JP4239764B2 - ろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け方法 - Google Patents

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本発明は、熱交換器及び燃料電池用部材のろう付けに用いられる複合材及びそれを用いたろう付け方法に関するものである。
自動車用オイルクーラの接合材としてステンレス基クラッド材が使用されている。これは、基材であるステンレス鋼板の片面又は両面に、ろう材としての機能を有するCu材がクラッドされたものである。
ステンレス鋼や、Ni基又はCo基合金などからなる部材のろう付け材として、接合部の耐酸化性や耐食性に優れる各種Niろう材が、JIS規格により規定されている。また、熱交換器の接合に用いられるNiろう材として、粉末状のNiろう材に、Ni、Cr、又はNi−Cr合金の中から選択される金属粉末を4〜22wt%添加してなる粉末Niろう材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。さらに、基材であるステンレス鋼の表面にNi及びTiからなるろう付け層を有する、即ちNi/Ti/ステンレス鋼というろう付け層構造を有する自己ろう付け性複合材がある(例えば、特許文献2参照)。
また、基材表面に、Ti又はTi合金、Ni又はNi合金、或いはCu又はCu合金の内の少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造のろう付け層を有するろう付け用複合材がある(例えば、特許文献3参照)。
特開2000−107883号公報 特開平7−299592号公報 特開2003−117678号公報
ところで、特許文献2,3記載の複合材のように、少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造のろう付け層を被ろう付け部材にろう付けしてなるろう付け製品を、500℃以上の高温酸化環境下で使用する場合、ろう付け製品のろう付け部が酸化される。
具体的には、高温酸化環境での使用によって、ろう付け部の表面に酸化膜が形成されるが、この酸化膜の膜厚は、高温酸化環境での経時使用に伴って指数関数的に厚くなり、最終的にろう付け部全体が酸化された状態となる。その結果、ろう付け部の接合強度が著しく低くなり、また、ろう付け部自体も著しく脆くなるため、接合材として機能しなくなってしまう。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、ろう付け部の耐高温酸化性が良好なろう付け用複合材及びそれを用いたろう付け方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係るろう付け用複合材は、基材の表面に設けたろう付け層を、被ろう付け部材にろう付けするろう付け用複合材において、Al成分を含む鋼材で構成される上記基材の表面に、Tiを含む少なくとも2種の金属の層で構成される複層構造の上記ろう付け層を設けたものである。
ここで、鋼材は、2〜8wt%のAl成分を含むことが好ましい。また、ろう付け層が順にCu層とTi層とCu層の厚さの比率が1:2:1となるように積層されたCu-Ti系合金又は基材側から順にCu層とTi層とNi層の厚さの比率が1:2:1となるように積層されたTi-Cu-Ni系合金で構成されることが好ましい。
以上によれば、このろう付け用複合材を用いてろう付けを行う際に、溶融したろう付け層中に基材のAl成分を一部溶出させることができる。
一方、本発明に係るろう付け用複合材を用いたろう付け方法は、上述したろう付け用複合材のろう付け層を被ろう付け部材に重ねた後、ろう付け層を溶融させてろう付け溶融部を形成すると共に、基材に含まれるAl成分をろう付け溶融部中に拡散させ、ろう付け合金部を形成し、その後、ろう付け合金部に酸化雰囲気下で280〜350℃で20分以上の熱処理を施し、ろう付け合金部の表面にTiの酸化物層及びTiとAlの化合物層を形成するものである。
