JP4925308B2 - 錠剤型洗浄剤 - Google Patents

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Description

本発明は、錠剤型洗浄剤に関するものであり、水と接触すると高濃度の活性酸素を速やかに放出し、引き続いて低濃度の活性ハロゲンを長時間に渡って放出するという特徴を有するものである。
近年、衛生意識の高まりから、台所の流しや風呂場の排水口周辺に設置して使用されるヌメリ取り用洗浄剤が注目されている。
台所の流しや風呂場の排水口周辺には、食べ物の滓や湯垢などが付着し、また適度な水分が存在するため、雑菌やカビ等が繁殖し、これらの排水口周辺や排水口に接続された排水管の内部にヌメリが発生する。ヌメリは、雑菌やカビ等の微生物と、それらが繁殖する際に出すヌルヌルした粘着物の集合体であるが、甚だ不衛生なものであり、食中毒、レジオネラ感染症や悪臭の原因となるので、活性酸素や活性ハロゲンを放出する薬剤を使用して、ヌメリの除去やヌメリの発生防止を行うことが広く行われている。
このようなヌメリを除去するためには、ヌメリに高濃度の活性酸素や活性ハロゲンを接触させて、ヌメリの内部に棲息する微生物を殺滅することが有効である。一方、ヌメリの発生を防止するためには、ヌメリが発生する場所に低濃度の活性酸素や活性ハロゲンが存在していれば十分である。
例えば特許文献1には、網状の包袋内にトリクロロイソシアヌル酸を主成分とする錠剤を入れ、これをストレーナーの底面に設置し排水と接触させることにより、活性塩素(活性ハロゲン)を放出させて流し台の排水部を浄化する方法が提案されている。
しかしながら、トリクロロイソシアヌル酸は水に対する溶解度が低く、排水中に溶出する活性塩素の濃度が低いために、ヌメリの発生防止には優れた効果を発揮するものの、一旦付着したヌメリを除去する効果には乏しいものであった。
上記の問題点を解決するために、特許文献2には、通水ケース(以下、アプリケーターと云う)内に、溶解度の低いトリクロロイソシアヌル酸の錠剤と溶解度の高いジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの錠剤を、互いに接触させることなく収納したヌメリ取りが提案されている。
即ち、このヌメリ取りは、台所の排水と接触すると高濃度の活性塩素を速やかに放出し、引き続いて低濃度の活性塩素を長時間に渡って放出するので、ヌメリの除去および発生防止に優れた効果を発揮する。しかしながら、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを使用した場合には、高濃度の活性塩素を放出するために塩素臭が発生すると云う難点があった。
また、種類の異なる2個の錠剤をアプリケーターにセットすると云う手間を要し、しかも、このヌメリ取りの包装時や運搬時に2個の錠剤が擦れ合って錠剤の欠けや割れが発生する懼れがあり、2個の錠剤を接触させないようにセットするための複数の位置決め用ピンをアプリケーター内に設けなければならず、アプリケーターのコストが高くなると云う問題もあった。
本発明に類似する錠剤として、特許文献3には、過炭酸ナトリウムや過ホウ酸ナトリウムなどの酸素系漂白剤と、トリクロロイソシアヌル酸やジクロロイソシアヌル酸ナトリウムなどの塩素系漂白剤とを有効成分として含有する粉粒製剤または錠剤が開示されている。
しかしながら、この錠剤は酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を均一に混合して成形したものであるから、溶解性が高い過炭酸ナトリウムまたは過ホウ酸ナトリウムと、溶解性が低いトリクロロイソシアヌル酸を組み合わせた場合であっても、過炭酸ナトリウムや過ホウ酸ナトリウムの溶解速度が速いため、錠剤の溶解速度も加速されてしまうので、低濃度の活性塩素を長期間に渡って放出させることができない。
前記と同様な錠剤が特許文献4にも開示されているが、この錠剤は、過炭酸ナトリウムまたは過ホウ酸ナトリムと、ジクロロイソシアヌル酸ナトリムなどの塩素化イソシアヌル酸のアルカリ金属塩を有効成分とするものであり、これらの有効成分は何れも溶解性が高いので、錠剤の溶解が速やかに完了し、前記と同様に低濃度の活性塩素を長期間に渡って放出させることができない。
特開平6−306906号公報 特開平10−152698号公報 特開2003−246998号公報 特開昭60−112714号公報
本発明は、水に接触した直後には高濃度の活性酸素を速やかに放出させることができ、高濃度の活性酸素の放出が終了した後には、引き続き低濃度の活性ハロゲンを長時間に渡って放出させることができる錠剤型洗浄剤を提供することを目的とする。
