JP4942741B2 - 送信機、受信機および無線送信方法 - Google Patents
送信機、受信機および無線送信方法 Download PDFInfo
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Description
本願は、2006年4月14日に、日本に出願された特願2006−111665号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
特に移動体無線通信分野では、基地局が制御する通信可能領域であるセルを隣接して複数配置したマルチセル環境で同一周波数帯域を使用した無線通信システムの開発が進んでいる。この方式は1セル繰り返し移動体無線通信方式と呼ばれ、高速、大容量、かつ低ビットコストの通信方式として様々な研究がなされている。
[ソフトコンバイニング]
1つのセルを同一周波数帯域が利用される3つの通信制御エリア(セクター)に分割し通信を行う上で問題となるエリア(セクター)境界付近における干渉問題を改善し、スループットを向上させる通信手法として、ソフトコンバイニングがある(例えば、非特許文献2)。
以下にソフトコンバイニングの概要を示す。
図21は、非特許文献2で使用されるセルに関して示した図である。セルを3つに分割したセクター#1〜#3を制御する中心部に設置された1つの基地局が具備する複数(3つ)のアンテナと、各セクターに位置する移動局#1〜#7に具備されたアンテナ間で無線通信を行う移動局の分布の様子を示している。
この手法は移動局が同一セル内における2つのセクター間を移動する際もしくは移動局が境界に位置する際に両セクターからの信号を同時に受信・復調する手法であり、これにより干渉波を低減し、受信電力を増大させることにより伝送特性を向上させるものである。この手法を実行する送信ブロックの構成例を図24Aおよび図24Bに示す。図24Aに示す構成の場合は同一の基準信号(個別パイロットチャネル)を利用してセクター#1とセクター#2からの伝搬路の合成値の伝搬路推定値を導出し、ソフトコンバイニングの手法で送信されたデータ部(共有データチャネル)の復調に使用するのに対し、図24Bに示す構成の場合は異なる基準信号(共通パイロットチャネル)からそれぞれの伝搬路推定値を導出した後、この2つの推定値を合成することによりセクター#1とセクター#2からの伝搬路推定値を導出し、ソフトコンバイニングの手法で送信されたデータ部を復調する。
本明細書においては以上のような複数のセクターから同一の無線リソースを使用して伝送特性を向上させる方法をソフトコンバイン通信もしくはソフトコンバイン伝送と称する。これに対し、通常の単一セクターとの無線通信を通常通信と称する。また、ソフトコンバイン通信により送信されたデータをソフトコンバイン送信データと称する。
次に、同様に3GPPで規格化が行われているOFDMA通信方式を使用した移動体無線通信システムにおけるMIMO無線通信を行うための複数のアンテナを具備した送信機および受信機で合成されるシステムを示す(非特許文献1)。
MIMO伝送とは基地局と移動局とで双方に複数のアンテナを設置し、データを同時に送受信することによってスループットを向上させる方式である。現在、3GPPで検討されているMIMO伝送では、セクター中央部での使用を検討しておりソフトコンバイン伝送と通常通信との同時使用は考慮されておらず、それらの方法の切り替えを考慮した場合、制御情報のやり取りや伝搬路推定の動作が煩雑になることが予想される。
3GPP "TR 25.913 , "Physical Layer Aspects for Evolved UTRA (Release 7) v.0.3.1" 2005/10/18(e-mail reflector) p.16-17, p.21-22 3GPP "R1-050700 , "ntra-Node B Macro Diversity Using Simultaneous Transmission with Soft-combining in Evolved UTRA Downlink" 2005/8/25(e-mail reflector) p.1-5
10…MAC部
11…判定部
12…スケジューラ
13…送信回路制御部
20a〜20f…物理層部
