JP4920141B2 - アルミナ粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、丸み状のアルミナ粒子に関し、特に電子部品の封止材料、充填剤、仕上げラッピング材、又は耐火物、ガラス、セラミックスおよびそれらを含む複合材における骨材等に有用な、低摩耗性かつフロー特性に優れたアルミナ粒子を工業的に安価で製造する方法およびその製法により得られた丸み状アルミナ粒子及びそれを含有する高熱伝導性ゴム・プラスチック組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品の高集積化、高密度化に伴って、チップ当りの電力消費量も増大の一途にあり、発生した熱を効率良く放熱し、電子部品素子の温度上昇を少なくすることが重要な開発課題になっている。そして、半導体の絶縁封止材料や、部品を実装する基板材料、放熱スペーサーなどの充填剤として、熱伝導性の優れたアルミナ、特にコランダム(α−アルミナ)が注目され、さまざまな分野で使用されている。
【0003】
このようなコランダム粒子としては、電融アルミナ、焼結アルミナなどの粉砕品に、水酸化アルミニウムを単独で、または結晶促進剤として公知の他の薬剤を併用して添加し、焼成することでカッティングエッジを有しない、形状が球状化したコランダム粒子が提案されている(特開平5−294613号公報)。
【0004】
また、バイヤー法のアルミナを高温プラズマや酸水素炎中に噴射し、溶融させながら急冷することにより丸み化する、いわゆる溶射法が知られているが、この場合は、熱原単位が大きく、経済的でないばかりか、得られるアルミナはα−アルミナが主成分ながら、δ−アルミナなどを副生物として含み、熱伝導率を小さくするため、好ましくない。
【0005】
一方、コランダム粒子としては電融アルミナや焼結アルミナの粉砕品が知られているが、いずれも鋭いカッティングエッジを持つ不定形状の粒子であり、ゴム・プラッスチックに充填する際、混練機、成形金型等の磨耗が大きく好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に記載されている方法によれば、カッティングエッジを有しない、平均粒子径5〜35μmの球状コランダム粒子が得られているものの、工業規模で安価に大量生産する為にはいくつかの問題点があった。
【0007】
該公報によれば、特定粒径を有する電融アルミナおよび/又は焼結アルミナの粉砕品に、ハロゲン化合物、硼素化合物及びアルミナ水和物の1種又は2種以上を添加し、1000〜1550℃で熱処理する方法が開示されているものの、焼成物は焼成容器中で強固な集塊を形成する。
【0008】
さらに、アルミナ水和物を添加することによリ、この集塊の硬さは低下することが開示されているもの特性として充分ではない。特に、工業的規模で大量生産するために、大きな焼成容器を使用した場合、焼成物は焼成容器の大きさに対応した塊となり、その塊を解砕・粉砕するにあたり、何段にもわたって解砕処理を実施せねばならず、非常にコスト高であった。
【0009】
さらに、焼成物が、焼成容器内面に強固に付着しているため、焼成容器からの排出も容易ではなく、機械的応力をかけて取り出す等の処置を施す必要があった。この場合、焼成容器にかかる力も強大で、焼成容器自身が破損してしまうなど、経済的でなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の従来技術に鑑み、鋭意研究した結果、球状コランダム粒子の製造方法において、熱処理の前段で、混合組成物を一旦造粒し、その後焼成することによリ、上記課題を解決し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の手段によって達成される。
【0011】
[1]平均粒子径が5〜35μmである電融アルミナおよび/又は焼結アルミナと、ハロゲン化合物、硼素化合物及びアルミナ水和物からなる群から選ばれた少なくとも1種とを含む組成物を造粒した後、1000〜1600℃で加熱処理し、次いで解砕する工程を有することを特徴とする丸み状アルミナ粒子の製造方法。
[2]解砕する工程の前又は後において、さらに酸で洗浄する工程を含むことを特徴とする前項1記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