本発明者は、前記の課題を解決するために鋭意試験研究を重ねた結果、モノ過硫酸水素カリウム複塩と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物から選択される少なくとも一種とを予め混合することなく加圧成形した錠剤であって、モノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物から選択される少なくとも一種とを含有する層とから構成される錠剤型洗浄剤とすることにより、所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
また、第2の発明は、第1の発明において、リボフラビンがモノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層若しくは、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物から選択される少なくとも一種を含有する層に含有することを特徴とする錠剤型洗浄剤である。
本発明の錠剤型洗浄剤は、モノ過硫酸水素カリウム複塩と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物から選択される少なくとも一種の各々が独立して含有する層から構成されているので、両者が本来有する溶解性能を損なうことなく、モノ過硫酸水素カリウム複塩を主成分とする錠剤が有する速い溶解性能と、トリクロロイソシアヌル酸またはハロゲン化ヒダントイン化合物から選択される少なくとも一種を主成分とする錠剤が有するゆっくりとした溶解性能を同時に発現させることができる。
また、リボフラビンがモノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層若しくは、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物から選択される少なくとも一種を含有する層に含有しているので、本発明の錠剤型洗浄剤の美観が向上し、その商品価値を高めることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の実施において使用するモノ過硫酸水素カリウム複塩は、固体のペルオキソ化合物として知られているが、水と接触すると溶解して強力な酸化能を有する活性酸素を放出するところから、漂白剤、殺菌剤や消臭剤等の有効成分として広く使用されている。
前記のモノ過硫酸水素カリウム複塩としては、デュポン社製の商品名「OXONE」として知られているモノ過硫酸水素カリウム複塩(化学式:2KHSO・KHSO・KSO)が工業薬品として入手が容易であり、好適に使用することができる
モノ過硫酸水素カリウム複塩は、水に対して高い溶解性を有しており溶解速度も速い。モノ過硫酸水素カリウム複塩の溶解度は25gであり、水と接触した場合には、速やかに高濃度の活性酸素を放出する。
本発明の実施において使用するトリクロロイソシアヌル酸は、化1の化学式で表される固体の化合物であって、水と接触させた場合には、活性酸素と同様に強力な酸化能を有する活性塩素を放出するところから、漂白剤、殺菌剤や消臭剤等の有効成分として広く使用されている。
Figure 0004925308
本発明の実施において使用するハロゲン化ヒダントイン化合物は、化2の化学式で表される固体の化合物であって、水と接触させた場合には、トリクロロイソシアヌル酸と同様に活性ハロゲン(活性塩素及び又は活性臭素)を放出するところから、漂白剤、殺菌剤や消臭剤等の有効成分として広く使用されている。
Figure 0004925308
(但し、R1及びR2は同一又は異なって水素原子もしくは炭素数1〜4のアルキル基を表し、X1及びX2は同一又は異なって臭素原子もしくは塩素原子を表す。)
このハロゲン化ヒダントイン化合物としては、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、3−ブロモ−1−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5,5−ジメチルヒダントイン、1,3−ジクロロ−5−エチル−5−メチルヒダントイン等が挙げられる。
前記のトリクロロイソシアヌル酸は水に対する溶解度が約1.2gであり、また、ハロゲン化ヒダントイン化合物は、物質毎に異なるものの水に対する溶解度が0.1〜0.5g程度であり、両者とも溶解速度が遅いので、水と接触した場合には、低濃度の活性ハロゲンを長時間に渡って放出させることができる。
本発明における錠剤とは、粉末状または顆粒状の原料を金型の中に充填し加圧(以下、打錠と云うことがある)する方法よって製造される成形物であり、工業的に製造する際には、金型(臼杵)および加圧装置から構成される公知の加圧式打錠機が好ましく使用される。
