JP4918446B2 - モルタル用繊維補強材およびそれを使用したモルタル成型物 - Google Patents

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Description

本発明は、建築・土木用材料に用いるモルタルに関する。
モルタルとは、砂(細骨材)とセメントあるいは石灰と水とを練混ぜて作る建築資材であり、通常、セメントと砂とは重量比にして1:2〜1:3の割合で混合されることが多く、ペースト目地材、躯体の調整などに多く用いられている。
しかし、建材用に用いられているセメントモルタルは、構造物として用いると脆弱なものであるため、引張強度、曲げ強度および衝撃強度等が低く、これらの応力が発生すると、破損したり、ひび割れ(クラック)が発生したりするため、これらを防止するために、繊維をカットしたものを繊維補強材としてモルタルに混入する方法が種々検討されている。しかし、従来の繊維補強材には、次のような欠点があった。
1.耐アルカリガラス繊維:
脆くて、実用性に欠ける。
2.ポリオレフィン又はポリエステル繊維:
疎水性のため繊維補強材を、セメントに均一に分散できず、成型後、モルタル内部に材料の不均一性による歪みが生じ、ひび割れが発生しやすい。
3.ポリビニルアルコール(PVA)又はナイロン6などのポリアミド:
モルタルへの分散性には優れるが、モルタル成型物の強度が劣化しやすく、モルタルにひび割れが生じ易く、耐久性あるモルタルを得難い。これは、PVA繊維等は吸水性が高く、水に混ぜると膨潤するため、乾燥後に繊維とモルタルの他の部分との間に隙間が発生し、モルタルの強度が劣化し、ひび割れを生じ、クラック脱落が発生し易くなるからである。
例えば、特許文献1には、溶融液晶ポリエステルを繊維補強材として含有する水硬性成型物が開示されるが、かかる繊維補強材は、前記2と同様、水硬性成型物(モルタル)への分散性が悪いため、強度あるモルタルを得難く、モルタルにひびわれが生じ易く、実用化し難いものであり、また、特許文献2には、PVA繊維を繊維補強材としたセメントモルタルが開示されているが、この繊維補強材は前記3に述べた通り、水で膨潤するため、乾燥後、繊維補強材とモルタルの他の部分とに隙間が発生し、ひび割れが生じ易く、更に、特許文献3には、ポリメチルペンテンを鞘、ポリプロピレンを芯とする芯鞘複合繊維を繊維補強材として繊維強化セメント成形体を得ることが開示されているが、この繊維補強材も前記2と同様、セメントへの分散性が悪く、実用化し難いものであった。
特開平9−156984号公報 特開昭59−8664号公報 特開平2−199046号公報
本発明は、ひび割れやクラック脱落を生じることなく、耐久性よく強度ある繊維強化モルタルを安定して製造するためのモルタル用繊維補強材、およびそれを用いた繊維強化モルタル成型物の提供を課題とする。
本発明では、モルタル成型時にモルタル内に混入して使用するモルタル用繊維補強材として、芯成分に疎水性のポリマーを使用し、鞘成分に親水性のポリマーを使用した芯鞘型複合繊維を使用することにより、上記課題を解決した。
芯成分には、公定水分率が1.0%以下である繊維形成性ポリマーを使用するのが好ましく、鞘成分には、公定水分率が3.0%以上である繊維形成性ポリマーを使用するのが好ましい。
なお、公定水分率は、次式で表されるもので、式中、W1は25℃、湿度60%の条件下に24時間放置後の質量を示し、W0は真空下で80℃、24時間後の質量を示す。
. 公定水分率(%)=(W1−W0)/W1×100
このように、本発明では、鞘成分に公定水分率の高いポリマーを配し、芯成分に公定水分率の低いポリマーを配した芯鞘型複合繊維をモルタル用繊維補強材とすることで、鞘成分により繊維補強材のモルタルへの分散性が良好に保たれ、しかも、芯成分により繊維補強材の水中での膨潤が抑制されるため、寸法安定性に優れているので繊維補強材とモルタル間に隙間が生じにくく、密着性も良好になり、モルタルの初期の強度が安定した保持でき、ひび割れ発生や強度劣化も防止可能となる。
