JP4936141B2 - 情報入力装置 - Google Patents

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Description

本発明は、情報入力装置に係り、詳細には息を使用して情報を入力する装置に関する。
パーソナルコンピュータや、車両に搭載されるナビゲーション装置などの各種情報処理装置が広く普及している。そして、これら情報処理装置に対して各種情報を入力するための情報入力装置が必要となる。その代表的な入力装置としては、マウスやジョイスティック、キーボード、カーソル、タッチパネル等が存在するが、これらはいずれも手による操作が必要である。
しかし、手の不自由なユーザや、車両においてハンドル操作中で手を離すことが出来ないユーザ等では、手操作が必要な従来の入力装置では不十分である。
一方、操作中であるキーボード等から手を離さずに入力可能な情報入力装置があれば、入力の操作性を向上させることが可能となる。
そこで、使用するユーザや、その使用場面に併せてた種々の装置が提案されている。
例えば、特許文献1では、操作者がくわえたマウスピースで息の強さや噛む力を検出して二値入力信号を得る技術が開示されている。
また特許文献2では、ステアリングホイル間に配設したイメージセンサによって人の手の動きを抽出し、抽出した動作指示に基づいて車載機器を操作可能とするデバイスが開示されている。
さらに特許文献3では、マイクに入力された音声から、息の吹込み又は吸込みと判断した場合に、音声パワーを速度等の物理量に変換し、画面上の画像の表示色、移動速度、移動距離などの表示パラメータに変換し、画面上の画像を操作する技術について開示されている。
特開平06−139011 特許第3979002 特開平11−143484
しかし、特許文献1の入力装置は、コンピュータや車両に配設された情報装置の入力デバイスとして使用する場合、キーボードやハンドルから手を離さずに位置情報を情報装置に入力することができるが、入力デバイスとしてマウスピースを常時口にくわえる必要があり、車両等の移動体に適用する場合には操作性の点で問題がある。また、口にくわえる接触型の入力デバイスなので不特定多数の人間が使用する情報装置の入力デバイスとして不向きである。
また特許文献2の入力装置は、不特定多数の入力デバイスとしての使用は可能であるが、キーボードやハンドルから手を離すことになるので、特に車両用の入力デバイスとしては操作性に問題がある。また、手の不自由なユーザには使用することができないという問題がある。
特許文献3の入力装置では、キーボードやハンドルから手を離さずに入力可能であるが、マイクに入力する音声を使用するため、音声を用いているので、雑音が多い場所においては誤差が検出されやすくなり、コンピュータや情報装置を操作することが困難となる。
また、キーボードやハンドル等の操作をしながらの入力が可能な装置として音声認識装置が普及しているが、使用環境がユーザの音声以外の音楽、会話、雑音等が認識率に影響してしまうため、使用環境に制限がある。
そこで本発明は、手による操作を不要とし、不特定多数のユーザが使用可能で雑音による影響を受けにくい非接触型の入力デバイスを提供することを目的とする。
(1)請求項1記載の発明では、風を検出する複数のセンサと、前記各センサの検出値から、センサの配置面に対する正面奧方向、左斜奧方向、右斜奧方向、左方向、右方向の何れかである息の向きと息の大きさからなる方向ベクトルを、各センサ毎に演算する方向ベクトル演算手段と、前記演算した各センサの方向ベクトルから、息による入力の向きを判定する息向判定手段と、前記判定した息による入力の向きを入力方向として出力する出力手段と、を具備し、前記息向判定手段は、各センサ毎に演算した方向ベクトルのうち、前記息の向きが正面奧方向の方向ベクトル同士、左斜奧方向の方向ベクトル同士、右斜奧方向の方向ベクトル同士を合成し、合成した各同一方向の方向ベクトルの大きさが所定値を超えている場合には、息による入力の向きとして、奥行き方向を含む方向を判定する、ことを特徴とする情報入力装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記息向判定手段は、前記合成した、正面奧方向の方向ベクトル、左斜奧方向の方向ベクトル、右斜奧方向の方向ベクトルの大きさが全て所定値以下である場合、前記配置された各センサの行又は列毎に方向ベクトルを合成し、合成した行又は列の方向ベクトル、合成した行又は列の方向ベクトルの平均値、又は、合成した行又は列の方向ベクトルを各行又は列に存在するセンサ数に応じた係数を乗じることで補正した値が最大となる行又は列を特定し、当該特定した行又は列に含まれる各センサのうち大きさが最も大きい方向ベクトルに対応するセンサを特定し、前記複数配置されたセンサの中央から前記特定したセンサの方向を、息による入力の向きと判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報入力装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記各センサは、複数のサーミスタと熱源を備え、前記各サーミスタの電圧値をセンサ値として出力し、また、前記各センサが配置される配置面に対し、前記各サーミスタの配置面が交差する方向に配置されており、前記方向ベクトル演算手段は、前記各サーミスタの出力電圧値の変化から、各センサ毎の息の向きと大きさを検出する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報入力装置を提供する
本発明によれば、風を検出する複数のセンサの検出値に基づいて、息向を入力方向として判定するので、手による操作を不要とし、不特定多数のユーザが使用可能で雑音による影響を受けにくい非接触型の入力デバイスを提供することができる。
以下、本発明の情報入力装置における好適な実施の形態について、図1から図22を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態の情報入力装置では、息を検出するセンサを複数配置し、各センサの検出値から装置に対する入力方向を特定し、ユーザの入力方向として出力する。
特定する入力方向としては、センサの配置面に対する奥行き方向として、奧方向(正面方向)、左奧(左斜め)方向、右奧(右斜め)方向の3方向、及び、センサ配置面に対する上下、左右、斜め方向の8方向(平面8方向)、を特定する。
各センサの検出値としては、息の向きと強さを検出して、各センサ毎の息ベクトルを作成し、同一方向の方向ベクトルを合計した大きさから、奥行き方向の有無と、奥行き方向がある場合に奥行き方向を特定し、奥行き方向が無い場合に個別センサの検出値から平面8方向を特定する。
センサは、発熱体と、それを中心とする同心円状に配置されたサーミスタから構成され、各サーミスタの電圧値をセンサ値として出力する。
センサに息が吹きかけられると、空気の流れの強弱により温度が低下し、各サーミスタの出力電圧が変化する。各サーミスタ出力電圧の変化値から息の速度や強さ、向きを検出(決定)する。
また、最も強い息を検出したセンサ特定し、前回特定したセンサから今回特定したセンサの方向を息の向きとして特定するようにしてもよい。前回と今回で特定したセンサが同じである場合には、特定したセンサの奧方向が特定される。
また、エアコンがオンの状態や、窓やドアが開いている状態では、外乱としてセンサの検出値に影響があるため、これらの外乱状態を検出してセンサ検出値の補正を行うようにしてもよい。
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態の情報入力装置10の構成を表したものである。
情報入力装置10は、情報処理部11とセンサ部12とを備えている。情報入力装置10は、パーソナルコンピュータ(PC)20やナビゲーション装置等の各種情報処理装置に接続され、当該情報処理装置に対する入力手段として機能する。
情報処理部11は、ユーザの息を判定する各種演算処理を実行するCPU(中央処理装置)13、センサ部12からの入力信号をアナログからデジタルに変換するA/D14、各種プログラムやデータが格納されたROM15、ワーキングメモリとして演算処理中のデータが一時保存されるRAM16、各種情報処理装置と接続されるインターフェイス(I/F)17を備えている。
