JP4925221B2 - 壁用防水シート - Google Patents

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Description

本発明は、建造物の屋根のうち壁際の被覆に用いられる壁際用防水シートに関し、特に複雑な形状の被覆領域に対しても非常に長期間に渡って保形性と防水性を維持できる壁際用防水シートに関する。
従来の日本における木造一戸建て住宅や土蔵等の木造建築物においては、瓦屋根の棟部や壁まわりに使用する面戸材として、石灰と砂と粘土等を混練した、屋根土が一般的に用いられている(特許文献1参照)。このように屋根土が用いられているのは、日本においては良質の粘土が容易に得られていた為であり、このような事情は地域的・文化的事情が共通している韓国や中国においても同様であると考えられている。
他方、ヨーロッパにおいては事情が異なり、特にドイツのように日本と比較して寒冷な地域では、暖房のための暖炉の煙突が屋根から突出した形態となるため、瓦屋根と煙突との接合部に、ポリイソブチレン樹脂とアルミの金属網を積層した壁際用の防水シートを使用することが提案されている(特許文献3)。また日本においても、屋根に換気用開口部を設ける類型の住宅が提案されており、このような換気用開口部の防水シール材として、スポンジを用いた面戸材(特許文献2)が提案されている。このようなスポンジには、例えばEPDM(Ethylene Propylene Methylene Linkage・エチレンプロピレンゴム)やブチルゴムなどの合成ゴムを材料とするスポンジが用いられる(特許文献4[0021]参照)。
さらに、屋根に天窓を設ける類型のプレハブ住宅が提案されており、このような天窓用には屋根土と比較して軽量である防水シートが提案されている(特許文献4)。この天窓用防水シートは、架橋ゴム又は樹脂製シートに対して、変形可能で自己保形性を備えた金属シートを積層固定した屋根用防水シートにおいて、幅方向から直交する方向に亙って折り返し重合部を形成したものである。
特許第3196058号 特開2005−325592 DE 3642063A1 特許第3702277号
現在、屋根の棟部や壁際の防水施工には、大きく分けて二種類の材料と工法が存在しており、その夫々で課題が存在している。第一類型は、湿式施工である(特許文献1)。しかし、湿式施工における内在的制約として、使用されている屋根土は、施工に作業者の技能と施工時間を要すると共に、重量物であるため、木造建築物の耐震性を弱める原因となっていた。また、良質の粘土が長年の採掘によって掘り尽くされてきており、原材料の手配が困難になりつつある。
第二類型は、乾式施工であり、上記の特許文献2〜4で、各々の提案がされているが、各乾式施工は完璧なものではなく、其々固有の課題を有している。まず、特許文献2で開示されているスポンジを用いた面戸材に関しては、スポンジ部分が鳥によって突かれるという鳥害があることに加え、屋根材の凹凸に隙間なく施工することが困難という課題もあった。
続いて、特許文献4で開示されている防水シートでは、耐水性を備えた可撓性シートを長手方向に対し、直角方向に屈折積層し、壁と瓦との防水材に使用するものである。しかし、屋根の棟や壁際への防水シートの設置を検討する場合、上述したように、様々な意匠の屋根材や屋根勾配があるため、高さの調整ができることが望ましい。また、屋根の棟や壁際は一般的に作業者が手で屋根材の凹凸に沿わせて施工するが、木槌などで軽く叩いて防水シートを整形することが好ましい場合もあるところ、防水シートの材質が厚く硬いと、折り返し重合部の間隔も大きくせざるを得ず、作業者が隙間無く防水シートを延伸する作業は容易ではない。
さらに、防水シートのアルミ箔は、屋根のように直射日光が照射される過酷な環境のもとで、数十年にわたりその防水性能を維持することが望ましいが、数十年というスパンではアルミ箔は湿気等に対して腐食してしまい、再度の施工に耐えることが出来ないという課題がある。従来の日本においては、住宅の量的充足が叫ばれ、その寿命に関しては木造住宅の固定資産税の評価上の耐用年数である23年程度確保されれば足りるとする見解もあったが、近年の資源価格の高騰などから百年住宅の必要性も認識されつつあり、防水シートにおいても寿命が長いほうが良いことは言うまでもない。
さらに、乾式施工に共通する課題として、いずれもブチルテープやアクリルテープなどの粘着剤を瓦等の屋根材に接着させる工法を採用するのが一般的であるため、経年後の屋根材からの剥離が生じる課題があつた。
本発明は上述した課題を解決するもので屋根の壁際への防水シートの設置が現場設置形状に適合するように、容易に施工できる壁際用防水シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明に用いられる多層防水シートは、例えば図1に示すように、耐引き裂き性と熱収縮性を有するエラストマーシート1を、粘着剤2を用いてアルミ箔3の表面側に貼り合わせ、該アルミ箔3の裏面側に、樹脂系塗料4をコーティングしたことを特徴とするものである。
本多層防水シートによれば、エラストマーシート1が可塑性を有すると共に耐久性を有しているので、屋根用の防水シートとしての用途に適する。アルミ箔3は、エラストマーシート1を貼り合せて積層させることで、保形性・断熱性・防火性を多層防水シートに付与すると共に、エラストマーシート1が熱収縮性である場合の、熱収縮防止ができる。粘着剤2は、エラストマーシート1とアルミ箔3との二層間の接着をするもので、併せて折り曲げ加工の際に生じる当該二層間に起こる応力を緩和して、折り曲げ加工を容易にする。樹脂系塗料4をコーティングしているので、耐久性や耐食性を向上させるという通常の目的を達成すると共に、仮に多層防水シート5の被覆対象となる屋根形状や壁際形状が突端のような曲率の大きな形状であるため、多層防水シート5を極端に変形させて被覆する必要がある場合でも、アルミ箔3が破れてしまうことを防止でき、防水性が高まる。
好ましくは、本多層防水シートにおいて、更に、エラストマーシートは、クロロスルフォン化ポリエチレンまたはEPDMであることを特徴とする。このように構成された多層防水シートによれば、クロロスルフォン化ポリエチレンまたはEPDMは、耐久性を有しているので、エラストマーシートの耐久性を高め、屋根用の防水シートとしての用途に適する。特に、クロロスルフォン化ポリエチレンは、優れた着色性を有するため、屋根材の色に自在に対応ができる。さらに、クロロスルフォン化ポリエチレンは、耐熱性、耐焔性、耐寒性、耐屈曲性、耐塩性等々に優れているため、寒冷地や熱帯地、防火地域、強風地、塩害地でも地域を問わず使用が可能で、屋根用の防水シートとしての用途に適する。
好ましくは、本多層防水シートにおいて、更に、クロロスルフォン化ポリエチレンシートには、未架橋であることを特徴とする。このように構成された多層防水シートによれば、クロロスルフォン化ポリエチレンシート1は架橋工程を必要としないため、安価に提供できるだけでなく、常温環境で自然架橋するため、屋根用防水シートとして使用できる。未架橋クロロスルフォン化ポリエチレンは、自然界で自然架橋するクロロスルフォン化ポリエチレンであるため、本多層防水シート5のアルミ箔の表面側に貼り合わせているので、当該多層防水シートを被覆対象となる屋根形状や壁際形状に適合させて、多層防水シートを変形させても、その後の自然架橋の過程でその変形された状態で固化するため、保形性が維持できる。
