JP4922698B2 - 軸流ファン - Google Patents

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Description

本発明は、回転中心を備えたハブ部と、ハブ部の外周に配置された翼とを備える軸流ファンの補強技術に関する。
空気調和装置の室外機、換気扇及び扇風機などには、気体を軸方向から吸い込んで軸方向に送風する軸流ファン(例えば、プロペラファン)が適用されている。軸流ファンは、回転中心を備えたハブ部と、ハブ部の外周に配置された複数枚の翼を備え、この翼が三次元の曲面形状に形成されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3754244号公報
ところで、この種の軸流ファンの構造的な剛性アップを図るためには、翼を厚くする方法がある。しかし、翼を厚くするとファン全体の重量が大きくなり、ファン自体に作用する遠心力が大きくなってしまい、遠心力に対する強度が低くなってしまう。
このファンに作用する遠心力を下げるために制御的にファンモータの回転数を抑える対策を施した場合、ファンの風量性能を大幅に減少させてしまうといった問題が生じてしまうことになる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、剛性及び遠心力に対する強度を向上した軸流ファンを提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、回転中心を備えたハブ部と、ハブ部の外周に配置された翼とを備える軸流ファンにおいて、前記翼における翼前縁部と前記ハブ部との接合部から翼前縁に沿って翼外周へ延びる肉厚補強部を設け、この肉厚補強部の幅及び肉厚を、前記ハブ部の回転中心を基準とした距離が大きくなるほど減少させ、前記肉厚補強部の肉厚及び幅を前記翼前縁上に設定した共通位置で略零とし、前記翼の翼面上に、前記共通位置から前記翼前縁に接して前記接合部側へ延びる第1曲線を設定すると共に、前記翼前縁の軌跡と一致する曲率の曲線を、前記第1曲線における前記接合部と反対側の端点から前記接合部に向けて延ばした第2曲線を設定し、前記翼面上における前記第1曲線と前記第2曲線とで形成される面領域を、前記肉厚補強部における前記翼との接合面にするように前記肉厚補強部を設計したたことを特徴とする。この構成によれば、翼における翼前縁部とハブ部との接合部から翼前縁に沿って翼外周へ延びる肉厚補強部を設け、この肉厚補強部の幅及び肉厚を、ハブ部の回転中心を基準とした距離が大きくなるほど減少させたので、翼の強度や翼とハブ部との連結強度が向上し、かつ、遠心力に対する強度が向上する。
た、肉厚補強部を前記翼の正圧面側に設けることが好ましい。
本発明は、軸流ファンの剛性及び遠心力に対する強度を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本発明の軸流ファンの一実施形態に係るプロペラファンが適用された室外機を示す図である。室外機10は、室外に配置され、室内の天井や壁に配置された室内機(不図示)と配管接続されて空気調和装置を構成するものであり、空気調和装置は、室外機10と室内機とで構成される冷媒回路に冷媒を流して冷房運転及び暖房運転を行う。室外機10は、外気と冷媒とを熱交換し、冷房運転時には冷媒を凝縮させて外気へ熱を放出し、暖房運転時には冷媒を蒸発させて外気から熱を取り込むものである。
室外機10は、ケーシング11内に圧縮機12、アキュムレータ13、四方弁14、熱交換器15、及び、軸流ファンとしてのプロペラファン16を有して構成される。このプロペラファン16は、図2に示すようにファンモータ17に連結され、このファンモータ17が支持板18に支持されて熱交換器15の前方に配置される。このプロペラファン16のファンモータ17による駆動によって、空気(外気)が図2の矢印Aの如く熱交換器15の内側から外側へ送風されて、熱交換器15内の冷媒と外気とが熱交換される。
さて、上記プロペラファン16は、図3及び図4に示すように、ハブ部19と、このハブ部19の外周に所定ピッチで配置された複数枚(例えば3枚)の同一形状の翼20とを有して構成される。これらのハブ部19及び翼20は、例えば一体に樹脂成形される。
