JP4942729B2 - タッチパネル、およびそれを備えた表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、タッチパネル、およびそれを備えた表示装置に関するものである。
指などによるタッチを検出してその位置座標を特定するタッチパネルは、優れたユーザーインターフェース手段の一つとして注目されており、抵抗膜方式や静電容量方式などの種々の方式によるタッチパネルが製品化されている。
静電容量方式の一つとして、タッチセンサが内蔵されるタッチスクリーンの前面側を数mm厚程度のガラス板等の保護膜で覆った場合でもタッチ検出が可能な投写型静電容量(Projected Capacitive)方式がある。この方式は保護板を前面に配置できるので堅牢性に優れる点、手袋装着時でもタッチ検出が可能である点、稼働部が無いため長寿命である点などの利点を有している。
例えば下記特許文献1に記載のタッチパネルにおけるタッチスクリーンの構成は、静電容量を検出するための検出導体として、薄い誘電膜に形成された第1シリーズの導体エレメントと、絶縁膜を隔て形成された第2シリーズの導体エレメントを備えており、各導体エレメント間には電気的接触はなく複数の交点を形成している。導体エレメントとして最適な材料は、例えば銀などの金属材料である。また、表示上その可視性が問題となり、可視性を低くする場合には酸化インジウムが用いられる。また、導体エレメントに変えて、10〜20μmの細い導線も使用できる。
また、静電容量を検出する導体エレメントは出力線、マルチプレクサを介して容量制御オシレータに接続される。その出力は除算器でカウントされて、容量検出データとされる。さらに1以上の導体エレメントの検出容量相対値により導体エレメント間のタッチ位置が補間できる。また、容量制御オシレータ出力をバッファを介して、サンプリングされていない導体エレメントを駆動して背面側シールド面をなくすことができる。
特開平9−511086号公報(7頁19行〜8頁4行、8頁23行〜9頁6行、13頁4行〜12行、13頁23行〜14頁10行、図1、図2、図6、図8)
この様なタッチパネルの容量制御オシレータとしては、弛張発振器を用いることができる。弛張発振器の発振周期は抵抗素子および容量素子の充放電時定数により概ね決まるが、この容量素子の一部を、検出用配線と、使用者の指等(以下、指示体と記載)との間に形成される静電容量(以下、タッチ容量と記載)によって構成することにより、指示体によるタッチが生じた場合に、検出用配線と指示体との間に形成されるタッチ容量に応じて、弛張発振器の発振周期に変化が生じる。この発振周期の変化量を検出することによりタッチ容量を検出し、例えば隣接する検出用配線で検出されるタッチ容量によって隣接配線間のタッチ位置をタッチ座標として補間により算出することが可能となる。
その際、タッチ座標の高精度な補間を行うためには、タッチ位置周辺の検出配線による容量検出感度を高めることが重要である。
しかしながら、指示体によりタッチが発生したときに、タッチ位置周辺の検出配線のみならず、さらに離れたその他の検出配線の容量検出値もタッチが無いときの検出値に比べて大きくなる。すなわち、補間処理の基準値が変動(オフセットが発生)し、その程度は検出配線クロス部容量に応じた大きさとなるということが発見者らにより確認された。
すなわち、タッチ位置周辺の検出配線による検出値にオフセットが生じたまま補間処理を行うと、補間処理の基準が変動することとなり、補間処理による正確なタッチ座標の算出が行えないという問題があった。
そこで本発明はかかる問題を解決するためになされたものであり、タッチが発生していないときの検出値に対して、タッチ発生時の検出値にオフセットが生じる場合であっても、補間処理により正確にタッチ座標が算出できるタッチパネル、およびそれを用いた表示装置を得ることを目的とする。
本発明における第1のタッチパネルは、行方向および列方向に形成された複数の検出配線を有するタッチスクリーンと、前記検出配線を順次に選択するスイッチ回路と、前記スイッチ回路により選択された前記検出配線と、前記タッチスクリーンにタッチされた指示体と、の間に形成される静電容量の値に対応した値を検出する静電容量検出回路と、前記静電容量検出回路で検出された検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチの位置を算出するタッチ位置算出回路と、を備え、前記タッチ位置算出回路は、前記静電容量検出回路で検出された検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチの有無を判定するタッチ有無判定手段と、前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが無いと判定する場合に、前記静電容量検出回路で検出された検出値から、前記指示体のタッチが無いときの検出値であるバックグランド値を算出するバックグランド算出手段と、前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記静電容量検出回路で検出された検出値が行方向および列方向でそれぞれ最大となる前記検出配線を判別するピーク配線判別手段と、前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記検出値が最大となる前記検出配線から所定範囲を除いた前記検出配線の前記検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチ発生時に前記所定範囲を除いた前記検出配線の前記検出値に生じる前記バックグランド値からの上昇量であるオフセット量を行方向および列方向でそれぞれ算出するオフセット算出手段と、前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記検出値が最大となる前記検出配線および検出配線から所定範囲にある前記検出配線の前記検出値から、前記バックグランド値と前記オフセット量を減算した値に基づいて、行方向および列方向でそれぞれ補間量を算出する補間量算出手段と、前記検出値が最大となる前記検出配線に対応する前記タッチスクリーン上の位置に前記補間量を加算または減算することで前記指示体のタッチの位置を算出するタッチ位置算出手段と、を備える。
また、本発明における第のタッチパネルは、行方向および列方向に形成された複数の検出配線を有するタッチスクリーンと、前記検出配線を順次に選択するスイッチ回路と、前記スイッチ回路により選択された前記検出配線と、前記タッチスクリーンにタッチされた指示体と、の間に形成される静電容量の値に対応した値を検出する静電容量検出回路と、前記静電容量検出回路で検出された検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチの位置を算出するタッチ位置算出回路と、を備え、前記タッチ位置算出回路は、前記静電容量検出回路で検出された検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチの有無を判定するタッチ有無判定手段と、前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが無いと判定する場合に、前記静電容量検出回路で検出された検出値から、前記指示体のタッチが無いときの検出値であるバックグランド値を算出するバックグランド算出手段と、前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記静電容量検出回路で検出された検出値が行方向および列方向でそれぞれ最大となる前記検出配線を判別するピーク配線判別手段と、前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記検出値が最大となる前記検出配線から所定範囲を除いた前記検出配線の前記検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチ発生時に前記所定範囲を除いた前記検出配線の前記検出値に生じる前記バックグランド値からの上昇量である第1のオフセット量を、行方向および列方向でそれぞれ算出する第1のオフセット算出手段と、前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記検出値が最大となる前記検出配線の中心にタッチ位置があるときの該検出配線に隣接する所定範囲の前記検出配線の検出値に含まれる、該検出値から前記バックグランド値と前記第1のオフセット量とを減算した値からのオフセット量である第2のオフセット量を行方向および列方向でそれぞれ算出する第2のオフセット算出手段と、前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記検出値が最大となる前記検出配線および検出配線から所定範囲にある前記検出配線の前記検出値から、前記バックグランド値と前記第1および第2のオフセット量を減算した値に基づいて、行方向および列方向でそれぞれ補間量を算出する補間量算出手段と、前記検出値が最大となる前記検出配線に対応する前記タッチスクリーン上の位置に前記補間量を加算または減算することで前記指示体のタッチの位置を算出するタッチ位置算出手段と、を備える。
本発明の第1のタッチパネルによれば、検出値から、バックグランド値と、タッチ発生時に生じるオフセット量をキャンセル(減算)したのちにタッチ座標算出を行うようにしたので、指示体によるタッチの仕方(タッチパネルとの接触の仕方など)に応じてオフセット量が変化しても、これを確実に算出してキャンセルすることができ、算出されるタッチ座標精度を向上することが可能となる。
本発明の第のタッチパネルによれば、検出値から、バックグランド値と、タッチ発生時に生じるオフセット量をキャンセル(減算)したのちにタッチ座標算出を行うようにしたので、指示体によるタッチの仕方(タッチパネルとの接触の仕方など)に応じてオフセット量が変化しても、これを確実に算出してキャンセルすることができ、算出されるタッチ座標精度を向上することが可能となる。また、検出値が最大となる検出配線の中心にタッチ位置があるときの該検出配線に隣接する検出配線の検出値に含まれるオフセット量を行方向および列方向でそれぞれ算出し、バックグランド値とオフセット量を減算した値に基づいて算出された補間量によりタッチ座標を算出する。したがって、検出値が最大となる検出配線に含まれるオフセット量によって生じる補間量、ひいてはタッチ位置算出結果の誤差を低減して、タッチ座標精度(タッチ分解能)を向上することができる。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1におけるタッチパネルが有するタッチスクリーン1の構成を示した平面図であり、図2は、その部分斜視断面図である。以下、図面を参照してタッチスクリーン1の構成について説明する。なお、実施の形態2の場合の図面をも含めて以下の各図面において、各図中で用いる同一の符号は、同一または相当の構成要素を示す。
