JP4920734B2 - 位相差板の製造方法 - Google Patents
位相差板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4920734B2 JP4920734B2 JP2009233625A JP2009233625A JP4920734B2 JP 4920734 B2 JP4920734 B2 JP 4920734B2 JP 2009233625 A JP2009233625 A JP 2009233625A JP 2009233625 A JP2009233625 A JP 2009233625A JP 4920734 B2 JP4920734 B2 JP 4920734B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- retardation
- plate
- value
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Description
<1> 固有複屈折値が正の樹脂と固有複屈折値が負の樹脂とを共押出しし、固有複屈折値が正の樹脂からなり複屈折を有する第一の層と、固有複屈折値が負の樹脂からなり複屈折を有する第二の層と、を有する積層体を作製する工程と、
前記積層体を作製する工程の後に設けられ、前記積層体を延伸することにより、前記第一の層の遅相軸と前記第二の層の遅相軸とを互いに直交させ、波長450nm、550nmおよび650nmにおけるレターデーション値を各々Re(450)、Re(550)およびRe(650)としたとき、Re(450)<Re(550)<Re(650)となるようにレターデーションを調整する工程と、
を有する位相差板の製造方法である。
<3> 前記固有複屈折値が負の樹脂がポリスチレンまたはポリスチレン系ポリマーである<1>又は<2>に記載の位相差板の製造方法である。
<4> 前記ポリスチレン系ポリマーがスチレン及び/又はスチレン誘導体と、アクリルニトリル、無水マレイン酸、メチルメタクリレートおよびブタジエンから選ばれる少なくとも1種との共重合体である<3>に記載の位相差板の製造方法である。
本発明により製造される位相差板は、固有複屈折値が正である材料(以下、単に「正の材料」という場合がある)と負である材料(以下、単に「負の材料」という場合がある)とをそれぞれ少なくとも1種含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。本発明により製造される位相差板には、前記固有複屈折値が正である材料と前記固有複屈折値が負の材料とが各々異なる層に含有される形態が含まれる。本発明により製造される位相差板では、入射光は、固有複屈折値が正と負の材料を含有する多層によって、位相差特性を与えられる。固有複屈折値が正の材料および負の材料は、延伸操作等により分子配向方向が等しくなったとき、その遅相軸が直交するため、発現するレターデーションは各々が有する特性が相殺された結果の複合体としてのレターデーションとなる。本発明では、前記正の材料と負の材料とを種々組合せることによって、及び/又は、延伸条件等の作製条件を調整することにより、発現するレターデーションの波長分散性を制御し、可視光全域の入射光に対して、Re/λがほぼ均一な位相差特性を与える位相差板を提供することを可能としている。
本発明において、「固有複屈折値が正である材料」とは、分子が一軸性の秩序をもって配向したときに、光学的に正の一軸性を示す特性を有する材料をいう。例えば、前記正の材料が樹脂である場合では、分子が一軸性の配向をとって形成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より大きくなる樹脂をいう。前記正の材料としては、樹脂、棒状液晶、棒状液晶ポリマーなど種々のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、これらの中でも樹脂が好ましい。
本発明においては、これらの中でも、オレフィン系ポリマーが好ましく、オレフィン系ポリマーの中でも、光透過率特性、耐熱性、寸度安定性、光弾性特性等の観点から、ノルボルネン系ポリマーが特に好ましい。前記オレフィン系ポリマーとしては、日本合成ゴム製の「アートソー」、日本ゼオン製の「ゼオネックス」および「ゼオノア」、三井石油化学製の「APO」等が好適に利用される。