ハブ部19は、その回転中心19Aにファンモータ17のモータシャフト21(図2)が挿通され、ファンモータ17の駆動により各翼20を図3の矢印N方向に回転させる。また、このハブ部19は、外径がほぼ三角柱形状に構成されている。
上記翼20は、図3乃至図5に示すように、矢印N方向の回転により、その翼前縁22側から翼後縁23側へ向かい翼負圧面(翼裏面)24Fに沿って空気(外気)を流動させ、この空気を全体として、プロペラファン16の裏側から表側へ図2の矢印A方向に送風する。
この翼20は、図4及び図5に示すように、翼面が空間的に捻れながら、しかも翼前縁22側が空気の吸込側に大きく前傾した3次元の曲面形状に形成される。
ところで、プロペラファン16には、翼正圧面(翼正面)24Sから翼負圧面24Fに巻き込まれる流れによって生じる翼端渦などが生じることが知られている。この種の渦は騒音(送風音)の原因となるため、近年のプロペラファンには、翼後縁23や翼外周の曲面を変化させる等の形状変更を施して騒音低減を図る場合があるが、翼形状の変更はファンの剛性を低くする場合があり、剛性アップが必要になる場合がある。
そこで、本実施形態のプロペラファン16の翼20には、図4及び図5に示すように、翼前縁22部分(翼前縁部)とハブ部19との接合部50Aから翼前縁22に沿って翼外周へ延びる肉厚補強部20Nが設けられ、これら肉厚補強部20Nによってプロペラファン16の強度や剛性の向上を図ると共に、騒音低減に有効な翼後縁23や翼外周の曲面の形状変更に対応できるものとしている。
以下、この翼20を、パーソナルコンピュータなどの演算処理が可能な演算処理装置を利用して設計する方法を説明する。この翼20を設計する場合には、概略すると、肉厚補強部20Nを設けない基本曲面のみの翼(以下、基本翼20Aという)を設計する基本翼設計段階と、この基本翼設計段階で設計された基本翼20Aに部分的に肉厚補強部20Nを追加する肉厚補強部設計段階とがあり、これらの段階を経ることによって翼20の三次元形状を示す座標データを得ることができる。
この座標データは、例えば3次元CAD(Computer Aided Design)に入力されることによって設計データとして利用でき、また、この設計データは、例えば、この翼20の金型成形に利用する金型を製作する金型加工装置に入力されることによって、加工データとしても活用することが可能である。
<基本翼設計段階>
まず、基本翼20Aの設計について説明する。この基本翼20Aの形状(3次元形状)は、図6に示すように、プロペラファン16の回転軸に垂直な平面において回転中心19Aを原点Oとする座標系において、周方向断面形状と半径方向断面形状の2つの断面形状を用いて定義される。具体的には、プロペラファン16の送風性能を決定するために重要な周方向断面形状に重きを置き、原点Oから任意の半径rにおける周方向断面形状を数式で定義し、半径方向断面形状については、上記周方向断面形状を維持したままで変化させていくために、基本翼20Aの最大半径Rと上記任意の半径rとの差(r−R)を上記周方向断面形状に加味することによって定義する。
原点Oから任意の半径rにおける基本翼20Aの周方向断面形状を図7に示す。この基本翼20Aの周方向断面形状を示す曲線25は、翼断面形状の基本となる翼弦直線26から曲線27を減算して求められたものであり、この曲線27は、2本の異なる二次曲線28及び29をそれぞれのピーク位置で接続して構成したものである。ここで、図7の横軸は、図6の原点Oを通る水平軸Xから時計回りに増加する基本翼20Aの周方向角度θであり、縦軸は基本翼20Aの翼高さHである。
この曲線25にて示される翼20の周方向断面形状を表す数式に、基本翼20Aの半径方向の関係式(r−R)を加味して、基本翼20Aの3次元形状が数式(1)、(2)のように表記される。
Figure 0004922698
Figure 0004922698
ここで、W1(r)は反り前半角、W2(r)は反り後半角であり、曲線27のピーク位置を決定するパラメータであって、後述の式(8)、(9)の如く半径rの関数である。また、θS(r)は基本翼20Aの開始角度(翼前縁22側)を示すパラメータであり、半径rの関数である。
また、式(1)、(2)中のθL(r)は基本翼20Aの角度範囲を示すパラメータであり、半径rの関数であって次式(3)により定義される。
Figure 0004922698