ROM15には、CPU13においてユーザの息を判定する為の各種プログラムとして、メイン処理(図4)、初期化処理(図5〜図7)、息入力判定処理(図8)、息速演算ルーチン(図9)、息向き判定ルーチン(図11)、センサ毎の入力方向演算ルーチン(図12)、息向き演算ルーチン(図14)、等の各種処理を行うためのプログラムやデータ等が格納されている。
また、ROM15には、各センサK1〜KNから出力される電圧の変化量(電圧変化値)に対応する息速度が規定された、電圧変化値−息速変換マップ(図10)が保存されている。
ワーキングメモリとして機能するRAM16には、N個の(センサ数と一致)センサフェールフラグ、N個の仮センサフェールフラグ、咳くしゃみフラグ、息入フラグ、センサ変化値バッファ、センサ方向バッファ、センサ大小バッファ、息方向バッファ、センサ風速フェールカウンタ、センサ風向きフェールカウンタ等の各種領域が確保され、該当するフラグ、データ、カウンタ値などが保存される。
図2は、本実施形態で使用するセンサの構造と特性について表したものである。
図2(a)は、センサKを正面からみた状態を、(b)は側面((a)を下から見た状態)を表している。なお、個別のセンサ指す場合には1〜Nを添えてセンサ1〜Nと表すが、任意のセンサを指す場合にはセンサKで表すこととする。この表記については、サーミスタTH、サーミスタTH1〜mも同様である。
センサKは、熱源Rと、熱源Rを中心とする同一円上に(熱源Rから等距離の位置に)、m個のサーミスタTH1〜THmが配列されている。本実施形態では、m=4である。
熱源Rは抵抗で構成され、通電により発熱するようになっている。
熱源Rからの熱を、熱源Rから等距離に配設された各サーミスタTH1〜4で検出し、対応する電圧値(物理量)が情報処理部11に供給される。この結果1つのセンサKからは、4つの電圧値が情報処理部11に供給されることになる。
熱源Rの温度は印加電圧で変化し、この印加電圧は、デフォルト値として周囲の温度より高い所定温度T(例えば、45度)が設定されているが、任意の温度に変更可能である。また電源オンの際、又は常時周囲温度を測定し、周囲温度よりも温度t(例えば、t=10度)だけ高くなるように印加されるようにしてもよい。この場合の温度tも任意の値に変更可能である。
図2(c)は、サーミスタTHの温度−抵抗特性を表したものである。
この図2(c)に示すように、サーミスタTHは、温度の上昇に対して抵抗が減少するサーミスタである。すなわち、NTC(negative temperature coefficient)サーミスタが使用される。
なお、NTCサーミスタとは逆に抵抗が増大するPTC(positive temperature coefficient)を使用するようにしてもよい。この場合、情報処理部11に供給される電圧の大小は逆になるための修正が必要になる。
このように構成されたセンサKによる息の検出は次の通りである。
センサKに息が吹きかけられていない状態の場合、熱源Rからの熱は等しく各サーミスタTHに伝達されるため、各サーミスタTHの検出温度は変化しない。
一方、センサKに息が吹きかけられると、熱源Rと各サーミスタTH間の空気が流れる。これにより熱源Rからの熱は伝わりにくくなり(各サーミスタTHは空気の流れによって冷却され)、各サーミスタTHで検出する温度は空気(息)の流れに応じてそれぞれ低下することになる。そして、各サーミスタTHからの出力電圧は、図2(c)に示すように温度の低下により抵抗が下がり、結果として上がることになる。
すなわち、吹きかけられた息の強さや向きに応じて、各サーミスタTHの出力電圧が低下し、その電圧や電圧の変化量に基づいて息の向きや強さが決定される。
なお、本実施形態のセンサKは複数のサーミスタTHと熱源から構成し温度変化値に対応する電圧変化値から各センサKの息速度と息向きを検出するが、他の構成により息により生じる風向きと強さを検出するセンサを使用するようにしてもよい。センサKに換えて風圧センサを配置し、後述する第3実施形態と同様にして、各最大の風圧を検出する風圧センサの変化から風向き(息入力方向)と、風速を検出するようにしてもよい。
図3は、各センサKの配置について表したものである。
図3(a)に示した実施例では、情報入力装置10に接続されたPC20の表示装置21の周囲に8つのセンサK1〜8が配置されている。
このように、表示装置21の周辺にセンサKを配置することによって、入力に関連して表示されている画像を確認しながら奥行きや方向を息で入力することができるため、ユーザにとって画像と方向を一致させて認識しやすくなる。
なお、情報処理部11の本体周辺に配置するようにしてもよい。
各センサKは、各センサKが配置される配置面に対し、各サーミスタTHの配置面が交差する方向に配置されている。具体的には、表示装置21に対して各センサKが配置される向きは、図3(b)に示されるように、表示装置21の表示画面と、センサKの正面(図2(a)で表示されている面)とが直角となり、各センサKの熱源Rが上向きになるように配置される。但し、各センサKの熱源Rの向きは、全て画面中央を向くように配置してもよく、逆に全て画面外側を向くように配置してもよい。
このセンサKの熱源Rの向きについては、センサKが配置される領域の形状やサイズによって決定することができる。例えば、配置領域が狭い場合には熱源Rが外向きに、広い場合には中央向きとなるように配置してもよい。
次に以上のように構成された情報入力装置10による息入力処理について説明する。
図4は、息の入力処理を行う情報入力装置のメイン処理について表したものである。
本実施形態による息入力処理では、装置の初期化を行う初期処理(ステップ10)、ユーザの息による入力を判定し息向きを決定し、決定した息向きをユーザの入力値としてI/F17で接続されてい情報処理装置に出力する息入力判定処理(ステップ40)、終了の判定処理(ステップ90)が行われる。
図5から図7は、初期化処理(ステップ10)の内容を表したフローチャートである。
この初期化処理では、電源ON等による起動時において実行され、全センサKに対する初期化と、正常に動作するセンサか否の判定が行われる。
初期化処理において、情報処理部11は、センサ風速フェールカウンタN個の初期化(ステップ11)、センサ風向フェールカウンタN個の初期化(ステップ12)、センサフェールフラグN個の初期化(ステップ13)、センサ数カウンタの初期化(ステップ14)、仮センサフェールフラグの初期化(ステップ15)を行う。
以上初期化におけるN個は、センサKの数に対応したカウンタの数である。本実施形態ではセンサK1〜8のN=8個のカウンタについて初期化する。
初期化において情報処理部11は、各カウンタ領域、フラグ領域をRAM16に確保するとともに確保した領域のリセット(クリアー)処理を行う。
カウンタ、フラグの初期化の後、情報処理部11は、1つのセンサK(例えば、センサK1)を選択し(ステップ16)、以後の検査処理(ステップ17〜ステップ37)を各センサに対して行うことで、各センサが正常か否かを検査及び判定する。
正常化否かの検査は、息による入力が行われる前の定常状態(空気の流れが無い状態)で各サーミスタTHに測定が正常に行われるかを判断する検査である。
各センサKは、全く問題なく正常に動作する場合と、問題があるがサーミスタTHの電圧オフセットにより正常に動作する場合、オフセットしても正常に動作しない場合があるで、以下各場合の処理に分けて正常か否かの検査、判定について説明する。
(a)正常動作する場合
情報処理部11は、選択したセンサKに対応して、タイマを初期化(リセット)し(ステップ17)、タイマが所定時間となるまで(ステップ19)の間、センサKの各サーミスタTHに対応して供給される4つの出力電圧を取得し、それぞれ前回の4出力電圧との差をセンサ変化値としてセンサ変化値バッファに保存する。
所定時間が経過すると(ステップ19;Y)、情報処理部11は、保存した4つのセンサ変化値(電圧変化値)から、タイマの所定時間における平均風速と、平均風向きを演算する(ステップ20)。
