JP4920794B1 - 鋳型材料及び鋳型並びに鋳型の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルカリ珪酸塩を粘結剤とする鋳物砂と、流動化剤並びに硬化助剤として無機の球状非晶質シリカもしくは球状非晶質アルミナとを用いた環境適合型の鋳型材料であって、強度発現と充填性改良を実現した鋳型材料の提供を図る。
【解決手段】アルカリ珪酸塩3を粘結剤とする鋳物砂2に、流動化剤及び硬化助剤として酸性の球状非晶質シリカと酸性の球状非晶質アルミナとの少なくとも何れか一方からなる非晶質球状体1を添加した鋳型材料を提供する。前記非晶質球状体の平均粒子径は、10μm以下が好ましく、流動性を付与するための界面活性剤を添加することもできる。前記非晶質球状体は、酸性であるが、特にpH5以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、本発明は鋳造に使用される鋳型用鋳物砂として用いられる鋳型材料、及びこの鋳型材料によって製造される鋳型、並びに鋳型の製造方法に関するものである。
今日のわが国にあっては、鋳造品のおよそ60%は自動車産業向けである。自動車産業では排ガス中のCO2ガス量抑制、化石燃料抑制のための燃費向上などのために薄肉軽量鋳物鋳物が使用されるようになってきた。この薄肉軽量鋳物の需用は自動車産業だけでは無く、建機、工作機、産業用部品などの鋳造品を使用する業界で増加している。また、それぞれの業界では最終製品の環境適応を図るのみでは無く、その製品を製造する際の環境適応を追求することが求められる。
例えば、自動車産業において薄肉軽量鋳物の代表は、アルミ合金によるエンジンブロックやシリンダーヘッドである。薄肉軽量鋳物を製造するためには複雑形状の主型や中子を製造する必要がある。特に中子は寸法精度の良い複雑なものを製造する必要がある。この中子用造型プロセスとしては、フェノール樹脂を粘結剤とするシェル鋳型と、フェノール樹脂とイソシアネート樹脂を粘結剤とするコールドボックス鋳型が主流である。
シェル鋳型及びコールドボックス鋳型は石油を原料とした有機樹脂である。従って、注湯により分解してCO2ガスを排出する。また、シェル鋳型は硬化剤にヘキサメチレンテトラミンを、コールドボックス鋳型は硬化触媒にアミン類を使用することなどのために、注湯時にアンモニアやアミン系の悪臭のするガスを発生する。
そこで、環境適合を達成するために、本発明の発明者は、無機の粘結剤であるアルカリ珪酸塩と、流動化剤並びに硬化助剤として無機の球状非晶質シリカもしくはアルミナを用いることを検討した。これらから発生するガスは基本的には水蒸気のみであり、環境適合が達成可能である。
ここで、アルカリ珪酸塩の水溶液、特にケイ酸ナトリウム水溶液(以下、水ガラスともいう)を粘結剤として用いた鋳型材料の従来技術の概要を示すと、水ガラスは1950年から1980年頃に盛んに使用され、水ガラスを様々な方法でゲル化させて鋳型として用いられた。代表的な水ガラスの硬化方法としては、鋳型名称として炭酸ガス型、Nプロセス、Hプロセス、ダイカル型、水ガラス・エステル硬化型、VRH法などが挙げられる。その他、水ガラスに酸を添加することにより硬化すること知られている。更に、水ガラスは乾燥のみでも硬化するが、吸湿による影響で鋳型を長期に保持することが難しいとされている。詳しくは、水ガラスの硬化方法に関して、下記の(1)〜(8)の技術が知られている。
(1) 炭酸ガス型:CO2ガスをガッシングすることで、水ガラス中のNaOHをNa2CO3とし、珪酸をゲル化させる。水ガラスは一般にNa2O・mSiO2(mn+x)H2Oの組成で、モル比SiO2/Na2Oが1.5以上である。
Na2O・mSiO2(mn+x)H2O+CO2→Na2CO3・xH2O+m(SiO2・nH2O)
(2) Nプロセス:水ガラスをフェロシリコン粉末(フェロシリコン中のSi)で硬化させる。珪素自体の添加でも良い。
Na2O・SiO2+mSi+2mH2O→Na2O・mSiO2+nSiO2+2mH2
水素ガスとなることで、水分が減少してゲル化する。
(3) Hプロセス:アルミン酸ソーダを含む水ガラスを、硬化剤としてAl4C3及び活性化Al2O3、CaO、SiO2の混合物で硬化させる。硬化が二段階で進行することを特徴とする。一次反応は発熱反応であり、二次反応は発熱を伴わない。
水ガラスはその一部がNa2O・nSiO2+H2O⇔2NaOH+nSiO2として加水分解している。
一次反応では、NaOHとAl4C3が発熱反応し熱によりゲル化する。
