JP4945837B2 - ポリエステル系シートからなる耐熱成形体の製造方法 - Google Patents

ポリエステル系シートからなる耐熱成形体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステル系シートからなる成形体の製造方法、詳しくは優れた耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性を有する成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
主としてポリエチレンテレフタレート樹脂(以下PETと記す)からなるポリエステル系シートを成形して得られる成形体は、近年種々の用途に用いられている。これらの成形体は真空、圧空、圧縮等の成形法によって容易に成形することができ、また機械的強度、外観等に優れることが特徴である。しかし、PETのガラス転移温度は70℃近傍であるため、上記成形体は高温での寸法安定性が悪いこと、たとえば電子レンジ加熱等によって変形してしまうという欠点を有している。
【0003】
上記欠点を解決するための方法として、たとえばガラス転移温度の高いポリエステル系樹脂であるポリエチレンナフタレート(以下PENと記す)からなるシートまたはPENをPETにブレンドしたシートを成形体に用いる方法等が提案されている。しかし、PENのみからなるシートは力学特性、特に耐衝撃性に劣り、またブレンド樹脂からなるシートは高温での寸法安定性の改善が十分ではなく、耐熱性に優れているとはいいがたいのが事実である。
【0004】
また、成形体を結晶化させることで耐熱性を向上させる方法が知られている。たとえば特開平11−35700号公報、特開平11−291337号公報等には、成形体を成形後に熱処理、結晶化させる方法が記述されている。しかしこれらの公報に記載されている成形体は結晶化が進行するとともにもろくなり、耐衝撃性に劣るようになるのも事実である。
【0005】
さらに、タルク、ステアリン酸ナトリウム等の結晶核剤を含有するポリエステル系シートを成形体成形時に結晶化させて得られる結晶化樹脂成形体も実用化されている。この成形体は、その結晶性のため180℃以上の耐熱性を有することが特徴であるが、前項と同様結晶化が進行するとともに成形体がもろくなることがやはり問題として挙げられる。また、成形後金型内で結晶化させるため、専用の金型の金型と成型機が必要であり、さらには成形時間が長く生産性に劣るものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の通り、上記ポリエステル系シートからなる成形体は、その耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性を兼ねそろえることができていない。本発明は以上の背景に基づき、耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性を兼ねそろえた成形体の製造方法を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は以下に示すものである。
1.180℃の雰囲気下に10分放置した際の寸法変化率が30%以下である成形体の製造方法であり、固有粘度0.70dL/g以上を有するポリエチレンテレフタレート90〜99.5重量%、および、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー及びアクリル系樹脂から選ばれる損失正接が最大値を示す温度が−20℃以下の他種樹脂0.5〜10重量%を含むシートを熱成形後、金型内では熱処理せずに脱型して、熱処理を行うことを特徴とする成形体の製造方法。
2.熱処理前後の成形体寸法の差が10%以内であることを特徴とする上記1記載の成形体の製造方法。
3.固有粘度0.70dL/g以上を有するポリエチレンテレフタレート90〜99.5重量%、および、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー及びアクリル系樹脂から選ばれる他種樹脂0.5〜10重量%を含むシートを熱成形後、金型内では熱処理せずに脱型して結晶化率20%以下の成形体を得た後、さらに熱処理を行って成形体の結晶化率を20%以上にすることを特徴とする上記1または2に記載の成形体の製造方法。
【0008】
以下に本発明について詳細に説明する。本発明における成形体は、主としてポリエステルからなるシートを熱成形して得られる成形体であり、かつ180℃の雰囲気下に10分放置した際の寸法変化率が30%以下であることを特徴とする成形体である。寸法変化率が30%以上である場合、熱変形による形状悪化が著しく実用上好ましくない。寸法変化率は好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下である。なお、寸法変化率とは成形体の任意の位置から1ないし3cm角の試料を切りだし、180℃の雰囲気下に10分放置した際の最大収縮位置から算出するものであり、寸法変化のない場合0%となる。
【0009】
本発明における成形体は、熱処理前後の成形体寸法の差が10%以内であることを特徴とする。差が10%より大きい場合、成形金型によって賦型される形状と実際の成形体の形状が大きく異なり、またひずみが生じることで形状の美しさに欠けるため好ましくない。
【0010】
熱処理前の成形体を得る方法は、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、雄型アシスト付き真空成形、プレス成形等が挙げられる。この際、用いられる金型、木型等に温調を行う必要はない。ここで得られた成形体は金型から外された後、次いで以下に示す熱処理工程に供する。