ここで、情報処理部11は、センサKで検出した風速として、各サーミスタTHの電圧変化値が最も大きい値を風速と判断(演算)する。なお、後述する息速変換マップ(図10)に従い、変換した息速を使用してもよい。
一方、風向きは各サーミスタTHの電圧変化値のうち、最も変化値が大きいサーミスタTH方向から最も小さいサーミスタTH方向の風向きとして、最大の電圧変化値から最小の電圧変化値を減算した値を平均風向きとして演算する。
なお、各サーミスタTHの電圧変化値ではなく、各サーミスタTHの出力電圧値を比較し、出力電圧値が最小のサーミスタTHから最大のサーミスタTH方向を風向きとして、両出力電圧値の差を平均風向きとして演算するようにしてもい。
情報処理部11は、演算した平均風速が所定の閾値th2を越えているか判断する(ステップ21)。いま、正常なセンサKの場合についての説明なので、このステップでは、平均風速が所定値th2以下となり(ステップ21;N)、情報処理部11はステップ22〜24を飛ばす。
次に情報処理部11は、演算した平均風向が所定の閾値th3を越えているか否かを判断する(ステップ25)。この場合も正常なセンサKの場合なので、平均風向が所定値th3以下となり(ステップ25;N)、情報処理部11はステップ26からステップ28を飛ばす。
次いで情報処理部11は、センサ風速フェールカウンタとセンサ風向フェールカウンタのカウンタ値合計が所定値th4(例えば、th4=3)未満であるか否かを判断する(ステップ29)。
両フェールカウンタは、平均風速、平均風向の値が異常値である場合(ステップ21;Y、ステップ25;Y)にカウントされるので、最初から正常なセンサKの場合では、両フェールカウンタがゼロで(ステップ29;Y)であるため、情報処理部11は、仮センサフェールフラグがオンか否かを判断する(ステップ30)。
この仮センサフェールフラグも、平均風速、平均風向の値が異常である場合にオンになるフラグなので、情報処理部11は、正常である場合の例なので(ステップ30;N)、ステップ34に移行する。
そして情報処理部11は、センサ番号(現在検査しているセンサKの番号)と、センサカウンタをインクリメントし(ステップ34)、全センサについての初期化済みか否かをセンサ数カウンタの値から判断する(ステップ35)。
すなわち情報処理部11は、センサカウンタ数が検査済み(初期化済み)のセンサ数を表しているので、カウンタ数がN(本実施形態ではN=8)であれば(ステップ35;Y)、情報処理部11は、全センサ初期化済みと判断して処理を終了してメイン処理にリターンする。
一方、全センサ初期化済みでない場合、すなわち、センサ数カウンタがN未満であれば(ステップ35;N)、情報処理部11は、次のセンサを選択し(ステップ36)、更に、仮センサフェールフラグをオフにした後(ステップ37)、ステップ17に戻って新たに選択した次のセンサについての検査を行う。
(b)問題があるがサーミスタTHの電圧オフセットにより正常に動作する場合
この場合のセンサKについて、情報処理部11は、(a)で上述した正常なセンサKの場合と同様に、所定時間での平均風速と平均風向を演算する(ステップ17〜ステップ20)。
情報処理部11は、ステップ20で演算した平均風速が所定値th2より大きいか否かを判断する(ステップ21)。平均風速が所定値th2よりも大きい場合(ステップ21;Y)、情報処理部11は、空気の流れがない通常状態において電圧が変化した状態を検出していると判断し、最も低い電圧を検出したサーミスタTHのサーミスタ電圧をオフセットする(ステップ22)。
そして情報処理部11は、ステップ11で初期化した当該センサKに対応するセンサ風速フェールカウンタをインクリメントし(ステップ23)、仮センサフェールフラグをオンにする(ステップ24)。
次いで情報処理部11は、ステップ20で演算した平均風向が所定値th3より大きいか否かを判断する(ステップ25)。平均風向が所定値th3よりも大きければ(ステップ25;Y)、情報処理部11は、空気の流れがない通常状態での異常検出と判断し、最も大きい電圧変化値を検出したサーミスタTHのサーミスタ電圧をオフセットする(ステップ26)。
そして情報処理部11は、ステップ12で初期化した当該センサKに対応するセンサ風向フェールカウンタをインクリメントし(ステップ27)、仮センサフェールフラグをオンにする(ステップ28)。
なお、以上の説明では平均風速、平均風向のいずれも異常の場合について説明したが、いずれか一方が正常で他方が異常の場合も存在する。この場合には、センサ風速フェールカウンタ、センサ風向フェールカウンタのうち異常と判断した側のカウンタがインクリメントされる。
ただし、いずれか一方が異常の場合であっても、異常でありいずれかのサーミスタTHがオフセットされているので、ステップ24又はステップ28により、仮センサフェールフラグはオンになる。
次に情報処理部11は、センサ風速フェールカウンタとセンサ風向フェールカウンタのカウンタ値の合計が所定値th4未満であるか否かを判断する(ステップ29)。
本実施形態では所定値th4=3に設定されているので、ステップ23とステップ27の両者でインクリメントしている場合であってもまだカウンタ値合計が2であり、所定値th4未満なので(ステップ29;Y)、情報処理部11は、仮センサフェールフラグがオンか否かを判断する(ステップ30)。
この場合、ステップ24又はステップ25で仮センサフェールフラグがオンになっているので(ステップ30;Y)、情報処理部11は、ステップ37に移行して仮センサフェールフラグをオフに戻す。
次いで、情報処理部11は、ステップ22又は/及びステップ26でサーミスタ電圧オフセット後のセンサKに対し、2サイクル目の検査処理(ステップ17〜)を行う。
この2サイクル目において、情報処理部11は、再度所定時間での平均風速、平均風向を演算し(ステップ17〜ステップ20)、再度所定値th2、th3と比較する(ステップ21、ステップ25)。
現在のセンサKはオフセットにより正常になった場合の例なので、いずれも所定値以下(ステップ21;N、ステップ25;N)となり、情報処理部11は、ステップ22〜24、ステップ26〜28を飛び、センサ風速フェールカウンタとセンサ風向フェールカウンタのカウンタ値の合計が所定値th4未満であるか否かを判断する(ステップ29)。
オフセット後は正常になっているので、カウンタ合計値は前回と同じ(1又は2)であり、所定値th4未満なので、情報処理部11は仮センサフラグがオンか否かを判断する(ステップ30)。
この場合、ステップ37で設定したオフになっているので(ステップ30;N)、情報処理部11は、当該センサKがオフセットにより正常になったものと判断して、当該センサKに対する初期化を終了する。
そして情報処理部11は、次のセンサKのために、センサ数カウンタをインクリメントして(ステップ34)、全センサ初期化済みか否かを判断する(ステップ35)。
全センサ初期化済みでない場合(ステップ35;N)、情報処理部11は、次のセンサを選択し(ステップ36)、更に、仮センサフェールフラグをオフにした後(ステップ37)、ステップ17に戻って新たに選択した次のセンサについての検査を行う。
(c)オフセットしても正常に動作しない場合
この場合のセンサKについて、情報処理部11は、(b)で上述した「問題があるがサーミスタTHの電圧オフセットにより正常に動作する場合」の前半のサイクルと同様に、所定時間での平均風速と平均風向を演算し(ステップ17〜ステップ20)、サーミスタTH電圧のオフセットと仮センサフェールフラグ(ステップ21〜ステップ28)、更に、ステップ29、ステップ30の判断を経て仮センサフェールフラグをオフする(ステップ37)。
次いで、情報処理部11は、オフセット後のセンサKに対して、再度所定時間での平均風速、平均風向を演算し(ステップ17〜ステップ20)、再度所定値th2、th3と比較する(ステップ21、ステップ25)。
現在のセンサKはオフセットによっても正常に動作しない場合の例なので、いずれか一方又は双方の所定値th2、th3よりも大きくなる(ステップ21;Y、ステップ25;Y、ここでは双方とも大きい場合について説明する)。
