JP4917723B2 - エアゾール組成物および発泡性エアゾール製品 - Google Patents

エアゾール組成物および発泡性エアゾール製品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエアゾール組成物および発泡性エアゾール製品に関する。さらに詳しくは、多量の液化ガスが水性原液に乳化しているにもかかわらず、長時間にわたって安定な発泡物を形成することができるエアゾール組成物、および吐出直後は表面形状が粗く、密な発泡物であるが、時間の経過とともに発泡物の形状が変化し、形状変化が停止して安定となったときに、表面形状は滑らかになり、きわめて軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐれ、しかも長時間にわたって安定な発泡物を形成することができ、たとえば頭髪用セット剤などに好適に使用し得るエアゾール製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、たとえば頭髪用セット剤などに用いるエアゾール組成物として、水性原液および液化ガスからなる発泡性エアゾール組成物が種々開発されている。これら従来の発泡性エアゾール組成物に含まれる水性原液には、通常、有効成分、界面活性剤などが含まれているが、その大部分が水成分である。また液化ガスとしては水に不溶な液化石油ガスが用いられることが多く、吐出後形成される泡の状態や保持性から、液化ガスはエアゾール組成物中4〜10重量%と水性原液に比べて少量である。かかる発泡性エアゾール組成物が充填されたエアゾール製品において、水性原液と液化ガスとは分離した状態であるため、使用時に製品を振盪して一時的にエマルジョンを形成させなければならない。また該発泡性エアゾール組成物から泡状の吐出物(発泡物)を得ることができるが、かかる発泡物は発泡した状態で吐出され、その容積は短時間で安定となり、ほとんど形状変化せず、発泡物は球状ないしラグビーボール状となり、その表面は滑らかである。また該発泡物は、液化ガスの量が少ないため、泡の1粒1粒は細かく、安定な泡を形成するが、該発泡物の泡比重は、たとえば約0.02〜0.05g/mlと大きく、ウェットな状態のものである。このような重くウェットな状態の発泡物をたとえば頭髪に適用した場合には、泡の自重や消泡して液化することにより、頭髪スタイルを乱してしまうことがある。よって、たとえば頭髪用セット剤において、細かいセットを崩しにくい軽くドライな状態の泡が要求される場合、かかる発泡性エアゾール組成物を適用することができない。そこで、泡比重を小さくするために、前記従来の発泡性エアゾール組成物に液化ガスを単に多量に配合した場合、発泡物とならなかったり、発泡したとしても泡の1粒1粒が大きくなり、粗く消泡しやすい発泡物となる。
【0003】
使用時に製品を振盪しなくとも、あらかじめ水性原液と液化ガスとが乳化しているエアゾール組成物として、特定沸点を有する脂肪族炭化水素である液化ガスと、たとえば有効成分、アルコール成分、界面活性剤、精製水などを含有した水性原液とが含有され、両者の重量比が10/90〜60/40(水性原液/液化ガス)である組成物が提案されている(特開平2−255889号公報)。しかしながら、かかるエアゾール組成物は吐出後直ちに破泡してしまうことが特徴であり、泡の保持時間が短いため、長時間にわたって安定した状態の泡を得ることができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、多量の液化ガスが水性原液に乳化しているにもかかわらず、長時間にわたって安定な発泡物を形成することができるエアゾール組成物、および吐出直後は表面形状が粗く、密な発泡物であるが、時間の経過とともに発泡物の形状が変化し、形状変化が停止して安定となったときに、表面形状は滑らかになり、きわめて軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐれ、しかも長時間にわたって安定な発泡物を形成することができ、たとえば頭髪用セット剤などに好適に使用し得るエアゾール製品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
▲1▼陰イオン性界面活性剤を含有した水性原液(以下、水性原液Iという)と液化ガスとが乳化したエアゾール組成物であって、水性原液Iと液化ガスとの重量比(水性原液I/液化ガス)が10/90〜60/40で、25℃での泡比重が0.001〜0.005g/mlである発泡物を形成するエアゾール組成物(以下、エアゾール組成物Iという)、および
▲2▼界面活性剤を含有した水性原液(以下、水性原液IIという)と液化ガスとが乳化したエアゾール組成物(以下、エアゾール組成物IIという)を耐圧性容器内に充填してなる発泡性エアゾール製品であって、該発泡性エアゾール製品からの吐出物が経時的に形状変化する発泡物を形成し、該発泡物の形状変化が停止したときの発泡物の25℃での泡比重が0.001〜0.005g/mlである発泡性エアゾール製品
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
まず本発明のエアゾール組成物Iについて説明する。
【0007】
本発明のエアゾール組成物Iは、陰イオン性界面活性剤を含有した水性原液Iと液化ガスとからなるものであり、該水性原液Iと液化ガスとの割合が一定範囲内で調整されたものである。これら水性原液Iと液化ガスとは、吐出直前の振盪によって一時的に乳化するものではなく、組成物調製時にあらかじめ乳化されており、吐出後得られる発泡物は、液化ガスが比較的多量に含まれているにもかかわらず、発泡物はきわめて軽く、長時間にわたって安定な状態が保持され、非常に使い勝手のよい発泡物となる。