また施工時に液だれが生じ難く、自由な厚みで塗ることができる。したがって、取り扱いが容易で、塗った後の外観にも優れたモルタルが得られる。
本発明の複合繊維の鞘成分としては、繊維形成性のある親水性のポリマーがいずれも使用できる。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコールおよびそれらの共重合体等が使用できる。なかでも、親水性のポリアミド類、例えばナイロン6、ナイロン66およびこれらの共重体を使用するのが好ましい。また、芯成分としては、繊維形成性のある疎水性ポリマーがいずれも使用できる。具体的なポリマーとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびこれらポリエステルの共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン及びこれらの共重合体、ナイロン12、ナイロン11、ナイロンMXD6、6Tナイロン等の芳香族ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリエステル等が挙げられる。なかでも、疎水性ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびこれらポリエステルの共重合体を使用するのが好ましい。
なお、本発明の複合繊維は、分散性の良好な点から、比重が1.0以上であるのが好ましく、特に、芯成分の比重が1.2以上で鞘成分の比重が1.0以上であるのが好ましい。具体的には、芯成分にPET、鞘成分にナイロン6および/またはナイロン66の組み合わせが好適な例として挙げられる。
また、本発明における複合繊維の鞘成分のポリマーの表面自由エネルギーは40mJ/m以上であるのが好ましく、芯成分の表面自由エネルギーは、鞘成分より低く、鞘成分と芯成分の表面自由エネルギーの差が10mJ/m未満であることが好ましい。この条件下では、複合繊維の鞘成分と芯成分の剥離が生じにくく、また、複合繊維をモルタルに分散させた際にダマになりにくく、強度の高いモルタル成型物が得られやすい。
なお、鞘成分と芯成分の表面自由エネルギーの差が10mJ/mを超えると2種類のポリマーの接着性が不足するため、複合繊維の製造中に、鞘成分と芯成分の剥離が生じるおそれがある。仮に剥離が起こった状態で延伸されると、場合によっては、鞘成分が破裂して、糸切れが生じ、歩留まりが低下する。また、糸切れが生じなかった場合には、鞘成分が破裂した状態で巻き取られ、モルタル補強用繊維として定長にカットされるが、鞘成分の破裂した繊維が混入すると、繊維同士が絡まる要因となり、モルタル内での繊維の分散が極めて悪化する虞があり、十分な補強効果が期待できない虞がある。
代表的なポリマーの表面自由エネルギーを示すと次の通りである。PET(44mJ/m)、ポリエチレン(36mJ/m)、ポリプロピレン(27mJ/m)、ナイロン6(46mJ/m)、ナイロン66(46mJ/m)、ポリビニルアルコール(55mJ/m)。これらの点からも、芯成分にPET、鞘成分にナイロン6またはナイロン66を使用するのが好ましいものとなる。
芯成分にPETなどの疎水性のポリエステル、鞘成分にナイロン6および/またはナイロン66などの親水性のポリアミドを使用する例では、鞘成分に保水性があり、芯成分が疎水性で寸法安定性に優れているため、モルタルが柔らかくなり過ぎずに、適度な柔らかさを保てることにより、液だれが生じにくい。鞘のポリアミドに保持されている水が、施工時の「コテ圧」により、モルタル表面近くで、適度にブリージング(水とモルタルと分離して表面に浮いてくること)し、「コテ切れ」を良好にし、芯のポリエステルにより適度な柔らかさを保てるので、自由な厚みで塗ることができ、取り扱いが容易となる。このポリアミドはモルタルと良く馴染むため、施工時にコテを当てることにより、容易に伏せこむことができ、モルタルを塗った後の外観も非常に良好なものとなる。
