距離であるずれとして、『「完全線織線候補射影」の「部分集合」』におけるcross ratio vectorと平均完全ベクトルとの距離であるずれとともにさらに加算したものを、線織線候補射影の不完全集合のずれの総和として算出し、また、「線織線射影候補の完全集合」の「ずれ」の総和も算出する(ステップS1904)。
具体的には、図17−2の(G)に示すように、推定した不完全線織線候補射影の『「ずれ」の最小値』を当該不完全線織線候補射影の「ずれ」とし、これを「完全線織線候補射影」の「ずれ」とともに加算した値を「線織線候補射影の不完全集合のずれの総和」として算出する。また、「線織線射影候補の完全集合」の「ずれ」の総和も、完全線織線射影候補ごとのcross ratio vectorと「線織線射影候補の完全集合」の平均完全ベクトルとの「ずれ」を合計して算出する。
そして、推定ずれ線織線射影抽出部32Lは、線織線候補射影の不完全集合のずれの総和を、完全線織線候補射影のみからなる前記線織線候補射影の完全集合それぞれから算出した完全なcross ratio vectorと平均完全ベクトルとのずれの総和とともに比較して、ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を線織線射影の集合として抽出し(ステップS1905)、処理を終了する。すなわち、図17−1の(B)で示した「線織線射影候補の不完全集合」のずれの総和を「完全線織線候補射影」だけでなく「不完全線織線候補射影」も含めて算出し、これを図17−1の(A)で示したような「線織線射影候補の完全集合」のずれの総和とともに比較して、ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を線織線射影の集合として抽出する。
[実施例4の効果]
上記したように、実施例4によれば、線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合の中で、平行測地線射影の集合すべてと交わる線織線候補射影である『「完全線織線候補射影」の「部分集合」』と、平行測地線射影の集合の一部としか交わらない線織線候補射影である『「不完全線織線候補射影」の「部分集合」』からなる「線織線候補射影の不完全集合」について、不完全線織線候補射影と平行測地線の集合の一部との不完全なcross ratio vectorと、完全線織線候補射影の部分集合それぞれと平行測地線射影の集合すべてとのcross ratio vectorの平均である平均完全ベクトルとの距離であるずれの最小値を「不完全線織線候補射影」すべてについて推定し、推定されたずれの最小値を当該不完全線織線候補射影の不完全なcross ratio vectorと平均完全ベクトルとの距離であるずれとして、「完全線織線候補射影」のcross ratio vectorと平均完全ベクトルとの距離であるずれとともにさらに加算したものを、「線織線候補射影の不完全集合」のずれの総和として算出し、算出した「線織線候補射影の不完全集合」のずれの総和を、完全線織線候補射影のみからなる線織線候補射影の完全集合それぞれから算出した完全ベクトルと平均完全ベクトルとのずれの総和とともに比較して、ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出するので、不完全線織線候補射影を多く含む集合でも「ずれ」を推定して線織線射影としての評価を行うことができ、歪んだ紙面である紙面曲面を撮像した画像から高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出して、高精度に安定して紙面の歪みを補正することが可能になる。
さて、これまで実施例1〜4における線織線射影抽出装置について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、実施例5における線織線射影抽出装置として、種々の異なる実施例を(1)〜(6)に区分けして説明する。
(1)線織線候補射影
上記の実施例1〜2では、「上端平行測地線射影上の離散点集合」と「下端平行測地線上の離散点集合」とから線織線候補射影の直線を抽出する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、「上端平行測地線射影上もしくは下端平行測地線射影上の離散点集合」と「傾き」とから線織線候補射影の直線を抽出する場合であってもよい。具体的には、上端平行測地線射影を「P」ドットおきに分割することにより、上端平行測地線射影において「U個」の離散点集合を取得し、それぞれの離散点から「D種類」の傾きで伸ばした直線の集合(UxD本の直線の集合)を、線織線候補射影の集合として抽出してもよい。
(2)選択線織線射影の集合
上記した実施例2では、上端平行測地線射影および下端平行測地線をそれぞれ等間隔で切断する直線の集合を、最初に選択した選択線織線射影の集合(0)とする場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、選択線織線射影の集合(0)としては、例えば、実施例1での「近傍のずれ」を用いて抽出した線織線射影の集合を採用した場合であってもよいし、実施例3での「一般化円錐モデルによる曲面」に3次元紙面曲面を限定して抽出した線織線射影の集合を採用した場合であってもよい。
(3)「消失点候補」
上記した実施例3〜4では、「上端平行測地線上の離散点から選んだ2つの離散点」と「下端平行測地線の右端および左端の点」から定まる2本の直線の交点を「消失点候補」とする場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、「下端平行測地線上の離散点から選んだ2つの離散点」と「上端平行測地線の右端および左端の点」から定まる2本の直線の交点を「消失点候補」とする場合であってもよく、また、「上端平行測地線上の離散点から選んだ2つの離散点」と「下端平行測地線上の離散点から選んだ2つの離散点」とからから定まる2本の直線の交点を「消失点候補」とする場合であってもよい。
