JP4934821B2 - シートスイッチ - Google Patents
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Description
しかしながら、パワーシートにおいては、そのモータ内にヒューズが設けられているものの、より安全性を求める上では、シートスイッチ内においてもヒューズを設けたいという要望がある。ところが、例えば自動車用として従来から使用されているヒューズは、定格電流以上の大電流により溶断する金属部材を、樹脂ケースなどに収めた構成であり、そのヒューズを取り付けるコネクタなどの機構が必要であり、単純にシートスイッチ内にヒューズを内蔵させる構造とすると、シートスイッチの構成が複雑化すると共に、シートスイッチが大型化してしまう問題があった。
本実施形態のシートスイッチ本体2は、図3に示すように、金属板製の配線が組み込まれたスイッチベース29と、スイッチベース29の表面の所定箇所に取り付けられるプリント配線基板28と、スイッチベース29上のスイッチ形成箇所に配置される可動接点E1,E2と、可動接点E1,E2を操作する操作部材20〜23と、スイッチベース29全体を覆うように形成されたカバー部10とから構成される。プリント配線基板28は、後述するようにヒューズを構成する部材であり、スイッチベース29の表面に露出した配線上の2本の柱状の取り付け部32の間を、プリント配線基板28上の配線パターン71で電気的に接続させる。プリント配線基板28には、配線パターン71上の位置に2つの透孔70が設けてあり、それぞれの透孔70に、柱状の取り付け部32を差し込んだ上で、ハンダ付けで電気的に接続されると共に固定される。ヒューズを構成するプリント配線基板28の配置状態の詳細については後述する。
シートスイッチ本体2は、スイッチベース29の底面とカバー部10とを接合するにより筐体が形成され、筐体内部において、スイッチが構成される。ここにおいて、スイッチベース29の長手方向をx方向、スイッチベース29を含む面内において長手方向と直交する方向をy方向とする。
スイッチベース29がインサート成形された後、グランド配線LG間に、ヒューズ28が介挿される。
図5に分解して示すように、本実施形態におけるスイッチベース29に配置される配線層は、第1〜第4のスイッチ部S1〜S4にそれぞれ接続される第1モータ配線LA1,LA2、第2のモータ配線LB1,LB2、第3のモータ配線LC1,LC2、第4のモータ配線LD1,LD2、電源配線LV、及びグランド配線LGからなる。
図6A,Bはスイッチベース29を上面からみた構成を示す。図6Aはプリント配線基板28が取り付けられていない状態を示し、図6Bはプリント配線基板28が取り付けられた状態を示す。両図でそれ以外の相違点はない。
本実施形態におけるプリント配線基板28は、例えば、硬質のエポキシ樹脂などで構成される樹脂基板上に、約2mmの太さの薄膜の配線パターン71を曲線状に配置させた構成であり、この例では60Aの電流が4秒間流れると、配線パターン71が溶断されるような構成となっていて、いわゆるヒューズとして機能する。配線パターン71は、例えばエッチングなどにより上述した太さのパターンとしてある。
なお、本実施形態においては、ヒューズを構成するプリント配線基板28はグランド配線の根本部分に接続されるものであるが、電源配線LGの根本部分に設ける構成としてもよい。或いは、グランド配線の根本部分と電源配線の根本部分の双方に設ける構成としてもよい。
第1及び第2の固定軸15,16及び操作軸6に取り付けられた第1のノブ3は、矢印100a,100b方向に操作可能である。また、第3及び第4の固定軸17,18及び操作軸7,8,9に取り付けられた第2のノブ4の後方においては矢印101a,101b方向に操作可能であり、前方においては矢印103a,103b方向に操作可能である。また、第2のノブ4全体としては、矢印102a,102b方向に操作可能である。