以上によれば、ろう付け合金部の表面に、Tiの酸化物層及びTiとAlの化合物層が形成されるが、このTiとAlの化合物層は高温酸化に対して安定であることから、ろう付け部の耐高温酸化性を著しく向上させることができる。
本発明によれば、ろう付け用複合材の基材をAl成分を含む鋼材で構成したことで、このろう付け用複合材を用いたろう付け部の耐高温酸化性が良好となるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の好適一実施の形態に係るろう付け用複合材10は、基材11の表面(図1中では上面のみ)に、2種の金属の層で構成される三層構造のろう付け層12を設けたものである。ろう付け層12は、Tiを含む金属層と、Cuを含む金属層及び/又はNiを含む金属層とで構成され、好ましくはCu(又はCu合金)層、Ti(又はTi合金)層、Cu(又はCu合金)層を順に積層してなるもの、Cu(又はCu合金)層、Ti(又はTi合金)層、Ni(又はNi合金)層を順に積層してなるものである。ここで言う基材11の表面は、外部に露出する全ての面を示している。
基材11の構成材は、Al成分を含む鋼材が好ましく、特に好ましくは2〜8wt%のAl成分を含む耐熱鋼材であり、例えば、SUH21(JIS規格)が挙げられる。ここで、Alの含有量を2〜8wt%としたのは、2wt%未満だと、ろう付け処理の後に引き続いて行うろう付け後処理(後述)を行った際に、ろう付け部表面に十分な厚さのTiとAlの化合物層を形成することができないためである。また、8wt%を超えると、基材11の耐食性を維持することが困難となるためである。
ろう付け層12は、具体的には、Ti(又はTi合金)層14をCu(又はCu合金)層13a,13bで挟み込んで重ね合わせたクラッド材で構成される。ここで、後述するろう付け部の耐高温酸化性を重視する場合は、Ti層14をCu層13a,13bで挟み込んで重ね合わせたクラッド材が好ましい。また、ろう付け性を重視する場合は、Ti層14をCu(又はCu合金)層及びNi(又はNi合金)層で挟み込んで重ね合わせたクラッド材が好ましく、Cu側が基材と接触される。クラッド材の形成方法は特に限定するものではなく、クラッド材形成のための慣用の方法が全て適用可能であり、例えば、板材の積層・圧延を繰り返して形成する方法、又は全板材を積層した後にまとめて圧延する方法等が挙げられる。
尚、本実施の形態に係るろう付用複合材10は、基材11の片面(図1中では上面)のみにろう付け層12を形成した場合について説明を行ったが、基材11の両面(図1中では上・下面)にろう付け層12,12を形成してもよい。また、本実施の形態に係るろう付用複合材10は、板状の基材11の表面にろう付け層12を形成した場合について説明を行ったが、棒状又はワイヤ状の基材の表面にろう付け層12を形成するようにしてもよい。この場合のろう付け層12の形成は、メッキ法、押出法、造管法などによって行う。さらに、本実施の形態に係るろう付け用複合材10においては、ろう付け層12の層構造が3層の場合について説明を行ったが、2層構造又は4層以上の構造であってもよい。
本実施の形態に係るろう付け用複合材10の製造方法は、先ず、Ti(又はTi合金)板を2枚のCu(又はCu合金)板で挟み込んで重ね合わせた後、それらの重ね合わせた板材に圧延加工(例えば熱間圧延加工)を施して第1クラッド材を作製する。この第1クラッド材に、圧延加工(例えば冷間圧延加工)を施して、所望の板厚に形成する。次に、所望の板厚に形成した第1クラッド材を、鋼板の表面に重ねた後、それらの重ね合わせた板材に圧延加工(例えば熱間圧延加工)を施して第2クラッド材を作製する。この第2クラッド材に、圧延加工(例えば冷間圧延加工)を施して、所望の板厚に形成する。これによって、図1に示すように、基材11の表面に、層13a,14,13bで構成されるろう付け層12を有する複合材10が得られる。
次に、本発明の好適一実施の形態に係るろう付け用複合材を用いたろう付け方法を、添付図面に基づいて説明する。