情報処理部11は、サーミスタTH電圧のオフセット(ステップ22、ステップ26)とセンサ風速フェールカウンタ、センサ風向フェールカウンタをインクリメントし(ステップ23、ステップ27)、仮エールフラグをオンにする(ステップ24、ステップ28)。
次いで情報処理部11は、センサ風速フェールカウンタとセンサ風向フェールカウンタのカウンタ値の合計が所定値th4未満であるか否かを判断する(ステップ29)。
ここでは、オフセットによっても正常に動作ぜずインクリメント(ステップ23、ステップ27)されて合計値が4であるものとする。すると、情報処理部11は、所定値th4(=3)以上であるので、オフセットによっても異常が解消できないセンサKであると判断して、現在検査中(初期化中)のセンサKに対応するセンサフェールフラグをオンにする(ステップ31)。
更に情報処理部11は、検査中のセンサKの熱源Rへの通電をオフにし(ステップ32)、当該センサKに対するフェール表示を行う(ステップ33)。
ここで、センサKに対するフェール表示は、センサ自体にLEDを配置しておき、正常である場合に点灯し、消灯することでフェール表示とする。
ただし、I/F17を介して接続されているPC等の情報処理装置に該当するセンサKのセンサ番号とフェール信号を供給することで、情報処理装置が表示装置21にフェール表示するようにしてもよい。
なお、一サイクル目の検査処理で平均風速、平均風向の一方だけをオフセットし、2サイクル目の検査処理で他方をオフセットした場合、センサ風速フェールカウンタとセンサ風向フェールカウンタのカウンタ値合計はまだ2となる。
この場合、例えば平均風速用のオフセットによって平均風向に影響がでたために、平均風速のオフセットが行われていると考えられるので、ステップ29;Yとなり、3サイクル目の検査処理が行われる。
ただし、本実施形態において所定値th4=3に設定してあるが、2、又は4以上の値に設定することも可能である。この場合にも、カウンタ値合計が所定値th4未満(ステップ29;Y)、で仮フェールセンサがオン(ステップ30;N)であれば、ステップ27を経て、再度の検査処理が実行される。
以上の初期化処理が終了すると、情報処理部11は、次に息入力判定処理を行う(ステップ40)。
図8は、息入力判定処理の処理内容を表したフローチャートである。
先ず情報処理部11は、咳・くしゃみフラグと息入力フラグを初期化する(ステップ41、42)。
次に情報処理部11は、各センサKからの入力に従ってセンサ電圧値の変化を監視し、検出した各センサ電圧変化値のいずれか1つ以上が所定の所定値θ1より大きいか否かを判断する(ステップ43)。
ここでセンサ電圧変化値は、各センサKから供給される4つのサーミスタTHの電圧変化値のうちの最大値が、センサ電圧変化値とされる。
全てのセンサ電圧変化値が所定値θ1以下であれば(ステップ43;Y)、情報処理部11は、息による入力ではなく定常状態における自然な揺らぎの範囲である判断して処理を終了する。
一方、いずれかのセンサ電圧変化値が所定値θ1より大きければ(ステップ43;Y)情報処理部11は、ユーザの息がセンサに吹きかけられたと判断して息速演算ルーチンにより息速を演算する(ステップ44)。
図9は、息速演算ルーチンによる処理内容を表したフローチャートである。
この息速演算ルーチンにおいて情報処理部11は、各センサKにおける各サーミスタの電圧変化値を取得する(ステップ441)。本実施形態の場合、センサK1〜8の各々についてサーミスタTH1〜4が存在するので、全部で32の電圧変化値を取得することになる。
情報処理部11は、取得した電圧変化値から、各サーミスタTHの電圧変化値4つから、各センサK毎の平均電圧変化値を演算する(ステップ442)。
そして、情報処理部11は、演算した平均電圧変化値が所定値以上であるセンサKに対応するセンサフェールフラグをオンにする(ステップ443)。この処理でセンサフェールフラグがオンになる場合としては、初期化処理(ステップ10)では正常であったが、その後に異常になったセンサが対象となる。
次いで情報処理部11は、センサフェールフラグがオンのセンサ、すなわち、初期化処理におけるステップ31でオンになったセンサK、及び、上記ステップ443でオンになったセンサを、息速演算対象から除外(当該センサの平均電圧変化値を除外)する(ステップ444)。
情報処理部11は、除外されていないセンサKに対して演算された平均電圧変化値のうち、最大のセンサKを特定する(ステップ445)。息が一番当たっているセンサの平均電圧変化値が最大となるためである。
ついで情報処理部11は、特定した最大の平均電圧変化値を息速に変換する。
図10は、電圧変化値を息速に変換する変換マップを表したものである。
この図10に示すように、各サーミスタTHの電圧変化値は、空気の流れがない通常状態での電圧値から息を吹きかけた時の電圧値(通常状態よりも小さくなる)を引いた値なので、電圧変化値が大きいほど息速が大きくなる。
図10のマップは、例えば、センサK又はサーミスタTHと息速度測定装置とを併置して、両者に実際に息を吹きかけたとき実際の測定値(出力電圧値と息速の計測値)に基づいて作成する。
情報処理部11は、図10の息速マップに基づいて変換した息速をRAM16の息速バッファに保存し(ステップ446)、息速演算ルーチンを終了しリターンする。
息速の演算が終了すると情報処理部11は、息入力判定処理(図8)に戻り、息速バッファに保存した息速が所定速度を超えているか否か判断ことで、検出した息が咳やくしゃみによるものか否かを判断する(ステップ45)。
本実施形態では所定速度は200km/hに設定されているが、ユーザの口から各センサKまでの距離といった使用環境によって変更するようにしてもよい。
情報処理部11は、息速が所定速度(200km/h)を越えている場合(ステップ45;Y)、咳・くしゃみフラグをオンにし(ステップ46)、越えていない場合(ステップ45;N)、咳・くしゃみフラグをオフにする(ステップ47)。
続いて情報処理部11は、息速バッファに保存した息速が、所定速度(50km/h)<息速<所定速度(200km/h)の所定範囲であるか否かを判断する(ステップ48)。情報処理部11は、息速が所定範囲でなければ(ステップ48;N)、息入力フラグをオフにし、所定範囲であれば(ステップ48;Y)、測定したのは息であると判断して息入力フラグをオンにする(ステップ50)。
次に情報処理部11は、息向き判定ルーチンを実行する(ステップ51)。
図11は、息向き判定ルーチンの処理内容を表したフローチャートである。
情報処理部11は、息フラグがオンか否かを判断し、オンでなければ(ステップ511;N)、入力操作のための息ではないと判断して処理を終了し、リターンする。
一方息フラグがオンであれば(ステップ511;Y)、情報処理部11は、センサK1〜8に対応した各センサフェールフラグがオンになっているセンサK番号を取得し、以後の処理対象から除外する(ステップ512)。
次に情報処理部11は、処理対象となっている各センサKについて、それぞれサーミスタTH1〜4の電圧値を取得し(ステップ513)、各センサ毎の息入力方向を演算する(ステップ514)。
図12は、各センサ毎の息入力方向演算処理の内容を表したフローチャートである。
図12に示した息入力方向演算処理は、1つのセンサKに対する息向きの決定について示したもので、各センサK毎に実行される。
情報処理部11は、ステップ513(図11)で取得した各サーミスタTH1〜4の電圧値を比較することで、当該センサKに対する息入力方向(TH方向)を決定する。
以下、図12の説明において、サーミスタTHmの電圧をTHm電圧(m=1〜4)として説明する。
最初に情報処理部11は、各センサKの配置面(表示装置21の表示面と平行な面、以下配置面という)に対して平行に配置されている2つのサーミスタTH1とサーミスタTH2の電圧である、TH2電圧とTH4電圧とを比較する(ステップ541)。
TH2電圧とTH4電圧が等しければ(ステップ541;Y)、息による斜め成分が存在しないと判断できるので、情報処理部11は、TH方向を正面方向と判断する(ステップ542)。
図13は、センサKとTH方向(息入力方向)を表したものである。図13では、図面上側が表示装置21側(表示装置21の上側から見た状態)である。