二次反応では、性化Al2O3、CaOがH2Oと反応して、3CaO・Al2O3・mH2Oとなり、これが更にCa(OH)2と反応してゲル化して行く。
(4) ダイカル型:水ガラスを発熱反応無しで硬化させる方法で、スラグ粉末を硬化剤とする。スラグ粉末中の2CaO・SiO2(ダイカルシウム・シリケート)が硬化剤として作用する。
(5) 水ガラス・エステル硬化法:多価アルコール及び多価アルコールのエステルは、アルカリ中で酸を生成し中和反応により珪酸ソーダをゲル化させる。
(6) VRH法:鋳型を減圧容器中で減圧し、減圧中に炭酸ガスを吹き込む方法である。水ガラス添加量やCO2量の削減が可能である。減圧により脱水反応が生じることで、これによる硬化も若干寄与する。
(7) 酸添加:アルカリが中和されることでゲル化する。
例えば硫酸を添加すると、Na2O・nSiO2+H2SO4+(m−1)H2O→nSiO2・mH2O・NaSO4となる。
(8) 乾燥法:水ガラスはNa2O・mSiO2・nH2Oであるが、水分を蒸発させることでゲル化して硬化することが知られている。ただし、大気中の湿度により、このゲル化物は水和物となり粘結力を失う。
これらの既存の水ガラスの硬化方法は、上記(1)と(6)では硬化のためにCO2を使用することからCO2削減につながらないこと、また、CO2を水ガラスと反応させるためのCO2ガスのガッシングに時間を要することで生産性が悪い問題がある。上記(2)から(5)及び(7)では、自硬性反応による硬化であることから、極めて生産性が悪い欠点がある。上記(8)での乾燥による方法は、乾燥方式の工夫により、高い生産性を維持することが可能であるが、前述した造型後の吸湿による鋳型劣化問題があり、実用化されていない。更に、水ガラスは粘性が高いために、鋳物砂の充填性が悪く、造型しにくいという問題もあるが、これはNプロセスなどにおいて界面活性剤を添加する流動性鋳物砂の開発により、幾分改善されている。
アルカリ珪酸塩と、流動化剤並びに硬化助剤として無機の球状非晶質シリカもしくはアルミナを鋳型材料として用いることを提案する特許文献としては、下記の特許文献1が知られている。特許文献1にあっては、鋳型材料として、「1〜10重量%の部分的に溶解した非晶質球状SiO2(非晶質二酸化珪素)を使用することが重要であり、45μm以上の直径、好ましくは45μmを超える直径を有する非晶質二酸化珪素粒子が、珪砂とアルカリ珪酸塩からなる粘結剤の混合物に1.5重量%以下の割合で含まれる。非晶質二酸化珪素の表面には、非晶質二酸化珪素の平均粒子径の0.5〜1%の厚みを有する膨潤相が形成されている」としているものである(特許文献1の明細書段落0012)。この特許文献1にあっては、「10〜45μmの平均粒子径の球状粒子である非晶質SiO2の割合が1〜10重量%の場合、45μmを超える粒径を有する粒子の割合が1.5重量%未満となり、常に高い流動性能と均一な乾燥時間で鋳型と鋳型部品を製造することができる。球状SiO2粒子は珪砂粒子間で摺動媒介物として均一に分布し、珪砂粒子を相互に分離し、珪砂粒子の連結による遮断効果を防止する。表面上の安定した膨潤相によって摺動が生じ、流動工程時に珪砂粒子同士の高い移動性がもたらされる」(特許文献1の明細書段落0015)と記載されており、さらに、「部分的に溶解した球状SiO2は1〜10重量%の量で鋳型材料に添加する。本発明者らは、球状SiO2粒子を取り囲む膨潤相が、隣接する珪砂粒子と比較して明らかに低い密着性と滑り摩擦を示すと推測している。低い密着性と滑り摩擦により、球状SiO2粒子として使用される非晶質SiO2が、流動工程時に互いに隣接する鋳型材料粒子を分離し、鋳型材料粒子は膨潤相によって低い滑り抵抗を有する球状SiO2の球面上を摺動する。流動工程では、特に有利な滑り摩擦特性を有する非晶質SiO2上の永久的で摩擦安定したゲル層によって流動性が向上するものと考えられる。接触点では、SiO2粒子と鋳型材料粒子は安定した膨潤相によって互いに分離され、粒子表面の滑り摩擦は膨潤相によって決定される」(特許文献1の明細書段落0017)と記載されている。また、「非晶質球状SiO2の平均粒子径は、赤色光ダイオードレーザによる散乱光原理に従う粒度計内で、磁気攪拌機を備えた15ml直立測定セル内でMultiplen検出器を使用して測定した。粒径分析は、DIN/ISO 13320に従ってレーザ回折法によって行った。測定する非晶質球状SiO2の粒子は適当な分散剤と共に懸濁液に投入した。