図1に示したろう付け用複合材10のろう付け層12を被ろう付け部材(図示せず)に重ね合わせ、少なくともその重ね合わせ部近傍を加熱、急冷してろう付け熱処理を行う。このろう付け熱処理時の加熱によって、図2に示すように、ろう付け層12が溶融してろう付け溶融部22が形成されると共に、基材11に含まれるAl成分(又はAl成分,Cr成分)がろう付け溶融部22中に一部溶出し、拡散される。その後の急冷によって、ろう付け溶融部22が凝固し、図3に示すように、均一組成の合金からなるろう付け合金部32が形成される。
その後、ろう付け合金部32に酸化雰囲気下(大気雰囲気下)でろう付け後処理(熱処理)を施す。このろう付け後処理によって、図4に示すように、ろう付け合金部32の表面に、緻密かつ安定なTiの酸化物層と高温酸化に対して安定なTiとAlの化合物層との二層(又はTiの酸化物層と、TiとAlの化合物層と、TiとCrの化合物層との三層)からなる耐酸化層43が形成され、ろう付け部40が得られる。その結果、複合材10と被ろう付け部材とが、ろう付け部40を介して接合されたろう付け製品が得られる。
ろう付け後処理は、280〜350℃、好ましくは290〜330℃の処理温度、20min以上の処理時間とされる。ここで、処理温度を280〜350℃としたのは、280℃未満だと、ろう付け後処理を行った際に、ろう付け部22の表面に十分な厚さのTiとAlの化合物層を形成することができないためである。また、350℃を超えると、耐酸化層43の形成中に、耐酸化層43の内側の合金部32において酸化が過度に促進されてしまうためである。また、処理時間を20min以上としたのは、20min未満だと、ろう付け後処理を行った際に、ろう付け部22の表面に十分な厚さのTiとAlの化合物層を形成することができないためである。この時、処理時間があまり長いと、生産性が悪くなると共に、処理コストの上昇を招くので、20〜70minが好ましい。
次に、本実施の形態に係るろう付け用複合材10及びそれを用いたろう付け製品の作用を説明する。
ろう付け用複合材10と被ろう付け部材(図示せず)とをろう付け接合する図3に示したろう付け合金部32に、所定温度、所定時間のろう付け後処理を施すことによって、表面に耐酸化層43を有するろう付け部40が得られる。このろう付け部40は、耐酸化層43中に高温酸化に対して安定なTiとAlの化合物層が形成されていることから、使用環境が約600℃にも達する高温酸化雰囲気であったとしても、ろう付け部40の全体が酸化するのを(ろう付け部40の内部にまで酸化が進行するのを)抑制することが可能である。その結果、耐高温酸化性が極めて良好なろう付け部40となる。
また、複合材10は、基材11の表面にろう付け層12を一体に設けているため、ろう付けの際、従来の各種Niろう材のように、各接合部に粉末Niろう材をそれぞれ塗布するという作業を必要とせず、ろう付け作業に多大な労力を要することはない(ろう付け作業性が良好となる)。その結果、ろう付け製品の歩留まり・生産性が良好となり、延いては製造コストの低減を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
次に、本発明の実施の形態について、実施例に基づいて説明するが、本発明の実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
板厚2.0mmの純Ti薄板を、板厚1.0mmの2枚のCu薄板で挟み込んで3層構造とし、この積層体に熱間圧延加工を施し、板厚1.4mmのクラッド板を作製した。引き続いて、そのクラッド板に冷間圧延加工を施し、板厚1.0mmに形成した。
次に、このクラッド板を、Alを4wt%含むステンレス鋼からなり、厚さ2.5mmの鋼板(基材)の表面に重ねた後、この積層体に圧延法によるクラッドを行い、引き続いて冷間圧延加工を施し、板厚0.5mmのろう付け用複合材を作製した。
