JP4930778B2 - 質量分離電磁石 - Google Patents
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Description
イオンは一様な磁場中を移動するとき、その電荷・質量・速度・磁場強度によって決まる曲率半径で回転運動を行なうので、質量分離電磁石中にイオンビームを通過させ、通過後に所望のイオン種が到達すると予測される軌道上にスリットを配置することによって、イオン種の質量分離を行なうことができる。
(1)本発明は、イオン注入装置におけるイオン源と処理室との間のイオンビームの経路上に配置され、前記イオン源側から導入される断面長方形状のイオンビームをその厚さ方向に偏向して質量分離し所望のイオン種を含むイオンビームを導出する質量分離電磁石であって、前記イオンビームを偏向するための磁場を発生させる偏向用コイルを備え、該偏向用コイルは、前記イオンビームの導入位置から導出位置まで延びた形状を有するとともに前記イオンビームの長方形断面の長手方向に配置された複数のコイルからなり、該各コイルは、湾曲形状を描くイオンビーム軌道の内側に配置された内側コイル部と、前記イオンビーム軌道の外側に配置された外側コイル部とを有し、前記導入位置と前記導出位置との間の途中位置における前記内側コイル部と前記外側コイル部の間隔は、前記導入位置及び前記導出位置における前記間隔よりも広い、ことを特徴とする。
また、イオンビームの導入位置及び導出位置よりも内側コイル部と外側コイル部の間隔が広い途中位置において、ビーム厚さ方向にも広い領域に均一磁場を発生させることができ、ビーム厚さ方向の寸法が大きいイオンビームにも対応することができる。ビーム厚さ方向寸法を大きくすると、同じ電流密度であっても大きなビーム電流値が得られるため、基板一枚あたりのイオン注入時間を短縮することができ、結果として生産性を高めることができる。また、途中位置のみを広げたので、小型・軽量を保持しつつ均一磁場領域を広くできる。
コイルの両端部がイオンビーム軌道を避けるように屈曲した形状を有しているので、内側コイル部と外側コイル部とを連結した場合でも、コイル両端部とイオンビームとの干渉を回避することができる。
また、ヨークにポールを設けないことにより、ポール間の均一磁場中心付近に比べてポール近傍の磁場が強くなることに起因する均一磁場領域の減少を回避することができる。したがって、ポール間距離を長く取る必要が無いので、磁石の小型・軽量化を保ちつつ均一磁場領域を広げることができる。
また、本明細書において、断面長方形状とは、断面が長方形に近い、あるいは断面が長方形のような形状をも含む概念であり、完全な長方形のみを意味するものではない。
このイオン注入装置10において、処理対象となる基板3は、半導体基板3、液晶パネル用のガラス基板等である。本実施形態において、基板3は長方形状をなし、例えば、短片寸法W1は730mmであり、長辺寸法W2は920mmである。だたし、基板形状は、長方形に限られず、正方形や円形であってもよい。
イオン源12は、基板3に注入すべき所望のイオン種を含むプラズマ13を発生させる。基板3に注入すべきイオン種としては、PイオンやBイオンなどがある。これらの原料となる原料ガスが図示しない原料ガス供給装置からイオン源12に供給されるようになっている。このイオン源12では、図示しないフィラメントにより熱電子を発生させ、供給された原料ガスの分子を電離させて所望のイオン種を含むプラズマ13を発生させる。
このイオンビーム進行方向に垂直な断面の長手方向の寸法は、基板3の短辺寸法W1よりも大きい。短辺寸法が730mmの場合、上記の長手方向の寸法は730mm以上となる。
イオンモニタ29は、スリット27のイオンビーム1進行方向下流側に配置され、スリット27を通過したイオンビーム1を受けて、このイオンビーム1に含まれるイオン種の種類及びその割合を測定する。このイオンモニタ29は、例えば、電磁石と1つ又は複数のファラデーカップを用いた質量分析方式のものでよく、その他の公知の手段を用いたものであってもよい。
なお、本実施形態では、イオンモニタ29は、基板ステージ28の背面側に配置されているが、スリット27よりもイオンビーム進行方向下流側であれば、基板ステージ28の前面側に配置されてもよい。
また、図2では、ファラデーカップアレイ40Aによる測定を行なう際に、ファラデーカップアレイへ40Aのイオンビーム1の照射の邪魔にならないよう、イオンモニタ29が破線で示す位置まで退避できるようになっている。
図3に、質量分離電磁石17の構成を示す。図において、(A)はイオンビーム1の導入位置A(図5参照)付近における側面断面図であり、(B)は(A)における3B−3B断面図である。(A)及び(B)では、イオンビーム軌道中心Sより上側の部分のみ示しており、下側の部分は上側部分と対象に構成されているため図示を省略する。(A)の白抜矢印はビーム進行方向を示している。
また、コイル数は、本実施形態に示した数に限られるものではなく、要求される磁場仕様等に応じて適切な数に設定される。
このヨーク25において、イオンビーム1の幅方向両側部分にイオンビーム軌道側に突出するポール(磁極)を設けてもよいが、図3に示すように、そのようなポールを設けずに、窓枠型のような形状のヨーク25とすることが好ましい。このような構成の場合、ポール間の均一磁場中心付近に比べてポール近傍の磁場が強くなることに起因する均一磁場領域の減少を回避することができる。したがって、ポール間距離を長く取る必要が無いので、磁石の小型・軽量化を保ちつつ均一磁場領域を広げることができる。
図4に示すように、各コイル21,22,23は、湾曲形状を描くイオンビーム軌道の内側に配置された内側コイル部20aと、イオンビーム軌道の外側に配置された外側コイル部20bとからなる。
このように内側コイル部20aと外側コイル部20bとを連結すると、内側コイル部20aと外側コイル部20bとで一体のコイル路が形成されるので、それぞれ別々にコイル路を形成する場合と比較して、発生する磁場を有効利用できると同時にコイルを小型・軽量化できる。
図5(A)では、コイル21のみを示しているが、以下において説明する特徴点については、コイル22,23についても同様である。
図5(A)に示すように、コイル21において、導入位置Aと導出位置Bとの間の途中位置における内側コイル部20aと外側コイル部20bの間隔は、導入位置A及び導出位置Bにおける間隔よりも広い。
内側コイル部20aと外側コイル部20bを上記のような形状に形成することにより、途中位置において間隔が広くなるコイルを容易に構成することができる。
図5(B)に示した扇形コイルに対して、コイル21は上記形状の内側コイル部20aと外側コイル部20bを有するので、多角形コイルとして構成されている。
図6(A)において、外側コイル部20bは図5(A)のコイル形状と同じであるが、内側コイル部20aは、導入位置Aから導出位置Bまで直線的に延びた形状を有しており、途中位置おける内側コイル部20aと外側コイル部20bとの間隔が導入位置A及び導出位置Bよりも広くなっている。
電磁石はビームの出入口でそれぞれ、ビームの進行方向に漏れる磁場が大きくなるので、ビーム進行方向に沿って磁場強度を見てみると、図7のように電磁石の中心付近が最大となる。ビーム進行方向に対して、各断面で磁場強度が一様であればビーム中の全てのイオンは、その断面で同じ偏向半径で曲げられるので、入射したビームの均一性は保たれる。従って、各位置での断面の磁場均一性が良いほど電磁石から出てくるビームの均一性も良くなる。
なお、図7から図10に関する上記の説明は、図5(A)のコイル形状だけでなく、途中位置における内側コイル部20aと外側コイル部20bとの間隔が、導入位置A及び導出位置Bよりも広い他のコイル形状についても妥当する。したがって、図6(A)〜(D)に示したコイル形状によっても同様の結果が得られると考えてよい。
したがって、図5(A)に示すように、イオンビーム1の導入位置Aと導出位置Bからほぼ等距離の位置Cにおいて、内側コイル部20aと外側コイル部20bの間隔が最も広くなるのが好ましい。このように構成した場合、磁場強度が最大となる位置の磁場均一性を高めることができるので、質量分離されたイオンビーム1の電流密度均一性を効果的に高めることができる。
3 基板
10 イオン注入装置
12 イオン源
13 プラズマ
15 引出し電極系
17 質量分離電磁石
19 処理室
20 偏向用コイル
20a 内側コイル部
20b 外側コイル部
20c 連結部
21,22,23 コイル
27 スリット
25 ヨーク
28 基板ステージ
29 イオンモニタ
38 制御装置
39a,39b,39c コイル用電源
40 ビームプロファイルモニタ
Claims (4)
- イオン注入装置におけるイオン源と処理室との間のイオンビームの経路上に配置され、前記イオン源側から導入される断面長方形状のイオンビームをその厚さ方向に偏向して質量分離し所望のイオン種を含むイオンビームを導出する質量分離電磁石であって、
前記イオンビームを偏向するための磁場を発生させる偏向用コイルを備え、
該偏向用コイルは、前記イオンビームの導入位置から導出位置まで延びた形状を有するとともに前記イオンビームの長方形断面の長手方向に配置された複数のコイルからなり、
該各コイルは、湾曲形状を描くイオンビーム軌道の内側に配置された内側コイル部と、前記イオンビーム軌道の外側に配置された外側コイル部とを有し、
内側コイル部は、前記導入位置から前記導出位置に至る間にイオンビームの偏向方向に複数回屈曲する形状を有し、
前記導入位置と前記導出位置との間の途中位置における前記内側コイル部と前記外側コイル部の間隔は、前記導入位置及び前記導出位置における前記間隔よりも広い、ことを特徴とする質量分離電磁石。 - 前記導入位置と前記導出位置から等距離の位置で前記途中位置における前記間隔が最も広くなる、請求項1に記載の質量分離電磁石。
- 前記内側コイル部と外側コイル部は、前記導入位置及び前記導出位置において互いの両端部が連結されており、前記複数のコイルのうち少なくとも1つはその両端部がイオンビーム軌道を避けるように屈曲した形状を有している、請求項1又は2に記載の質量分離電磁石。
- 前記イオンビーム軌道とともに前記コイルを囲み断面が枠型のヨークを備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の質量分離電磁石。
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