[3]酸で洗浄する工程後に、純水で洗浄し、乾燥する工程を含むことを特徴とする前項2記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
【0012】
[4]乾燥する工程が、減圧式の乾燥手段で行われることを特徴とする前項3に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
[5]電融アルミナおよび/又は焼結アルミナの粉砕品の平均粒子径が、10μm〜25μmである前項1乃至4の何れか1項に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
[6]ハロゲン化合物が、AlF3、NaF、CaF2、MgF2及びNa3AlF6からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする前項1乃至5の何れか1項に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
[7]硼素化合物が、B2O3、H3BO3、mNa2O・nB2O3及び硼フッ素化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする前項1乃至6の何れか1項記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
【0013】
[8]アルミナ水和物が、水酸化アルミニウム、アルミナゲル、非晶質水酸化アルミニウム及びアルミニウム化合物の部分水和物なる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする前項1乃至7の何れか1項に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
[9]電融アルミナ、焼結アルミナ、アルミナ水和物のα線放射量が、0.01c/cm2・hr以下であることを特徴とする前項1乃至8の何れか1項に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
[10]造粒後の粒子径が、1〜30mmφであることを特徴とする前項1乃至9の何れか1項に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
[11]水および/又は有機物水溶液を、造粒時にアルミナ水和物に対して5〜50質量%添加することを特徴とする前項1乃至10の何れか1項に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
【0014】
[12]前項1乃至11の何れか1項に記載の製造方法で得られた丸み状アルミナ粒子。
[13]平均粒子径が5〜35μmである前項12に記載の丸み状アルミナ粒子。
[14]α線放射量が 0.01c/cm2・hr以下である前項13に記載丸み状アルミナ粒子。
[15]前項13又は14に記載の丸み状アルミナ粒子を含むことを特徴とする高熱伝導性ゴム組成物。
[16]前項13又は14に記載の丸み状アルミナ粒子を含むことを特徴とする高熱伝導性プラスチック組成物。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明は、平均粒子径が5〜35μmである電融アルミナおよび/又は焼結アルミナと、ハロゲン化合物、硼素化合物及びアルミナ水和物からなる群から選ばれた少なくとも1種とを含む組成物を造粒した後、1000〜1600℃で加熱処理し、次いで解砕することを特徴とする丸み状アルミナ粒子の製造方法を提供する。
【0016】
本発明において出発原料として用いられるアルミナ粗粒は、公知の製造方法で製造される、電融アルミナあるいは焼結アルミナのいずれの粉砕品でも良く、電融アルミナあるいは焼結アルミナの粒度分布は、平均粒子径が5μm乃至35μm、好ましくは10μm乃至25μmの範囲のもので、さらに好ましくは最大粒子径は150μmを超えず、望ましくは75μm以下の特性の物がよい。
【0017】
平均粒子径が5μm未満の場合、公知の方法で丸みのある粒子形状が得られるため、本発明の製造方法を適用する必要がない。また、出発原料であるアルミナ粗粒の丸み化を促進するために、予め丸み化促進剤としてアルミナ水和物を電融アルミナあるいは焼結アルミナに混合して加熱処理する。
【0018】