そして、図13に示した息入力方向542、545、546、548、549は、図12でTH方向を決定したステップ542、545、546、548、549のステップ番号と一致させてある。
すなわち、ステップ542で決定したTH方向=正面方向は、図13の矢印542の方向である。
図12に戻り、TH2電圧とTH4電圧が等しくない場合(ステップ541;N)、情報処理部11は、配置面と直角な面に配置されたサーミスタTH1とTH3についてのTH1電圧とTH3電圧とを比較する(ステップ543)。
TH1電圧=TH3電圧である場合(ステップ543;Y)、正面方向(奥行き方向)の息の強さが同じであるから、配置面と平行な左右のサーミスタTHの強弱によって方向を決定するため、TH2電圧とTH4電圧を比較する(ステップ545)。
ここで、強い息に対して電圧値は低くなるので、情報処理部11は、TH電圧が低い方からTH電圧が高い方にい方に息が入力されていると判断する。
すなわち情報処理部11は、TH2電圧≦TH4電圧であれば(ステップ544;N)、TH方向を右方向とする(ステップ545)。
一方、情報処理部11は、TH2電圧>TH4電圧であれば(ステップ544;Y)、TH方向を左方向とする(ステップ546)。
ステップ543において、TH1電圧とTH3電圧が等しくない場合(ステップ543)、すなわち、正面方向も左右方向も息の強さが等しくない場合なので、配置面に向かって斜め方向に息の入力があると判断できるので、情報処理部11は、斜めの位置関係にある2つのサーミスタTH電圧を比較することでTH方向を決定する。
すなわち、情報処理部11は、TH1電圧とTH2電圧を比較し、TH1電圧<TH2であればTH方向を左上(左奧)方向とし(ステップ548)、TH1電圧≧TH2であればTH方向を右上(右奧)方向とする(ステップ549)。
なお、右上と左上を決定する場合には、TH1電圧<TH4電圧であれば右上、TH1電圧≧TH4電圧であれば左上としてもよい。同様に、TH4電圧<TH3電圧であれば左上、TH4電圧≧TH3電圧であれば右上としてもよい。更に、TH2電圧<TH3電圧であれば右上、TH2電圧≧TH3電圧であれば左上としてもよい。
図11に戻り、センサ毎の入力方向の演算が終了すると情報処理部11は、各センサKに対応して決定したN(=8)個のTH方向を、それぞれ対応するセンサ方向バッファに保存する(ステップ515)。
次に情報処理部11は、各センサ大小バッファに各センサKに対応したTH大きさを保存する。
ここで、センサKのTH大きさは、そのセンサKに当った息の強さである。この息の強さについて本実施形態では、センサKの合計電圧変化値(当該センサKにおける各サーミスタTHの電圧変化値の合計値)を使用する。
ただし、息の強さとして、各サーミスタTHの平均電圧変化値、又は、最大平均電圧値を使用するようにしてもよい。更に、図10に従って変換した電圧変化値(合計電圧変化値、最大電圧変化値、平均電圧変化値のいずれか)を変換した息速を使用するようにしてもよい。
ついで情報処理部11は、息向き演算ルーチンを実行する。
図14は、息向き演算ルーチンの内容を表したフローチャートである。
情報処理部11は、センサ方向バッファに保存した各センサK1〜NのTH方向と、センサ大小バッファに保存した各センサK1〜NのTH大きさを読み込む(ステップ571、ステップ572)。
そして、情報処理部11は読み込んだTH方向とTH大きさとから、各センサK1〜Nの方向ベクトルを作成する(ステップ573)。この方向ベクトルは、TH大きさを大きさとし、TH方向を方向とするベクトルである。
さらに、情報処理部11は、作成した方向ベクトルについて、図15に示される各行L1〜L3毎の各方向ベクトルを合成する(ステップ574)。
すなわち、L1行のセンサK4、5、6の方向ベクトルを合成し、L2行のセンサK3、7の方向ベクトルを合成し、L3行のセンサK2、1、8の方向ベクトルを合成する。
合成した各行L1、2、3の方向ベクトルは、奥行きのない、センサKの配置面上の方向を決定する場合に使用する。
なお、各行L毎に方向ベクトルを合成する場合を例に説明するが、列毎に合成することで行の場合と同様にして奥行きのないセンサKの配置面上の方向を決定するようにしてもよい。
次に、奥行きを含む方向(ステップ575〜580)、又は奥行きを含まない平面上の方向(ステップ581、582)を決定する。
すなわち情報処理部11は、センサK1〜8の各方向ベクトルの中から、正面方向(図13の矢印542方向)の方向ベクトル同士を合成して正面ベクトルを作成し、その大きさが所定値αより大きいか判断する(ステップ575)。
正面ベクトルの大きさが所定値αよりも大きければ(ステップ575;Y)、情報処理部11は、息方向を正面(奥)方向に決定し(ステップ576)、処理を終了して息向き判定ルーチン(図11に)リターンする。
一方、正面ベクトルの大きさが所定値α以下であれば(ステップ575;N)、情報処理部11は、センサK1〜8の各方向ベクトルの中から、左斜(左奥)方向(図13の矢印548方向)の方向ベクトル同士を合成して左斜方向ベクトルを作成し、その大きさが所定値βより大きいか判断する(ステップ577)。
左斜方向ベクトルの大きさが所定値βよりも大きければ(ステップ577;Y)、情報処理部11は、息方向を左斜(奥)方向に決定し(ステップ578)、処理を終了して息向き判定ルーチン(図11に)リターンする。
左斜方向ベクトルの大きさが所定値β以下であれば(ステップ577;N)、情報処理部11は、センサK1〜8の各方向ベクトルの中から、右斜(右奥)方向(図13の矢印549方向)の方向ベクトル同士を合成して右斜方向ベクトルを作成し、その大きさが所定値γより大きいか判断する(ステップ579)。
右斜方向ベクトルの大きさが所定値γよりも大きければ(ステップ579;Y)、情報処理部11は、息方向を右斜(奥)方向に決定し(ステップ580)、処理を終了して息向き判定ルーチン(図11に)リターンする。
右斜方向ベクトルの大きさが所定値γ以下である場合(ステップ580;N)、すなわち、正面ベクトル、左斜め方向ベクトル、右方向ベクトルの全てが所定値α、β、γ以下である場合に、情報処理部11は、奥行き方向の息入力では無いと判断し、センサKの配置面上の方向を決定する。
すなわち、情報処理部11は、各行L1〜L3毎に合成したセンサ方向ベクトルが最大の行を決め、その行の中で方向ベクトルの大きさ(ステップ516で保存したセンサ方向バッハの値=TH大きさ)が最も大きい方向ベクトルに対応するセンサK(センサKの番号)を決定する(ステップ581)。
なお、図15に示すように、各行L1〜L3に対応して存在するセンサK数が異なる場合には、数に応じた係数を乗じることで補正した値を使用して最大の行を決定する。すなわち、他の行の2/3である行L2にはその逆数3/2を乗じた値を使用する。なお、センサ方向ベクトルの平均値を使用し、平均値が最も大きい行Lを決定するようにしてもよい。
そして、情報処理部11は、息方向を、センサKの配置面(表示装置21)の中央から決定したセンサKの方向に決定しステップ582)、処理を終了して息向き判定ルーチン(図11)にリターンする。
以上の息向き演算ルーチンにより息方向を決定すると、情報処理部11は、決定した息方向を息方向バッファに保存し(ステップ518;図11)、処理を終了して息入力判定処理(図8)にリターンする。
そして情報処理部11は、図8の息入力判定処理において、ステップ447で息速バッファに保存した息速と、ステップ518で息方向バッファに保存した息方向を、ユーザの入力としてI/F17を介して接続されているPC20等の情報処理装置に出力する(ステップ52)。
次いで情報処理部11は、息入力が終了したか否かを判断する(ステップ53)。ここで息入力が終了すると、低下していたサーミスタTHの検出温度が上昇するので、低下していたサーミスタTHの検出電圧が上昇し始めた場合に、息入力終了と判断する。
息入力がまだ継続していると判断した場合(ステップ53;N)、情報処理部11は、ステップ44に戻って、息速と息向きの演算を繰り返す。
一方息入力の終了を検出すると(ステップ53;Y)、情報処理部11は処理を終了し、メイン処理にリターンする。
