JP4925468B2 - 液晶流動の高効率形成機構、液晶流動の高効率形成方法および液晶流動を用いた高効率物体移動機構 - Google Patents

液晶流動の高効率形成機構、液晶流動の高効率形成方法および液晶流動を用いた高効率物体移動機構 Download PDF

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Description

本発明は、液晶流動の高効率形成機構、液晶流動の高効率形成方法および液晶流動を用いた高効率物体移動機構に関する。液晶とは、流動性はあるが、光学的には異方性で、複屈折を示し、結晶のような性質をもつ状態又はそのような状態を示す物質をいう。この液晶に対して電界や磁界を加えると、全ての液晶分子は、その重心周りに回転し、その軸方向が電界や磁界の方向に対して液晶固有の角度に配向する。本発明は、かかる液晶の性質を利用した液晶流動を用いた高効率物体移動機構、液晶流動の高効率形成機構および液晶流動の高効率形成方法に関する。
従来から液晶は、液晶分子が配向することによってその光学的性質が変化するため、この性質を利用して液晶ディスプレー等の情報表示装置に使用されている。
また、液晶は、電界や磁界を加えて液晶分子の配向方向を変化させるとその粘性が変化する。つまり、液晶は、電気粘性流体としての性質も有しているので、この性質を利用した軸受やダンパー等が開発されている。
一方、液晶分子が配向するときに、液晶流動が発生することが知られており、かかる液晶流動を工業的に利用する技術も開発されている(特許文献1)。
特許文献1には、対向する一対の壁面を有する流路と、この流路の壁面と交わる面内で液晶分子を回転させる液晶分子回転手段と、一対の壁面に設けられた一対の配向膜とを備えた液晶流動機構が開示されている。この液晶流動機構では、一対の壁面に設けられた一対の配向膜に同じ向きにラビング処理が施されており、一対の壁面間で液晶分子がツイストしている。
このため、液晶分子回転手段によって液晶分子を回転させれば、流路内に流量が0とならない液晶流動を発生させることができるから、この液晶流動を、物体を移動させる装置やセンサ、アクチュエータなどに利用することができる。
ところで、上記特許文献1の技術は、工業的に利用可能な液晶流動を発生させることができる点で有効な技術であるが、液晶流動の工業的な利用価値を高める上では、液晶流動の流量が大きい方が好ましく、液晶流動の流量を増加させる技術の開発が望まれている。
特許第3586734号
本発明はかかる事情に鑑み、工業的に利用可能な液晶流動を形成することができ、しかも、その流量や運動量を増加させることができる液晶流動の高効率形成機構および液晶流動の高効率形成方法、および液晶流動を用いた高効率物体移動機構を提供することを目的とする。
請求項1の液晶流動の高効率形成機構は、流路と、該流路の壁面に沿って移動可能に設けられた液晶と、該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加えて、該液晶の液晶分子を前記流路の壁面と交わる面内で回転させる液晶分子回転手段とからなり、前記液晶分子回転手段が、前記流路の一の壁面と交差する方向から、該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える回転手段と、該回転手段が前記液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える方向と交差する方向から、該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える復帰手段とを備えていることを特徴とする。
請求項2の液晶流動を用いた高効率物体移動機構は、移動が固定された固定部材と、該固定部材と対向するように配置され、該固定部材に対して相対的に移動可能に設けられた移動部材と、該移動部材における前記固定部材と対向する移動側対向面と、前記固定部材における前記移動部材と対向する固定側対向面との間に配置された液晶と、前記液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加えて、該液晶の液晶分子を、前記移動部材の移動側対向面または前記固定部材の固定側対向面と交わる面内において回転させる液晶分子回転手段とからなり、前記液晶分子回転手段が、前記移動部材の移動側対向面または前記固定部材の固定側対向面と交差する方向から、該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える回転手段と、該回転手段が前記液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える方向と交差する方向から、該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える復帰手段とを備えていることを特徴とする。