本発明において、「固有複屈折値が負である材料」とは、分子が一軸性の秩序をもって配向したときに、光学的に負の一軸性を示す特性を有する材料をいう。例えば、前記負の材料が樹脂である場合、分子が一軸性の配向をとって形成された層に光が入射したとき、前記配向方向の光の屈折率が前記配向方向に直交する方向の光の屈折率より小さくなる樹脂をいう。前記負の材料としては、樹脂、ディスコティック液晶、ディスコティック液晶ポリマー等種々のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、これらの中でもポリマーが好ましい。
尚、本発明の位相差板を光学用途(表示素子等)に利用する場合は、ガラス転移点が110℃以上(より好ましくは120℃以上)のポリマーを使用するのが好ましい。
本発明において、前記固有複屈折値が正である材料と負である材料とは、以下に示す条件を満たすことを指標として組合せるのが好ましい。
波長450nm及び波長550nmにおけるレターデーション(Re)値の絶対値をそれぞれRe(450)及びRe(550)としたとき、前記正の材料の(Re(450)/Re(550))の値と、前記負の材料の(Re(450)/Re(550))の値とが等しくならない(即ち、一方が他方よりも小さいか又は大きい)組合せが好ましいものとして挙げられる。より具体的には、両値の差が、0.03以上となる組合せが好ましく、0.05以上である組合せがより好ましい。
固有屈折値(Δn)の波長分散性が大きい樹脂を負の材料として使用する場合は、正の材料としてはΔnの波長分散性が小さい樹脂を使用するのが好ましい。また、固有屈折値(Δn)の波長分散性が小さい樹脂を負の材料として使用する場合は、正の材料としてはΔnの波長分散性が大きい樹脂を使用するのが好ましい。例えば、前記正の材料としてノルボルネン系ポリマーを使用する場合は、前記負の材料としては、その固有複屈折値の波長分散が大きいものが好ましく、具体的には、波長450nmおよび波長550nmの固有複屈折値(Δn)を、各々、Δn(450)およびΔn(550)としたとき、下記関係式を満たす樹脂から選ばれるのが好ましい。
|Δn(450)/Δn(550)| ≧ 1.02
さらに、下記関係式を満たす樹脂から選ばれるのがより好ましい。
|Δn(450)/Δn(550)| ≧ 1.05
尚、|Δn(450)/Δn(550)|の値は大きいほうが好ましいが、樹脂の場合一般的には2.0以下である。
また、前記負の材料が、前記(Re(450)/Re(550))の値が大きいポリスチレン及びポリスチレン系ポリマー等の場合、これと組合せる前記正の材料としては、オレフィン系ポリマー及びシクロオレフィン系ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー等)、セルロースエステル系ポリマー、などが好ましい。中でも、負の材料としてポリスチレン及び/またはポリスチレン系ポリマーと、正の材料としてオレフィン系ポリマーの中でもノルボルネン系ポリマーとの組合せが特に好ましい。
前記その他の成分としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば相溶化剤などが好適に挙げられる。前記相溶化剤は、前記正の材料と負の材料との混合物を含有する層を有する位相差板において、前記混合物が相分離を生じてしまう場合等に好適に使用することができ、該相溶化剤を使用することによって、前記固有複屈折値が正である材料と負である材料との混合状態を良好にすることができる。
位相差板の参考形態としては、固有複屈折値が正の樹脂と負の樹脂とのポリマーブレンドからなるフィルムまたはシートが挙げられる。前記フィルムまたはシートの波長450nm、550nmおよび650nmにおけるレターデーション値を各々Re(450)、Re(550)およびRe(650)としたとき、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係が成立している。
位相差板10は、固有複屈折値が正の樹脂からなる層12と固有複屈折値が負の樹脂からなる層14とが積層された構成である。層12、14は複屈折を有し、その遅相軸を互いに直交させて積層されている。即ち、層12に含有される前記正の樹脂の分子の配向方向と、層14に含有される前記負の樹脂の配向方向とは一致している。位相差板10のレターデーションは層12と層14の各レターデーションの和となるので、層12と層14とを遅相軸を互いに直交させて積層することによって、位相差板10の短波長側のレターデーションは小さく、且つ長波長側のレターデーションを大きくすることができる。その結果、位相差板10の波長λにおけるレターデーションRe(λ)と波長との比Re(λ)/λを、可視光全域においてほぼ一定にすることができる。
Re(450) < Re(550) <Re(650)