以上の息入力判定処理(図8)が終了すると、メイン処理(図4)において、入力処理の終了か否かを判断する(ステップ53)。このメイン処理の終了判断は、情報入力装置の電源オフ、または入力終了が指示された場合に終了と判断する。
情報処理部11は、入力処理終了でなければ(ステップ53;N)、ステップ40に戻って息入力の判定処理を繰り返し、入力処理終了であれば(ステップ53;Y)、全処理を終了する。
次に第2実施形態について説明する。
この第2実施形態、及び後述する第4実施形態では、ウィンドウ(窓)やドアが開いている場合、エアコンが作動状態である場合等の外乱よる影響の程度を検出して補正するものである。
すなわち、外乱を検出したセンサの検出値を、外乱を検出しないときの各センサの検出値に近づけるように補正するものである。この補正は、外乱が検出されていないときの各センサの検出値に基づく息向きや息速と、外乱が検出されているときの各センサの検出値に基づく息向き等とに差異がないようにするためのものである。
なお、第2及び第4実施形態では、ウィンドウ、ドア、エアコンによる影響を外乱として検出しているが、息を入力する利用者とセンサとの位置関係が想定している所定位置からずれているために、各センサの検出値が所定位置における検出値と差異が生じている場合等も外乱として補正を行うようにしてもよい。この場合、利用者の位置は、画像認識処理、距離センサ、位置センサ等の測定値から検出し、また利用者に各センサに向けて順次、又は指定方向に向けて息を吹きかけて貰うことにより検出する。
第2実施形態における情報入力装置の構成及び使用するセンサKは第1実施形態と同一である。また、息の入力に対する各処理については、第1実施形態と異なる部分を中心に説明し、同一部分については省略することとする。
図16は、息入力判定処理(第1実施形態の図8に対応)の前半の一部について表したフローチャートである。
情報処理部11は、第1実施形態と同様に咳・くしゃみフラグと息入力フラグを初期化する(ステップ41、ステップ42)。
そして情報処理部11は、ウィンドウ、エアコン、ドアの各々について、作動状態を取得し(ステップ421)、各々が作動開始(ウィンドウの少なくとも1部が開いている状態、エアコンがオンの状態、少なくとも一部のドアが開いている状態)か否かを判断する(ステップ4422)。
ウィンドウ、エアコン、ドアのいずれかが作動開始である場合(ステップ422;Y)、情報処理部11は、対応する作動フラグ(ウィンドウ作動フラグ、エアコン作動フラグ、ドア作動フラグ)をオンにする(ステップ423)。
一方、ウィンド等のいずれも作動開始でない場合(ステップ422;N)、又は作動フラグをオンにした後、情報処理部11は、ウィンドウ、エアコン、ドアについての補正ベクトル演算ルーチンを実行する(ステップ424)。
この補正ベクトル演算ルーチンでは、外乱に対して補正するTH方向とTH大きさについて演算する処理で、その詳細については後述する。
つぎに情報処理部11は、作動開始していたウィンドウ、エアコン、ドアの各々について、作動が終了した(全てのウィンドウが閉じた状態、エアコンがオフの状態、全てのドガが閉じている状態)か否かを判断する(ステップ425)。
そして、作動開始状態から作動が終了した場合(ステップ425;Y)、情報処理部11は、対応する作動フラグ(ウィンドウ作動フラグ、エアコン作動フラグ、ドア作動フラグ)をオフにする(ステップ426)。
一方、作動が終了していない場合(ステップ425;N)、又は作動フラグをオフにした場合、情報処理部11、第1実施形態に示した図8のステップ43以降の処理を実行する。
図17は、補正ベクトル演算ルーチン(ステップ424)の処理内容を表したフローチャートである。
情報処理部11は、各センサKに対して、センサKにおける息入力方向である、TH方向(正面方向、右方向、左方向、左上方向、右上方向)を決定する(ステップ4241〜ステップ4249)。
このTH方向の決定は、図12に従って説明したセンサ毎の入力方向演算処理と同一であり、両者のステップ番号下二桁が同じステップは同一の処理である。
次に情報処理部11は、決定した各TH方向を反転する(ステップ4250)。
図18は、反転前後のTH方向を表したものである。
この図18に示されるように、決定したTH方向が正面方向(配置面に対峙した奥方向)である場合には、TH方向を反転することで、後方(配置面から手前方向)に反転する。同様に、右方向は左方向に、左方向は右方向に反転し、左上(左奥)方向は右下(右手前)方向に、右上(右奥)方向は左下(左手前)方向に反転する。
TH方向を反転した後、情報処理部11は、ウィンド補正バッファ、エアコン補正バッファ、ドアTH補正バッファのうち、作動フラグがオンになっている補正バッファに反転したTH方向を保存する(ステップ4251)。
また、情報処理部11は、ウィンドウ補正用センサ大小バッファ、エアコン補正用センサ大小バッファ、ドア補正用センサ大小バッファのうち、作動フラグがオンになっている補正用センサ大小バッファにTH大きさを保存する(ステップ4252)。
ここで使用するTH大きさは、息の強さで、本実施形態では、電圧変化値を使用を使用する。この点ステップ516で説明したTH大きさと同じである。
図19は、第2実施形態における息向き演算ルーチンの処理内容を表したフローチャートである。この図19は、第1実施形態における図14の息向き演算ルーチンに対応しており、本実施形態における補正処理が図19のステップ572とステップ572の間に追加されており、この補正処理は、図16の息判定処理において演算した補正ベクトル(ステップ424)を使用しての補正が行われる。
なお、エアコンやウィンドウ等の作動状態によって発生する外乱に対する補正は、外乱によって受ける各センサK間のばらつきを補正ベクトルで補正するものである。
従って、エアコン等の作動状態において演算した補正ベクトルは、各センサKを使用して息方向を決定する息向き演算ルーチンで使用する。
一方、息速演算ルーチン(図9)や息向き演算ルーチン(図14)では、各センサK間を問題とせず、個々のセンサKについての速度(電圧変化値による)や息向きを決定するものなので、補正ベクトルによる補正は行われてない。これは、各センサKの、各サーミスタTH間に対する外乱による影響は小さいと判断されるためであるが、より正確に判断するために、各サーミスタTH間の影響を補正するTH補正ベクトルを演算し、個別のセンサK毎の補正を行うようにしてもよい。
図19において、情報処理部11は、第1実施形態と同様に、センサ方向バッファに保存した各センサK1〜NのTH方向と、センサ大小バッファに保存した各センサK1〜NのTH大きさを読み込む(ステップ571、ステップ572)。
そして情報処理部11は、ウィンドウ作動フラグ、エアコン作動フラグ、ドア作動フラグのいずれかがオンになっているか否かを判断し(ステップ5720)、いずれの作動フラグもオンになってない場合(ステップ5720;N)、ステップ573に移行する。
一方、いずれか1つ以上の作動フラグがオンになっている場合(ステップ5720;Y)、情報処理部11は、ステップ4251で保存された、ウィンド補正バッファ、エアコン補正バッファ、ドア補正バッファのTH方向を読み込む(ステップ5721)。
また、情報処理部11は、ステップ4252で保存された、ウィンドウ補正用センサ大小バッファ、エアコン補正用センサ大小バッファ、ドア補正用センサ大小バッファに保存された、TH大きさを読み込む(ステップ5722)。
そして、情報処理部11は、各センサKに対し、ステップ572で読み込んだTH大きさ(センサ大小)からステップ5722で読み込んだTH大きさ(補正センサ大小)を減算した値を補正後のセンサ大小としてセンサ大小バッファ保存する(ステップ5723)。
また、情報処理部11は、ステップ571で読み込んだTH方向(センサ方向)から、ステップ5721で読み込んだTH方向(補正センサ方向)を減算した値を補正後のセンサ方向としてセンサ方向バッファに保存する(ステップ5724)。
以上のステップ5723、5724の両処理によって、エアコン等の外乱に対する補正処理が完了する。
