JP4944359B2 - 固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、固体電解コンデンサ及びその製造方法に関するものであり、特に、固体電解質に導電性高分子を用いた固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
従来より、低ESR化を目的として導電性高分子を固体電解質として用いた固体電解コンデンサが知られている。一般に、これら導電性高分子としては、ポリチオフェン,ポリピロール又はポリアニリン等があり、中でもポリチオフェンは、ポリピロール又はポリアニリンと比較して、導電率が高く熱安定性が特に優れていることから近年注目されており、ポリチオフェンを固体電解質として用いた固体電解コンデンサとして特許文献1等に開示されているものがある。
ところで、近年、電子情報機器はデジタル化され、さらに駆動周波数の高速化に伴い駆動電圧の低減化、且つ駆動電流の増大化が進んできている。特に、パーソナルコンピューターの心臓部であるマイクロプロセッサの高速化は著しく、駆動電圧は低減の一途をたどっている。このようなマイクロプロセッサに高精度な電力を供給する回路として、電圧制御モジュール(VRM)と呼ばれるDC−DCコンバータが広く使用されている。
ところで、マイクロプロセッサの低電圧化に伴い、マイクロプロセッサの動作を保証する電圧範囲は狭くなってきている。マイクロプロセッサの要求電流は、マイクロプロセッサに課せられる状況により非常に高速で変化するため、DC−DCコンバーターだけでは変化に対応できず、出力側に負荷コンデンサを接続してマイクロプロセッサの負荷変動に対応している。
このような負荷コンデンサに求められる機能は、損失を小さくするため等価直列抵抗(ESR)が小さいことである。そのため、このような負荷コンデンサに用いられる固体電解コンデンサにおいても、さらなる低ESR化が求められることになる。このような固体電解コンデンサの低ESR化の試みとしては、特許文献2や、特許文献3に示されたものがある。
上記の特許文献において開示された固体電解コンデンサは、いずれも従来の固体電解コンデンサの固体電解質層の上に形成される陰極層に改良を加えたものである。すなわち、従来の固体電解コンデンサでは、固体電解質層の上に導電性カーボン層を形成し、さらに銀ペースト層を形成して、外部引出用のリード線と接続する構造であったが、上記の特許文献に示された固体電解コンデンサでは、導電性カーボン層を形成することなく、固体電解質層の上に直接銀ペースト層を形成している。
特に、特許文献2で開示された固体電解コンデンサでは、粒子径の小さい銀を用いることで、固体電解質層の表面の微細な凹凸に対する接触面積を拡大することで接触抵抗を減少させると共に、銀ペーストに比べて導電率の低い導電性カーボンを用いないことで、陰極層の電気抵抗を減少させたものである。
特開平2−15611号公報 特開平11−135377号公報 特開2001−68381号公報
本発明が解決しようとする問題点は以下の点である。すなわち、上記の特許文献において開示された固体電解コンデンサでは、ある程度の低ESR化を図ることができるものの、さらなる低ESR化の要求には充分なものではなかった。また、次のような問題点があることが、本発明者等の研究で明らかとなってきている。
すなわち、特許文献2に開示されたように、粒径10〜500Åの金属微粒子に若干の有機化合物が含有された導電膜層を形成した固体電解コンデンサでは、銀粒子が固体電解質層の表面の微細な凹凸に入り込み、全体として銀ペースト層と固体電解質層の接触面積を拡大することで接触抵抗を減少させることができるものの、銀ペーストを焼結した際に、バインダー成分が除去されることに伴い、銀ペースト層にマイクロクラックが生じてしまい、銀粒子同士の接触頻度が低下してしまう。その結果、銀ペースト層の抵抗率が高くなってしまい、期待されたほどには固体電解コンデンサのESR特性を低減することができなかった。