アルミナ水和物としては、ギブサイト、バイヤライト、ベーマイト、ダイアスポアなどの水酸化アルミニウム、アルミナゲル、擬ベーマイトなどの非晶質の水酸化アルミニウム、さらには部分的に表面が水和された酸化アルミニウム(アルミナ)などのアルミニウム化合物の部分水和物なども使用されるが、特に水酸化アルミニウムやアルミナゲルあるいは熱反応性の良い微粒アルミナが好ましい。経済的な観点からは、バイヤー法水酸化アルミニウム(ギブサイト)が好ましく、その平均粒子径が10μm以下のものが最適である。
【0019】
本発明者らの観察によると、前記丸み化促進剤は、後述する必要に応じて添加する他の薬剤と相乗的にアルミナ粗粒に作用し、不規則な鋭いカッテイングエッジに選択的に作用(吸収され)し、アルミナ粗粒を丸み化するという驚くべき現象が認められた。
【0020】
かかる丸み化促進剤の添加量は、電融アルミナあるいは焼結アルミナの粉砕品の粒度分布等により異なり、制限できるものではないが、例えば水酸化アルミニウムを添加する場合には、アルミナ換算で電融アルミナおよび/または焼結アルミナに対して、5〜300質量%の範囲が好ましい。さらに、この添加量は、50〜150質量%の範囲が好ましい。前記添加量が5質量%未満では、集塊の凝集力が強くなり、また、300質量%を超えると、過剰の水酸化アルミニウムが遊離し、微粒のアルミナとして製品中に混入する恐れがある。
【0021】
熱処理前の造粒工程で必要に応じて添加する他の薬剤としては、アルミナの結晶成長促進剤として公知の化合物を単独または、併用して用いられる。
この結晶成長促進剤として、例えば、AlF3、NaF、CaF2、Na3AlF6、MgF2からなる群より選ばれた少なくとも1種のフッ素化合物で好ましく代表されるハロゲン化合物および/またはB2O3、H3BO3、mNa2O・nB23、硼フッ素化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の硼素化合物が良い。
【0022】
特に、フッ素化合物と硼素化合物の併用、もしくは硼フッ素化合物が好ましい。薬剤の添加量は、加熱温度、炉内の滞留時間、加熱炉の種類により異なり制限できるものではないが、例えば効果的な添加濃度は全アルミナ分に対して0.1〜4質量%、好ましくは1〜3質量%の範囲である。
これら電融アルミナ及び/又は焼結アルミナの粉砕品と、ハロゲン化合物、硼素化合物及びアルミナ水和物からなる群より選ばれた少なくとも1種とを含む組成物は、混合処理されて造粒後に加熱される。
【0023】
また、上記の製法においてウラン・トリア等の放射性元素の少ない電融アルミナ又は焼結アルミナ、水酸化アルミニウム等を用いることにより低α線放射量の丸み状アルミナ粒子を製造することができる。即ち、本発明において使用される電融アルミナ、焼結アルミナ、アルミナ水和物は、α線放射量が、0.01c/cm2・hr以下の物がよい。
【0024】
α線放射量の少ない(0.01c/cm2・hr)丸み状アルミナは、高集積度IC、LSI、VLSIの樹脂封止材フィラーとして用いる場合、α線によるメモリー素子の誤操作(いわゆるソフトエラー)を防止する目的のために特に有用である。
【0025】
本発明で得られた丸み状アルミナは、若干のカッテイングエッジが残存するものの、ゴム・プラスチックに充填する際に混練機や成形時の金型の摩耗は実使用上問題とならない粗大コランダム粒子である。
【0026】
次に、混合方法については、各々の成分が均一に混合さえできれば良く、特に限定されるものではなく、粉体混合法として一般的な方法が利用できる。
前記方法として、例えば、ロッキングブレンダー、ナウターミキサー、リボンミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサーなどの混合装置が挙げられるが、それ以外にも、ボールミル、振動ミルなどの粉砕機を使用しても良い。
【0027】
また、混合時に水、アルコール等の溶媒(媒体)を添加することも可能である。 これらの混合組成物は、次に造粒処理される。造粒物は完全な球状である必要はなく、焼成容器に充填した際に造粒物間に一定以上の空隙を有する構造であればその形は制限されない。
【0028】
具体的には、焼成容器への充填密度が造粒物の理論密度の0.25〜0.50倍の範囲であれば良い。また、好ましい範囲は、0.25〜0.30倍である。0.50倍よりも大きいと、焼成物は焼成容器と一体化した強固な集塊となるため、好ましくなく、0.25倍より小さいと、焼成物は造粒物単位には簡単に解せるものの、充填密度が低すぎる為、焼成効率が悪くて経済的でない。
【0029】