請求項3の液晶流動の高効率形成方法は、液晶を流路内に配置し、前記液晶に対して、前記流路の一の壁面と交わる方向に沿って電界または磁界を加えることができる回転手段と、前記回転手段が前記液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える方向と交差する方向から、該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加えることができる復帰手段とによって、交互に電界または磁界を前記液晶に加えることを特徴とする。
第1発明によれば、回転手段と復帰手段から交互に液晶に対して電界または磁界を加えれば、各液晶分子を、その重心周りに揺動させることができ、液晶分子の揺動に起因する液晶流動を発生させることができる。そして、各手段から電界または磁界を加えるタイミング時間を制御すれば、発生する液晶流動の流量や流動方向をコントロールすることができるから、液晶流動をより工業的に利用しやすくすることができる。
第2発明によれば、回転手段と復帰手段から交互に液晶に対して電界または磁界を加えれば、各液晶分子を、その重心周りに揺動させることができる。すると、液晶分子の揺動に起因する液晶流動を発生させることができるから、移動部材を、固定部材に対して液晶流動の方向に移動させることができる。よって、液晶の流動を部材の移動に利用することができるので、液晶を利用した搬送装置等に応用することができる。そして、各手段から電界または磁界を加えるタイミング時間を制御すれば、発生する液晶流動の流量や流動方向をコントロールすることができるから、移動部材の移動量や移動方向を制御することができる。
第3発明によれば、回転手段と復帰手段から交互に液晶に対して電界または磁界を加えれば、各液晶分子を、その重心周りに揺動させることができ、液晶分子の揺動に起因する液晶流動を発生させることができる。そして、各手段から電界または磁界を加えるタイミング時間を制御すれば、発生する液晶流動の流量や流動方向をコントロールすることができるから、液晶流動をより工業的に利用しやすくすることができる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
まず、本発明の液晶流動の高効率形成機構を説明する前に、液晶に電界や磁界を加えたときに、液晶流動が発生する原理を説明する。
なお、液晶は、電界や磁界を加えたときに、電界や磁界の方向に対して液晶分子の軸方向が液晶固有の角度に配向するが、以下には、電界や磁界を加えたときに、液晶分子の軸方向が電界や磁界の方向と平行になるような液晶について説明する。
また、液晶分子は、電界、磁界いずれを加えた場合でも配向するので、以下には電界を加える場合のみを説明する。
図3は電界が加えられたときにおける液晶分子mの動きの説明図である。図4は平行板P上に載せられた液晶LCに電界が加えられたときにおける液晶分子mの動きの説明図である。
なお、図4において、液晶分子mが重心周りに回転したときに、液晶分子mは平行板Pの表面に沿って移動(並進移動)するのであるが、説明を分かりやすくするために並進移動をさせない状態で記載している。
図3に示すように、液晶LCに、その液晶分子mの軸方向と交差するように電界efを加えると、液晶分子mは、その回転角度が小さくなる方向(図3(A) では矢印の方向)に、その軸方向が電界efと一致するまで回転する(図3(B) )。すると、各液晶分子mの周囲には速度勾配が発生するので、液晶流動が発生するのである(図3(C) )。
ここで、図4 に示すように、平板P等に接触している液晶LCでは、平行板P等の壁面近傍に位置する液晶分子mは、壁面と液晶分子mとの間に生じる分子間相互作用の影響により、壁面から離れて位置する液晶分子mに比べてその重心周りの回転や並進移動が若干制限される。すると、電界efを加えても、平行板Pの近傍に位置する液晶分子mは、その軸方向が電界efと一致するまで回転することができず、回転量が小さくなり、液晶分子mの回転によってその周囲に形成される速度勾配も小さくなる(図4(B)、(C) )。
したがって、平板P等に接触するように配置された液晶LCでは、電界efを加えたときに、液晶LC内に、図4(D)に示すような速度分布を有する液晶分子mの流れが発生するのである。
さて、本発明の液晶流動の高効率形成機構を説明する。
図1は本発明の液晶流動の高効率形成機構の概略説明図であり、(A) は電界efを加える前の液晶分子mの状態を示したYZ断面図であり、(B) はYZ断面図において電界efを加えたときにおける液晶分子の配列を示した図であり、(C) は流路Lが筒状の流路である場合の概略説明図である。図2は本発明の液晶流動の高効率形成機構の概略説明図であり、(A) は電界efの印加をやめたときにおける液晶分子の配列を示した図でありYZ断面図であり、(B) はYZ断面図において磁界bfを加えたときにおける液晶分子の配列を示した図であり、(C) はYZ断面図において磁界bfを加えたときに一対の壁面B,B間に発生する液晶の速度分布を示した図である。
なお、図1(B)、図2(B)では、図面を分かり易くするために、コイルCLは省略している。
