JP4938722B2 - 収縮性フィルム - Google Patents
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Description
剛性の高いフィルムも開発されており、特許文献1には、共重合ポリエステル系樹脂を用いた硬質熱収縮性フィルムが開示されている。
植物由来樹脂と石油系樹脂を用いたシュリンク包装用フィルムとして、特許文献2には、表裏層にポリ乳酸系樹脂、中間層としてポリオレフィン系樹脂、接着層として、酸変性ポリオレフィン樹脂、SEBS、又はエチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジル共重合体等を用いて、製造した熱収縮性積層フィルムが開示されている。
[1]
内部層(C)と、前記内部層(C)の両面の一方に表面層(A)と、他方に表面層(E)と、前記内部層(C)と前記表面層(A)との間に接着層(B)と、前記内部層(C)と前記表面層(E)との間に接着層(D)と、を有する少なくとも5層からなる収縮性フィルムであって、
前記内部層(C)がポリ乳酸系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂で構成される層であり、
前記表面層(A)がポリ乳酸系樹脂で構成される層であり、
前記表面層(E)がポリオレフィン系樹脂で構成される層である、収縮性フィルム。
[2]
前記ポリオレフィン系樹脂が、0.890〜0.930g/cm3の密度を有するエチレン−α−オレフィン共重合体及び/又は70〜160℃に融解ピーク温度を有するポリプロピレン系共重合体を含有する、前記[1]に記載の収縮性フィルム。
[3]
前記接着層(B)及び前記接着層(D)が、2〜50質量%のスチレン含量を有するスチレン系エラストマー、0.850〜0.890g/cm3の密度を有するポリプロピレン系エラストマー、0.850〜0.880g/cm3の密度を有する超低密度ポリエチレン、及び15〜60質量%の酢酸ビニル含量を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種を50質量%以上含有する柔軟樹脂で構成される層である、前記[1]又は[2]に記載の収縮性フィルム。
そして、内部層(C)はポリ乳酸系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂で構成される層であり、表面層(A)はポリ乳酸系樹脂で構成される層であり、表面層(E)はポリオレフィン系樹脂で構成される層である。
本実施の形態のフィルムは、ポリ乳酸系樹脂からなる表面層(A)(以下、単に(A)と略称する場合がある。)を有する。
本実施の形態において、(A)をポリ乳酸系樹脂で構成することにより、樹脂自体の硬さにより、フィルム同士が密着せず、アンチブロッキング性に優れ、大量の滑剤やアンチブロッキング剤を使用しなくてもよいので、光沢性に優れるフィルムとすることができる。
また、ポリ乳酸系樹脂で構成される(A)を、包装体の外側になるようにすることで、包装体としてのアイキャッチ効果が向上し、商品性が高まり、包装体同士の滑り性にも優れる為、商品の出し入れや陳列時にも作業性がよい。
(A)において、ポリ乳酸系樹脂中ポリ乳酸を50質量%以上含有していることが好ましい。(A)中で、ポリ乳酸が50質量%以上含まれることとなり、剛性に優れるフィルムを得ることができる。
ポリ乳酸中、L−乳酸とD−乳酸のモル比(L−乳酸/D−乳酸)は100/0〜0/100であり、好ましくは100/0〜80/20又は0/100〜20/80であり、より好ましくは99.5/0.5〜85/15又は15/85〜0.5/99.5である。また、ポリ乳酸は、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸との共重合体であってもよい。
重量平均分子量が50,000以上の場合、フィルムの実用的な機械的強度が得られやすく、1,000,000以下の場合は成形加工性が良好である。
本実施の形態において、重要平均分子量は、多成分からなる試料を分析する際に、成分を分離して分析する分離分析法であるゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置により測定することができる。
融解ピーク温度が150℃以上の場合、フィルムへの剛性付与の観点で好ましく、170℃以下の場合、押出性の観点で好ましい。