また、実施例4では、「消失点候補」から抽出した直線の集合を線織線候補射影の集合として抽出する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、実施例1〜2で示した方法により線織線候補射影の集合として抽出する場合であってもよい。
(4)「消失点候補」と「直線の集合」
上記した実施例3〜4では、「消失点候補」と「上端平行測地線上の離散点それぞれ」とを結んだ直線の集合を抽出する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、「消失点候補」と「上端平行測地線もしくは下端平行測地線の右端および左端の点」とを結んだ2本の直線がなす角度(挟角)を「Ns」等分する「Ns」本の直線の集合を抽出する場合であってもよい。
(5)システム構成等
また、上記の実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動でおこなうこともでき(例えば、最初に選択する選択線織線射影の集合(0)を所定の規則によって自動生成するのではなく、オペレータが主観的に生成するなど)、あるいは、手動的におこなうものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。例えば、この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(例えば、図13に示すステップS1308の減少率の所定の値)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各処理部および各記憶部の分散・統合の具体的形態(例えば、図18の形態など)は図示のものに限られず、例えば、不完全線織線候補射影ずれ推定部32jと不完全集合ずれ総和算出部32kとを統合するなど、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
(6)線織線射影抽出プログラム
ところで上記の実施例1〜4では、ハードウェアロジックによって各種の処理を実現する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータで実行するようにしてもよい。そこで以下では、図20を用いて、上記の実施例1に示した線織線射影抽出装置100と同様の機能を有する追跡信頼度判定プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図20は、実施例1における線織線射影抽出プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図20に示すように、情報処理装置としてのコンピュータ200は、キーボード201、ディスプレイ202、CPU203、ROM204、HDD205およびRAM206をバス207などで接続して構成される。
ROM204には、上記の実施例1に示した線織線射影抽出装置100と同様の機能を発揮する線織線射影抽出プログラム、つまり、図20に示すように、線織線候補射影抽出プログラム204a、近傍ずれ算出プログラム204b、近傍ずれ線織線射影抽出プログラム204cが予め記憶されている。なお、これらのプログラム204a〜204cについては、図9に示した線織線射影抽出装置100の各構成要素と同様、適宜統合または分散してもよい。
そして、CPU203が、これらのプログラム204a〜204cをROM204から読み出して実行することで、図20に示すように、各プログラム204a〜204cは、線織線候補射影抽出プロセス203a、近傍ずれ算出プロセス203b、近傍ずれ線織線射影抽出プロセス203cとして機能するようになる。なお、各プロセス203a〜203cは、図9に示した、線織線候補射影抽出部32a、近傍ずれ算出部32b、近傍ずれ線織線射影抽出部32cにそれぞれ対応する。
また、HDD205には、図20に示すように、平行測地線射影集合データ205aが設けられる。この平行測地線射影集合データ205aは、図9に用いた平行測地線射影集合記憶部21に対応する。そしてCPU203は、平行測地線射影集合データ206aを平行測地線射影集合データ205aに対して登録し、この平行測地線射影集合データ206aを読み出してRAM206に格納し、RAM206に格納された平行測地線射影集合データ206aと、線織線候補射影集合データ206bと、近傍ずれデータ206cと、近傍ずれ線織線射影集合データ206dとに基づいて線織線射影抽出処理を実行する。ここで、線織線候補射影集合データ206bは、図9に用いた線織線射影候補集合記憶部22aに対応し、近傍ずれデータ206cは近傍ずれ記憶部22bに対応し、近傍ずれ線織線射影集合データ206dは近傍ずれ線織線射影集合記憶部22cに対応する。
なお、上記した各プログラム204a〜204cについては、必ずしも最初からROM204に記憶させておく必要はなく、例えばコンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」、または、コンピュータ200の内外に備えられるHDDなどの「固定用物理媒体」、さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ200に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておき、コンピュータ200がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
(付記1)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、
前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出手順と、
前記線織線候補射影抽出手順によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線の前記内分比から定まるベクトルとの距離である近傍のずれを、前記線織線候補射影ごとに算出する近傍ずれ算出手順と、