好ましくは、本多層防水シートにおいて、更に、クロロスルフォン化ポリエチレンシートは、ゴムの架橋を促進する薬剤を含まないことを特徴とする。ゴムの架橋を促進する薬剤を含まないので、当該多層防水シートを被覆対象となる屋根形状や壁際形状に適合させて、多層防水シートを変形させても、その後の長期間に渡る自然架橋の過程でその変形された状態で固化するため、保形性が維持できる。
好ましくは、本多層防水シートにおいて、更に、クロロスルフォン化ポリエチレンシートは、厚さが0.15mm〜0.45mmであることを特徴とする。クロロスルフォン化ポリエチレンシートが薄い場合には、多層防水シートの製造に汎用のラミネート加工装置等を用いることができ、製造コストが安価になる。
好ましくは、本多層防水シートにおいて、更に、粘着剤2は、アクリル系粘着剤を含有し、塗布量として、25〜75[g/m]であることを特徴とする。このように構成された多層防水シートによれば、粘着剤2としてアクリル系粘着剤を使用しているので、熱による軟化の程度がブチルゴムやポリイソブチレンと比較して小さく、また粘性が適度に存在して、併せて折り曲げ加工の際に生じるエラストマーシート1とアルミ箔3の二層間に起こる応力を緩和して多層防水シートの折り曲げ加工を容易にする。更に、粘着剤2としてアクリル系粘着剤を使用すると、ブチル等のゴム系粘着剤の粘性と比較して粘性が小さく、汎用のラミネート加工装置が使用でき、製造装置選択の範囲が広くなる。
好ましくは、本多層防水シートにおいて、更に、アルミ箔3は、厚みが30μm〜120μmであることを特徴とする。アルミ箔3の厚みは、貼り合せられるエラストマーシート1の厚さと熱収縮力、作業者が多層防水シートを屋根材の凹凸に対応できるように変形する場合の作業性、並びに多層防水シートを製造するために用いる織り機の能力により定まる。そして、これら三要件を充足するアルミ箔3の厚さとしては、30μm〜120μmが好ましい。
好ましくは、本多層防水シートにおいて、更に、樹脂系塗料4としては、エポキシ樹脂系、アミノ樹脂系、メラミン樹脂系の少なくとも一類型の樹脂系を含有し、かつ当該樹脂系塗料の塗布厚が0.5μm〜5μmであることを特徴とする。このように構成された多層防水シート5によれば、エポキシ樹脂系、アミノ樹脂系、メラミン樹脂系の少なくとも一類型の樹脂系を含有した樹脂系塗料4をコーティングしているので、耐久性や耐食性を向上させるという通常の目的を達成すると共に、当該多層防水シートを被覆対象となる屋根形状や壁際形状に適合させて、多層防水シート5を極端に変形させても、アルミ箔3が破れてしまうことを防止でき、防水性が高まる。
好ましくは、本多層防水シートにおいて、アルミ箔3の厚さは、エラストマーシート1の熱収縮性による多層防水シート5の変形を防止して、多層防水シート5の形状を維持できるように定め、粘着剤2の厚さは、多層防水シート5を折り曲げた際にエラストマーシート1とアルミ箔3との間に生じる応力が緩和されるように定め、樹脂系塗料4の厚さは、多層防水シート5を突端を有する形状に折り曲げた際にもアルミ箔3が破れることを防止できるように定めたことを特徴とする。
上記課題を解決する本発明に用いられる多層防水シートは、例えば図1に示すように、被覆対象となる屋根形状に適合する被覆状態での形状を、常温環境において保形する施工時保形手段と、前記被覆状態での形状を、常温環境において自然架橋により形状を記憶する長期保形手段とを備えるものである。典型的には、施工時保形手段としては、アルミ箔が用いられる。長期保形手段としては、未架橋クロロスルフォン化ポリエチレンを用いるとよい。未架橋クロロスルフォン化ポリエチレンは、自然界で自然架橋するクロロスルフォン化ポリエチレンであるため、本発明の多層防水シート5のアルミ箔の表面側に貼り合わせているので、当該多層防水シートを被覆対象となる屋根形状や壁際形状に適合させて、多層防水シートを変形させても、その後の自然架橋の過程でその変形された状態で固化するため、保形性が維持できる。
ここで、常温環境とは特段の加熱や冷却を施工時に行わないことをいい、春秋のような人にとって快適な環境に加えて、冬季や夏季のような自然状態で出現する環境も含まれる。自然架橋とは、太陽光と大気による自然環境の下の温度と水分により架橋が進行する状態をいう。ここで、架橋とは主に高分子化学においてポリマー同士を連結し、物理的、化学的性質を変化させる反応のことで、架橋反応の一種には加硫がある。ここで加硫とは、ゴム系の原材料を加工する際に、弾性や強度を確保するために、硫黄などを加える工程のことである。
上記課題を解決する本発明に用いられる屋根用防水シートは、例えば図2(b)に示すように、多層防水シート5の長手方向の途中に該長手方向と直交する横手方向にわたって横手方向折返し重合せ部Tを形成し、該長手方向にわたって長手方向折返し重合せ部Lを形成した二方向折り重ね状態とする。そして、例えば当該二方向折り重ね状態の屋根用防水シート10を、例えば図3に示すように構成することで、長手方向に加えて横手方向にも延伸性を有する壁際用防水シート40を形成するための部材として利用できる。
本屋根用防水シートによれば、当該二方向折り重ね状態の屋根用防水シート10としているので、横手方向折返し重合せ部Tを延伸することで、屋根材の凹凸に対応し、長手方向折返し重合せ部Lを延伸することで、屋根材の凹凸への対応だけでなく、水返しの役目も果たす。また、作業者にとっても、横手方向への薄手のエラストマーシート1の弾性とアルミ箔3の保形性を有するシートのため、手に馴染みやすいため、施工不良が起き難く、施工時間の短縮につながる。
好ましくは、本屋根用防水シートにおいて、更に、横手方向折返し重合せ部Tを所定の間隔を隔てて設けたことを特徴とする。このように構成された屋根用防水シート10によれば、屋根材の凹凸に沿うように、横手方向折返し重合せ部Tを延伸させることで、隙間なく屋根材に接着できると共に、所定の間隔を隔てて横手方向折返し重合せ部Tを設けることで、延伸させることがなく余剰となる横手方向折返し重合せ部Tの範囲が少なくなり、屋根用防水シート10の利用効率が高まる。
好ましくは、本屋根用防水シートにおいて、例えば図3に示すように、更に、樹脂系塗料の表面の少なくとも一部に、長手方向にわたって剥離紙46、48が付いた粘着テープ45、47を装着したことを特徴とする。このように構成された屋根用防水シート10によれば、粘着テープ45、47の剥離紙46、48を装着することで、ロール状に丸めることができる。また、屋根用防水シート10を屋根材52や壁材51にステープル等で仮止め後、剥離紙46、48を剥がしながら屋根用防水シートの長手方向の裾部を押し下げることができ、施工の省力化ができる。
好ましくは、本屋根用防水シートにおいて、更に、施工前の製品形状としてロール状に巻いたことを特徴とする。このように構成された屋根用防水シート10によれば、ロール状に巻いたことで、屋根用防水シート10の物流や屋根の上での持ち運びが容易となる。