前記関係式を満たすには、固有複屈折値が正の樹脂として、その固有屈折値の波長分散が小さい材料を選択し、且つ固有複屈折値が負の樹脂として、その固有複屈折値の波長分散が大きい材料を選択して組合せる、および固有複屈折値が正の樹脂として、その固有複屈折値の波長分散が大きい材料を選択し、且つ固有複屈折値が負の樹脂として、その固有複屈折値の波長分散が小さい材料を選択して組合せるのが好ましい。材料の好ましい組合せの具体例については、前述した通りである。
本実施形態において、前記波長分散は、延伸温度、延伸率等の延伸条件等によって調整することができる。
尚、前記第三の層を有する態様の位相差板を作製する場合は、前記積層体を形成する工程において、押出し機中に前記第三の層を構成する正または負の樹脂を格納し、共押出しにより3層構造の積層体を形成する。例えば、正の樹脂からなる層と負の樹脂からなる層の間に、前記双方の層の接着性を向上するための層を有する態様の位相差板を作製する場合は、前記積層体を形成する工程において、接着性を向上させるための樹脂を押出し機中に別途格納し、共押出しにより、正の樹脂からなる層と負の樹脂からなる層との間に、前記接着性を向上させるための層を配置した構成の積層体を形成する。また、押し出し機中の樹脂を格納するところから押し出しのダイまでの間に流路を複数設け、例えば、正の樹脂/第三の層用樹脂/負の樹脂/第三の層用樹脂/正の樹脂の構成の3種の樹脂からなる5層構造の積層体を形成することができる。
例えば、固有複屈折値が正の樹脂としてノルボルネン系ポリマーを、固有複屈折値が負の樹脂としてポリスチレンを使用する場合の調整方法の例を示す。ポリスチレンおよびノルボルネン系ポリマーの溶融軟化温度を各々TsおよびTnとする。Ts<Tnであるので、Tnに近い温度で、ノルボルネン系ポリマーからなる層とポリスチレンからなる層との積層体を延伸すると、ポリスチレン分子の配向緩和が速く、ポリスチレンからなる層の分子は殆ど配向せず、ポリスチレンからなる層は複屈折を有しない。その結果、ノルボルネン系ポリマーからなる層とポリスチレンからなる層とを積層した積層フィルムは、ノルボルネン系ポリマーからなる層が示す波長分散にほぼ等しくなる。延伸温度を低くするにしたがって、ポリスチレン分子は配向するようになり、ポリスチレンからなる層は複屈折を有するようになる。ポリスチレンからなる層のレターデーションは負であるので、ノルボルネン系ポリマーからなる層が有する正のレターデーションは減少する。レターデーションの減少割合は、ポリスチレンの波長分散のため、短波長側が大きくレターデーション減少し、結果として、Re(450)<Re(550)<Re(650)の特性が得られる。延伸温度を制御することで、可視光波長全域にわたって、Re(λ)/λを一定とし、広帯域にわたって、均一な位相差特性を示す位相差板とすることができる。また、延伸倍率調整で、広帯域1/4波長、1/2波長の特性を得ることができる。
尚、以下の用途に供される本発明の位相差板には、単層構造および積層構造の双方の実施形態の位相差板を含む。
(円偏光板およびλ/2板)
本発明の円偏光板は、偏光板と、前記本発明の位相差板とを積層してなる。前記位相差板は、波長450nm〜650nmまでの広い範囲で、少なくとも波長450nm、550nm及び650nmにおいて、(レターデーション(Re)/波長)の値が0.2〜0.3であるのが好ましく、より好ましくは少なくとも前記3波長において0.23〜0.27であり、さらに好ましくは少なくとも前記3波長において0.24〜0.26である。また、本発明のλ/2板は、偏光板と、前記本発明の位相差板とを積層してなる。前記位相差板は、波長450nm〜650nmまでの広い範囲で、少なくとも波長450nm、550nm及び650nmにおいて、(レターデーション(Re)/波長)の値が0.40〜0.60であるのが好ましく、より好ましくは少なくとも前記3波長において0.46〜0.54であり、さらに好ましくは少なくとも前記3波長において0.48〜0.52である。
前記偏光板としては、特に制限はなく、従来公知のものを好適に使用することができ、例えば、ヨウ素系偏光板、二色性染料を用いる染料系偏光板、ポリエン系偏光板などが好適に挙げられる。
これらの偏光板の内、前記ヨウ素系偏光板及び前記染料系偏光板は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを延伸し、これにヨウ素あるいは二色性染料を吸着することによって製造できる。この場合、該偏光板の偏光軸は、フィルムの延伸方向に垂直な方向となる。
前記保護層は、光学的等方性が高い材料からなるのが好ましく、そのような材料としては、例えば、セルロースエスエル、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
