JP4942096B2 - 非常用ボックス - Google Patents
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また、透明カバーには一般に硬質の合成樹脂板が用いられるため、これを破くにはかなりの力が必要であって、非力な子どもや女性では開扉操作ができないことがある。さらに、透明カバーを破く際には指を痛めたり傷つける虞も懸念され、好ましくない。
さらに、エレベータの停止原因が大規模な地震や風水雪害であると、エレベータ管理会社からの救援者が不足したり交通手段が断たれることも懸念され、救出までに数日を要するといった虞がある。
しかも、エレベータという閉所での閉じ込めは、利用者に精神的にも肉体的にも負担であり、極度な緊張や恐怖感から便意やノドの渇きを覚えることも少なくないが、簡易トイレや飲料を備えるエレベータはなかった。
さらにこのマグネットを、ねじ棒に首振り自在に取着すると、より好ましい。
非常用ボックスには、開扉状態を報知するブザー等の警報器や、非常用ボックスの管理者につながる通信手段を設けてもよい。また、解錠ボタンに蓄光材でマーキングしておくと、夜間や暗闇での開扉操作が容易に行える。
また、非常時には、解錠用のキーを用いずともこの解錠ボタンを押し込み操作するだけで、ロック機構による前面扉の施錠が解除され、本体ケースに収納される非常用品の取り出しが可能となる。したがって、従来品のような透明カバーの破損による部品交換の必要がない。
したがって、一旦前面扉を開いて非常用品が使用されると、これを閉じることができるのは、施錠用のキーを持つ非常用ボックスの管理者のみとなり、管理者は取り出された非常用品を補充してから前面扉を施錠して再使用に供されるので、非常用品の管理が確実に行える。
したがってダミーボタンは、このような目的を満足できれば、その態様は押しボタンのような立体形状であっても平面的な絵模様であってもよい。さらにダミーボタンは、解錠ボタンの動きと連動させてもよいが、敢えて連動させなくともよい。
さらに、非常用ボックスをエレベータにより確実に固定するには、本発明の固定手段を用いるとよい。固定手段のマグネットは、保持枠にねじ螺合するねじ棒の繰り出し量によって、本体ケース側壁の通し孔からエレベータの側壁に隙間なく吸着することにより、本体ケースをガタ付きなく固定する。
ねじ棒先端のマグネットを首振り自在とした固定手段は、非常用ボックスがエレベータに何らかの理由で密着させることができない場合に有効である。すなわち、非常用ボックスとともにねじ棒がエレベータの側壁に傾きをもって位置した場合には、マグネットをねじ棒から傾かせてエレベータの側壁と平行に対峙させ、マグネットを本体ケース側壁の通し孔からエレベータの側壁に隙間なく吸着させることにより、非常用ボックスをエレベータのコーナ部にガタ付きなく固定することができる。
なお、本発明の固定手段は、上記した座板やブラケット等の固定具との併用を妨げない。
さらに、従来のもののように透明カバーを壊して開扉することはないから、部品交換が不要で、短期間での繰り返しの使用が可能である。また、使用者が非力であっても、解錠ボタンを押し込むだけの簡単な操作だけで前面扉を開扉することができ、また解錠操作で指を痛めたり傷つけることがない。
また、前面扉に扉表示部を設けて、前面扉の施錠操作と解錠操作に連動させることにより、前面扉の開状態と閉状態とを容易に知ることができる。
さらに、マグネットを首振り自在とした固定手段は、非常用ボックスがエレベータに何らかの理由で平行に設置できない場合にも、マグネットをエレベータの側壁と平行に対峙させて、マグネットをエレベータの側壁に隙間なく吸着できるので、本体ケースをガタ付きなく固定することが可能である。
図中、図1〜図6は本発明の第1実施例を示し、図1は施錠・解錠装置の施錠状態を示す断面側面図、図2は非常用ボックスの斜視図、図3は図2の要部拡大斜視図、図4は施錠・解錠装置の分解斜視図、図5は施錠・解錠装置の施錠状態を示す背面図、図6は施錠・解錠装置の解錠状態を示す断面側面図、図7は同じく解錠状態を示す背面図である。
L字状ブロック12の表面には、赤色のマーク15が解錠ボタン10の外側をリング状に囲繞して設けられており、この赤色マーク15によって解錠ボタン10が非常時に操作されるボタンであることを示している。
上側のL字状ブロック13には、透明板を嵌め込んだ横長方形の窓部16が設けられ、該窓部16の内側に表示板17を昇降可能に設けて前述の扉表示部6を構成しており、表示板17の前面には、前面扉3の開状態と閉状態を示す「OPEN」と「CLOSE」の2種類の文字が上下位置に記載されている。
前面扉3の内面には、L字状ブロック12の内側位置にシリンダブロック30が固設されており、その一端面にはガイド棒31が前面扉3と平行に突設されている。シリンダブロック30の内部には、シリンダ孔32とガイド溝33とが連設されており、前面扉3の厚み方向に穿設されたシリンダ孔32に、段付きピストン34が前述の戻し手段24を介してスライド可能に内挿されるとともに、シリンダ孔32の開口部側に横方向に凹設したガイド溝33には、スライドプレート35が一端側をシリンダブロック30からガイド棒33と同方向へ突出させてスライド可能に装着されている。
スライドプレート35には、横長の長孔36aとその一端側に連続する大径の係止孔36bとが穿設されており、長孔36aは段付きピストン34の小径部34cの挿通を許容し、また係止孔36bは段付きピストン34の中径部34bの挿通を許容するようになっている。
スライドプレート35の他端側はL字状に折曲されていて、その先端を施錠時の係止片35aとなしており、前面扉3を閉じた際には、この係止片35aが本体ケース2の開口部一側に位置する支柱37の内側にスライドして前面扉3の施錠となる。
L字状ブロック12の収容孔14bには、解錠ボタン10と円形の飾り板40とが収容されており、飾り板40は、収容孔14bへ突出する段付きピストン34の小径部34c先端に止めねじ41を用いて固着されるとともに、飾り板40の表面中央にダミーボタン42が固着されている。
ダミーボタン42は、それ自体には解錠機能はなく、透明な解錠ボタン10を通して恰も実際に操作されるかのように見せたダミーボタンであって、より現実性を高めるために押しボタン程度の厚みを持たせると同時に、非常用であることを示す赤色の着色を施したものとなっている。
動力伝達プレート23は、このようにしてスライドプレート35とロックレバー28との間に配設され、常時はリターンスプリング43の弾発力によってガイド棒31の先端方向へ弾発されており、解錠ボタン10を押し操作した際には、スライドプレート35の動力をロックレバー28へ伝達し、またキー差し込み孔11を用いたキー操作した際には、ロックレバー28の動力をスライドプレート35へ伝達するようにしている。
さらに、スライドプレート35と係合する動力伝達プレート23も、リターンスプリング43を圧縮してシリンダブロック30側に移動していて、その下端は縦位置のロックレバー28と離間しており、また上端に係合する連繋ワイヤ25を図5において時計方向に付勢し、扉表示部6の窓部16に「CLOSE」の文字を表示させている。
そして、段付きピストン34の中径部34bがスライドプレート35の係止孔36bからシリンダ孔32の底部方向へ抜け出て、係止孔36bに段付きピストン34の小径部34cが位置すると、リターンスプリング43が伸長して、小径部34cが長孔36a内へ相対的に入り込み、スライドプレート35と動力伝達プレート23とが一体となって図5の右方向へスライドする。
この状態において、スライドプレート35の係止片35aが本体ケース2の支柱37の内側から側方へ移動して前面扉3を解錠する。さらに、動力伝達プレート23は、上端に係合する連繋ワイヤ25を図5において反時計方向へ回動して、解錠表示シート7を下降させ、図7に示すとおり、扉表示部6の窓部16に「OPEN」の文字を表示させる。
前面扉3を施錠するには、キーを持つ管理者が非常用品を充填し、また非常用ボックス1に異常がないことを確認したのち、施錠する。
すなわち、施錠操作前の解錠・施錠装置5は、図6,図7に示す解錠状態にあり、管理者が前面扉3を閉じたのち、キー差し込み孔11にキーを差し込んで右方向へ回すと、ロックレバー28が回転軸26を中心に図5の実線位置から二点鎖線方向へ回動して、ロックレバー28に当接する動力伝達プレート23が、リターンスプリング43を圧縮しながらスライドプレート35とともに図7の左方向へ移動する。