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、さらなるESRの低減を可能とした固体電解コンデンサ及びその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の固体電解コンデンサは、弁金属粉未を焼結してなる焼結体の表面に陽極酸化皮膜が形成されたコンデンサ素子の上に、導電性高分子からなる固体電解質層が形成され、該導電性高分子層の上に、平均粒径が0.2〜20μmの銀粉粒子と平均粒径が1〜100nmの銀ナノ粒子と所定のバインダーを混合してなる銀ペーストを焼結した3次元マトリクス構造の銀層が形成されていることを特徴とするものである。
本発明者等は、まず従来の固体電解コンデンサにおける銀ペースト層について検討した結果、ナノスケールの銀粒子を用いると、固体電解質層の表面の微細な凹凸に対して良く密着し、接触抵抗の低減を図ることができるものの、銀ペースト中における銀粒子同士の接触頻度が多くなり、接触抵抗が大きくなってしまうことを見出した。そこで、さらに検討を進めた結果、平均粒径が1〜100nmの銀ナノ粒子と平均粒径が0.2〜20μmの銀粉粒子を混合することにより、上記の問題を解決することができることが判明したものである。
すなわち、平均粒径が1〜100nmの銀ナノ粒子中に平均粒径が0.2〜20μmの銀粉粒子を混合しておくことにより、固体電解質層の表面への銀ペーストの密着性は維持されると共に、銀ペーストを焼結した際に、銀ナノ粒子と銀粉粒子が架橋するような形状で結合し、3次元的なマトリクス構造が形成される。そのため、銀粒子同士の接触抵抗が減少し、固体電解コンデンサのESRのさらなる低減を図ることができることが分かった。
また、請求項1に係る発明は、前記銀ナノ粒子100質量部あたり、前記銀粉粒子が150〜10000質量部の範囲で混合されていることを特徴とするものである。
本発明者等は、銀ナノ粒子と銀粉粒子の混合比率を種々変更して検討した結果、上記の比率に規定した場合に、固体電解コンデンサのESRの低減に最も有効であることが判明したものである。すなわち、銀ナノ粒子100質量部あたり、銀粉粒子の添加量を150質量部未満とすると、銀ペースト層を焼結した際の3次元的なマトリクス構造が充分に形成されずに、銀ペースト層の電気抵抗が増大する。一方、銀ナノ粒子100質量部あたり、銀粉粒子の添加量が10000質量部を越えると、銀ペースト中の銀ナノ粒子が少なくなりすぎ、微細な構造の固体電解質層表面に対する接触面積が減少し、接触抵抗が増大する。
請求項2に記載の発明は、上記請求項1の固体電解コンデンサにおいて、固体電解質層が化学重合により形成された導電性高分子よりなることを特徴とするものである。
固体電解質として、化学重合により形成された導電性高分子を用いた場合には、その固体電解質層の表面が微細な凹凸を持つようになるため、前述した銀粉粒子と銀ナノ粒子を混合した銀ペーストを用いると、低ESR化の効果はより顕著なものとなる。
請求項3に係る発明は、上記請求項2の固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子が、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレンまたはそれらの誘導体の何れかであることを特徴とするものである。
上記の導電性高分子は、化学重合によって重合が可能な物質であると共に、電導度が高いものであるため、陰極層に前述した銀粉粒子と銀ナノ粒子を混合した銀ペーストを用いると、固体電解質の良好な導電性を損なうことのない固体電解コンデンサを実現することができる。
請求項4に記載の固体電解コンデンサの製造方法は、弁金属粉未を焼結してなる焼結体の表面に陽極酸化皮膜を形成したコンデンサ素子の上に、導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、該導電性高分子層の上に、平均粒径が0.2〜20μmの銀粉粒子と平均粒径が1〜100nmの銀ナノ粒子とバインダーを混合してなる銀ペーストを塗布し、150〜350℃の温度範囲で焼結して3次元マトリクス構造の導電層を形成することを特徴とするものである。