前記偏光板と前記位相差板とは、該偏光板の偏光透過軸と、該位相差板の遅相軸(最大屈折率方向)とが交差するようにして積層され、該交差の角度としては、30〜60°が好ましく、40〜50°がより好ましく、43〜47°が特に好ましい。
本発明の円偏光板は、構造が簡単で製造が容易であり、広帯域λ/4板として機能し各種分野において利用可能であり、後述する本発明の反射型液晶表示装置に特に好適に使用することができる。また、本発明のλ/2板は広帯域λ/2板として機能し、各種分野において利用可能であり、プロジェクター用PBS等に好適である。
本発明の反射型液晶表示装置は、反射板、液晶セル及び偏光板をこの順に積層してなり、該反射板と該偏光板との間に前記本発明の位相差板を有している。前記反射型液晶表示装置の好ましい例としては、反射板と、液晶セルと、前記本発明の位相差板と、偏光板とをこの順に積層してなる構造、あるいは、反射板と、前記本発明の位相差板と、液晶セルと、偏光板とをこの順に積層してなる構造、が挙げられる。前記位相差板としては、λ/4特性を有する位相差板を使用することができ、そのRe/λの好ましい範囲としては、前述した円偏光板に使用される位相差板における好ましい範囲と同様である。また、本発明の反射型液晶表示装置は、更に必要に応じてその他の部材等を有していてもよい。
尚、前記反射型液晶表示装置において、前記位相差板と前記偏光板とが積層されている場合、この積層物が前記本発明の円偏光板に相当する。
前記反射板としては、特に制限はなく、従来公知のものを好適に使用することができる。
前記反射板は、一般に後述する液晶セルの裏側透明基板の外側に配置される。
前記液晶セルとしては、特に制限はなく、従来公知のものを好適に使用することができ、例えば、表側透明基板と裏側透明基板との間に、TN型液晶層が充填されて構成されているものが好適に挙げられる。この場合、前記表側透明基板の内側と、前記裏側透明基板の内側とには、ITO(インジウム錫酸化物)の導電膜からなる電極層が形成されている。なお、本発明においては、液晶層として前記TN型液晶層のみならず、STN型液晶層を採用してもよい。
前記偏光板としては、特に制限はなく、従来公知のものを好適に使用することができ、上述したものが挙げられる。
前記偏光板は、一般に、前記本発明の位相差板と共に、前記液晶セルの表側透明基板の外側に配置される。
前記電極層に電圧を印加しない状態(白表示)において、前記偏光板に光が入射されると、この入射光は、該偏光板によって偏光軸方向の直線偏光となる。この直線偏光は、前記本発明の位相差板によって円偏光に変換され、前記液晶セルに入射する。この円偏光は、前記液晶層の液晶性分子により、偏光軸と平行の直線偏光として前記反射板に到達し、前記反射板で反射されて再び液晶セルに入射する。入射した直線偏光は、再び前記液晶層により、円偏光となり、前記位相差板を経て、再び偏光軸と平行の直線偏光に変換され、前記偏光板を透過して、白表示となる。
前記固有複屈折値が負である材料として、ポリスチレン(新日鉄化学製、HRM2211L)を用い、前記固有複屈折値が正である材料として、ノルボルネン樹脂(ジェイエスアール社製、アートン)を用い、両者を重量比で23:77(ポリスチレン:ノルボルネン樹脂)でブレンドし、これを塩化メチレン溶液に溶解して塗布溶液を調製した。
図2に示すように、該複屈折フィルムは、そのRe値が可視光全域において(Re/波長)値がほぼ0.25であり、広帯域で1/4波長板特性を示す位相差板であった。また、この位相差板の光弾性率を日本分光製「M−150」を用いて測定したところ、13ブルースターであった。
参考例1において、ノルボルネン樹脂を使用せず、塗布溶液の粘度を8.9Pa・sとし、透明フィルムを140℃で5%一軸延伸した以外は、参考例1と同様にして複屈折フィルムを作製し、参考例1と同様にRe値の波長分散を計測した。その結果を図2に示した。
図2に示すように、該複屈折フィルムは、(Re/波長)値が0.2〜0.3の範囲から外れていた。
参考例1において、ポリスチレンを使用せず、塗布溶液の粘度を13.2Pa・sとし、透明フィルムを155℃で25%一軸延伸した以外は、参考例1と同様にして複屈折フィルムを作製し、参考例1と同様にRe値の波長分散を計測した。その結果を図2に示した。
図2に示すように、該複屈折フィルムは、(Re/波長)値が0.2〜0.3の範囲から外れていた。
参考例1で得た位相差板と、偏光板とを、該位相差板の遅相軸と、該偏光板の透過軸とが45°の交差角で交差するようにして貼合させた。この貼合体について、レターデーション測定器(王子計測社製、KOBRA21DH)を用いて、そのRe値の波長分散を計測した。その結果を図3に示した。
