JP4926594B2 - ポリ乳酸製熱収縮材の製造方法および該方法で製造されたポリ乳酸製熱収縮材 - Google Patents
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このような石油合成高分子材料の廃棄処理の問題点を解決する材料として、デンプンやポリ乳酸に代表される生分解性高分子材料が注目されてきている。生分解性高分子材料は、石油合成高分子材料に比べて、燃焼に伴う熱量が少なく、かつ自然環境での分解・再合成のサイクルが保たれるので、生態系を含む地球環境に悪影響を与えない。生分解性高分子材料のなかでも、脂肪族ポリエステル系樹脂は強度や加工性の点で石油合成高分子材料に匹敵する特性を有し、近年特に注目を浴びている素材である。
脂肪族ポリエステル系樹脂のなかでも、主に植物から供給されるデンプンから製造されポリ乳酸は、近年の大量生産でコストダウンが図られてきており、他の生分解性高分子材料に比べて非常に安価になりつつある点から、現在その応用について多くの検討がなされている。
さらに、ポリ乳酸は、その特性の面から見ても汎用の石油合成高分子材料に匹敵する加工性、強度を有することから、石油合成高分子材料の代替材料にもっとも近い生分解性樹脂である。
このような著しい特性の変化は、ポリ乳酸の結晶構造に由来している。すなわち、溶融成形後の通常の冷却スピードでは、ポリ乳酸はほとんど結晶化せず、大部分は非結晶となる。ポリ乳酸は融点が160℃と高く、結晶部分は容易に融けないが、大部分を占める非結晶部分はガラス転移温度の60℃付近で拘束が解けて動き始める。そのため、ガラス転移温度の60℃付近で極端な特性変化を生じる。
特許文献1では、ポリ乳酸と低濃度のアリル基を有するモノマーの混合物を放射線の照射あるいは化学開始剤の混合により架橋し、架橋後に延伸させておき、加熱されると収縮する構成としている。
本発明のポリ乳酸製熱収縮材は、ポリ乳酸を架橋したのち、延伸・膨張などにより変形させたまま冷却し固めることにより得られるものである。使用時に再び加熱して架橋により記憶させた形状に復帰することで熱収縮材としての目的を達成することができる。そのため、ポリ乳酸が過度に架橋されている場合には、ポリ乳酸分子が拘束されることになり、延伸・膨張などによる変形量を大きくすることができないことになり、十分な熱収縮性能を有する熱収縮材を得ることができなくなる。
したがって、熱収縮材としての十分な熱収縮性能を得るには、ポリ乳酸分子の架橋を上限と下限とを有する一定範囲に設定する必要がある。この熱収縮性能が良好である架橋の最適範囲が、可塑剤を除いた成分のゲル分率が80質量%〜90質量%であることを本発明者らは見出した。
前記混練物から成形機を用いてチューブ、シートあるいはフィルムからなるポリ乳酸成形物を成形し、
前記ポリ乳酸成形物に電離性放射線を10kGy以上20kGy以下で照射して架橋し、可塑剤を除く成分のゲル分率が80質量%〜90質量%のポリ乳酸架橋物とし、
前記ポリ乳酸架橋物を160〜180℃で加熱して2〜5倍延伸させており、
使用時に前記延伸時の温度以上に加熱すると、延伸工程前の架橋により記憶させた形状に収縮できることを特徴とするポリ乳酸製熱収縮材の製造方法を提供している。
可塑剤を除く成分のゲル分率とは、可塑剤を除いたポリ乳酸熱収縮材の乾燥質量に対する、架橋されているポリ乳酸の乾燥質量の割合を示す。該ゲル分率は下記の方法で測定している。
ポリ乳酸製熱収縮材の乾燥質量を正確に計ったのち、目空き200μmのメッシュのステンレス金網に包み、サンプル質量の100倍以上のクロロホルム中で48時間煮沸したのちに、クロロホルムに溶解したゾル分を除いて残ったゲル分を得る。50℃で24時間乾燥して、ゲル中のクロロホルムを除去し、サンプルの乾燥質量を測定する。得られた値をもとに下記式に基づき可塑剤を除く成分のゲル分率を算出する。
可塑剤を除く成分のゲル分率(%)={a/(b−c)}×100