粒径を測定する際には、均質化した懸濁液0.1mlを蒸留水を入れた測定セル内に投入し、粒径を1分間以内に測定した。使用した非晶質球状SiO2は30〜45μmの平均粒子径を有していた」(特許文献1の明細書段落0023)と記載されている。このように、特許文献1では、鋳型材料粒子は、比較的大きな平均粒子径を有する球状SiO2の球面上に形成される膨潤相をコントロールすることによって、低い滑り抵抗を獲得する技術思想を提案するものである。また、この特許文献1の球状SiO2は、「より具体的には、鋳型材料混合物の各成分を大きな容器内で数日間保存するプラントでは、乾燥した非晶質球状SiO2をアルカリ性粘結剤と混合することによってアルカリ性SiO2懸濁液を有利に製造することができる。使用する直前に懸濁液を製造することにより、非晶質SiO2は新たな状態かつ均一な品質でアルカリ性に設定される。アルカリ性に設定したSiO2の割合を砂の量に対して1〜10重量%とすることにより、試験では、高い流動性能を有し、鋳型部品の高い曲げ強度をもたらす鋳型材料混合物を得ることができた」とされている(特許文献1の明細書段落0053)。
特許第4584962号公報
本発明は、アルカリ珪酸塩を粘結剤とする鋳物砂と、流動化剤並びに硬化助剤として球状非晶質シリカもしくは球状非晶質アルミナとを用いた環境適合型の鋳型材料であって、強度発現と充填性改良を実現した鋳型材料を提供することを目的とする。また、このような鋳型材料を用いることを特徴とする鋳型並びに鋳型の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、アルカリ珪酸塩を粘結剤とする鋳物砂に、流動化剤及び硬化助剤として酸性の球状非晶質シリカと酸性の球状非晶質アルミナとの少なくとも何れか一方からなる非晶質球状体を添加した鋳型材料を提供することにより、上記の課題を解決する。
本発明の前記非晶質球状体の平均粒子径は、10μm以下が好ましく、より好ましくは10μm未満、さらに好ましくは7μm以下である。また、流動性を付与するための界面活性剤を添加することもできる。前記非晶質球状体は、酸性であるが、特にpH5以下であることが好ましい。そして、前記非晶質球状体の添加量が前記鋳物砂の0.3〜3.0質量%であることが望ましい。
また本発明は、前記の鋳型材料を硬化させた鋳型を提供する。
本発明の鋳型は、前記鋳型材料を硬化させることによって得られるが、前記硬化に脱水による硬化が含まれることが望ましい。
本発明にあっては、環境適合性の高いアルカリ珪酸塩を粘結剤として用い、これの充填性の悪さを酸性の非晶質シリカ及び酸性の非晶質アルミナからなる非晶質球状体を使用することで解決した。図1に示すように、本発明にあっては、非晶質シリカ又は非晶質アルミナの非晶質球状体1は、鋳物砂2表面のアルカリ珪酸塩3のバインダー中に分散し、その滑り効果により、砂粒の充填性が改善される。
本発明の非晶質球状体(非晶質シリカ、非晶質アルミナ)は、アルカリ珪酸塩(Na2O・nSiO2・mH2O)のNa2Oと反応し、SiO2を余剰とすることでゲル化を促進する。さらに、非晶質球状体として、酸性のものを使用することで、アルカリ珪酸塩が中和されてゲル化し、強度が発現する。
また、先の特許文献1にあっては、比較的大きな平均粒子径を有する球状SiO2の球面上に形成される膨潤相をコントロールすることによって、低い滑り抵抗を獲得する技術思想を提案されているが、本発明は、非晶質球状体の粒径をコントロールすることによって、滑り効果を獲得する。平均粒子径が10μmを越えると砂粒の充填の妨げとなり、特に、平均粒子径7μm以下の球状粒子が充填性改善効果が大きいことが、実験による検証の結果、確認された。
生産性の悪さに対しては脱水による硬化方法を採用することで解決した。また、この酸性の非晶質球状体はアルカリ珪酸塩の硬化剤としての役割も有することで、脱水硬化だけでは吸湿劣化するアルカリ珪酸塩の保存性を解決した。
前述のとおり、本発明は、アルカリ珪酸塩を粘結剤とする鋳物砂と、流動化剤並びに硬化助剤として球状非晶質シリカもしくは球状非晶質アルミナとを用いた環境適合型の鋳型材料であって、強度発現と充填性改良を実現した鋳型材料を提供することができたものである。また、このような鋳型材料を用いるた新たな鋳型並びに鋳型の製造方法を提供し得たものである。
本発明の鋳物材料の模式図である。 (A)はpHと曲げ強度の関係を示す散布図、(B)はpHと試験片密度の関係を示す散布図である。 (A)は実施例C5の鋳型充填状態の写真、(B)は比較例C1の鋳型充填状態の写真である。 本発明に用いた球状非晶質シリカのSEM像である。 実施例の混練砂から得られた鋳型の接着界面のSEM像である。