また、複合繊維として水分率(25℃、60%R.H.での測定値)は3.0%未満であるのが好ましく、アルカリ減量速度(1%NaOH水溶液、80℃以上)は1.0%未満であるのが好ましい。水分率が3.0%以上の場合、モルタル中の水分を早く吸収することで施工中に乾燥が進み施工性が悪くなる虞がある。また、アルカリ減量速度が1%以上の場合、モルタル中のアルカリ成分により繊維自体が脆化する虞がある。
芯鞘比は特に限定されないが、重量比率で、1:5〜10:1であるのが好ましく、複合繊維の太さは0.5〜10dtex程度、繊維のカット長は2〜30mmが好ましく、さらに3〜15mm程度であるのが好ましい。
なお、繊維のカット長が2mmより短いと、十分な補強効果が得られない虞があり、30mmより長いと繊維同士が絡まり、モルタル中での分散性が悪くなる虞がる。
また、芯と鞘の面積比は、複合繊維の横断面において、20:80〜80:20であるのが好ましく、特に40:60〜60:40であるのが、繊維補強材のモルタルへの分散性とモルタル中での耐膨潤性という両面から望ましい。芯の面積が小さすぎると、繊維補強材が水に膨潤し易くなり、逆に芯の面積が大きすぎると、繊維の製造の容易性および繊維補強材のモルタルへの分散性のいずれにおいても、問題が生じる虞がある。
なお、芯鞘型複合繊維として、芯が、外部に露出しないもののほうが好適であるが、一部、分散性が損なわれない限り、外部に露出しても構わない。露出しても構わない比率は、通常、円周長の比率において50%未満である。
一般に、モルタル成型物は、例えばセメントと砂からなる主材を水に混練し、施工面に塗布し、乾燥(養生)して得られるものであるが、本発明の繊維補強材を、セメントや砂と共に混合使用することで、非常に施工性よく、ひび割れやクラックを生じにくい補強耐久性に優れたモルタル成型物を得ることが可能となる。
モルタル成型物は、例えばセメントと砂からなる主材を水に混練し、施工面に塗布し、乾燥(養生)して得られるものであるが、本発明のモルタル成型物は、前述の如きセメント、砂および水の混練物に繊維補強材を混合使用して得られるものであり、この際、繊維補強材はモルタルに対して固形分比率で0.05〜3.0重量%程度含まれるようにするのがよく、特に、0.1〜1.0重量%程度とするのが好ましい。
すなわち、十分な補強効果を得るためには、固形分比率が0.05重量%以上程度が好ましく、良好な分散性を保つ点から、固形分比率3.0重量%以下程度が好ましい。
なお、セメントと砂からなる主材中、セメントの使用量は20〜100重量%でよいが、通常20〜50重量%、すなわち、セメントと砂の割合が、重量比率で、20:80〜50:50であるのが好ましい。
本発明の繊維補強材の、セメントに対する使用量は、例えば、セメントと砂の割合が、重量比率で、20:80〜50:50の場合、固形分で0.01〜1.5重量%、特に0.02〜0.5重量%程度であるのが好ましい。また、モルタル製造時の水とセメントの使用量は、重量比率で、1:1〜1:4、特に1:2〜1:3程度であるのが好ましい。
本発明の繊維補強材は、モルタルに均一に分散し易く、この繊維補強材を使用したモルタルは、施工性に優れ、製品の補強耐久性も非常によいものとなる。本発明の繊維補強材を使用したモルタル成型物は、モルタル塗装して、時間が経過した後でも、十分な強度を保持でき、ひび割れも生じ難く、従来品に比してクラックが生じにくく、非常に品質のよい仕上がりとなる。
また、本発明の芯鞘型複合繊維をモルタル用繊維補強材とすることで、施工時に液だれが生じ難く、自由な厚みで塗ることができる。したがって、本発明の繊維補強材を使用したモルタルは取り扱いが容易で、塗った後の外観にも優れたモルタル成型物を得ることができる。
<実施例>
以下に示す試料1〜5の糸を準備してカットし、10mm長のカットファイバーを得た。