21a〜21f…受信回路部
22a〜22f…送信回路部
23a〜23f…アナログ回路部
24a〜24f…アンテナ部
50a、50b…信号処理部
51a…誤り訂正符号化部
52a…S/P変換部
53a…変調部
60…割り当て部
61…IFFT部
62…P/S変換部
63…時間シフト部
64…GI挿入部
65…D/A変換部
66…パイロット生成部
67…符号記憶部
70…アンテナ部
71…アナログ受信回路部
72…A/D変換部
73…GI除去部
74…S/P変換部
75…FFT部
76…サブキャリア補償部
77…復調部
78…誤り訂正復号化部
79…符号記憶部
80…乗算部
81…逆拡散部
82…電力算出部
83…選択部
本実施形態では、各セクターのアンテナ毎に設定された帯域内のサブキャリアに割り当てられた複数の伝搬路推定用サブキャリアの位相を低周波数側からの位相差がφ(φの詳細な設定方法は後述)となるように設定し、さらに、セクター間においても各アンテナの基準信号(パイロット信号)が互いに直交関係となるように各セクターの伝搬路推定用サブキャリア間の位相φを設定することにより、特にセクター境界において伝搬路推定を各セクターの各アンテナでの正確性を向上させることができるようにしている。なお、ここでは、基準信号を割り当てられたサブキャリアを伝搬路推定用サブキャリアと称する。
MIMO伝送時の同一セクター内の各アンテナに対応する伝搬路推定用サブキャリアは周波数領域または時間領域で直交するように、すなわち異なるシンボル区間に配置することにより、アンテナ間の干渉を抑制したチャネル推定を行うことが可能になる。
一般的なOFDM通信方式において、同一の伝搬路推定用のパイロットチャネルとデータチャネルを多重したデータを複数のアンテナから一定の遅延関係を持たせて送信する手法を循環遅延送信ダイバーシチと呼び、このダイバーシチ方式を用いることにより、データを送信した帯域内の周波数特性をその遅延量により制御することが出来る。
図1は、基地局の複数の異なるセクターに属する送信機が備えるアンテナ1〜3のうちのアンテナ1、2から、移動局が備えるアンテナ4へと信号が送信される様子を示す概念図である。図に示すように、アンテナ1とアンテナ2とから信号が送信され、移動局のアンテナ4によりその合成波が受信される。
図2Aは、基地局のアンテナ1(図1)と移動局のアンテナ4(図1)との間の伝搬路の時間領域特性である遅延プロファイルを示しており、図2Bは、基地局のアンテナ2(図1)と移動局のアンテナ4(図1)との間の伝搬路の時間領域特性である遅延プロファイルを示している。ここで、横軸は時間、縦軸は電力を示している。図2A、図2Bの遅延プロファイルは、伝搬路が伝搬時間の異なる2つの伝搬路からなることを示している。
フレーム構成およびブロック構成はそれぞれ図22、図23に示した構成と同様であるものとする。また、2×2MIMO伝送時のブロック構成も図25に示した構成と同様であるものとする。これらの構成は各セクターで共通であり、各セクターで送信タイミングが同時、すなわちセクター間は同期しているものとする。ブロック構成は実施のための1例であり必ずしもこの配置に限ったものではない。
また、各実施形態中における伝搬路推定用サブキャリアの値には簡略化のため、全て1として説明を行うが、実際のシステム運用時には1以外の複素数を含む値を設定することが可能である。
本実施形態においては、移動局と基地局が互いに一本もしくは複数のアンテナを用いて基地局と移動局が無線通信を行うことができ、さらにそれらを構成するそれぞれのアンテナから送信される送信波の伝搬路推定を行うための基準信号のサブキャリアが互いに直交関係にある。
図6は、本実施形態の基地局の物理レイヤおよびMAC(Media Access Control)サブレイヤの構成の概略を示すブロック図である。
図6には、論理チャネルと物理チャネルのマッピング、移動局の送信方法の判定、スケジューリング処理、物理層部20a〜20fの制御を行い、上位層から入力されたデータを物理層部20a〜20fへ出力する一方、物理層部20a〜20fから入力されたデータを上位層へ出力するMAC(Media Access Control)部10、MAC部10より入力された伝送データの無線送信信号への変換および、アンテナ部24a〜24fで受信した無線受信信号の伝送データへの変換をMAC部10からの制御情報に基づき行う物理層部20a〜20fの構成を示している。なお、図6には、物理層部20a、20c、20eの構成を詳細に示すが、物理層部20b、20d、20fの構成は、同様であるので詳細には示していない。
