JP4932760B2 - 除染方法、及び除染システム - Google Patents

除染方法、及び除染システム Download PDF

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Description

本発明は、除染室に除染ガスを供給し、該除染ガスを当該除染室内にある除染対象物の表面で凝縮させて該除染対象物を除染する除染方法、及び、該除染対象物を除染する除染システムに関するものである。
従来、医薬品製造工場等において、除染された空間を構成するアイソレーター、チャンバー、クリーンルーム(無菌室)などの除染室はよく知られている。そして、この除染室に過酸化水素ガスなどの除染ガスを供給し、該除染室内に置かれた除染対象物の表面で除染ガスを凝縮させて、当該除染対象物の表面を除染することも提案されている(特許文献1参照)。ここで、除染とは、化学T期除染、無菌、殺菌、滅菌等が含まれる。
ところで、前記除染対象物を確実に除染するためには、常に、当該除染対象物の表面が除染ガスに接触し、かつ、該表面で除染ガスの凝縮膜が形成されている必要がある。一方、該凝縮膜は、除染対象物の表面に形成されたとしても同時に該除染対象物表面から蒸発していくと共に、分解してしまうことがわかっている。このため、凝縮膜が除染対象物表面に形成されても所定時間経過すると除染効果が減退してしまうことが確認されている。このため、従来、除染室には除染ガスを含む室内空気を一定の風速で流動させて、前記除染対象物の表面から失われる除染ガス成分を供給するようにし、除染効果が減退することを防止していた。
特開2007−54447号公報
しかしながら、室内空気を一定の風速で流動させて除染効果を維持しようとする従来の除染方法にあっては、前記除染室内に内在させた除染対象物の外形が複雑形状である場合に、その外形の細部において該除染ガスの凝縮膜の形成が不十分となって所望の除染ができない場合があった。
そこで本発明は、上記課題を解決できる除染方法、及び除染システムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題に鑑み、次のような構成を発明するに至った。本発明は、除染室に除染ガスを供給し、かつ、該除染室内に設けられた送風装置で前記除染ガスを含む室内空気を前記除染室内で流動させて該除染室内に除染ガスを行き渡らせると共に、該除染ガスを当該除染室内にある除染対象物の表面で凝縮させて該除染対象物を除染する除染方法において、前記送風装置を制御することにより、前記除染室内で流動する前記室内空気の風速を、除染対象物に凝縮膜が形成されるまで、所定の第一風速で持した後で、前記第一風速より遅い第二風速で所定時間だけ維持する又は前記送風装置を停止させて前記室内空気の風速を所定時間だけ0とすることで、該凝縮膜を維持又は成長させる室内空気減速工程を実行することを特徴とする除染方法である。
再度述べると、本発明の要部は、前記室内空気減速工程を実行することにあり、該室内空気減速工程は、前記室内空気の風速を第一風速で所定時間だけ維持した後で、第二風速で所定時間だけ維持する又は前記室内空気の風速を所定時間だけ0とする、ものである。
かかる構成にあって、本発明者は、前記室内空気の風速を第一風速から第二風速へ、あるいは第一風速から風速0へ変更すると、除染対象物の細部表面において除染ガスの凝縮が促進されることを見出した。ここで、本発明者は、除染ガスの凝縮が促進される理由を次のように考察した。従来は、上記した理由により除染ガスを含む室内空気を一定の風速で流動させるようにしていたところ、かかる方策では除染ガスが除染対象物表面に供給される一方で、該空気流動により該除染対象物の表面から除染ガスが除去されていってしまい、凝縮膜の形成を妨げていると考えた。すなわち、該除染対象物への除染ガスの供給に対して、該除染ガスの除去の影響が大きい場合に、凝縮膜が十分形成されず、除染効果が低減し、除染が不安定となると考えた。そうであるから、本発明にあって、除染ガスを含む室内空気を第一風速から第二風速へ、あるいは第一風速から風速0へ変更すると、第一風速により除染ガスが早く室内に行き渡り、かつ、第二風速又は風速0により凝縮膜が維持又は成長し易くなり、該細部表面において凝縮膜が安定して形成されることとなる。
