JP4938252B2 - ホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体を用いた糖鎖認識用センサー - Google Patents

ホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体を用いた糖鎖認識用センサー Download PDF

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Description

本発明は、医療、医薬、農業、化学、分析等の分野で機能性材料として有用である新規なホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体に関するものである。
モノアミン、ジアミンなどのアミン化合物とホウ酸との反応生成物は古くから研究されている(特許文献1及び2参照)。これらの文献は、アミン化合物とホウ酸とを反応させて得られる水溶液を、そのままラテックスの凝固剤あるいはα-アルキルアクロレインの製造用触媒として用いることを開示している。これに対し、ホウ酸塩を含有した重合性モノマーを合成したり、更にそれを用いてホウ酸塩基含有ポリマーを合成する研究は今まで行われたことはなかった。
一方、フェニルポロン酸基含有ポリマーを人工レクチンとした研究が数多く報告されている(特許文献3及び4参照)。しかし、フェニルポロン酸モノマーが疎水性であるため、親水性共重合ポリマー中でのフェニルポロン酸の比率を上げられず、糖鎖認識部位であるポロン酸基含有率が低い問題を有していた。また、用いるフェニルポロン酸モノマーが高価であることも実用上問題であった。
特公昭54-4377号公報 特開平4-338355号公報 特開平5-262779号公報 特開平4-124144号公報
本発明の目的は、ポリマー骨格にアミノ基含有(メタ)アクリレートホウ酸塩単位を含有する新規な糖鎖認識機能を有するポリマーを提供することにある。
本発明者は、前記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、アミノ基含有(メタ)アクリレートと安価なホウ酸とを反応して得られるホウ酸塩基含有(メタ)アクリレートを用いて単独重合又は他のモノマーとの共重合により、水溶性又は水膨潤性のホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体を合成することができること、更に、得られたホウ酸塩基含有ポリマーが糖鎖認識性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、分子中にホウ酸塩基を含有し、数平均分子量が103〜106であるホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体、特に該重合体のホウ素含有量が分子中0.1〜20質量%である該ホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体に関する。
本発明のホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体は、親水性のため、生体適合性の高い水溶性や水膨潤性のポリマーとすることができ、しかも糖鎖認識性に優れている性質を有する。また、従来のフェニルポロン酸の親水性共重合体の系よりホウ素含有率を高くすることができるメリットがある。
本発明のホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体は、分子中にホウ酸塩基を含有し、数平均分子量が103〜106であり、実質的にホウ酸塩基が重合体を構成するアミノ基含有(メタ)アクリレートのアミノ基と無機ホウ素系化合物との反応によりもたらされる。かかるホウ酸塩基は予めアミノ基含有(メタ)アクリレートと無機ホウ素系化合物とを反応するか、アミノ基含有(メタ)アクリレートを必須成分とする重合体を製造後に無機ホウ素系化合物を更に反応することによって形成することができる。尚、ホウ酸塩基のホウ素含有量を制御し易さから前者の方が好ましい。
本発明のホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体の原料であるアミノ基含有(メタ)アクリレートとしては、一般式(1)
Figure 0004938252
(式中RはH叉はCH3,Aは−(CH2)−,―(CH2)2−,−(CH2)3−,−CH2CH(CH3)−又は−CH2CH(OH)CH2−,R1及びR2はC2m+1のアルキル基であり、mは1〜4の整数を表す。)で示されるものであって、具体的には、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレートなどが挙げられる。
また、かかるアミノ基含有アクリレートの他の具体例としては、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、7-アミノ-3,7-ジメチルオクチルアクリレートなどが挙げられる。
なお、本発明で「(メタ)アクリレート」の表示は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味する。
又、本発明のホウ酸塩基含有アクリレート重合体のもう一つの原料である無機ホウ酸系化合物としては、一般式(2)
B(OR)n(OH)3−n (2)