平均粒径が0.2〜20μmの銀粉粒子と平均粒径が1〜100nmの銀ナノ粒子とバインダーを混合した銀ペーストを塗布した場合には、150〜350℃の温度範囲で焼結することにより、焼結後の銀ペースト層にマイクロクラックが生じることがなく、銀ペースト層の抵抗率が上昇することがない。なお、焼結温度が150℃未満であると銀ペースト層が焼結せず、一方、焼結温度が350℃を超えると、導電性高分子においてポリマーの分解が発生することもあり、導電性高分子層の特性の悪化を引き起こす。
また、請求項4に係る発明は、銀ナノ粒子100質量部あたり、前記銀粉粒子の添加量を150〜10000質量部の範囲としたことを特徴とする。
本発明者等が実験的に確認したところ、前記焼結温度範囲は、銀ナノ粒子100質量部あたり、前記銀粉粒子の添加量を150〜10000質量部の範囲とした場合に有効である。
本発明によれば、固体電解コンデンサのESR特性の改善を図ることができる。また、本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法により、ESR特性をより改善した固体電解コンデンサを得ることができる。
次に、本発明の実施の形態について、図1を参照して具体的に説明する。
図1において、コンデンサ素子1は、タンタル微粉末を直方体形状に成型し、焼結して形成されたものである。このコンデンサ素子1には、タンタルよりなる陽極導出線8が植設され、外部に導出されている。このコンデンサ素子1のタンタルの表面には、公知の方法により誘電体酸化皮膜が形成される。なお、このようなコンデンサ素子1を形成するには、タンタルの他、アルミニウム、ニオブ、チタン等の弁作用金属の粉末を用いることができる。
このコンデンサ素子1に導電性高分子層2を形成するために、まずコンデンサ素子1を重合性モノマー溶液に浸漬する。この重合性モノマーとしては、チオフェン又はその誘導体が好適である。チオフェン又はその誘導体は、ポリピロール又はポリアニリンと比較して導電率が高いと共に熱安定性が特に優れているため、低ESRで耐熱特性に優れた固体電解コンデンサを得ることができるからである。なお、チオフェンの誘導体としては、次に掲げる構造のものを例示できる。
Figure 0004944359
チオフェンの誘導体の中でも、3,4−エチレンジオキシチオフェンを用いるとより好適である。3,4−エチレンジオキシチオフェンは、酸化剤と接触することで、緩やかな重合反応によってポリ−(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)を生成するため、3,4−エチレンジオキシチオフェンのモノマー溶液を微細な構造を有するコンデンサ素子の内部にまで浸透した状態で重合させることができる。この結果、コンデンサ素子の内部にまで導電性高分子層を形成することができるようになり、固体電解コンデンサの静電容量の増大を図ることができる。
また、重合性モノマー溶液は、上記のような重合性モノマーを所定の溶媒で希釈したものである。希釈することによって、重合性モノマー溶液の粘性が低くなり、コンデンサ素子の内部にまで重合性モノマーが浸透しやすくなる。溶媒としては各種有機溶媒を用いることができるが、重合性モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを用いた場合には、イソプロピルアルコールが適当である。
コンデンサ素子を重合性モノマー溶液に所定時間浸漬した後、コンデンサ素子を引き上げ、大気中で放置する。この大気中への放置によって重合性モノマー溶液の溶媒であるイソプロピルアルコールが揮発し、3,4−エチレンジオキシテオフェンがコンデンサ素子に付着した状態となる。
さらに、コンデンサ素子を酸化剤溶液に浸漬する。この酸化剤溶液としては、純水等の所定溶媒に過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩やスルホン酸塩を溶解した溶液を用いることができる。この酸化剤溶液への浸漬によって、重合性モノマーの重合が進行し、高分子化する。
以上のような工程によって、コンデンサ素子の内部にまで導電性高分子を形成する。そして、導電性高分子の重合を終えたコンデンサ素子を、純水による流水で洗浄する。その後コンデンサ素子を乾燥し、1回の重合を終える。
