JP4922479B2 - アルミニウム合金合わせ板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は部材組み合せ範囲の拡大が可能であり、低コストでかつ高精度なクラッド率のアルミニウム合金の合せ板を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム合金の合わせ板は主に薄皮ろう材と芯材と組み合せたブレ−ジングシ−トに多用されている。このブレ−ジングシ−トは自動車用の熱交換器、例えばラジエ−タやク−ラ−などに使用されその使用量は年々増加してきている。また、積層数も組み合わせる合金組成のバリエーションも増加する傾向にある。
この合せ板の製法は通常、薄皮ろう材と芯材とを重ね合わせた状態で加熱し、そのまま熱間圧延を行う熱間圧着接合により行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この熱間圧着では薄皮材と芯材間の圧着性を確実なものにするためには両部材の表面酸化皮膜の破壊による活性な新生面の露出を効果的に生じさせる必要が有り、そのため両部材間の展伸性が異なる組み合せが好ましい等、部材の合金組み合せに制約があった。またこの展伸性は板厚方向で展伸性が異なるために部材の板厚組み合せとか組み合せ枚数にも制約が有り、特に極厚皮材とか極薄皮材では圧着が困難であった。また完全圧着するまでの圧延では薄皮材と芯材の展伸性が異なるためクラッド率(全厚に対する薄皮材厚さ比)が長手方向、幅方向の端では変動が大きく所定のクラッド率が得られる割合が低く材料歩留りが低いという問題が有った。また所定内のクラッド率範囲とはいえバラツキが大きく、年々厳しさを増す厳しい品質要求に応えるためには十分なものではなかった。本発明は以上を鑑み合わせ板の部材組み合せ範囲の拡大が可能であり、低コストでかつ高精度なクラッド率のアルミニウム合金の合せ板を製造することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述のような課題を解決するため、本発明では従来の合わせ板製造での熱間圧着接合に代えてろう接合を行うものであり、かつそのろう接合を熱間圧延前の加熱炉内で大気中・無フラックスの条件下で行うものである。この際、大気中・無フラックスのろう接合がMg添加のはんだ材又はろう材をアルミニウム薄皮材で被覆保護してなるアルミニウム薄合せ板材を接合界面に挿入して加圧加熱して可能になる事を見出して行ったものである。なおここでろう接合とははんだ付け及びろう付を指す総称である。即ち本発明のひとつは、請求項1の、複数のアルミニウム母材の重ね合わせ界面に、予め熱間圧着接合により製造されたアルミニウム薄合わせ板材を挿入して母材同士をろう付けしてから熱間圧延するアルミニウム合金合わせ板の製造において、該アルミニウム薄合わせ板材が3層構造の薄合わせ板材からなり、その芯材は融点が600℃以下のろう材からなり、その両皮材は該芯材より融点の高いアルミニウム合金からなり、かつ少なくとも該皮材と該芯材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%(mass%、以下同じ)あるいは更にBiを0.01〜1%添加し、重ね合わせた部材全体を加圧密着した状態で、該ろう材の液相線温度以上でかつ該ろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱して溶融した該ろう材を該皮材に侵食させることにより、該アルミニウム薄合わせ板材を溶融し複数のアルミニウム母材同士をろう付けし、その後、圧延を施す事を特徴とするアルミニウム合金合わせ板の製造方法である。
【0005】