造粒物の大きさについては、焼成後の解砕を容易にするためには、小さい方が良いが、小さすぎると、前述の充填範囲を逸脱する為、好ましくない。焼成容器の大きさに応じて、適当な大きさを選定すれば良いが、一般的には、投影円相当径で1〜30mmφ、好ましくは5〜20mmφである。ここで、投影円相当径とは、粉体工学便覧(粉体工学会編)等に記載されているHeywood径である。
【0030】
造粒の方法については、上記の造粒物が作製できれば、何ら手段には限定されない。造粒装置としては、例えば、撹拌混合型造粒機、流動層造粒機、圧縮型造粒機などが用いられるが、パン型造粒機等が経済的観点から好ましい。
【0031】
造粒の際に、必要に応じて、水、アルコールなどの液媒体、あるいは、ポリビニルアルコール(PVA)やポリアクリル系樹脂等の有機バインダー溶液を添加してもよい。有機バインダーを添加することは、造粒品が適度な強度を有するため、ハンドリング時の造粒品の崩壊等が少なく好ましい。造粒品にそれほどの強度が必要ない場合には、経済的観点から水を添加することが最適である。
【0032】
前記液媒体や有機バインダーの添加量については、使用する粗大アルミナ粒子の粒子径、水酸化アルミニウムを添加する場合には、その粒子径、添加量等により、適宜選択すればよいが、好ましい範囲は水酸化アルミニウムの添加量に対して5〜50質量%であり、25〜40質量%が最適である。 50質量%より多いと、組成物全体が流動化し、造粒できなくなるので、好ましくない。 5質量%より少ないと、造粒物の強度が著しく低下し、崩壊するため、もはや、造粒物としての形態をなさなくなるので、好ましくない。
【0033】
造粒品は次いで、熱処理される。熱処理工程において、前記有機バインダーは焼失する。
熱処理に使用される加熱炉の種類としては、単窯、トンネル窯、ロータリーキルンのような公知の手段で良く、加熱温度は1000℃以上であれば本発明の目的は達成される。特に好ましい加熱処理温度範囲は1350℃以上、1600℃以下である。1600℃を超えると、粒子間の凝集力が強くなり、一次粒子への解砕が容易に進まなくなる。
【0034】
加熱炉の滞留時間は加熱温度によって異なるが、30分以上、好ましくは1時間乃至3時間程度の滞留時間が必要である。かかる方法により、製造された粗大アルミナ粒子は、二次凝集粒の形態をとるため、公知の粉砕手段、例えばボールミル、振動ミル、ジェットミルなどによる解砕を経て所望の粒度分布の丸み状アルミナ粒子が得られる。
【0035】
ICなどの封止材などイオン性不純物を嫌う用途に使用する場合には、得られたアルミナ粉体をその解砕前、または解砕後、あるいはその両者にて水、酸、アルカリなどで洗浄することも可能である。
【0036】
洗浄方法については、特に限定されるものではないが、上記の製法で得られる球状アルミナ粒子の典型的なイオン性不純物はF、B、Naなどの元素が主成分である為、酸性液中に球状アルミナ粒子を懸濁し、所定時間経過後、ろ別し、純水などで洗浄後、乾燥することが好ましい。使用する酸については、HCl、HNO3などの酸(1塩基酸)では、ろ過速度が低い場合があり、酸の中でも多塩基酸が好ましい。特に経済的観点からクエン酸、リン酸、硫酸等が好ましい。
【0037】
酸濃度は特に限定されず、スラリー状態でのpHが酸性領域であれば良く、一般的には0.01N〜5Nであり、好ましくは0.1〜1Nの範囲である。0.01N以下ではスラリーのpHがアルカリ性になる場合があり、好ましくなく、1N以上では、経済的でないばかりか、添加した酸がアルミナ中に残存するために好ましくない。
【0038】
粉体と液との割合(スラリー濃度)についても特に限定されず、反応容器の撹拌力、形状等により適宜選定すれば良く、通常は50〜1000g/リットル、好ましくは、200〜800g/リットル、さらに好ましくは300〜600g/リットルである。1000g/リットルよりも固形分が多いと、沈降等が著しく、50g/リットルよりも固形分が少ないと、効率的でない。
【0039】
酸処理温度についても、特に限定されないが、通常は60℃以上、好ましくは80℃以上である。60℃より低いと、抽出不純物量が少ないだけでなく、ろ過速度も遅くなり好ましくない。
【0040】
ろ過の方法についても、特に限定されず、ドラムフィルター、ホリゾンタルフィルター、水平ベルトフィルターなどの真空ろ過機、加圧ドラムフィルター、リーフフィルター、フィルタープレスなどの加圧ろ過機、ベルトプレス、スクリュープレスなどの圧搾ろ過機、さらには、スクリューデカンターなどの遠心沈降機、遠心ろ過機などが用いられる。