上記課題を解決する本発明の壁際用防水シートは、例えば図3・図9・図11に示すように、耐引き裂き性と熱収縮性を有するエラストマーシート1を、粘着剤2を用いてアルミ箔3の表面側に貼り合わせ、該アルミ箔3の裏面側に、樹脂系塗料4をコーティングした多層防水シート5を用いる壁際用防水シート40であって、壁際用防水シート40は、多層防水シート5の長手方向の途中に該長手方向と直交する横手方向にわたって横手方向折返し重合せ部Tを形成し、該長手方向にわたって長手方向折返し重合せ部Lを形成した屋根用防水シート10を用いてなり、長手方向の延伸性が125%〜175%であり、横手方向の延伸長さが10mm〜80mmであり、壁際用防水シート40の長手方向折返し重合せ部Lは、上段壁際用防水シート部401、折返し壁際用防水シート部403、並びに下段壁際用防水シート部405とを有し、壁際一段目の瓦52と壁面51との間隔(d)が開いている場合に、間隔dに対応して長手方向折返し重合せ部Lを展開して施工することにより、間隔dを壁際用防水シート40によって水返しとして被覆できるように構成したことを特徴とする。
このように構成された壁際用防水シート40によれば、例えば図3・図6に示すように、長手方向への延伸について、壁面51の幅方向の長さを100とすると、屋根材の凹凸を考慮した表面長さは145であるため、これ以上の延伸率を確保すれば施工できるのだが、凹凸の少ない屋根材は、125でもよい。これにより、無駄な材料コストを抑えることができる。また、横方向への延伸について、延伸後の裾部44が雨押え板金56よりも出ないことが必要であるため、延伸幅は10mm〜80mmを確保すれば足りるため、無駄な材料コストを抑えることができる。
好ましくは、本発明の壁際用防水シートにおいて、例えば図3・図11に示すように、長手方向の中央付近に、長手方向に折り目部49を設けると共に、この折り目を境界として、壁当接側防水シート407と屋根当接側防水シート408とを有するとよい。このように構成された壁際用防水シート40によれば、壁際形状に適合するように折り目部49を所定の角度だけ開いて、さらに長手方向折返し重合せ部Lを延伸させることで、屋根材52の谷部Gにも粘着テープ47を接着することができる。
好ましくは、本発明の壁際用防水シートにおいて、例えば図4・図6・図11に示すように、更に、長手方向の折り目部49からみて、屋根材52に接着する裾部側について、長手方向折返し重合せ部Lを延伸させない状態の横手方向の長さが70mm〜120mmであるとよい。壁際用防水シート40の裾部44は、雨押え板金56の裾部より長くすると、壁際用防水シートの裾部44が雨押え板金56の裾部からはみ出してしまい、意匠性が損なわれてしまう。実際の雨押え板金56の裾部の横手方向の長さは、90mm〜120mmであるため、特に長手方向折返し重合せ部Lを延伸させない状態の横手方向の長さは、90mm〜100mmであることが好ましい。これにより、壁際用防水シートの裾部44が、雨押え板金56の裾部よりはみ出すことがなく、意匠性を損なわない。
本発明の前提をなす、本多層防水シートによる効果を説明する。
(1)本多層防水シートによれば、耐引き裂き性と熱収縮性を有するエラストマーシートを、粘着剤を用いてアルミ箔の表面側に貼り合わせ、該アルミ箔の裏面側に、樹脂系塗料をコーティングので、エラストマーシート・アルミ箔・粘着剤・樹脂系塗料の四層構造により、折り曲げ加工性と耐久性も併せ持つ。従って、本多層防水シートを屋根用防水シートとして使用する場合の効果として、様々な意匠の屋根材や屋根勾配が類型的に存在する建築物において、屋根の棟や壁際への防水シートの設置が現場設置形状に適合するように、容易に施工できる屋根用防水シートに用いて好適である。
(2)本多層防水シートによれば、多層防水シートを屋根用防水シートとして使用する場合の効果として、エラストマーシートとして、耐候性を有するクロロスルフォン化ポリエチレンを使用しているので、耐久性を求められる建築資材でも、エラストマーシート自身の厚さを例えば0.15mm〜0.45mmの範囲とすることができる。このエラストマーシート自身の厚さは、現場での施工作業性を阻害しない程度の薄さとなっている。
(3)本多層防水シートによれば、自然架橋により形状を記憶するので、製品成形時はアルミ箔の保形性により形状を保持し、製品成形後、常温環境においてエラストマーシートの自然架橋に伴い、形状を記憶することになる。このような多層防水シートが形状記憶特性を有することは、様々な意匠の屋根材や屋根勾配が類型的に存在する建築物において、屋根の棟や壁際への防水シートの設置が現場設置形状に適合するように、容易に施工できる屋根用防水シートに用いて好適である。
本屋根用防水シート並びに発明の壁際用防水シートによれば、以下の効果がある。
(a)屋根用防水シートと壁際用防水シートは、軽量であり作業者の熟練度や技術に依らずに使用できる。
(b)本屋根用防水シートに、クロロスルフォン化ポリエチレンシートを用いると、壁際用防水シートの表面が耐摩耗性や耐引き裂き性に優れるクロロスルフォン化ポリエチレンシートで覆われているため、屋根用防水シートや壁際用防水シートに対する鳥害の恐れがない。
(c)屋根用防水シートと壁際用防水シートには、長手方向折返し重合せ部Lを設けてあるため、壁際用防水シートを壁際等の屋根に設置する場合にも、幅手方向又は高さ方向にも延伸ができる。
(d)本屋根用防水シートの総厚は、例えば0.4mm〜0.5mmのように柔軟性が確保できる程度の厚さとなると共に、横手方向折返し重合せ部Tの間隔が狭いため、屋根材の様々な凹凸形状に対して、作業者の現場での設置作業において、屋根用防水シートの手加工で形状を変形させることで自在に対応できる。
(e) 本屋根用防水シートと壁際用防水シートに、クロロスルフォン化ポリエチレンシート1を使用すると、従来の粘着テープの接着力とアルミ箔の保形性との協働関係に起因する、経年変化による屋根材からの剥離を抑えることができる。
発明の壁際用防水シートによれば、長手方向に折り目部を設けているので、次の効果がある。従来の施工では、壁際に最も近い一段目の屋根材を敷設後、壁面と屋根面の接線から屋根面に沿って垂直の方向に所定の距離、例えば約90mm、の位置に、長手方向にわたって施工の基準線となる墨打ちを行い、これを基準に施工する必要があった。これに対して、本発明の壁際用防水シートでは、裾部から横手方向に所定の距離、例えば請求項3に記載の範囲である90mm、の位置に、長手方向に向かって折り目部が設けられている。そこで、本発明の壁際用防水シートでは、折り目部に沿って「く」の字形に屈折させ、折り目部を屋根面と壁面の接線に沿って長手方向に設置しても、雨押え板金の裾部をはみ出すことはない。そこで、従来施工時に必要とされていた、墨打ち作業が不要となり、施工効率が向上する。
本発明の壁際用防水シートによれば、横手方向折返し重合せ部Tと長手方向折返し重合せ部Lを有している。そして、横手方向折返し重合せ部Tを延伸することで、屋根材の凹凸に隙間なく延伸でき、長手方向折返し重合せ部Lが、水返しとして効果を発揮する。そこで、ビス穴からの漏水が防止できると共に、波型屋根材の谷部Gのビス穴からの漏水が防止でき、また壁際用防水シートの粘着テープが屋根材に対して完全に貼ることが困難なため隙間が生じることを防止できる。特に、実際の施工現場では、壁際一段目の屋根材が壁面から離れている場合が多いが、横手方向に裾部を延伸することができるため、屋根材の谷部Gにも壁際用防水シートの粘着テープを屋根材に対して完全に貼ることができる。また、壁際用防水シートの裾部が、雨押え板金からはみ出さないため、意匠性を損なうことがない。