図3に示すように、該貼合体は、そのRe値が可視光全域において(Re/波長)値がほぼ0.25であり、広帯域で1/4波長特性を示す円偏光板であった。また、貼合体は、中央部および端部においてほぼ均一なRe値を示し、端部における白色化等は生じていなかった。
参考例2において、前記位相差板を、比較例1で作製した複屈折フィルムに代えた以外は、参考例2と同様にした。
図3に示すように、該複屈折フィルムは、(Re/波長)値が0.2〜0.3の範囲から外れていた。
参考例2において、前記位相差板を、比較例2で作製した複屈折フィルムに代えた以外は、参考例2と同様にした。
図3に示すように、該複屈折フィルムは、(Re/波長)値が0.2〜0.3の範囲から外れていた。
任天堂(株)製「ゲームボーイカラー」を分解し、観察者側の偏光板及び位相差板を取外し、これに代えて参考例2の円偏光板を装着させて、反射型液晶表示装置を作製した。その結果、この反射型液晶表示装置においては、白表示の鮮明な表示が得られた。また、白表示は、端部から中央部の全領域にかけて、均一で鮮明な表示であった。
参考例3において、前記位相差板を、比較例2で作製した複屈折フィルムに代えた以外は、参考例3と同様にした。その結果、この反射型液晶表示装置では、白表示が黄味がかり黒表示も光漏れが多く、コントラスト、色味共に表示状態が良好でなかった。
参考例3において、前記位相差板を、比較例3で作製した複屈折フィルムに代えた以外は、参考例3と同様にした。その結果、この反射型液晶表示装置では、白表示が黄味がかり黒表示も光漏れが多く、コントラスト、色味共に表示状態が良好でなかった。
固有複屈折値が正の樹脂として、シクロオレフィン系ノルボルネン樹脂(商品名「ゼオノア1420R」;日本ゼオン社製)、固有複屈折値が負の樹脂として、ポリスチレン(商品名「HF−77」;エーアンドエムスチレン社製)を使用した。これらの樹脂については、予め窒素パージ下で乾燥させ、水分量を低下させたものを使用した。
尚、波長450nm、波長550nmにおけるレターデーション(Re)の絶対値をそれぞれRe(450)、Re(550)としたとき、前記シクロオレフィン系ノルボルネン樹脂の(Re(450)/Re(550))の値は1.005であり、前記ポリスチレンの(Re(450)/Re(550))の値は1.080であり、両値は同一ではなく、その差は0.075である。
成形条件を下記表1に示す。尚、下記表1中の記号の意味を以下に示す。
C1〜C3 : 押出し機のシリンダ温度(C1ホッパ下)
D : ダイ(リップ)温度
固有複屈折値が正の樹脂として、シクロオレフィン系ノルボルネン樹脂(商品名「ゼオノア1420R」;日本ゼオン社製)、固有複屈折値が負の樹脂として、スチレン系無水マレイン酸共重合樹脂(ノバケミカル製、「ダイラークD332」)を使用した。これらの樹脂については、予め窒素パージ下で乾燥させ、水分量を低下させたものを使用した。
尚、波長450nm、波長550nmにおけるレターデーション(Re)の絶対値をそれぞれRe(450)、Re(550)としたとき、前記シクロオレフィン系ノルボルネン樹脂の(Re(450)/Re(550))の値は1.005であり、前記スチレン無水マレイン酸共重合樹脂の(Re(450)/Re(550))の値は1.069であり、両値は同一ではなく、その差は0.064である。
上記表1に示した成形条件で、実施例1で用いたシクロオレフィン系ノルボルネンを使用して、実施例1と同様にして単層フィルムを作製した。得られたフィルムの厚みは103μmであった。
得られた単層フィルムを130℃の条件で28%延伸し、延伸フィルムを得た。実施例1と同様にして、Reの波長依存性を測定したところ、延伸フィルムは広帯域1/4波長板の特性を示さなかった。結果を図9に示す。
(比較例8)
上記表1に示した成形条件で、実施例1で用いたポリスチレンを使用し、実施例1と同様にして、単層フィルムを作製した。得られたフィルムの厚みは101μmであった。
得られた単層フィルムを100℃の条件で18%延伸し、延伸フィルムを得た。実施例1と同様にして、Reの波長依存性を測定したところ、延伸フィルムは広帯域1/4波長板の特性を示さなかった。結果を図9に示す。
12 固有複屈折値が正の樹脂からなる層
14 固有複屈折値が負の樹脂からなる層
20 押出し装置
22 ダイス
24、26 押出し機
28、30、32 ロール
34 3層積層フィルム
Claims (4)
- 固有複屈折値が正の樹脂と固有複屈折値が負の樹脂とを共押出しし、固有複屈折値が正の樹脂からなり複屈折を有する第一の層と、固有複屈折値が負の樹脂からなり複屈折を有する第二の層と、を有する積層体を作製する工程と、