図1において、符号Lは、後述する液晶LCが流動する流路を示している。この流路Lは、対向する一対の壁面B,Bを備えている。この一対の壁面B,Bは、互いに平行かつ、いずれの壁面Bも平坦面に形成されている。この一対の壁面B,Bには、配向膜が設けられておらず、また、ラビングレス処理もされていない。
なお、対向する一対の壁面B,Bは平行でなくてもよく、一方の壁面Bに対して他方の壁面Bが傾斜していてもよい。
さらになお、各壁面Bは平坦面でなくてもよい。例えば一方の壁面Bが平坦面であって他方の壁面Bが凹凸を有する面でもよいし、いずれの壁面Bも凹凸を有する面であってもよい。
前記流路Lの一対の壁面B,B間には、液晶LCが入れられている。この液晶LCは、例えばネマティック液晶やスメクティック液晶、コレステリック液晶、ディスコティック液晶等であるが、電界を加えたときに、液晶分子が回転する液晶であれば、特に限定はない。
図1に示すように、流路Lの内部において、前記一対の壁面B ,Bの内面には、それぞれ一対の電極E,Eが設けられている。この一対の電極E,Eは、両者を結ぶ線が一対の壁面B ,Bと垂直になるように配設されている。
さらに、流路Lの一対の壁面B,Bの外方には、コイルCLが設けられている。このコイルCLは、その軸方向が電界efの方向と交差するように配設されている。具体的には、コイルCLは、その軸方向が、電界efの方向に対して直交しないように配設されている。
そして、前記一対の電極E,EおよびコイルCLは、いずれも制御装置Dに接続されている。この制御装置Dは、一対の電極E,Eに電圧を供給するタイミングや電圧値を制御しており、また、コイルCLに電流を供給するタイミングやその電流値を制御している。
このため、制御装置Dによって一対の電極E,Eに電圧を加えれば、一対の壁面B,B間に、一対の壁面B,Bと垂直な電界efを形成することができる(図1(B))。
また、制御装置DによってコイルCLに電流を流せば、コイルCLの周囲にその軸方向に沿った磁界bfを形成することができる。つまり、電界efの方向と交差する磁界bfを形成することができるのである(図2(B))。
この一対の電極E,E、コイルCLおよび制御装置Dが液晶分子回転手段CBを構成しており、一対の電極E,Eが特許請求の範囲にいう回転手段に相当し、コイルCLが特許請求の範囲にいう復帰手段に相当する。
つぎに、本実施形態の液晶流動の高効率形成機構の作用と効果を説明する。
まず、制御装置Dによって一対の電極E,E間に電圧を加えると、流路L内の一対の壁面B,B間に、一対の壁面B,Bと垂直な方向の電界efが発生する。すると、液晶LCの全ての液晶分子mは、その軸方向が電界efと平行になるように各液晶分子mの重心周りに回転する(図1(A)、(B))。
このとき、一対の壁面B,Bには配向膜がなくまたラビングレス処理をしていないので、電界efが印加されるまでは流路L内の液晶分子mの方向はばらばらであり、流路L内には特定の方向への液晶流動は発生しない。
液晶LCの全ての液晶分子mが電界efと平行となると、一対の電極E,E間への電圧の印加をやめる。しかし、一対の壁面B,Bには配向膜がなくまたラビングレス処理をしていないので、全ての液晶分子mが電界efと平行なままで維持される。
ついで、制御装置DによってコイルCLに電流を流せば、コイルCLの周囲にその軸方向に沿った磁界bfが形成されるから、全ての液晶分子mは、磁界bfの方向を向くように各液晶分子mの重心周りに回転する(図2(A)、(B))。
ここで、コイルCLは、その軸方向が、電界efの方向に対して直交しないように配設されているので、全ての液晶分子mは、磁界bfの方向を向くときにその回転量が少なくなる方向に回転する。つまり、図1(B)であれば、反時計回りに回転する。
すると、流路L内には、磁界efの方向と電界efの方向の両方を含む面内に図2(C) に示した速度分布が形成され、左向きの液晶流動が発生する。
ついで、コイルCLへの電流の供給を停止するが、このときも、一対の壁面B,Bには配向膜がなくまたラビングレス処理をしていないので、全ての液晶分子mが磁界bfと平行なままで維持される。
その状態から制御装置Dによって一対の電極E,E間に電圧を加えて電界efを発生させれば、全ての液晶分子mは、電界efの方向を向くときにその回転量が少なくなる方向に回転する。つまり、電界efの方向を向いていた状態から磁界bfの方向を向くときにおける回転方向と逆方向に回転する。図2(B)であれば、時計回りに回転する。
すると、流路L内には、磁界efの方向と電界efの方向の両方を含む面内に、図2(C) に示した速度分布とy軸に対して逆向きの速度分布が形成され、右向きの液晶流動が発生する。
つまり、液晶分子mに対して、一対の電極E,E間による電界efの印加と、コイルCLによる磁界bfの印加を交互に行えば、各液晶分子mをその重心周りに揺動させることができるから、磁界efの方向と電界efの方向の両方を含む面に沿った液晶流動、つまり、図1および図2における右方向への液晶流動と左方向への液晶流動を、流路L内に交互に発生させることができる。