また、請求項2の発明は、複数のアルミニウム母材の重ね合わせ界面に、予め熱間圧着接合により製造されたアルミニウム薄合わせ板材を挿入して母材同士をろう付けしてから熱間圧延するアルミニウム合金合わせ板の製造において、該アルミニウム薄合わせ板材が5層構造の薄合わせ板材からなり、その両皮材と芯材との中間材は融点が600℃以下のろう材からなり、その両皮材と該芯材は該中間材より融点の高いアルミニウム合金からなり、かつ少なくとも該皮材と該芯材と該中間材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%あるいは更にBiを0.01〜1%添加し、重ね合わせた部材全体を加圧密着した状態で、該ろう材の液相線温度以上でかつ該ろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱して溶融した該ろう材を該皮材に侵食させることにより、該アルミニウム薄合わせ板材の皮材を溶融し複数のアルミニウム母材同士をろう付けし、その後、圧延を施す事を特徴とするアルミニウム合金合わせ板の製造方法である。なお本明細書でろう付けとははんだ付け及びろう付を指す総称である。
【0006】
【発明の実施の形態】
ここで、アルミニウム母材の合金としては組み合わせるろう材の融点より高い融点の合金でさえあれば良く、通常 JIS A 1070、1050、1100、1200、3003、3203、3004、4003、4004、4104、4N04、5005、5N01、6061、6063、6N01、等の板および鋳物材のAC1A、AC1B,AC2A、AC2B,AC3A、AC4A、AC4B,AC4C,AC5A、AC8A、AC8B,AC8C等が好ましく使用できる。
【0007】
合金組み合わせおよび枚数は使用目的に応じたものであれば良く、特に制限はない。
挿入する3層および5層のアルミニウム薄合わせ板材の全板厚としては通常0.1〜1.0mmであれば良い。ろう材のクラッド率は全板厚の10〜80%が良い。
これら全板厚とクラッド率の下限未満では製造が難しくなったり、ろう材が不足でろう付け性が低下する。又全板厚とクラッド率の上限を超えると、不必要な厚さで経済的でなかったり、異種の低融点金属を挿入させるので異合金化の悪影響が大きくなり好ましくない。
【0008】
3層薄合わせ板材での両皮材、5層薄合わせ板材での両皮材及び芯材には、3層薄合わせ板材の芯材と5層薄合わせ板材の中間材より融点の高いアルミニウム合金を用いる以外には特に限定はなく、通常JIS A 1070、1050、1100、1200、3003、3203、3004、4003、4004、4104、4N045005、5N01、5052、5454、5086、5083、6061、6063、6N01等が好ましく使用できる。
【0009】
3層薄合わせ板材での芯材、5層薄合わせ板材での中間材には融点が600℃以下のろう材を用いる。この条件を満たすろう材としてはZn、Sn、Biの金属やAl−Si、Al−Cu、Al−Cu−Si、Zn−Al、Al−Ge合金が好ましく使用できる。そして各構成部材の少なくとも一つ以上にMgを0.1〜6%添加する。Mgはろう材の溶融時の濡れ性向上に有効であり、この添加量が0.1%未満ではその効果が不十分であり、6%を超えると添加効果が飽和して無意味になるとか、加工性が低下する問題が有り好ましくない。ろう付け加熱時の加圧密着の程度が強固な場合には、Mgの添加は各構成部材のいずれか一つで良いが、加圧密着の程度を特に強固にしない場合にはぬれ性が劣化し易いため、この場合には各構成部材の複数への添加が好ましい。
【0010】
3層薄合わせ板材の芯材、5層薄合わせ板材での中間材であるろう材への添加の場合には、ろう材が溶融時に当然Mgが合金化している。3層薄合わせ板材および5層薄合わせ板材の皮材、5層薄合わせ板材での芯材へ添加する場合には、ろう材が溶融時に皮材または芯材に侵入溶融化のエロージョンにより侵食して溶融ろう材中にMgが合金化する。いずれの構成部材にMgを添加するかの使い分けは、例えば、ろう材へ添加した時にろう材の圧延加工性が著しく低下する場合に他の構成部材に添加して行えば良い。
【0011】
さらに、いずれかの構成部材にBiを添加するのが好ましい。
特に接合するアルミニウム母材がMgを含有した合金の場合(上記の例では3004、4003、4004、4104、4N04、5052等)には通常溶融ろう材の濡れ性が劣化するが、Biはこの劣化を防止する働きをするのでBiを0.01〜1.0%添加するのが好ましいのである。