以下、図面によって本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の壁際用防水シートに用いて好適な多層防水シートを説明する。
図1は、本発明の壁際用防水シートに用いて好適な多層防水シートを説明する構成図である。図において、多層防水シート5は、エラストマーシート1、粘着剤2、アルミ箔3、樹脂系塗料4の四層構造になっている。ここで、エラストマーシート1に用いられるエラストマーには、熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、未架橋ゴムが含まれる。エラストマーは、JISK6418に用語の定義があり、弾性ポリマー(Elastic Polymer)の一種である。分子間を共有結合で結合し、三次元網目構造(Network Structure)を形成する高分子は、ガラス転移温度T以上ではゴム弾性という性質を示す。ゴムの弾性は、本来規則構造を持たない分子の配列が、外部からの力により規則性になり、これが元の不規則な配列に戻ろうとするときの力によるもので、熱力学的には応力によるエントロピーの低下(ギブス自由エネルギーの増加)が元に戻ろうとする力による弾性であるから、エントロピー弾性とも呼ばれる。
そして、多層防水シート5におけるエラストマーシート1には、自然架橋のクロロスルフォン化ポリエチレンを用いることが好ましい。特に、自然架橋タイプを用いることで、架橋工程を省くことができ、成形後、常温状態で形状を記憶するシートとなる。クロロスルフォン化ポリエチレンシート1は、0.15mm〜0.45mm、特に好ましくは、0.3mm、という薄手の状態であることが好ましい。ここで、クロロスルフォン化ポリエチレンとは、クロロスルホン化ポリエチレンを主成分とする配合物で、クロロスルホン化ポリエチレン以外に、タルク、炭カル、シリカ、カーボンなどの無機物、芳香族プロセスオイル、塩素化パラフィンなどの可塑剤、ポリエチレンワックスなどの加工助剤を必要に応じて添加することができる。また、自然環境下での架橋状態を調整するために、酸化マグネシウム、リサージ、硫黄、エポキシなど、クロロスルホン化ポリエチレンの架橋に使用される一般的な架橋剤、もしくは架橋助剤を必要に応じて添加することもできる。さらに、ゴム成分として、主成分のクロロスルホン化ポリエチレン以外のゴム成分として、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、二トリルゴム、ウレタンゴムなどを必要に応じて添加することができる。また、ゴム成分以外にも、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート、アクリロ二トリルスチレンブタジエン共重合体、アクリル、エチレン酢酸ビニル(EVA)などの樹脂成分、さらには、ナイロン、ポリエステルなどを主成分とする繊維を必要に応じて添加することもできる。
粘着剤2は、エラストマーシート1とアルミ箔3の二層間の接着に用いられる。粘着剤2により、二層間に起こる折り返した部位の応力を緩和でき、より折り曲げ加工性に富むシートが得られる。粘着剤2には、特にアクリル系粘着剤2が好ましい。これに対して、ブチルゴムやポリイソブチレンなどでは、加熱時に軟化してしまうため、エラストマーシート1が熱収縮した場合に、アルミ箔上3に固着しておくことができなくなるという不都合を生じる。
また、エラストマーシート1とアルミ箔3を積層させる工程についても、アクリル粘着剤2は、ブチルゴムやポリイソブチレンなどのゴム系粘着剤と比較すると、粘性が低いためラミネート加工装置が使用でき、加工速度も10[km/h]以上で貼り合わせ加工ができ、加工コストを低減できる。
アルミ箔3は、作業者が手加工により成形するため、軟質アルミニウムであり、厚みが30μm〜90μm(好ましくは40μm)程度が好ましい。アルミ箔3の厚みは、貼り合せられるエラストマーシート1の厚さと熱収縮力、作業者が多層防水シートを屋根材の凹凸に対応できるように変形する場合の作業性、並びに多層防水シートを製造するために用いる織り機の能力により定まる。そして、アルミ箔3の厚みの下限側は、次の三要件により定まる。
(i)エラストマーシート1とアルミ箔3の貼り合わせ工程における巻き巣の発生頻度
(ii)アルミ箔3がエラストマーシート1を積層固定する力に対し、列理方向への熱収縮力が大きくなり、エラストマーシート1がアルミ箔3から剥離してしまうこと、
(iii)アルミ箔3が形状を保持する力に対し、列理方向への熱収縮力が大きくなり、アルミ箔3が表面側に丸まってしまうこと。
他方、アルミ箔の厚さの上限は、作業者が多層防水シートを手加工で屋根材の凹凸に対応できるように変形できる程度の低剛性が必要である。さらに、エラストマーシート1とアルミ箔3の厚さは、多層防水シートを製造するために用いる織り機で織ることができる剛性である必要がある。これら三要件を充足するアルミ箔3の厚さとしては、30μm〜120μmが好ましい(表1、表2、表3参照)。
樹脂系塗料4は、耐引裂性を考慮し、エポキシ樹脂系塗料の塗布厚を0.5μm〜5μm、好ましくは1μm〜4μm、特に好ましくは3μm程度を焼付け加工するのがよい。樹脂系塗料4は、耐久性や耐食性を向上させることを目的としてコーティングされるが、更にアルミ箔3の裏面への加工ついて、耐引裂性を考慮して定められる。耐引裂性の点は、図2(b)を参照する関係で、該当箇所で詳細に説明する。
ここで、エラストマーシート1としてクロロスルフォン化ポリエチレンシートを用いた場合の、多層防水シート5の物性について説明する。まず、クロロスルフォン化ポリエチレンシートでは、熱可塑性を有する未架橋ゴムであるため、約70℃以上の温度が加わると、シートの列理方向に大きく収縮が発生してしまう(表1参照)。このため、保形成を有するアルミ箔3に積層固定することが必要となる。
この際、より折り曲げ加工を容易にするため、粘着剤2がクロロスルフォン化ポリエチレンシート1とアルミ箔3との二層間の接着に用いられる。なお、粘着剤2は特にアクリル系粘着剤2が好ましい。これはブチルゴムやポリイソブチレンなどでは、クロロスルフォン化ポリエチレンと同様、熱により軟化してしまい、アルミ箔3上にクロロスルフォン化ポリエチレンシート1を固着させておくことができない場合があるだけでなく(表1参照)、ブチル等のゴム系粘着剤では粘性が高すぎて、二層の貼り合わせ工程に用いるラミネート加工装置が使用できず、貼り合わせコストが高くなる場合があるためである。
なお、クロロスルフォン化ポリエチレンシート1を厚くすると、貼り合わせ工程における巻き巣が起こりやすくなるだけでなく、アルミ箔3がクロロスルフォン化ポリエチレンシート1を積層固定する力(β)に対し、列理方向への熱収縮力(α)が大きくなり、クロロスルフォン化ポリエチレンシート1がアルミ箔3から剥離してしまうことや(表2参照)、アルミ箔3が形状を保持する力(γ)に対し、列理方向への熱収縮力(α)が大きくなり、アルミ箔3が表面側に丸まってしまう(表3参照)ため、注意が必要である。