(鋳物砂について)
本発明に用いる鋳物砂には、鋳造用として使用される鋳物砂である天然硅砂や人造硅砂や再生砂などの石英を主な鉱物とする硅砂、ムライトやアルミナなどのセラミックサンド、ジルコンサンドやクロマイトサンドやオリビンサンドなどの特殊砂、フェロニッケルやフェロクロムを生産する際の鉱滓から生産するスラグサンドなどの全ての鋳造用の鋳物砂を含むものである。
鋳物砂の粒子径は、通常は53μmから1,750μmの範囲のものが使用されることが多いが特にこれに限定されるものではない。大物鋳物の場合は、300μmから600μmにピークがある粒子径のもの、小物鋳物の場合は150μmから300μmにピークのある粒子径のものが使用される。鋳物砂の粒子径は、鋳肌やガス欠陥などによって決まるものであるので、いかなる粒子径の鋳物砂を使用しても本発明の効果は阻害されない。なお、図1に示した鋳物砂の粒子径も一例に過ぎず、これに基づき本発明を限定的に理解するべきではない。
一般的に鋳物砂に添加されるベンガラ、砂鉄、石炭粉、黒鉛粉、澱粉、糖類、木粉、界面活性剤、増粘剤、崩壊促進剤などが使用されても本発明の効果は阻害されない。
(粘結剤について)
本発明にあっては、粘結剤としてアルカリ珪酸塩を用いる。アルカリ珪酸塩としては珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウムを例示し得るが、これに限るものでなくこれらを複数種混合して用いることもできる。粘結剤の配合量は、鋳型強度発現がその種類等によって異なるために、上記鋳物砂に対して、0.5〜8.0質量%の範囲内が実用範囲と思われるが、これに限定されるものではない。特に、充填性や鋳型の崩壊性を考慮すると1〜3質量%が望ましい。
(非晶質球状体)
本発明の非晶質球状体は、球状の非晶質シリカと球状の非晶質アルミナと何れか一方、又は双方を混合して用いる。これら非晶質シリカ及び非晶質アルミナは、アルカリ珪酸塩(Na2O・nSiO2・mH2O)のNa2Oと反応し、SiO2を余剰とすることでゲル化を促進する。さらに、非晶質球状体として、酸性のもの(特に、pH5以下)を使用することで、アルカリ珪酸塩が中和されてゲル化し、強度が発現する。この非晶質球状体の粒径をコントロールすることによって、滑り効果を獲得するができるものであり、平均粒子径が10μmを越えると砂粒の充填の妨げとなり、特に、平均粒子径7μm以下の球状粒子が充填性改善効果が大きいことが、実験による検証の結果、確認された。この非晶質球状体の添加量が鋳物砂の0.3〜3.0質量%であることが好ましい。非晶質球状体のpHは、それぞれの粒子が酸性であることが最も好ましいが、使用する非晶質球状体の全体としてのpHが7未満であれば足り、その一部にアルカリ性のものを含むことを妨げない。
球状非晶質シリカや球状非晶質アルミナは、今日種々の製法のものが提供されており、本発明に用いるものについても周知の方法で製造するなどしたものでよく、その製造方法による制限はない。
具体的には、球状非晶質シリカを例に採ると、球状非晶質シリカは、一例として、燃焼法(いわゆる火炎熔融法)で製造される。また、他の例としては、副生物であるシリカヒュームを主体に用いることもできる。これらはいずれも、乾式法の合成非晶質シリカの製法である。
上記の燃焼法(いわゆる火炎溶融法)とは、球状非晶質シリカの原料となるクロロシラン類や珪酸ナトリウムをそれらが熔融する温度の火炎中に、キャリア溶剤と共に所定のガス圧で噴霧し、これによりシリカを熔融させて非晶質とし、熔融時の表面張力で球状とするものである。
シリカヒュームとは、フェロシリコン、金属シリコンや電融ジルコニアなどを熔解して製造する際に発生するSiO2ガス及びSiO2ミストを集塵機などで捕捉した副生物である球状非晶質シリカである。
これらの方法によれば、高温でシリカが熔融し、その表面張力で球状となっている。熔融により粒子はその表面が滑らかとなっている。これの粒子サイズの調整は火炎熔融法では火炎中に原料を噴霧する際の速度、原料のキャリア溶剤中の濃度、原料の粉末度などにより調整できる。シリカヒュームの粒度は集塵機の風圧、風量などで調整ができる。また、それぞれを生産した後に、微粒子の分級技術により粒度調整をすることも可能である。
なお、合成非晶質シリカは、湿式法である沈降法、ゲル法、ゾルゲル法でも生産される。これらは数十nmの一次球状体が凝集して、数μm〜数百nmの擬似球状体を形成している。この疑似球状体も本発明に用いることが可能である。