(式中、nは0〜3までの整数、RはC2m+1のアルキル基であり、mは1〜10の整数を表す。)で表わされるホウ酸およびホウ酸エステルが用いられる。ホウ酸の具体的なものとしては、例えばオルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸、およびそれらの混合物であり、また、ホウ酸エステルの具体的なものとしては、例えばホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル等が挙げられる。これらのホウ酸及びホウ酸エステルは、単独又は2種以上組み合わせて使用できる。上記の中ではホウ酸が最も好ましく用いられる。
本発明のホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体は、ホウ酸塩基のホウ素含有量が分子中0.1〜20質量%、好ましくは0.3〜16質量%である。かかるホウ酸塩基の含有量が0.1質量%未満であると、糖鎖の認識機能が現れない場合があり、又、20質量%を超えると、細胞凝集活性化剤として用いた場合は増殖抑制となりやすく、好ましくない。また、本発明の水溶性ホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体の数平均分子量が103〜106、好ましくは5×103〜5×105である。
本発明のホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート((メタ)アクリレートホウ酸塩)の具体例としては、ジメチルアミノエチルメタクリレートホウ酸塩、ジエチルアミノエチルメタクリレートホウ酸塩、ジメチルアミノエチルアクリレートホウ酸塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドホウ酸塩などが挙げられる。N-アルキル置換アミノ(メタ)アクリレートの場合、結晶性の(メタ)アクリレートホウ酸塩が得られる。これに対して、N-アルキル置換アクリルアミド、例えばジメチルアミノプロピルアクリルアミドの場合、非結晶性のアクリレートホウ酸塩が得られる。これらの結晶性と非結晶の(メタ)アクリレートホウ酸塩のいずれも、ホウ素含有量の測定値が単核ホウ酸塩のホウ素含有量の計算値より高いことから、得られた(メタ)アクリレートホウ酸塩が多核縮合ホウ酸塩又は多核縮合ホウ酸塩を含有するものであると推定された。
上記ホウ酸塩基含有アクリレート重合体の製造法は、例えばアミノ基含有(メタ)アクリレートとホウ酸系化合物との反応によって得られるホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート((メタ)アクリレートホウ酸塩)をモノマーとして単独重合又は共重合する方法や、アミノ基含有(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重合体に無機ホウ酸系化合物を反応させて製造する方法をあげることができる。
かかる(メタ)アクリレートホウ酸塩の合成は、例えば次のようにして行うことができる。例えば、溶媒にホウ酸を溶解させて攪拌しながら、アミノ基含有(メタ)アクリレートを滴下する。場合によっては、添加順序を逆にしてアミノ基含有(メタ)アクリレート溶液を攪拌しながら、それにホウ酸溶液を滴下する場合も可能である。続いて、室温または加熱下、一定時間保持叉は攪拌して、アミノ基含有(メタ)アクリレートとホウ酸の反応を行う。これにより(メタ)アクリレートホウ酸塩が析出し、吸引濾過により沈殿物((メタ)アクリレートホウ酸塩)を回収する。一方、反応生成物が反応溶媒に溶けている場合があり、その場合はエパポレーターにより溶媒を留去して(メタ)アクリレートホウ酸塩を回収する。以上のようにして得られた反応生成物をN,N-ジメチルホルムアミド、アセトンなどを用いて数回繰り返し洗浄した後、真空乾燥することにより白色粉末の(メタ)アクリレートホウ酸塩が得られる。
上記アミノ基含有(メタ)アクリレートホウ酸塩の合成時の溶媒としては、無機ホウ酸系化合物またはアミノ基含有(メタ)アクリレートの少なくとも一種を溶解するようなものであることが必要である。具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、水などが挙げられ、これらは単独又は二種以上の混合で使用できる。その中では、特にN,N-ジメチルホルムアミドを用いることが好ましい。溶媒の使用量は、無機ホウ酸系化合物およびアミノ基含有(メタ)アクリレートの合計100質量部に対して溶媒が300〜1500質量部となるように用いることが好ましい。
又、(メタ)アクリレートホウ酸塩の合成条件として、アミノ基含有(メタ)アクリレートの中のアミノ基と無機ホウ酸系化合物のホウ素とのモル比が重要である。無機ホウ酸系化合物の比率を増やすと、多核縮合ホウ酸塩が形成しやすく、高い収率で(メタ)アクリレートホウ酸塩が得られる。一般的にアミノ基含有(メタ)アクリレートの中のアミノ基1モルに対して、ホウ素が0.1〜10モルが好ましく、より好ましくは0.5〜8モル、特に好ましくは1〜6モルである。0.1モル未満又は10モルを超える場合、(メタ)アクリレートホウ酸塩の収率が低くなり、得られる効果が小さくなる。また、反応温度について、用いるアミノ基含有(メタ)アクリレートの種類によっては異なるが、一般的に15℃〜150℃が好ましく、より好ましくは20℃〜120℃であり、特に好ましくは25℃〜100℃である。反応時間は反応温度にもよるが、通常1〜15時間が好ましく採用される。