クロロスルフォン化ポリエチレンシート1とアルミ箔3の厚さ決定は、熱収縮性の条件を満たし、且つ織り機で織ることができ、且つ作業者が手加工で屋根材の凹凸に対応できるアルミ箔3でなければならない。これらの熱収縮性に対する剛性、施工現場での作業性、製造効率の三要件を満たすアルミ箔3の厚さとしては、30μm〜120μmが好ましい。
続いて、本発明の壁際用防水シートに用いて好適な屋根用防水シートを説明する。図2は本発明の壁際用防水シートに用いて好適な屋根用防水シートの構成図で、図2(a)は屋根用防水シートについて図2(b)のA−A方向の断面図、図2(b)は屋根用防水シートの構成斜視図である。
図において、屋根用防水シート10は、多層防水シート5を例えば図2(b)に示すように、この多層防水シート5の長手方向(Length direction)の途中に該長手方向と直交する横手方向(Transverse direction)にわたって横手方向折返し重合せ部Tを形成し、該長手方向にわたって長手方向折返し重合せ部Lを形成した二方向折り重ね状態としている。
図2(a)、(b)に示すように、横手方向折返し重合せ部Tの間隔Lpは、屋根形状の凸凹形状の複雑さに対応するため、適宜に定める。また、横手方向折返し重合せ部Tが存在するため、屋根用防水シート10は、上段屋根用防水シート部101、上段折曲げ部102、折返し屋根用防水シート部103、下段折曲げ部104、下段屋根用防水シート部105、連結屋根用防水シート部106を有している。そして、折返し屋根用防水シート部103を展開すると、上段屋根用防水シート部101と下段屋根用防水シート部105との間隔が、折返し屋根用防水シート部103の長手方向長さL103の二倍の範囲で調整できる。長手方向折返し重合せ部Lの間隔Lpに適合するように、長手側折返し屋根用防水シート部103の長手方向長さL103と長手側連結屋根用防水シート部106の長手方向長さL106が定められる。
また、図2(b)に示すように、長手方向折返し重合せ部Lが存在するため、屋根用防水シート10は、長手延伸側上段屋根用防水シート部121、長手延伸側上段折曲げ部122、長手延伸側折返し屋根用防水シート部123、長手延伸側下段折曲げ部124、長手延伸側下段屋根用防水シート部125を有している。そして、長手延伸側折返し屋根用防水シート部123を展開すると、長手延伸側上段屋根用防水シート部121と長手延伸側下段屋根用防水シート部125との間隔が、長手延伸側折返し屋根用防水シート部123の横手方向長さT123の二倍の範囲で調整できる。
横手方向折返し重合せ部Tは、屋根材の凹凸に馴染ませるように貼り付けるため、横手方向折返し重合せ部Tを連続して設け、横手方向折返し重合せ部T同士の間隔Lpと延伸率Exptは、主に被覆対象となる屋根材の凹凸に応じた適宜の価とすることが好ましい。ここで、横手方向折返し重合せ部Tの延伸率Exptは、例えば次式で定義することができる。
Expt=(Lp+2L103)/Lp (1)
長手方向折返し重合せ部Lは、主に被覆対象となる屋根材の段差のような凸凹形状に適合するように長手方向に延伸させるため、長手延伸側折返し屋根用防水シート部123を適宜の長さ確保することが好ましい。ここで、長手方向折返し重合せ部Lの延伸率Explは、例えば屋根用防水シート10の横手方向の長さTallを用いて次式で定義することができる。
Expl=(Tall+2T123)/Tall (2)
本屋根用防水シートによれば、当該二方向折り重ね状態の多層防水シートを用いているので、横手方向折返し重合せ部Tを延伸することで、屋根材の凹凸に対応できると共に、長手方向折返し重合せ部Lを延伸することで、屋根材の段差への対応だけでなく、屋根材の段差による隙間に対して水返しの役目も果たす。また、作業者にとっても、横手方向への薄手のエラストマーシート1の弾性とアルミ箔3の保形性を有するシートのため、手に馴染みやすいため、施工不良が起き難く、施工時間の短縮につながる。
なお、本実施の形態においては、アルミ箔3の裏面への加工として樹脂系塗料4をコーティングする際に、特段の配慮をしている。即ち、図2(b)に示すように、多層防水シート5を長手方向と横手方向の二方向で折畳み加工する場合、アルミ箔3に屈折に伴う応力が掛かり、長手方向折返し重合せ部Lと横手方向折返し重合せ部Tの接点でアルミ箔3が破れやすくなる。そこで、樹脂系塗料4の塗布により当該接点での応力を緩和して、アルミ箔3を破れにくくして、製品の歩留まり率を向上させている。アルミ箔3の当該接点での応力を緩和するため、塗布厚が0.5μm〜5μmであることが望ましい。
また仮に、図2(b)に示すような、長手方向折返し重合せ部Lと横手方向折返し重合せ部Tとの接点を起点として、仮にアルミ箔3に破れが生じた場合であっても、耐引き裂性に優れるクロロスルフォン化ポリエチレンシート1によって破れる領域の拡大を防止でき、破断の急速な拡大を防止できる。
続いて、本発明の壁際用防水シートを説明する。図3は、本発明にかかる壁際用防水シートの一実施の形態を説明する構成図で、(a)は上面から見た平面図、(b)は図3(a)のb−b方向から見た横手方向断面図、(c)は下面から見た底面図、(d)は図3(a)d−d方向から見た側面図である。二方向折り重ね状態の屋根用防水シート10に用いる多層防水シート5には、横手方向折返し重合せ部Tと長手方向折返し重合せ部Lとを形成した二方向折り重ね状態のものを用いているので、壁際用防水シート40は長手方向だけでなく横手方向にも延伸性を有する。
図において、壁際用防水シート40は、屋根用防水シート10を壁際用に適宜の形状にして用いると共に、粘着テープ(壁面側)45、剥離紙(壁面側)46、粘着テープ(裾部側)47、剥離紙(裾部側)48を有している。図3(b)に示すように、壁際用防水シート40は、折り目部49を介して左右非対称の形状を有している。壁際用防水シート40には、長手方向折返し重合せ部Lが折り目部49の裾部側に一箇所設けられている。長手方向折返し重合せ部Lが存在するため、壁際用防水シート40は、折り目部406を境界として壁当接側防水シート部407と屋根当接側防水シート部408とで構成される。屋根当接側防水シート部408は、上段壁際用防水シート部401、上段折曲げ部402、折返し壁際用防水シート部403、下段折曲げ部404、下段壁際用防水シート部405を有している。壁当接側防水シート部407は、上段壁際用防水シート部401と同等の部材が、折り目部49から粘着テープ(壁面側)45まで延ばされた部位である。
また、図3(a)、(c)に示すように、折り目部406は、壁際用防水シート40の上下両面に現れている。典型的な壁際用防水シート40の形状は、横手方向に関しては、壁当接側防水シート部407に対応する、折り目部49から粘着テープ(壁面側)45までの長さTと、屋根当接側防水シート部408に対応する折り目部49から粘着テープ(裾部側)47までの長さTとを用いて、(T+T)となっている。ここで、粘着テープ(裾部側)47の幅T47、粘着テープ(裾部側)47から上段折曲げ部402までの間隔T402、上段折曲げ部402から下段折曲げ部404までの間隔、即ち大略折返し壁際用防水シート部403の幅T403,下段折曲げ部404から折り目部49までの間隔T404を用いると、次式が成立する。