そして情報処理部11は、補正後のTH方向と補正後のTH大きさとから、第1実施形態と同様にして、各センサK1〜Nの方向ベクトルの作成と(ステップ573)、各行L1〜L3毎の各方向ベクトルを合成する(ステップ574)。
以降は、第1実施形態で説明したステップ575に以降の処理と同一である。
以上説明したようにこの第2実施形態によれば、ウィンドウ、エアコン、ドア等の作動状態による外乱に対して補正を行うのでより正確に息の入力方向を決定することができる。
次に第3実施形態について説明する。
この第1及び第2実施形態では、息向き判定ルーチン(ステップ51、図11〜図15)において、各センサK毎に作成した各方向ベクトル(息の向き(TH方向)と大きさ(TH大きさ))に基づいて、息向きを判定したが、この第3実施形態では、方向ベクトルからではなく、最大の電圧変化値を検出したセンサKの変化に基づいて判定するものである。
図20は、第3実施形態における息向き判定ルーチンの処理内容を表したフローチャートである。なお、この息向き判定ルーチンは、第1、第2実施形態における図8の息向き判定ルーチン(ステップ51)に対応しており、図8における他の処理、図4のメイン処理、図5〜図7の初期化処理については、第1実施形態、第2実施形態と同じである。
第3実施形態の息向き判定ルーチンにおいて情報処理部11は、息入力フラグがオンか否かを判断し、オンでなければ(ステップ60;N)、入力操作のための息ではないと判断して処理を終了し、リターンする。
一方息フラグがオンであれば(ステップ60;Y)、情報処理部11は、センサK1〜8に対応した各センサフェールフラグがオンになっているセンサK番号を取得し、以後の処理対象から除外する(ステップ61)。
次に情報処理部11は、現ループにおいて、各センサKの電圧変化値が最大のセンサ番号を取得する(ステップ62)。
更に情報処理部11は、前ループにおいて、各センサの電圧変化値が最大のセンサ番号を取得する(ステップ63)。
そして、情報処理部11は、現ループと前ループの電圧変化値が最大のセンサ番号が相違するか否かを判断する(ステップ64)。
両センサ番号が相違する場合(ステップ64;Y)、前ループから現ループにかけて息入力者の顔の向き(息の向き)が動いていると判断できるので、情報処理部11は、前ループのセンサ番号を始点とし、現ループのセンサ番号を終点とする方向を特定する(ステップ65)。
一方、両センサ番号が同一である場合(ステップ64;N)、同一センサ方向に向けて息を入力し続けていると判断できるので、情報処理部11は、現ループの電圧変化値が最大のセンサKに対する入力方向を特定する(ステップ66)。この入力方向は、センサ番号方向の奥行きを持った方向である。
例えば、現ループの電圧変化値が最大のセンサKがセンサK1であった場合(図3参照)、息の入力方向として下奥方向が特定される。同様に、センサK2であれば左下奥方向、センサK3であれば上奥方向、センサK4であれば左上奥方向、センサK5であれば上奥方向、センサK6であれば右上奥方向、センサK7であれば右奥方向、センサK8であれば右下奥方向がそれぞれ特定される。
情報処理部11は、ステップ65又はステップ66で特定した方向を息方向バッファに保存し(ステップ67)、息方向反転ルーチンを終了して図8の息入力判定処理にリターンする。
このように第3実施形態によれば、電圧変化値が最大であるセンサKの変化に基づいて息方向を特定するので、少ない処理負荷かつ高速に息向判定処理を行うことができる。
そして、判定する奥行き方向として、第1、第2実施形態の場合には正面(奥)方向、左斜(左奥)方向、右斜め(右奥)方向の3方向を特定したのに対し、第3実施形態によれば、センサ数Nだけ奥行き方向を特定することができるので、より詳細な奥行き方向の息入力をすることができる。
なお、第3実施形態において、電圧変化値が最大のセンサ番号が現ループ、前ループの一方又は双方で複数存在する場合がある。
この場合には、それぞれのループにおける各センサKの中央を特定するようにする。
次に第4実施形態について説明する。
この第4実施形態では、エアコン等の外乱に対する補正を行うものである。
第2実施形態では、外乱による影響を補正ベクトル演算ルーチン(図17)で測定することで各センサKの方向ベクトルを補正するものである。
これに対して第4実施形態では、エアコン等の外乱に基づく影響を、各センサの感度を調整することで補正するものである。
すなわち、第2実施形態における補正ベクトル演算ルーチン(図17)に変えて、第4実施形態のセンサ感度調整ルーチン(後述)を実行する。
第4実施形態のセンサ感度調整ルーチンでは、初期化処理に続き息が入力する前の時点において、電圧変化を検出したセンサKに対して、図2(c)に示したサーミスタTHの温度−抵抗グラフから、熱源Rの温度を上げることでセンサ感度を下げるものである。
図21は第4実施形態におけるセンサ感度調整ルーチンの処理内容を表したものである。
情報処理部11は、センサK1〜Nの各平均電圧変化値のうち、所定値より大きいセンサKがあるか否か、すなわち、外乱による影響があるか否かを判断する(ステップ70)。
全ての平均電圧変化値が所定値以下である場合(ステップ70;N)、情報処理部11は、外乱による影響はないと判断して、感度調整ルーチンを終了して息入力判定処理(図16)に戻り、ステップ425以降の処理を行う。
一方、所定値以上の平均電圧変化値が存在する場合(ステップ70;Y)、情報処理部11は、所定値以上の電圧変化値を検出したセンサK(電圧変化ありのセンサK)と、所定値より大きくない電圧変化値のセンサK(電圧変化なしのセンサK)をそれぞれ特定する(ステップ71、ステップ72)。
そして情報処理部11は、特定した電圧変化なしの各センサKの熱源Rに加えている付加平均電圧V1を演算する(ステップ73)。また、特定した電圧変化ありの各センサKの熱源Rに加えている付加平均電圧V2を演算する(ステップ74)。
そして、情報処理部11は、両付加平均電圧V1、V2の中間電圧(平均値)V3を演算する(ステップ75)。
そして、情報処理部11は、ウィンドウ作動フラグ、エアコン作動フラグ、ドア作動フラグのうち、いずれかの作動フラグがオンか否かを判断する(ステップ76)。
いずれかの作動フラグがオンである場合(ステップ76;Y)、情報処理部11は、電圧変化ありのセンサKに付加する電圧を、中間電圧V3に所定係数α(>0)を乗じた値=αV3を現在の付加電圧に加算した値とする(ステップ77)。すなわち、電圧変化ありのセンサKに対しては、その熱源Rに付加する電圧を上げて温度を上昇させることでセンサ感度を下げる。
一方、電圧変化なしのセンサKに付加する電圧を、中間電圧V3に所定係数β(<0)を乗じた値=βV3を加算した値とする(ステップ78)。すなわち、電圧変化なしのセンサKに対しては、その熱源Rに付加する電圧を下げて温度を下げることでセンサK感度を高める。
なお、ステップ77、及び/又はステップ78において、作動中のウィンドウ、エアコン、ドアに対するセンサK位置に応じて重み付けを与えて、中間電圧V3に対して所定の重み付けを行うようにしてもよい。この場合、センサKの感度を下げるステップ77の場合と、センサKの感度を上げるセンサK78の場合とで重み付けを変えるようにしてもよい。
一方、全ての作動フラグがオンでない場合(ステップ76;N)、すなわち、エアコン等による外乱が存在しない場合、情報処理部11は、電圧変化ありの全センサKと電圧変化なしの全センサK(センサフェールフラグがオンでない全てのセンサK)の各熱源Rに加えている平均付加電圧を演算する(ステップ79)。
そして、電圧変化ありの各センサKと変化なしの各センサKの各熱源Rに付加する電圧を演算した平均付加電圧とする(ステップ80)。
各センサに付加する電圧を決定した後(ステップ79、80)、情報処理部11は、センサK感度調整ルーチンを終了して息入力判定処理(図16)に戻り、ステップ425以降の処理を行う。
以上説明したように、第2実施形態では、補正ベクトルの演算(ステップ4241〜4252)と、測定値に対する補正処理(ステップ5721〜5724)というように補正のための処理が必用であるのに対し、第4実施形態によれば、外乱による影響に対してセンサの感度調整だけであり処理が簡略化される。