その添加量が0.01%ではその効果が十分でなく1.0%を超えるとその効果が飽和し、それ以上の添加は無意味なので0.01〜1.0%が望ましい。
【0012】
又これらに更にLiを0.01〜5%共存して加えても良い。
【0013】
また挿入式の合わせ板方式に代えて母材の少なくとも一方に合わせ板材を用いる場合にはその全板厚は特に限定しない。この場合は継手を構成する主要メンバ−の母材の板厚は使用目的に応じて随時設定すれば良い。またアルミニウム合わせ板材を両方に用いても良い。
但しこの時の皮材厚さ及び中間材(ろう材)厚さは0.1から1.0mmが望ましい。
【0014】
重ね合わせ部材全体を加圧密着する程度は通常0.001MPa以上の圧力をかけるのが好ましい。
なお、この際荷重が0.1MPa以上過大だとろうの染み出しは切り込み部だけでなく板端部からも生じるようになる。これを防止するためには薄合わせ板の板端部の酸化膜を厚くさせるのが一方法であるが、そのための手段としては合わせ板の切断にレーザー、プラズマ。アーク等の溶融切断を行うのが望ましい。
【0015】
またその他の染み出し防止策として、重ね面周辺に薄箔を置いて周辺のみを強加圧になるようにして周辺より内部の溶融ろうが外部に染み出さないに様にするとか、合わせ板の端部をレーザー、アーク等により板厚方向全体を溶融し混合合金化してこの部分の融点をろう材単独の融点より高くする等が考えられる。
ろう接合の加熱をろう材の液相線温度以上にすのは、ろう接であるからはんだ材又はろう材を溶融させる必要があるからで、またその上限加熱温度をろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲にするのは、ろう材以外の部材の変形・劣化を防止するためである。
【0016】
上記ろう材の液相線温度は通常380〜590℃になる。
このろう接合した部材の凝固は温度を下げて行うとか、そのろう接温度で長時間そのまま保持をして液相拡散凝固させて行っても良い。
この際、保持時間は特に制約はないが通常1〜10時間程度が好ましい。
1時間未満だと拡散が十分でなく10時間以上では拡散が十分でありそれ以上の加熱は無意味である。
【0017】
熱間圧延温度は一体化した部材が完全凝固している状態であれば良い。
【0018】
本発明の一体化ろう接合が大気中でかつ無フラックスの条件下で可能な理由については以下の通りと推定される。
即ち一般にアルミニウムのろう付けを可能にするためには溶融ろうの濡れを生じさせる事が必須条件になるが、この条件を満たすためにはろう付け加熱中でのろう材及び接合母材の酸化防止作用と酸化皮膜破壊作用が必要と考えられている。なおこの際、この両作用の感受性は特に溶融ろう材において高く、ろう材への制御は母材に対するより厳しくする必要があると考えられている。
このため現状のろう付け法では前述の如くこの酸化防止と酸化皮膜破壊とに対して真空中での加熱と同時にろう材へ添加したMgの蒸発現象を活用するとか(真空ろう付け)、非酸化性雰囲気でのフラックスを活用する(非酸化雰囲気での非腐食性フラックスろう付け法)とかが行われている。
これに対し本発明の大気中でかつ無フラックスの条件下での酸化防止は、図1、図2に示す様に、感受性の高いろう材を3層のアルミニウム薄合わせ板材での芯材又は5層のアルミニウム薄合わせ板材での中間材に用いて、大気による直接酸化を防止している事、および母材と皮材に対しては密着重ね継手のため大気による酸化が最小限に押さえられる事により達成されていると考えられる。
本発明ではろう材が表面に露出していないにもかかわらずろう付が可能なのは、図3に示すように内面のろうが溶融時に皮材を侵食して表面に染み出し液状化する事によると考えられる。
この際侵食による表面液状化ろうの酸化防止は表面へ露出直後では酸化膜の成長が十分でない事および密着継手による酸化抑制が働くためと考えられる。
【0019】
一方、酸化膜破壊については不明な点があるが一応以下の通りと考えている。
ろう材中のMgが微少な重ね空間で真空ろう付けと同様にアルミニウム酸化皮膜を蒸発還元する作用が働いている事によると考えられる。