以上のような、重合性モノマー溶液への浸漬から乾燥までの工程を複数回繰り返し、所望の厚さの導電性高分子層を得る。このように導電性高分子層を化学重合により作成した場合には、重合性モノマーの重合が進行する方向を制御することが困難であるため、作製された導電性高分子層の表面は微細な凹凸を有するものとなる。
さらに、純水洗浄、乾燥まで行った後、導電性高分子層2の上に銀ペーストを塗布する。この銀ペーストは、平均粒径が0.2〜20μmの銀粉粒子と平均粒径が1〜100nmの銀ナノ粒子とバインダーを、銀ナノ粒子100質量部あたり、前記銀粉粒子を150〜10000質量部の範囲で混合した銀ペーストを用いる。上記のような平均粒径が1〜100nmの銀ナノ粒子を銀ペースト中に含んでいるため、導電性高分子層表面の微細な凹凸に入り込み、導電性高分子層と銀ペースト層の接触面積が増大する。なお、バインダーとしては、レゾール型フェノール樹脂を主成分とする有機バインダー等が用いられる。
そして、銀ペースト層を150〜350℃の温度範囲で焼結して導電層を形成する。この焼結によって、固体電解質層の表面への銀ペーストの密着性は維持されると共に、銀ペーストを焼結した際に、銀ナノ粒子と銀粉粒子が架橋するような形状で結合し、3次元的なマトリクス構造が形成される。このため、銀ナノ粒子と銀粉粒子の接触抵抗が減少すると共に、銀粉粒子中では銀のみで形成された導電経路が確保された状態となり、銀ペースト層3全体の抵抗率が低減することになる。また、上記の温度範囲では銀ペースト層3にマイクロクラックが発生することもない。従って、マイクロクラックによって、導電経路が遮断されることがなく、この点からも銀ペースト層3の抵抗率を低減させることができる。
以上のように、銀ペースト層3を形成した後、この銀ペースト層3の上に導電性接着材により陰極引出端子5を接合すると共に、前記陽極導出線8に陽極引出端子4を溶接等の手段により接合する。さらに、トランスファーモールドにより樹脂外装を行い、前記陰極引出端子5及び陽極引出端子4を所定の位置に折曲げて、チップ状の固体電解コンデンサを完成する。
次に、より詳細な実施例に基づき、本発明について説明する。
(実施例)
コンデンサ素子として、大きさが3.5×4.6×1.7mm3のタンタル焼結体を用い、陽極線としてタンタル線を用いた陽極体を、0.05%燐酸水溶液中で90℃、20Vで180分陽極酸化し、脱イオン水の流水により洗浄して、乾燥を行いコンデンサ素子とした。
次に、このコンデンサ素子をブタノール50gと3,4−エチレンジオキシチオフェン50gとを混ぜ合わせてなるモノマー溶液に7分間浸漬し、次に遷移金属イオンを含む酸化剤としてパラトルエンスルホン酸第二鉄40gを60gのブタノールに溶解させて得た酸化剤溶液に15分間浸漬し、化学酸化重合を行い、コンデンサ素子を構成する陽極酸化皮膜上に導電性高分子層を形成した。そして、コンデンサ素子に付着した余分なモノマーや酸化剤を除去するために、ブタノールによる洗浄を5分間行った後、105℃で5分間乾燥した。次いで、前記コンデンサ素子を0.4%の燐酸水溶液中で60℃、20Vで30分再化成し、脱イオン水の流水により洗浄して乾燥を行った。その後、前記高分子層が所望の厚さになるまで、モノマー溶液への浸漬〜乾燥までの重合工程を4回繰り返した。
次に、コンデンサ素子の導電性高分子層の上に、銀ペーストを塗布した。この銀ペーストは、平均粒径が3.9μmの銀粉粒子と平均粒径が5.0nmの銀ナノ粒子とを、銀ナノ粒子100質量部あたり前記銀粉粒子を400質量部添加したものに、レゾール型フェノール樹脂を主成分とする有機バインダーを90質量部混合し、さらにジエチレングリコールジブチルエーテルを100質量部添加した銀ペーストを用いた。そして、この銀ペーストを導電性高分子層の上に直接塗布した。
その後、陽極線を陽極リードフレームに溶接すると共に、銀ペースト層に陰極リードフレームを接合し、銀ペーストを塗布したコンデンサ素子を室温状態で30分間放置した後、180℃の雰囲気で1時間放置し、銀ペースト層の焼結を行った。さらに、全体を樹脂でモールドし、リードフレームから陽極外部端子、陰極外部端子を切断し、樹脂外装に沿って折り曲げて、チップ型の固体電解コンデンサとした。
(従来例)
従来例として、実施例と同様にして導電性高分子層の形成まで行ったコンデンサ素子に、カーボン層を形成し、さらに平均粒径5μmの銀粉をバインダーと混合した銀ペースト層を形成し、その後の工程を実施例と同様に形成したチップ型固体電解コンデンサを用意した。
(比較例1)
比較例1として、実施例と同様にして導電性高分子層の形成まで行ったコンデンサ素子の導電性高分子層の上に、直接、平均粒径5μmの銀粉をバインダーと混合した銀ペースト層を形成し、その後の工程を実施例と同様に形成したチップ型固体電解コンデンサを用意した。
(比較例2)
比較例2として、実施例と同様にして導電性高分子層の形成まで行ったコンデンサ素子の導電性高分子層の上に、直接、平均粒径5nmの銀ナノ粒子をバインダーと混合した銀ペースト層を形成し、その後の工程を実施例と同様に形成したチップ型固体電解コンデンサを用意した。
(試験結果)
以上のようにして作製した各固体電解コンデンサについて電気的測定を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0004944359
表1より明らかなように、従来の固体電解コンデンサは15.4mΩであるのに対し、本発明の実施例の固体電解コンデンサはESRが11.4mΩとなり、ESR特性の改善が図られていることが分かった。
一方、平均粒径5μmの銀粉粒子のみを銀ペーストに用いた比較例1、平均粒径5nmの銀ナノ粒子のみを銀ペーストに用いた比較例2は、固体電解質層の上にカーボン層を形成していないにも関わらず、ESR特性は悪化した。これは、比較例1では、銀ペーストと固体電解質層との接触面積が低下したことによるものと考えられる。また、比較例2では、銀ペースト層中に発生したマイクロクラックにより、銀ペースト層の導電率が悪化したためと考えられる。
以上の結果より、本発明に係る固体電解コンデンサは、ESR特性が改善されることが確認できた。
固体電解コンデンサの内部構造を示す断面図である。
符号の説明
1…コンデンサ素子
2…導電性高分子層
3…銀ペースト層
4…陽極引出端子
5…陰極引出端子
6…樹脂外装

Claims (4)

  1. 弁金属粉未を焼結してなる焼結体の表面に陽極酸化皮膜が形成されたコンデンサ素子の上に、導電性高分子からなる固体電解質層が形成され、該導電性高分子層の上に、平均粒径が0.2〜20μmの銀粉粒子と平均粒径が1〜100nmの銀ナノ粒子とを、銀ナノ粒子100質量部あたり、銀粉粒子が150〜10000質量部の範囲で混合するとともに、所定のバインダーを混合してなる銀ペーストを焼結した3次元マトリクス構造の銀層が形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記固体電解質層が、化学重合により形成された導電性高分子よりなることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記導電性高分子が、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンビニレンの何れかであることを特徴とする請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 弁金属粉未を焼結してなる焼結体の表面に陽極酸化皮膜を形成したコンデンサ素子の上に、導電性高分子からなる固体電解質層を形成し、該導電性高分子層の上に、平均粒径が0.2〜20μmの銀粉粒子と平均粒径が1〜100nmの銀ナノ粒子とを、銀ナノ粒子100質量部あたり、銀粉粒子が150〜10000質量部の範囲で混合するとともに、所定のバインダーを混合してなる銀ペーストを塗布し、150〜350℃の温度範囲で焼結して3次元マトリクス構造の導電層を形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
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