JP4923922B2 - 極端紫外線露光用マスク、その製造法、およびそれを用いた半導体集積回路製造方法 - Google Patents

極端紫外線露光用マスク、その製造法、およびそれを用いた半導体集積回路製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体製造プロセス中の、極端紫外線露光を用いたフォトリソグラフィ工程で使用される、極端紫外線露光用マスク、その製造法、およびそのマスクを用いたパターン転写工程を含む半導体集積回路の製造方法に関する。
半導体集積回路の微細化技術は常に進歩しており、微細化のためのフォトリソグラフィ技術に使用される光の波長は次第に短くなってきている。光源としては、これまで使用されて来たKrFエキシマレーザ(波長248nm)からArFエキシマレーザ(波長193nm)に切り替わり、さらにその次世代技術として、ArFエキシマレーザを用いた液浸露光技術が使用されている。
しかしながら、ArFエキシマレーザを用いた液浸露光をもってしても、将来的に求められる32nm以下の線幅を有するデバイスを作製することは容易ではない。また、ArFエキシマレーザを用いる液浸露光を32nm以下の線幅を有するデバイス作製用のリソグラフィ技術として適用するには露光装置やレジストの課題もある。このため、エキシマレーザ光より波長が一桁以上短い、波長10〜15nmの極端紫外線(Extreme Ultra Violet、以下「EUV」と略記)を用いたEUVリソグラフィの研究開発が進められている。
EUV光は、上述のように波長が短いため、物質の屈折率がほとんど真空の値に近く、材料間の光吸収の差も小さい。このため、EUV露光を行う場合、従来から用いられている、透過型のマスクを使用する屈折光学系の露光システムは使用できず、反射光学系の露光システムが必要となり、マスクについても反射型マスクが必要となる。
これまで開発されてきた一般的なEUV露光用の反射型マスク(以下、「EUV露光用マスク」)は、Siウェハやガラス基板上に、反射率が高い高反射領域と、高反射領域の上にパターン形成された低反射領域(吸収領域)とが形成された構造である。高反射領域は、例えばMoとSiからなる2層膜を40層ほど積層した多層膜が露光光に曝される部分であり、低反射領域は、多層膜上に設けたTaなどの金属性膜(吸収膜)をパターン形成して得られる。高反射領域は、2種類の膜を交互に積層した多層膜により形成され、2種類の膜は、両者間での屈折率差が大きい一方、それぞれの吸収はなるべく小さくなるように構成される。この結果、多層膜が吸収膜に覆われていない部分(高反射領域)において各界面からの僅かな反射成分が干渉して強め合い、直入射に近いEUV光に対して比較的高い反射率を得ることが可能となる。
ここで、多層膜を保護する意味で、多層膜の最上層(吸収膜に近い層)をキャッピング膜と呼ぶ場合がある。キャッピング膜は、EUV光に対する透明性が高い材料を用いて別途、形成される場合もあるが、ここではキャッピング膜も含め、高反射領域を形成する積層膜を多層膜と呼ぶことにする。
従来の一般的なEUV露光用マスクでは、高反射領域を形成する多層膜と吸収領域を形成する金属性膜との間に、SiO膜やCr膜からなる緩衝(バッファ)膜が配置されている。緩衝膜は、吸収膜のパターニングや欠陥修正を行う際に、多層膜へ与えるダメージを軽減する機能を持つ膜である。この緩衝膜は、多層膜の反射率が低下しないよう、通常は吸収膜のパターニグ後は剥離するが、EUV光に対する透明性が高い場合は、剥離せずに残すタイプのEUV露光用マスクも提案されている(特許文献1)。後者のタイプのEUV露光用マスクについては、その後のプロセスを経ても緩衝膜のEUV光透明性が低下せず、従って実際にEUV光を露光する際に、高反射領域のEUV反射率が低下することがなく、転写性能への影響がないようなマスクプロセスと構造を開発する必要がある。
特開2004−260056号公報