なお、可塑剤の含有量は、各成分の配合比から算出している。
a;クロロホルム浸漬後のサンプルの乾燥質量
b;クロロホルム浸漬前のサンプルの乾燥質量
c:可塑剤の含有量
従来の石油合成樹脂の熱収縮材では収縮に必要なゲル分率が10〜30質量%であるのに対して、本発明では、ポリ乳酸を用いていると共に可塑剤を配合していることで、ゲル分率を80〜90質量%まで高めても熱収縮性を付与できるようにしている。
前記のように、ゲル分率を80〜90質量%とすることで、ポリマー内に無数の三次元網目構造が生成し、ガラス転移温度以上でも変形しない耐熱性も付与することができる。 一方、加熱下での延伸時において、ポリ乳酸の融点以上の温度で加熱して延伸しているため、ポリ乳酸は非結晶部分と共に結晶部分も融けて延伸される。その形状のまま冷却されると非結晶部分と結晶部分が固まって延伸が維持されるが、モノマーによる強固な三次元網目構造が延伸による歪みを記憶している。その後、再び加熱するとガラス転移温度で非結晶部分が融けても結晶部分によって延伸は維持され、融点に達して結晶部分が融けて初めて三次元網目構造に蓄えられていた歪みが解放されて収縮して元の形状に回復する。
しかし、ポリ乳酸製熱収縮材中に10質量%以上20質量%以下の可塑剤を含有させると共に、ゲル分率を80〜90質量%となるようにポリ乳酸を架橋することにより、ガラス転移温度である60℃以下、さらに室温付近でも柔軟性を備えると共に、熱収縮性能にも優れたポリ乳酸製熱収縮材を作製することができることを本発明者らは見出した。
これは、可塑剤が未架橋のポリ乳酸成分の代わりに、分子間の相互作用を低下させたためであると推定される。すなわち、ポリ乳酸が熱収縮性を示すには、未架橋のポリ乳酸あるいは可塑剤のいずれにしても、架橋されていない成分を20〜40質量%含有することが必要であると認められる。
このように、可塑剤を含有しない場合に比べて、可塑剤を含有させると共に、ゲル分率を向上させた十分な架橋を施すことにより、ガラス転移温度である60℃以下、室温付近でも柔軟性を備え、製造時には巻き取りが可能であり、かつ使用時には内包物の形状に合わせた変形に対する靭性のあるポリ乳酸製熱収縮材を作製することができる。
本発明で用いるポリ乳酸としては前記のようなホモポリマーが好ましいが、乳酸モノマーまたはラクチドとそれらと共重合可能な他の成分とが共重合されたポリ乳酸コポリマーを用いても良い。コポリマーを形成する前記「他の成分」としては、例えばグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、5−ヒドロキシ吉草酸もしくは6−ヒドロキシカプロン酸などに代表されるヒドロキシカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、デカンジカルボン酸、テレフタル酸もしくはイソフタル酸などに代表されるジカルボン酸;エチレングリコール、プロパンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、グリセリン、ソルビタンもしくはポリエチレングリコールなどに代表される多価アルコール;グリコリド、ε−カプロラクトンもしくはδ−ブチロラクトンに代表されるラクトン類等が挙げられる。
トリアリルイソシアヌレートの市販例としては、日本化成工業(株)製TAIC(商品名,登録商標)が挙げられる。
一方、架橋性モノマーの配合量がポリ乳酸100質量部に対して4質量部を超えると、ポリ乳酸に確実に全量を均一に混合するのが困難になり、実質的に架橋効果に顕著な差が出ないことによる。
例えば、ポリ乳酸以外の生分解性樹脂を配合しても良い。ポリ乳酸以外の生分解性樹脂としては、ラクトン樹脂、脂肪族ポリエステルもしくはポリビニルアルコール等の合成生分解性樹脂、またはポリヒドロキシブチレート・バリレート等の天然直鎖状ポリエステル系樹脂等の天然生分解性樹脂を挙げることができる。