ここで、θE(r)は基本翼20Aの終了角度(翼後縁23側)を示すパラメータであり、半径rの関数であって次式(4)で示される。また、SS(r)は翼20の翼前縁22位置を示すパラメータであり、基本翼20Aの上面投影図から設定され、次式(5)の如く半径rの関数として示される。
Figure 0004922698
Figure 0004922698
これらの式(4)、(5)において、A1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2はそれぞれ定数である。
また、式(1)、(2)中のHL(r)は、基本翼20Aの高さ範囲を示すパラメータであり、半径rの関数であって次式(6)で示される。
Figure 0004922698
ここで、HE(r)は、基本翼20Aの終了高さ(翼後縁23側)であり、任意の値に設定される。また、HS(r)は翼20の開始高さ(翼前縁22側)を示すパラメータであり、ハブ部19との接続位置を考慮して設定され、次式(7)の如く半径rの関数として示される。
Figure 0004922698
このA3、B3、C3、D3も定数である。
前記W1(r)、W2(r)は、これらの反り前半角W1(r)、反り後半角W2(r)の比を決定する翼変曲点分配率をPとすると、それぞれ次式(8)、(9)で示される。
Figure 0004922698
Figure 0004922698
さらに、式(1)、(2)中のD(r)は、基本翼20Aの最大反り深さ(つまり、図6の翼弦直線26と曲線25との最大距離)を示すパラメータであり、次式(10)に示す如く半径rの関数である。
Figure 0004922698
ここで、DOは基準最大反り深さを示すパラメータであり、基本翼20Aの最大半径R位置における最大反り深さD(R)を示す。
上述の式(1)〜(10)によって基本翼20Aの3次元形状が決定されるが、この決定に際しては基本翼20Aの最外周位置、つまり最大半径R位置が基準とされる。
また、式(4)、(5)、(7)において、基本翼20Aの半径方向断面形状の関係式(r−R)が加味されている。そして、これら基本翼20Aの終了角度θE(r)、翼前縁22位置SS(r)、基本翼20Aの開始高さHS(r)をそれぞれ規定する式(4)、(5)、(7)は、複数の基本翼20Aを組み合わせて一つのプロペラファン16を形成したとき、互いの基本翼20Aが干渉しないように3次の多項式で定義され、基本翼20Aの翼前縁22側形状と翼後縁23側形状の制約に柔軟に対応できるよう考慮されている。
更に、基本翼20Aの開始角度θS(r)は、図7に一点鎖線で示すように、基本翼20Aの半径方向各位置における基本翼20Aの周方向断面形状を示す曲線25を定義するための開始点である。実際の基本翼20Aは、基本翼20Aの開始角度θS(r)と終了角度θE(r)との間で定義された上記曲線25を、翼面の歪みを少なくするために不必要な部分を切除して形成される。この切除位置が基本翼20Aの翼前縁22位置SS(r)である。また、基本翼20Aの開始角度θS(r)の値によって、基本翼20Aの半径方向の広がり方やねじれを設定することができる。
次に、上述の式(1)〜(10)を用いて、プロペラファン16における3次元形状の基本翼20Aを設計する手順を示す。
まず、基本翼20Aの最大半径Rを数値設定し(例えばR=230(mm))、翼前縁22側の迎え角αと空気の入射角βとを考慮して、基準最大反り深さDO及び翼変曲点分配率Pを数値設定する。その他、翼最外周の終了角度θE(R)及び翼終了高さHE(R)と、基本翼20Aの半径方向断面形状に関する関係式(r−R)の項の係数An、Bn、Cn、Dnをそれぞれ数値設定する。更に、基本翼20Aの開始角度θS(r)を零(θS(r)=0)と設定する。
ここで、基本翼20Aの迎え角αは、図5に示すように、プロペラファン16(ハブ部19)の回転中心19Aに直交する平面30に対する翼前縁22の角度である。また、空気の入射角βは、上記平面30に対し空気がプロペラファン16へ流れ込む角度である。この空気の入射角βは、プロペラファン16の相互の翼20における空気の干渉や各基本翼20Aの半径方向位置などによってバラツキがあるため、正確に把握することが困難であるが、既存のプロペラファンのデータから経験的に決定する。また、基本翼20Aの迎え角αは、過小である場合には空気の流れの変化に対応できず、プロペラファン16が失速してしまうおそれがあるため、空気の入射角βよりも大きな適切な角度に設定される。