ところで、吸収膜をパターニングする際、本来除去される部分の吸収膜が除去されずに残ることにより、吸収膜パターンに欠陥が生じる場合がある。このような吸収膜パターンを修正する方法のひとつとして集束イオンビームを欠陥部分に照射することにより、欠陥部分に残存した吸収膜を削り取って修正する方法がある。ただし、緩衝膜を残すタイプのEUV露光用マスクの場合、この集束イオンビーム修正を行うと、緩衝膜にイオンが注入されてEUV光透明性が低下し、イオン注入された緩衝膜に覆われた部分のEUV反射率が低下するため、集束イオンビーム修正を用いることができない、という課題があった。
本発明では、緩衝膜へのイオン注入による、高反射領域の実質的な反射率低下を防止でき、従って緩衝膜を剥離せず残すタイプのEUV露光用マスクであっても集束イオンビームによる欠陥修正が可能なEUV露光用マスク、およびそのマスクを用いたパターン形成方法を提供する。
本発明の請求項に係る発明は、基板と、前記基板の片側表面上に形成されたEUV光を反射する多層膜と、前記多層膜上に形成されたEUV光に対する透明性を有する緩衝膜と、前記緩衝膜上に形成されたパターニングされた吸収膜とを有する極端紫外線露光用マスクを準備し、前記吸収膜をパターニングした後、前記吸収膜がパターニングされずに残存したパターン欠陥部を集束イオンビームにより修正し、前記緩衝膜の一部であって、前記パターン欠陥部に隣接する前記緩衝膜表面のイオン濃度が、5×10 20 (atoms/cm )以上の部分、または、前記集束イオンビームにより修正された前記緩衝膜の前記修正部の反射率が、前記集束イオンビームにより修正しない前記緩衝膜の無修正部の反射率より5%以上低い部分における前記緩衝膜の前記修正部の膜厚を、前記緩衝膜の前記無修正部り膜薄化することを特徴とする極端紫外線露光用マスクの製造方法としたものである。
本発明の請求項に係る発明は、請求項1または2のいずれか一に記載の極端紫外線露光用マスクの製造方法により製造した極端紫外線露光用マスクを露光装置に設置し、リソグラフィ法による露光転写を行うことを特徴とする半導体集積回路の製造方法としたものである。
本発明によれば、緩衝膜が剥離されず高反射領域上に残されているタイプのEUV露光用マスクについて、集束イオンビームによる欠陥修正が可能となる。
以下、図面を参照して本発明について詳細に説明する。本明細書において、同一部材については同一符号を付し、説明を省略または簡略化する。
図1は本発明の一実地形態に係るEUV露光用マスク10の断面を示す模式図である。EUV露光用マスク10は、基板1上に、多層膜2、緩衝膜3、吸収膜4がこの順に積層された構成である。多層膜2は、EUV光を反射し、ほぼ均一な膜厚で基板1の片側表面(上面)全体を覆う。本実施形態の多層膜2は、2種類の膜が交互に積層されて構成され、具体的にはMo膜とSi膜という2種類の膜の対が40対重ねられて構成されている。ただし、本発明において多層膜2の構成はこれに限定されず、EUV光を反射させる任意の膜を使用することができる。
緩衝膜3は、EUV光に対する透明性を有する材料で構成され、多層膜2全体を覆う。一方、吸収膜4はパターニングされており、多層膜2およびその上を覆う緩衝膜3には、吸収膜4で覆われた部分と吸収膜4で覆われない部分とがある。緩衝膜3はEUV光に対する透明性を有するため、基板1上の多層膜2および緩衝膜3が吸収膜3で覆われていない部分は、EUV光を露光した際にEUV光を反射する高反射領域Rとなり、多層膜2および緩衝膜3が吸収膜4で覆われた部分は低反射領域、すなわち吸収領域Aとなる。
本実施形態の緩衝膜3は、ZrSiを材料とするが、EUV光に対する多層膜2の反射を阻害しない材料および厚さであれば構造は特に限定されない。例えば、特許文献1に記載されているように、EUV露光波長に対する消衰係数が0.001以上0.015以下の範囲となるように材料および厚さが規定された膜を緩衝膜として好適に使用することができる。緩衝膜3の膜厚は、もともとはほぼ均一(例えば30nm以下、特に3〜10nm)であるが、本発明では符号5で示すように、一部に他の部分より薄い部分(以下、「膜薄部」)がある。