しかるのち、キー差し込み孔11に差し込んだキーを施錠とは逆の左方向へ回して、キー引き抜き位置へ戻すことにより、ロックレバー28が図5の実線の縦位置となり、図1,図5に示す施錠状態に復帰する。
非常用ボックス50に装備される非常用品としては、例えば、飲料や食品,簡易トイレ,トランシーバや携帯電話、ライト,呼び笛等が適当である。
各固定手段60は、本体ケース52の側壁52cに開設された通し孔62と、該通し孔62を覆って本体ケース52の内部に固定される保持枠63と、該保持枠63のめねじ孔64に螺合して通し孔62方向へ突設されるねじ棒65と、該ねじ棒65の先端に固着され、且つ本体ケース52の通し孔62を通してエレベータの鋼板製の側壁61に吸着するマグネット66とを備えており、マグネット66はマグネットケース67にて一体に覆われている。
保持枠63のめねじ孔64と螺合するねじ棒65は、操作ダイヤル65aの回動操作によってねじ棒65を繰り出しまたは引き戻しし、先端のマグネット66を本体ケース52の外方向または内方向へ進退させる。
固定手段70は、第3実施例の固定手段60と同様に、通し孔62や保持枠63,めねじ孔64,ねじ棒65,マグネット66,マグネットケース67等を備えるが、第3実施例ではマグネット66がねじ棒65の先端に固定されているのに対し、本実施例では、マグネット66がねじ棒65の先端に首振り自在に設けられている点で第3実施例と異なっている。
2…本体ケース
3…前面扉
5…解錠・施錠装置
6…扉表示部
10…解錠ボタン
10a…操作部
11…キー差し込み孔
12,13…開閉用の取っ手と扉ガードとを兼ねたL字状ブロック
14a…解錠用孔
14b…収容孔
15…赤色のマーク
17…表示板
20…カバー
21…ロック機構
22…解錠機構
23…動力伝達プレート
24…戻し手段
25…連繋ワイヤ
26…回転軸
28…ロックレバー
30…シリンダブロック
31…ガイド棒
32…シリンダ孔
33…ガイド溝
34…段付きピストン
34a…大径部
34b…中径部
34c…小径部
35…スライドプレート
35a…係止片
36a…長孔
36b…係止孔
40…飾り板
42…ダミーボタン
50…エレベータ用の非常用ボックス
51…エレベータ内のコーナ部
52…本体ケース
52a…天板
52b…座板
52c…本体ケース52の側壁
53…表示シート
54…マグネットシート
60…固定手段
61…エレベータの側壁
62…通し孔
63…保持枠
64…めねじ孔
65…ねじ棒
66…マグネット
67…マグネットケース
68…通孔
70…固定手段
Claims (5)
- 非常用品を収納するための本体ケースと、
該本体ケースの前面を開閉可能に覆う前面扉と、
該前面扉の施錠をキー操作により行うロック機構と、
該ロック機構による前面扉の施錠を解除する押し込み式の解錠ボタンと、
解錠方向へ押し込まれた前記解錠ボタンを初期位置へ復帰させる戻し手段とを備え、
前記前面扉の内部に非常用の解錠ボタンを模したダミーボタンを配設し、
該ダミーボタンの外側を透明カバーで覆うとともに、
該透明カバーを前記前面扉の厚さ方向へ移動可能に配設して前記解錠ボタンとなした
ことを特徴とする非常用ボックス。 - 前記前面扉に、該前面扉の施錠操作と解錠操作に連動して前面扉の開状態と閉状態とを選択的に表示する扉表示部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の非常用ボックス。 - 前記非常用ボックスを縦長の三角柱体に形成して、エレベータ内部のコーナ部に配設されるエレベータ用となした
ことを特徴とする請求項1または2に記載の非常用ボックス。 - 前記非常用ボックスは、前記本体ケースを前記エレベータに固定するための固定手段を備えており、
該固定手段は、前記本体ケースの側壁に開設された通し孔と、
該通し孔を覆って前記本体ケースの内部に固定される保持枠と、
該保持枠にねじ螺合して前記通し孔方向へ突設されるねじ棒と、
該ねじ棒の先端に取着され、且つ前記通し孔を通して前記エレベータの側壁に吸着するマグネットとを備えている
ことを特徴とする請求項3に記載の非常用ボックス。 - 前記マグネットは、前記ねじ棒に首振り自在に取着されている
ことを特徴とする請求項4に記載の非常用ボックス。
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