JP4928307B2 - 回路遮断器 - Google Patents

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Description

本件の発明は回路遮断器に関し,特に熱動−電磁式の回路遮断器における引外し装置に関するものである。
従来の回路遮断器の引外し装置には,図8に示したような回路遮断器における引外し装置があった。該回路遮断器は,操作ハンドルのON/OFF操作を接触子の開閉動作に連動させるとともに,熱動−電磁式の引外し装置の作動によって接触子を開離させる開閉機構を有する回路遮断器である。該開閉機構には,前記引外し装置の作動によって引外されるラッチ機構部が設けられている。前記ラッチ機構部は,通常時は,接触子をON位置,もしくはOFF位置に付勢するためのばね部材が設けられるアーム部材の一部が前記引外し装置の作動によって引き外し駆動される引外し部材に設けられるラッチ部にラッチし,引外し時は,前記引外し部材のラッチ部と前記アーム部材の一部とのラッチが解かれるように設けられている。また,前記引外し装置は,長限時引外しを行うバイメタル装置と,瞬時引外しを行う固定鉄心及び可動鉄片などの電磁素子を備えた電磁引外し装置により構成されている熱動−電磁式の引外し装置である。
前記回路遮断器が接続された電路に過負荷電流や短絡電流などの過電流が流れた場合,前記回路遮断器の定格電流に対して過負荷となる領域では,前記過負荷電流によるジュール熱によって前記バイメタルが過熱されるとともに所定の方向に湾曲することにより,該バイメタル装置が前記開閉機構に作用し,前記ラッチ機構部を引外すことによりバイメタル装置による長限時引外しを行う。また,前記回路遮断器の定格電流に対して短絡となる領域では,前記短絡電流によって発生される電磁力により,前記可動鉄片が固定鉄心に引き付けられることにより,前記開閉機構に作用し,前記ラッチ機構部を引外し,電磁引外し装置による瞬時引外しを行う。
図8に示した回路遮断器における引外し装置105は,固定鉄心である電磁枠1054と,可動鉄片である電磁鉄片1053と,開閉機構部とのラッチ部を構成する回動自在に保持された引外し部材1051とを含んで構成されている。
前記電磁枠1054は,前記電磁鉄片1053と磁気回路を構成するように設けられており,該磁気回路を貫くように導体であるバイメタル1055が配設され,前記電磁枠1054は該バイメタル1055を略包囲するよう形成されている。
電磁鉄片1053は,ねじ止めにより引外し部材1051に固定されており,引外し部材1051と一体となり作動する。即ち,回路遮断器の定格電流に対して短絡となる領域において,前記短絡電流によって発生する電磁力により,前記電磁鉄片が電磁枠に引き付けられるよう動作する際には,該電磁鉄片とともに前記引外し部材1051も一体となり前記電磁鉄片が電磁枠に引き付けられる方向に回転を開始するよう動作する。
引外し部材1051は,回動軸10512部分から一方に,ラッチ部1052及び前記バイメタルが作用して前記ラッチ部を引外すための引外し作用部が設けられ,他方には,該引外し部材1051のラッチ部1052のラッチを保つ方向,即ち前記磁気回路の空隙を広げる方向に該引外し部材1051を付勢するための付勢ばね(図示しない)が係合する付勢ばね係合部が設けられ,平常,回路遮断器がONの状態である場合には,ラッチ部1052のラッチを保つように作用している。
特開2005−353440号 図4
昨今,分電盤に組み込まれる回路遮断器の機能として,コンセント回路よりも負荷側で発生する比較的小さな短絡(コード短絡)を保護する機能を備えることが要望されている。しかしながら,従来の引外し装置においては次のような問題があった。
前述したような比較的小さな短絡(コード短絡)の領域においては,通常の短絡電流と比較して該短絡電流によって発生する電磁力が小さくなる。そのため,前記電磁鉄片が電磁枠に引き付けられる力(吸引力)が弱く,前記電磁式の引外し装置が十分に駆動しないというおそれがあった。
前記電磁式の引外し装置が十分に駆動しない場合には,前記引外し部材のラッチ部を引外すことができず,接触子の開離が行えず,電路を遮断することができない。