この膜薄部5は、後述するEUV露光用マスク10の製造プロセスにおいて、吸収膜4のパターンに生じた欠陥修正に対して高反射領域Rの反射率を均一化するために加工された部分である。以下、膜薄部5を形成する理由について、図2〜5を参照して詳述する。
図2は、吸収膜4のパターン欠陥を修正した後、緩衝膜3の一部の膜厚を薄くする前のEUV露光用マスク10におけるEUV光の反射状態を示す断面模式図であり、図3は、吸収膜4のパターン欠陥を修正した後、緩衝膜3の一部の膜厚を薄くして膜薄部5を形成したEUV露光用マスク10におけるEUV光の反射状態を示す断面模式図である。図2において、後に膜薄部5が形成される部位は、吸収膜4のパターン欠陥が修正された部分(以下、「修正部」)5´であり、パターン欠陥修正時に用いられたイオンビーム由来のイオンを含んでいる。
EUV露光用マスク10において、高反射領域Rでは多層膜2と緩衝膜3とによりEUV露光光が反射される。修正部5´における反射率をR7、修正部5´以外の部分(例えば図2および図3において破線で囲った部分。以下、「無修正部」)Nにおける反射率をR3とすると、R3は次式により求められる。
(式1)
反射率R3=多層膜の反射率+緩衝膜の反射率
図4は、本実施形態について、緩衝膜3の膜厚を変化させた場合の反射率R3の値を計算して求めた結果を示すグラフ図である。ここで多層膜界面は、拡散のない理想的な界面として計算しているので実際に得られる反射率より5%程度高くなっている。図4に示すように、R3は、緩衝膜3による光吸収と緩衝効果により、緩衝膜3の膜厚が増えるに従って周期的なパターンを描きつつ次第に低下する。すなわち、緩衝膜3の膜厚が薄いほど、R3は大きく、好ましい。なお、図4は、ZrSi製の膜を緩衝膜3とする場合のR3の変化を示すものであるが、緩衝膜3がZrSi以外の材料で構成される場合も同様の傾向が認められる。
一方、修正部5´には吸収膜4のパターン欠陥を修正するために集束イオンビームが照射されることにより、イオンが注入されている。修正部5´は、EUV光を反射させる高反射領域Rにあり、その反射率R7は、修正部5´以外の高反射領域Rである無修正部Nの反射率R3と同じであり、修正部5´における多層膜2の反射率と修正部5´における緩衝膜3の反射率の和である。しかし、修正部5´においては緩衝膜3にイオンが注入されているため、修正部5´の反射率R7は、無修正部Nの反射率R3と同じではない。
この点について、図5を用いて詳述する。図5は、集束イオンビームを用いて吸収膜4のパターン欠陥の修正を行った場合の緩衝膜3中でのイオン注入分布を計算した結果を示すグラフ図である。吸収膜4としては厚さが100nmのTaを材料とする金属性膜を用い、緩衝膜3はZrSi製の膜を用いた。集束イオンビームは、Gaイオンの加速電圧10keVとし、ドーズ量は、100nmの厚さのTa膜を実際に修正したときのドーズ量とした。具体的には、ドーズ量は0.012(nC/μm)とした。
ZrSiの原子密度は理論上、4.4×1022(atoms/cm3)程度であるので、Gaイオンの濃度が4×1020(atoms/cm3)、すなわち1%以下程度であれば、Gaイオンの注入による緩衝膜3の反射率の低下はほとんどないと考えられる。しかし、図5に示すように、緩衝膜3の最表面(図5の横軸で0.1μmの所)におけるGaイオン濃度は1.02×1021(atoms/cm3)であり、吸収膜表面から10nm(図5の横軸で0.11μmの所)の深さにおけるGaイオン濃度は2.66×1020(atoms/cm3)であった。従ってZrSi緩衝膜3の上部には、反射率に影響を与えるほどの濃度のGaイオンが存在していると言える。GaのEUV光吸収性はZrやSiよりも大きいので、修正部5´における反射率R7は、無修正部Nの反射率R3より小さく、すなわちR7<R3となる。
そこで、本発明においては、修正部5´における反射率R7が、イオンビーム由来のイオンが存在していない無修正部Nの反射率R3に近い値となるように、修正部5´の緩衝膜3の膜厚を薄くする。修正部5´に位置する緩衝膜3の膜厚を薄くすることにより、図1に示す膜薄部5が形成されるが、このように膜厚を薄くされた修正部5´(すなわち膜薄部5)における反射率R8は向上する。つまり、緩衝膜3の膜厚が薄くされた分、緩衝膜3の透過率は上昇するので、緩衝膜3の膜厚が薄くなった部分にはイオンが注入されているにもかかわらず、当該部分における多層膜2と緩衝膜3とによる反射率R8は大きくなる。すなわち、緩衝膜3の膜厚をコントロールすることによって、膜厚が薄くなった部分における反射率R8を無修正部Nの反射率R3とほぼ等しくすることによって、高反射領域R全体の反射率を均一化することができる。
緩衝膜3の修正部5´の膜厚を薄くする方法は、集束イオンビームで追加修正する、反応性ガス雰囲気下で電子線ビームにより加工する、原子間力顕微鏡(AFM)で用いられるような微細針により機械的に加工する、レーザ光により加工する等の方法がある。
以下、図6を用いて上述したEUV露光用マスク10を例として、本発明に係るEUV露光用マスクの製造方法について説明する。
まず、基板1を用意し、基板1の片側表面のほぼ全面を覆うようにEUV反射性の多層膜2を形成する。基板1の材質は特に限定されず、例えばガラスやプラスチック製の透明基板、またはシリコンウェハ等を使用することができる。
多層膜2としては、EUV反射率65%以上であることが好ましく、現在、Mo膜とSi膜とを積層した2層膜を40層程度積層した膜が用いられている。このような多層膜2は、マグネトロンスパッタリング法、またはイオンビームスパッタリング法等を用いて、基板1上にMo膜とSi膜とを交互に積層することにより形成されるが、本発明で用いられる多層膜2の構造、材質、および製法はこれに限定されるものではない。
なお、上述したとおり多層膜の最上層を「キャッピング膜」と称する場合があるが、上記実施形態に係るEUV露光用マスク10の多層膜2には、かかる「キャッピング層」が含まれるものとする。ただし、キャッピング層を多層膜とは別の材料で構成する場合等において、キャッピング層と多層膜とを区別する場合があり、上記EUV露光用マスク10の緩衝膜3はこのような場合には、キャッピング層を兼ねる膜と考えてもよい。
次に、多層膜2を覆うように緩衝膜3を成膜し、緩衝膜3の上を覆うように吸収膜3をさらに成膜する。緩衝膜3は上述したとおり、Zr、Y、Si等を材料として形成することができる。現在、提案されているEUV露光用マスクの緩衝膜としては、ZrSi、CrN、SiO膜等があるが、これらに限定されるものではない。
吸収膜4としては、Ta、Ti、Al等の金属材料とする膜、例えばTaBN膜、TiN膜、アルミニウム−銅合金(Al−Cu)膜等が提案されているが、材質や構造は特に限定されず、複数種類の膜を積層して吸収膜4としてもよい。緩衝膜3および吸収膜4は、多層膜2と同様に任意の成膜法、例えばスパッタリング法、プラズマCVD法、蒸着法等でそれぞれ形成すればよい。
吸収膜4を緩衝膜3上に成膜した後、吸収膜4をパターニングする。吸収膜4のパターニング方法は特に限定されず、例えば、吸収膜4上にレジストを塗布してレジストパターンを形成し、これをマスクとして吸収膜4をエッチングする方法を採用できる。レジストの材料やレジストパターンの描画法は、吸収膜4や緩衝膜3の材質等を考慮して適宜、選択すればよく、例えば電子線描画法や光露光を採用することができる。吸収膜4のエッチング方法も特に限定されず、反応性イオンエッチング等のドライエッチングまたはウエットエッチングを、吸収膜4の材料等に応じて適宜、選択して用いればよい。
吸収膜4をパターニングした後、レジストを剥離液で剥離することにより、EUV露光用マスク10が得られる。ただし、得られたEUV露光用マスク10には、図6(a)に示すように、本来、エッチングにより除去されるべき部分の吸収膜4が除去されずに欠陥部6として残っている場合がある。そこで、DUV反射光をEUV露光用マスク10に照射するなどの方法により、欠陥部6をチェックする欠陥検査を行う。