前記積層体を作製する工程の後に設けられ、前記積層体を延伸することにより、前記第一の層の遅相軸と前記第二の層の遅相軸とを互いに直交させ、波長450nm、550nmおよび650nmにおけるレターデーション値を各々Re(450)、Re(550)およびRe(650)としたとき、Re(450)<Re(550)<Re(650)となるようにレターデーションを調整する工程と、
を有する位相差板の製造方法。 - 前記固有複屈折値が正の樹脂がノルボルネン系ポリマーである請求項1に記載の位相差板の製造方法。
- 前記固有複屈折値が負の樹脂がポリスチレンまたはポリスチレン系ポリマーである請求項1又は2に記載の位相差板の製造方法。
- 前記ポリスチレン系ポリマーがスチレン及び/又はスチレン誘導体と、アクリルニトリル、無水マレイン酸、メチルメタクリレートおよびブタジエンから選ばれる少なくとも1種との共重合体である請求項3に記載の位相差板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009233625A JP4920734B2 (ja) | 1999-12-16 | 2009-10-07 | 位相差板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1999357579 | 1999-12-16 | ||
JP35757999 | 1999-12-16 | ||
JP2000145107 | 2000-05-17 | ||
JP2000145107 | 2000-05-17 | ||
JP2009233625A JP4920734B2 (ja) | 1999-12-16 | 2009-10-07 | 位相差板の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000238439A Division JP4458636B2 (ja) | 1999-12-16 | 2000-08-07 | 位相差板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010002940A JP2010002940A (ja) | 2010-01-07 |
JP4920734B2 true JP4920734B2 (ja) | 2012-04-18 |
Family
ID=41306756
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009137747A Expired - Fee Related JP5191447B2 (ja) | 1999-12-16 | 2009-06-08 | 位相差板、その製造方法、及びそれを利用した円偏光板、1/2波長板並びに反射型液晶表示装置 |
JP2009233625A Expired - Fee Related JP4920734B2 (ja) | 1999-12-16 | 2009-10-07 | 位相差板の製造方法 |
JP2012121392A Abandoned JP2012208502A (ja) | 1999-12-16 | 2012-05-28 | 位相差板、その製造方法、及びそれを利用した円偏光板、1/2波長板並びに反射型液晶表示装置 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009137747A Expired - Fee Related JP5191447B2 (ja) | 1999-12-16 | 2009-06-08 | 位相差板、その製造方法、及びそれを利用した円偏光板、1/2波長板並びに反射型液晶表示装置 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012121392A Abandoned JP2012208502A (ja) | 1999-12-16 | 2012-05-28 | 位相差板、その製造方法、及びそれを利用した円偏光板、1/2波長板並びに反射型液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (3) | JP5191447B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5525362B2 (ja) * | 2010-07-26 | 2014-06-18 | 日東電工株式会社 | 反射防止層付き円偏光板および画像表示装置 |