前記近傍ずれ算出手順によって算出された前記近傍のずれを前記線織線候補射影ごとに格納して保持する近傍ずれ保持手順と、
前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記近傍ずれ保持手順によって保持した近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、前記線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する線織線射影抽出手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする線織線射影抽出プログラム。
(付記2)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、
前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出手順と、
前記線織線候補射影抽出手順によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルである線織線候補射影ベクトルを前記線織線候補射影ごとに算出する線織線候補射影ベクトル算出手順と、
前記線織線候補射影ベクトル算出手順によって算出された前記線織線候補射影ベクトルを、前記線織線候補射影ごとに格納して保持する線織線候補射影ベクトル保持手順と、
線織線候補射影ベクトル保持手順によって保持された前記線織線候補射影ベクトルと前記線織線射影の集合として任意に選択した選択線織線射影の集合それぞれの前記選択線織線射影の前記内分比から定まる前記ベクトルの平均である選択平均ベクトルとの距離であるずれを、前記線織線候補射影ごとに算出するずれ算出手順と、
前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記ずれ算出手順によって算出した前記ずれの総和が最小となる直線の集合を新たな前記選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する選択線織線射影抽出手順と、
前記線織線候補射影ベクトル保持手順によって保持された前記線織線候補射影ベクトルと前記選択線織線射影抽出手順によって新たに抽出された前記選択線織線射影の集合とを用いた前記ずれ算出手順による処理と、前記選択線織線射影抽出手順による処理とを反復させて実行し、前記ずれの総和の値の減少が収束した際の当該選択線織線射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出する反復線織線射影抽出手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする線織線射影抽出プログラム。
(付記3)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、
前記3次元紙面曲面を前記線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、前記一般化円錐モデルによる曲面を撮像した前記画像では前記線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、任意に設定した前記消失点の候補である消失点候補ごとに前記平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を調べて前記線織線射影の集合を抽出する一般化円錐モデル線織線射影抽出手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする線織線射影抽出プログラム。
(付記4)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、
前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合の中で、前記平行測地線射影の集合すべてと交わる前記線織線候補射影である完全線織線候補射影の部分集合と、前記平行測地線射影の集合の一部としか交わらない前記線織線候補射影である不完全線織線候補射影の部分集合からなる前記線織線候補射影の不完全集合について、前記不完全線織線候補射影と前記平行測地線の集合の一部との前記内分比から定まるベクトルである不完全ベクトルと、前記完全線織線候補射影の部分集合それぞれと前記平行測地線射影の集合すべてとの前記内分比から定まるベクトルである完全ベクトルの平均である平均完全ベクトルとの距離であるずれの最小値を前記線織線候補射影の不完全集合ごとの不完全線織線候補射影すべてについて推定する不完全線織線候補射影ずれ推定手順と、
前記不完全線織線候補射影ずれ推定手順によって推定された前記ずれの最小値を当該不完全線織線候補射影の前記不完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの距離であるずれとして、前記完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの距離であるずれとともにさらに加算したものを、前記線織線候補射影の不完全集合のずれの総和として算出する不完全集合ずれ総和算出手順と、
前記不完全集合ずれ総和算出手順によって算出した前記線織線候補射影の不完全集合のずれの総和を、前記完全線織線候補射影のみからなる前記線織線候補射影の完全集合それぞれから算出した前記完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの前記ずれの総和とともに比較して、前記ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出する推定ずれ線織線射影抽出手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする線織線射影抽出プログラム。
(付記5)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出装置であって、
前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出手段と、