かかる欠陥検査により、吸収膜4が残存する欠陥部6を特定した後、欠陥部6を除去する欠陥修正工程を行う。欠陥部6を除去する方法としては、欠陥部6に集束イオンビームを照射する方法を用いることができる。このように集束イオンビームを用いることで、微細な欠陥を修正できる一方、図6(b)に示すように、欠陥部6の下層方向においてこれと隣接する緩衝膜3の部分に、イオンが注入された部分(修正部)5´が生じる。
そこで、次に膜薄化工程として、上述した方法により、イオンが注入された修正部5´の緩衝膜3の膜厚を薄くして、膜薄部5が形成されたEUV露光用マスク10を得る(図6(c)参照)。修正部5´の緩衝膜3の膜厚は、イオンが注入されていない周辺領域(無修正部N)の反射率R3と同等の反射率が得られるように調整するとよい。このような膜薄化処理は、修正部5´における集束イオンビーム由来のイオン濃度が、緩衝膜材料由来のイオン濃度の1%を超える場合に行うとよい。より具体的には、Gaイオンをイオン源として用いる場合において、修正部5´のイオン濃度が、5×1020(atoms/cm3)以上となっているような場合に修正部5´の緩衝膜3の膜厚を薄くするとよい。または、修正部5´における反射率を目安とし、修正部5´の反射率R7が無修正部Nの反射率R3に比べて5%以上、低いような場合に膜薄化処理を行うようにしてもよい。
上記膜薄化工程を経て得られたEUV露光用マスク10は、集束イオンビームによりパターン欠陥修正が施されており、かつ、パターン欠陥修正時にイオンが注入された部分を含む高反射領域R全体がほぼ均一な反射率を有する。したがって、このようなEUV露光用マスク10を露光装置に設置し、パターン転写することにより、当初予定されたパターンが形成されたデバイスを製造することができる。
なお、上記実施形態では吸収膜4のパターンに対して水平方向に隣り合う部分に欠陥部6が生じる場合について説明しているが、本発明は、欠陥部6が吸収膜4に隣接せずに生じている場合にも適用可能である。すなわち、吸収膜4により描かれたパターンとパターンの間に欠陥部6が生じている場合、集束イオンビームを欠陥部6に照射し、この欠陥部6に対して下方向に隣接する部分の緩衝膜3の膜厚を薄くすることにより、高反射領域における反射率を均一化することができる。換言すれば、緩衝膜3の膜厚を薄くする部分(修正部5´)は、欠陥部6に対して垂直方向下向きに隣接する。
次に、本発明に係るEUV露光用マスクを用いるパターン転写工程を含む半導体集積回路の製造方法について説明する。本発明は、EUV光を露光用光源として用いるフォトリソグラフィ法による半導体集積回路製造に適用され得る。
すなわち、本発明方法では、レジストを塗布したシリコンウェハ等の基板をウエハステージ上に配置し、反射鏡を組み合わせて構成した反射型の露光装置に上記EUV露光用マスクを設置する。そして、EUV光を光源から反射鏡を介してEUV露光用マスクに照射し、EUV光をEUV露光用マスクによって反射させてレジストが塗布された基板に照射する。このパターン転写工程により、回路パターンは基板上に転写される。回路パターンが転写された基板は、現像によって感光部分(または非感光部分)をエッチングした後、レジストを剥離する。半導体集積回路は、このように、基板上に薄膜を形成し、薄膜上にレジストを塗布するレジスト塗布、パターン転写、現像、エッチング、レジスト剥離の各工程を繰り返し、製造される。
以下、実施例について述べる。まず、基板としてガラス基板を用意し、この基板上にMo膜とSi膜とを対としてイオンビームスパッタリング法により成膜し、40対の多層膜を形成した。この多層膜の上に、緩衝膜としてZrSiをマグネトロンスパッタリング法により10nmの厚さとなるように成膜した。次に吸収膜として、マグネトロンスパッタリング法によりTaを主成分とする膜を100nmの厚さとなるように成膜し、EUV露光用マスクブランクスを得た。