また、前記室内空気減速工程を、複数回繰り返す
かかる構成により、さらに、除染対象物の複雑形状の細部において凝縮膜の形成が安定する。
上記除染方法では、前記室内空気減速工程にあって、前記第一風速で維持している時間では前記除染ガスを第一供給量だけ前記除染室内に供給し、前記第一風速より遅い第二風速で維持している時間又は室内空気の風速を0としている時間では前記除染ガスを前記第一供給量より少ない第二供給量だけ供給する
かかる構成とすることにより、除染効果を維持しつつ、全体として除染ガス消費量を従来に比して低減することができ、除染に掛かるコストを抑えることが可能となる。
また、除染ガスが供給される除染室と、該除染室内に設けられ、当該除染室内の除染ガスを含む室内空気を流動させる送風装置と、前記送風装置を制御して前記除染室内で流動する室内空気の風速を変更する送風装置制御手段と、除染対象物の表面で除染ガスが凝縮したことを検知する凝縮センサーと、前記除染ガスを前記除染室に供給する除染ガス供給装置とを備え、前記送風装置制御手段が前記送風装置を制御して前記除染室内で、前記除染ガス供給装置により供給される前記除染ガスを含む室内空気を流動させて該除染室内に除染ガスを行き渡らせると共に、該除染ガスを当該除染室内にある除染対象物の表面で凝縮させて該除染対象物を除染する除染システムにおいて、前記送風装置制御手段は、前記送風装置を制御して、前記凝縮センサーが除染対象物の表面で除染ガスが凝縮したことを検知するまで、前記除染室内で流動する前記室内空気の風速を所定の第一風速で持した後で、前記第一風速より遅い第二風速で所定時間だけ維持する又は前記送風装置を停止させて前記室内空気の風速を所定時間だけ0とすることで、該凝縮膜を維持又は成長させる室内空気減速制御内容を備えていることを特徴とする除染システムが提案され得る。
かかる除染システムは、縮膜を安定して形成、又は維持もしくは成長させることができる。
また、前記除染システムにあって、前記送風装置制御手段は、前記室内空気減速制御内容を複数回繰り返す制御内容を備えている
かかる構成とすることにより、除染対象物の複雑形状の細部において凝縮膜の形成がさらに安定する。
また、前記染ガス供給装置を制御して除染ガスの供給量を変更する除染ガス供給装置制御手段とを備えた構成にあって、前記送風装置制御手段が前記室内空気の風速を前記第一風速で維持している時間では前記除染ガス供給装置制御手段は除染ガス供給装置を制御して前記除染ガスを第一供給量だけ前記除染室内に供給し、前記送風装置制御手段が前記室内空気の風速を前記第一風速より遅い第二風速で維持している時間又は室内空気の風速を0としている時間では前記除染ガス供給装置制御手段は除染ガス供給装置を制御して前記除染ガスを前記第一供給量より少ない第二供給量だけ供給する
かかる構成とすることにより、全体として除染ガス消費量を従来に比して低減することができ、除染に掛かるコストを抑えることが可能となる。
本発明は、除染ガスを含む室内空気が除染対象物の細部に浸入し、かつ滞留することとなるため、該細部でも凝縮膜の形成、又は維持もしくは成長が促進されて除染効果が確実に向上する。
本発明に係る除染方法、及び除染システムの実施例を、図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、除染システム1は、除染室としてのアイソレーター2を備えている。ここで、アイソレーター2の内部空間は、室外に対して気密的に遮断されている。そして、このアイソレーター2内に、除染ガスである過酸化水素ガスを供給し、さらに当該アイソレーター2内の作業空間20に置かれている例えば薬液注入前の注射器(シリンジ)等の除染対象物Xの表面で該過酸化水素ガスを凝縮させ、かかる凝縮状態を所定時間維持して、該表面等を除染する。
前記アイソレーター2の具体的な構成について説明する。