=T47+T402+T403+T404 (3)
粘着テープ45、47は、材料としてブチルまたはEPDMが好ましい。粘着テープ45、47は、壁際用防水シートの長手方向の裾部44と、この裾部44と反対側の縁に位置する壁面側に、幅10mm〜50mm(好ましくは30mm)装着することが好ましい。横手方向折返し重合せ部Tは、屋根材の凹凸に馴染ませるように貼り付けるため、折返し重合せ部Tを連続して設け、折返し重合せ部T同士の間隔Lpは6mm〜18mmであり、延伸率Exptが140%〜160%であることが好ましい。長手方向折返し重合せ部Lは、主に屋根材の谷部に沿うように長手方向に延伸させるため、折返し壁際用防水シート部403の横手方向の長さT403を20mm〜40mm確保することが好ましい。
本発明の壁際用防水シートによれば、屋根用防水シート10を壁際用に適宜の形状に裁断しているので、横手方向折返し重合せ部Tを延伸することで、屋根材の凹凸に対応できると共に、長手方向折返し重合せ部Lを延伸することで、屋根材の段差への対応だけでなく、水返しの役目も果たす。また、作業者にとっても、横手方向への薄手のエラストマーシート1の弾性とアルミ箔3の保形性を有するシートのため、手に馴染みやすいため、施工不良の発生が防止でき、施工時間の短縮につながる。
図4は、平らな屋根材に対する壁際用防水シートの施工状態を説明する構成図で、(a)は比較例の要部構成断面図、(b)は本発明の実施例の要部構成断面図である。図4(a)に示す比較例では、壁際用防水シート40に長手方向折返し重合せ部Lがなく、雨水による漏水が壁際に発生した状態を説明している。図4(b)に示す本発明の実施例では、壁際用防水シート40に長手方向折返し重合せ部Lを設けた図で、雨水による漏水が壁際で防止できることを説明している。
図において、壁際用防水シート40が装着される、屋根の壁際部50には、壁面51、屋根材52、桟木53、笠木54、ビス55、雨押え板金56、面戸形板金57、ルーフィング60、スペース材61、桟木62、水切りテープ63、野地板64が設けられている。屋根の壁際部50としては、例えば一部二階建て用住居における平屋部分と二階建て部分との接合部、窓の上側に設置される張り出し屋根部、天井窓と屋根材との境界部、暖炉等の煙突と屋根材との接合部等がある。
壁面51は、屋根材52が取付けられる壁体をいう。屋根材52には、典型的には瓦やスレートを用いるが、瓦のような厚型の屋根材を用いるとよい。桟木53は、屋根材52をとめるときに使用する壁面51側の部材で、風通しをよくするため材に直交して間に挟む小角材である。笠木54は、仕上げた外壁の上端部から雨などの進入をふせぐために取り付ける部材で、笠木の材質としては、耐久性の高い金属板や屋根材と同質素材が用いられる。ビス55は、桟木53や笠木54を壁面51に固定するのに用いるもので、金属製の剛性が高く耐久性の高い材料が用いられる。雨押え板金56は、屋根材52と壁面51との境界面から雨水が浸入しないように被覆する部材で、耐久性の高い金属板が用いられる。ルーフィング60は、防水作用のあるシート状の部材で、屋根材52が瓦の場合にはアスファルト系シートが用いられる。スペース材61は、壁面51とルーフィング60並びに雨押え板金56との間に設置されるもので、壁面51に釘や接着剤等で固定される。桟木62は、屋根材52をとめるときに使用する野地板64側の部材で、風通しをよくするため材に直交して間に挟む小角材である。水切りテープ63は、桟木62の下に垂直に設置する幅20mm程度のテープ状のもので、桟木62に雨水が溜まらず、流れ落ちる。野地板64は、屋根瓦などを固定する屋根面の下地合板をいい、垂木の上に合板を張り、その上にルーフィング60を施工してある。
このような平らな屋根材に対する壁際用防水シートの施工状態において、図4(a)に示す比較例では、壁際用防水シート40に長手方向折返し重合せ部Lがなく、ビス55による桟木53や笠木54を壁面51に固定する作業の際に、ビス55によって壁際用防水シート40に穴が空いてしまい、この穴から雨水の漏水が生じる。壁際用防水シート40は、笠木54の下側に沿って設置されているが、笠木54の下側と壁際用防水シート40との間に生じた隙間から雨水が浸入して、ビス55による穴から屋根材52側への雨水の漏水が生じる。
これに対して、平らな屋根材に対する壁際用防水シートの施工状態において、図4(b)に示す本発明の実施例では、壁際用防水シート40に長手方向折返し重合せ部Lが水返しとして作用し、ビス55による桟木53や笠木54を壁面51に固定する作業の際に、ビス55によって壁際用防水シート40に穴が空いてしまっても、この穴からの雨水の漏水を防止できる。即ち、壁際用防水シート40は、笠木54の下側に沿って設置されているが、笠木54の下側と壁際用防水シート40との間に生じた隙間が、壁際用防水シート40の長手方向折返し重合せ部Lの三層構造、即ち上段壁際用防水シート部401、折返し壁際用防水シート部403、下段壁際用防水シート部405、によって水返しとして作用し、雨水が浸入しても、ビス55による穴まで雨水が侵入するのを防止して、屋根材52側への雨水の漏水を阻止する。
続いて、図4(b)の状態での壁際用防水シートの設置方法を説明する。図5は、平らな屋根材に対する壁際用防水シートの設置方法を説明する流れ図である。平らな屋根材では、壁際用防水シート40の設置される壁際には、屋根面と壁面の近傍に薄板木材(笠木54)とL字形板金(雨押え板金56)が設けられている。まず、最初に、壁際用防水シート40の中央部から横手方向の一方を壁面51に固定する(ステップ300)。次に、壁際用防水シート40の横手方向の他方をなす裾部側を、屋根面52と壁面51の接線から所定距離、例えば7〜12cm、離れた壁際1段目の屋根材52に粘着テープ47で接着する(ステップ302)。そして、当該裾部側の上に薄板木材(笠木54)をビスで固定する(ステップ304)。最後に、壁際用防水シート40と薄板木材(笠木54)をL字形板金(雨押え板金56)が覆う状態で施工する(ステップ308)。このようにして、壁際用防水シートの設置作業が終了する(ステップ310)。
図6は、波型屋根材に対する壁際用防水シートの施工状態を説明する構成図で、(a)は比較例の要部構成断面図、(b)は本発明の実施品を用いた実施例の要部構成断面図である。図6(a)に示す比較例では、壁際用防水シート40に長手方向折返し重合せ部Lがなく、裾部44の粘着テープ47が全面幅に亙って貼れずに浮き、屋根材52を固定するファスナー穴から漏水する状態を説明している。図6(b)に示す本発明の実施例では、壁際用防水シート40に長手方向折返し重合せ部Lを設けた図で、裾部の粘着テープを全面幅に亙って貼ることができた状態を説明している。
図において、壁際用防水シート40が装着される、屋根の壁際部50には、壁面51、屋根材52、桟木53、笠木54、ビス55、雨押え板金56、面戸形板金57が設けられている。なお、図6において、図4と同一作用をするものには同一符号を付して、説明を省略する。屋根材52としては、例えば瓦のように凸凹曲面のある部材を用いる関係で、屋根材52の谷部Gと、屋根材52の山部Hが現れるため、壁際用防水シート40も屋根材52の谷部Gと山部Hで連続的に姿勢が変形するが、ここでは屋根材52の谷部Gと山部Hの箇所を示している。