【0011】
温調を行っていない型を用いて成形された成形体の結晶化度は概ね20%以下であるが、5%〜20%の間であることが好ましい。結晶化度が5%より小さい場合、熱処理後に得られる容器の耐熱性が劣る場合がしばしばあり、20%より大きい場合には容器形状が劣ることがあり得る。
【0012】
熱処理工程とは、熱成形した結晶化度の低い成形体を雄型に固定した後に、熱風オーブン中での熱処理、加熱したオイル中への浸漬、加熱した金属板あるいは雌型の接触、赤外線ヒーターによる加熱等に相当する。あるいは加熱した雄型による熱処理でもよい。熱処理温度および時間は、特に限定はしないが、たとえば成形体の温度が140℃ないし270℃、好ましくは160℃ないし250℃、かつ成形体の結晶化度が20%ないし50%、より好ましくは20%ないし40%になるように適宜設定される。成形体の結晶化度が20%に満たない場合得られた成形体の寸法変化率は大きく、また50%を超える場合得られた成形体がもろくなり耐衝撃性に劣るため好ましくない。
【0013】
結晶化度の低い成形体の雄型への固定は、熱処理前後の成形体寸法の差が10%以内となるように行う。固定はたとえば雌金型、金属リング等によって行うが、その方法は適宜選択できる。
【0014】
本発明におけるポリエステル系シートに用いられるポリエステル系樹脂は、主としてPETである。またその他のポリエステル系樹脂、たとえばポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、液晶性ポリエステルも使用可である。
【0015】
本発明におけるポリエステル系シートに用いられるポリエステル系樹脂は、その固有粘度が0.70dL/g以上、好ましくは0.80dL/g以上である。固有粘度が0.70dL/g以下である場合、得られたシートおよびその成形体は機械的強度に劣り、また成形体成形時のシート予熱工程でシート垂れ下がりによる操業不良発生が起こりやすいため、好ましくない。
【0016】
本発明におけるポリエステル系樹脂は、その酸成分の一部として、主たる酸成分以外の芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸を用いても良い。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヒドロキシ安息香酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などが挙げられる。脂環族ジカルボン酸としてはシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸などが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などが挙げられる。これらは樹脂の融点および結晶性を大きく低下させない範囲で用いられ、その量は全酸成分の20モル%未満、好ましくは10モル%未満である。
【0017】
本発明におけるポリエステル系樹脂は、そのグリコール成分の一部として他種のグリコールすなわち炭素数が1〜25のアルキレングリコールを用いることができる。例えばジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロバンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチロールヘプタン、ジメチロールペンタン、トリシクロデカンジメタノール、ビスフェノールXのエチレンオキサイド誘導体(XはA,S,F)などである。これらのグリコールは各種特性のバランスにより適切な組み合わせで用いられるが、ポリマー中の主となるエステル単位の結晶性を妨げないことが前提であるため、その共重合量は全グリコール成分の20モル%以下であることが望ましい。
【0018】
本発明におけるポリエステル系樹脂は、少量に限って三官能以上のポリカルボン酸やポリオール成分を含むこともできる。例えば無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメチロールプロパン、グリセリン、無水ピロメリット酸、ペンタエリスリトール、5−ヒドロキシイソフタル酸などを3モル%以下使用できる。
【0019】
本発明におけるポリエステル系樹脂は、少量に限って二官能性のポリエーテル成分を含むこともできる。例えばPTMG、エチレンオキサイド変成PTMGなどを10重量%以下使用できる。また、p−フェニルフェノール、ベンジルオキシ安息香酸、ナフタレンモノカルボン酸、ポリエチレングリコールモノメチレンエーテル等の化合物も10重量%以下使用できる。
【0020】
本発明におけるポリエステル系シートに含有される他種樹脂とは、ポリエステル系シート成形および成形体成形の際に著しい熱分解を示すものでない限り特に限定しない。例えばポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系、シリコーン系、ポリアクリル系の樹脂およびエラストマーが好適に用いられる。
【0021】
上記他種樹脂のシート中での分散径は10μm以下であることが好ましい。分散径が10μmより大きい場合、得られたシートからなる成形体は耐衝撃性に劣るようになることがある。
【0022】