本発明に用いることが適さない非晶質シリカは、天然の非晶質シリカである珪藻土や酸性白土であり、これらは球状で無いことから、鋳物砂の充填性改善効果が低い。更に、結晶性シリカは水ガラスとの反応性に劣ることから、これも本発明に用いることができない。但し、上記の乾式法で得られた非晶質シリカと併用することを妨げるものではない。
pHについても、その製法や成分により、酸性、中性、アルカリ性、種々のpHの球状非晶質シリカが市販されている。
製法の影響として、乾式法においては、例えば四塩化珪素を火炎熔融法により製造すると微量に塩素が残留し水溶液中では塩酸となり酸性となる。更に、石油系燃料を用いて原料を熔解したものは、微量に硫黄酸化物が残留し、これが水溶液中では硫酸となり酸性となる。また、湿式法においては沈降法では中性からアルカリ性のものが多く、ゲル法では酸性から中性のものが多い傾向にあるが、これは用いる溶剤中のpHに由来する。
成分の影響としては、中性、アルカリ性となる球状非晶質シリカには二次成分として塩基性のMgOが含まれている。MgOの含まれる球状非晶質シリカは数多く市販されている。従って、本発明用の球状非晶質シリカとしては、MgOが含まれていないシリカ(SiO2)純度の高いもの、かつ、ClやSO3などの強酸となる残留物が含まれているものを選ぶことが好ましい。
(界面活性剤について)
本発明に用いる界面活性剤としては、流動性を付与する作用があれば、種々のものを用いることができる。特に、アルカリ珪酸塩に添加して使用することが既に知られている界面活性剤については、本発明品に併用することで、更に良好な充填性が得られる。界面活性剤とはアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤である。本発明に、アニオン性界面活性剤としては脂肪酸ナトリウム、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩などであり、カチオン性界面活性剤としてはアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩などであり、両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタインなどであり、非イオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテルなどを併用しても本発明の効果は阻害さず、更なる充填性の改善効果が得られる。なお、本発明の実施に際して、流動性付与以外の目的のための界面活性剤を用いることを排除するものではない。
(混合)
上記の各成分を混合し、本発明の鋳物材料を得る。混合は、通常の混合機によって常法に従い混合すればよく、例えば、鋳物砂に対して、非晶質球状体及び界面活性剤を加えて5〜20秒攪拌し、次いでアルカリ珪酸塩を加えて20〜50秒攪拌することによって混練砂とすることができるが、これは単なる一例であり、全ての材料を一度に混合攪拌するなど適宜変更して実施することができる。
(造型)
造型は、例えば、ブローイング造型機などの既存の造型機を用いることができ、常法に従って成型することができる。その際、有利なアルカリ珪酸塩の脱水方法としては、予め加熱しておいた金型中に本発明の鋳型材料をブローイングし、その後に冷風あるいは温風をパージングする造型機が適している。冷風あるいは温風のパージングは加圧方式でも減圧方式でも良い。金型の加熱は電気加熱でもガス加熱でも良く、ホットオイルを用いた方式でも良い。この様な造型機は既に開発されているので容易に入手することができる。冷風あるいは温風の代わりに加熱水蒸気を用いると更に硬化が早くなる。
マイクロ波加熱、高周波加熱、遠赤外線加熱を用いて鋳型を加熱して硬化させることが可能であり、その後に通風しても良い。減圧して脱水し硬化させることも可能である。真空凍結乾燥機による硬化も可能である。
以下、本発明の実施例を比較例と共に示すが、本発明は当該実施例に限定して理解されるべきではない。
(実施例A1、比較例A群:表1)
実施例A1、比較例A群 の鋳型材料の各成分の配合と、これによって得られた鋳型の性能を表1に示す。なお、以下の説明では、添加量の%は特に断りのないかぎり質量%を意味すると共に、水ガラスの添加量の鋳物砂に対する割合であり、同様に、球状非晶質シリカや球状非晶質アルミナ等の添加剤の添加量も鋳物砂に対する割合である。また、以下の全ての実施例において、球状非晶質シリカのpHは、表又は本文中に特記しない限り、pH3.5である。