前記線織線候補射影抽出手段によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線の前記内分比から定まるベクトルとの距離である近傍のずれを、前記線織線候補射影ごとに算出する近傍ずれ算出手段と、
前記近傍ずれ算出手段によって算出された前記近傍のずれを前記線織線候補射影ごとに格納して保持する近傍ずれ保持手段と、
前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記近傍ずれ保持手段によって保持した近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、前記線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する線織線射影抽出手段と、
を備えたことを特徴とする線織線射影抽出装置。
(付記6)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出装置であって、
前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出手段と、
前記線織線候補射影抽出手段によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルである線織線候補射影ベクトルを前記線織線候補射影ごとに算出する線織線候補射影ベクトル算出手段と、
前記線織線候補射影ベクトル算出手段によって算出された前記線織線候補射影ベクトルを、前記線織線候補射影ごとに格納して保持する線織線候補射影ベクトル保持手段と、
線織線候補射影ベクトル保持手段によって保持された前記線織線候補射影ベクトルと前記線織線射影の集合として任意に選択した選択線織線射影の集合それぞれの前記選択線織線射影の前記内分比から定まる前記ベクトルの平均である選択平均ベクトルとの距離であるずれを、前記線織線候補射影ごとに算出するずれ算出手段と、
前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記ずれ算出手段によって算出した前記ずれの総和が最小となる直線の集合を新たな前記選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する選択線織線射影抽出手段と、
前記線織線候補射影ベクトル保持手段によって保持された前記線織線候補射影ベクトルと前記選択線織線射影抽出手段によって新たに抽出された前記選択線織線射影の集合とを用いた前記ずれ算出手段による処理と、前記選択線織線射影抽出手段による処理とを反復させて実行し、前記ずれの総和の値の減少が収束した際の当該選択線織線射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出する反復線織線射影抽出手段と、
を備えたことを特徴とする線織線射影抽出装置。
(付記7)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出装置であって、
前記3次元紙面曲面を前記線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、前記一般化円錐モデルによる曲面を撮像した前記画像では前記線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、任意に設定した前記消失点の候補である消失点候補ごとに前記平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を調べて前記線織線射影の集合を抽出する一般化円錐モデル線織線射影抽出手段と、
を備えたことを特徴とする線織線射影抽出装置。
(付記8)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出装置であって、
前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合の中で、前記平行測地線射影の集合すべてと交わる前記線織線候補射影である完全線織線候補射影の部分集合と、前記平行測地線射影の集合の一部としか交わらない前記線織線候補射影である不完全線織線候補射影の部分集合からなる前記線織線候補射影の不完全集合について、前記不完全線織線候補射影と前記平行測地線の集合の一部との前記内分比から定まるベクトルである不完全ベクトルと、前記完全線織線候補射影の部分集合それぞれと前記平行測地線射影の集合すべてとの前記内分比から定まるベクトルである完全ベクトルの平均である平均完全ベクトルとの距離であるずれの最小値を前記線織線候補射影の不完全集合ごとの不完全線織線候補射影すべてについて推定する不完全線織線候補射影ずれ推定手段と、
前記不完全線織線候補射影ずれ推定手段によって推定された前記ずれの最小値を当該不完全線織線候補射影の前記不完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの距離であるずれとして、前記完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの距離であるずれとともにさらに加算したものを、前記線織線候補射影の不完全集合のずれの総和として算出する不完全集合ずれ総和算出手段と、
前記不完全集合ずれ総和算出手段によって算出した前記線織線候補射影の不完全集合のずれの総和を、前記完全線織線候補射影のみからなる前記線織線候補射影の完全集合それぞれから算出した前記完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの前記ずれの総和とともに比較して、前記ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出する推定ずれ線織線射影抽出手段と、
を備えたことを特徴とする線織線射影抽出装置。
(付記9)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法であって、
前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出工程と、
前記線織線候補射影抽出工程によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線の前記内分比から定まるベクトルとの距離である近傍のずれを、前記線織線候補射影ごとに算出する近傍ずれ算出工程と、
前記近傍ずれ算出工程によって算出された前記近傍のずれを前記線織線候補射影ごとに格納して保持する近傍ずれ保持工程と、
前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記近傍ずれ保持工程によって保持した近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、前記線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する線織線射影抽出工程と、
を含んだことを特徴とする線織線射影抽出方法。
(付記10)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法であって、
前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出工程と、
前記線織線候補射影抽出工程によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルである線織線候補射影ベクトルを前記線織線候補射影ごとに算出する線織線候補射影ベクトル算出工程と、
前記線織線候補射影ベクトル算出工程によって算出された前記線織線候補射影ベクトルを、前記線織線候補射影ごとに格納して保持する線織線候補射影ベクトル保持工程と、
線織線候補射影ベクトル保持工程によって保持された前記線織線候補射影ベクトルと前記線織線射影の集合として任意に選択した選択線織線射影の集合それぞれの前記選択線織線射影の前記内分比から定まる前記ベクトルの平均である選択平均ベクトルとの距離であるずれを、前記線織線候補射影ごとに算出するずれ算出工程と、
前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記ずれ算出工程によって算出した前記ずれの総和が最小となる直線の集合を新たな前記選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する選択線織線射影抽出工程と、
前記線織線候補射影ベクトル保持工程によって保持された前記線織線候補射影ベクトルと前記選択線織線射影抽出工程によって新たに抽出された前記選択線織線射影の集合とを用いた前記ずれ算出工程による処理と、前記選択線織線射影抽出工程による処理とを反復させて実行し、前記ずれの総和の値の減少が収束した際の当該選択線織線射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出する反復線織線射影抽出工程と、
を含んだことを特徴とする線織線射影抽出方法。
(付記11)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法であって、
前記3次元紙面曲面を前記線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、前記一般化円錐モデルによる曲面を撮像した前記画像では前記線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、任意に設定した前記消失点の候補である消失点候補ごとに前記平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を調べて前記線織線射影の集合を抽出する一般化円錐モデル線織線射影抽出工程と、
を含んだことを特徴とする線織線射影抽出方法。
(付記12)線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法であって、
前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合の中で、前記平行測地線射影の集合すべてと交わる前記線織線候補射影である完全線織線候補射影の部分集合と、前記平行測地線射影の集合の一部としか交わらない前記線織線候補射影である不完全線織線候補射影の部分集合からなる前記線織線候補射影の不完全集合について、前記不完全線織線候補射影と前記平行測地線の集合の一部との前記内分比から定まるベクトルである不完全ベクトルと、前記完全線織線候補射影の部分集合それぞれと前記平行測地線射影の集合すべてとの前記内分比から定まるベクトルである完全ベクトルの平均である平均完全ベクトルとの距離であるずれの最小値を前記線織線候補射影の不完全集合ごとの不完全線織線候補射影すべてについて推定する不完全線織線候補射影ずれ推定工程と、
前記不完全線織線候補射影ずれ推定工程によって推定された前記ずれの最小値を当該不完全線織線候補射影の前記不完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの距離であるずれとして、前記完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの距離であるずれとともにさらに加算したものを、前記線織線候補射影の不完全集合のずれの総和として算出する不完全集合ずれ総和算出工程と、
前記不完全集合ずれ総和算出工程によって算出した前記線織線候補射影の不完全集合のずれの総和を、前記完全線織線候補射影のみからなる前記線織線候補射影の完全集合それぞれから算出した前記完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの前記ずれの総和とともに比較して、前記ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出する推定ずれ線織線射影抽出工程と、
を含んだことを特徴とする線織線射影抽出方法。
以上のように、本発明に係る線織線射影抽出プログラム、線織線射影抽出装置および線織線射影抽出方法は、線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から抽出された平行測地線射影を手がかりに線織線射影の集合を探索して抽出し、紙面の歪みを補正する場合に有用であり、特に、高精度で安定的な線織線射影の集合を抽出し、高精度に安定して紙面の歪みを補正することに適する。
3次元紙面曲面と撮像画像のモデル化について説明するための図である。 抽出された平行測地線射影の集合を説明するための図である。 線織線射影の性質および線織線射影の抽出条件を説明するための図である。 線織線射影の性質および線織線射影の抽出条件を説明するための図である。 抽出された線織線射影の集合を説明するための図である。 3次元紙面曲面の推定を説明するための図である。 対応付けによる歪み補正を説明するための図である。 実施例1における線織線射影抽出装置を含む画像歪み補正装置の構成を示すブロック図である。 実施例1における線織線射影抽出装置の概要および特徴を説明するための図である。 実施例1における線織線射影抽出装置の構成を示すブロック図である。 実施例1における線織線射影抽出装置の処理の手順を説明するための図である。 実施例2における線織線射影抽出装置の概要および特徴を説明するための図である。 実施例2における線織線射影抽出装置の概要および特徴を説明するための図である。 実施例2における線織線射影抽出装置の構成を示すブロック図である。 実施例2における線織線射影抽出装置の処理の手順を説明するための図である。 実施例3における線織線射影抽出装置の概要および特徴を説明するための図である。 実施例3における線織線射影抽出装置の構成を示すブロック図である。 実施例3における線織線射影抽出装置の処理の手順を説明するための図である。 実施例4における線織線射影抽出装置の概要および特徴を説明するための図である。 実施例4における線織線射影抽出装置の概要および特徴を説明するための図である。 実施例4における線織線射影抽出装置の構成を示すブロック図である。 実施例4における線織線射影抽出装置の処理の手順を説明するための図である。 実施例1の線織線射影抽出プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
符号の説明
10 画像歪み補正装置
11 撮像画像入力部
12 補正画像出力部
13 入出力制御I/F部
20 記憶部
21 平行測地線射影集合記憶部
22 線織線射影集合記憶部
23 推定紙面曲面記憶部
30 処理部
31 平行測地線射影抽出部
32 線織線射影抽出部
33 紙面曲面推定部
34 画像対応付け部
100 線織線射影抽出装置
22a 線織線候補射影集合記憶部
22b 近傍ずれ記憶部
22c 近傍ずれ線織線射影集合記憶部
32a 線織線候補射影抽出部
32b 近傍ずれ算出部
32c 近傍ずれ線織線射影抽出部

Claims (6)

  1. 線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、
    前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出手順と、
    前記線織線候補射影抽出手順によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線の前記内分比から定まるベクトルとの距離である近傍のずれを、前記線織線候補射影ごとに算出する近傍ずれ算出手順と、
    前記近傍ずれ算出手順によって算出された前記近傍のずれを前記線織線候補射影ごとに格納して保持する近傍ずれ保持手順と、
    前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記近傍ずれ保持手順によって保持した近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、前記線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する線織線射影抽出手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする線織線射影抽出プログラム。
  2. 線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、
    前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出手順と、
    前記線織線候補射影抽出手順によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルである線織線候補射影ベクトルを前記線織線候補射影ごとに算出する線織線候補射影ベクトル算出手順と、
    前記線織線候補射影ベクトル算出手順によって算出された前記線織線候補射影ベクトルを、前記線織線候補射影ごとに格納して保持する線織線候補射影ベクトル保持手順と、
    線織線候補射影ベクトル保持手順によって保持された前記線織線候補射影ベクトルと前記線織線射影の集合として任意に選択した選択線織線射影の集合それぞれの前記選択線織線射影の前記内分比から定まる前記ベクトルの平均である選択平均ベクトルとの距離であるずれを、前記線織線候補射影ごとに算出するずれ算出手順と、
    前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記ずれ算出手順によって算出した前記ずれの総和が最小となる直線の集合を新たな前記選択線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する選択線織線射影抽出手順と、
    前記線織線候補射影ベクトル保持手順によって保持された前記線織線候補射影ベクトルと前記選択線織線射影抽出手順によって新たに抽出された前記選択線織線射影の集合とを用いた前記ずれ算出手順による処理と、前記選択線織線射影抽出手順による処理とを反復させて実行し、前記ずれの総和の値の減少が収束した際の当該選択線織線射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出する反復線織線射影抽出手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする線織線射影抽出プログラム。