図8に示すように、基本翼20Aの迎え角αを例えば12度以上とするためには、翼変曲点分配率Pを例えば65%としたとき、基準最大反り深さDOの値は40(mm)以上が望ましい。この実施の形態では、α=12(度)、P=65(%)、DO=40(mm)にそれぞれ数値設定されている。
次に、上述のように数値設定されたパラメータR、DO、P、θE(R)、HE(R)、An、Bn、Cn、Dn、θS(r)の各値を式(4)、(5)、(3)、(7)、(6)にそれぞれ代入して、パラメータθE(r)、SS(r)、θL(r)、HS(r)、HL(r)を算出し、また、式(8)、(9)にそれぞれ代入してパラメータW1(r)、W2(r)をそれぞれ算出し、更に式(10)に代入してパラメータD(r)を算出する。
次に、基本翼20Aの半径方向各位置(例えばr=250、230、210、190、170、150、130、110、90、70、50、30・・・)における、上述のパラメータθE(r)、SS(r)、θL(r)、HS(r)、HL(r)、W1(r)、W2(r)及びD(r)の値を算出する。これを整理したものが図9である。この図9では、パラメータθS(r)及びHE(r)の値も表示されている。
その後、この図9の数値を式(1)、(2)に代入して、基本翼20Aの半径方向各位置(r=250、230、210、・・・)での基本翼20Aの周方向断面形状を表示するθに関する数式を求め、次に、これらの各数式にθの数値を代入して翼20の翼高さHの値を算出する。これにより、基本翼20Aの3次元形状を表すH(θ、r)の多数の座標データが点群として求められる。以上が基本翼20Aの設計方法である。
この基本翼20Aの設計方法によれば、プロペラファン16の翼20の基本形状が、周方向断面形状と半径方向断面形状とを数式(1)〜(10)を用いて定義して構成されたことから、図7に示す異なる二次曲線28及び29を用いて翼20の断面形状を設計できるので、複雑な形状の翼20を設計して製作できる。このため、各種パラメータの数式を変更して、翼20の翼面をスムーズな形状とし、翼面に極端に曲率変化が存在することによる抵抗の発生を防止したり、翼20の最大反り深さD(r)の数値を調整してプロペラファン16による風量を適切に確保したり、翼20の最大反り深さD(r)の位置を、翼変曲点分配率Pを用いて調整して、翼20の翼前縁22側と翼後縁23側の働きの相違を明確化することなどを容易に実施できる。この結果、適用範囲の広いプロペラファン16の翼20を実現できる。
<肉厚補強部設計段階>
次に、肉厚補強部20Nの設計について説明する。この肉厚補強部20Nは、図4に示すように、翼正圧面(翼正面)24S側に設けられ、翼20の翼前縁22部分(翼前縁部)とハブ部19との接合部50Aから翼前縁22に沿って翼外周へ延び、翼正面から見て略半月形状を有するように形成される。
この肉厚補強部20Nは、図10に示すように、プロペラファン16の回転軸に垂直な平面における回転中心19Aを原点Oとする座標系において、原点Oを基準とした距離(半径r(r<Rm)に相当)が大きくなるほど肉厚及び幅を減少させた形状に形成される。ここで、Rmは、肉厚補強部20Nにおける最外周位置T1と原点Oとの間の距離である。
図11は、肉厚補強部20Nの形状の一例を示す図である。肉厚補強部20Nを設計する場合、まず、基本翼20Aの翼正圧面(翼正面)24Sへの接合面100Aが設定される。
具体的には、この接合面100Aを設定する場合、図10及び図11に示すように、翼前縁22上に肉厚補強部20Nの最外周位置T1が設定され、この最外周位置T1からハブ部19の外周位置T2、T3へと互いに間隔を拡げながら延びる第1曲線101及び第2曲線102が設定されることにより、これら曲線101、102とで形成される面領域からなる接合面100Aが設定される。ここで、外周位置T2、T3は、翼20の翼前縁22部分(翼前縁部)とハブ部19との接合部50Aに対応する位置に設定されている。
より具体的には、第1曲線101には、最外周位置T1から翼前縁22に接して接合部50A側(上記外周位置T2)へ延びる曲線が適用される。
また、第2曲線102には、翼前縁22の軌跡と一致する曲率の曲線であって、この曲線を、第1曲線101における接合部50Aと反対側の端点(最外周位置T1に相当)から接合部50A(上記外周位置T3)に向けて延びるように翼正圧面24S上に配置した曲線が適用される。