試料1:90dtex/24fの芯成分にポリエチレンテレフタレート(公定水分率:0.4、比重:1.38)、鞘成分にナイロン6(公定水分率:4.5、比重:1.14)、芯鞘面積比率が50:50の芯鞘型複合繊維(KBセーレン株式会社製ベルカップル(登録商標)NP)。
試料2:90dtex/24fの芯成分にナイロン6(公定水分率:4.5、比重:1.14)、鞘成分にポリエチレンテレフタレート(公定水分率:0.4、比重:1.38)、芯鞘面積比率が50:50の芯鞘型複合繊維。
試料3:90dtex/24fのナイロン6単独糸(公定水分率:4.5、比重:1.14)。
試料4:100dtex/24fのポリエチレンテレフタレート単独糸(公定水分率:0.4、比重:1.38)。
試料5:100dtex/24fのポリビニルアルコール単独糸(公定水分率:4.0、比重:1.28)。
実施例における性能試験および評価は、下記の方法に従った。
(施工性)
JASS15M−103規格のフロー試験に準拠する。
ポルトランドセメント100g、標準砂300g、水50g、カットファイバー0.4gを練混ぜたものを、厚さ5mmのガラス板の上に内径50mm、高さ51mmの塩化ビニル製パイプ(内容積100ml)を置き、該パイプ内部に充填した後、パイプを引き上げる。モルタルの広がりが静止した後、直角2方向の直径を測定しその平均値をフロー値とする。
評価:
◎ 55mm以下(優良)
○ 55mmより大、60mm以下(良好)
× 60mmより大(不良)
(分散性)
供試体の作製方法をJISR5201規格のモルタル曲げ試験に準拠する。
ポルトランドセメント450g、標準砂1350g、水225g、カットファイバー1.8gを練混ぜ、モルタル供試体成型用型を用いて断面40mm平方、長さ160mmの角柱を作製した。その供試体を中心部で折り、その断面の補強繊維材の分散状態を目視にて評価した。
評価:
◎ 繊維同士が塊状に絡み合わず、モルタル全体に均一に分散している(優良)
× モルタル全体に分散しておらず繊維がダマになっている(不良)
(補強耐久性)
繰り返し乾燥収縮による補強効果の耐久性を以下の要領で評価した。
モルタル下地用合板450mm×450mmを2枚並べ、裏面をアングルで繋ぎ合わせる。繋ぎ合わせた部分を中心にし、ポルトランドセメント1350g、標準砂4050g、水675g、カットファイバー5.4gを練混ぜ、JISR5201規格の供試体の作成方法に準じて10mm×400mm×600mm(厚×長×幅)施工および養生して試験体を作製した。得られた試験体に噴霧器を用いて水340ml染み込ませた後に、試験体表面に照射ランプを用いて3時間、照射量1145MJ/m照射する。この流れを1サイクルとし、20サイクル後、板を繋ぎ合わせた所のモルタルの亀裂の発生状況を観察した。
なお、上記1サイクルは、試験体の3ヶ月実曝を想定した促進試験とした(年平均降水量1360mm、年平均照射量4581MJ/m)。
評価:
◎ ひび割れなし(優良)
○ 16〜20サイクルでひび割れが発生した(良好)
△ 11〜15サイクルでひび割れが発生した(不良)
× 1〜14サイクルでひび割れが発生した(粗悪)
[実施例1]
試料1のカットファイバーを繊維補強材として、モルタルの施工性、分散性および補強耐久性を評価した。その結果を表1に示す。
芯にポリエチレンテレフタレート、鞘にナイロン6を使用した芯鞘型複合繊維からなる試料1の繊維補強材は、表1に示すように、モルタル用の繊維補強材として施工性、分散性、補強耐久性ともに極めて優れていた。また、施工時に液だれが生じ難く、自由な厚みで塗ることができ、取り扱いが容易で、塗った後の外観も非常に良好なものとなった。
[比較例1]
カットファイバーを繊維補強材として使用することなく、実施例1と同様の試験をした。
この場合には、表1に示すように、十分な施工性および補強耐久性が得られなかった。
[比較例2〜5]
試料2〜5のカットファイバーを繊維補強材として、モルタルの施工性、分散性および補強耐久性を評価した。その結果を表1に示す。