前記引外し部材のラッチ部を引外す条件としては,前記開閉機構のラッチ部の引外しを妨げる力よりも前記吸引力が大きくなることが必要である。即ち,前記ラッチ部の引外しを妨げる力には,ラッチ部のラッチを解くための力(係合力)と,引外し部材が付勢ばねにより付勢される力(付勢力)との2つがあるため,電磁引外し装置が引外し部材に作用する位置におけるこれらの合力よりも吸引力が大きくなることが必要である。
例えば,比較的小さな短絡(コード短絡)の領域で引外し動作を行うことができるように,引外し装置の駆動が始まる短絡電流の大きさを小さくするような解決策として前記付勢ばねの付勢力と前記係合力の合力に打ち勝つよう,前記磁気回路を貫く磁束を多くするために,磁気回路の断面積,即ち電磁枠及び可動鉄片に用いる部材の厚さを厚くして対応するということが考えられるが,結果として,引外し装置の大型化を招く恐れがあり,ひいては回路遮断器の器体の大型化を招く恐れがあるため,電磁枠及び可動鉄片に用いる部材の厚さを厚くして対応するということは現実的ではなかった。
本発明は,このような課題を解決するために,回路遮断器の器体を大型化することなく比較的小さな短絡(コード短絡)の領域においても確実に動作が可能な回路遮断器を提供することを目的とするものである。
以上のような課題を解決するために,請求項1の発明においては,操作ハンドルのON/OFF操作を接触子の開閉動作に連動させるとともに,熱動−電磁式の引外し装置の作動によって接触子を開離させる開閉機構を有する回路遮断器において,前記引外し装置の作動によって引外される前記開閉機構に設けられるラッチ機構部は,前記電磁式の引外し装置によって,前記ラッチ機構部がラッチされる方向に付勢されることを特徴として回路遮断器を提供したものである。
これにより,前記ラッチ機構部は,前記電磁式の引外し装置によって該ラッチ機構部がラッチされる方向に付勢されているため,短絡時には,短絡電流による電磁力により,まず,電磁引外し装置が駆動を開始することにより,前記ラッチ機構部のラッチされる方向への付勢が解かれ,その後,該可動鉄片が固定鉄心に引き付けられることにより作用し,ラッチを引外す。即ち,前記電磁式の引き外し装置は,前記ラッチ機構部のラッチされる方向への付勢を解く第一段階,ラッチ機構部に電磁式の引外し装置が作用し,ラッチを引外す第二段階,というように駆動の際に段階的な役割を持たせて,該可動鉄片に空走距離を持たせるとともに引き外し荷重を軽減させ,比較的小さな電流により発生する電磁力であってもラッチ機構部に作用する際の力が十分であるように構成したため,該電磁式の引外し装置の駆動開始電流を小さくすることができ,小型でありながらも比較的小さな短絡(コード短絡)の領域においても確実に動作が可能な回路遮断器を提供することができる。
また,前記ラッチ機構部及び電磁式の引外し装置は,回路遮断器を構成する器体に回動自在に保持され,
該電磁式の引外し装置は,弾性部材により,前記ラッチ機構部がラッチされる方向に付勢されることを特徴として回路遮断器を提供したものである。
これにより,前記ラッチ機構部および前記電磁式の引外し装置を一つの弾性体により,前記ラッチ機構部がラッチされる方向に付勢を行うことができ,部品点数の削減,生産性の向上を行うことができる。
また,前記ラッチ機構部及び電磁式の引外し装置は,回路遮断器を構成する器体に,
該ラッチ機構部及び電磁式の引外し装置の各々の回動中心を略同一として保持されたことを特徴として回路遮断器を構成してもよい。
これにより,前記ラッチ機構部及び前記電磁式の引外し装置の各々の回動中心を略一致させることにより,吸引力を有効に活用することができ,効率よく引外し動作を行うことができる。
本件の発明によれば、回路遮断器の器体を大型化することなく,比較的小さな短絡(コード短絡)の領域においても確実に動作が可能な回路遮断器を提供することができる。
以下,本発明の実施の形態について,図面を用いて詳細に説明する。
図1は電源端子側を左側とした場合の回路遮断器の内部構造図を示している。図1では手前にL相,奥側にN相(図示しない)の配置となっている。