本発明で用いられる(メタ)アクリレートホウ酸塩はアミン特有の刺激臭が殆どない固形状粉末であり、水またはメタノールなどの低級アルコールによく溶ける性質を持っており、単独重合又は共重合のモノマーとして好適に用いられる。
本発明のホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体は上記の(メタ)アクリレートホウ酸塩を単独重合したり、他の重合性不飽和基を有するモノマーと共重合して得ることができる。
上記他の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば水溶性モノマーと疎水性モノマーが挙げられる。
水溶性モノマーとしては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸、2-ヒトロキシエチル(メタ)アクリレート、N-ビニルピロリトン、N-ビニルラクトン、無水マレイン酸などが挙げられ、こちらは一種ないし二種以上の混合で使用することができる。また、この中に下限臨界共溶温度(LCST)を示すようなモノマー、例えばN-イソプロピルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミドは特に好ましく用いられる。
疎水性モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルバレート、エチルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、イソブチレン、アクリロニトリルなどの一種ないし二種以上の混合物が挙げられる。
前記ホウ酸塩基含有(メタ)アクリレートの重合又は共重合は、公知のラジカル重合法、例えば溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合などによって行うことができる。重合開始剤としては、アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2'-アゾビスイソブチルアミド二水和物、また、有機過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ-t-ブチルパーオキシド、更にまた、レドックス開始剤、例えばペルオキソ二流酸カリウムなどを用いることができる。重合開始剤の使用量は全モノマーに対して0.01〜10モル%、更に好ましくは0.1〜5モル%である。
上記の重合又は共重合の条件としては、重合系を不活性ガス例えば、窒素、アルゴンで置換ないし雰囲気下にし、重合温度0〜130℃の範囲で、重合時間0.5〜48時間程度で行うことができる。
本発明のホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体は、アミノ基含有(メタ)アクリレートに無機ホウ酸系化合物を反応せずに、単独重合又は他の重合性不飽和基を有するモノマーとを共重合して得られるポリマーに上記無機ホウ酸系化合物を反応することによっても製造することができる。この製造法によれば、数平均分子量が数十万程度の水溶性ホウ酸塩基含有重合体を得ることができる。
具体的には、上記のアミノ基含有(メタ)アクリレートの重合又は共重合は、公知のラジカル重合法、例えば溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合などによって行うことができる。重合開始剤としては、アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2'-アゾビスイソブチルアミド二水和物、また、有機過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ-t-ブチルパーオキシド、更にまた、レドックス開始剤、例えばペルオキソ二流酸カリウムなどを用いることができる。重合開始剤の使用量は全モノマーに対して0.01〜10モル%、更に好ましくは0.1〜5モル%である。
また、重合又は共重合の条件としては、重合系を不活性ガス例えば、窒素、アルゴンで置換ないし雰囲気下にし、重合温度0〜130℃の範囲で、重合時間0.5〜48時間程度で行うことができる。
上述のラジカル重合で得られたアミノ基含有(メタ)アクリレートの水溶性又は水膨潤性のポリマーは、水に溶かし、適量のホウ酸を加えて反応させることによって、本発明のホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体を得ることができる。反応温度としては、好ましくは0℃〜80℃であり、より好ましくは15℃〜50℃であり、特に好ましくは室温である。また、反応時間については、反応温度にもよるが、通常1〜24時間である。
本発明のホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体は、多価水酸基含有ポリマー、例えばポリビニルアルコールの存在下、グルコース認識性を示し、糖応答性を有するものである。この性質を利用して、生体材料や糖センサなどとして用いることが期待される。
本発明は、次の実施例によって更に具体的に説明する。