芯に親水性のナイロンを使用し、鞘に疎水性のポリエステルを使用した芯鞘型複合繊維からなる試料2を用いた比較例2では、繊維補強材がモルタルに分散し難く、そのため施工の際の乾燥にムラが生じ、施工後の外観は、モルタル表面で糸が浮いている部分もあり、補強耐久性はあまりよくなかった。
また、ナイロン6の単独糸からなる試料3を用いた比較例3では、繊維補強材のモルタルへの分散性に優れ、施工性も悪くなかったが、繊維補強材が水膨潤性を有するため、施工後ひび割れを生じ易く補強耐久性ある製品を得ることができなかった。
ポリエチレンテレフタレート単独糸からなる試料4を用いた比較例4では、繊維補強材がモルタルに分散し難く、また、施工の際の乾燥にムラが生じ、施工後の外観は、モルタル表面で糸が浮いている部分もあり、補強耐久性はあまりよくなかった。
更に、ポリビニルアルコール単独糸からなる試料5を用いた比較例5では、試料3を使用した比較例3の場合と同様に、施工後ひび割れを生じ易く補強耐久性ある製品を得ることができなかった。
このような比較例では、いずれも、施工時に液だれが生じやすく、実施例に比して、取り扱い性が悪く、外観のよいモルタルを得ることはできなかった。
Figure 0004918446
[実施例2〜6]
芯成分にPET、鞘成分にナイロン6の芯鞘型複合繊維を、複合比率を変えて紡糸して、10mm長のカットファイバーを得た。これを繊維補強材として、表1と同様の方法で、施工性、分散性および補強耐久性を評価した。その結果を表2に示す。
Figure 0004918446
芯と鞘の面積比が50:50である芯鞘型複合繊維を使用した実施例4では、施工性、分散性、補強耐久性のいずれにおいても、極めて優れた結果が得られた。
芯と鞘の面積比が40:60および60:40である芯鞘型複合繊維を使用した実施例2および実施例5では、芯と鞘の面積比が50:50である実施例3に比較して、若干劣るが、施工性、分散性、補強耐久性に優れた結果が得られた。
芯と鞘の面積比が20:80および80:20である芯鞘型複合繊維を使用した実施例1および実施例6では、芯と鞘の面積比が40:60および60:40である実施例2および実施例5に比較して少し劣るが、施工性、分散性、補強耐久性いずれも実用性あるものであり、従来品に比して良好であった。

Claims (7)

  1. モルタル成型時にモルタル内に混入して使用する繊維補強材であって、芯成分に疎水性のポリマーとしてポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)又はこれらポリエステルの共重合体を使用し、鞘成分に親水性のポリマーとしてナイロン6又はナイロン66を使用した芯鞘型複合繊維からなることを特徴とするモルタル用繊維補強材。
  2. 前記鞘成分が公定水分率3.0%以上の繊維形成性ポリマーからなることを特徴とする請求項1のモルタル用繊維補強材。
  3. 前記芯成分が公定水分率1.0%以下の繊維形成性ポリマーからなることを特徴とする請求項1又は2のモルタル用繊維補強材。
  4. 前記複合繊維の横断面で芯と鞘の面積比が20:80〜80:20であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項のモルタル用繊維補強材。
  5. 砂、セメントおよび水に繊維補強材を混練して製造したモルタル成型物であって、前記繊維補強材として、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維補強材を使用してなることを特徴とするモルタル成型物。
  6. 前記繊維補強材がモルタルに対して固形分比率で0.05〜3.0重量%の割合で含まれていることを特徴とする請求項5のモルタル成型物。
  7. 前記繊維補強材がセメントに対して、0.012〜0.75重量%の割合で使用されていることを特徴とする請求項5又は6のモルタル成型物。
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