KR101667794B1 (ko) | 2013-09-30 | 2016-10-20 | 주식회사 엘지화학 | 기재 필름, 이를 포함하는 적층 구조 및 디스플레이 소자 |
JP6520953B2 (ja) * | 2014-09-26 | 2019-05-29 | 日本ゼオン株式会社 | 円偏光板及びその製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、並びに液晶表示装置 |
JP6226902B2 (ja) | 2015-03-19 | 2017-11-08 | デクセリアルズ株式会社 | 波長板、及び光学機器 |
JP6266556B2 (ja) * | 2015-03-20 | 2018-01-24 | 富士フイルム株式会社 | 積層フィルム及びその製造方法 |
Family Cites Families (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04121703A (ja) * | 1990-09-13 | 1992-04-22 | Casio Comput Co Ltd | 位相差素子 |
JP2818983B2 (ja) * | 1990-10-24 | 1998-10-30 | 日東電工株式会社 | 複屈折性フィルムの製造方法 |
JPH04194902A (ja) * | 1990-11-27 | 1992-07-14 | Toray Ind Inc | 位相差フィルム |
JPH04195103A (ja) * | 1990-11-28 | 1992-07-15 | Toray Ind Inc | 位相差フィルム |
JPH0527118A (ja) * | 1991-07-17 | 1993-02-05 | Nitto Denko Corp | 位相差板及び円偏光板 |
JPH05281418A (ja) * | 1992-04-03 | 1993-10-29 | Sumitomo Chem Co Ltd | 位相差板、位相差板用樹脂組成物、その利用 |
JPH0659121A (ja) * | 1992-08-11 | 1994-03-04 | Toray Ind Inc | 位相差フイルム及びその製造方法 |
JPH0777608A (ja) * | 1993-09-07 | 1995-03-20 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | 偏光板 |
JPH08278406A (ja) * | 1995-04-10 | 1996-10-22 | Sumitomo Chem Co Ltd | 光学異方体フィルムとその製造方法および液晶表示装置 |
JP3542682B2 (ja) * | 1996-02-27 | 2004-07-14 | 富士写真フイルム株式会社 | 液晶表示素子 |
JPH10160934A (ja) * | 1996-12-05 | 1998-06-19 | Sekisui Chem Co Ltd | 位相差フィルムの製造方法 |
JP3889860B2 (ja) * | 1997-08-07 | 2007-03-07 | 積水化学工業株式会社 | 位相差フィルム |
JP3470567B2 (ja) * | 1997-09-25 | 2003-11-25 | 住友化学工業株式会社 | 液晶表示装置およびこれに用いる視野角補償用フィルム |
JPH11125716A (ja) * | 1997-10-20 | 1999-05-11 | Nitto Denko Corp | 位相差板、その製造方法、楕円偏光板及び液晶表示装置 |
JP2002156528A (ja) * | 1998-10-30 | 2002-05-31 | Teijin Ltd | 熱可塑性高分子フィルム |
JP2001042121A (ja) * | 1999-07-29 | 2001-02-16 | Teijin Ltd | 位相差板及びそれを用いた液晶表示装置 |
-
2009
- 2009-06-08 JP JP2009137747A patent/JP5191447B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2009-10-07 JP JP2009233625A patent/JP4920734B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2012
- 2012-05-28 JP JP2012121392A patent/JP2012208502A/ja not_active Abandoned