本実施の形態において、融解ピーク温度は、示差操作熱量計により、測定される。示差操作熱量計とは、試料の温度を等速度で昇温(又は降温)を行い試料の発熱・吸熱量を定量するものであり、得られる吸熱カーブのピーク値より求めることができる。
ガラス転移温度が45℃以上の場合、寸法安定性の観点で好ましく、65℃以下の場合、低温収縮性の観点から好ましい。
本実施の形態において、ガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置により、求めることができる。動的粘弾性測定装置とは、弾性、粘性を併せ持つ高分子の力学的特性を分析する方法のひとつであり、弾性に相当する貯蔵弾性率と粘性に相当する損失弾性率、また貯蔵弾性率と損失弾性率の比であり、振動吸収性を反映する損失正接(tanδ)の温度依存性、周波数依存性が測定できる。本願記載のガラス転移点は1.0Hzの周波数で、5℃/分の速度で昇温したときに測定されるtanδのピーク値から、求めることができる。
本実施の形態のフィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなる表面層(E)(以下、単に(E)と略称する場合がある。)を有する。
本実施の形態において、(E)をポリオレフィン系樹脂で構成することにより、シール性に優れるフィルムとすることができる。
(E)において、ポリオレフィン系樹脂中ポリオレフィン系重合体を50質量%以上含有していることが好ましい。(E)中で、ポリオレフィン系重合体が50質量%以上含まれることにより、フィルム強度に優れるフィルムを得ることができる。ポリオレフィン系重合体を65質量%以上含有することがより好ましく、70質量%以上含有することがさらに好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリオレフィン系重合体を1種で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
本実施の形態において、メルトインデックスは、JIS K7210に規定の方法により測定することができる。
エチレン−α−オレフィン共重合体の密度が0.890g/cm3以上であることにより、低温でもシールすることのできるフィルムとすることができる。より好ましくは0.900g/cm3以上であり、さらに好ましくは0.903g/cm3以上である。エチレン−α−オレフィン共重合体の密度が0.930g/cm3以下であることにより、収縮性及び包装仕上がりに優れるフィルムとすることができる。より好ましくは0.925g/cm3以下であり、さらに好ましくは0.920g/cm3以下である。
エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトインデックス(190℃、2.16kg)は、0.2〜10g/10分であることが好ましい。
本実施の形態において、融解ピーク温度は、示差操作熱量計により得られる吸熱カーブのピーク値により求めることができる。具体的には、10℃/分の速度で0℃から200℃まで昇温し、200℃で一分間保持した後、10℃/分の速度で200℃から0℃まで降温して、一分間保持し、再び10℃/分の速度で0℃から200℃まで昇温した際に得られる融解カーブのピーク値を融解ピーク温度とした。
本実施の形態において、収縮性シュリンクフィルムとする場合には、収縮仕上がり等に優れるフィルムとすることができる。また、表面層(E)の組成は、用いられる包装形態のシール方法により、適宜調整することができる。
本実施の形態において、収縮性シュリンクフィルムとしてシールする場合、(E)の組成としてエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることがより好ましく、また、できるだけ低温・低圧でシールする方が好ましい。低温シールが好ましい理由としてはシール温度が高いとシーラーの熱でシール部が収縮して小皺となり、次工程の収縮トンネル内で収縮させても皺が解消されないためである。低圧シールが好ましい理由としては包装機械の部品の中でも消耗の激しいシーラーの寿命を延ばすためである。
本実施の形態のフィルムは、ポリ乳酸系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂からなる内部層(C)(以下、単に(C)と略称する場合がある。)を有する。