回路遮断器はその器体がケース100とカバー200とから構成されている。カバーは,前記L相及びN相各々に設けられ,図1は前記L相側のカバーを取り外した状態となっている。
器体には,電源端子101と負荷端子102が設けられ,該電源端子101から負荷端子102に至る通電路に,可動接点1031aを備えた可動接触子1031と,該可動接点1031aと対をなし対向して固定接点1032aを備えた固定接触子1032とからなる接点装置103と,該接点装置103を開極もしくは閉極操作するためのハンドル部材1041を含んでなる開閉機構104と,電路における過電流が発生した場合には開閉機構104に作用し,可動接点1031aを開極動作させるバイメタル装置を用いた熱動式の引き外し装置a105a及び,可動鉄片1053固定鉄心1054からなる電磁式の引外し装置b105bで構成された引外し装置105とが設けられている。
前記開閉機構104には,前記引外し装置105の作動によって引外されるラッチ機構部が設けられている。該ラッチ機構部は,通常時は,可動接触子1031をON位置,もしくはOFF位置に付勢するためのばね部材が設けられるアーム部材1043の一部が前記引外し装置の作動によって引き外し駆動される引外し部材1051に設けられるラッチ部にラッチし,引外し時は,前記引外し部材のラッチ部と前記アーム部材1043の一部とのラッチが解かれるように設けられている。
ケース100には,ハンドル部材1041がピン1042を介して回動自在に支持されている,ハンドル部材1041は図中下向きに延びる腕部1041aを有し,その一端に設けられた可動接触子係止部1041bにより可動接触子1031が回動自在に支承されている。
また,ケース100にはアーム1043がピン1044を介して回動自在に支持され,同じく引外し部材1051がピン1056を介して回動自在に支持されている。引外し部材1051には,アーム1043の一部が係合するためのラッチ部1052が設けられており,引外し部材1051にアーム1043が係合されている状態においてハンドル部材の操作により接点装置103の開極動作ならびに閉極動作が行えるように構成している。
アーム1043と可動接触子1031には,ばね部材の掛かり止め部1045aと1045bが設けられ,引張ばねからなるばね部材1045が掛けられるようになっており,互いが引き合わされるように付勢され、前記1041bにてリンクを構成するハンドル部材1041と可動接触子1031において,可動接触子1031のばね部材係止部1045bとハンドル部材1041の回動中心となるピン1042を結ぶ線を死線として,ON状態のときに可動接触子係止部1041bが死線を図中負荷端子側に越えるよう配置される。図1において可動接触子1031はON状態である図示姿勢を保っている。なお,ハンドル部材1041にはその回動の角度の上限を定めるようケース100と当接するハンドル回転角度規制部1041cを設けている。
ハンドル部材1041と可動接触子1031は前記1041bにてリンクを構成しており,図1において可動接触子1031はばね部材1045の復元力により,ハンドル部材1041は反時計回りに回転力を受けるとともに,可動接触子1031は時計回りに回転力を受け,固定接触子1032に押圧するようON状態を保っている(閉極状態)。次に,この状態から開極状態に操作させる場合について説明する。
図1において,ハンドル部材1041を右方向(時計回り)に回転操作すると,前記ピン1042を回転ねじとして腕部1041aは左方向(時計回り)に回動し,ハンドル部材1041と可動接触子1031とからなるリンクの前記死線を,可動接触子係止部1041bが越えることにより,可動接触子1031に対するばね部材1045の作用が反転して,可動接触子1031は可動接触子係止部1041bを回転中心として,反時計回りの方向に付勢され,固定接触子1032から開極動作する(図2 OFF状態)。