すると、右方向への液晶流動の流量(以下、印加時流量という)と左方向への液晶流動の流量(以下、復帰時流量という)に差があれば、その差の分だけ右向きまたは左向きの流量を有する液晶流動を流路L内に発生するのである。
そして、電界efの強さや磁界bfの強さ、また、電界efや磁界bfを印加するタイミングを調整すれば、流路L内に発生する液晶流動の流量や流動方向をコントロールすることができるから、液晶流動をより工業的に利用しやすくすることができる。
しかも、液晶分子mの回転や移動の抵抗となる配向膜等がないので、配向膜等を設けている場合に比べて、流路L内に発生する液晶流動、つまり、流路L内に発生する流量を大きくすることができる。
なお、一対の電極E,Eは、両者を結ぶ線が一対の壁面B ,Bと垂直になるように配設しなくてもよく、一対の電極E,Eに形成される電界efによって液晶LCの液晶分子mをいずれか一方の壁面Bと交わる面内で回転するように配設すればよい。
また、一対の電極E,Eを前記流路Lの外面に取り付けてもよい。この場合、流路Lの素材を導電体や電界が透過できる素材とすれば、一対の壁面B,B間に電界efを形成することができる。
さらに、流路Lの素材を導電体とした場合、制御装置Dを直接流路Lに接続し、制御装置Dによって流路Lに電圧を加えれば、一対の壁面B,B間に電界efを発生させることができる。
そして、一対の電極E,Eに代えて、一対の壁面B,B間に磁界bfを形成できるものを一対の壁面B,Bに磁界発生部材を設けてもよいのは、いうまでもない。
そして、図1(C)に示すように、本実施形態の液晶流動の高効率形成機構の流路Lが、筒状の流路である場合には、コイルCL内に流路Lが位置するようにすれば、コイルCL内を通る磁界bfを液晶分子mに対して加えることができる。すると、液晶分子mに対して加える磁界bfの調整が容易になるし、磁束密度が高くなるので好ましい。
また、流路L内に配置される液晶LCが光配向性液晶の場合には、レーザ光を液晶に照射し得るレーザ光源も復帰手段として採用することができる。
なお、壁面Bには、ウィークアンカリング処理を行ってもよい。この場合には、液晶分子mの配向方向を若干整えることができる。そして、通常の配向膜を設けたりラビングレス処理を行う場合に比べて壁面B近傍の液晶分子mを拘束する力が弱いので、壁面B近傍の液晶分子mは、ある程度自由に重心周りの回転や壁面Bに沿った移動(並進移動)を行うことができる。
また、壁面Bは、その近傍の液晶分子mがある程度自由に重心周りの回転や並進移動を行うことができる状態であって壁面Bの影響によって液晶分子mが拘束されない状態であればよく、かかる状態とすることができるのであれば、壁面Bに対して何の処理も行わなくてもよい。しかし、壁面Bが液晶分子mの配向方向に与える影響を除去する処理を行っておけば、より確実に壁面B近傍の液晶分子mが、自由に重心周りの回転や壁面Bに沿った移動をできるので、好適である。
つぎに、本発明の液晶流動を用いた高効率物体移動機構について説明する。
本発明の液晶流動を用いた高効率物体移動機構は、上述した液晶流動の高効率形成機構を物体の移動に適用したものである。よって、上記液晶流動の高効率形成機構で説明した事項と重複する内容については、簡単に説明する。
図5は本実施形態の液晶流動を用いた高効率物体移動機構の説明図である。同図において、符号Pは一対の部材を示している。この一対の部材P ,Pは、互いに平行かつ、いずれの部材Pの対向する壁面も平坦面に形成されている。この一対の部材P ,Pのうち、一方の部材P(図5では下方の部材P)は固定されているが、他方の部材P(図5では上方の部材P)は一方の部材Pに対して相対的に移動可能に設けられている。
この一対の部材P ,Pにおいて、上方の部材Pの下面(移動側対向面)と下方の部材Pの上面(固定側対向面)との間には、液晶LCが入れられており、移動側対向面および固定側対向面には、いずれにも配向膜は設けられておらず、いずれにもラビングレス処理は行われていない。
また、前記上下一対の部材P ,Pの固定側対向面および移動側対向面には、それぞれ一対の電極E,Eが設けられており、図示しない制御装置によって一対の電極E,Eに電圧を加えたときに、一対の部材P ,Pの固定側対向面および移動側対向面と垂直な電界efを形成することができるように配置されている。
そして、流路Lの一対の壁面B,Bの外方には、コイルCLが設けられており、その軸方向が電界efの方向と交差するように配設されており、このコイルCLに電流を供給する図示しない制御装置に接続されている。
このため、一対の電極E,E間による電界efの印加と、コイルCLによる磁界bfの印加を交互に行えば、右方向への液晶流動と左方向への液晶流動を、流路L内に交互に発生させることができる。すると、下方の部材Pは固定されているのに対し、上方の部材Pは下方の部材Pに対して相対的に移動可能であるから、液晶LCの流れの方向、つまり、上方の部材PをコイルCLの軸方向に沿って移動させることができる。