まず、第1のノブ3を操作していない場合、第1のノブ3は中立の位置にある。そのとき、第1のスイッチ部S1上の操作部材20において、第1の突起24は、バネ27により図8Aに示すように、可動接点E1のV字形状部を下方へ押圧している。同様に、第2の突起25も図8Bに示したように可動接点E2のV字形状部を下方へ押圧している。このとき、第1の突起24は可動接点E1の支点となる固定接点57より後方の位置で可動接点E1を押圧することから、可動接点E1は固定接点57を支点として後方に傾く。その結果、可動接点E1の後端部が固定接点40に接触し、可動接点E1は前端部が固定接点48から浮き上がった状態になる。同時に、可動接点E2は、固定接点58を支点として前方に傾き、その結果、可動接点E2の後端部は固定接点49から浮き上がり、可動接点E2の前端部が固定接点41に接触した状態となる。
まず、第2のノブ4が中立の位置にあるときは、上述の第1のノブ3が中立の位置にあるときと同様である。すなわち、第2〜第4のスイッチ部S2〜S4において、可動接点E1、E2により、それぞれのモータ配線LB1〜LD2の固定接点59〜64にはグランド配線LGの固定接点42〜47が接続されるため、リアリフト動作用モータM2、スライド動作用モータM3及びフロントリフト動作用モータM4の両端子にはグランド電位が印加され、それらのモータは回転せず停止状態となる。このため、パワーシート110は現在の姿勢を維持される。
反対に、第2のノブ4の、第2のスイッチ部S2の上部に位置する側を101b方向に動かすと、第1及び第2の突起24,25が下方にスライドする。このとき、第1のノブ3を矢印100bで示す方向に操作したときと同じように、第2のスイッチ部S2が動作し、図7に示す回路において、リアリフト動作用モータM2が逆方向に回転し、パワーシート110の後側が下方に動く。
反対に、第2のノブ4の、第3のスイッチ部S3の上部に位置する側を矢印102aで示す方向に動かすと、第1及び第2の突起が後方にスライドする。このとき、第1のノブ3を矢印100aで示す方向に操作したときと同じように、第3のスイッチ部S3が動作し、図7に示す回路において、スライド動作用モータM3が逆方向に回転し、パワーシート110が後方に動く。
反対に、第2のノブ4の、第4のスイッチ部S4の上部に位置する側を矢印103bで示す方向に動かすと、第1及び第2の突起23,24が下方にスライドする。このとき、第1のノブ3を矢印100bで示す方向に操作したときと同じように、第4のスイッチ部S4が動作し、図8に示す回路において、フロントリフト動作用モータM4が逆方向に回転し、パワーシート110の前側が下方に動く。
また、本実施形態のシートスイッチ1によれば、金属板製の配線を有するスイッチベース29において、グランド配線LGにプリント配線基板28からなるヒューズをグランド配線LGの端部が折り曲げられて形成された取付け部32に容易に介挿されることにより構成される。従って、専用のヒューズ部品を取り付ける機構を設けることなく、ヒューズに相当する部品が配置されたことになり、コストの低減が図られた状態で、安全性の高いシートスイッチ1が構成される。
また、上述した実施形態では自動車用のシートスイッチに適用した例としたが、その他の車両用のシートが備えるスイッチに適用してもよく、さらには、車両以外の用途のシートのスイッチとしてもよい。
Claims (2)
- スイッチベース上にパワーシートを操作する複数のスイッチ部と、前記スイッチ部の固定接点に接続された金属板製の配線とを有するシートスイッチにおいて、
前記金属板製の配線は、金属板から打ち抜き形成された配線であり、
前記配線のうち、電源配線とグランド配線の少なくとも何れか一方の所定箇所に配線切断部を設け、
前記配線の配線切断部の一方の切断端と他方の切断端を、それぞれ折り曲げた折り曲げ部とし、
薄膜の配線パターンが形成されたプリント配線基板の、前記配線パターン上の2カ所に透孔を設け、
前記プリント配線基板の2カ所の透孔に、前記それぞれの折り曲げ部を挿入することで、前記プリント配線基板を前記配線に取り付け、前記配線切断部を、薄膜の配線パターンを形成させたプリント配線基板で電気的に接続し、
異常電流が前記配線に流れた場合に、前記薄膜の配線パターンの溶断で、前記配線切断部が電気的に切断される
ことを特徴とするシートスイッチ。 - 前記金属板製の配線は前記金属板から、コネクタ端子と一体に打ち抜き形成されることを特徴とする請求項1記載のシートスイッチ。
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