この際Mgの供給は3層のアルミニウム薄合わせ板材では皮材と芯材(ろう材)のいずれか一つ以上にMgを添加しており、皮材のみの添加の場合には低融点ろう材が溶融時に皮材に侵入溶融化するエロージョンにより侵食して溶融ろう材中にMgが合金化されることにより行われる。
また5層のアルミニウム薄合わせ板材では、皮材、芯材、中間材(ろう材)のいずれか一つ以上にMgを添加しており、中間材(ろう材)にMgが添加されていなくてもろう材の溶融時に3層の説明と同様、皮材及び芯材に侵入溶融化のエロージョンにより侵食して溶融ろう材中にMgを合金化することにより、ろう材へのMg供給が行われる。
【0020】
またBiがMg含有母材に対する溶融ろう材の濡れ性劣化を防止する機構に附いては不明な点が多いが、一応以下の通りと考えられる。
即ちMg含有母材ではその表面酸化皮膜がMg系酸化皮膜からなるが、この場合には溶融ろう材中のMgによる上記酸化皮膜を還元する作用が働かなくなる。Biはこうした状況下でMg系酸化皮膜の巻き上げ剥離作用を有する(Materials Science and Technology、1999年4月号P419)ためと考えられる。
【0021】
なお、低融点金属をアルミニウム合金内に挿入しても異種金属の組み合わせによる耐食性劣化等の悪影響は最小限に抑えることが可能である。
これは前記のように挿入板が薄合せ板材であるため挿入後の全体板厚に対する異種金属厚の割合を極端に低く押さえている事とかつろう付後に熱間圧延及び焼鈍等の熱加工が加わるために異種金属が板厚全面に拡散均一化するためと考えられる。
【0022】
【実施例】
実施例1
図4に示す様に、芯材として母材1:Al-1.1%Mn合金(8mm×100×200mm)を用い、皮材としてその両表面に母材2:Al-2%Zn合金(8mm×100×200mm)を用い、皮材側の中間材1として母材3:Al-1.1%Mn合金(8mm×100×200mm)、芯材側の中間材2として母材4:Al-2%Zn合金(8mm×100×200mm)を用いた7層アルミニウム合金合わせ板の製造のため、発明例として表1に示す3種類の3層構造の薄合わせ板(クラッド率両面各8%、0.1mm×100×200mm)の同一種類のものを各母材の各重ね合わせ界面に挿入して組み合わせた。この7層アルミニウム合金合わせ材を鋼製の拘束治具を使って合わせ面を強加圧クランプした状態で、表1に示す温度の大気炉中に投入した。その後5時間保持して一体化ろう付けした後取り出して370℃まで冷却させた時点で拘束治具をはずしてそのまま熱間圧延を行って板厚3mm迄に仕上げた。その後更に0.5mm厚まで冷間圧延して、350℃×2時間の焼鈍を行った。この板表面を観察した結果、膨れやはがれがなく、クラッド圧着状態の良好な板材が得られた。
なお、比較例として重ね界面への3層構造の薄合わせ板の挿入を省略した以外は発明例と同じ組み合せにして、図5に示す様に重ね母材の端部をMIG溶接にて仮止めした状態で500℃に加熱したまま熱間圧延で圧着した。その結果皮材と中間材1、中間材1と中間材2は圧着したが、中間材2と芯材間は圧着せずに剥離し、7層材のクラッドは不可能であった。
薄合わせ板の構成と加熱温度とクラッド圧着の結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
その結果、本発明のクラッド法は良好な接合性を示す事が確認された。
【0025】
実施例2
芯材として母材1:アルミニウム板Al-1.1%Mn合金(40mm×100×200mm)を用い、皮材としてその両表面に母材5:Al-10%Si-1.5%Mg合金(8mm×100×200mm)を用いた3層アルミニウム合金合わせ板の製造のため、発明例として表2に示す3種類の5層構造の薄合わせ板(クラッド率皮材両面各5%、中間材25%、全寸法0.1mm×100×200mm)の同一種類のものを各母材の各重ね合わせ界面に挿入して組み合わせた。この3層アルミニウム合金合わせ材を実施例1と同様にして一体化ろう付け、圧延して0.5mm厚にした。この板の板幅方向のクラッド率分布を調べた。その結果を図6に示す。