このような波型屋根材に対する壁際用防水シートの施工状態において、雨水による問題が生じるのは、屋根材52の谷部Gである。屋根材52の山部Hでは、雨水が低い屋根材52の谷部Gに流れるため、壁際部50での漏水の問題が生じにくい。そこで、屋根材52の谷部Gについて検討すると、図6(a)に示す比較例では、壁際用防水シート40に長手方向折返し重合せ部Lがなく、ビス55による桟木53や笠木54を壁面51に固定する作業の際に、ビス55によって壁際用防水シート40に穴が空いてしまい、この穴から雨水の漏水が生じる。壁際用防水シート40は、笠木54の下側に沿って設置されているが、笠木54の下側と壁際用防水シート40との間に生じた隙間から雨水が浸入して、ビス55による穴から屋根材52側への雨水の漏水が生じる。
これに対して、図6(b)に示す本発明の実施例では、壁際用防水シート40に長手方向折返し重合せ部Lが水返しとして作用し、ビス55による桟木53や笠木54を壁面51に固定する作業の際に、ビス55によって壁際用防水シート40に穴が空いてしまっても、この穴からの雨水の漏水を防止できる。即ち、壁際用防水シート40は、笠木54の下側に沿って設置されているが、笠木54の下側と壁際用防水シート40との間に生じた隙間が、壁際用防水シート40の長手方向折返し重合せ部Lの三層構造、即ち上段壁際用防水シート部401、折返し壁際用防水シート部403、下段壁際用防水シート部405、が有効に作用して、展開した状態のよって長手方向折返し重合せ部Lが水返しとして作用し、雨水が浸入しても、ビス55による穴まで雨水が侵入するのを防止して、屋根材52側への雨水の漏水を阻止する。
図7は、屋根材に対する壁際用防水シートの施工手順を説明するフローチャートである。図において、まず、壁際用防水シート40の長手方向へ伸びる折り目部49に沿って、壁際用防水シート40を「く」の字形に屈折させる(ステップ400)。次に、折り目部49を屋根面52と壁面51の接線に合わせるように設置する(ステップ402)。そして、壁際用防水シート40の壁面側の剥離紙46を剥がして粘着テープ45で壁面51に接着する(ステップ404)。また、壁際用防水シート40の裾部44の剥離紙48を剥がし、粘着テープ47を屋根材52の山部Hに接着する(ステップ406)。このとき、屋根面への貼り付けについて、裾部44の長手方向折返し重合せ部Lは、屈折させた状態のまま接着させれば、雨押え板金56の内側の所定位置に貼り付けることができる。そして、屋根材52の谷部Gは、長手方向折返し重合せ部Lを、裾部44を雨押え板金56の内側に納まるように横手方向に延伸させながら屋根材52の谷部Gに沿うように長手方向に延伸させながら接着する(ステップ408)。このようにして、壁際用防水シートの設置作業が終了する(ステップ410)。このとき、図6に示すように、壁際用防水シート40は、屋根材52の山部Hや谷部Gの形状に適合させると共に、壁面51の形状に適合させる必要がある。そこで、壁際用防水シート40の横手方向折返し重合せ部Tに関しては、壁面51のように平坦な場合では重ね合せた状態で装着し、屋根材52の山部Hや谷部Gのように凸凹形状の場合は重ね合せた状態から展開状態にして、装着する。
図8は、屋根材に対する壁際用防水シートの他の施工手順を説明するフローチャートである。図において、まず、壁際用防水シート40の長手方向の中央部にある折り目部49に沿って、「く」の字形に屈折させる(ステップ400)。次に、折り目部49を屋根面52と壁面51の接線に沿って長手方向に設置する(ステップ402)。そして、壁際用防水シート40の裾部側の剥離紙48を剥がして粘着テープ47で屋根材52の山部Hに接着する(ステップ410)。そして、屋根材52の谷部Gは、長手方向折返し重合せ部Lを、裾部44を雨押え板金56の内側に納まるように横手方向に延伸させながら屋根材52の谷部Gに沿うように長手方向に延伸させながら接着する(ステップ412)。また、壁際用防水シート40の壁面側の剥離紙46を剥がして粘着テープ45で壁面51に接着する(ステップ414)。このようにして、壁際用防水シートの設置作業が終了する(ステップ416)。このとき、図6に示すように、壁際用防水シート40は、屋根材52の山部Hや谷部Gの形状に適合させると共に、壁面51の形状に適合させる必要があるため、壁際用防水シート40の横手方向折返し重合せ部Tの重ね合せ状態や展開状態を調整することは、図7のフローチャートと同様である。
図9は、壁際一段目の屋根材が壁面から離れている場合に対する壁際用防水シートの施工状態を説明する構成図で、(a)は比較例の要部構成断面図、(b)は本発明の実施品を用いた実施例の要部構成断面図である。図9(a)に示す比較例では、壁際用防水シート40に延び代がなく、裾部44の粘着テープ47が全面幅に亙って貼れず、接着面積が不足した状態を説明している。図9(b)に示す本発明の実施例では、壁際用防水シート40に長手方向折返し重合せ部Lが延び代として作用し、裾部44の粘着テープ47を全面幅に亙って貼れる状態を説明している。
図において、壁際用防水シート40が装着される、屋根の壁際部50には、壁面51、屋根材52、桟木53、笠木54、ビス55、雨押え板金56、面戸形板金57が設けられている。なお、図9において、前記図4・図6と同一作用をするものには同一符号を付して、説明を省略する。ここでは、壁際一段目の屋根材52が壁面51から隙間をもって設置されている場合であるため、雨押え板金56や面戸形板金57によっても完全に当該隙間を補填できず、漏水しやすい類型といえる。このような隙間は、屋根材52を構成する木材の変形などによって生じやすいが、壁際用防水シート40によって隙間が欠陥とならずに治癒されて、漏水という建築物の重大な欠陥となる事態を防止できる。
このような壁際一段目の屋根材が壁面から離れている場合に対する壁際用防水シートの施工状態において、雨水による問題が生じるのは、屋根材52の谷部Gである点は、波型屋根材と共通する。屋根材52の山部Hでは、雨水が低い屋根材52の谷部Gに流れるため、壁際部50での漏水の問題が生じにくい。そこで、屋根材52の谷部Gについて検討すると、図9(a)に示す比較例では、壁際用防水シート40に長手方向折返し重合せ部Lがなく、ビス55による桟木53や笠木54を壁面51に固定する作業の際に、ビス55によって壁際用防水シート40に穴が空いてしまい、この穴から雨水の漏水が生じる。壁際用防水シート40は、笠木54の下側に沿って設置されているが、笠木54の下側と壁際用防水シート40との間に生じた隙間から雨水が浸入して、ビス55による穴から屋根材52側への雨水の漏水が生じる。
これに対して、図9(b)に示す本発明の実施例では、壁際用防水シート40に長手方向折返し重合せ部Lが水返しとして作用し、ビス55による桟木53や笠木54を壁面51に固定する作業の際に、ビス55によって壁際用防水シート40に穴が空いてしまっても、この穴からの雨水の漏水を防止できる。即ち、壁際用防水シート40は、笠木54の下側に沿って設置されているが、笠木54の下側と壁際用防水シート40との間に生じた隙間が、壁際用防水シート40の長手方向折返し重合せ部Lの三層構造、即ち上段壁際用防水シート部401、折返し壁際用防水シート部403、下段壁際用防水シート部405、が有効に作用して、展開した状態のよって長手方向折返し重合せ部Lが水返しとして作用し、雨水が浸入しても、ビス55による穴まで雨水が侵入するのを防止して、屋根材52側への雨水の漏水を阻止する。