即ち、粉末状又は顆粒状のモノ過硫酸水素カリウム複塩と、同じく粉末状又は顆粒状のトリクロロイソシアヌル酸若しくはハロゲン化ヒダントイン化合物を臼へ順次投入し、加圧装置を介して臼と杵との間に圧力を加えると、モノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層(以下、第1の層と云うことがある)と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物を含有する層(以下、第2の層と云うことがある)とが圧着されて、臼と杵とで形成される形状を有する錠剤が製造される。なお、モノ過硫酸水素カリウム複塩と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物の投入順序は任意で構わない。
このような加圧式打錠機としては、一錠ずつ打錠する単発式打錠機や複数の金型(臼杵)を、回転する円盤に沿って装着し、これが1回転する間に、原料の充填、加圧成形、錠剤の取り出しと云う一連の作業を連続的に行えるロータリー式打錠機を用いることができる。
単発式打錠機としては、例えば、RIVA社製「MINIPRESSM II」、同「PICCOLA」、菊水製作所社製堅型粉末成型機、岡田精工社製単発打錠機、富士薬品機械社製スタンディングプレス等が挙げられる。
また、ロータリー式打錠機としては、例えば、モリマシナリー社製「ロータリープレスTRPシリーズ」、菊水製作所社製「クリーンプレスシリーズ」、同「タフプレスシリーズ」、FETTE社製「Pシリーズ」、同「PTシリーズ」、KORSCH社製「PHシリーズ」、畑鐵工所社製「Bシリーズ」等が挙げられる。
本発明の錠剤型洗浄剤の形状やサイズに特に限定はないが、取り扱い上の便宜を考慮して決定される。錠剤の形状としては、例えば円柱形や、立方体、直方体形等が挙げられる。円柱形の形状とした場合には、その径が5〜100mmであることが実用上好ましく、また立方体や直方体形の形状とした場合にも、同様にその長辺(直方体では最も長い辺)が5〜100mmであることが好ましい。
本発明の錠剤型洗浄剤を製造するに当たっては、100〜300kg/cm程度の打錠圧が好ましく、打錠圧が100kg/cmより低い場合には、成形された錠剤の強度が弱く、取り扱い時または輸送中に錠剤が崩れ易くなり、また300kg/cmより高くした場合には、錠剤を臼から取り出す際に、帽子状に剥離(キャッピング)したり、層状に剥離(ラミネーティング)する現象が発生し易くなる。
本発明の錠剤型洗浄剤は、第1の層と第2の層に加えて、更に第3の層として前記のモノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層を設けてもよい。即ち、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物を含有する層を、モノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層で挟み込んだ3層構造を有する態様とすることも可能である。
同様に、モノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層を、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物を含有する層で挟み込んだ3層構造を有する態様とすることも可能である。
前記第1の層の厚さと、前記第2層の厚さは任意に調整可能である。両者の厚さを適宜調整することにより、本発明の錠剤型洗浄剤中に含有するモノ過硫酸水素カリウム複塩と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物の量を任意に設定することができ、高濃度の活性酸素を放出させる時間と、低濃度の活性ハロゲンを放出させる時間を制御することが可能となる。
本発明の目的が達成される限り、モノ過硫酸水素カリウム複塩と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物以外の薬剤を併用することができる。
本発明の実施においては、洗浄効果を高めるために界面活性剤を使用してもよい。界面活性剤は、前記第1層および前記第2層の両者、或いは其のどちらか一方に含有させることができる。
また、増量剤(賦形剤)と共に界面活性剤を含有する層を、前記第1層と第2層とは別に設ける構成としてもよい。なお、増量剤としては、芒硝、食塩の他、アルカリ金属の珪酸塩、炭酸塩、燐酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
前記の界面活性剤としては、従来知られた陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤および両性イオン系界面活性剤を任意に採用することができる。