なお、比較例として重ね界面への5層構造の薄合わせ板の挿入を省略した以外は発明例と同じ組み合せにして、図6に示す用に重ね材の端部をMIG溶接にて仮止めした状態で500℃に加熱したまま熱間圧着した。その後発明例と同様にして0.5mm厚での板幅方向のクラッド率分布を調べ図6に示す。
薄合わせ板の構成と加熱温度を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】
その結果、本発明のクラッド法は安定した良好なクラッド率分布特性を示す事が確認された。
【0028】
【発明の効果】
この発明によれば、母材の組み合せ範囲の拡大が可能で、クラッド率分布の均一なアルミニウム合金の合わせ板の製造が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のろう付け法における各構成部材の組み合わせを示す。
アルミニウム母材間に3層のアルミニウム薄合わせ板材を挿入する場合の構成配置を図1(a)に、
アルミニウム母材間に5層のアルミニウム薄合わせ板材を挿入する場合の構成配置を図1(b)に、
各々示す。
【図2】アルミニウム薄合わせ板材の積層構造を示す模式図である。
3層のアルミニウム薄合わせ板材の積層構造を図2(a)に、
5層のアルミニウム薄合わせ板材の積層構造を図2(b)に、
【図3】ろう材の染み出しと溶融ろうの濡れ拡がりの模式図である。
【図4】実施例1の7層アルミニウム合金合わせ板の母材の組み合わせを示す断面図。
【図5】端部をMIG溶接にて仮付した重ね母材を圧延する状態を示す模式図。(比較例)
【図6】板幅方向のクラッド率分布。
【符号の説明】
1 母材
2 アルミニウム薄合わせ板材
3 アルミニウム薄合わせ板材の芯材
4 アルミニウム薄合わせ板材の皮材
5 アルミニウム薄合わせ板材の中間材
6 酸化膜
7 母材1=芯材
8 母材2=皮材
9 母材3=中間材1
10 母材4=中間材2
11 仮付溶接部
12 圧延ロール
Claims (2)
- 複数のアルミニウム母材の重ね合わせ界面に、予め熱間圧着接合により製造されたアルミニウム薄合わせ板材を挿入して母材同士をろう付けしてから熱間圧延するアルミニウム合金合わせ板の製造において、該アルミニウム薄合わせ板材が3層構造の薄合わせ板材からなり、その芯材は融点が600℃以下のろう材からなり、その両皮材は該芯材より融点の高いアルミニウム合金からなり、かつ少なくとも該皮材と該芯材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%(mass%、以下同じ)あるいは更にBiを0.01〜1%添加し、重ね合わせた部材全体を加圧密着した状態で、該ろう材の液相線温度以上でかつ該ろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱して溶融した該ろう材を該皮材に侵食させることにより、該アルミニウム薄合わせ板材を溶融し複数のアルミニウム母材同士をろう付けし、その後、圧延を施す事を特徴とするアルミニウム合金合わせ板の製造方法。
- 複数のアルミニウム母材の重ね合わせ界面に、予め熱間圧着接合により製造されたアルミニウム薄合わせ板材を挿入して母材同士をろう付けしてから熱間圧延するアルミニウム合金合わせ板の製造において、該アルミニウム薄合わせ板材が5層構造の薄合わせ板材からなり、その両皮材と芯材との中間材は融点が600℃以下のろう材からなり、その両皮材と該芯材は該中間材より融点の高いアルミニウム合金からなり、かつ少なくとも該皮材と該芯材と該中間材のいずれか一つ以上にMgを0.1〜6%あるいは更にBiを0.01〜1%添加し、重ね合わせた部材全体を加圧密着した状態で、該ろう材の液相線温度以上でかつ該ろう材以外の各部材の固相線温度の内の最低値を超えない範囲に加熱して溶融した該ろう材を該皮材に侵食させることにより、該アルミニウム薄合わせ板材の皮材を溶融し複数のアルミニウム母材同士をろう付けし、その後、圧延を施す事を特徴とするアルミニウム合金合わせ板の製造方法。
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