また物理層部20a〜20fは、送信回路制御部13の制御によりMAC部10より通知されるデータに対して変調を行い、アナログ回路部23a〜23fに入力する送信回路部22a〜22fと、アナログ回路部23a〜23fからの出力を復調し、MAC部10に入力する受信回路部21a〜21fと、送信回路部22a〜22fから入力される送信信号を無線周波数に変換し、アンテナ部より受信された受信信号を受信回路部21a〜21fで処理できる周波数帯に変換するアナログ回路部23a〜23fと、アナログ回路部23a〜23fより入力された送信信号を無線空間に送信し、無線空間中の信号を受信するアンテナ部24a〜24fからなるものとする。
信号処理部50a、50bの出力は、送信回路制御部13(図6参照)より通知されるサブキャリア割り当て情報に基づき適切なサブキャリアに割り当てる割り当て部60において、適切なサブキャリアに割り当てられた後、IFFT部61に出力される。
信号処理部50a、50bは、通常、周波数領域のブロック数と同数で構成されるが、シリアル処理を行うことで代用することも可能である。
このようにして、割り当て部60におけるパイロット信号のサブキャリアの割り当て方と、時間シフト部63における循環遅延の与え方を、SISO伝送のときは、図4のように、MIMO伝送のときは、図5のようにして、隣接するセクターが双方SISO伝送を行っていても、双方MIMO伝送を行っていても、各アンテナから送信する伝搬路推定用サブキャリア同士は、SISO伝送のときは8個の組で、MIMO伝送のときは4個の組で、直交の関係にしておく。これにより、移動局では、後述するように、隣接するセクターを併せた合成波の伝搬路推定を行うことも、各セクターを分離した伝搬路推定を行うことも、精度良くできる。従って、あるセクターで、MIMO伝送をしていた移動局は、隣接するセクターとの境界付近にきたときには、MIMO伝送しつつソフトコンバイニングを行い、隣接するセクターへそのまま移動したときには、該セクターでのMIMO伝送に移行することができる。
図8に示すように、移動局は、無線信号を送受信するアンテナ部70と、アンテナ部70で受信された無線信号を無線周波数からベースバンド周波数に変換し、A/D変換部72に信号を入力するアナログ受信回路部71と、入力された信号をデジタル信号に変換し、GI(ガードインターバル)除去部73に信号を入力するA/D変換部72と、信号からガードインターバルを除去し、信号をS/P変換部74に入力するGI除去部73と、入力された信号を直列のデータから並列データに変換するS/P変換部74と、FFT処理を施すFFT部75と、FFT処理されたサブキャリアから伝搬路推定用サブキャリアを抽出し、所望のセクターで使用している位相回転パターンを符号化したセクター固有符号の複素共役を乗算して各サブキャリアの伝搬路推定値を算出する乗算部80と、前記所望のセクター固有符号を記憶(または生成する)しておく符号記憶部79と、乗算部80の算出した伝搬路推定値を逆拡散して所望のセクターの伝搬路推定値を算出する逆拡散部81、逆拡散部81の算出した所望のセクターの伝搬路推定値から受信電力を算出する電力算出部82と、逆拡散部81の算出した所望のセクターの伝搬路推定値と乗算部80の算出した各セクターを分離していない合成波の伝搬路推定値の2種類の伝搬路推定値からどちらかを、MAC部(図示せず)からの制御情報に基づき選択する選択部83と、伝搬路推定、伝搬路補償を行うサブキャリア補償部76と、各サブキャリアの復調が行われ、データ復号部へ信号を出力する復調部77と、各信号を復号し、MAC部へ信号を出力する誤り訂正復号化部78を備える。
ただし、SISO伝送とMIMO伝送を切り替えて使用できるシステムにおいてMIMO伝送時の特定のアンテナがSISO伝送で使用されることが規定されているシステムにおいては、全アンテナの平均を取らずにSISO伝送で使用される所定のアンテナの2乗平均の値を使用し受信電力とする。