この複合材を20mm×25mmに切り出した後、切断片に対して、真空下(1Pa以下)で980℃×40min保持した後に急冷するというろう付け熱処理を施し、ろう付け層を溶融、合金化した。その後、切断片を、300℃に加熱した大気雰囲気の加熱炉内に30min保持した後に急冷するというろう付け後処理を施した。
(実施例2)
板厚1.0mmのCu薄板、板厚2.0mmの純Ti薄板、板厚1.0mmのNi薄板を重ねて3層構造とし、この積層体に熱間圧延加工を施し、板厚1.4mmのクラッド板を作製した。引き続いて、そのクラッド板に冷間圧延加工を施し、板厚1.0mmに形成した。
次に、このクラッド板のCu側を、Alを5wt%含むステンレス鋼からなり、厚さ2.5mmの鋼板(基材)の表面に重ねた後、この積層体に圧延法によるクラッドを行い、引き続いて冷間圧延加工を施し、板厚0.5mmのろう付け用複合材を作製した。
この複合材を、実施例1の切断片と同じサイズに切り出した後、切断片に対して、真空下(1Pa以下)で980℃×40min保持した後に急冷するというろう付け熱処理を施し、ろう付け層を溶融、合金化した。その後、切断片を、320℃に加熱した大気雰囲気の加熱炉内に60min保持した後に急冷するというろう付け後処理を施した。
(比較例1)
実施例1と同じクラッド板を、Alを1wt%含むステンレス鋼からなり、厚さ2.5mmの鋼板(基材)の表面に重ねた後、この積層体に圧延法によるクラッドを行い、引き続いて冷間圧延加工を施し、板厚0.5mmのろう付け用複合材を作製した。
その後は、実施例1と同様にして、ろう付け熱処理、ろう付け後処理を施した。
(比較例2)
実施例2と同じクラッド板を、Alを4wt%含むステンレス鋼からなり、厚さ2.5mmの鋼板(基材)の表面に重ねた後、この積層体に圧延法によるクラッドを行い、引き続いて冷間圧延加工を施し、板厚0.5mmのろう付け用複合材を作製した。
その後、この複合材の切断片に対して、真空下(1Pa以下)で980℃×40min保持した後に急冷するというろう付け熱処理を施し、ろう付け層を溶融、合金化した。その後、切断片を、400℃に加熱した大気雰囲気の加熱炉内に60min保持した後に急冷するというろう付け後処理を施した。
(比較例3)
実施例2と同じクラッド板を、Alを6wt%含むステンレス鋼からなり、厚さ2.5mmの鋼板(基材)の表面に重ねた後、この積層体に圧延法によるクラッドを行い、引き続いて冷間圧延加工を施し、板厚0.5mmのろう付け用複合材を作製した。
その後、この複合材の切断片に対して、真空下(1Pa以下)で980℃×40min保持した後に急冷するというろう付け熱処理を施し、ろう付け層を溶融、合金化した。その後、切断片を、200℃に加熱した大気雰囲気の加熱炉内に40min保持した後に急冷するというろう付け後処理を施した。
(従来例1)
実施例1と同じクラッド板を、SUS304(JIS規格)からなり、厚さ2.5mmのステンレス鋼板(基材)の表面に重ねた後、この積層体に圧延法によるクラッドを行い、引き続いて冷間圧延加工を施し、板厚0.5mmのろう付け用複合材を作製した。
この複合材を切り出し、実施例1の切断片と同じサイズの切断片を作製した。
(従来例2)
実施例2と同じクラッド板のCu側を、SUS304(JIS規格)からなり、厚さ2.5mmのステンレス鋼板(基材)の表面に重ねた後、この積層体に圧延法によるクラッドを行い、引き続いて冷間圧延加工を施し、板厚0.5mmのろう付け用複合材を作製した。
この複合材を切り出し、実施例1の切断片と同じサイズの切断片を作製した。
実施例1,2、比較例1〜3、及び従来例1,2の各複合材における基材のAl成分(wt%)、ろう付け層の構造、ろう付け後処理条件、及び各複合材の切断片における高温酸化試験前後の重量変化(mg)を表1に示す。ここで、試験前重量としては、従来例1,2の各複合材の切断片については、ろう付け熱処理後の重量を測定し、実施例1,2及び比較例1〜3の各複合材の切断片については、ろう付け後処理後の重量を測定した。また、試験後重量としては、重量測定後の各切断片を、600℃に保持した大気雰囲気の加熱炉の中に30min放置した後、加熱炉外に取り出して急冷するという高温酸化試験後の重量を測定した。