また、生分解性を有する合成高分子あるいは/および天然高分子を、溶融特性を損なわない範囲で混合してもよい。生分解性を有する合成高分子としては、酢酸セルロース、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、硝酸セルロース、硫酸セルロース、セルロースアセテートブチレートもしくは硝酸酢酸セルロース等のセルロースエステル、またはポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸もしくはポリロイシン等のポリペプチドが挙げられる。天然高分子としては、例えば澱粉として、トウモロコシ澱粉、コムギ澱粉もしくはコメ澱粉などの生澱粉、または酢酸エステル化澱粉、メチルエーテル化澱粉もしくはアミロース等の加工澱粉が挙げられる。
具体的には、ポリ乳酸の融点以上の温度に加熱し軟化させた状態、あるいはクロロホルムやクレゾール等の溶媒中に溶解または分散した状態とし、そこに可塑剤および所望により他の成分を投入し、均一に混練している。
混練時間は可塑剤や架橋性モノマーの種類や混練時の温度によって適宜選択すればよい。また、混合順序も特に問わず、全ての成分を一度に混ぜ合わせても良いし、一部を予め混ぜ合わせ、得られた混練物に他の成分を混合しても良い。
前記ポリ乳酸成形物は公知の方法で製造することができる。例えば上述したポリ乳酸、架橋性モノマー、可塑剤および所望により他の成分を含む組成物を、例えば押出成形機、圧縮成形機、真空成形機、ブロー成形機、Tダイ型成形機、射出成形機またはインフレーション成形機等の公知の成形機を用いて、所望の形状に成形することによりポリ乳酸成形物を得ることができる。
電離性放射線の照射は空気を除いた不活性雰囲気下や真空下で行うのが好ましい。電離性放射線の照射によって生成した活性種が空気中の酸素と結合して失活すると架橋効率が低下するためである。
また、チューブ状の場合には、チューブが加熱炉内を通った後に低気圧に保った容器内を通るようにして外側に膨張させて、その後に冷却する方法で変形させる。
ガラス転移温度以上融点までの範囲(60〜150℃)で延伸すると、ガラス転移温度で非結晶がとけて変形するので、60℃で熱収縮が発生するが、結晶部分は収縮しないため、熱収縮率は大きくならない。よって、熱収縮率を大きくするためには、結晶部分も解ける160℃〜180℃で延伸させておき、160℃以上の160℃〜180℃で収縮させることにより、熱収縮率を40〜80%と大きくすることができる。
なお、熱収縮率は、延伸倍率にかかわらず、140℃までの温度では5%以下であり、150℃で40%前後である。しかし、160℃以上に加熱すると、65〜70%となるため、延伸倍率は2倍以上3倍以下、より好ましくは2.5倍以下としている。延伸は1軸、2軸、多軸のいずれでも良く、ロール法、テンター法、チューブ法等の方法で延伸している。
よって、延伸時の温度を160〜180℃とすれば、160℃以上の加熱で収縮し、強固な三次元網目構造より熱収縮率を40〜80%と飛躍的に高めることができる。
なお、示差走査熱量計による熱量解析は実施形態に記載の方法で測定している。
シートの場合
(長さ)熱収縮率(%)=(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/(収縮前の長さ)×100
チューブの場合
(内径)熱収縮率(%)=(収縮前の内径−収縮後の内径)/(収縮前の内径)×100
このように、本発明は生分解性というポリ乳酸の長所を維持したまま、ガラス転移温度以下において硬くて脆いという欠点を改良するものである。生分解性樹脂本来の目的である石油由来の汎用プラスチックの代替となる可能性を大幅に向上させるものである。