図1に示すように、タッチスクリーン1は、列方向(図1中のy方向に相当)に伸在し、かつ所定ピッチで行方向(図1中のx方向に相当)に平行配列された複数の検出用列配線2、行方向xに伸在し、かつ所定ピッチで列方向yに平行配列された複数の検出用行配線3を備えている。所定本数の検出用列配線2は、それぞれ上端および下端で接続用配線4により共通に電気的に接続され、一束の検出用列配線群6を構成している。同様に、所定本数の検出用行配線3は、それぞれ左端および右端で接続用配線5により共通に電気的に接続され、一束の検出用行配線群7を構成している。なお、図1における一束の配線群は、5本(所定本数)の検出用列配線2および検出用行配線3で構成している。
更に、所定本数の検出用列配線群6が行方向xに平行配列されており、同様に、所定本数の検出用行配線群7も列方向yに平行配列されている。なお、図1では、検出用列配線群6および検出用行配線群7(以下、検出用列配線群6および検出用行配線群7をともに検出用配線群と記載する)の一部の図示化を省略しているが、後述の通り、本実施の形態では、検出用配線群の所定本数を各々8系統(本)としている。検出用配線群は、引き出し配線8,9により端子10に接続している。図1では、指示体がタッチスクリーン1にタッチしたときに、検出用配線群を構成する検出用列配線2および検出用行配線3(以下、検出用列配線2および検出用行配線3をともに検出用配線と記載する)と指示体との間に、タッチ容量が形成される。なお、検出用配線群の本数およびその配線ピッチ、検出用配線群を構成する検出用配線の本数、配線幅および配線ピッチは、タッチパネルのタッチ位置(タッチ座標値)の要求分解能から適宜に選択される。
ここで、検出用配線群を複数の検出用配線から構成するのではなく、検出用配線群を1本のいわゆるベタ配線として構成すると、タッチ容量は大きく確保できるものの、表示パネルの前面にタッチパネルを配置して使用するに際しては、検出用配線群がその表示光の透過を妨げる要因となってしまい、表示光の透過率を低下させてしまう。そこで、本実施の形態では、検出用配線群を複数本の検出用配線から構成して、検出用配線の間のスリット状開口部の面積を大きく設定することで、表示光の透過率の低下の抑制を図っている。ただし、表示光の透過率の低下という問題点を甘受して、各検出用配線群を1本のいわゆるベタ配線として構成する変形例を適用しても良い。
次に、図2を参照して、タッチスクリーン1の層構成を説明する。タッチスクリーン1の上面層は、透明なガラス材料または透明な樹脂からなる透明基板12(以下、ベース基板12と記載)であり、ベース基板12の裏面上には、ITO等の透明配線材料からなる検出用列配線2が形成される。さらに、その下には、検出用列配線2を被覆するように、SiN(窒化シリコン)等の透明な層間絶縁膜13が形成され、層間絶縁膜13の裏面上に透明配線材料からなる検出用行配線3が形成される。なお、検出用列配線2と検出用行配線3との配設位置を逆にして、ベース基板12の裏面上に検出用行配線3を形成し、層間絶縁膜13の裏面に検出用列配線2を形成しても良い。
なお、検出用配線は、ITO等の透明配線材料を用いた透明配線ではなく、アルミニウム等の金属配線材料を用いて構成してもよい。この場合には、前述したように、検出用配線群を複数本の検出用配線から構成して、検出用配線の間のスリット状開口部の面積を大きく設定することで、表示光に対する透過率が確保される。
図3は、本実施の形態におけるタッチパネルの全体構成を模式的に示した図である。タッチスクリーン1の端子10(図3には図示せず、図1参照)に、FPC(Flexible Printed Circuit)17の端子が、ACF(Anisotropic Conductive Film)等を用いることにより実装される。このFPC17を介して、タッチスクリーン1の検出用配線群の端部とコントローラ基板18とが電気的に接続されることにより、図3のパネルはタッチパネルとして機能する。また、コントローラ基板18には、タッチ容量の検出結果に基づいて、指示体のタッチ位置のタッチスクリーン1上におけるタッチ座標の算出処理を行う検出処理回路19が搭載されており、検出処理回路19によって算出された指示体のタッチ位置のタッチスクリーン1上におけるタッチ座標の値は、検出座標データとして、外部のコンピュータ(図示せず)等に出力される。
図4は、本実施の形態によるタッチパネルにおけるタッチ動作検出・タッチ座標算出系の回路構成を示したブロック図である。なお、本実施の形態では、一例として、検出用列配線群6および検出用行配線群7の本数を各々8系統(図4中、検出用列配線群Wc1〜Wc8、検出用行配線群Wr1〜Wr8)とした場合について記載する。
図4において、図3に示す検出処理回路19は、列用スイッチ回路20a、行用スイッチ回路20b、発振回路21、第1計数回路23a、第2計数回路23b、タッチ位置算出回路24、バッファ回路26、クロック用発振器COおよび上記の構成要素20a,20b,21,23a,23b,24を制御する検出制御回路25より構成されている。また、検出用発振回路22は、検出用列配線群6、検出用行配線群7、列用スイッチ回路20a、行用スイッチ回路20b、発振回路21およびバッファ回路26よりなる。
各検出用配線群6の一端(図4中の上端)は、列用スイッチ回路20aに接続され、各検出用行配線群7の一端(図4中の右端)は、行用スイッチ回路20bに接続されている。
図5は、スイッチ回路20a,20bの構成を示した回路図である。列用スイッチ回路20aは、検出用列配線群6の各配線群毎に2:1に接続を切り替えるアナログ・マルチプレクサ回路27を含む。そして、検出用列配線群6の各配線群は、それと対応した列用スイッチ回路20aのアナログ・マルチプレクサ回路27により、発振回路21の入力端またはバッファ回路26との出力端との接続が切り替えられる(図4参照)。なお、アナログ・マルチプレクサ回路27もスイッチ回路と称することがある。
行用スイッチ回路20bにおいても同様に、検出用行配線群7の各配線群毎に2:1に接続を切り替えるアナログ・マルチプレクサ回路27を含む。そして、検出用行配線群7の各配線群は、それと対応した行用スイッチ回路20bのアナログ・マルチプレクサ回路27により、発振回路21の入力端またはバッファ回路26の出力端との接続が切り替えられる。
このように、列用スイッチ回路20aおよび行用スイッチ回路20bを構成するアナログ・マルチプレクサ回路27は、検出制御回路25から出力される制御信号の指示に応じてその接続を選択し、検出用列配線群6および検出用行配線群7の中から1配線群ずつ、発振回路21との接続を順次切り替える。すなわち、発振回路21との接続が選択された1つの配線群が選択配線群として検出対象となり、それ以外の非選択配線群はバッファ回路26の出力に接続される。発振回路21の動作は後述するが、バッファ回路26は発振回路21の発信周期を決める充放電波形をバッファリングして、非選択配線群に印加される。これにより、選択配線群と非選択配線群をほぼ同電位とすることで、両配線群の間に形成されるカップリング容量の影響を低減することができる。
図4において、発振回路21の出力端は第1計数回路23aの入力端に接続されており、発振回路21が出力する発信出力信号が第1計数回路23aに入力される。第1計数回路23aは、検出制御回路25から出力されるRESET信号およびそれに引き続くENABLE信号の立ち上がりタイミングに応じて、発振回路21が出力する発信出力信号をカウントし、その計数値(カウント値)を逐一検出制御回路25に出力する。ここで、検出制御回路25は、所定の計数値のデータを保有しており、第1計数回路23aより入力される計数値と上記の所定の計数値とを比較して、入力される計数値が所定の計数値に等しくなったタイミングにおいて、ENABLE信号を立ち下げ、このENABLE信号の出力停止ないしは立ち下げのタイミングに応じて、第1計数回路23aは、発振回路21からの発信出力信号のカウント動作を停止する。即ち、第1計数回路23aは、RESET後の発振回路21からの発信出力信号の最初の入力時点から、カウント値が所定の計数値となるまで発信出力信号を計数する。また、第1計数回路23aの後段の第2計数回路23bは、検出制御回路25から出力されるRESET信号およびENABLE信号の立ち上がり(出力)タイミングに応じて、クロック発振器COより出力される、予め定められた任意の周期を有するクロック信号Clkのパルスのカウントを開始する。そして、ENABLE信号の出力停止ないしは立ち下げのタイミングまでの期間内にクロック信号Clkのパルスのカウントを行い続けることにより、第1計数回路23aが発振回路21からの発信出力信号の計数を開始してから、その計数値が、検出制御回路25が有する上記の所定の計数値となるまでの期間(時間)を計数する。そして、第2計数回路23bは、第2計数回路23bによって計数されたこの期間を、「発信周期検出結果」として、ENABLE信号の出力停止タイミングに応じて、タッチ位置算出回路24に対して出力する。そして、検出制御回路25は、ENABLE信号の出力停止タイミングに応じて、上記の発信周期検出結果の取り込みを指示する制御信号をタッチ位置算出回路24に対して出力する。この制御信号の入力タイミングに応じて、タッチ位置算出回路24は、第2計数回路23bが出力する発信周期検出結果を取り込み、この発信周期検出結果に基づいて、後述するとおりに、指示体のタッチ位置のタッチスクリーン1上でのタッチ座標値を算出する。
この様に、指示体のタッチパネルへのタッチに起因した発振回路21の発振周期の変化に基づいて、検出用列配線群6と指示体との間の静電容量Ctc、及び、検出用行配線群7と指示体との間の静電容量Ctrが、タッチ位置算出回路24に於いて、実質的に算出される構成(静電容量Ctc,Ctrを測定する手段乃至は測定方法の一例)が、当該タッチパネルに設けられている。
図6は、本実施の形態におけるタッチパネルが有する発振回路21の回路構成、及び検出用配線群やバッファ回路との接続関係を模式的に示した回路図である。本実施の形態では、発振回路21は、オペアンプ回路30を使用して構成されている。図6では、理解の便宜上、スイッチ回路20a,20bによって8系統の中から、それぞれ2系統の検出用列配線群6及び検出用行配線群7を示し、しかも、スイッチ回路20a,20bも簡略化して示した図である。
図6中、Aは検出用列配線群6及び検出用行配線群7上のタッチ位置(以下、タッチ座標と記載)を示している。スイッチ回路20aを構成するアナログ・マルチプレクサ回路27がa側に切替わることで、対応する検出用列配線群6と発振回路21の入力端32aが接続され、b側に切替わることでバッファ回路26の出力端に接続される。同様に、スイッチ回路20bを構成するアナログ・マルチプレクサ回路27がa側に切替わることで、対応する検出用行配線群7と発振回路21の入力端32aが接続され、b側に切替わることでバッファ回路26の出力端に接続される。
このように、列用スイッチ回路20a及び行用スイッチ回路20bを構成するアナログ・マルチプレクサ回路27は、検出制御回路25の指令により順次a側に切替えることで、検出用列配線群6の上端及び検出用行配線群7の右端という2つの接続端の中から1つの接続端を選択して、選択された接続端をオペアンプ回路30の反転入力端と電気的に接続している。即ち、列用スイッチ回路20a及び行用スイッチ回路20bを構成するアナログ・マルチプレクサ回路27により選択された検出用配線群は検出用帰還路35の一部を構成することになり、この選択された検出用配線群を含んだ検出用発振回路22(図4)が構成されることになる。
オペアンプ回路30の非反転入力端とグランドとの間には抵抗Raが、また、非反転入力端と出力端との間には抵抗Rbが、それぞれ接続されている。また、オペアンプ回路30の反転入力端とグランドとの間にはコンデンサC1が、また、反転入力端と出力端との間には抵抗R1が、それぞれ接続されている。この様にオペアンプ回路30を使用して、いわゆる弛張発振回路が構成されている。この発振回路21は、出力飽和電圧から、抵抗R1及びコンデンサC1に加えて、検出用列配線群6の抵抗(または検出用行配線群7の抵抗)、及び、タッチ容量Ctc(またはタッチ容量Ctr)により構成される検出用帰還路35により充放電が行われ発振する。そして、出力端子33から、発振出力信号が出力される。
この様な構成に設定することで、指示体がタッチスクリーン1にタッチすることにより、指示体が検出用列配線群6に近接してタッチ容量Ctcが発生し、或いは、指示体が検出用行配線群7に近接してタッチ容量Ctrが発生すると、検出用帰還路35の伝達特性は変化し、タッチ容量Ctc,Ctrが発生しないとき(指示体がタッチスクリーン1にタッチしていないとき)よりも、検出用発振回路22の発振周期(=発振回路21の発振周期)は増加する。そして、後述する様に、この発振周期の変化によりタッチ容量Ctc,Ctrを実質的に検出することで、指示体のタッチ位置のタッチスクリーン1上でのタッチ座標値を算出することが可能となる。
アナログ・マルチプレクサ回路27により選択された検出用配線群等からなる検出用帰還路35の一部を考慮せずに、発振回路21単体での発振周期Tcは、概ね下記の式(1)によって示す通りに与えられることとなる。発振周期Tcは抵抗R1及びコンデンサC1の時定数τに比例する。
Figure 0004942729
検出用帰還路35を含む検出用発振回路22では、指示体のタッチスクリーン1へのタッチによりタッチ容量Ctc,Ctrが形成されると、オペアンプ回路30の反転入力端に電気的に接続される検出帰還路35によって上記の時定数τが増加し、発振回路21の発振周期も増加する。この発振周期の変化を、タッチ容量の検出、即ち、タッチ位置のタッチスクリーン1上でのタッチ座標値の検出に利用する。
さらに、オペアンプ回路30の反転入力端に現れる充放電電圧は、バッファ回路26を介してアナログ・マルチプレクサ回路27に入力されており、同回路の接続がb側に切替わることにより、非選択配線群に印加される。これにより、図6中に模式的に示した検出用列配線群6及び検出用行配線群7とのクロス部(交差部)周辺(図中ハッチングで示す)に形成されるクロス部容量Ccに印加される電圧を小さくすることができる。クロス部容量Ccの印加電圧を理想的にゼロにできれば、発振動作において、クロス部容量の存在は無視できることになる。
しかしながら、バッファ回路26の周波数応答や出力インピーダンス、さらには検出用配線群が有する配線抵抗により、弛張発振回路の発振周期を決める充放電電圧と非選択配線群との電位を完全に一致させることは困難であり、クロス部容量Ccが発振周期に影響を与えることとなる。特に、タッチが発生したときに、タッチ位置周辺の検出用列配線群6及び検出用行配線群7のみならず、それ以外の配線群の検出値も同時に上昇する(発振周期が大きくなることに対応)という現象が生じる。この影響に関しては補間処理の説明として後述するが、このタッチ位置周辺以外の配線群からの検出値の上昇は、補間処理を行う際のオフセット量となる。
さて、図4を参照して、上述した発振回路21の出力信号は、計数回路23a,23bに入力される。前段の第1計数回路23aは、検出制御回路25による制御の下で検出用発振回路22の出力信号(=発振回路21の出力信号)を所定の計数値CPとなるまで計数する(この計数カウント処理により、後述する様に、外来ノイズ等の影響を平滑化して測定の精度を高めることが可能となる)。更に、検出制御回路25による制御の下で、第1計数回路23aが計数を開始してから所定の計数値CPとなるまでの期間(=(検出用発振回路22の出力信号の発振周期)×(所定の計数値CP))を、後段の第2計数回路23bによって計数することで、検出用発振回路22の出力信号の発振周期が検出される(計数された期間を所定の計数値CPで除算した値が、検出用発振回路22の出力信号の発振周期の平均値である)。
このとき、例えば、タッチパネルと組合せて使用される表示装置等の周辺装置からの外来ノイズ、または、アナログ・マルチプレクサ回路等の回路要素自体が発生するランダムノイズが、検出用列配線群6、検出用行配線群7、及び引き出し配線8,9を含む発振回路21への接続経路に混入すると、発振周波数に揺らぎが生じ、検出される容量値の精度が低下する。他方、第1計数回路23aで計数される所定の計数値CPは、発振回路21の発振周期の積算回数となる。即ち、外来ノイズ及びランダムノイズは発振回路21の発振とは非同期であるため、この所定の計数値CPを大きな値に設定するときには、積算により外来ノイズ等の影響が平均化されて低減化され、容量値の検出精度が向上する。但し、第2計数回路23bで計数される、第1計数回路23aの計数値が所定の計数値CPとなるまでの期間は、(発振周期)×(所定の計数値CP)で与えられるため、この所定の計数値CPを大きな値に設定すると、1本の検出用配線群による検出時間も増大して、タッチパネルの所望の応答時間を満足することが困難となり、検出用配線群の数が多い場合には、この傾向は更に顕著となる。このため、所定の計数値CPは所望の応答時間を満足するよう適宜設定される。
尚、本実施の形態1では、検出用配線群、引き出し配線8,9及びその他の回路配線上の寄生静電容量並びにスイッチ回路の入出力端からみた静電容量(アナログ・マルチプレクサ回路20a,20b,31内部の静電容量)の図示は、簡単化のために省略している。実際には、これらの静電容量を加味して、抵抗値等の各回路パラメータが選定されるので、これらの静電容量は本実施の形態の本質に影響を及ぼすものではない。
次に、タッチ位置のタッチスクリーン1上でのタッチ座標値を検出する動作を、図4〜図10を参照して説明する。まず、発振回路21へ検出配線群を順次接続し、計数回路23a及び23bにて容量検出を行う動作につき説明する。図7は、本実施の形態におけるタッチパネルの検出・算出動作を示したタイミングチャートである。
検出制御回路25は、8本の検出用列配線群6を順次に切り替える指令を指示する制御信号を列用スイッチ回路20aを構成する各アナログ・マルチプレクサ回路27に出力する。アナログ・マルチプレクサ回路27は、その制御信号に応じて、その出力端子を順次に切り替えながら、図7に示す様に、8本の検出用列配線群6の中から検出対象となる列配線群を選択して、Wc1→Wc2→・・・→Wc7→Wc8の順で、検出用列配線群6の上端部を発振回路21の接続端子32aと接続させる。その結果、選択された検出用列配線群6の上端部がオペアンプ回路30の反転入力端と接続される。
この様な発振回路21に接続する検出対象配線群の切り替え動作と連動して、第1計数回路23aは、検出制御回路25からのリセット信号RESETが解除され且つ検出制御回路25が出力するイネーブル信号ENABLEがアクティブレベルになった時点で(図7参照)、検出用発振回路22の発振出力信号の計数を開始し、所定の計数値CPとなるまで計数を続行する。そして、検出制御回路25は、第1計数回路23aが出力する計数値が所定の計数値CPとなったことを検出した時点で、イネーブル信号ENABLEを非アクティブレベルに設定し、第1計数回路23aの計数動作を停止させる。
一方、後段の第2計数回路23bは、検出制御回路25が出力するイネーブル信号ENABLEがアクティブレベルとなっている期間を、計数用クロック信号Clkに基づいて計数する。即ち、第2計数回路23bの計数値は、第1計数回路23aが計数動作を開始してからその計数値が所定の計数値CPとなるまでの期間を示していることになる。従って、第2計数回路23bの計数値CV1は、検出用発振回路22の発振周期が所定の計数値CP回分積算されて平均化された値となる。そして、検出制御回路25は、イネーブル信号ENABLEを非アクティブレベルに設定した後に、第2計数回路23bの計数値CV1を読み込む様に指示する制御信号を後段のタッチ位置算出回路24に出力する。タッチ位置算出回路24は、この制御信号の入力タイミングに応じて、図7に示すタイミングで、第2計数回路23bが出力する発振周期検出結果CV1を取込む。
同様に、検出制御回路25は、8本の検出用行配線群7を順次に切り替える指令を指示する制御信号を行用スイッチ回路20bを構成する各アナログ・マルチプレクサ回路27に出力する。アナログ・マルチプレクサ回路27は、その制御信号に応じて、その出力端子を順次に切り替えながら、図7に示す様に、8本の検出用行配線群7の中から検出対象となる行配線群を選択して、Wr1→Wr2→・・・→Wr7→Wr8の順で、検出用行配線群7の右端部を発振回路21の接続端子32aと接続させる。その結果、選択された検出用行配線群7の右端部がオペアンプ回路30の反転入力端と接続される。
そして、同様に、検出制御回路25は、リセット信号RESETの解除とイネーブル信号ENABLEのアクティブレベルへの変更とを行い、第1及び第2計数回路23a,23bによって、各検出用行配線群7に関する、検出用発振回路22の発振周期の所定の計数値CP回の積算値CV1が検出される。
詳細はフローチャートに基づき後述するが、このとき、第2計数回路23bの計数値CV1からバックグランド値Gbを減算して、各配線群による検出値CV2を算出する。タッチ位置算出回路24は、算出した検出値CV2に基づいてタッチ有無判定処理(タッチ有無判定手段)を行う。タッチ有無判定処理は、検出用列配線群6及び検出用行配線群7のそれぞれにつき各1本以上、検出値CV2が所定の閾値TL以上のときには(CV2≧TL)、指示体によるタッチがあったと判断する。そして、タッチ位置算出回路24は、後述する補間処理によりタッチ座標を算出する。なお、図7では、列配線群Wc4がその検出値CV2(計数値CV1からバックグランド値Gbを減算した値)が最大値を示す列配線群として、及び、行配線群Wr5がその検出値CV2が最大値を示す行配線群として例示されている。
これに対して、何れの検出用列配線群6に対する検出値CV2、及び、何れの検出用列配線群7に対する検出値CV2が、所定の閾値TL未満の場合には、タッチ位置算出回路24は、指示体によるタッチが無かったものと判断して、タッチ無し時のバックグランド検出値を算出するバックグランド値算出処理へ移行する。
そして、タッチ座標算出処理またはバックグランド値算出処理を経て、上述した各配線群による検出処理に戻るという一連の動作が繰り返される。なお、各配線群による検出処理とタッチ座標算出処理やバックグランド値算出処理は、一部を並行して行うことも可能である。
次に、タッチ座標算出処理について説明する。タッチ位置算出回路24は、上述したタッチ有無判定処理(タッチ有無判定手段)の他、ピーク配線判別処理(ピーク配線判別手段)、オフセット量キャンセル処理(オフセット算出手段)、補間処理(タッチ位置算出手段)を有している。ピーク配線判別処理は、タッチ有無判定処理にてタッチが有ると判定された場合には、検出値が最大になる列配線群及び行配線群を求める。オフセット量キャンセル処理は、ピーク配線とその周辺の配線群を除いた検出値から補間オフセット量を求める。補間処理は、補間オフセットを考慮して補間処理によりタッチ座標を算出する。
図8は、タッチ有無判定処理およびピーク配線判別処理の処理フローを示したフローチャートである。なお、検出用列配線群をタッチ座標のx座標を検出するための配線として「X配線」とも記載し、検出用行配線群をタッチ座標のy座標を検出するための配線として「Y配線」とも記載し、検出用列配線群及び検出用行配線群の各々を単に「検出配線」とも以下に記載する。
はじめに、各検出配線を発振回路21に順次接続し、計数回路23aが所定計数値CPとなる期間t1を計数回路23bの計数値CV1として測定する(ステップSA1)。このステップは、図6を元に説明した各配線群を順次発振回路21に接続して計数値として容量値を求めるという動作を示している。ここでは、これを容量検出処理と呼び、図8のフローチャートでは、ピーク配線判別処理の前段の容量検出処理(ステップSA1に相当)も含めた形で記載している。
次に、各検出配線の計数値CV1から、バックグランド計数値Gbを減算して検出値CV2を算出する(ステップSA2)。この検出値CV2は、タッチの無い計数値を基準としたときにタッチなどで形成された容量に対応する値となる。そして、検出値CV2が予め設定される閾値TL以上(CV2≧TL)となるX配線及びY配線があるかを判定する(ステップSA3)。このような検出配線がある場合、タッチが有ると判断し、CV2≧TLとなるX配線のうち、検出値CV2が最大となる配線X(i)を求める(ステップSA4)。同様に、CV2≧TLとなるY配線のうち、検出値CV2が最大となる配線Y(j)を求める(ステップSA5)。ステップSA5の後、補間オフセット量算出処理へ移行する。また、ステップSA3の判定条件を満たさない場合、タッチが無いと判断し、バックグランド値算出処理(ステップSA6)へ移行する。ここで、i、jは配線番号を示す。なお、検出値CV2が最大となる配線X(i)、配線Y(j)をピーク配線と記す。
図9は、図8に示すバックグランド検出値Gbを検出するためのバックグランド検出処理を示したフローチャートである。尚、ここでは、バックグランド検出処理は、図8に示すタッチ有無判定処理のステップSA3に於ける判定結果がNoである場合に行われる。
本実施の形態では、上記ステップSA3における判定結果がNoであるときに毎回、バックグランド検出処理を行う。この検出時間が検出配線からの容量検出の不感時間となってしまい、応答時間に影響する場合には、所定回に1回、バックグランド処理に移行するようにし、それ以外では、当該処理をスルーするようにしても良い。バックグランド検出値Gbは急峻に変動することは無いため、この様に検出間隔を広く設定しても、一般的には何等問題は無い。
タッチ位置算出回路24は、検出配線毎に、第2計数回路23bの計数値CV1≧閾値TLgとなる検出配線があるか否かを判定する(ステップSB1)。
そして、計数値CV1≧閾値TLgを満足する検出配線があると判定した場合には、タッチ位置算出回路24は、前回のバックグランド検出処理の実行に於いて設定されたバックグランド検出値Gb(old)を更新することなく、そのまま当該値Gb(old)を、今回の検出で得られたバックグランド検出値Gb(new)に設定する(ステップSB2)。
他方、ステップSB1において、上記の関係を満足する検出配線が無いと判定した場合には、タッチ位置算出回路24は、各検出配線に於いて、前回の「バックグランド検出モード」で検出されたバックグランド検出値Gb(old)と今回測定された計数値CV3との指数平均を算出し、算出された値を新たなバックグランド検出値Gb(new)として同回路24内のメモリに格納する(ステップSB3)。ステップSB3の後、図8に示したピーク配線判別処理に戻る。
ここで、指数平均は、以下の式(2)により求められる。
Figure 0004942729
バックグランド検出値の検出誤差を抑えて、補間処理の精度を上げる様に、ここでは、例えば指数平均により平滑化する。使用環境によるバックグランド検出値の変動度合い等をみて、αの値を適宜設定すれば良い。また、バックグランド値の初期値は、装置使用開始のキャリブレーション処理により求めても良いし、予め固定値を設定しておいても良い。また、装置起動後の最初の計数値CV1をバックグランド値の初期値としても良い。
次に、タッチが有る場合の検出値CV2に現れるオフセット量につき説明する。図10は、配線X(i)の中心から上下にタッチ位置が変位した場合の検出値CV2の変化の様子を示した図である。図12をもとに後述する場合と同様に、指のタッチ寸法(タッチされるエリアの寸法)と配線幅(配線群の幅)と、配線群のピッチとをほぼ同等となる様に設定した場合の図である。また、透明基板12の厚さが0.6mm程度と比較的薄い場合を示している。図に示すように、タッチ位置が配線X(i)の中心から変位した場合、検出値CV2は次第に低下していき、隣接配線X(i−1)、X(i+1)付近で変化量は小さくなる。そしてさらにタッチ位置が離れても検出値の低下はほとんど生じることが無くなる。これは、Y配線についても同様である。このように、タッチがある場合には、タッチが無い場合のバックグランド値に対してオフセットが生じ、タッチ位置から離れた配線であっても、検出値CV2がバックグランド値よりも大きな値を示すことが発明者らの実験により確認された。さらに、X配線とY配線とのクロス部で生成されるクロス部容量(クロス部容量は図6中、Ccとして模式的に示される)が大きいほど、オフセット量も大きくなることも確認された。
このようなオフセットが生じる理由は以下のように考えることができる。非選択検出配線は、上述のように発振回路21の発振周期を決める充放電電圧がバッファ27を介して印加されており、これにより理想的にはクロス部容量は無視できる。しかしながら、バッファ27の駆動能力(応答速度や出力インピーダンス)や検出配線の抵抗、さらには引出し配線の抵抗の影響により、クロス部容量にかかる電圧はゼロとはならず、ある程度の電圧が残留する。このとき、タッチが発生し、ある検出配線周辺にタッチ容量が発生すると、それから離れた検出配線が選択されて発振回路21に接続された場合にも、クロス部容量を介してタッチ容量が検出されてしまうこととなり、これによりオフセットが生じることになる。このとき、発振回路21からみえる容量は、タッチ容量とクロス部容量の直列配置された容量となる。このため、クロス部容量の大きさに伴いオフセット値も大きくなる傾向がある。
図11は、補間オフセット量キャンセル処理を示したフローチャートである。ここでは、例えばピーク配線X(i)及びそれと隣接するX(i−1)、X(i+1)(計3本分)を除くX配線の各検出値CV2の平均値をオフセット量Oxとして算出する(ステップSC1)。同様に、ピーク配線Y(j)及びそれと隣接するY(j−1)、Y(j+1)(計3本分)を除くY配線の各検出値CV2の平均値をオフセット量Oyとして算出する(ステップSC2)。
次に、補間処理の対象となる配線X(i−1)〜X(i+1)の各検出値CV2からオフセット量Oxを減算し、補間処理用検出値CVxを算出する(ステップSC3)。さらに、補間処理の対象となる配線Y(j−1)〜Y(j+1)の各検出値CV2からオフセット量Oyを減算し、補間処理用検出値CVyを算出する(ステップSC4)。なお、ここで、本実施の形態においては、ピーク配線と隣接する配線の3本の検出値から補間処理を行う場合を考えるが、さらにピーク配線周辺の広い範囲の配線の検出値を使用して補間処理行う場合には、この範囲以外の配線の検出値の平均値としてオフセット量を求める。
このように、前段のピーク配線判別処理にてピーク配線が判別されるごとに、オフセット量を算出してキャンセルするため、指示体によるタッチの仕方(タッチパネルとの接触の仕方など)に応じてオフセット量が変化しても、これを確実に算出してキャンセルすることができる。
次に、タッチ位置算出回路24が行う補間処理について説明する。ここでは、簡単化のために、各検出配線による計数値CV2の偏差は生じていないものとする。図12は、補間用検出値CVx,CVyのタッチ位置による変化の例を示した図である。図12中、参照記号FGは、タッチパネルにタッチしている指を示している。図12は、ピーク配線X(i)およびY(j)の中心を原点として、X配線の場合には左右に、Y配線の場合には上下にタッチされる指FGの中心位置からの変位量(相対値)に対する補間用検出値CVx、CVyの関係を例示している(配線X(i)及びY(j)の場合を実線、配線X(i−1)及びY(j−1)の場合を点線、配線X(i+1)及びY(j+1)の場合を一点鎖線として示している)。
尚、図12は、指FGのタッチ寸法(タッチされるエリアの寸法)と配線幅(配線群の幅)と、配線群のピッチとをほぼ同等の値pとなる様に設定した場合の図である。また、透明基板12の厚さが0.6mm程度と比較的薄い場合を示している。指FGのタッチ寸法には使用者又はタッチの程度によりバラツキが生じるが、標準的には、指FGのタッチ寸法は、幅・長さ共に、10mm程度と考えることができる。
図12の下段に示す様に、配線X(i)及びY(j)に於いて、指位置中心が配線中心から変位していくと、補間用検出値CVx(i)及びCVy(j)は次第に低下していき、隣接する配線中心のほぼ中央(p/2(p:配線ピッチ))まで変位すると、右若しくは上への変位の場合には、隣接配線X(i+1)及びY(j+1)による補間用検出値CVx(i+1)及びCVy(j+1)とほぼ同レベルになる。又、左若しくは下への変位の場合にも、補間用検出値CVx(i)及びCVy(j)は、隣接配線X(i−1)及びY(j−1)による補間用検出値CVx(i−1)及びCVy(j−1)とほぼ同レベルになる。これよりも変位量が大きくなると、隣接配線による補間用検出値の方が大きくなるため、補間と考える上では、p/2までの変位量に対してタッチ座標を補間すれば良いと考えることができる。
次に、図13は、本実施の形態における補間処理を示したフローチャートである。図13を参照して、補間処理について説明する。オフセット量キャンセル処理で得られたX配線のピーク配線X(i)とその隣接配線X(i−1),X(i+1)及びY配線のピーク配線Y(j)とその隣接配線Y(j−1),Y(j+1)の各補間用検出値CVx(i)、CVx(i−1)、CVx(i+1)、CVy(j)、CVy(j−1)、CVy(j+1)を用いて、タッチ位置算出回路24は補間処理を行う。但し、ここでは、配線番号iは左から右方向に、配線番号jは上から下方向に増加する様に、定義されるものとする。
先ず、タッチX座標Pxtを算出する処理として、タッチ位置算出回路24は、ピーク配線に隣接する両配線の補間用検出値の関係が、CVx(i+1)≧CVx(i−1)であるか否かを判定し、これによってタッチ位置がピークX配線X(i)の左右どちら側にあるかを判断する(ステップSD1)。
CVx(i+1)≧CVx(i−1)の場合には、タッチ位置算出回路24は、タッチ位置(タッチX座標Pxt)がピークX配線X(i)のX座標Px(i)よりも右側にあると判断して、式(3)によって、補間量ΔPxを算出する(ステップSD2)。尚、補間式については後述する。
Figure 0004942729
他方、CVx(i+1)<CVx(i−1)の場合には、タッチ位置算出回路24は、タッチ位置(タッチX座標Pxt)がピークX配線X(i)のX座標Px(i)よりも左側にあると判断して、式(4)によって、補間量ΔPxを算出する(ステップSD3)。
Figure 0004942729
そして、タッチ位置算出回路24は、ピークX配線X(i)のX座標Px(i)と補間量ΔPxとから、タッチX座標Pxtを、数5の式(5)及び式(6)によって、算出する(ステップSD4)。尚、各検出配線iのX座標Px(i)及び各検出配線のY座標Py(j)、即ち、各検出用配線群の中心位置の座標は、タッチスクリーン1の寸法に応じて予め定められている固定の位置座標系によって、検出配線のi番目の値とj番目の値とが具体的に決まれば、タッチ位置算出回路24によって自動的に決定される。
タッチ位置算出回路24は、この固定の位置座標系のデータを保有している。従って、全検出配線の中からピークX配線X(i)及びピークY配線Y(j)を、上述した処理によって、タッチ位置算出回路24が定めると、タッチ位置算出回路24は、その保有する上記の位置座標系のデータから、ピークX配線X(i)のX座標Px(i)、及びピークY配線Y(j)のY座標Py(j)を算出する。尚、タッチスクリーン1を有する本実施の形態に係るタッチパネルを液晶表示装置等の表示装置に組み合わせて使用する段階に於いては、タッチスクリーン1の上記の固定の位置座標系でその位置座標が定まる各検用配線の中心位置は、表示装置の表示画面に於いて、その最左上隅の位置を基準点として当該基準点から数えて何番目の画素にあたるかと言う画素位置に相当する。
Figure 0004942729
同様に、タッチ位置算出回路24は、タッチY座標Pytを算出する処理として、ピーク配線に隣接する両配線の補間用検出値の関係が、CVy(j+1)≧CVy(j−1)であるか否かを判定し(ステップSD5)、タッチ位置がピークY配線Y(j)の上下どちら側にあるかを判断する。
即ち、CVy(j+1)≧CVy(j−1)の場合には、タッチ位置算出回路24は、タッチY座標Pytがピーク配線Y(j)のY座標Py(j)よりも下側にあると判断して、式(7)によって、補間量ΔPyを算出する(ステップSD6)。尚、ここでは、タッチX座標Pxtの補間量ΔPxを算出するのと同じ補間式を使用するものとする。
Figure 0004942729
他方、CVy(j+1)<CVy(j−1)の場合には、タッチ位置算出回路24は、タッチ位置(タッチY座標Pyt)がピークY配線Y(j)のY座標Py(j)よりも上側にあると判断して、式(8)によって、補間量ΔPyを算出する(ステップSD7)。
Figure 0004942729
そして、タッチ位置算出回路24は、ピークY配線Y(j)の座標Py(j)と補間量ΔPyとから、タッチY座標Pytを、式(9)及び式(10)によって算出する(ステップSD8)。
Figure 0004942729
その後、タッチ位置算出回路24は、補間処理を行って得られたタッチ座標(Pxt、Pyt)を外部へ送出し(ステップSD9)、更に補間処理を終了したことを検出制御回路25に送信する。その結果、検出制御回路25は所定の計数値CVを所定の計数値CV1に変更した上で、検出処理に戻る。尚、各座標及び補間量は、例えば組み合わせて使用される表示装置の画素数を基準に算出すれば良い。
ここで、使用する補間式は、タッチ位置に対して、ピーク配線の検出値とその隣接配線の検出値とがどのように変化するかによって決定される。処理を単純にするために、式(11)に示す線形補間を使用しても良い。
Figure 0004942729
但し、ピーク配線の検出値とその隣接配線の検出値とがどのように変化するかは、一般的に非線形になる。これは、検出用配線群からタッチ面との距離(ベース基板12の厚さ)及びタッチ形状にも依存している。
そこで、簡単化のために、タッチ形状を例えば方形、又は円形と仮定して、指示体のタッチにより、タッチ部と配線群との平行平板による容量が形成されると考えると、隣接間配線の容量比はタッチ部がそれぞれの配線と対向する部分の面積比となる。よって、補間係数の特性は、図14のシミュレーション結果に示す様に成り、補間量は、図14に示される補間係数の値に配線ピッチpを乗じる形で求められる。尚、タッチ形状が方形ないし矩形の場合には左右又は上下の一方向にのみ指示体がずれるのみであり、補間係数の特性は線形性に近いものとなるが、タッチ形状が円形の場合には、最初は指示体のずれ量が小さく、次第に大きくなって、その後に小さく成っていくので、補間係数の特性ないしは補間関数fは、図12に示される凸状の形状となる。
又、図14に示す補間係数の特性は、オフセット量を減じた補間用検出値CVx、CVyに対するものである。よって、図14に於いて、横軸の比が0の場合には、何れか一方の隣接配線の容量値(従って検出値CVx、CVy)は0であると仮定されて、指示体のタッチ位置がピーク配線の中心位置にあると考え、オフセット量を減じたCVx、CVyに基づいて、補間係数の値は0に設定される。
ここでは、タッチ位置算出回路24は、例えば図14に示す補間係数の特性に従って逐一補間係数を得ることで補間式を決定し、これに従って補間量を算出する。或いは、タッチ位置算出回路24は、補間曲線をルックアップテーブルとして設けておき、このルックアップテーブルを参照しながら補間量を算出していくこととしても良い。又、図14はタッチ形状を方形又は円形と想定してタッチ部と配線群との平行平板により形成される容量により補間係数を求めたものであるが、実測(タッチパネルにタッチした指を実際に逐一ずらしながら第2計数回路23bの計数値CV2の増減量を測定して変化量ΔCV2を求めていく)により、補間係数を求めても良い。
尚、本実施の形態では、ピーク配線とその隣接配線を除く検出配線の検出値の平均値からオフセット量を算出するようにしたが、オフセット量を算出する対象となる検出配線は、ピーク配線とその隣接配線を除く全ての検出配線である必要は無い。例えば、ピーク配線の隣々接配線と最外検出配線の値を代表値として、これらの平均値として求めても良い。
また、本実施の形態では、バックグランド検出処理に於いて指数平均処理による平滑化を行う様にしているが、補間精度等から判断して平滑化の必要性がなければ、指数平均処理は不要である(α=0に相当)。
又、本実施の形態では、検出用配線群が接続されない状態に於いても、抵抗等の素子(図5のC1及びR1)を接続することで、発振回路21を構成している。これは、第1及び第2スイッチ回路20a,20bの切り替えタイミングによっては、何れの検出用配線群も発振回路21のオペアンプ30の反転入力端に接続されない可能性があり、その際に発振周期が大きくずれてしまい、検出用配線群が再度接続された状態に復帰したときに発振周波数の整定に時間がかかるのを防ぐためである。又、アナログ・マルチプレクサ回路20a,20bにより接続される検出用配線群の切り替えの過渡時に発振周波数ずれが小さく問題とならない場合には、発振回路21のコンデンサC1及び抵抗素子R1を不要としても良い。
又、電源投入直後に発振回路21自体の発振周期のドリフトが見られる様であるならば、投入直後はαを比較的小さな値として平滑度を下げ、時間の経過と共にαを次第に大きな値に設定して平滑度を上げる様にしても良い。
又、本実施の形態の一例では、第1計数回路23aが発振回路21の発振出力信号を所定の計数値CPとなるまで計数して、計数を開始してから所定の計数値CPとなるまでの期間(時間)を第2計数回路23bで計数し、第2計数回路23bがこの期間を発振周期検出結果としてタッチ位置算出回路24に対して出力するという構成を採用している。しかしながら、この構成に代えて、第1計数回路23aで計数する期間を予め所定期間内に設定しておき(即ち、発振回路21の出力信号を観測する期間を一定値にしておく。)、この所定期間内に第1計数回路23aによって計数される計数値を発振周期検出結果として用いる様に構成することも可能である(この場合、発振周期Tが大きい程に、第1計数回路23aのカウント数が小さくなる)。
又、補間処理はピーク配線と隣接配線の検出値を用いて行うようにしたが、指示体によるタッチによって隣接配線のみならず、ピーク配線に連続する検出配線(例えば隣々接配線)と支持体との間にもある程度のタッチ容量が形成される場合には、この検出結果も併せて用いて補間処理を行うことも可能である。
以上より、本実施の形態1におけるタッチパネルは、計数回路23bの計数値CV1からバックグランド値を減算して検出値CV2を得た後、各検出配線による検出値CV2からタッチ発生時に生じるオフセット量をキャンセル(減算)したのちにタッチ座標算出を行うようにしたので、指示体によるタッチの仕方(タッチパネルとの接触の仕方など)に応じてオフセット量が変化しても、これを確実に算出してキャンセルすることができ、算出されるタッチ座標精度を向上することが可能となる。
また、補間対象となるピーク検出配線及びこれと隣接する検出配線を除いた検出配線からの検出値CV2を平均してオフセット量を算出するので、検出用配線毎に検出値のばらつきがあっても、安定したオフセット量を算出して、タッチ座標精度を向上できる。
また、タッチが無いときのバックグランド値が大きい場合であっても、これを減算して検出値を小さくしてタッチ座標を算出するので、算出に必要な処理の負荷を減らすことができる。
また、前回のバックグランド値との指数平均によりバックグランド値を算出するようにしたので、外乱ノイズ等が混入して検出値に偏差が生じても安定したバックグランド値を得ることができる。
また、検出配線のピッチと指示体の幅が概ね同一のときの補間量を示す特性を基準として補間量を算出するので、たとえば指示体寸法(幅)が変化してもそれに応じた特性を用意して切り替え処理などを行う必要がなく、簡単な構成で補間量を算出することができる。
また、検出値が最大となる検出配線および該検出配線に隣接する検出配線との比に対する補間量の特性を用いるので、指示体のタッチパネルへの接触の程度などによる検出値のレベル(大きさ)が変化しても、最大となる検出配線および該検出配線に隣接する検出配線との比は変化しないので、レベル補正等の煩雑な処理が不要であり、簡単な構成で補間量を算出することができる。
<実施の形態2>
実施の形態1においては、例えば、指示体によるタッチ部と配線群との平行平板による容量が形成されると考え、ピーク配線と隣接間配線との容量比が、タッチ部がそれぞれの容量と対向する部分の面積比に比例するとして、図14に示す容量比と補間係数との関係(補間係数特性)から求められる補間係数に配線ピッチpを乗じることで補間量を求めた。
ここで、実施の形態1で説明した補間係数の特性は、図16に示すようなタッチ寸法と配線幅(配線群の幅)と配線群のピッチpが等しい条件で求めたものである。図16は、X配線を例に示した図であり、タッチ形状を円形、ピーク配線をX(i)として、タッチ位置がそれぞれピーク配線X(i)の中心にある場合(a)、右側にp/4ずれた位置にある場合(b)、隣接配線X(i+1)との中間にある場合(c)を示している。したがって、それぞれの位置に対応して補間係数が0、0.25、0.5と算出されれば、算出されたタッチ位置が実際のタッチ位置と等しく、誤差がないことになる。
ところが、実際に指示体(ここでは円形)と検出配線との間に形成される静電容量(タッチ容量)のタッチ位置に対するプロファイルは、図17に示すように上記条件で求めたものとずれが生じる。図17は、タッチ容量のタッチ位置に対するプロファイル例を示した図であり、実線を上記条件で算出された特性(a)、点線をタッチ寸法が配線ピッチ(=配線幅)より小さい場合(b)、一点鎖線をタッチ寸法が配線ピッチとほぼ等しい場合(c)、二点鎖線をタッチ寸法が配線ピッチより大きい場合(d)の実測特性を示している。なお、実測特性は、透明基板を厚さ0.7mmのガラス、配線ピッチを7.5mmとした場合である。
このように、いずれの場合も、タッチ位置が配線中央から変位するにしたがって静電容量は低下していくが、実測の場合には隣接配線の中央まで変化しても静電容量は0とはならない。言い換えれば、ピーク配線がX(i)の場合に、タッチ位置がピーク配線X(i)の中央であっても、隣接するX(i+1)と指示体間に形成される静電容量が0にならない。タッチ寸法(この場合、円形指示体の直径)が配線ピッチより大きい場合は、当然ながらピッチ寸法の中央にタッチ位置があっても、指示体が隣接配線と対向する部分が生じるため、平行平板で考えても0とはならない。しかしながら、タッチ寸法が配線ピッチより小さい場合や配線ピッチとほぼ等しい場合であっても、指示体と検出配線との間に発生する電界の広がりにより、隣接配線との間に静電容量が形成される。
したがって、図14で示したタッチ寸法と配線幅(配線群の幅)と、配線群のピッチpが等しいという条件で、指示体と検出配線とが平行平板として求めた補間係数特性を用いて、ピーク配線と第2ピーク配線との位置を補間してタッチ位置を算出すると、図18に示すような誤差が生じる。図18は、補間係数特性から算出されたタッチ位置の誤差を示した図であり、実線は上記補間係数特性(a)を示し、点線をタッチ寸法が配線ピッチより小さい場合(b)、一点鎖線をタッチ寸法が配線ピッチとほぼ等しい場合(c)、二点鎖線をタッチ寸法が配線ピッチよりも大きい場合(d)のタッチ位置とピーク配線X(i)と隣接する第2ピーク配線X(i+1)との実測による静電容量比を示している。このように、上記補間係数特性(a)と実測による静電容量比の特性(b)〜(d)との差が、補間係数特性を用いて補間して求めた座標算出結果の誤差として現れる。
このような誤差は、タッチ位置精度、すなわちタッチ位置分解能の要求が高い場合に特に問題となる。本実施の形態では、このような誤差を低減できるタッチ座標算出方法について説明する。
図19は、本実施の形態におけるタッチ座標算出方法の補間オフセット量キャンセル処理を示したフローチャートである。実施の形態1において図11をもとに説明した補間オフセット量キャンセル処理を置き換えるものである。他の構成やタッチ座標算出処理方法は実施の形態1と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。また、図20は、補間オフセット量キャンセル処理に関係するオフセット量を模式的に示す検出特性図である。図はX配線を例に示したものである。ここで、隣接オフセット値は、タッチ位置がピーク配線の中心(補間量0に相当)にあるときの隣接配線にあらわれるオフセット値キャンセル後のオフセット値である。
図19に示すように、ステップSCa1からSCa2は、実施の形態1と同様に、ピーク配線、およびその隣接配線を除く検出値CV2の平均値をオフセット値として算出して、検出値から減算することで、第1のオフセット量がキャンセルされる。すなわち、前段処理のピーク配線算出処理でタッチがあると判定されて求められたピーク配線X(i)およびその隣接配線X(i−1)、X(i+1)を除くX配線の各検出値CV2の平均値をオフセット値Oxとして算出する(ステップSCa1)。
次に、前段処理のピーク配線算出処理でタッチがあると判定されて求められたピーク配線Y(j)およびその隣接配線Y(j−1)、Y(j+1)を除くY配線の各検出値CV2の平均値をオフセット値Oyとして算出する(ステップSCa2)。
そして、ピーク配線X(i)とその隣接配線X(i−1)、X(i+1)の検出値CV2から、オフセット値Oxを減算した補正値CVx1(i)、CVx1(i−1)、CVx1(i+1)を算出する(ステップSCa3)。また、ピーク配線Y(j)とその隣接配線Y(j−1)、Y(j+1)の検出値CV2から、オフセット値Oyを減算した補正値CVy1(j)、CVy1(j−1)、CVy1(j+1)を算出する(ステップSCa4)。
次に、第1のオフセット量キャンセル処理にて求められた補正値CVx1(i)、CVx1(i−1)、CVx1(i+1)をもとにオフセット値AOxを算出する(ステップSCa5)。なお、隣接オフセット値AOxの算出方法については後述する。同様に、補正値CVy1(j)、CVy1(j−1)、CVy1(j+1)をもとにオフセット値AOyを算出する(ステップSCa6)。
そして、補正値CVx1(i)、CVx1(i−1)、CVx1(i+1)からオフセット値AOxを減算し、補間処理用検出値CVx2(i)、CVx2(i−1)、CVx2(i+1)を算出する(ステップSCa7)。同様に、補正値CVy2(j)、CVy2(j−1)、CVy2(j+1)を算出する(ステップSCa8)。
以上のようなオフセット量キャンセル処理により、タッチ発生時に生じるオフセット量(第1のオフセット量)Ox、Oyをキャンセルしたのち、さらにタッチ位置が配線中心にあるときの隣接配線に現れる隣接オフセット量(第2のオフセット量)AOx、AOyをキャンセルすることで、タッチ座標Xを算出するための補間処理用検出値CVx2(i−1)、CVx2(i)、CVx2(i+1)、およびタッチ座標Yを算出するための補間処理用検出値CVy2(j−1)、CVy2(j)、CVy2(j+1)を算出する。その後は、実施の形態1と同様に、例えば図14に示す補間係数特性を用いて補間処理を行い、タッチ座標を算出する。
さて、上述したように隣接オフセット量AOx、AOyはタッチ寸法により異なる。使用時のタッチ寸法が概ね固定であれば、タッチ位置を配線中心として実測で求めた値を用いることが可能であるが、実際のタッチ寸法は指示体、例えば使用者の指の大きさやタッチの仕方(タッチの強弱など)によって異なってくる。そこで、本実施の形態では、ピーク配線周辺の複数検出配線からの検出値の合計値に基づいて、隣接オフセットを推定して算出する。
図21は、タッチ位置と検出配線との関係を示した図であり、同図(a)はタッチ寸法が配線ピッチpに比べて小さい場合、(b)はタッチ寸法が配線ピッチpに比べて大きい場合を示している。補間処理で補間する座標はピーク配線の中心から隣接配線との中間までであるので、この図からもわかるように、タッチ寸法(X配線であれば幅寸法、Y配線であれば長さ方向)が配線ピッチpとほぼ等しい大きさまでを考えると、タッチ部は、ピーク配線とその両側隣接配線の範囲と対向することになる。つまり、タッチにより発生する総容量は、例えばピーク配線と隣接する両側の配線に対応するタッチによるオフセットをキャンセルした補正検出値CVx1(i−1)、CVx1(i)、CVx1(i+1)の合計(X配線の場合)、およびCVy1(j−1)、CVy1(j)、CVy1(j+1)の合計(Y配線の場合)として求めることができる。このタッチによる総容量は、タッチ寸法に概ね比例すると考えることができるので、例えばピーク配線と隣接する複数の配線(ここでは前後2本)の検出値の合計値からタッチ寸法が推定でき、隣接オフセットも推定して算出することが可能である。ここで、隣接オフセットは例えば下記式(12)のように算出する。
Figure 0004942729
ここで、CV1(ref)は、特定タッチ寸法LによるCV1(total)であり、gは、特定タッチ寸法Lを基準とした隣接オフセット関数である。また、CVx1(i−1)+CVx1(i)+CVx1(i+1)=Ax、CVy1(j−1)+CVy1(j)+CVy1(j+1)=Ay、とした場合、上述したように、式(12)は下記式(13)として求めることができる。
Figure 0004942729
隣接オフセット関数は、例えば図22に示すような特性となる。図23は透明基板厚:0.6mm、配線ピッチp:7.5mmのときの例を示す。
このときの隣接オフセット(キャンセル)の有無による実際のタッチ位置と、算出されるタッチ位置との差を図23に示す。図中(a)は配線ピッチpよりも小さい直径5mmの円形タッチの場合、(b)は配線ピッチpと同じ直径7.5mmの円形タッチの場合、(c)は配線ピッチpよりも大きい直径10mmの円形タッチの場合を示している。いずれの場合にも、隣接オフセット補正を行うことで、タッチ位置が配線中心付近の補間精度が大きく改善されていることがわかる。
ここでは説明の便宜上、図22に示す隣接オフセット関数の特性を、特定タッチ寸法Lを基準とした隣接オフセット関数(特定タッチ寸法LによるCV1(total)で正規化した特性)を用いるように記載したが、実際には必ずしもこのような必要はなく、CV1(total)から一意的に隣接オフセットを求める特性を用いればよい。
また、本実施の形態においては、ピーク配線とその両隣接配線の補正検出値の合計値を用いて隣接オフセットをキャンセルするようにしたが、配線ピッチに比べ、タッチ寸法が大きい使用状態も生じる場合には、ピーク配線を中心に補正検出値を合計する配線の範囲をさらに広げてもよい。
以上より、タッチ発生時に全配線に生じるオフセット量(第1のオフセット量)をキャンセルして得た補正検出値から、さらにタッチ位置が配線中心にあるときの隣接配線に現れる隣接オフセット量(第2のオフセット量)をキャンセルして得た補間処理用検出値を用いて補間処理を行い、タッチ座標を算出する。したがって、指示体によるタッチの仕方(タッチパネルとの接触の仕方など)に応じてオフセット量が変化しても、これを確実に算出してキャンセルすることができ、さらに隣接オフセット量によって生じる補間座標誤差を低減してタッチ座標精度(タッチ分解能)を向上することができる。
また、検出値が最大となるピーク配線とその前後の所定範囲の配線からの補正検出値の合計値に基づいて、隣接オフセット量を推定して算出するようにしたので、タッチ寸法が変化しても確実に隣接オフセットをキャンセルしてタッチ座標精度を向上することができる。
<実施の形態3>
本実施の形態は、実施の形態1に於けるタッチスクリーン1を液晶表示パネルに貼り付けることにより、タッチパネルと液晶表示パネルとを一体化して成る液晶表示装置に関する。図15は、本実施の形態における液晶表示装置の縦断面構成を示した図である。液晶表示パネル41は、ガラス基板上にカラーフィルタ、ブラックマトリックス、透明電極、及び配向膜が形成されて成るカラーフィルタ基板44と、ガラス基板上にスイッチング素子であるTFT(薄膜トランジスタ)等が形成されて成るTFTアレイ基板46と、両基板44,46間に挟持されたTN液晶から成る液晶層45と、粘着層47によりTFTアレイ基板46の後面側に粘着された偏光板48とを備えている。更に、カラーフィルタ基板44の前面上には、粘着層43により、偏光板42が粘着されている。又、液晶表示パネル41の背面側には、光源であるバックライト49が配設されている。
他方で、実施の形態1に係るタッチスクリーン1が、粘着層40により、液晶表示パネル41の前面側の偏光板42に粘着されている。
TFTアレイ基板46には、外部のドライバ回路(図15に図示せず)から、表示する画像に応じた信号が入力され、それに応じて、画素毎に形成されたTFTによるスイッチング素子を介して、液晶層45の印加電圧を制御して、その液晶分子の配列方向を変化させる。バックライト49からの入射光は、偏光板48を通過して直線偏光の光となり、液晶層45を通過することにより表示する画像信号に応じて振動方向が曲げられて、カラーフィルタ基板44に形成されたカラーフィルタを通過することにより三原色の光に分離され、更に前面側の偏光板42を通過することで、画像信号に応じた光強度を有する光となる。そして、更に、偏光板42を通過した光がその前面にあるタッチスクリーン1を通過して表示光として使用者に視認される。
この様にして、画像信号に応じてバックライト49からの光の透過率を制御することで、液晶表示装置は所望の表示を行う。又、タッチスクリーン1を含むタッチパネルは、実施の形態1と同様に、発振周期の変化に基づきタッチ座標を算出して、そのタッチ座標を出力する。
このとき、実施の形態1で説明したタッチスクリーン1では、検出用配線群を複数の検出用配線から構成して、検出用配線の間のスリット状開口部の面積を大きく設定することで、表示光の透過率の低下を抑制しているので、偏光板42を通過した光の殆どはタッチスクリーン1を通過して表示光となる。このため、タッチスクリーン1が液晶表示パネル41の前面に配設されていても、表示輝度を殆ど低下させることがない。
尚、STN液晶等のTN液晶以外の液晶を用いても、本実施の形態と同様に、液晶表示装置を構成することが可能である。
又、本実施の形態では、表示装置として液晶表示装置を記載したが、有機又は無機のEL表示装置やPDP装置等の他方式の表示装置であっても、同様に実施の形態1で記載したタッチパネルを備える表示装置を構成することが可能である。
以上より、本実施の形態の表示装置によれば、タッチスクリーン1を液晶表示パネル41と貼り付けて一体化して表示装置を構成しているので、従来では必要であったタッチスクリーンの保持機構を無くす事が出来、装置全体の厚みを薄くすることが可能となる。
更に、タッチスクリーン1と液晶表示パネル41とが一体化されて表示装置が構成されているので、タッチスクリーン1と液晶表示パネル41との間隙にゴミ等の異物が混入することによって生じ得る表示への悪影響を防止することが出来る。
本発明の実施の形態1におけるタッチパネルが有するタッチスクリーンの構成を示した平面図である。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルが有するタッチスクリーンの構成を示した部分斜視断面図である。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルの全体構成図である。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルのタッチ動作検出・タッチ座標算出系の回路構成を示したブロック図である。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルが有するスイッチ回路20a、20bの構成を示した回路図である。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルが有する発振回路の回路構成、および検出用配線群やバッファ回路との接続関係を示した回路図である。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルの検出・算出動作を示したタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルのタッチ有無判定処理およびピーク配線判別処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルのバックグランド検出処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルのタッチ位置変位に対する検出配線による検出値の変化を示した図である。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルの補間オフセット量キャンセル処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルの補間用検出値のタッチ位置による変化を示した図である。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルの補間によるタッチ座標算出動作を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態1におけるタッチパネルの補間特性を示した図である。 本発明の実施の形態3における液晶表示装置の断面構成を示した図である。 補間係数特性のタッチ寸法と配線幅(配線群の幅)と配線群のピッチpの条件を示した模式図である。 タッチ容量のタッチ位置に対するプロファイル例を示した図である。 補間係数特性から算出されたタッチ位置の誤差を説明するための図である。 本発明の実施の形態2におけるタッチ座標算出方法の補間オフセット量キャンセル処理を示したフローチャートである。 本発明の実施の形態2における補間オフセット量キャンセル処理に関係するオフセット量を模式的に示した図である。 本発明の実施の形態2におけるタッチ位置と検出配線との関係を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態2における隣接オフセット関数の特性例を示した図である。 隣接オフセット補正(キャンセル)の有無による実際のタッチ位置と算出されるタッチ位置との差の一例を示した図である。
符号の説明
1 タッチスクリーン、2 検出用列配線、3 検出用行配線、6 検出用列配線群、7 検出用行配線群、20a,20b スイッチ回路、21 発振回路、23a,23b 計数回路、24 タッチ座標算出回路、27 アナログ・マルチプレクサ回路、40 液晶表示パネル、Ctc,Ctr タッチ容量、Cc クロス部容量。

Claims (15)

  1. 行方向および列方向に形成された複数の検出配線を有するタッチスクリーンと、
    前記検出配線を順次に選択するスイッチ回路と、
    前記スイッチ回路により選択された前記検出配線と、前記タッチスクリーンにタッチされた指示体と、の間に形成される静電容量の値に対応した値を検出する静電容量検出回路と、
    前記静電容量検出回路で検出された検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチの位置を算出するタッチ位置算出回路と、を備え、
    前記タッチ位置算出回路は、
    前記静電容量検出回路で検出された検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチの有無を判定するタッチ有無判定手段と、
    前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが無いと判定する場合に、前記静電容量検出回路で検出された検出値から、前記指示体のタッチが無いときの検出値であるバックグランド値を算出するバックグランド算出手段と、
    前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記静電容量検出回路で検出された検出値が行方向および列方向でそれぞれ最大となる前記検出配線を判別するピーク配線判別手段と、
    前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記検出値が最大となる前記検出配線から所定範囲を除いた前記検出配線の前記検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチ発生時に前記所定範囲を除いた前記検出配線の前記検出値に生じる前記バックグランド値からの上昇量であるオフセット量を行方向および列方向でそれぞれ算出するオフセット算出手段と、
    前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記検出値が最大となる前記検出配線および検出配線から所定範囲にある前記検出配線の前記検出値から、前記バックグランド値と前記オフセット量を減算した値に基づいて、行方向および列方向でそれぞれ補間量を算出する補間量算出手段と、
    前記検出値が最大となる前記検出配線に対応する前記タッチスクリーン上の位置に前記補間量を加算または減算することで前記指示体のタッチの位置を算出するタッチ位置算出手段と、を備えるタッチパネル。
  2. 行方向および列方向に形成された複数の検出配線を有するタッチスクリーンと、
    前記検出配線を順次に選択するスイッチ回路と、
    前記スイッチ回路により選択された前記検出配線と、前記タッチスクリーンにタッチされた指示体と、の間に形成される静電容量の値に対応した値を検出する静電容量検出回路と、
    前記静電容量検出回路で検出された検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチの位置を算出するタッチ位置算出回路と、を備え、
    前記タッチ位置算出回路は、
    前記静電容量検出回路で検出された検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチの有無を判定するタッチ有無判定手段と、
    前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが無いと判定する場合に、前記静電容量検出回路で検出された検出値から、前記指示体のタッチが無いときの検出値であるバックグランド値を算出するバックグランド算出手段と、
    前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記静電容量検出回路で検出された検出値が行方向および列方向でそれぞれ最大となる前記検出配線を判別するピーク配線判別手段と、
    前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記検出値が最大となる前記検出配線から所定範囲を除いた前記検出配線の前記検出値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチ発生時に前記所定範囲を除いた前記検出配線の前記検出値に生じる前記バックグランド値からの上昇量である第1のオフセット量を、行方向および列方向でそれぞれ算出する第1のオフセット算出手段と、
    前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記検出値が最大となる前記検出配線の中心にタッチ位置があるときの該検出配線に隣接する所定範囲の前記検出配線の検出値に含まれる、該検出値から前記バックグランド値と前記第1のオフセット量とを減算した値からのオフセット量である第2のオフセット量を行方向および列方向でそれぞれ算出する第2のオフセット算出手段と、
    前記タッチ有無判定手段が前記指示体のタッチが有ると判定する場合に、前記検出値が最大となる前記検出配線および検出配線から所定範囲にある前記検出配線の前記検出値から、前記バックグランド値と前記第1および第2のオフセット量を減算した値に基づいて、行方向および列方向でそれぞれ補間量を算出する補間量算出手段と、
    前記検出値が最大となる前記検出配線に対応する前記タッチスクリーン上の位置に前記補間量を加算または減算することで前記指示体のタッチの位置を算出するタッチ位置算出手段と、を備えるタッチパネル。
  3. 前記タッチ位置算出回路のオフセット算出手段は、前記検出値が最大となる前記検出配線から所定範囲を除いた前記検出配線の前記検出値の平均値から前記オフセット量を算出する、請求項1に記載のタッチパネル。
  4. 前記タッチ位置算出回路の第1のオフセット算出手段は、前記検出値が最大となる前記検出配線から所定範囲を除いた前記検出配線の前記検出値の平均値から前記第1のオフセット量を算出する、請求項に記載のタッチパネル。
  5. 前記タッチ位置算出回路の第のオフセット算出手段は、前記検出値が最大となる前記検出配線に隣接する所定範囲前記検出配線の前記検出値の合計値から前記第のオフセット量を算出する、請求項に記載のタッチパネル。
  6. 前記タッチ位置算出回路の第2のオフセット算出手段は、前記検出値が最大となる前記検出配線に隣接する所定範囲の前記検出配線の前記検出値から前記第1のオフセット量を減算した値の合計値から前記第2のオフセット量を算出する、請求項に記載のタッチパネル。
  7. 前記補間量算出手段は、前記検出配線のピッチと前記指示体の幅が概ね同一のときの前記補間量を示す特性を用いて補間量を算出することを特徴とする、請求項1または2に記載のタッチパネル。
  8. 前記補間量算出手段は、前記検出値が最大となる前記検出配線および該検出配線に隣接する前記検出配線との比に対する前記補間量を示す特性を用いて補間量を算出することを特徴とする、請求項7に記載のタッチパネル。
  9. 前記タッチ位置算出回路の前記タッチ有無判定手段は、前記バックグランド算出手段で前記バックグランド値が算出された後は、前記静電容量検出回路で検出された検出値から前記バックグランド値を減算した値に基づいて、前記指示体の前記タッチスクリーンへのタッチの有無を判定する、請求項1または2に記載のタッチパネル。
  10. 前記タッチ位置算出回路のタッチ有無判定手段は、前記静電容量検出回路で検出された検出値から前記バックグランド値を減算した値が第1のしきい値以上の場合にタッチが有ると判定し、前記第1のしきい値に満たない場合にタッチが無いと判定する、請求項1または2に記載のタッチパネル。
  11. 前記タッチ位置算出回路のバックグランド算出手段は、前記静電容量検出回路で検出された検出値から前記バックグランド値を減算した値が前記第1のしきい値に満たない場合であり、かつ第2のしきい値に満たない場合に、前記静電容量検出回路で検出された検出値と前記バックグランド値との指数平均を算出した値を新たな前記バックグランド値として更新する、請求項10に記載のタッチパネル。
  12. 前記静電容量検出回路は、
    前記スイッチ回路の出力端に接続された入力端を有しており、各選択検出配線と前記タッチスクリーンにタッチされた指示体との間に形成される静電容量の値に応じてその発振周期が変化する信号を出力する発振回路と、
    前記発振回路の出力信号を所定の計数値になるまで計数する第1の計数回路と、
    前記第1の計数回路が計数動作を開始してから前記所定の計数値になるまでに要する期間を計数し、当該期間から得られる発振周期検出結果を前記静電容量の値に対応した値として前記タッチ位置算出回路に出力する第2の計数回路と、を備える請求項1または2に記載のタッチパネル。
  13. 前記静電容量検出回路は、
    前記スイッチ回路の出力端に接続された入力端および出力端を有しており、前記入力端は選択検出配線と接続され、前記出力端は非選択検出配線と接続されるバッファ回路をさらに備える、請求項12に記載のタッチパネル。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載のタッチパネルと、
    表示パネルと、を備える、表示装置
  15. 前記タッチパネルの前記タッチスクリーンが前記表示パネルの前面側に粘着されている、請求項14に記載の表示装置
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