なお、図5(B) には、電界efを印加したときに発生する液晶流動と、上方の部材Pの移動を示している。
なお、対向する一対の部材P,Pは平行でなくてもよく、例えば下方の部材Pの固定側対向面に対して上方の部材Pの移動側対向面が傾斜していてもよい。この場合、移動側対向面に沿って、上方の部材Pを移動させることができる。つまり、下方の部材Pに対して上方の部材Pを3次元的に移動させることができる。
そして、本実施形態の高効率物体移動機構を応用すれば、液晶を利用した搬送装置を作ることができる。このような搬送装置等は、非常にコンパクトに作ることができ、しかも微弱な電力などによって駆動させることができるので、例えばマイクロマシーンに付随する作業機械等に適用可能である。
また、本実施形態の高効率物体移動機構は、微弱な電力によって液晶流動を発生させることができるので、微弱な電流が流れたときに発生する磁界や電界を感知して、作動するセンサなどにも応用可能である。
本発明の液晶流動の高効率形成機構の概略説明図であり、(A) は電界efを加える前の液晶分子mの状態を示したYZ断面図であり、(B) はYZ断面図において電界efを加えたときにおける液晶分子の配列を示した図であり、(C) は流路Lが筒状の流路である場合の概略説明図である。 本発明の液晶流動の高効率形成機構の概略説明図であり、(A) は電界efの印加をやめたときにおける液晶分子の配列を示した図でありYZ断面図であり、(B) はYZ断面図において磁界bfを加えたときにおける液晶分子の配列を示した図であり、(C) はYZ断面図において磁界bfを加えたときに一対の壁面B,B間に発生する液晶の速度分布を示した図である。 電界が加えられたときにおける液晶分子mの動きの説明図である。 平行板P上に載せられた液晶LCに電界が加えられたときにおける液晶分子mの動きの説明図である。 本実施形態の液晶流動を用いた高効率物体移動機構の説明図である。
符号の説明
L 流路
B 壁面
CL コイル
LC 液晶
m 液晶分子
ef 電界
bf 磁界

Claims (3)

  1. 流路と、
    該流路の壁面に沿って移動可能に設けられた液晶と、
    該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加えて、該液晶の液晶分子を前記流路の壁面と交わる面内で回転させる液晶分子回転手段とからなり、
    前記液晶分子回転手段が、
    前記流路の一の壁面と交差する方向から、該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える回転手段と、
    該回転手段が前記液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える方向と交差する方向から、該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える復帰手段とを備えている
    ことを特徴とする液晶流動の高効率形成機構。
  2. 移動が固定された固定部材と、
    該固定部材と対向するように配置され、該固定部材に対して相対的に移動可能に設けられた移動部材と、
    該移動部材における前記固定部材と対向する移動側対向面と、前記固定部材における前記移動部材と対向する固定側対向面との間に配置された液晶と、
    前記液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加えて、該液晶の液晶分子を、前記移動部材の移動側対向面または前記固定部材の固定側対向面と交わる面内において回転させる液晶分子回転手段とからなり、
    前記液晶分子回転手段が、
    前記移動部材の移動側対向面または前記固定部材の固定側対向面と交差する方向から、該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える回転手段と、
    該回転手段が前記液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える方向と交差する方向から、該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える復帰手段とを備えている
    ことを特徴とする液晶流動を用いた高効率物体移動機構。
  3. 液晶を流路内に配置し、
    前記液晶に対して、前記流路の一の壁面と交わる方向に沿って電界または磁界を加えることができる回転手段と、
    前記回転手段が前記液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加える方向と交差する方向から、該液晶の液晶分子に対して電界または磁界を加えることができる復帰手段とによって、交互に電界または磁界を前記液晶に加える
    ことを特徴とする液晶流動の高効率形成方法。
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