(合成例1) [ジメチルアミノエチルメタクリレート縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸20g(0.324mol)をDMF 100gに溶かした溶液を攪拌しながら、ジメチルアミノエチルメタクリレート50.9g(0.324mol)を滴下した。白色沈殿が徐々に析出した。室温で15時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をアセトンで二回洗浄し、50℃、2時間真空乾燥したところ、原料に対して23.9%の収率で反応生成物の白色粉末1a 16.9gを得た。また、濾液をエパポレーターでDMFを留去し、得た白色固体をアセトンで二回洗った。50℃、2時間真空乾燥により、原料に対して9.4%の収率でと反応生成物の白色粉末1a 6.7gを得た。その分析結果を表1〜3に示す。
(合成例2) [ジメチルアミノエチルメタクリレート縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸20g(0.324mol)をDMF 100gに溶かした溶液を攪拌しながら、ジメチルアミノエチルメタクリレート25.5g(0.162mol)を滴下した。白色沈殿が徐々に析出した。室温で8時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をアセトンで二回洗浄し、70℃、4時間真空乾燥したところ、原料に対して39.7%の収率で1aと同一の反応生成物の白色粉末16.7gを得た。
(合成例3) [ジエチルアミノエチルメタクリレート縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸20g(0.324mol)をDMF 100gに溶かした溶液を攪拌しながら、ジエチルアミノエチルメタクリレート25.5g(0.162mol)を滴下し、室温で19時間攪拌した。得られた溶液をエパポレーターでDMFを留去した後、70℃、2時間真空乾燥した。続いて、得た白色固体をアセトンで3回洗浄し、70℃、2時間真空乾燥したところ、原料に対して54.7%の収率で反応生成物の白色粉末1b 27.4gを得た。その分析結果を表1〜3に示す。
(合成例4) [ジメチルアミノエチルアクリレート縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸20g(0.324mol)をDMF 100gに溶かした溶液を攪拌しながら、ジメチルアミノエチルアクリレート23.2g(0.162mol)を滴下した。白色沈殿が析出した。室温で15時間攪拌して、吸引濾過により沈殿物を回収した。続いて、得た沈殿物をアセトンで二回洗浄し、50℃、4時間真空乾燥したところ、原料に対して49.1%の収率で反応生成物の白色粉末1c 21.2gを得た。また、濾液をエパポレーターでDMFを留去し、得た白色固体をアセトンで二回洗った。50℃、2時間真空乾燥により、原料に対して5%の収率で反応生成物の白色粉末2c 2.1gを得た。その分析結果を表1〜3に示す。
(合成例5) [ジメチルアミノプロピルアクリルアミド縮合ホウ酸塩の合成]
ホウ酸20g(0.324mol)をDMF 100gに溶かした溶液を攪拌しながら、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド25.3g(0.162mol)を滴下し、室温で15時間攪拌した。少量の白色沈殿を生じた溶液をエパポレーターでDMFを留去した後、アセトンで3回洗浄した。引き続き、70℃、2時間真空乾燥することにより原料に対して58.4%の収率で反応生成物の白色粉末1d 26.5gを得た。その分析結果を表1〜3に示す。
尚、表中及び本文中の略号は次の化合物を示す。
DMAEM: N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート
DEAEM: N,N-ジエチルアミノエチルメタクリレート
DMAEA: N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート
DMAPAA: N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド
DMAA: N,N-ジメチルアクリルアミド
VA-086: 2,2'-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]
AIBN: アゾビスイソブチロニトリル
Figure 0004938252
Figure 0004938252
Figure 0004938252
(実施例1と比較例1)
合成例1で得たDMAEMホウ酸塩2g、ラジカル開始剤VA-086の10%水溶液73mgを脱酸素水20gに加え、溶解させた。次に20分窒素バップリングして、窒素雰囲気下、90℃、7時間で重合を行った。得られたポリマー溶液はエパポレーターで溶媒を留去した後、アセトンで二回洗浄を行い、更に真空乾燥した。得られたポリマーのホウ素含有率はプラズマ発光分析によって測定された。また、得られたポリマーはGPC測定を行い、ポリエチレングリコールの標準サンプルから分子量を求めた。その結果、数平均分子量Mnは89,600であり、分子量分布Mw/Mnは2.62であった。一方、このホウ酸塩基含有ポリマーを用いて調製した5%水溶液を多価水酸基化合物であるポリビニルアルコール(重合度2000) 4%水溶液に添加させた結果、溶液が白濁又は寒天状ゲルになった。更に、この白濁溶液又は寒天状ゲルは10%のグルコース水溶液を添加することにより再び透明溶液状態に戻り、糖鎖認識性を示した。また、実施例1と同様にして得られた比較例1のホウ酸塩基含有しないDMAEM共重合ポリマーは、ポリビニルアルコール及びグルコースと反応させたところ、変化は全くなかった。糖鎖認識性は、ホウ酸塩基に由来することが明かになった。尚、これらの結果を表4にまとめて示す。