図1に示すように、アイソレーター2内には、室内を仕切る縦方向の仕切り板3が設けられている。そして、この仕切り板3と、アイソレーター2の内壁との間に形成された隙間が、室内空気が通過可能な周回路20Aとなっている。また、該仕切り板3の下端には、アイソレーター2内の中央に配された作業空間20と前記周回路20Aとを連通する開口部3Aが設けられている。
また、アイソレーター2内の上部には、アイソレーター2の室内空気を清浄化するためのHEPAフィルタ4が、水平状に配設されている。さらに、該HEPAフィルタ4の直下には、室内空気の気流を整える整流板5が、水平状に配設されている。
さらに、アイソレーター2内であって、前記HEPAフィルタ4の上方には、アイソレーター2の室内空気を一方向に送風する送風装置15が三つ横並びに設置されている。本実施例にあっては、各送風装置15の送風口15aが、下方に向けられて下方へ室内空気を送風するように設置されている。
かかる構成にあって、前記送風装置15により送風された室内空気は、HEPAフィルタ4を通過し、さらに整流板5を通過し、そして作業空間20に到達する。さらに、該室内空気は、前記仕切り板3の開口部3Aから前記周回路20Aに侵入し、該周回路20Aを上昇する。そして、該室内空気は、送風装置15の設置スペースに到達し、再び送風装置15によって下方に送風され、アイソレーター2内を循環する。すなわち、前記送風装置15により、アイソレーター2内の室内空気が流動して循環系の一方向流が形成されている。
また、除染システム1は、過酸化水素ガス発生供給装置6を備えている。この過酸化水素ガス発生供給装置6は、過酸化水素水が入った過酸化水素水タンク7と、過酸化水素水を蒸発させる蒸発器9と、過酸化水素水タンク7内の過酸化水素水を前記蒸発器9に供給する過酸化水素水供給ポンプ8とを備えている。さらに、蒸発器9で発生した過酸化水素ガスを前記送風装置15の送風口15a付近に案内する過酸化水素ガス供給管10を備えている。なお、前記過酸化水素ガス発生供給装置6は、公知品が好適に採用される。ところで、該過酸化水素ガス発生供給装置6により、本発明の除染ガス供給装置が構成される。
また、アイソレーター2には、給気回路用HEPAフィルタ22、及び給気装置23を備えた給気回路21が接続されている。さらに詳述すると、この給気回路21は、室外側から順に、給気装置23、給気回路用HEPAフィルタ22と配設されており、一端が室外に開口し、他端がアイソレーター2内に連通している。そして、給気装置23が駆動することにより、外気が、給気回路用HEPAフィルタ22を介してアイソレーター2内に供給される。
また、アイソレーター2には、触媒25、調整バルブ26、排気回路用HEPAフィルタ27、及び排気装置28を備えた排気回路24が接続されている。さらに詳述すると、この排気回路24は、アイソレーター2側から順に、触媒25、調整バルブ26、排気回路用HEPAフィルタ27、及び排気装置28と配設されており、一端がアイソレーター2内に連通し、他端が室外に開口している。そして、排気装置28が駆動することにより、アイソレーター2内の室内空気が触媒25により分解され、さらに排気回路用HEPAフィルタ27によって清浄化されて室外に排出される。なお、前記調整バルブ26は、ガスの排気量を調節するために用いられる。
また、アイソレーター2は、凝縮センサー13を備えている。この凝縮センサー13は、センサー部13aが作業空間20内に配置され、該作業空間20に供給された過酸化水素ガスが当該作業空間20内、または除染対象物Xの表面で凝縮したことを検知する。この凝縮センサー13としては、公知品が好適に用いられ、例えば、PCT/JP/03/05646号公報に記載される構成が用いられる。なお、凝縮センサー13は作業空間20内の任意の位置に設置してよいが、好ましくは、作業空間20内のいわゆるコールドスポットに配置するのがよい。
また、アイソレーター2は、作業空間20の室温を測定する温度センサー12、湿度を測定する湿度センサー17、過酸化水素ガス濃度を測定するガス濃度計18、作業空間20内における室内空気の風速を測定する風速計19を各々備えている。前記温度センサー12、前記湿度センサー17、ガス濃度計18、及び前記風速計19は、公知品が好適に用いられる。