次に,電路に過電流が流れて引外し装置105が作用する場合について説明する。まず,前記回路遮断器の定格電流に対して過負荷となる領域では,図1において,ケース100に設けられた電路の一部を構成するバイメタル装置1055は,電路に過電流が流れると,図中上方の一端を支点として引外し部材1051と離れる方向にたわみ,引外し部材1051に設けられた動作時間を調整するための調整ねじ10515と係合し,引外し部材1051はピン1056を回動中心としてアーム1043とのラッチ部1052におけるラッチ量が少なくなる方向に回動する。
材料の高膨張側を可動鉄片1053側になるよう配置したバイメタル1055は,熱によるバイメタル1055の湾曲特性によって電磁枠1054側へ徐々に湾曲し,引外し部材1051の調節ねじ10515の先端に当接する。
調節ねじ10515の先端に当接したバイメタル1055は更に湾曲し,この押圧力によって引外し部材1051は,可動鉄片1053が当接した状態で回転を始める。引外し部材1051が回転を行うとともに,ラッチ部1052の係合はその係合量が徐々に少なくなり,ついには係合が外れ,開閉機構部のリンクのバランスがくずれて接点装置103は開極する。
図7に,バイメタル1055の湾曲による押し圧力によって引外し部材1051が可動鉄片1053とともに回動し,回路遮断器の閉極状態を維持しているアームと引外し部材1051とのラッチ部1052を引き外す瞬間の状態を示す。
回動が進みラッチが解かれると,アーム1043はピン1044を回動中心として図2中反時計回りに回動する。
それに伴い,ばね部材係止部1045aも反時計回りに回動し、ばね部材係止部1045bと,可動接触子係止部1041bを結ぶ線上を越えた場合には,可動接触子1031に対するばね部材1045の作用が反転して,可動接触子1031は可動接触子係止部1045bを回動中心として図中反時計回りの方向に力を受け固定接触子1032から開極動作,即ちトリップ動作する(図3 トリップ状態)。
次に,トリップ動作によりラッチが解かれたアーム1043と引外し部材1051とを再び係合させる,即ちリセット動作させるには,ハンドル部材1041を一旦図3中時計回り(OFF方向)に回動操作させ,該操作力によりハンドル部材1041の腕部1041aでアーム1043の回動中心となるピン1044近傍に設けられた突出部1043aを押圧することにより,アームを図3中反時計方向に回動中心をピン1044として回動させ,引外し部材のラッチ部1052の位置までアーム1043の係合部が持ち上げられることにより係合する。
次に図4を用いて,前記回路遮断器の定格電流に対して短絡となる領域で動作する電磁式の引外し装置105bについて詳しく説明する。
電磁式の引外し装置105bは,ラッチ部を構成し一端に設けた回動軸1056において回動自在に保持された引外し部材1051と,導体であるバイメタル1055近傍に配設され過電流が発生した際には電磁力により前記引外し部材1051に作用する可動鉄片1053と,該可動鉄片1053を吸引吸着せしめる可動鉄片吸着部10541を有する電磁枠1054とを含んで構成され,可動鉄片1053は引外し部材1051の回動軸を中心に回動自在に保持されるよう配設されている。
前記可動鉄片1053の先端部には,前記引外し部材1051に作用する係合部1053が設けられている。
引外し部材1051は,可動鉄片1053が電磁枠1054に吸引される際に当接するように,まず,回動軸1056からラッチ部1052を形成した部分が設けられ,その延長上に当接部を形成した部分が設けられている。また,引外し部材1051には引外し装置による引外し動作を妨げる方向,即ち可動鉄片1053が電磁枠1054に吸引される方向とは反対の方向に引外し部材1051を付勢するよう作用する弾性部材にて形成された引外し部材ばね10514が設けられている。
該引外し部材ばね10514は,巻きばねで構成されており,一端をケースに設けられた保持部で保持され,他端は可動鉄片1053に掛けられている。引外し部材ばね10514は,可動鉄片1053を,引外し部材回動軸を回動中心として引外し部材1051の方向に付勢するよう可動鉄片1053に作用する。