本実施の形態において、(C)をポリ乳酸系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂で構成することにより、低カール性に優れるフィルムとすることができる。
本実施の形態において、(C)がポリプロピレン系樹脂で構成される場合、フィルムの延伸性が増すが、配向がかかりやすいので、フィルムの中心よりやや(A)層寄りへ配置することでカールを効果的に抑制することができる。具体的には、(C)の厚み方向の中心を、ポリ乳酸系樹脂からなる(A)の最表面より、フィルム厚み方向に、(E)へ向かって、15〜50%の位置に配置することで、フィルムのカールを防止することができる。(C)の厚み方向の中心は15〜45%の位置にあることが好ましく、15〜40%の位置にあることがより好ましい。
ブロッキング防止の観点で、融解ピーク温度は、70℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましく、カール防止のためには融解ピーク温度が100℃以上であることがさらに好ましい。一方、低温収縮性の観点からは160℃以下であることが好ましく、150℃以下であることがより好ましく、140℃以下であることがさらに好ましい。(C)にはポリプロピレン系共重合体単独で用いるか、40質量%以下の低結晶性又は非晶性のポリオレフィン系共重合体を用いてもよい。低結晶性又は非晶性のポリオレフィン系共重合体としては、密度0.850〜0.890g/cm3のポリプロピレン系エラストマーが、融解ピーク温度70〜160℃を有するポリプロピレン系共重合体と相溶性が良好であるため、透明性の観点から好ましい。
本実施の形態のフィルムは、表面層(A)と内部層(C)の間に接着層(B)を、表面層(E)と内部層(C)の間に接着層(D)を有する(以下、単にそれぞれを(B)、(D)と略称する場合がある。また、接着層(B)及び接着層(D)を総称して接着層と記載する場合がある。)。
そして、接着層は、2〜50質量%のスチレン含量を有するスチレン系エラストマー、0.850〜0.890g/cm3の密度を有するポリプロピレン系エラストマー、0.850〜0.880g/cm3の密度を有する超低密度ポリエチレン、及び15〜60質量%の酢酸ビニル含量を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種を50質量%以上含有する柔軟樹脂で構成される層であることが好ましい。柔軟樹脂としては、55質量%以上含有することがより好ましく、60質量%以上含有することがさらに好ましい。
柔軟樹脂としては、1種で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
本実施の形態において、接着層を柔軟樹脂で構成することにより、延伸時に接着層自体に延伸配向がかかるのを抑制することができるので延伸後も高い接着強度を維持し、層間接着強度に優れるフィルムとすることができる。
コモノマーとしては、1−オクテン等のα−オレフィンコモノマーが10〜30質量%含まれているものが層間接着性の観点から好ましい。
押出時の負荷の軽減や押出安定性付与の観点からメルトインデックス(190℃,2.16kg)としては0.5〜10g/10分のものが好ましく、
より好ましくは1.0〜7.0g/10分、さらに好ましくは2.0〜6.0g/10分である。
接着層に用いるプロピレン系樹脂としては、内部層に用いられるポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
本実施の形態の収縮性フィルムは、前記内部層(C)と、内部層(C)の両面の一方に前記表面層(A)と、他方に前記表面層(E)と、内部層(C)と表面層(A)との間に前記接着層(B)と、内部層(C)と表面層(E)との間に前記接着層(D)と、を有する少なくとも5層からなる収縮性フィルムである。
本実施の形態において、表面層(A)を有することにより、収縮性フィルムに剛性(腰)を付与することと、表面層(E)を有することにより、収縮性フィルムにシール性を付与することとの両立が可能となる。
また、本実施の形態において、フィルム中に含まれる植物資源に由来する原料の合計の比率は、20質量%以上であることが好ましい。
架橋によって、高収縮性の発現、及び収縮包装後の輸送やハンドリング後の緩みや弛みの発生を抑制するのに一層効果的である他、輸送中の振動によるフィルムの擦れ破れに対して有効である。また、架橋によってフィルムに耐熱性が付与されることにより、収縮温度範囲が広がり高速包装が可能となって生産性も向上する。