本発明のポリ乳酸製熱収縮材は、ポリ乳酸と架橋性モノマーと可塑剤を含むポリ乳酸組成物からなり、前記ポリ乳酸組成物中に前記可塑剤が10質量%以上20質量%以下の割合で配合され、前記可塑剤を除く成分のゲル分率が80〜90質量%とされている。
まず、ポリ乳酸を加熱により軟化させるか、あるいはクロロホルムやクレゾール等のポリ乳酸が溶解しうる溶媒中にポリ乳酸を溶解または分散させる。本実施形態では溶媒を用いず、ポリ乳酸を加熱により軟化させている。
ついで、架橋性モノマー、可塑剤を添加している。
架橋性モノマーとしてはトリアリルイソシアヌレートを、ポリ乳酸100質量部に対して1質量部以上4質量部以下添加している。可塑剤としては、グリセリン誘導体であるグリセロールトリアセテートを、ポリ乳酸組成物への配合量が10質量%以上20質量%以下となるように添加している。
添加後、架橋性モノマーおよび可塑剤が均一になるように撹拌混合する。ついで、溶媒を用いた場合には、さらに溶媒を乾燥除去しても良い。
前記ポリ乳酸組成物の成形は、例えば押出成形機、圧縮成形機、真空成形機、ブロー成形機、Tダイ型成形機、射出成形機またはインフレーション成形機等の公知の成形機を用いて行なうことができる。
電離性放射線は、電子線加速器による電子線照射とし、本実施形態では放射線照射量は10kGy以上20kGy以下としている。その結果、得られるポリ乳酸架橋物のゲル分率は、80〜90質量%となっている。
放射線照射量は、電離性放射線照射後に得られるポリ乳酸架橋物のゲル分率が可塑剤を除いて80〜90質量%になることを目安に選択している。
この状態のままガラス転移温度以下に冷却し固めて、本発明のポリ乳酸製熱収縮材を製造している。冷却は放冷により徐々に冷却しても良いが、本実施形態では水冷などにより急冷している。
本発明のポリ乳酸製熱収縮材は、可塑剤を10〜20質量%含有させて分子間の相互作用を低下させることにより、ポリ乳酸が過度に架橋するのを防ぐことができるため、延伸・膨張などによる変形量を大きくすることができ、大きな熱収縮性能を備えることができる。
また、前記のように可塑剤を除くゲル分率を80〜90質量%の架橋構造としているため、延伸工程で最大5倍程度まで延伸させることができる一方、融点以上の加熱時に架橋の網目による形状記憶で40〜80%程度収縮させることができる。かつ、融点以上まで加熱されない限り、架橋構造によるネットワークにより形状変形が発生するのを抑止でき、耐熱性を高めることができる。
(実施例1)
ポリ乳酸を、池貝鉄工(株)製PCM30型押出機を用いてシリンダ温度180℃で溶融押出する際に、ペレットの供給部に、架橋性モノマーと可塑剤をペリスタポンプにて定速滴下してポリ乳酸に添加した。ポリ乳酸として、ペレット状の三井化学(株)製ポリ乳酸レイシア(LACEA)H−440(商品名)、架橋性モノマーとしてはアリル系モノマーである日本化成工業(株)製TAIC(商品名)、可塑剤としてはグリセリン誘導体であるグリセロールトリアセテート(有機合成薬品工業(株)製トリアセチン)を使用した。
その際、架橋性モノマーはポリ乳酸90質量部に対して3質量部となるように、可塑剤はポリ乳酸組成物全体の10質量%になるように、架橋性モノマー液の添加する速度と押出機の速度の比率を調整した。押出品は水冷したのち、ペレタイザーにてペレット化し、ポリ乳酸、架橋性モノマー、可塑剤のペレット状の混練物を得た。
架橋性モノマーの量をポリ乳酸85質量部に対して3質量部、可塑剤の量をポリ乳酸組成物全体の15質量%になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にした。
(実施例3)
架橋性モノマーの量をポリ乳酸80質量部に対して3質量部、可塑剤の量をポリ乳酸組成物全体の20質量%になるようにしたこと以外は、実施例1と同様にした。
電子線の照射を行なわず、照射量を0kGyとしたこと以外は実施例1〜3と同様にして、比較例1〜3とした。
(比較例4)