このように、肉厚補強部20Nの接合面100Aを規定する第2曲線102に、第1曲線101と同じく、翼前縁22の軌跡と一致する曲率の曲線が適用されるので、この曲線だけで、第1曲線101との間の間隔を徐々に拡げながら翼外周側へ延びる第2曲線102を容易に設定することができる。
これによって、最外周位置T1から円弧T2−T3へ向かって幅が広くなる接合面100Aを容易に作成することができ、原点Oを基準とした距離(半径r)が大きくなるほど幅を減少させた略半月形状の接合面100Aを容易に得ることができる。
図12は、原点Oからの半径r位置における肉厚補強部20Nの肉厚分布形状(断面形状)を示している。この肉厚補強部20Nの肉厚分布を示す曲線(肉厚分布曲線)60は、ハブ部19の回転中心19A(原点O)を基準とした距離(半径r)を変数とする対数曲線が適用される。この対数曲線は、肉厚最小位置である最外周位置T1と、肉厚最大位置である接合部50Aの位置(図11における円弧T4−T5上の位置)との二点を通るように最小二乗法により求められた曲線が適用される。
なお、図12において、直線70は、肉厚最小位置である最外周位置T1と、肉厚最大位置である接合部50Aの位置との二点間を直線で結んだ肉厚分布曲線であり、上記肉厚分布曲線60は、この直線70よりも上記二点間で厚さが減少した曲線となる。
実際に肉厚補強部20Nを設計する場合には、最外周位置T1を変数として、例えば、肉厚補強部20Nの接合面100Aを特定する第1曲線101及び第2曲線102を求める数式を定義し、演算処理装置を用いて、最外周位置T1を数値指定することにより、第1曲線101及び第2曲線102を求めて接合面100Aの座標データを求めることができる。
また、最外周位置T1と、肉厚最大値(接合部50Aにおける厚さ)hmとを変数として、例えば、上述した肉厚分布曲線60を求める数式を定義し、演算処理装置を用いて、肉厚分布曲線60を求めることにより、この肉厚分布曲線60に基づいて、求めた接合面100Aの座標データから肉厚補強部20Nの全ての座標データを算出することができる。
この場合、図12に示す肉厚最大値hmの位置(図11に示す円弧T4−T5に相当)は、接合部50Aの位置(例えば、図11に示す円弧T2−T3の位置に相当)を予め設定しておくことで容易に特定できるため、最外周位置T1と肉厚最大値hmとから接合面100Aの座標データを求めると共に肉厚分布曲線60を求め、これらの結果から肉厚補強部20Nの座標データを求める数式を定義することが可能であり、肉厚補強部20Nの設計を容易に行うことが可能になる。以上が肉厚補強部20Nの設計方法である。
本実施形態では、翼前縁部とハブ部19との接合部50Aから翼前縁22に沿って翼外周へ延びる肉厚補強部20Nを設け、この肉厚補強部20Nの幅及び肉厚を、ハブ部19の回転中心19Aを基準とした距離(半径r)が大きくなるほど減少させた形状としたので、肉厚補強部20Nにより翼20の強度や翼20とハブ部19との連結強度を向上することができる。
しかも、翼20の外周側ほど肉厚補強部20Nによる質量増加が低減されるので、翼全体を一様に厚くする場合に比して、全体の軽量化を図り、かつ、遠心力の増大を抑制することができ、遠心力に対する強度を向上させることができる。
また、肉厚補強部20Nが、翼20の翼前縁22側にのみ形成されるので、騒音低減のために翼後縁23や翼外周の曲面を変化させる等の形状変更が容易であり、この種の翼後縁23や翼外周の曲面に変更を施すプロペラファン16の補強(剛性及び遠心力に対する強度アップ)に好適である。
また、本実施形態では、肉厚補強部20Nの接合面100Aを設定する場合、接合面100Aを特定する一方の第1曲線101を、最外周位置T1から翼前縁22に接して接合部50A側へ延びる曲線にすると共に、この第1曲線101より翼後縁23側に位置して接合面100Aを特定する他方の第2曲線102を、翼前縁22の軌跡と一致する曲率の曲線を位置変更した曲線としたので、原点Oを基準とした距離(半径r)が大きくなるほど幅を減少させた略半月形状の接合面100Aを容易かつ確実に得ることができる。