フィルムの厚みが5〜50μmの範囲であれば、重量物や突起物を有する被包装物に対しても破れを生じにくく有効である。
本実施の形態のフィルムの120℃における加熱収縮率は40〜90%であることが好ましい。120℃における加熱収縮率が、40〜90%の範囲内であることにより、被包装物にあまり熱をかけずに包装体の角の部分でさえも、大きく収縮して角が残らず、綺麗な包装体が得られる。120℃での加熱収縮率を満たすためには、本実施の形態における樹脂の材料を用いたフィルムの流れ方向、巾方向にそれぞれ4倍以上の延伸を行うとよい。
本実施の形態における収縮性フィルムの製造方法としては、ポリ乳酸系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂と、ポリ乳酸系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂、柔軟樹脂を、上記少なくとも5層からなるように配置した多層構成になるように多層のダイより溶融共押出して急冷し、延伸用原反を採取する。
延伸した後のフィルムにエネルギー線照射による架橋処理を行ってもよい。用いるエネルギー線としては紫外線、電子線、X線、γ線等の電離性放射線が挙げられ、好ましくは電子線であり、10〜300KGyの照射量範囲で使用することが好ましい。照射によって架橋する層は目的に応じて任意に選択することが可能であり、表面層付近を主に架橋したい場合は、延伸用原反の厚みに応じて加速電圧を調整することにより厚み方向での線量分布を調整して照射する方法、アルミ等の遮蔽板使用によって同様に線量分布を調整するマスク照射法、電子線を延伸用原反面に対して斜め方向より照射する方法等がある。
ASTM−D−1003に準拠して、測定を行った。
(2)光沢(グロス)
ASTM−D−2457に準拠して、測定を行った。
株式会社島津製作所製のオートグラフを用いて、巾が10mm、長さが100mmのサイズに切り出した試料を、JIS K 7113に準拠して、引張弾性率の測定を行った。
100mm角のフィルム試料を120℃の温度に設定したエアーオーブン式恒温槽に入れ、自由に収縮する状態で10分間処理した後、それぞれ向き合う辺の中心点間距離を測定してフィルムの収縮量を求め、元の寸法で割った値の百分比でMD及びTDの加熱収縮率を表した。測定は2回行い、その平均値を120℃における収縮率とした。
恒温槽を80℃の温度に設定して同様に測定を行って、80℃における加熱収縮率を求めた。
フィルムをMD、TDの各方向に幅10mmの短冊状にサンプリングし、それをストレインゲージ付のチャックにチャック間50mmに緩めることなくセットした。測定温度は120℃で測定した。
フィルムを120℃に加熱したシリコーンオイル中に浸漬し、10秒後の収縮力をMD、TDのそれぞれについて測定し、得られた収縮力の値を、浸漬前のフィルムの断面積で除した値を加熱収縮応力とした。測定数は各温度で各方向に5回行い、その平均値を120℃における加熱収縮応力とした。
2枚重ねとした各フィルムをテスター産業株式会社製ヒートシーラー(TP−701−B)で、シール巾5mm、長さ300mmのシーラーを用いて、シール圧力が0.13MPa、シール時間が0.5秒になるように設定し、各シール温度におけるシール強度測定用試料を採取した。これをシール線に対して直角になるようにカットし、サンプル巾25mmの試料を得た。これを、株式会社 島津製作所製のオートグラフを用いて、チャック間50mm、引張速度が1000mm/minの条件で180°剥離を行い、最大荷重を求めてシール強度とした。
フィルムを5×5cmのサイズに切り出して、フィルムの両面にフィルム表面を覆う程度にタルクをまぶしてフィルム同士の密着を防止し、5分間ガラス板上に放置し、以下の基準に従い、カール性を評価した。
○:フィルム中央又は端の浮き上がりが5mm未満である。
×:フィルム中央又は端の浮き上がりが5mm以上である。
130℃に設定したエアーオーブン式恒温槽中で、流れ方向、巾方向にそれぞれ10%収縮させたフィルムを、流れ方向に10cm、巾方向に5cmの寸法に2枚切り出し、それぞれの表面層(A)側同士を密着させて、流れ方向に5cmずつ、巾方向は完全に重なるようにし、20℃の室温下で、100gの荷重をかけて1分間放置した。2枚のフィルムを引っ張った際のフィルムの剥離性を評価した。