実施例A1、比較例A1〜A6の鋳型材料は、米国産天然硅砂に表1の各添加剤を加えて10秒攪拌し、次いで水ガラス(アルカリ珪酸塩)を加えて30秒攪拌して混練砂とした。
造型はブローイング造型機を用いて30mm×80mm×10mmの鋳型を成型した。混練砂をブロー圧4.0kg/cm2、ブロー時間3秒として金型にブローイングした。比較例A1と実施例A1では、予め130〜140℃に予熱した金型に混練砂を充填させ、その直後に30秒間エアーパージをして混練砂中の水分を除去して硬化させた。比較例A2から比較例A6は、ガス硬化あるいは自硬化であるために、金型は常温としエアーパージはしていない。CO2ガス型では30秒間のCO2パージとした。
実施例A1は、比較例A1と比較して、曲げ強度が2.4倍に増加し、試験片密度も1.22倍に改善されていることが確認された。
比較例A3から比較例A6は、設定した造型サイクル内では試験片が硬化しない結果であった。これらの造型方法では硬化に時間を要するために、生産性が求められる現在の鋳型造型法には適していない。
比較例A1と比較例A2では鋳型の成型は可能であったが、実施例A1と比較すると曲げ強度と試験片密度が低くい結果であった。曲げ強度が低いことは複雑形状の鋳型を成型するには不適である。また、試験片密度が低いことは充填性の良い鋳型とは言えない。
各実施例及び比較例において、平均粒子径は、株式会社堀場製作所のレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA-920を用いて測定した。試料はイオン交換水で分散させ測定した。平均粒子径は、メジアン径あるいはD50値で算出した。すなわた、本発明における平均粒子径とは、粉体をある粒子径から2つに分けた時、大きい側と小さい側が等量となる径のことである。具体的な計算方法としては、母体全体より、小さな粒子から順に並べていき母体100vol%に対して、50vol%を占めた時の粒子の大きさを平均粒子径とした。
(実施例B群、比較例B1:表2)
実施例B群、比較例B1の鋳型材料の各成分の配合と、これによって得られた鋳型の性能を表2に示す。
実施例B群、比較例B1は、表2に示す配合量に従い、米国産天然硅砂に球状非晶質シリカ加えてを10秒攪拌し、次いで水ガラス及び界面活性剤を加えて30秒攪拌して混練砂とした。球状非晶質シリカの量は4.3%まで変化して添加した。界面活性剤の添加量は水ガラスに対しての添加量とした。
造型はブローイング造型機(米国レッドフォード社のコールドボックス用試験の造型機)を用いて30mm×80mm×10mmの鋳型を成型した。混練砂をブロー圧4.0kg/cm2、ブロー時間3秒として金型にブローイングした。次に、予め130〜140℃に予熱した金型に混練砂を充填させ、その直後に30秒間エアーパージをして混練砂中の水分を除去して硬化させた。
球状非晶質シリカを添加することで、曲げ強度と試験片密度が増加するが、4.3%添加では曲げ強度が無添加と比較して低下する。3.3%では無添加とほぼ同一の曲げ強度である。しかし、試験片密度は3.3%と4.3%は無添加よりも増加はしている。
従って、本発明において球状非晶質シリカの添加量はおよそ3.0%以内が望ましいと考えられる。
(実施例C群、比較例C群:表3)
実施例C群、比較例C群の鋳型材料の各成分の配合と、これによって得られた鋳型の性能を表3に示す。なお、実施例C2は、先の実施例B2と同じものであり、比較例C1は、先の比較例B1と同じものである。
表3に記載の実施例及び比較例にあっては、混練は、米国産天然硅砂に球状非晶質シリカあるいは球状非晶質アルミナあるいはこれらの混合物を加えてを10秒攪拌し、次いで水ガラス及び界面活性剤を加えて30秒攪拌して混練砂とした。界面活性剤の添加量は水ガラスに対しての添加量とした。
造型はブローイング造型機を用いて30mm×80mm×10mmの鋳型を成型した。混練砂をブロー圧4.0kg/cm2、ブロー時間3秒として金型にブローイングした。次に、予め130〜140℃に予熱した金型に混練砂を充填させ、その直後に30秒間エアーパージをして混練砂中の水分を除去して硬化させた。
比較例C2とC3から明らかなように、非球状結晶性のシリカフラワー及びアルミナフラワーは曲げ強度と試験片密度の改善効果は認められない。