図10は、壁際一段目の屋根材が壁面から離れている場合に対する壁際用防水シートの施工手順を説明するフローチャートである。壁際用防水シート40の設置される壁際には、屋根面と壁面の近傍に薄板木材(笠木54)、面戸形板金板、並びにL字形板金(雨押え板金56)が設けられている。まず、壁際用防水シート40の中央部から横手方向の一方の縁部を壁面51に固定する(ステップ500)。そして、壁際用防水シート40の横手方向の他方をなす裾部側は、屋根面52と壁面51の接線から所定距離、例えば7〜12cm、離れた壁際1段目の屋根材52に粘着テープ47で接着する(ステップ502)。次に、当該裾部側の上に薄板木材(笠木54)をビスで固定する(ステップ504)。続いて、屋根材の凹部の隙間を覆う面戸形板金57を薄板木材(笠木54)に仮固定する工程(ステップ506)と、壁際用防水シートと薄板木材(笠木54)をL字形板金(雨押え板金56)が覆う状態で施工する工程(ステップ508)とを有することを特徴とする、壁際用防水シート。このようにして、壁際用防水シートの設置作業が終了する(ステップ510)。このとき、図9に示すように、壁際用防水シート40は、屋根材52の山部Hや谷部Gの形状に適合させると共に、壁面51の形状に適合させる必要があるため、壁際用防水シート40の横手方向折返し重合せ部Tの重ね合せ状態や展開状態を調整することは、図7のフローチャートと同様である。
図11は、壁際用防水シートの設置状態を説明する側面断面図で、(A)は桟木との位置関係、(B)は壁際に設置される状態での形状を説明している。桟木53の壁部51方向の厚さT53は、例えば10〜20mm程度である。そこで、壁際用防水シート40の上段壁際用防水シート部401の折返し壁際用防水シート部403との重なりがない領域の長さT404(=T401−T403)は、桟木53の壁部51方向の厚さT53よりも大きくする必要がある。そこで、典型的な数値は、図11(B)に示すように、壁当接側防水シート部407に対応する、折り目部49から粘着テープ(壁面側)45までの長さTは、40mm〜200mm、特に好ましくは90mm程度にするのがよい。
また、屋根当接側防水シート部408に対応する折り目部49から粘着テープ(裾部側)47までの長さTも、40mm〜200mm、特に好ましくは90mm程度にするのがよい。ここで、下段折曲げ部404から折り目部49までの間隔T404は、例えば30mm程度、折返し壁際用防水シート部403の幅T403は、例えば20mm程度、粘着テープ(裾部側)47の縁から下段折曲げ部404までの間隔T−T404は、例えば60mm程度とするのがよい。
以上、添付図面を参照して、この発明の実施形態を説明したが、この発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。例えば、上記実施例においては、屋根用防水シートの用途として壁際用防水シートを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、雨水が建築物に侵入しやすい箇所における雨止めシール材として利用できる。
本発明の壁際用防水シートに用いて好適な多層防水シートの拡大断面図である。 本発明の壁際用防水シートに用いて好適な屋根用防水シートの構成図で、(a)は屋根用防水シートについて(b)のA−A方向の断面図、(b)は屋根用防水シートの構成斜視図である。 壁際用防水シートの一実施の形態を説明する構成図で、(a)は上面から見た平面図、(b)は図3(a)のb−b方向から見た横手方向断面図、(c)は下面から見た底面図、(d)は図3(a)d−d方向から見た側面図である。 平らな屋根材に対する壁際用防水シートの施工状態を説明する構成図で、(a)は比較例の要部構成断面図、(b)は本発明の実施品を用いた実施例の要部構成断面図である。 平らな屋根材に対する壁際用防水シートの敷設方法を説明する流れ図である。 波型屋根材に対する壁際用防水シートの施工状態を説明する構成図で、(a)は比較例の要部構成断面図、(b)は本発明の実施品を用いた実施例の要部構成断面図である。 波型屋根材に対する壁際用防水シートの敷設方法を説明する流れ図である。 波型屋根材に対する壁際用防水シートの敷設方法を説明する流れ図である。 壁際一段目の屋根材が壁面から離れている場合に対する壁際用防水シートの施工状態を説明する構成図で、(a)は比較例の要部構成断面図、(b)は本発明の実施品を用いた実施例の要部構成断面図である。 壁際一段目の屋根材が壁面から離れている場合に対する壁際用防水シートの敷設方法を説明する流れ図である。 壁際用防水シートの設置状態を説明する側面断面図である。
符号の説明
1 エラストマーシート(クロロスルフォン化ポリエチレン)
2 粘着剤(アクリル樹脂系粘着剤)
3 アルミ箔
4 樹脂系塗料
5 多層防水シート
10 屋根用防水シート
40 壁際用防水シート
44 裾部
45 粘着テープ(壁面側)
46 剥離紙(壁面側)
47 粘着テープ(裾部側)
48 剥離紙(裾部側)
49 折り目部
50 壁際部
51 壁面
52 屋根材(屋根面・瓦)
53 桟木
54 笠木(貫板・薄型木材)
55 ビス
56 雨押え板金(L字形板金)
57 面戸形板金
G 屋根材の谷部
H 屋根材の山部
L.長手方向折返し重合せ部(Length direction)
T.横手方向折返し重合せ部(Transverse direction)

Claims (3)

  1. 耐引き裂き性と熱収縮性を有するエラストマーシートを、粘着剤を用いてアルミ箔の表面側に貼り合わせ、該アルミ箔の裏面側に、樹脂系塗料をコーティングした多層防水シートを用いる壁際用防水シートであって、
    前記壁際用防水シートは、当該多層防水シートの長手方向の途中に該長手方向と直交する横手方向にわたって横手方向折返し重合せ部を形成し、該長手方向にわたって長手方向折返し重合せ部を形成した屋根用防水シートを用いてなり、
    長手方向の延伸性が125%〜175%であり、横手方向の延伸長さが10mm〜80mmであり、
    前記壁際用防水シートの長手方向折返し重合せ部は、上段壁際用防水シート部、折返し壁際用防水シート部、並びに下段壁際用防水シート部とを有し、壁際一段目の瓦と壁面との間隔が開いている場合に、当該間隔に対応して当該長手方向折返し重合せ部を展開して施工することにより、当該間隔を当該壁際用防水シートによって水返しとして被覆できるように構成したことを特徴とする、壁際用防水シート。
  2. 前記長手方向の中央付近に、長手方向に折り目を設けると共に、この折り目を境界として、壁当接側防水シートと屋根当接側防水シートとを有することを特徴とする、請求項1記載の壁際用防水シート。
  3. 前記長手方向の折り目からみて、屋根材に接着する裾部側について、長手方向折返し重合せ部を延伸させない状態の横手方向の長さが70mm〜120mmであることを特徴とする、請求項2記載の壁際用防水シート。
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