ポリ乳酸97質量部に対して架橋性モノマー3質量部とし、可塑剤を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にした。
(比較例5)
可塑剤としてトリアセチンの代わりにジカルボン酸系の可塑剤である大八化学製DAIFFATY−101(商品名)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例5とした。
以上の実施例および比較例で得られたチューブについて、以下の方法で評価を行なった。
押出・水冷後のチューブをロールに巻き取る際に、チューブの変形および割れがなく巻き取れるロールの直径を計測した。
前記実施例および比較例のチューブを200℃の恒温槽にチューブを5分入れて加熱した後に、外径20mmの金属棒を挿入して試料の内径を2倍に膨張させた状態で冷却し、ポリ乳酸製熱収縮材となる熱膨張チューブを作製した。
この熱膨張チューブの作製時において、チューブが溶解したり、裂けたりすることがなく熱膨張させることができるかを観察した。
前記熱膨張チューブが熱収縮により熱膨張前の内径に戻るかを評価するため、復元率の評価を行なった。
復元率は、前記熱膨張性評価において熱膨張が可能であったものについて、ドライヤーで加熱してチューブを収縮させて内径を測定し、下記の式から算出した。
復元率(%)={(B−C)/(B−A)}×100
A:膨張前の内径、B:熱収縮前の内径、C:熱収縮後の内径
なお、ゲル分率の評価は前述した通りである。
実施例1〜3のチューブは、図1に示すように電子線照射量10〜20kGyの範囲においてゲル分率が80〜90質量%であり、ポリ乳酸が十分に架橋されていた。また、いずれのチューブも、押出後1m以下の小さな直径のロールに巻きとることができ、かつ、加熱により100%形状の復元が可能であり、熱収縮性能にも優れたものであった。熱収縮加工後は径が広く、膜厚が薄くなったため、多少つぶれやすくはなったが、径方向に圧縮すると弾力もあって柔軟な印象を得た。
また、可塑剤を配合しなかった比較例4では、図1に示すようにいずれの電子線照射量の条件においても70質量%以上100質量%以下のゲル分率となり、ポリ乳酸は十分に架橋していた。しかし、電子線照射量5kGyのチューブが膨張可能で100%の熱収縮率が得られた以外は金属棒を挿入するとチューブが裂けて膨張させることができなかった。さらに、直径10mよりも小さいロールには巻き取ることができず、常温において硬く、柔軟性に欠けるものであった。
また、可塑剤としてDAIFFATY−101を用いた比較例5では、図1に示すようにゲル分率が70質量%よりも小さく、ポリ乳酸の架橋が不十分であった。また、熱膨張評価の際に200℃の恒温槽内でチューブが溶解し、チューブを膨張させることができなかった。
Claims (2)
- ポリ乳酸100質量部に、トリアリルイソシアヌレートからなる架橋性モノマーを1質量部以上4質量部以下、グリセロールトリアセテートからなる可塑剤を10質量%以上20質量%以下の割合で配合して混練し、
前記混練物から成形機を用いてチューブ、シートあるいはフィルムからなるポリ乳酸成形物を成形し、
前記ポリ乳酸成形物に電離性放射線を10kGy以上20kGy以下で照射して架橋し、可塑剤を除く成分のゲル分率が80質量%〜90質量%以下のポリ乳酸架橋物とし、
前記ポリ乳酸架橋物を160〜180℃で加熱して2〜5倍延伸させており、
使用時に前記延伸時の温度以上に加熱すると、延伸工程前の架橋により記憶させた形状に収縮できることを特徴とするポリ乳酸製熱収縮材の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法で製造され、示差走査熱量計による−50℃から200℃までの熱量解析において30℃以上40℃以下にガラス転移温度のピークを示すポリ乳酸製熱収縮材。
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