球状非晶質シリカ及び球状非晶質アルミナにおいては、各実施例に示すように、比較例に比して、曲げ強度と試験片密度の改善効果が認められたものであり、特に、平均粒子径が33μm以下のものが好ましく、さらに、平均粒子径が10μm未満では曲げ強度が4.5MPa以上となり、複雑形状の鋳型が製造可能である。複雑形状の鋳型とは、シリンダーヘッドのウォータージャケット中子、シリンダーブロックのオイルドロップ中子、油圧バルブボディー中子、ブレーキディスク用中子、オイルポンプ用中子などである。これらは鋳型が数ミリとなることもあり、これらの複雑な形状の鋳型にあっては、曲げ強度が4.5MPa以上無いと鋳型をハンドリングする際に破損の恐れがある。
球状非晶質シリカ及び球状非晶質アルミナの平均粒子径10〜34μm程度のものにあっても、無添加と比較して曲げ強度と試験片密度の改善効果は認められ、複雑形状ではない鋳型については十分に使用可能である。そして、水ガラス添加量や球状非晶質シリカ及び球状非晶質アルミナの添加量を上げることで、曲げ強度を4.5MPa以上とすることも可能であるが、水ガラス量が増加すると注湯後の鋳型の崩壊性が悪化するおそれがあり、そのバランスが問題となろう。
ここで、pHとの関係をみると、この表3及び表3の結果に基づいて作成した、pHと曲げ強度及び試験片密度の散布図である図2(A)(B)から明らかなように、pH7未満の各実施例は、pH8以上の比較例C4に比して、曲げ強度が改善されている。これは、前述のように、非晶質球状体として、酸性のものを使用することで、アルカリ珪酸塩が中和されてゲル化が促進され、強度が発現したものと考えられる。特に、球状非晶質シリカ及び球状非晶質アルミナのpH5.0以下のものは試験片密度についも、改善効果が大きい。試験片密度が1.63g/cm3を超えると鋳型の詰まりが良好となり鋳肌の良好な鋳物が得られる。図3に鋳型充填状態の写真を示す。図3(A)の実施例C5(試験片密度1.637g/cm3)は充填の良い鋳型が得られるが、図3(B)の比較例C1(試験片密度1.383g/cm3)は充填が悪い。
(実施例D群、比較例D1:表4)
実施例D群、比較例D1の鋳型材料の各成分の配合と、これによって得られた鋳型の性能を表4に示す。なお、比較例D1は、先の比較例A1と同じものである。
これらの実施例及び比較例では、混練は、米国産天然硅砂に球状非晶質シリカを1.3%添加し、次いでモル比と比重の異なる水ガラス2.3%加えて30秒攪拌して混練砂とした。
造型は、ブローイング造型機を用いて30mm×80mm×10mmの鋳型を成型した。混練砂をブロー圧4.0kg/cm2、ブロー時間3秒として金型にブローイングした。次に、予め130〜140℃に予熱した金型に混練砂を充填させ、その直後に30秒間エアーパージをして混練砂中の水分を除去して硬化させた。
水ガラスはNa2O・nSiO2・mH2Oの分子式であり、係数nがモル比である。水ガラスはのモル比は0.5から4.0で生産可能であるが、鋳型用としては2.0から3.0のものが使用されている。比重はmH2Oである水分量により変化する。
モル比を1.6から2.75、比重を1.32から1.45とした水ガラスを用いて鋳型特性を測定した。モル比1.6、比重1.38及びモル比2.5、比重1.38が特に良好な曲げ強度と試験片密度となっている。比較例D1の球状非晶質シリカ無添加と比較すると、全ての実施例で曲げ強度と試験片密度の上昇が認められる。
(実施例E群:表5)
実施例E群の鋳型材料の各成分の配合と、これによって得られた鋳型の性能を表5に示す。なお、実施例E1は、先の実施例A1と同じものであり、実施例E2は、先の実施例B2と同じものである。
これらの実施例では、混練は、米国産天然硅砂に球状非晶質シリカ1.3%を加えて10秒攪拌し、次いで水ガラス及び各種界面活性剤を加えて30秒攪拌して混練砂とした。界面活性剤の添加量は水ガラスに対しての添加量とした。
造型はブローイング造型機を用いて30mm×80mm×10mmの鋳型を成型した。混練砂をブロー圧4.0kg/cm2、ブロー時間3秒として金型にブローイングした。次に、予め130〜140℃に予熱した金型に混練砂を充填させ、その直後に30秒間エアーパージをして混練砂中の水分を除去して硬化させた。
各種界面活性剤を用いることで、曲げ強度と試験片密度が改善される。従って、本発明に対して界面活性剤を併用することは、本発明の効果を損なうことなく、更に良好か結果を得ることができる。
また、供試した界面活性の中で、ノニオン性界面活性剤ID-206(ポリオキシエチレン−イソデシルエーテル)が強度と試験片密度の改善効果に対するバランスが良い。添加量は水ガラスに対して0.25%から0.75%がバランスが良く、0.05%及び1.0%においても無添加より良好である。