○:フィルム同士が滑り、抵抗無く、剥離するもの。
×:フィルム同士が滑らず、密着しているもの。
フィルムを所定の幅にスリットして、(株)フジキカイ製、ピローシュリンク包装機FW−3451A−αVを用いて、内部に約150gの粘土をいれたエフピコ製、PSPトレーKS−A12−30(白)を用いて包装速度40パック/分で120〜150℃のシュリンク温度範囲においてそれぞれのフィルムにとって、皺や弛みが少なく最も仕上がりのよい温度条件になるようシュリンクトンネル温度を設定し、目視による透明性が明らかに低下しない範囲で最もタイトに仕上がる条件で30個包装し、以下のように外観評価を行った。
○:トレー、容器に湾曲等の変形及び前後のシール線の端部に角残りが全くなく、商品性に優れる。
△:トレー、容器に若干の変形(幅方向の寸法が10%未満の変形)が見られるか、又は前後のシール線の端部に小さな角残りが認められ、商品性に若干問題有り。
×:トレー、容器に明らかな変形(幅方向の寸法10%以上の変形)が認められるか、前後のシール線の端部に収縮不足による明らかな角残りが認められ、商品性に問題有り。
表面層(A)
PLA1:ポリ乳酸(L−乳酸/D−乳酸=96/4、融解ピーク温度157℃、ガラス転移温度:57℃、重量平均分子量:200,000)
PLA1
PLA2:ポリ乳酸(L−乳酸/D−乳酸=99/1、融解ピーク温度171℃、ガラス転移温度:57℃、重量平均分子量:200,000)
AD1:ポリ乳酸用フィルム柔軟性付与改質材、大日本インキ化学工業(株)製プラメート(登録商標) PD150
AD2:ポリ乳酸用フィルム柔軟性付与改質材、大日本インキ化学工業(株)製プラメート(登録商標) PD350
PP1:三元プロピレン共重合体、メルトインデックス:5.5g/10分、密度:0.890g/cm3、融解ピーク温度:135℃、(バセル社製 Adsyl 5C30F)
PP2:ポリプロピレン系エラストマー、密度:0.888g/cm3、(ダウ・ケミカル社製 バーシファイ(登録商標) DP2000)
LL1:シングルサイト系線状低密度ポリエチレン(α−オレフィンコモノマー=1−ヘキセン)、密度:0.913g/cm3、メルトインデックス:3.8g/10分(住友化学(株)製 スミカセンE(登録商標) FV402)
LL2:直鎖状低密度ポリエチレン(α−オレフィンコモノマー=1−オクテン)、密度:0.916g/cm3、メルトインデックス:1.0g/10分(ダウ・ケミカル社製 ELITE(登録商標) 5400G)
LL3:シングルサイト系線状低密度ポリエチレン(α−オレフィンコモノマー=1−ヘキセン)、密度:0.904g/cm3、メルトインデックス:4.0g/10分(宇部丸善ポリエチレン(株)製 ユメリット(登録商標) 0540F)
PP1
SEBS1:水添スチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン比:12質量%)、メルトインデックス:4.5g/10分、旭化成ケミカルズ(株)製タフテック(登録商標) H1221
VL1:超低密度ポリエチレン(α−オレフィンコモノマー=1−オクテン)、密度:0.870g/cm3、メルトインデックス:5.0g/10分(ダウ・ケミカル社製 AFFINITY(登録商標) EG8200G)
EVA1:エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含量=25質量%、(日本ユニカー(株)製 NUC3195)
PP1
PP3:ポリプロピレン系エラストマー、密度=0.858g/cm3、(ダウ・ケミカル社製 バーシファイ(登録商標) DP3400)
PET1:共重合ポリエステル樹脂(イーストマンケミカル社製 PETG6763)
表面層(A)として、PLA1を用い、これにアルミノシリケート系化合物(シルトンJC30)を0.05質量%混合した樹脂組成物をポリ乳酸系樹脂とした。
表面層(E)として、シングルサイト系線状低密度線状ポリエチレンとしてLL1にアンチブロッキング剤としてアルミノシリケート系化合物(シルトンJC30)を0.1質量%、エルカ酸アミド0.5質量%、及びグリセリンモノオレートとジグリセリンオレートを1:1で混合したものを1.0質量%添加した樹脂組成物をポリオレフィン系樹脂とした。