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5191447B2 (ja) | 2013-05-08 |
JP2012208502A (ja) | 2012-10-25 |
JP2009244890A (ja) | 2009-10-22 |
JP2010002940A (ja) | 2010-01-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4458636B2 (ja) | 位相差板の製造方法 | |
KR100812271B1 (ko) | 위상차판, 그 제조방법, 및 그것을 이용한 원편광판, 1/2 파장판 및 반사형 액정표시 장치 | |
KR101631399B1 (ko) | 광학 적층체를 갖는 유기 el 디스플레이 소자 | |
JP5273775B2 (ja) | 積層光学フィルム、積層光学フィルムを用いた液晶パネルおよび液晶表示装置 | |
US7738064B2 (en) | Retardation plate and its manufacturing method, circularly polarizing plate and 1/2 wave plate using same, and a reflective liquid crystal display | |
WO2014196637A1 (ja) | 光学シート部材及びそれを用いた画像表示装置 | |
JP6030519B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
JP5640745B2 (ja) | 光学フィルム、製造方法及び輝度向上フィルム | |
JP6520953B2 (ja) | 円偏光板及びその製造方法、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、並びに液晶表示装置 | |
KR100913334B1 (ko) | 위상차판 | |
JP4920734B2 (ja) | 位相差板の製造方法 | |
KR20020038550A (ko) | 위상차판, 이것을 사용한 액정표시소자용 기판 및액정표시장치 | |
KR20200136388A (ko) | 광학 이방성 적층체, 편광판, 및 화상 표시 장치 | |
JP4397644B2 (ja) | 位相差板及びその製造方法、それを用いた円偏光板及び1/2波長板、並びに、反射型液晶表示装置 | |
KR20080114729A (ko) | 광시야각 복합 편광판 및 액정 표시 장치 | |
CN101251614A (zh) | 层叠相位差薄膜 | |
JP7259762B2 (ja) | 円偏光板、長尺の広帯域λ/4板、有機エレクトロルミネッセンス表示装置及び液晶表示装置 | |
JP2004133318A (ja) | 偏光光源装置及びそれを用いた液晶表示装置 | |
JP2003196029A (ja) | タッチパネル及びタッチパネル付き液晶表示装置 | |
JP2003161832A (ja) | 位相差板 | |
JP2002072201A (ja) | 液晶ディスプレイ用バックライト装置 | |
JP2002156624A (ja) | 液晶表示装置 | |
JP2002075659A (ja) | エレクトロルミネッセンスディスプレイ | |
JP2003195269A (ja) | 液晶表示装置用電極基板及び液晶表示装置 | |
JP5377424B2 (ja) | 液晶パネルおよび液晶表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20091021 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091104 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111004 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111202 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120110 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120201 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4920734 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |