JP4941407B2 - 銅張積層板および銅張積層板の製造方法 - Google Patents
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Description
フレキシブルプリント配線板の材料となるフレキシブル基板には、3層フレキシブル基板と2層フレキシブル基板がある。3層フレキシブル基板はポリイミドなどのベースフィルムと銅箔をエポキシ樹脂、アクリル樹脂あるいはポリエステル樹脂等の接着剤を使って貼り合せたものである。一方、2層フレキシブル基板は接着剤を介することなく直接、銅箔の上に耐熱性の絶縁層を設けたものである。エポキシ樹脂、アクリル樹脂あるいはポリエステル樹脂等の接着剤を使わずに、フレキシブル基板を得る方法には下記の3つの方法がある。
(1)キャスト法。銅箔等の金属箔にポリイミド系等の耐熱樹脂溶液を塗布し、乾燥、必要により熱処理を施す。
(2)ラミネート法。ポリイミドフィルム等の耐熱フィルムの少なくとも片側に、熱可塑性の耐熱樹脂層を設けて、該熱可塑性樹脂層と銅箔等の金属箔とを貼り合せる。
(3)めっき法。ポリイミドフィルム等の耐熱フィルムに銅めっき等のめっきを施す。
銅箔等の金属箔にポリイミド系等の耐熱樹脂溶液を塗布し、乾燥、必要により熱処理を施す方法はキャスト法といわれている。キャスト法により得られたフレキシブル配線板は寸法安定性が優れるため、近年のプリント配線板の高密度化、ファインピッチ化に対応した材料である。
キャスト法フレキシブル基板の製造時、耐熱樹脂溶液の溶剤を乾燥するために用いられる乾燥方法には熱風乾燥、熱ロール接触乾燥、赤外線加熱乾燥あるいは遠赤外線加熱乾燥等が用いられている。この際用いられる耐熱性樹脂としてはポリイミド前駆体樹脂、溶剤可溶ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。これらの溶剤としてはN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ―ブチロラクトン、フェノール、クレゾール等が使われるが、これらの溶剤は高沸点のため乾燥性が悪い。特にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤は分子間水素結合により蒸気圧が低いこと、また耐熱性樹脂のガラス転移温度が高いため溶剤の拡散が乏しいこともあり、塗膜中に残留しやすい。残留溶剤は耐熱性の低下や寸法安定性の低下の原因になる。溶剤を残留させないために、乾燥温度や熱処理温度を高くしすぎると、銅箔の変色や特性変化、樹脂の劣化による接着力低下や機械的特性の悪化が起こる。乾燥や熱処理温度が高くなることによる弊害を避けて、溶剤を残留させないために、時間をかけて乾燥や熱処理が行われている。そのため、生産性に問題がある。
また、キャスト法では、ポリイミド系樹脂層の厚みが増すほど、溶剤乾燥に起因する体積収縮により発生する内部応力の影響が顕著になる。たとえ同一の樹脂でも数回に分けて、塗布・乾燥・熱処理が必要となることがある。
キャスト法フレキシブル基板において、銅箔との接着性、回路版での寸法安定性やカールやねじれがないこと、各種耐熱性等の要求を単一のポリイミド系樹脂で満たすことは困難になる。銅箔との接着性、低熱膨張係数、溶剤乾燥性等の特性に優れた樹脂を組み合わせることがなされている。しかし、複数の樹脂を用いると樹脂間での接着性が悪い場合が多く、層間剥離が起こりやすいという問題がある。
特許文献1〜2にはキャスト法により銅箔上に複数のポリイミド系樹脂層を設けることが提案されている。
最近、加熱熱源として過熱水蒸気が脚光を浴びている。過熱水蒸気とは、常圧で飽和水蒸気をさらに加熱して温度を上げた水蒸気のことをいう。過熱水蒸気は温度が150℃以上では放射熱エネルギーが通常の水蒸気と比較して著しく大きくなるため、短時間で物質を加熱することができる。過熱水蒸気は食品の調理、樹脂製品や金属製品の洗浄、食品容器の殺菌、あるいは土壌処理等に用いられている。過熱水蒸気を加熱熱源として用いることは、食品の調理以外ではあまり普及していない。
しかし、過熱水蒸気を一般的な加熱空気と比較すると下記の特徴がある。
(1)加熱空気に比べて熱容量が大きいので、急速加熱が可能。
(2)加熱空気に比べて約2倍の定圧比熱を有するため、加熱能力に優れている。
(3)潜熱のエネルギーを有するので、加熱空気に比べエンタルピーが大きい。
(4)空気による伝熱は対流伝熱に限られるが、過熱水蒸気では対流伝熱、放射伝熱、凝縮伝熱からの複合伝熱作用によるので、熱効率が良い。
過熱水蒸気を加熱熱源として乾燥させることは特許文献3〜8で知られている。特許文献3〜7はセルロース繊維を主成分とする湿紙の水分を過熱水蒸気によって乾燥させる方法が提案されている。特許文献8はポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルムへの塗工フィルムやセロハンの湿潤フィルムへの過熱水蒸気の適用が提案されている。非特許文献1には過熱水蒸気の特性や利用例が示されている。
ポリイミド前躯体樹脂や溶剤可溶ポリイミド樹脂に用いる原料としては、以下に示すような物がある。酸成分としてはピロメリット酸、ベンゾフェノン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸、ビフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸、ジフェニルスルフォン-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸、ナフタレン-2,3,6,7-テトラカルボン酸、ナフタレン-1,2,4,5-テトラカルボン酸、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸,水素添加ピロメリット酸、水素添加ビフェニル-3,3’,4,4’-テトラカルボン酸等の一無水物、二無水物、エステル化物などを単独、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、アミン成分としてはp-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’-ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’-ジアミノビフェニル、3,3-ジアミノビフェニル、3,3’-ジアミノベンズアニリド、4,4’-ジアミノベンズアニリド、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、3,4’-ジアミノベンゾフェノン、2,6-トリレンジアミン、2,4-トリレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、3,3’-ジアミノジフェニルヘキサフルオロプロパン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、3,3’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルヘキサフルオロイソプロピリデン、p-キシレンジアミン、m-キシレンジアミン、1,4-ナフタレンジアミン、1,5-ナフタレンジアミン、2,6-ナフタレンジアミン、2,7-ナフタレンジアミン、o-トリジン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2’-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフロロプロパン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、シクロヘキシル-1,4-ジアミン、イソフォロンジアミン、水素添加4,4’-ジアミノジフェニルメタン、あるいはこれらに対応するジイソシアネート化合物等の単独あるいは2種以上の混合物を用いることができる。また、これら酸成分、アミン成分の組み合わせで別途重合した樹脂を混合して使用することもできる。
ポリアミドイミド樹脂に用いる原料としては、酸成分としてトリメリット酸無水物、ジフェニルエーテル-3,3’,4’-トリカルボン酸無水物、ジフェニルスルフォン-3,3’,4’-トリカルボン酸無水物、ベンゾフェノン-3,3’,4’-トリカルボン酸無水物、ナフタレン-1,2,4-トリカルボン酸無水物、水素添加トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物類が単独あるいは混合物として挙げられる。また、トリカルボン酸無水物の他に、ポリイミド樹脂であげたテトラカルボン酸、それらの無水物やジカルボン酸等を併用して用いることもできる。アミン成分としてはポリイミド樹脂であげたジアミン、あるいはジイソシアネートの単独あるいは混合物が挙げられる。また、これら酸成分、アミン成分の組み合わせで別途重合した樹脂を混合して使用することもできる。
本発明で用いるポリイミド系樹脂溶液の溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、テトラメチルウレア、スルフォラン、ジメチルスルフォキシド、γ-ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンを挙げることができる。これらのなかでN-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミドが好ましい。また、トルエン、キシレン、ジグライム、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等の溶剤を、溶解性を阻害しない範囲で加えてもかまわない。
本発明で用いる金属箔としては銅箔を用いる。用いる銅箔は電解銅箔、圧延銅箔どちらでもかまわない。また、酸化処理や合金処理あるいはシランカップリング剤やチタンカップリング剤で銅箔の表面処理を行っても良い。銅箔の厚みは特に限定はないが1μmのキャリア付き極薄銅箔から1mmのシートを用いることができる。
本発明において銅張積層板の諸特性、たとえば、機械的特性、電気的特性、滑り性、難燃性などを改良する目的で他の樹脂や各種添加剤を配合あるいは反応させてもかまわない。例としては、滑剤としてはシリカ、タルク、シリコーン化合物等が挙げられる。難燃剤としては含リン化合物、トリアジン系化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、めっき活性剤、有機や無機の充填剤も挙げられる。また、イソシアネート化合物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の硬化剤やポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂等の他樹脂を配合してもかまわない。
本発明の銅張積層板の製造方法について説明する。ポリイミド系樹脂を過熱水蒸気により熱処理した後に、処理した樹脂面上に、別のあるいは同じポリイミド系樹脂層を設ける。過熱水蒸気による熱処理によりポリイミド系樹脂の表面層で一部分解が起こり、表面活性が高くなり、組成の異なるポリイミド系樹脂でも接着性が改善できる。
本発明ではポリイミド系樹脂溶液を銅箔に塗布し一次乾燥したのち、さらにより高温での乾燥・熱処理を行うことが望ましい。一次乾燥後のコート層中の残存溶剤率を5〜35%、好ましくは15〜30%の範囲に調整することで溶剤の蒸発に伴う体積収縮の影響を小さくすることができ、剥離強度やカールの改善に効果がある。一次乾燥条件は60〜150℃で1〜10分が望ましい。この一次乾燥時に過熱水蒸気を使ってもかまわない。一次乾燥後、二次加熱処理を行う。ポリイミド系樹脂がポリイミド前躯体樹脂の場合には、残留溶剤の除去とイミド化反応を加熱処理で行う。ポリイミド系樹脂が溶剤可溶ポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂の場合には加熱により溶剤を除去する。二次加熱処理時に、過熱水蒸気による熱処理が望ましい。過熱水蒸気による処理は熱風乾燥や赤外線や遠赤外線乾燥と併用してもかまわない。用いる過熱水蒸気の温度は200〜400℃、好ましくは250〜350℃の範囲にする。熱処理時間は用いる樹脂により異なるが、10秒以上10分以下が望ましい。二次加熱処理時には200℃以上の高温になるため、銅箔の変色や、物性の変化が起こることがある。必要により酸素濃度を下げることが必要となる。銅箔を用いる場合には酸素濃度を5%以下、好ましくは0.5%以下に下げることが望ましい。
熱可塑性ポリイミド系樹脂を表面に設けたポリイミド系フィルムを用いてラミネート法で銅張積層板を製造し、ポリイミド系フィルム面を過熱水蒸気で熱処理をしても良い。
過熱水蒸気により表面処理を施した面に、別のあるいは同じポリイミド系樹脂溶液を塗布すること、あるいは熱可塑性ポリイミド系樹脂を表面に設けたポリイミド系フィルムをラミネートすることにより、二番目のポリイミド系樹脂層を設ける。3番目のポリイミド系樹脂層を設けるには、同様に、二番目のポリイミド系樹脂層を過熱水蒸気により処理した後に、行う。
銅箔と反対面になる最終の樹脂層は樹脂厚みが20μmを超える場合は、真空乾燥機を用いたバッチ処理が樹脂の劣化が少ないことから望ましい。
複数のポリイミド系樹脂の組み合わせは要求される特性に応じて決定される。たとえば、COF(Chip on Film)用銅張積層板では、銅箔と接する樹脂にはインナーリードボンディングに耐えるためにガラス転移温度が350℃以上で銅箔との接着性が良好な樹脂が、銅箔と反対面の樹脂層には、カール低減から低熱膨張率の樹脂が望ましい。
寸法変化率:幅10mm、長さ200mmの銅張積層板を用い、エッチング前後での寸法変化率及びエッチングした物をさらに200℃で30分間熱風オーブン中で処理した後の寸法変化率を求めた。
はんだ耐熱:銅箔積層板の銅箔をサブトラクティブ法によりエッチング加工し、幅1mmの回路パターンを作成した。40℃、65%RHで24時間調湿し、フラックス洗浄した後、20秒間320℃の噴流はんだ浴に浸漬し、剥がれや膨れの有無を目視観察した。異常が見られなかった物を○、剥がれや膨れが見られた物を×とした。
接着力:上記、幅1mmの回路パターンを作成したサンプルを引っ張り速度50mm/分、測定温度20℃、引き剥がし角度90度で測定した。
耐熱耐久性:上記、幅1mmの回路パターンを作成したサンプルを150℃に調温した乾燥器に10日間放置後の接着力を測定した。
反応容器に無水トリメリット酸96g、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物81g、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物74g、1,5-ナフタレンジイソシアネート210g、トリエチルジアミン0.5gおよびN-メチル-2-ピロリドン2.7Kgを加え、150℃まで1時間かけて昇温し、さらに150℃で5時間反応させた。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は1.8でガラス転移温度は365℃であった。
反応容器に無水トリメリット酸154g、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物32g、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29g、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニルジイソシアネート264g、トリエチルジアミン0.5gおよびN-メチル-2-ピロリドン2.7Kgを加え、150℃まで1時間かけて昇温し、さらに150℃で5時間反応させた。得られたポリアミドイミド樹脂の対数粘度は1.6でガラス転移温度は285℃であった。
N,N-ジメチルアセトアミド850g、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル42.4gおよび1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン87.6gを反応容器に投入し、攪拌し溶解させた。ついで、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物29.4g2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物117.6g加え、室温にて5時間攪拌を続けポリイミド前躯体を得た。
合成例1で調整したポリアミドイミド溶液をアプリケーターを用いて銅箔(三井金属鉱山社製電解銅箔35μm)に、乾燥後の厚みが10μmになるように塗布し、100℃で5分間、熱風により一次乾燥した。さらに過熱水蒸気の発生装置として蒸気過熱装置(第一高周波工業株式会社製「DHF Super-Hi 10」)を用い、10Kg/時間の過熱水蒸気を供給する乾燥・熱処理炉で乾燥・熱処理を行った。得られた片面銅張積層体の樹脂面に、乾燥後の厚みが30μmになるように合成例2で得たポリアミドイミド溶液を塗布し、100℃で5分間、熱風により一次乾燥した。さらに260℃、1mmHgの減圧下で10時間真空乾燥した。得られた銅張積層板の評価として、寸法安定性、はんだ耐熱性、接着力、耐熱耐久性を測定した。結果を表―1に示す。
カネカ社製ポリイミド(PI)フィルム「アピカルAH12.5μm」の両面をプラズマ処理した後、合成例2で調整したポリアミドイミド溶液を乾燥後の厚みが5μmになるように両面に塗布し、340℃で10分間熱風乾燥した。離型紙/ポリアミドイミド両面コートPIフィルム/銅箔(三井金属鉱山社製電解銅箔35μm)の構成で5kg/cm2の加圧下380℃で5分間、平板熱プレスした。離型紙を除き、得られた銅張積層板の樹脂面を過熱水蒸気で処理した後、実施例1と同様に乾燥後の厚みが25μmになるように合成例2で得たポリアミドイミド溶液を塗布し、100℃で5分間、熱風により一次乾燥した。さらに実施例1と同様に真空乾燥により銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の評価結果を表―1に示す。
合成例1で調整したポリアミドイミド溶液をアプリケーターを用いて銅箔(三井金属鉱山社製電解銅箔35μm)に、乾燥後の厚みが10μmになるように塗布し、100℃で5分間、熱風により一次乾燥した。さらに過熱水蒸気の発生装置として蒸気過熱装置(第一高周波工業株式会社製「DHF Super-Hi 10」)を用い、10Kg/時間の過熱水蒸気を供給する乾燥・熱処理炉で乾燥・熱処理を行った。得られた銅張積層体の樹脂面に、乾燥後の厚みが30μmになるように合成例3で得たポリイミド前躯体溶液を塗布し、100℃で5分間一次乾燥した。さらに100℃から昇温速度10℃/分で350℃まで25分の熱処理を行った。さらに続けて350℃で20分間、熱風乾燥を行った。得られた銅張積層板の評価結果を表―1に示す。
合成例1で調整したポリアミドイミド溶液をアプリケーターを用いて銅箔(三井金属鉱山社製電解銅箔35μm)に、乾燥後の厚みが10μmになるように塗布し、100℃で5分間一次乾燥した。二次熱処理として熱風乾燥だけを行った。得られた銅張積層体の樹脂面に、乾燥後の厚みが30μmになるように合成例2で得たポリアミドイミド溶液を塗布し、100℃で5分間、熱風により一次乾燥した。さらに260℃、1mmHgの減圧下で10時間真空乾燥した。得られた銅張積層板の評価として、寸法安定性、はんだ耐熱性、接着力、耐熱耐久性を測定した。結果を表―1に示す。
実施例2と同様に、PIフィルムの両面に合成例1で調整したポリアミドイミドの層を設け、片面積層体を得た後、過熱水蒸気処理をせずに樹脂面に、実施例1と同様に乾燥後の厚みが25μmになるように合成例2で得たポリアミドイミド溶液を塗布し、100℃で5分間、熱風により一次乾燥した。さらに実施例1と同様に真空乾燥により銅張積層板を得た。得られた銅張積層板の評価結果を表―1に示す。
合成例1で調整したポリアミドイミド溶液をアプリケーターを用いて銅箔(三井金属鉱山社製電解銅箔35μm)に、乾燥後の厚みが10μmになるように塗布し、100℃で5分間、さらに熱風により二次乾燥を行った。さらに、得られた銅張積層体の樹脂面に、乾燥後の厚みが30μmになるように合成例3で得たポリイミド前躯体溶液を塗布し、100℃で5分間一次乾燥した。さらに100℃から昇温速度10℃/分で350℃まで25分の熱処理を行った。さらに続けて350℃で20分間、熱風乾燥を行った。得られた銅張積層板の評価結果を表―1に示す。
Claims (2)
- 銅箔上に複数のポリイミド系樹脂層が形成されており、複数のポリイミド系樹脂層は過熱水蒸気により処理されたポリイミド系樹脂層上に形成されていることを特徴とする銅張積層板。
- 銅箔上に複数のポリイミド系樹脂層を形成する際、過熱水蒸気により処理されたポリイミド系樹脂層上に別のあるいは同じポリイミド系樹脂層を形成することを特徴とする銅張積層板の製造方法。
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