また、図2に示すように、除染システム1は、制御装置30を備えている。この制御装置30は、中央制御装置CPU40、該中央制御装置CPU40にそれぞれ接続された記憶装置ROM41、及び記憶装置RAM42を備えている。ここで、中央制御装置CPU40は、所定のプログラムを実行するものである。また、記憶装置ROM41は、演算処理に用いる動作プログラムやデータを格納するものである。また、記憶装置RAM42は、データを随時読み書きできるものである。
さらに、この制御装置30には、過酸化水素ガス発生供給装置6、送風装置15、温度センサー12、凝縮センサー13、湿度センサー17、ガス濃度計18、風速計19、給気装置23、及び排気装置28がそれぞれ接続されている。ここで、制御装置30から送風装置15、給気装置23、及び排気装置28に対して、それぞれ送風制御指令信号が出力される。そして、該指令信号により、各装置15,23,28内部のファンが種々の回転数(例えば、回毎分[rpm])で駆動する。また、温度センサー12、凝縮センサー13、湿度センサー17、ガス濃度計18、及び風速計19から制御装置30へ、それぞれ測定データが随時送信され、測定値表示部(図示省略)で測定値が表示される。なお、送風装置15を制御するプログラムを備えた前記制御装置30により、本発明に係る送風装置制御手段が構成される。また、過酸化水素ガス発生供給装置6を制御するプログラムを備えた前記制御装置30により、本発明に係る除染ガス供給装置制御手段が構成される。
次に、上記構成による除染方法の概略について説明する。
まず、制御装置30は、給気装置23を制御してアイソレーター2内に適量の空気を導入すると共に、送風装置15に制御指令信号を出力して、アイソレーター2内の室内空気を流動させてアイソレーター2内に一方向流を形成する。また、過酸化水素ガス発生供給装置6にガス供給制御指令信号を出力して、過酸化水素ガスを発生させ、過酸化水素ガス供給管18を介してアイソレーター2内に所定量の過酸化水素ガスを所定時間供給する。そうすると、過酸化水素ガスを含む室内空気がアイソレーター2内で循環し、過酸化水素ガスがアイソレーター2内に行き渡る。また、制御装置30は、前記温度センサー12、前記凝縮センサー13、前記湿度センサー17、及びガス濃度計18の測定データを受信して、随時測定値を表示する。このようにして過酸化水素ガスの供給状態が所定時間維持されると、過酸化水素ガスがアイソレーター2内で飽和し、除染対象物Xの表面に該過酸化水素ガスが凝縮し始めて該除染対象物Xの表面に凝縮膜が形成される。そしてさらに、この凝縮膜形成状態を所定時間維持する(凝縮膜形成維持工程)。
そして、予め定められた、凝縮膜の形成を維持する時間である凝縮膜維持時間が経過すると、制御装置30は、過酸化水素ガスの供給を停止し、排気装置28を制御して、過酸化水素ガスを含む室内空気を清浄化してアイソレーター2外へ排気する(エアレーション工程)。そして、除染対象物Xの除染を完了する。
次に、本発明の要部について説明する。具体的には、前記凝縮膜形成維持工程を詳説する。
前記凝縮膜形成維持工程にあっては、制御装置30により前記送風装置15を制御して、前記アイソレーター2内で流動する前記室内空気の風速を、所定の第一風速αで所定時間維持する。それから、室内空気を前記第一風速αより遅い第二風速βに変更し、該第二風速βで所定時間維持する。具体的に説明すると、図3に示すように、除染対象物Xに凝縮膜が形成されるまで室内の風速を所定の第一風速維持時間Tx1だけ第一風速αとする。そして、凝縮膜が形成されて第一風速維持時間Tx1が終了すると、送風装置15を制御して該室内の風速を第二風速βに変更し、第二風速βの状態を所定の第二風速維持時間Tx2だけ維持する。
このように、本発明の除染システム1は、前記制御装置30が室内空気を第一風速αに所定時間維持し、その後第二風速βに所定時間維持する室内空気減速制御内容を実行するようにしたものである。そして、該除染システム1により、第一風速αを所定時間だけ維持した後で、第二風速βを所定時間だけ維持する室内空気減速工程を実行可能としたものである。