本発明におけるポリエステル系シートに含有される樹脂は、損失正接が最大値を示す温度が−20℃以下の樹脂であるものがより好ましい。たとえばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、非晶ポリエステル系樹脂、スチレン系エラストマー、シリコーン系エラストマー、アクリル系樹脂およびそれらの複合体がその例として挙げられる。
【0023】
前述のポリオレフィン系樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、分岐低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、(変性)ポリプロピレン、(無水)マレイン酸変性ポリエチレン、水素添加エチレンブテン共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メタクリル酸グリシジル−エチレン共重合体、メタクリル酸グリシジル−アクリル酸エチル−エチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体の金属塩、エチレン−メタクリル酸共重合体の金属塩およびそれらの変成体などが挙げられる。これらは単独で用いても良いし、二種以上を併用しても良い。好ましくは線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレン、水素添加エチレンブテン共重合体、アクリル酸エチル−エチレン共重合体、メタクリル酸グリシジル−アクリル酸エチル−エチレン共重合体である。
【0024】
前述のポリエステル系エラストマーとしては、ポリブチレンテレフタレート(以下PBTと記す)とポリアルキレングリコール(例えばオキシテトラメチレングリコールからなるもの)、PBTと脂肪族系ポリエステル(例えばポリカプロラクトン、ポリブチレンアジペート)からなるもの、PETとポリアルキレングリコールからなるもの、PETと脂肪族系ポリエステルからなるものが例として挙げられるが、これらに限定するわけではない。
【0025】
前述の非晶ポリエステル系樹脂は、前述の酸成分、グリコール成分からなるものから選ばれる。特に主たる酸成分が、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、セバシン酸、アジピン酸、ダイマー酸のいずれかおよびそれらの混合物であり、主たるグリコール成分が、エチレングリコール、トリメチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、ダイマージオールのいずれかおよびそれらの混合物であるものが好ましく用いられる。
【0026】
前述のスチレン系エラストマーとしては、スチレンエチレン共重合体、スチレンエチレンブテン共重合体、スチレンエチレンブテン共重合体の水素添加物、スチレンブタジエン共重合体、スチレンブタジエン共重合体の水素添加物等、およびこれらの酸およびエポキシ変成体が例として挙げられる。
【0027】
前述のアクリル系樹脂としては、例えばポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等およびそれらの共重合体が挙げられる。さらに、これらの樹脂の複合体として、例えばシリコーン−アクリル系樹脂からなるコア・シェル型ゴム、ポリオレフィン−アクリル系樹脂からなるコア・シェル型ゴム等が挙げられる。
【0028】
上記の他種樹脂の添加量は、0.5〜10重量%、下限は好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上、特に好ましくは3重量%以上であり、上限は好ましくは8重量%以下、より好ましくは7重量%以下である。0.5重量%より少ないと耐衝撃性改善効果が充分ではなく、10重量%より多いと耐熱性の低下、外観の低下等の悪影響が現れるため好ましくない。
【0029】
損失正接が最大値を示す温度は、引っ張り強制振動型動的粘弾性測定装置、あるいは回転型動的粘弾性測定装置によって測定される。
【0030】
本発明における成形体に用いられるポリエステル系シートには、公知の任意の結晶核剤、例えばタルク、カオリン、シリカ等の無機核剤、およびPBTオリゴマー、安息香酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、高重合度PET粉砕物、ポリオレフィン等の有機核剤などを添加することができる。結晶核剤の添加量は5重量%以下であり、核剤の種類に応じて適宜設定される。
【0031】
本発明における成形体に用いられるポリエステル系シートは、二層以上からなるものであってもよい。本明細書に記載される範囲の異なる組成からなる層、あるいは、核剤を含むPET、イソフタル酸共重合PET、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合した非晶ポリエステル樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂等からなる層が、多層とする際の例として挙げられる。
【0032】
本発明における成形体に用いられるポリエステル系シートには、目的に応じて種々の重合体あるいは添加剤を配合して組成物を得ることができる。重合体としては、例えばポリアミド系重合体、ポリアクリル系重合体、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。添加剤としては、公知のヒンダードフェノール系、硫黄系、燐系、アミン系の酸化防止剤、ヒンダードアミン系、トリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系、ニッケル系、サリチル系等の光安定剤、帯電防止剤、滑剤、過酸化物等の分子調整剤、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、カルボジイミド系化合物等の反応基を有する化合物、金属不活性剤、有機及び無機系の核剤、中和剤、制酸剤、防菌剤、蛍光増白剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、有機及び無機系の顔料、染料などを添加することができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。主な物性値の測定法は次の通りである。
(1) IV:フェノール/テトラクロロエタン=60/40(重量比)の混合溶媒を用いて温度30℃にて測定した。
【0034】
(2)損失正接が最大値を示す温度:引っ張り強制振動型動的粘弾性測定装置(UBM社製Rheogel−E4000)、または回転型動的粘弾性測定装置(レオメトリクス社SR−200)を用い、十分な低温から2℃/分で昇温しながら11Hzにおいて測定したときの損失正接(tanδ)が最大を示す温度とした。以下Tgと示す。
【0035】
(3)寸法変化率:成形体の任意の位置から1ないし3cm角の試料を切りだし、180℃の雰囲気下に10分放置した際の最大収縮位置から算出した。
【0036】
(4)耐衝撃性:得られた成形体に100gの砂を入れ、0℃雰囲気下50cmの高さから鉄板上に落とし、割れるか否かを評価した。
【0037】
使用した各種樹脂は次の通りである。
PET−1:東洋紡績社製IV=1.00dL/gのPET樹脂
PET−2:東洋紡績社製IV=0.75dL/gのPET樹脂
ポリエチレン:日本ポリケム(株)社製線状低密度ポリエチレン ノバテックLL(Tg<−20℃)
ポリオレフィン樹脂:JSR(株)社製ダイナロン6200P(Tg<−20℃)
変性ポリオレフィン樹脂−1:住化アトケム社製ボンダイン TX8030(Tg<−20℃)
変性ポリオレフィン樹脂−2:住友化学工業(株)社製ボンドファースト7M(Tg<−20℃)
スチレン系エラストマー:JSR(株)社製ダイナロン1320P(Tg<−20℃)
ポリエステル系エラストマー:東洋紡社製ペルプレン(Tg<−20℃)
コア・シェル型ゴム:三菱レイヨン(株)社製 メタブレンS2001(Tg<−20℃)
ポリスチレン:数平均分子量45万のポリスチレン(Tg=100℃)
ポリエステル樹脂:IV=1.0のポリブチレンテレフタレート(Tg=25℃)
【0038】
実施例1〜7、参考例1、2および比較例1
上記の各樹脂を用いて、自家製シーティング機にて0.5mm厚みのシートを得た。なお、シート成形時のバレル温度は全て290℃とした。次にこのシートを用いて、三和興業社製真空圧空成形機TVP−33型にて直径7cm、深さ10cmの50℃に温調した金型を用い、円柱型成形体を得た。次いで同形状の雄木型に成形体を固定し、220℃の熱風オーブンで3分間の熱処理を行った(比較例のみ熱処理を行わなかった)。得られた成形体について、前述の評価法に基づき寸法変化率、耐衝撃性を評価した。また、目視にて成形体が変形するか否かを観測した。以上を表1にまとめて示す。なお、熱処理前後の成形体の寸法変化率は円柱形成形体の口部直径を測定して求めたが、いずれも2%以下であった。
【0039】
【表1】
【0040】
表中の数字は各成分の重量%を表す。また、タルクは、樹脂の総量に対する重量部として示した。耐衝撃性は成形体の割れたものを×、割れなかったものを○とした。
【0041】
表1より、実施例1〜7の成形体は、加熱の際に変形、収縮せず、かつ優れた耐衝撃性を示していることがわかる。また、参考例1,2では加熱の際に変形、収縮はしなかったが、耐衝撃性には若干劣っていた。一方、比較例1では、収縮変形で問題があることが明らかである。
【0042】
【発明の効果】
以上特定のポリマー組成物からなるシートより得られた本発明における成形体は、優れた耐熱性、耐衝撃性を有しており、産業界に寄与すること大である。さらには、特別な金型を用意することもなく高耐熱性の容器を得ることが出来る上、金型内で熱処理しないことから成形速度を上げることが出来、生産性の向上が図られる。

Claims (3)

  1. 180℃の雰囲気下に10分放置した際の寸法変化率が30%以下である成形体の製造方法であり、固有粘度0.70dL/g以上を有するポリエチレンテレフタレート90〜99.5重量%、および、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー及びアクリル系樹脂から選ばれる損失正接が最大値を示す温度が−20℃以下の他種樹脂0.5〜10重量%を含むシートを熱成形後、金型内では熱処理せずに脱型して、熱処理を行うことを特徴とする成形体の製造方法。
  2. 熱処理前後の成形体寸法の差が10%以内であることを特徴とする請求項1記載の成形体の製造方法。
  3. 固有粘度0.70dL/g以上を有するポリエチレンテレフタレート90〜99.5重量%、および、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系エラストマー、スチレン系エラストマー及びアクリル系樹脂から選ばれる他種樹脂0.5〜10重量%を含むシートを熱成形後、金型内では熱処理せずに脱型して結晶化率20%以下の成形体を得た後、さらに熱処理を行って成形体の結晶化率を20%以上にすることを特徴とする請求項1または2に記載の成形体の製造方法。
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