Figure 0004239764
表1に示すように、実施例1,2の各複合材における切断片は、高温酸化試験前後の重量変化がそれぞれ1.3mg、1.6mgであり、従来例1,2の各複合材における切断片の重量変化(12.5mg、16.5mg)と比較して約1/10となっていた。このことから、実施例1,2の各複合材のろう付け部は、高温の酸化雰囲気下に晒されても酸化しにくいことがわかり、ろう付け部の耐高温酸化性が良好であることが確認できた。
これに対して、比較例1の複合材における切断片は、基材のAl成分が1wt%と規定範囲(2〜8wt%)未満であることから、ろう付け後処理後に、ろう付け部表面に十分な厚さのTiとAlの化合物層を形成することができなかった。このため、酸化を抑制することが困難となり、切断片の重量変化は5.5mgと大きくなった。
また、比較例2の複合材における切断片は、ろう付け後処理の処理温度が400℃と規定範囲(280〜350℃)を超えていることから、ろう付け後処理時における耐酸化層の形成中に、耐酸化層の内側の合金部において酸化が過度に促進されてしまった。このため、切断片の重量変化は4.3mgと大きくなった。
また、比較例3の複合材における切断片は、ろう付け後処理の処理温度が200℃と規定範囲(280〜350℃)未満であることから、ろう付け後処理時にろう付け部の表面に十分な厚さのTiとAlの化合物層を形成することができなかった。このため、酸化を抑制することが困難となり、切断片の重量変化は10.3mgと大きくなった。
本実施の形態に係るろう付け用複合材は、EGR用クーラなどの高温・高腐食性のガス又は液体に晒される熱交換器に用いることができる。また、その他にも、例えば、燃料電池の改質器用クーラや、燃料電池部材などの各種用途にも適用可能である。特に、ワイヤ状に形成した複合材は、EGR用クーラや、燃料電池の改質器用クーラ等の熱交換器、燃料電池部材などの他にも、オイルクーラ、ラジエータ、二次電池部材などにも適用可能である。
本発明の好適一実施の形態に係るろう付用複合材の横断面図である。 図1のろう付用複合材をろう付けする際の横断面図である。 図1のろう付用複合材をろう付けした後の横断面図である。 図3のろう付け合金部に、ろう付け後処理を施した後の横断面図である。
符号の説明
10 ろう付け用複合材
11 基材
12 ろう付け層
13a,13b Cu層(Cu又はCu合金層)
14 Ti層(Ti又はTi合金層)

Claims (4)

  1. 基材の表面に金属の積層体からなるろう付け層を設けてなるろう付け用複合材において、
    上記基材はAl成分を2〜8wt%含むステンレス鋼材からなり、上記ろう付け層が、順にCu層とTi層とCu層の厚さの比率が1:2:1となるように積層されたCu-Ti系合金であることを特徴とするろう付け用複合材。
  2. 基材の表面に金属の積層体からなるろう付け層を設けてなるろう付け用複合材において、
    上記基材はAl成分を2〜8wt%含むステンレス鋼材からなり、上記ろう付け層が、基材側から順にCu層とTi層とNi層の厚さの比率が1:2:1となるように積層されたTi-Cu-Ni系合金であることを特徴とするろう付け用複合材。
  3. 請求項1または2に記載のろう付け用複合材のろう付け層を被ろう付け部材に重ねた後、ろう付け層を溶融させてろう付け溶融部を形成すると共に、基材に含まれるAl成分をろう付け溶融部中に拡散させてろう付け合金部を形成し、その後、ろう付け合金部に酸化雰囲気下で280〜350℃で20分以上の熱処理を施し、ろう付け合金部の表面にTiの酸化物層及びTiとAlの化合物層を形成することを特徴とするろう付け用複合材を用いたろう付け方法。
  4. 請求項記載のろう付け方法を用い、ろう付け用複合材と被ろう付け部材とを接合してなることを特徴とするろう付け製品。
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