陰イオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N−アルシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩等のカルボン酸型陰イオン系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルファオレフィンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル(分岐型)ベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリン塩等のスルホン酸型陰イオン系界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩(アルキル硫酸塩)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、油脂硫酸エステル塩(硫酸化油)/ヒマシ油硫酸化油(ロート油)等の硫酸エステル型陰イオン系界面活性剤、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩等のリン酸エステル型陰イオン系界面活性剤などが挙げられる。
非イオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
陽イオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルトリエチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジニウムクロリド等の第四級アンモニウム塩型の陽イオン系界面活性剤が挙げられる。
両性イオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボキシベタイン、アルキルスルホキシベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドアミン型ベタイン、アルキルイミダゾリン型ベタイン等が挙げられる。
界面活性剤を使用する場合には、前記第1層および前記第2層を含有する層の各々に、0.001〜1重量%程度の割合で含有していることが好ましい。界面活性剤を併用することにより、活性酸素がヌメリの内部に侵入し易くなり、ヌメリの殺滅および剥離効果を高めることができる。また、ヌメリ以外の汚れ成分の洗浄効果も高めることができる。
本発明の錠剤型洗浄剤の成形性を高めるために、前記第1層および前記第2層に、結合剤や滑沢剤を0.1〜5重量%程度の割合で含有させることができる。成形性を高めることによって、錠剤の製造時や運送時に発生する錠剤の欠けや割れを防止することができる。
結合剤としては、固形粒子を結合する機能を有し、好ましくは水溶性のものであれば特に限定されないが、例えばカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、リグニンスルホン酸塩、アラビアゴム、デンプン類、ショ糖などが挙げられる。
滑沢剤としては、固形粒子の流動性、充填性、付着性を改善する機能を有するものであれば特に限定されないが、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、オルトほう酸、タルク等が挙げられる。
本発明の錠剤の溶解性を高めるために、モノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層に、発泡剤や崩壊剤を含有させることができる。
発泡剤は、酸性物質およびアルカリ性物質の組合せからなり、水と接触すると両者が反応してガスを発生するので、錠剤の崩壊性を高めることができる。前記の酸性物質としては、例えばクエン酸、酒石酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、アジピン酸等の有機酸、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素アンモニウム、硫酸水素カリウム等の水素塩、カリミョウバン、アンモニウムミョウバン等のミョウバン類などが挙げられる。
また、アルカリ性物質としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム等の炭酸塩、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸塩等が挙げられる。
崩壊剤は、水と接触すると吸水して膨潤するので錠剤を崩壊させることができ、例えばカルボキシメチルセルロースカルシウム、架橋ポリビニルピロリドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。なお前述したデンプンは、結合剤としても機能するが、崩壊剤としての機能も有している。