更に、肉厚補強部20Nの肉厚をハブ部19の回転中心19Aからの距離(半径r)で特定する肉厚分布曲線60を規定し、この肉厚分布曲線60に基づいた肉厚になるように肉厚補強部20Nを設計したので、肉厚の設計が容易であり、しかも、この肉厚分布曲線60を、肉厚最小位置である最外周位置T1と、肉厚最大値hmから特定される肉厚最大位置との二点を通るように最小二乗法により求めた対数曲線としたので、原点Oを基準とした距離(半径r)が大きくなるほど肉厚が減少する肉厚分布曲線60を容易かつ確実に設定することができる。
従って、これらの設計方法を採用することにより、最外周位置T1と肉厚最大値hmとを指定するだけで、肉厚補強部20Nの座標データを求める数式を含むプログラムを作成でき、肉厚補強部20Nの設計や設計変更を容易に行うことが可能になる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更実施が可能である。例えば、上記実施形態では、肉厚分布曲線60に対数曲線を適用したが、これに限らず、例えば、二次曲線を適用してもよく、要は、肉厚最小位置(最外周位置T1)と肉厚最小位置(接合部50Aの位置)との二点を通るように最小二乗法により得た他の近似曲線を適用してもよい。
また、上記実施形態では、3枚ファンのプロペラファン16に本発明を適用する場合について述べたが、これに限らず、2枚ファンや4枚ファンなどの様々な軸流ファンに適用可能である。また、室外機10に使用される軸流ファンに限らず、換気扇や扇風機などに使用される軸流ファンに広く適用が可能である。
本発明の軸流ファンの一実施形態に係るプロペラファンが適用された室外機を示す図である。 室外機の主要部を示す図である。 プロペラファンの斜視図である。 プロペラファンを翼負圧面側から見た図である。 プロペラファンの側面図である。 プロペラファンの基本翼の形状を示す図である。 図6の半径r位置における基本翼の周方向断面形状を示す図である。 基本翼における翼前縁の迎え角、翼変曲点分配率、翼の基準最大反り深さの関係を示すグラフである。 基本翼の半径方向各位置におけるパラメータの値を示す図表である。 プロペラファンの肉厚補強部をその周辺構成と共に示す図である。 肉厚補強部の斜視図である。 原点Oからの半径r位置における肉厚補強部の肉厚分布形状を示す図である。
符号の説明
10 室外機
16 プロペラファン
19 ハブ部
19A 回転中心
20 翼
20A 基本翼
20N 肉厚補強部
22 翼前縁
23 翼後縁
24F 翼負圧面
24S 翼正圧面
50A 接合部
60 肉厚分布曲線
100A 接合面
r ハブ部の回転中心を基準とした距離
O 原点
T1 最外周位置
T2、T3 ハブ部の外周位置
hm 肉厚最大値

Claims (4)

  1. 回転中心を備えたハブ部と、ハブ部の外周に配置された翼とを備える軸流ファンにおいて、
    前記翼における翼前縁部と前記ハブ部との接合部から翼前縁に沿って翼外周へ延びる肉厚補強部を設け、この肉厚補強部の幅及び肉厚を、前記ハブ部の回転中心を基準とした距離が大きくなるほど減少させ
    前記肉厚補強部の肉厚及び幅を前記翼前縁上に設定した共通位置で略零とし、
    前記翼の翼面上に、前記共通位置から前記翼前縁に接して前記接合部側へ延びる第1曲線を設定すると共に、前記翼前縁の軌跡と一致する曲率の曲線を、前記第1曲線における前記接合部と反対側の端点から前記接合部に向けて延ばした第2曲線を設定し、前記翼面上における前記第1曲線と前記第2曲線とで形成される面領域を、前記肉厚補強部における前記翼との接合面にするように前記肉厚補強部を設計したことを特徴とする軸流ファン。
  2. 請求項1に記載の軸流ファンにおいて、
    前記肉厚補強部の肉厚を前記ハブ部の回転中心からの距離で特定する肉厚分布曲線を規定し、この肉厚分布曲線に基づいた肉厚になるように前記肉厚補強部を設計したことを特徴とする軸流ファン。
  3. 請求項2に記載の軸流ファンにおいて、
    前記肉厚分布曲線は、前記翼前縁部と前記ハブ部との接合部における肉厚最大位置と、前記ハブ部の回転中心から最も離れた位置に相当する肉厚最小位置との二点を通る近似曲線とされることを特徴とする軸流ファン。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の軸流ファンにおいて、
    前記肉厚補強部を、前記翼の正圧面側に設けたことを特徴とする軸流ファン。
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