  3. 線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、
    前記3次元紙面曲面を前記線織面の下位カテゴリーである一般化円錐モデルによる曲面に限定し、前記一般化円錐モデルによる曲面を撮像した前記画像では前記線織線射影がすべて一つの消失点で交わるという条件をさらに用いて、任意に設定した前記消失点の候補である消失点候補ごとに前記平行測地線射影の集合に向かって放射状に伸ばした直線の集合を調べて前記線織線射影の集合を抽出する一般化円錐モデル線織線射影抽出手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする線織線射影抽出プログラム。
  4. 線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法をコンピュータに実行させる線織線射影抽出プログラムであって、
    前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合の中で、前記平行測地線射影の集合すべてと交わる前記線織線候補射影である完全線織線候補射影の部分集合と、前記平行測地線射影の集合の一部としか交わらない前記線織線候補射影である不完全線織線候補射影の部分集合からなる前記線織線候補射影の不完全集合について、前記不完全線織線候補射影と前記平行測地線の集合の一部との前記内分比から定まるベクトルである不完全ベクトルと、前記完全線織線候補射影の部分集合それぞれと前記平行測地線射影の集合すべてとの前記内分比から定まるベクトルである完全ベクトルの平均である平均完全ベクトルとの距離であるずれの最小値を前記線織線候補射影の不完全集合ごとの不完全線織線候補射影すべてについて推定する不完全線織線候補射影ずれ推定手順と、
    前記不完全線織線候補射影ずれ推定手順によって推定された前記ずれの最小値を当該不完全線織線候補射影の前記不完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの距離であるずれとして、前記完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの距離であるずれとともにさらに加算したものを、前記線織線候補射影の不完全集合のずれの総和として算出する不完全集合ずれ総和算出手順と、
    前記不完全集合ずれ総和算出手順によって算出した前記線織線候補射影の不完全集合のずれの総和を、前記完全線織線候補射影のみからなる前記線織線候補射影の完全集合それぞれから算出した前記完全ベクトルと前記平均完全ベクトルとの前記ずれの総和とともに比較して、前記ずれの総和が最小となる線織線候補射影の集合を前記線織線射影の集合として抽出する推定ずれ線織線射影抽出手順と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする線織線射影抽出プログラム。
  5. 線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出装置であって、
    前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出手段と、
    前記線織線候補射影抽出手段によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線の前記内分比から定まるベクトルとの距離である近傍のずれを、前記線織線候補射影ごとに算出する近傍ずれ算出手段と、
    前記近傍ずれ算出手段によって算出された前記近傍のずれを前記線織線候補射影ごとに格納して保持する近傍ずれ保持手段と、
    前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記近傍ずれ保持手段によって保持した近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、前記線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する線織線射影抽出手段と、
    を備えたことを特徴とする線織線射影抽出装置。
  6. 線織面である3次元紙面曲面を撮像した画像から前記3次元紙面曲面において互いに平行な測地線である平行測地線が前記画像に射影された平行測地線射影の集合を抽出し、前記3次元紙面曲面を形成する直線である線織線が前記画像に射影された線織線射影それぞれが前記平行測地線射影の集合によって分割された線分長の比から求まる内分比はすべて一定であるという条件を用いて前記線織線射影の集合を探索して抽出する線織線射影抽出方法であって、
    前記平行測地線射影の集合の中で、上端に位置する上端平行測地線射影と下端に位置する下端平行測地線射影とを対応付ける直線の集合を、前記線織線射影の集合の探索対象である線織線候補射影の集合として抽出する線織線候補射影抽出工程と、
    前記線織線候補射影抽出工程によって抽出された前記線織線候補射影の前記内分比から定まるベクトルと当該線織線候補射影を所定の間隔でずらした近傍直線の前記内分比から定まるベクトルとの距離である近傍のずれを、前記線織線候補射影ごとに算出する近傍ずれ算出工程と、
    前記近傍ずれ算出工程によって算出された前記近傍のずれを前記線織線候補射影ごとに格納して保持する近傍ずれ保持工程と、
    前記線織線射影候補の集合のうち互いに交わらない直線の集合において、前記近傍ずれ保持工程によって保持した近傍のずれの総和が最小となる直線の集合を、前記線織線射影の集合として連続動的計画法により抽出する線織線射影抽出工程と、
    を含んだことを特徴とする線織線射影抽出方法。
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