本発明の錠剤型洗浄剤を使用した場合には、活性ハロゲンを含有する排水が発生するので、排水が流れる流水路の金属部が腐食する懼れがある。これを防止するために、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物を含有する層に、防錆剤を含有させることができる。
防錆剤としては、従来知られた亜硝酸塩、珪酸塩、ポリリン酸塩等の無機系腐食抑制剤や、カルボン酸、金属石鹸、スルホン酸、アミン、エステル、リン酸エステル等の有機系腐食抑制剤、またEDTA、グルコン酸、ニトリロトリ酢酸等のキレート化合物等が挙げられ、これらの防錆剤を適宜量使用することにより、金属の腐食を抑制することができる。
本発明の錠剤型洗浄剤を着色あるいは賦香するために、従来知られた染料、顔料あるいは香料を錠剤に含有させることができる。この場合、モノ過硫酸水素カリウム複塩や、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物と接触させることを避けるために、増量剤(賦形剤)と共に染料、顔料あるいは香料を含有する層を、前記第1層および第2層とは別に設ける構成としてもよい。
なお、本発明においては、錠剤を着色するためにリボフラビンを使用した。リボフラビンは、本発明の出願人が特願2005−264173において、耐酸化性に優れた黄色の着色剤として提案した化合物であるが、所望の着色度合いに応じて0.01〜5重量%の割合で、前記第1層又は第2層から選択される少なくとも1つの層に含有させればよい。
前記第1層および第2層の両者にリボフラビンを含有させる場合には、両者の層内に含有するリボフラビンの含有割合が同じであっても構わないが、異なった含有割合とすることにより着色度合いを変えることができるので、錠剤の美観を一層高めることができる他、錠剤を構成する第1層と第2層を識別することも可能となる。なお、リボフラビンに係る薬剤コストを削減するためには、第1層又は第2層のどちらか一方にリボフラビンを含有させればよい。
リボフラビンの含有量が0.01重量%よりも少ない場合には、着色の度合いが十分ではなく、また、5重量%よりも多くしても着色の度合いに大きな変化はなく、リボフラビンに係る薬剤コストが嵩むばかりである。
本発明の錠剤型洗浄剤は、モノ過硫酸水素カリウム複塩と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物とを予め混合して加圧成形した錠剤とは異なって、モノ過硫酸水素カリウム複塩と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物の両者が各々独立した層を形成しているので、モノ過硫酸水素カリウム複塩と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物が本来有する溶解性能を独立して発揮させることができる。
即ち、本発明の錠剤型洗浄剤を水に接触させた場合には、モノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物を含有する層が同時に溶解を開始し、モノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層の溶解が先ず完了するが、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物を含有する層は引き続き溶解中であり、活性ハロゲンの放出が継続される。
台所流しや風呂場の排水口周辺には、食べ物のかすや湯垢などが付着し、また適度な水分が存在するため、雑菌やカビ等が繁殖し、排水口周辺や排水口に接続された配管内部にヌメリが発生する。ヌメリは、雑菌やカビ等の微生物と、それらが繁殖する際に出すヌルヌルした粘着物の集合体であり、このようなヌメリを除去するためには、ヌメリに高濃度の活性酸素や活性ハロゲンを接触させて、ヌメリ中に棲息する微生物を殺滅することが有効である。一方、ヌメリの発生を防止するためには、ヌメリが発生する場所に低濃度の活性酸素や活性ハロゲンが存在していれば十分である。
本発明の錠剤型洗浄剤を、台所流しや風呂場の排水口周辺に設置することにより、台所や風呂場で水を使用した場合には、排水中に高濃度の活性酸素を速やかに放出し、引き続いて、低濃度の活性ハロゲンを長時間に渡って放出することができるので、排水が流れる排水口周辺や排水口に接続された排水管内部のヌメリの除去およびヌメリの発生防止が可能となる。
本発明の錠剤型洗浄剤は、ヌメリの除去および発生防止のために使用される流し台・排水口等の台所用除菌洗浄剤や、浴槽・排水口等の風呂場用除菌洗浄剤として好適なものである。また、これに類する用途として、便器の尿石の除去や付着防止効果を目的とした洗浄剤としても好適に使用することができる。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例に使用した原料薬剤ならびに評価試験方法は、次の通りである。
[原料薬剤]