電磁枠1054と可動鉄片1053は,導体であるバイメタル1055を囲むように配置され,短絡電流が発生した場合には,前記バイメタルに流れる電流により生ずる電磁力により,可動鉄片1053が固定鉄心1054に吸引されて駆動することにより,引外し部材1051は,回動軸1056を中心に回転する。
平常の状態において可動鉄片1053は,引外し部材ばね10514の付勢力によって,可動鉄片1053と電磁枠1054とから構成される磁気回路において空隙を設ける方向に付勢されている。また,引外し部材1051は前記可動鉄片1053によって,開閉機構とのラッチによる係合が行われる方向に付勢されている。即ち,引外し部材ばね10514は,可動鉄片1053を図中時計回りに付勢させるとともに,前記引外し部材1051を前記可動鉄片1053を介して図中時計回りに付勢せしめるように設けられている。
バイメタル1055に短絡電流が流れた場合,前記バイメタルに流れる電流により生ずる電磁力により電磁枠1054と可動鉄片1053で形成される磁気回路によって,可動鉄片1053と電磁枠1054の間に吸引力が働き,まず,可動鉄片1053は,引外し部材ばね10514の付勢力に抗じて引外し部材1051の回動軸を中心に電磁枠1054の方向に回転を始める。
このとき,可動鉄片1053は,該可動鉄片1053に掛けられた引外し部材ばね10514の一端もあわせて圧縮するように回転を行う。引外し部材ばね10514の他端はケースの保持部に保持されているために,可動鉄片1053が吸引される方向に回転を始める場合,前記電磁力による吸引力は,前記引外し部材ばねによるモーメントに打ち勝つだけの大きさが得られればよい。即ち,可動鉄片1053は,従来のように引外し部材に一体に取付けられている構造でないため,吸引初期に必要な電磁力は小さくて済むものである。また,引外し部材1051は可動鉄片1053を介してラッチする方向に付勢される構造であるため,該可動鉄片1053が吸引された場合には該引外し部材1051をラッチ方向に付勢する力はなくなる。
次に,可動鉄片1053の回転が進み,可動鉄片1053の先端が引外し部材1051の当接部に当接した瞬間の状態を図5に示す。
この段階から,引外し部材1051は,可動鉄片1053が当接した状態で回転を始める。引外し部材1051が回転を行うとともに,ラッチ部1052の係合はその係合量が徐々に少なくなり,ついには係合が外れ,開閉機構部のリンクのバランスがくずれて接点装置103は開極する。
図6に可動鉄片1053とともに回動した引外し部材1051がアームとのラッチ部1052を引外した瞬間の状態を示す。可動鉄片1053はラッチ部1052の係合を引外した後,最終的に電磁枠1054の可動鉄片吸着部10541に吸着する。接点装置103が開極した時点で,導体に流れる電流はなくなるとともに,電磁力がなくなり,再び可動鉄片1053は引外し部材ばね10514の力により,磁気回路における空隙が増加する方向に付勢され,可動鉄片1053は引外し部材1051に当接し,あわせて引外し部材1051も同方向に付勢され,トリップ位置になる。
さて,先に説明した引外し装置の動作において,可動鉄片が電磁枠に吸引されて回転を行う途中で引外し部材ばねは引外し部材に作用しなくなることを説明した。従来の引外し装置においては,可動鉄片がねじ止めなどにより引外し部材と一体化されているため,可動鉄片と引外し部材に初期の空隙(空走距離)がなく,可動鉄片による引外し部材への打撃力(衝撃力)が見込めず,さらには,引外し部材ばね荷重と係合力が可動鉄片に加わっているため,可動鉄片が駆動を始める短絡電流の大きさは大きくなっていた。駆動を始める短絡電流の大きさを小さくしようとすると,引外し部材ばねの付勢力と係合力に打ち勝つよう,磁気回路を貫く磁束を多くするために,磁気回路の断面積,即ち電磁枠及び可動鉄片に用いる部材の厚さを厚くする必要があり,引外し装置の大型化を招く恐れがあった。