(実施例2)
合成例3で得たDEAEMホウ酸塩をDMFに溶かし、更にモノマーに対して0.5mol%の開始剤AIBNを加えて溶解した。次に20分窒素バップリングして、窒素雰囲気下、70℃、7時間で重合を行った。得られたポリマー溶液はエパポレーターで溶媒を留去した後、アセトンで二回洗浄を行い、更に真空乾燥した。糖鎖認識性テストは実施例1と同様にして行い、その結果を表4に示す。また、得られたポリマーはGPCを測ったところ、その分子量が本発明に相当するものであった。
(実施例3及び4と比較例2)
表4に示した配合量で(メタ)アクリレートホウ酸塩及びこれらと共重合するモノマーを脱酸素水20gに溶かし、更にモノマー合計に対して0.5mol%の開始剤VA-086を加えて溶解した。次に20分窒素バップリングして、窒素雰囲気下、90℃、7時間で重合を行った。得られたポリマー溶液はエパポレーターで溶媒を留去した後、アセトンで二回洗浄を行い、更に真空乾燥した。実施例3で得られたポリマーは実施例1と同様にしてGPC測定を行った。その結果、数平均分子量Mnは14,500であり、分子量分布Mw/Mnは5.52であった。糖鎖認識性テストは実施例1と同様にして行い、それらの結果を表4にまとめて示す。
また、表4に示す比率にして実施例3と同様にポリマーを合成し、得られたポリマーは本発明に相当する分子量を有するものであった(実施例4)。一方、比較例2として実施例4と同様なモノマー比率で重合したが、ホウ酸塩基を含有しない共重合ポリマーを合成した。それをポリビニルアルコール及びグルコースと反応させたところ、全く変化せず、糖鎖認識性は認められなかった。
Figure 0004938252
表中、実施例3のDMAEAホウ酸塩は合成例4のものであり、実施例4のDMAPAAホウ酸塩は合成例5のものである。
(実施例5)
DMAEA 0.5g及びこれと共重合するモノマーDMAA 1.5gを脱酸素水19gに溶かし、20分窒素バップリングした後、10分氷浴させた。次にモノマー合計に対して0.5mol%の開始剤KPS水溶液1gを加え、窒素雰囲気下、20℃、24時間で静置重合を行った。得られたポリマー溶液はエパポレーターで溶媒を留去した後、更に真空乾燥した。ポリマー収率が96%であった。また、得られたこのポリマーは実施例1と同様にしてGPC測定を行った。その結果、数平均分子量Mnは306,000であり、分子量分布Mw/Mnは5.61であった。次に、このポリマーの乾燥粉末1gを50gの水に溶かし、攪拌しながら、ホウ酸0.2gを加えた。室温で20時間反応を行った後、乾燥により回収したポリマーのホウ素含有率が3.3%であった。また、このポリマーの粉末X線回折により原料ホウ酸が含まれていないことを確認した。続いて、このようにして得られたホウ酸塩基含有水溶性ポリマーの水溶液に多価水酸基化合物であるポリビニルアルコール水溶液を添加させた結果、溶液が増粘し白濁となった。更に、この白濁溶液は10%のグルコース水溶液を添加することにより再び透明溶液状態に戻り、糖鎖認識性を示した。
本発明のホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体は、グルコース認識性を示し、糖応答性をはじめ、生体における種々の機能性を有するため、人工臓器や生体機能性材料として有用なものである。

Claims (4)

  1. アミノ基含有(メタ)アクリレートと下記一般式(2)
    B(OR) (OH) 3−n (2)
    (式中、nは0〜3までの整数、RはC 2m+1 のアルキル基であり、mは1〜10の整数を表す。)
    で表される化合物とを反応して得られ、且つアミノ基一個当たりのホウ素が1〜8個であり、数平均分子量が103〜106である、(メタ)アクリレートホウ酸塩の単独重合体、又は(メタ)アクリレートホウ酸塩と他の重合性不飽和基を有するモノマーとの共重合体であるホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体を用いた糖鎖認識用センサー。
  2. 前記ホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体のホウ素含有量が、分子中0.1〜20質量%である請求項1に記載の糖鎖認識用センサー。
  3. 前記アミノ基含有(メタ)アクリレートが、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、7-アミノ-3,7-ジメチルオクチルアクリレートから選ばれる少なくとも一つである請求項1又は2に記載の糖鎖認識用センサー。
  4. 前記無機ホウ酸系化合物が、ホウ酸又はホウ酸エステルである請求項1〜3のいずれかに記載の糖鎖認識用センサー。
JP2005155311A 2005-05-27 2005-05-27 ホウ酸塩基含有(メタ)アクリレート重合体を用いた糖鎖認識用センサー Expired - Fee Related JP4938252B2 (ja)

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