・トリクロロイソシアヌル酸(四国化成工業社製、「ネオクロール−90」、顆粒品、有効塩素含有量:約90%)
・モノ過硫酸水素カリウム複塩(デュポン社製、「OXONE」)
・リボフラビン(和光純薬工業社製、試薬)
[ヌメリ取り試験]
某集合住宅の入居者に試験(モニター)を依頼し、台所流し台の排水口周辺におけるヌメリの発生状況を調査した。なお、試験を開始するに先立って、流し台の排水口周辺の洗浄を行わない期間を1週間以上設け、ヌメリ取りを使用している場合には、その使用を中止して、排水口周辺にヌメリが発生していることを試験開始前に確認した。
試験方法は、次のとおりである。市販のアプリケーターに錠剤1つを入れ、台所流し台のシンク排水口のトラップの内部に設置した網カゴ(ゴミ取り用バスケット)の底に置いて、流し台での調理や食器洗い等、通常の家事作業をしてもらった。また、試験期間は2週間とし、その期間内での錠剤の補充は行わず使い切りとした。
ヌメリの発生状況は、網カゴの底部周辺や網カゴの下部にあるトラップ周辺を、目視および指で触れることにより確認した。
〔実施例1〕
モノ過硫酸水素カリウム複塩とリボフラビンを混合して、リボフラビンを0.1重量%含有するモノ過硫酸水素カリウム複塩を調製した。
まず、トリクロロイソシアヌル酸15gを臼の中に投入し、臼を振盪させて、臼の内部にトリクロロイソシアヌル酸を均一に充填した。引き続き、予め調製しておいたリボフラビンを含有するモノ過硫酸水素カリウム複塩5gを投入し、再度臼を振盪させた。次いで、この臼と対になる杵を加圧装置にセットして、トリクロロイソシアヌル酸とモノ過硫酸水素カリウム複塩を圧力200Kg/cmにて打錠し、円柱形の錠剤(直径30mm、厚さ、15mm、重量20g)を作製した。
得られた錠剤の概観を目視にて観察したところ、錠剤上部には黄色に着色されたモノ過硫酸水素カリウム複塩の層が明瞭に形成されており、この錠剤が、モノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層とトリクロロイソシアヌル酸を含有する層の2層から構成されているものと認められた。
〔実施例2〕
実施例1において作製した錠剤(以下、錠剤Aと云う)について、ヌメリ取り試験を実施した。
また、対照試験として、モノ過硫酸水素カリウム複塩のみからなる錠剤(直径20mm、厚さ、6mm、重量5g、以下、錠剤Bと云う)およびトリクロロイソシアヌル酸のみからなる錠剤(直径30mm、厚さ、12mm、重量15g、以下、錠剤Cと云う)を作製し、これらの錠剤についてもヌメリ取り試験を実施した。
なお、ヌメリ取り試験のモニターを依頼した世帯毎に水の使用状況が異なるため、同一錠剤について3世帯で試験を実施した。
錠剤Aの場合、試験を開始して1週間後には、網カゴの底部とトラップの底部および其の周辺部にはヌメリが殆ど付着していなかった。また、2週間後においてもヌメリは殆ど付着していなかった。
錠剤Bの場合、前記と同様に1週間後にはヌメリは殆ど付着していなかったが、2週間後には、新たなヌメリが発生し付着しつつあった。
錠剤Cの場合、試験を開始して1週間後には、ヌメリの付着が多少認められたが、2週間後には、ヌメリは殆ど付着していなかった。
なお、錠剤AおよびCは、試験を開始して2週間後においても、10〜30%程度の割合で溶け残っていたが、錠剤Bは試験を開始して1日後には完溶した。
実施例2で採用したヌメリ取り試験においては、流し台で水を使用すると、錠剤に接触して錠剤中の有効成分が溶解した排水が、網カゴの底部周辺や網カゴの下部にあるトラップ周辺に接触しながらトラップに接続された排水管に流れ込む。
前述の試験結果によれば、排水が流れる網カゴの底部周辺や網カゴの下部にあるトラップ周辺のヌメリ除去およびヌメリ発生防止効果が確認できたので、同じく排水が流れるトラップに接続された排水管の内部のヌメリ除去およびヌメリ発生防止効果も期待できるものである。

Claims (2)

  1. モノ過硫酸水素カリウム複塩と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物から選択される少なくとも一種とを予め混合することなく加圧成形した錠剤であって、モノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層と、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物から選択される少なくとも一種とを含有する層とから構成されることを特徴とする錠剤型洗浄剤。
  2. リボフラビンがモノ過硫酸水素カリウム複塩を含有する層若しくは、トリクロロイソシアヌル酸又はハロゲン化ヒダントイン化合物から選択される少なくとも一種を含有する層に含有することを特徴とする請求項1記載の錠剤型洗浄剤。
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