その後、吸収膜の上に電子線レジストを塗布し、電子線描画法によりレジストパターンを形成した。このレジストパターンをマスクとし、反応性イオンエッチングにより吸収膜のパターニングを行い、その後、レジストを剥離した。しかる後に、DUV反射光によるコントラストを利用して、欠陥検査を行った。その後、多層膜に損傷が発生しないように注意しながら集束イオンビームによる欠陥修正を行った。欠陥修正を行った際、加速電圧を下げて欠陥修正した部分に集束イオンビームをさらに照射することにより緩衝膜を途中の深さまで加工して膜厚を薄くした。緩衝膜の膜厚は、欠陥修正の際に緩衝膜にGaイオンが注入されるために引き起こされる反射率の低下を補う厚さとなる程度の薄さ、具体的には7.1nmの厚さとした。
この結果、欠陥修正していない高反射率領域における多層膜と緩衝膜とによる反射率R3は66.5%であったのに対し、欠陥修正しさらに緩衝膜の膜厚を薄くした部分(図3の5に相当する部分)の反射率R8は66.3%となった。
また、比較のために欠陥修正できた時点で集束イオンビームの照射を停止し、膜厚を10nmのままとした部分(図2の5´に相当する部分)も作成し、この部分の反射率R7を測定した。測定の結果、欠陥修正を行い緩衝膜の膜厚を薄くしなかった部分の反射率R7は60.7%であった。
このように、本発明によれば吸収膜のパターン欠陥を集束イオンビームで修正した部分についての反射率の低下を回避でき、集束イオンビームにより微細な欠陥も修正されたEUV露光用マスクが得られる。このため、このEUV露光用マスクを用いて基板にパターン転写し、現像工程において不必要な部分のフォトレジスト層を除去して基板上にエッチングレジスト層のパターンを形成させた後、このエッチングレジスト層のパターンをマスクとして被加工層をエッチング処理し、次いで、エッチングレジスト層のパターンを除去することにより、フォトマスクパターンに忠実なパターンを基板上に転写することができる。
本発明は、EUV露光用の反射型のマスクおよびこれを用いた半導体集積回路の製造に用いることができる。
本発明の一実施形態に係わるEUV露光用マスクの断面を示す模式図である。 本発明のEUVマスクについて、製造工程中での反射率を説明するための図である。 本発明のEUVマスクについて、製造工程中での反射率を説明するための図である。 高反射領域の反射率を、緩衝膜厚に対して計算した特性図である。 集束イオンビームによる欠陥修正時に緩衝膜に注入されるイオン濃度分布を計算した特性図である。 本発明のEUVマスクの製造工程の一部を示す説明図である。
符号の説明
1・・・・基板
2・・・・多層膜
3・・・・緩衝膜
4・・・・吸収膜
5・・・・膜薄部
5´・・・修正部
6・・・・欠陥部
10・・・EUV(極端紫外線)露光用マスク
A・・・・吸収領域
N・・・・無修正部
R・・・・高反射領域

Claims (3)

  1. 基板と、前記基板の片側表面上に形成されたEUV光を反射する多層膜と、前記多層膜上に形成されたEUV光に対する透明性を有する緩衝膜と、前記緩衝膜上に形成されたパターニングされた吸収膜とを有する極端紫外線露光用マスクを準備し、
    前記吸収膜をパターニングした後、前記吸収膜がパターニングされずに残存したパターン欠陥部を集束イオンビームにより修正し、
    前記緩衝膜の一部であって、前記パターン欠陥部に隣接する前記緩衝膜表面のイオン濃度が、5×10 20 (atoms/cm )以上の部分、または、前記集束イオンビームにより修正された前記緩衝膜の前記修正部の反射率が、前記集束イオンビームにより修正しない前記緩衝膜の無修正部の反射率より5%以上低い部分における前記緩衝膜の前記修正部の膜厚を、前記緩衝膜の前記無修正部り膜薄化することを特徴とする極端紫外線露光用マスクの製造方法。
  2. 前記緩衝膜の前記修正部のEUV光の反射率と、前記緩衝膜の前記無修正部のEUV光の反射率とはほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の極端紫外線露光用マスクの製造方法。
  3. 請求項1または2のいずれか一に記載の極端紫外線露光用マスクの製造方法により製造した極端紫外線露光用マスクを露光装置に設置し、リソグラフィ法による露光転写を行うことを特徴とする半導体集積回路の製造方法。
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