【0041】
洗浄水量については、要求される不純物レベルに応じて適宜選定すればいいが、通常はアルミナ1kgあたり、1リットル以上、好ましくは1〜3リットルである。1リットル未満では、不純物が残存する為に好ましくなく、3リットルを超える量は経済的でない。
【0042】
洗浄されたケーキの乾燥方法については、残水量が0.1質量%以下に乾燥できれば特に限定するものではなく、汎用の乾燥機が使用できる。このような乾燥機としては、箱型乾燥機、トンネル型乾燥機、バンド型乾燥機、流動乾燥機、バドルドライヤーなどの、粉体乾燥に使用できるものを、適宜用いれば良い。
【0043】
また、乾燥時に高温化にさらされると、粉体中のアルカリイオンの拡散速度が上昇し、粉体表面に移行するため、できるだけ低温で乾燥させることが好ましく、そのような乾燥機としては、減圧下(減圧式)で加熱する振動流動乾燥機が最適である。
【0044】
本発明の製造方法で製造される丸み状アルミナ粒子は、好ましくはゴムやプラスチックに充填され、高熱伝導性ゴム組成物や高熱伝導性プラスチック組成物として利用される。特にその含有量は、80質量%以上が好ましい。
【0045】
本発明においては、前記高熱伝導性プラスチック組成物を構成するプラスチック(樹脂)には制限されず公知な樹脂が適用されるが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等、キシレンホルムアルデヒド樹脂、グアナミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。好ましくは、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂等が例示できる。
【0046】
本発明においては、前記高熱伝導性ゴム組成物を構成するゴム素材(ゴム成分等)には制限されず、公知なゴム素材が適用される。
以下、実施例・比較例によって、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0047】
【実施例】
(充填密度の測定方法)
造粒品の充填密度は以下の方法で求めた。すなわち、造粒品を静かにシリンダー内に充填し、その時の体積と重量から見かけの比重を算出し、配合品の組成比から計算される理論密度との比で表した。
【0048】
以下の実施例1〜5は参考例として示す。
(実施例1〜5、比較例1)市販の焼結アルミナ粉砕品(平均粒子径25μm、最大粒子径75μm )100質量部に対して、無水フッ化アルミニウム(森田化学(株)製)及び硼酸(U.S.Borax Inc.製)をそれぞれ2.5質量部、水酸化アルミニウム(昭和電工(株)製、平均粒子径1μm)を50質量部添加、V型ブレンダーを用い混合後、パン型造粒装置にて、表1に示す条件で造粒した。また、造粒物の充填密度を測定し表1に示した。次いで、造粒物をコランダムームライト質の耐熱焼成容器に装入し、トンネルキルン炉内で最高温度1380℃、滞留時間3時間で加熱処理した。耐熱焼成容器(10個中)から、排出時に破損した耐熱焼成容器の割合(サヤ破損率)を求め表1に示した。さらに、焼成物の硬さを、表1中の内容で相対値比較した(5段階で相対評価)。そして、粗砕物をボールミルにて、表1に示す時間解砕し、粒度分布をマイクロトラック粒度分析計で測定した。
【0049】
(比較例2)
水酸化アルミニウムを添加せず、造粒処理を実施しなかった以外は実施例1と同様に実施した。結果は表1に示した。
【0050】
(比較例3)
水酸化アルミニウムの添加量を300質量部とした以外は、比較例1と同様に実施した。結果は表1に示した。
【0051】
【表1】
Figure 0004920141
【0052】
(実施例6〜12)
実施例5で得られたアルミナ粒子について、表2に示す条件にて、洗浄処理を実施した。ろ過機としては、水平型ベルトフイルターを用いた。ろ過速度は、別途ブフナー漏斗を用い所定量のスラリーをろ過、洗浄した際のろ過時間測定し、「(1)極めて速い」〜「(5)極めて遅い」までの5段階で評価した。乾燥機は実施例10を除いて、箱型乾燥機を使用し、実施例10については、振動流動乾燥機を用いた。導電率については粉体20gを精製水100mlに懸濁させたスラリーについて、室温で測定した。イオン性不純物量については、100℃の温湯にて、2時間抽出し、液中不純物量から算出した。