移動局は基地局からソフトコンバイン通信を行うことを許可された場合に通知される制御情報を受信し、MAC部でその制御情報に基づき選択部83の制御を行う。ソフトコンバイン通信中である場合には、拡散を行っていない伝搬路推定値が選択される(Sc5)。
移動局では、通常、接続先であるセクターからの受信電力と、定期的に近くにある別のセクターからの受信電力(もしくはSINRなどの受信品質)を監視している。これらの測定結果は、上り方向無線通信を通じて基地局に報告される。以下ではこれらの測定結果を基に移動局でソフトコンバイン無線通信に切り替える方法と基地局の判断でソフトコンバイン無線通信に切り替える方法を示したものである。
図15移動局主導のフローでは最初に移動局がソフトコンバイン通信を終了し通常送信を適用した通信に切り替えるかどうかの判定を行う(Sf1)。判定は前述のソフトコンバイン通信を適用する場合と逆に例えば電力算出部82で測定した値を比較し、その結果、セクター間の受信電力差が5dB以上となる時間が一定フレームにわたって続いた場合に通常通信に切り替える判断とする方法や、1フレーム区間で電力差が2dB以上になった場合に通常通信を行うと判断する方法などが考えられる。通常通信に切り替えると判断した場合、移動局は基地局に対し切り替え要求を送信する(Sf2)。要求の際には、複数のセクターが使用している位相回転パターンからどのパターンを使用するかも合わせて通知するか、ソフトコンバイン通信中に最大受信電力となるセクターが変更になった時点でソフトコンバイン通信終了後に使用する位相回転パターンを要求しておく。パターンの選択は上記判定の受信電力が高いセクターが選択される。送信は上りリンク無線通信を通じて行う。基地局からの切り替え要求承認の応答が下り無線通信で通知されると(Sf3)、その後通常通信が可能になるため、移動局は通常受信動作で下り方向無線通信のデータを受信する(Sf4)。上述した判断で通常通信を適用しないと判断した場合と、基地局への通常通信の要求が拒否された場合もしくは承認の情報が送信されてこない場合にはソフトコンバイン通信で下り方向無線通信を続ける(Sf5)。
次に第2の実施の形態について説明する。第2の実施形態では第1の実施の形態と同様の効果を得るための送信機である基地局の別の実施形態に関して説明する。
第2の実施の形態においても第1の実施の形態で使用した通信方式およびパラメータを使用することが出来、基地局と移動局間の制御情報の送受および判断は同様である。ただし、基地局の構成に関して異なる実施方法である。
本実施形態においても、基地局の全体構成は、第1の実施形態と同様に図6に示す構成であるが、送信回路部22a〜22fの構成が、第1の実施形態とは異なる。本実施形態における送信回路部22a〜22fの概略構成を図17に示す。第1の実施形態との相違は各セクター間で固有に設定されるサブキャリア間の位相回転差の生成方法である。すなわち、セクター間で異なった遅延を信号に与えるための回路構成が第1の実施形態と異なる。
図17に示したように、本実施形態における送信回路部は、ブロック毎の信号処理を行う信号処理部50a、50bと、パイロット信号を生成するパイロット生成部66と、信号処理部50a、50bの出力およびパイロット信号を各サブキャリアに割り当てる割り当て部60、割り当て部60からの周波数領域のデータ信号列に乗算するためのセクター固有の符合を生成または記憶しておく符号記憶部67、符号記憶部67から入力されたセクター固有符合を周波数領域でデータ信号列に乗算する乗算部68、乗算部68で符号が乗算された周波数領域のデータ信号を時間波形に変換するIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)部61と、IFFT部61の出力を並列直列変換するP/S変換部62と、P/S変換部62の出力に対してガードインターバルを付加するGI付加部64と、GI付加部の出力信号をデジタル信号からアナログ信号に変換するD/A変換部65からなる。
ただし、図4、図5に示したパターン1をセクター固有パターンとして使用しデータ信号を送信する場合には、位相回転が0であることから符号記憶部67で記憶される符号は全て”1”であり、符号を乗算しない場合と同じである。よって、乗算部68および符号記憶部67は省略可能である。
図18、図19に示した図は、図4、図5に示したセクター毎に異なる位相差でサブキャリアに施される位相回転の別の実施形態である。
図4、図5に示した位相回転パターンは8サブキャリアを繰り返しパターンとしていたが、図19に示したパターンでは6サブキャリアを繰り返しパターンとしている。サブキャリア間の位相差は、それぞれ0、2π/3、4π/3となっており、図4と同様に、サブキャリアに対しての一般的な位相回転を示した図が図4である。2×2 MIMO伝送時のパイロットチャネルのサブキャリアに対する位相回転の状態を示した図が図5であり、アンテナ毎に1サブキャリアおきの3サブキャリアを組として使用する。
図20は4×4MIMO伝送を行う場合のアンテナ毎の伝搬路推定用サブキャリアである共通パイロットチャネルの配置の1例を示している。図20では、ブロックの先頭のシンボル区間にアンテナ1とアンテナ2の伝搬路推定用サブキャリアを、周波数方向に交互に割り当てている。さらに、ブロックの中間のシンボル区間(8シンボル目)にアンテナ3とアンテナ4の伝搬路推定用サブキャリアを、周波数方向に交互に割り当てている。
このような伝搬路推定用サブキャリアの配置は、図4、図5および図18、図19に示した位相回転パターンのどちらに関しても適用可能である。2×2MIMOの場合と同様に同一セクターでの各アンテナから送信する伝搬路推定用サブキャリアは周波数および時間領域で直交しており、さらに、セクター間では位相回転により直交関係にある。
Claims (15)
- N本(Nは2または2を超える整数)のアンテナの各々に対応する送信部を備える送信機であって、
前記N個の送信部のうち、少なくともN−1個の送信部は、
全てのサブキャリアに対して、各々の前記サブキャリアに与えられる位相回転と隣接するサブキャリアに与えられる位相回転との位相差が一定値φとなる循環遅延を施す循環遅延部と、
パイロット信号を生成するパイロット生成部と、
ある時間枠において自送信部用のパイロット信号が割り当てられるサブキャリアの中で連続するM個(Mは2または2を超える整数)のサブキャリアに前記循環遅延部によって与えられる位相回転と他の送信機から送信される該M個のサブキャリアに与えられる位相回転とが直交するようなシンボル区間であって、且つ、他の送信部がパイロット信号を割り当てるシンボル区間と同一の時間枠で且つ異なるサブキャリアを選択し、この選択したサブキャリアに前記パイロット生成部が生成したパイロット信号を割り当てる割り当て部と
を備えることを特徴とする送信機。 - N本(Nは2または2を超える整数)のアンテナ各々に対応する送信部を備える送信機であって、
前記N個の送信部のうち、少なくともN−1個の送信部は、
所定のサブキャリアに対して、該サブキャリアと隣接するサブキャリアに施される位相回転との位相差が一定値φとなる位相回転を施す位相回転部と、
パイロット信号を生成するパイロット生成部と、
ある時間枠において自送信部用のパイロット信号が割り当てられるサブキャリアの中で連続するM個(Mは2または2を超える整数)のサブキャリアに前記位相回転部によって与えられる位相回転と他の送信機から送信される該M個のサブキャリアに与えられる位相回転とが直交するようなシンボル区間であって、且つ、他の送信部がパイロット信号を割り当てるシンボル区間と同一の時間枠で且つ異なるサブキャリアを選択し、この選択したサブキャリアに前記パイロット生成部が生成したパイロット信号を割り当てる割り当て部と
を備えることを特徴とする送信機。 - 複数のセクター各々に対して、N本(Nは2または2を超える整数)のアンテナ各々に対応する送信部を備え、
前記割り当て部は、ある時間枠において自送信部用のパイロット信号が割り当てられるサブキャリアの中で連続するM個(Mは2または2を超える整数)のサブキャリアに前記循環遅延部もしくは前記位相回転部によって与えられる位相回転と他の前記セクターに対して送信される該M個のサブキャリアに与えられる位相回転とが直交するようなシンボル区間であって、且つ、他の送信部がパイロット信号を割り当てるシンボル区間と同一の時間枠で且つ異なるサブキャリアを選択し、この選択したサブキャリアに前記パイロット生成部が生成したパイロット信号を割り当てること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の送信機。 - 通信相手の受信機から通知された受信品質情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した受信品質情報に基づいて、前記受信機への送信を、ソフトコンバインにて実施するか否かを判定する判定部と、
前記判定部がソフトコンバインの実施を判定したときは、少なくとも二つのセクターにおける同一のサブキャリアおよび時間帯に、前記受信機を割り当てるスケジューリング部と
を備えることを特徴とする請求項3に記載の送信機。 - 前記アンテナの本数Nは、N=2本であり、
前記サブキャリアの総数が、N×Mの整数倍であり、
各々のサブキャリアに対して、いずれかの前記割り当て部が、前記パイロット生成部が生成したパイロット信号を割り当て、
全ての前記割り当て部が、前記パイロット生成部が生成したパイロット信号を割り当てる時間枠は同一であり、
前記M=4であり、
前記位相差φは、φ=0、3π/4、π/2、π/4のいずれかであること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の送信機。 - eを自然対数の底、jを虚数単位としたとき、
隣接するN×M=2×4個毎のサブキャリアに対して、前記循環遅延部により与えられる位相回転もしくは前記位相回転部により与えられる位相回転は、(ej0、ej0、ej0、ej0、ej0、ej0、ej0、ej0)、(ej0、ej3π/4、e−jπ/2、ejπ/4、ejπ、e−jπ/4、ejπ/2、e−j3π/4)、(ej0、ejπ/2、ejπ、e−jπ/2、ej0、ejπ/2、ejπ、e−jπ/2)、あるいは(ej0、ejπ/4、ejπ/2、ej3π/4、ejπ、e−j3π/4、e−jπ/2、e−jπ/4)のいずれかの組み合わせであること
を特徴とする請求項5に記載の送信機。 - 前記アンテナの本数Nは、N=2本であり、
前記サブキャリアの総数が、N×Mの整数倍であり、
各々のサブキャリアに対して、いずれかの前記割り当て部が、前記パイロット生成部が生成したパイロット信号を割り当て、
全ての前記割り当て部が、前記パイロット生成部が生成したパイロット信号を割り当てる時間枠は同一であり、
前記M=3であり、
前記位相差φは、φ=0、2π/3、4π/3のいずれかであること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の送信機。 - eを自然対数の底、jを虚数単位としたとき、
隣接するN×M=2×3個毎のサブキャリアに対して、前記循環遅延部により与えられる位相回転もしくは前記位相回転部により与えられる位相回転は、(ej0、ej0、ej0、ej0、ej0、ej0)、(ej0、ej2π/3、ej4π/3、ej0、ej2π/3、ej4π/3)、あるいは(ej0、ej4π/3、ej2π/3、ej0、ej4π/3、ej2π/3)のいずれかの組み合わせであること
を特徴とする請求項7に記載の送信機。 - 複数のセクター各々に対して、複数のパイロット信号各々を、それぞれ複数のアンテナのうちの一から送信し、一の前記セクターにおいて、同一の時間枠にパイロット信号を割り当てられて同一のアンテナから送信されるサブキャリアの中で隣接するM個(Mは2または2を超える整数)毎のサブキャリアに与えられる位相回転と、該M個のサブキャリアと同一のサブキャリアであり且つ前記一のセクターに隣接するセクターに対して送信されるM個のサブキャリアに与えられる位相回転とを直交させる送信機と通信する受信機であって、
前記送信機と前記複数のセクターのうちの一にて通信しているときに、前記一のセクターに隣接するセクターにおいて送信するアンテナ数が最大と仮定した場合に同一のアンテナから前記隣接するセクターに送信されるパイロット信号を割り当てられたサブキャリアのうち、隣接するM個毎のサブキャリアを一組にして、前記M個のサブキャリア各々の伝搬路推定値を算出する伝搬路推定部と、
前記伝搬路推定部が算出した一組の伝搬路推定値に逆拡散を施す逆拡散部と、
前記逆拡散部が逆拡散を施した伝搬路推定値を用いて算出した受信電力を送信側の各アンテナからの受信電力とする電力算出部と
を備えることを特徴とする受信機。 - 前記電力算出部は、前記各アンテナからの受信電力に基づき、送信側のアンテナ数が最大以外であるときの前記各アンテナからの受信電力を算出すること
を特徴とする請求項9に記載の受信機。 - 請求項1から請求項8のいずれかの項に記載の送信機と通信する受信機であって、
受信したパイロット信号に対して、前記送信機によりパイロット信号を割り当てられたサブキャリアに施された位相回転の複素共役を乗算する伝搬路推定部と、
前記乗算部が算出した値を逆拡散する逆拡散部と、
ソフトコンバイン通信時は、前記伝搬路推定部の算出結果を伝搬路推定値とし、ソフトコンバイン通信時以外は、前記逆拡散部の算出結果を伝搬路推定値とする選択部と
を備えることを特徴とする受信機。 - 前記伝搬路推定部は、前記乗算する位相回転の複素共役を、通信しているセクターもしくは通信している送信機において施された位相回転の複素共役として乗算した第1の算出結果と、乗算する位相回転の複素共役を、前記通信しているセクターと隣接するセクターもしくは前記通信している送信機の他の送信機において施された位相回転の複素共役として乗算した第2の算出結果を出力し、
前記逆拡散部は、前記第1の算出結果を逆拡散した第3の算出結果と、前記第2の算出結果を逆拡散した第4の算出結果とを出力し、
前記第3の算出結果を2乗平均することで、前記通信しているセクターもしくは通信している送信機からの受信電力を算出し、前記第4の算出結果を2乗平均することで、前記通信しているセクターと隣接するセクターもしくは前記通信している送信機の他の送信機からの受信電力を算出する電力算出部を備え、
前記選択部は、前記ソフトコンバイン通信時以外は、前記通信しているセクターもしくは通信している送信機からの受信電力と、前記通信しているセクターと隣接するセクターもしくは前記通信している送信機の他の送信機からの受信電力との差に基づき、前記伝搬路推定部の第1の算出結果あるいは前記逆拡散部の第3算出結果のいずれかを、伝搬路推定値として選択すること
を特徴とする請求項11に記載の受信機。 - 前記送信機から受信した送信電力情報と、前記電力算出部の算出した前記通信しているセクターもしくは通信している送信機からの受信電力の差をとることにより、伝搬損を算出する伝搬損算出部を備え、
前記選択部は、前記ソフトコンバイン通信時以外は、前記通信しているセクターもしくは通信している送信機からの受信電力と、前記通信しているセクターと隣接するセクターもしくは前記通信している送信機の他の送信機からの受信電力との差に加えて、前記伝搬損に基づき、前記伝搬路推定部の第1の算出結果あるいは前記逆拡散部の第3算出結果のいずれかを、伝搬路推定値として選択することを特徴とする請求項12に記載の受信機。 - 複数の伝搬路推定用のサブキャリア各々を、それぞれ複数のアンテナのうちの一から送信する送信機における無線送信方法において、
全てのサブキャリアに対して、循環遅延を施し、
各々の前記伝搬路推定用のサブキャリアは、周波数領域および時間領域で互いに直交であり、
同一のアンテナから送信する伝搬路推定用のサブキャリアの中で、隣接するM個(Mは2または2を超える整数)毎の伝搬路推定用のサブキャリアに前記循環遅延を施すことにより与えられる位相回転は、該M個の伝搬路推定用のサブキャリアと同一のサブキャリアであり、かつ、他の送信機から送信されるM個のサブキャリアに与えられる位相回転と、互いに直交すること
を特徴とする無線送信方法。 - 複数の伝搬路推定用のサブキャリア各々を、それぞれ複数のアンテナのうちの一から送信する送信機における無線送信方法において、
周波数方向に連続する所定のサブキャリアに対して、隣接するサブキャリアに施される位相回転との位相差が一定値φとなる位相回転を施し、
前記伝搬路推定用のサブキャリアは、周波数領域および時間領域で互いに直交であり、
同一のアンテナから送信する伝搬路推定用のサブキャリアの中で、隣接するM個(Mは2または2を超える整数)毎の伝搬路推定用のサブキャリアに施される前記位相回転は、該M個の伝搬路推定用のサブキャリアと同一のサブキャリアであり、かつ、他の送信機から送信されるM個のサブキャリアに与えられる位相回転と、互いに直交すること
を特徴とする無線送信方法。
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