図22は、息向きとして決定した奥行き方向の利用状態について表したものである。
この図22(a)に示されるように、表示装置21に、ウィンドウBの上にウィンドウAが重なって表示されているものとする。
この状態において、第1〜第4実施形態の情報入力装置から、左奥(又は左上奥)方向が息による入力として供給(出力)されると、情報入力装置に接続されているPC20やナビゲーション装置等の各種情報処理装置では、供給された左奥方向に対応してウィンドウBが選択され、最上層のウィンドの表示を、ウィンドウAからウィンドウBに入れ替えて表示する。
なお、本実施形態では、他の構成として次の様に構成するようにしてもよい。
(A1)、風を検出する複数のセンサと、前記各センサの検出値に基づいて、息向を判定する息向判定手段と、前記判定した息向を入力方向として出力する出力手段と、を具備したことを特徴とする情報入力装置を提供する。
(A2)前記複数のセンサの検出値から、息が入力されたか否かを判断する息入力判断手段とを備え、前記息向判定手段は、息の入力と判断した場合に、息向きを判定する、ことを特徴とする上記(A1)に記載の情報入力装置を提供する。
(A3)前記複数のセンサのうち、少なくとも2つのセンサは列方向に配置され、前記息向判定手段は、息向として、前記列方向に配置されたセンサの検出値に基づいて平面上の向きと奥行きを持った向きを判定する、ことを特徴とする上記(A1)又は(A2)に記載の情報入力装置を提供する。
(A4)請求項4記載の発明では、前記センサは、中央に配置された熱源と、該熱源から等距離に配置された複数の温度検出手段とを備え、前記各温度検出手段で検出した温度に対応する各物理量を、センサの検出値とする、ことを特徴とする上記(A1)、(A2)又は(A3)に記載の情報入力装置を提供する。
(A5)前記センサは、各センサが配置される配置面に対し、前記温度検出手段の配置面が交差する方向に配置されている、ことを特徴とする上記(A4)に記載の情報入力装置を提供する。
(C1)風の強さを検出する複数のセンサと、前記各センサで検出した風の強さのうち最も強い風を検出したセンサを、所定時間間隔で特定するセンサ特定手段と、前記センサ特定手段により今回特定したセンサと、前回特定したセンサの位置関係から、息による入力の向きを判定する息向判定手段と、前記判定した息による入力の向きを入力方向として出力する出力手段と、を具備したことを特徴とする情報入力装置。
(C2)前記息向き判定手段は、前記センサ特定手段により今回特定したセンサと前回特定したセンサとが異なる場合には、前回特定したセンサから今回特定したセンサの方向を息による入力の向きと判定し、前記センサ特定手段により今回特定したセンサと前回特定したセンサとが同一である場合には、前記複数配置されたセンサの中央から特定したセンサの奥行き方向を、息による入力の向きと判定する、ことを特徴とする上記(C1)記載の情報入力装置。
(D1)風を検出する複数のセンサと、外乱を検出する外乱検出手段と、外乱に対する補正値を取得する補正値取得手段と、前記各センサの検出値及び、前記取得した補正値に基づいて、息向を判定する息向判定手段と、前記判定した息向を入力方向として出力する出力手段と、を具備したことを特徴とする情報入力装置。
(D2)前記息向判定手段は、前記外乱検出手段が外乱を検出したときに、前記各センサの検出値及び前記取得した補正値に基づいて息向を演算する息向演算ルーチンを有する、
ことを特徴とする上記(D1)に記載の情報入力装置。
(D3)前記息向き演算ルーチンは、前記外乱検出手段が外乱を検出したときに、前記外乱検出手段が外乱を検出しないときに検出した前記各センサの検出値に近づけるように、前記各センサの検出値を前記取得した補正値で補正して前記息向を演算する、ことを特徴とする上記(D2)に記載の情報入力装置。
(D4)前記外乱検出手段は、前記外乱として、ウィンドウの開状態、エアコンのオン状態、ドアの開状態のうちの少なくとも1つを外乱として検出する、ことを特徴とする上記(D1)、(D2)、又は(D3)に記載の情報入力装置。
本実施形態における情報入力装置の構成を表したものである。 情報入力装置で使用するセンサの構造と特性について表した説明図である。 各センサKの配置について表した説明図である。 息の入力処理を行う情報入力装置のメイン処理について表したフローチャートである。 初期化処理の内容の一部を表したフローチャートである。 初期化処理の内容の他の一部を表したフローチャートである。 初期化処理の内容の更に他の一部を表したフローチャートである。 息入力判定処理のフローチャートである。 息速演算ルーチンによるフローチャートである。 電圧変化値を息速に変換する変換マップを表した説明図である。 息向き判定ルーチンのフローチャートである。 各センサ毎の息入力方向演算処理の内容を表したフローチャートである。 センサKとTH方向(息入力方向)を表した説明図である。 息向き演算ルーチンの内容を表したフローチャートである。 作成した各方向ベクトルをグループ化する各行L1〜L3を表した説明図である。 息入力判定処理(第1実施形態の図8に対応)の前半の一部について表したフローチャートである。 補正ベクトル演算ルーチン(ステップ424)のフローチャートである。 反転前後のTH方向を表した説明図である。 第2実施形態における息向き演算ルーチンのフローチャートである。 第3実施形態における息向き判定ルーチンのフローチャートである。 は第4実施形態におけるセンサ感度調整ルーチンのフローチャートである。 息向きとして決定した奥行き方向の利用状態について表した説明図である。
符号の説明
10 情報入力装置
11 情報処理部
12 センサ部
13 CPU(中央処理装置)
14 A/D
15 ROM
16 RAM
17 インターフェイス(I/F)
20 パーソナルコンピュータ(PC)

Claims (3)

  1. 風を検出する複数のセンサと、
    前記各センサの検出値から、センサの配置面に対する正面奧方向、左斜奧方向、右斜奧方向、左方向、右方向の何れかである息の向きと息の大きさからなる方向ベクトルを、各センサ毎に演算する方向ベクトル演算手段と、
    前記演算した各センサの方向ベクトルから、息による入力の向きを判定する息向判定手段と、
    前記判定した息による入力の向きを入力方向として出力する出力手段と、
    を具備し
    前記息向判定手段は、各センサ毎に演算した方向ベクトルのうち、前記息の向きが正面奧方向の方向ベクトル同士、左斜奧方向の方向ベクトル同士、右斜奧方向の方向ベクトル同士を合成し、合成した各同一方向の方向ベクトルの大きさが所定値を超えている場合には、息による入力の向きとして、奥行き方向を含む方向を判定する、
    ことを特徴とする情報入力装置。
  2. 前記息向判定手段は、
    前記合成した、正面奧方向の方向ベクトル、左斜奧方向の方向ベクトル、右斜奧方向の方向ベクトルの大きさが全て所定値以下である場合、
    前記配置された各センサの行又は列毎に方向ベクトルを合成し、合成した行又は列の方向ベクトル、合成した行又は列の方向ベクトルの平均値、又は、合成した行又は列の方向ベクトルを各行又は列に存在するセンサ数に応じた係数を乗じることで補正した値が最大となる行又は列を特定し、
    当該特定した行又は列に含まれる各センサのうち大きさが最も大きい方向ベクトルに対応するセンサを特定し、
    前記複数配置されたセンサの中央から前記特定したセンサの方向を、息による入力の向きと判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報入力装置。
  3. 前記各センサは、複数のサーミスタと熱源を備え、前記各サーミスタの電圧値をセンサ値として出力し、また、前記各センサが配置される配置面に対し、前記各サーミスタの配置面が交差する方向に配置されており、
    前記方向ベクトル演算手段は、前記各サーミスタの出力電圧値の変化から、各センサ毎の息の向きと大きさを検出する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報入力装置。
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