かかる構成とすることにより、除染対象物Xの複雑形状の細部における表面で過酸化水素ガスが浸入かつ滞留し易くなる。このため、過酸化水素ガスの供給が十分となって前記細部において凝縮膜が安定して形成され、さらに該凝縮膜が安定して維持又は成長することとなる。ここで、前記第一風速維持時間Tx1は、過酸化水素ガスをアイソレーター2内に短時間で行き渡らせ、凝縮膜を形成させる目的のための時間であり、前記第二風速維持時間Tx2は、形成された凝縮膜を除染対象物Xの細部表面等で維持又は成長させる目的のための時間である。
また、室内空気の風速が第一風速αである第一風速維持時間Tx1は、過酸化水素ガス発生供給装置6を制御して、所定の第一供給量だけ過酸化水素ガスをアイソレーター2内に供給するようにし、第二風速維持時間Tx2は、前記第一供給量より少ない第二供給量の過酸化水素ガスをアイソレーター2内に供給するようにしている
かかる構成とすることにより、過酸化水素ガスの供給量が低減できるため、全体として除染効果を低減させることなく過酸化水素ガス消費量を抑えることができ、除染に掛かるコストを減少させることが可能となる。
なお、前記第一風速αは、測定環境(作業空間20の広さ、除染対象物Xの外観形状、室温、湿度、過酸化水素ガス濃度等)によって適宜変更されるが、0.2(m/s)以上0.3(m/s)以下の範囲に設定するのが望ましい。また、さらに、前記第二風速βは、少なくとも0.2(m/s)未満に減速することが望ましい。また、第二風速維持時間Tx2は、例えばいわゆるD値が2分の菌に対して6Dの要求であれば、12分以上とするのが好適である。なお、この第二風速維持時間Tx2の設定は、事前にBI(バイオロジカルインジケータ)を用いて除染効果につき確認しておくことが望ましい。また、第一風速維持時間Tx1の終了タイミングは、除染対象物X表面に凝縮膜が形成開始したタイミングとするのが望ましいが、あらかじめ予備実験により第一風速維持時間Tx1の開始から凝縮膜が形成開始されるまでの時間を算出しておき、第一風速維持時間Tx1の終了タイミングをあらかじめ制御装置30にプログラミングしておいてもよいし、凝縮センサー13と送風装置15とを連動させて、該凝縮センサー13が凝縮を検知すると、送風装置15が風速を第一風速αから第二風速βに変更する構成としてもよい。なお、第一風速維持時間Tx1の終了タイミングをあらかじめプログラミングしておく構成であっても、前記凝縮センサー13によって凝縮を確実に確認すべく、補助的に使用するのが好ましい。
また、変形例として、次の構成が提案される。
本発明に係る凝縮膜維持工程は、前記アイソレーター2内で流動する前記室内空気の風速を、所定の第一風速αで所定時間維持した後、風速を0としてこの状態を所定時間維持する。具体的に説明すると、図4に示すように、除染対象物Xに凝縮膜が形成されるまで第一風速αで所定の第一風速維持時間Ty1だけ経過させた後、送風装置15を停止して作業空間20内の室内空気(過酸化水素ガスを含む)の風速を0とし、所定の風速0維持時間Ty2だけ維持する。
このように、室内空気の風速を第一風速αから0とするような室内空気減速工程としても、除染対象物Xの複雑形状の細部における表面で過酸化水素ガスが浸入かつ滞留し易くなり、過酸化水素ガスの供給が十分となって前記細部において凝縮膜が安定して形成され、さらには維持又は成長することとなる。なお、かかる構成にあっては、制御装置30は、室内空気の風速を第一風速αから0とするような室内空気減速制御内容を備えることとなる。
また、該変形例においても、第一風速維持時間Ty1は、所定の第一供給量だけ過酸化水素ガスをアイソレーター2内に供給し、さらに、風速0維持時間Ty2は、前記第二供給量の過酸化水素ガスをアイソレーター2内に供給する成が望ましい。
また、これまでに述べた室内空気減速工程は、複数回実行するようにしてもよい。かかる構成とすることにより、第二風速維持時間Tx2(又は風速0維持時間Ty2)が、複数回到来することとなり、凝縮膜の維持又は成長が安定して、除染効果が向上することとなる。