本発明においては,前記ラッチ機構部は,前記電磁式の引外し装置によって該ラッチ機構部がラッチされる方向に付勢されているため,短絡時には,短絡電流による電磁力により,まず,電磁引外し装置が駆動を開始することにより,前記ラッチ機構部のラッチされる方向への付勢が解かれ,その後,該可動鉄片が固定鉄心に引き付けられることにより作用し,ラッチを引外す。即ち,前記電磁式の引き外し装置は,前記ラッチ機構部のラッチされる方向への付勢を解く第一段階,ラッチ機構部に電磁式の引外し装置が作用し,ラッチを引外す第二段階,というように駆動の際に段階的な役割を持たせて,該可動鉄片に空走距離を持たせるとともに引き外し荷重を軽減させ,比較的小さな電流により発生する電磁力であってもラッチ機構部に作用する際の力が十分であるように構成したため,該電磁式の引外し装置の駆動開始電流を小さくすることができ,小型でありながらも比較的小さな短絡(コード短絡)の領域においても確実に動作が可能な回路遮断器を提供することができる。
本発明の引外し装置においては,部品点数を削減し,さらに,駆動の途中で引外し部材ばね10514の引外し部材1051への作用をなくすことが可能であるため,引外し部材1051の引外し力はラッチ部1052における係合力の引外し方向の分力に相当する大きさだけでよくなるため,引外し装置103における駆動を始める短絡電流の大きさをより小さくできる。即ち,引外しを行える短絡電流の大きさを小さくできることにより,電路の保護能力が向上できる引外し装置103を提供できるという副次効果もあることを付け加えておく。
本発明は,器体を大型化することなく比較的小さな短絡(コード保護)の領域においても確実な遮断動作が可能な回路遮断器への適用が可能である。また,複雑な形状をした部品を使用する必要がなくなるため,回路遮断器の組み立てにおいて,自動化を行う際にも有効であり,より一層の生産性向上を望むことができる。
本発明の回路遮断器の内部構造図。(ON状態) 本発明の回路遮断器の内部構造図。(OFF状態) 本発明の回路遮断器の内部構造図。(TRIP状態) 引外し装置の動作図1。 引外し装置の動作図2。 引外し装置の動作図3。 引外し装置の動作図4。 従来の回路遮断器の瞬時引外し装置の構造の例を示している。
符号の説明
1 回路遮断器
100 カバー
101 電源側端子
102 負荷側端子
103 接点装置
1031a 可動接点
1031 可動接触子
1032a 固定接点
1032 固定接触子
104 開閉機構部
1041 ハンドル部材
1041a ハンドル脚部
1041b 可動接触子係止部
1041c ハンドル回転角度規制部
1042 ハンドルピン
1043 アーム部材
1043a 突出部
1044 アームピン
1045 ばね部材
1045a ばね部材係止部
1045b ばね部材係止部
105 引外し装置
1051 引外し部材
10512 回動軸
10513 当接部
10514 引外し部材ばね
10515 調節ねじ
1052 ラッチ部
1053 電磁鉄片
1054 電磁枠
10541 可動鉄片吸着部
1055 バイメタル
1056 引外し部材ピン



Claims (3)

  1. 操作ハンドルのON/OFF操作を接触子の開閉動作に連動させるとともに,
    熱動−電磁式の引外し装置の作動によって接触子を開離させる開閉機構を有する回路遮断器において,
    前記引外し装置の作動によって引外される前記開閉機構に設けられるラッチ機構部は,
    前記電磁式の引外し装置によって,前記ラッチ機構部がラッチされる方向に付勢されることを特徴とする回路遮断器。
  2. 前記ラッチ機構部及び電磁式の引外し装置は,回路遮断器を構成する器体に回動自在に保持され,
    該電磁式の引外し装置は,弾性部材により,前記ラッチ機構部がラッチされる方向に付勢されることを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  3. 前記ラッチ機構部及び電磁式の引外し装置は,回路遮断器を構成する器体に,
    該ラッチ機構部及び電磁式の引外し装置の各々の回動中心を略同一として保持されたことを特徴とする請求項2記載の回路遮断器。

JP2007048631A 2007-02-28 2007-02-28 回路遮断器 Active JP4928307B2 (ja)

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