【0053】
【表2】
Figure 0004920141
【0054】
実施例13
この例は参考例として示す。
市販の低α線タイプのアルミナ(昭和電工(株)製、α線放射量0.01c/cm2・hr以下)を電融して得たインゴットを放射性元素のコンタミが混入しない条件で解砕・粉砕・分級して得た平均粒子径30μmの電融アルミナ粗大粒子(α線放射線量0.005c/cm2・hr)250gを添加し、実施例1と同様に焼成・解砕を実施したところ、造粒粒子径が1〜5mm、充填密度が0.31(相対比)、焼成物は容易に手でほぐれる硬さであり、解砕時間15分、平均粒子径が33μmであって、α線放射量が0.004c/cm2・hrの丸み状アルミナ粒子が得られた。
【0055】
(実施例14)
実施例8と同様にして、実施例13で調製した低α線タイプのアルミナを使用して、表2に示す実施例8の条件にて、洗浄処理を実施したところ、導電率4μS/cm、Na+濃度が5ppm、SO4 2-濃度が7ppmであった。
【0056】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、丸み状の粗大アルミナ粒子を安価に工業的に生産することが可能となり、本製造方法で製造された丸み状アルミナ粒子は、優れた流動性を示すだけでなく、実質的に機械装置の摩耗が問題にならない丸み状の粗大粒子である。

Claims (10)

  1. 平均粒子径が5〜35μmである電融アルミナおよび/又は焼結アルミナとアルミナ水和物を含む組成物を1〜30mmφの範囲内の粒子径に造粒した後、1000〜1600℃で加熱処理し、次いで解砕する工程を有し、さらに解砕の前又は後に酸で洗浄する工程を含むことを特徴とする丸み状アルミナ粒子の製造方法。
  2. 平均粒子径が5〜35μmである電融アルミナおよび/又は焼結アルミナとアルミナ水和物とハロゲン化合物および/または硼素化合物とを含む組成物を1〜30mmφ範囲内の粒子径に造粒した後、1000〜1600℃で加熱処理し、次いで解砕する工程を有し、さらに解砕の前又は後に酸で洗浄する工程を含むことを特徴とする丸み状アルミナ粒子の製造方法。
  3. 酸で洗浄する工程後に、純水で洗浄し、乾燥する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
  4. 乾燥する工程が、減圧式の乾燥手段で行われることを特徴とする請求項3に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
  5. 電融アルミナおよび/又は焼結アルミナの粉砕品の平均粒子径が、10μm〜25μmである請求項1乃至4の何れか1項に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
  6. ハロゲン化合物が、AlF3、NaF、CaF2、MgF2及びNa3AlF6からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項乃至5の何れか1項に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
  7. 硼素化合物が、B2O3、H3BO3、mNa2O・nB2O3及び硼フッ素化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項乃至6の何れか1項記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
  8. アルミナ水和物が、水酸化アルミニウム、アルミナゲル、非晶質水酸化アルミニウム及びアルミニウム化合物の部分水和物なる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
  9. 電融アルミナ、焼結アルミナ、アルミナ水和物のα線放射量が、0.01c/cm2・hr以下であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
  10. 水および/又は有機物水溶液を、造粒時にアルミナ水和物に対して5〜50質量%添加することを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の丸み状アルミナ粒子の製造方法。
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