なお、これまでに述べた構成は、実施態様を適宜変更することが可能である。制御装置30によって各装置を制御する構成は、他の構成によって実現してもよく、例えば作業者が各装置を操作して除染環境を制御する構成としてもよい。また、アイソレーター2内の室内温度、又は室内湿度を意図的に変動させて、過酸化水素ガスの凝縮を意図的に形成してもよい。また、最適な凝縮量の維持を、室内温度又は室内湿度を調整することにより行ってもよい。
除染システム1の概略縦断面図である。 制御装置30のブロック回路図である。 本発明に係る除染方法のタイミングチャート図である。 変形例に係る除染方法のタイミングチャート図である。
符号の説明
1 除染システム
2 アイソレーター
6 過酸化水素ガス発生供給装置
15 送風装置
30 制御装置
X 除染対象物
α 第一風速
β 第二風速

Claims (2)

  1. 除染室に除染ガスを供給し、かつ、該除染室内に設けられた送風装置で前記除染ガスを含む室内空気を前記除染室内で流動させて該除染室内に除染ガスを行き渡らせると共に、該除染ガスを当該除染室内にある除染対象物の表面で凝縮させて該除染対象物を除染する除染方法において、
    前記送風装置を制御することにより、
    前記除染室内で流動する前記室内空気の風速を、除染対象物に凝縮膜が形成されるまで、所定の第一風速で持した後で、前記第一風速より遅い第二風速で所定時間だけ維持する又は前記送風装置を停止させて前記室内空気の風速を所定時間だけ0とすることで、該凝縮膜を維持又は成長させる
    室内空気減速工程を実行し、
    前記室内空気減速工程にあって、
    前記第一風速で維持している時間では前記除染ガスを第一供給量だけ前記除染室内に供給し、
    前記第一風速より遅い第二風速で維持している時間又は室内空気の風速を0としている時間では前記除染ガスを前記第一供給量より少ない第二供給量だけ供給し、
    前記室内空気減速工程を、複数回繰り返す
    ことを特徴とする除染方法。
  2. 除染ガスが供給される除染室と、
    該除染室内に設けられ、当該除染室内の除染ガスを含む室内空気を流動させる送風装置と、
    前記送風装置を制御して前記除染室内で流動する室内空気の風速を変更する送風装置制御手段と
    除染対象物の表面で除染ガスが凝縮したことを検知する凝縮センサーと、
    前記除染ガスを前記除染室に供給する除染ガス供給装置と
    を備え、
    前記送風装置制御手段が前記送風装置を制御して前記除染室内で、前記除染ガス供給装置により供給される前記除染ガスを含む室内空気を流動させて該除染室内に除染ガスを行き渡らせると共に、
    該除染ガスを当該除染室内にある除染対象物の表面で凝縮させて該除染対象物を除染する除染システムにおいて、
    前記送風装置制御手段は、
    前記送風装置を制御して、前記凝縮センサーが除染対象物の表面で除染ガスが凝縮したことを検知するまで、前記除染室内で流動する前記室内空気の風速を所定の第一風速で持した後で、前記第一風速より遅い第二風速で所定時間だけ維持する又は前記送風装置を停止させて前記室内空気の風速を所定時間だけ0とすることで、該凝縮膜を維持又は成長させる室内空気減速制御内容を備え
    さらに、前記除染ガス供給装置を制御して除染ガスの供給量を変更する除染ガス供給装置制御手段を備えた構成にあって、
    前記送風装置制御手段が前記室内空気の風速を前記第一風速で維持している時間では前記除染ガス供給装置制御手段は除染ガス供給装置を制御して前記除染ガスを第一供給量だけ前記除染室内に供給し、
    前記送風装置制御手段が前記室内空気の風速を前記第一風速より遅い第二風速で維持している時間又は室内空気の風速を0としている時間では前記除染ガス供給装置制御手段は除染ガス供給装置を制御して前記除染ガスを前記第一供給量より少ない第二供給量だけ供給し、
    前記送風装置制御手段は、
    前記室内空気減速制御内容を複数回繰り返す制御内容を備えていることを特徴とする除染システム。
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