(実施例F群:表6、表7)
実施例F群の鋳型材料の各成分の配合と、これによって得られた鋳型の性能を表6に示す。
実施例F群にあっては、混練は、鋳物砂に球状非晶質シリカを加えて10秒攪拌し、次いで水ガラスを加えて30秒攪拌して混練砂とした。水ガラスと非晶質シリカの添加量は、曲げ強度が4.5MPaを超えるように変化して添加した。
造型はブローイング造型機を用いて30mm×80mm×10mmの鋳型を成型した。混練砂をブロー圧4.0kg/cm2、ブロー時間3秒として金型にブローイングした。次に、予め130〜140℃に予熱した金型に混練砂を充填させ、その直後に30秒間エアーパージをして混練砂中の水分を除去して硬化させた。
鋳物砂の種類により、水ガラスと球状非晶質シリカの添加量が大きく異なるが、何れの鋳物砂においても複雑形状鋳型として使用可能な曲げ強度が4.5MPa以上となる。従って、本発明においては各種鋳物砂が使用可能である。ただし、水ガラス添加量が3.0%を超えたものは複雑形状のシリンダーヘッドのウォータージャケット中子では崩壊性に難があり実用的ではない。しかしながら、単純形状の鋳型では実用可能である。
上記実施例F群の鋳物砂の粒度分布を表7に示す。
(実施例G群:表8)
実施例G群の鋳型材料の各成分の配合と、これによって得られた鋳型の性能を表8に示す。
実施例G群にあっては、混練は、米国産天然硅砂に球状非晶質シリカを加えて10秒攪拌し、次いで珪酸カリウム及び必要に応じて各種界面活性剤を加えて30秒攪拌して混練砂とした。界面活性剤の添加量は水ガラスに対しての添加量とした。
造型はブローイング造型機を用いて30mm×80mm×10mmの鋳型を成型した。混練砂をブロー圧4.0kg/cm2、ブロー時間3秒として金型にブローイングした。次に、予め130〜140℃に予熱した金型に混練砂を充填させ、その直後に30秒間エアーパージをして混練砂中の水分を除去して硬化させた。
この実施例G群にあっては、球状非晶質シリカを水ガラスの一種である珪酸カリウムに加えること、及び界面活性剤を併用することで鋳型強度と試験片密度が上昇することが確認された。このことから、本発明において水ガラスとして珪酸ナトリウムの他に珪酸カリウムを使用しても良いことが実証された。なお、珪酸カリウムを使用することで、注湯時の鋳型強度や保管時の吸湿による鋳型強度を改善することができるという効果も発揮し得る。
以上、本発明の各実施例にあっては、比較例に比して優れた効果を発揮することが確認された。
最後に、本発明の実施例A1等に用いた球状非晶質シリカ(平均粒子径が約1ミクロン)のSEM像の分析例を図4に示す。なお、ほぼ同じ平均粒子径の場合、粒子表面が清浄であり滑らかな物の方が強度がよく発現する。
図5に、同実施例の混練砂から得られた鋳型の接着界面のSEM像の分析例を示す。図5において、右上と左下の大きな球状物が珪砂の粒子であり、その表面に付着している小さな多数の微粒子が球状非晶質シリカである。

Claims (7)

  1. アルカリ珪酸塩を粘結剤とする鋳物砂に、流動化剤及び硬化助剤として酸性の球状非晶質シリカと酸性の球状非晶質アルミナとの少なくとも何れか一方からなる非晶質球状体を添加した鋳型材料。
  2. 前記非晶質球状体の平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする請求項1記載の鋳型材料。
  3. 更に流動性を付与するための界面活性剤を添加したことを特徴とする請求項1又は2記載の鋳型材料。
  4. 前記非晶質球状体がpH5以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の鋳型材料。
  5. 前記非晶質球状体の添加量が前記鋳物砂の0.3〜3.0質量%であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の鋳型材料。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の鋳型材料を硬化させた鋳型。
  7. 請求項1〜5の何れかに記載の鋳型材料を硬化させることによって鋳型を製造する方法であって、前記硬化に脱水による硬化が含まれることを特徴とする鋳型の製造方法。
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