接着層(B)及び(D)として、水添スチレン系熱可塑性エラストマーであるSEBS−1を用い、内部層(C)として、ポリプロピレン系樹脂であるPLA1を用いて、層配置がPLA1/SEBS1/PLA1/SEBS1/LL1で、各層の厚み比率(%)が10/10/30/40/10となるように環状5層ダイを用いて押出した後、冷水にて急冷固化して折り幅130mm、厚みが約360μmの各層とも均一な厚み精度のチューブ状延伸用原反を採取した。これを2対の差動ニップロール間に通し、延伸開始点の加熱温度を約100℃になるようにしてエアー注入してバブルを形成させ、MDに6.0倍、TDに6.0倍延伸を行い(面積延伸倍率で36倍)、厚み10μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
表1及び表2に示す樹脂構成に代えた以外は、実施例1と同様の方法、条件で行って、厚みが10μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表1及び表2に示す。
表3に示す樹脂構成で、チューブ状延伸用原反を折り幅130mm、厚みが約490μmに調整し、表3に示す延伸倍率で延伸を行った以外は、実施例1と同様の構成、方法、条件で行って、厚みが10μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
表3に示す樹脂構成に代えた以外は、実施例13と同様の方法、条件で行って、厚みが10μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
表4に記載の樹脂構成で、実施例1と同様の操作を行い、厚み10μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表4に示す。
表4に記載の樹脂構成で、環状ダイからの押出し温度を190℃に調整し、インフレーション法によってブローアップ比率6倍で厚み12μmのフィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表4に示す。
実施例1〜14の収縮性フィルムは、シール性に優れるフィルムであった。
一方、表面層にポリエチレンテレフタレートを用いた比較例1の硬質熱収縮性フィルムは、80℃の加熱収縮率が十分でなく、100℃,120℃におけるシール強度が不十分なものであった。また、シール線端部に小さな角残りが認められたように、シール性が十分なものではなかった。
また、両方の表面層として、ポリ乳酸系樹脂を用いた比較例2の熱収縮性積層フィルムは、80℃の加熱収縮率が十分でなく、100℃,120℃におけるシール強度が不十分でありシール性が十分なものではなかった。
さらに、比較例3のフィルムでは、包装時にシール線端部に小さな角残りが認められた。また、100℃,120℃におけるシール強度が不足しており、包装時にシール部分(EMAA1層同士でシールされる部分)に剥離が起こり易い傾向があった。また、得られた包装体を指で押すとその部分が容易に緩むことが確認された。
Claims (3)
- 内部層(C)と、前記内部層(C)の両面の一方に表面層(A)と、他方に表面層(E)と、前記内部層(C)と前記表面層(A)との間に接着層(B)と、前記内部層(C)と前記表面層(E)との間に接着層(D)と、を有する少なくとも5層からなる収縮性フィルムであって、
前記内部層(C)がポリ乳酸系樹脂及び/又はポリプロピレン系樹脂で構成される層であり、
前記表面層(A)がポリ乳酸系樹脂で構成される層であり、
前記表面層(E)がポリオレフィン系樹脂で構成される層である、収縮性フィルム。 - 前記ポリオレフィン系樹脂が、0.890〜0.930g/cm3の密度を有するエチレン−α−オレフィン共重合体及び/又は70〜160℃に融解ピーク温度を有するポリプロピレン系共重合体を含有する、請求項1に記載の収縮性フィルム。
- 前記接着層(B)及び前記接着層(D)が、2〜50質量%のスチレン含量を有するスチレン系エラストマー、0.850〜0.890g/cm3の密度を有するポリプロピレン系エラストマー、0.850〜0.880g/cm3の密度を有する超低密度ポリエチレン、及び15〜60質量%の酢酸ビニル含量を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種を50質量%以上含有する柔軟樹脂で構成される層である、請求項1又は2に記載の収縮性フィルム。
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