【0008】
本発明に用いられる水性原液Iには陰イオン性界面活性剤が含有される。該陰イオン性界面活性剤は水性原液Iに粘性を付与し、さらに該水性原液Iと液化ガスとを乳化するための成分であり、エアゾール組成物Iの発泡性や泡の安定性に関与するものである。
【0009】
陰イオン性界面活性剤としては、たとえば脂肪酸のケン化物、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウムなどの高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウムなどの高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸などのリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウムなどの高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油などの硫酸化油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウムなどがあげられる。
【0010】
前記脂肪酸のケン化物の代表例としては、たとえばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などの脂肪酸類と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカリ類との反応物などがあげられる。
【0011】
前記陰イオン性界面活性剤のなかでも、液化ガスを多量に配合した場合でも液化ガスをゆっくりと気化させることができ、きわめて軽く、長時間にわたって安定な発泡物が得られやすいという点から、脂肪酸のケン化物が好ましい。
【0012】
脂肪酸のケン化物のケン化度は、あまりにも小さいと、遊離の脂肪酸(ケン化されていない脂肪酸)が多くなり、低温時に脂肪酸が析出しやすくなるので、30%以上、好ましくは40%以上であることが望ましく、またあまりにも大きいと、水性原液Iの粘度が低下して発泡物の安定性が低下したり、またアルカリ性になり、皮膚への刺激や頭髪へのダメージが大きくなり、さらに発泡物がべたつきやすく、手などに付着して取れにくくなるので、100%以下、好ましくは90%以下であることが望ましい。かかる範囲内でケン化度を選択することにより、発泡物の堅さを調整することができる。
【0013】
また脂肪酸の種類を選択することにより、水性原液Iの粘度を調整することができ、さらに吐出直後の泡質や発泡時間、泡比重なども調整することができる。たとえば分子量が大きいステアリン酸を用いた場合には、吐出直後はクリーム状であり、発泡時間が長く、泡比重が大きくなる傾向がある。一方、分子量が小さいラウリン酸を用いた場合には、水性原液Iの粘度は小さくなり、発泡時間は短く、泡の弾力性が小さくなる傾向がある。かかる脂肪酸の好ましい分子量は200〜300である。
【0014】
水性原液I中の陰イオン性界面活性剤の量は、泡の保持性がわるくならないように、さらに水性原液Iと液化ガスとを乳化するのが困難になり、発泡性が低下して泡が形成されにくくならないようにするには、3重量%以上、好ましくは5重量%以上であることが望ましく、またエアゾール組成物Iのべたつき感や皮膚への刺激性が大きくならないようにするには、20重量%以下、好ましくは18重量%以下であることが望ましい。
【0015】
なおエアゾール組成物Iにおける水性原液Iには、前記陰イオン性界面活性剤のほかにも、水性原液Iと液化ガスとの乳化を補助する目的で、乳化補助剤が配合されることが好ましい。
【0016】
乳化補助剤としては、たとえば非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子型界面活性剤、シリコン系界面活性剤などがあげられる。
【0017】
前記非イオン性界面活性剤としては、たとえばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、脂肪酸アルキロールアミドなどがあげられる。
【0018】
前記陽イオン性界面活性剤としては、たとえばアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩などがあげられる。
【0019】
前記両性界面活性剤としては、たとえば酢酸べタイン、レシチンなどがあげられる。
【0020】
前記高分子型界面活性剤としては、たとえばポリアルキルビニルピリジニウム、アルキルフェノールポリマー誘導体、スチレン・マレイン酸重合物誘導体などがあげられる。
【0021】
前記シリコン系界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などがあげられる。
【0022】
前記乳化補助剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。前記乳化補助剤のなかでも、水性原液Iと液化ガスとの乳化のしやすさおよび安全性にすぐれる点から、HLBが10以上のものを用いることが好ましい。
【0023】
水性原液I中の乳化補助剤の量は、水性原液Iと液化ガスとの乳化の補助効果が充分に発現されるようにするには、0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上であることが望ましく、またべたつきや皮膚への刺激性を考慮して、10重量%以下、好ましくは8重量%以下であることが望ましい。
【0024】
水性原液Iには、前記陰イオン性界面活性剤や乳化補助剤のほかにも、たとえば有効成分、低級アルコール、多価アルコール、油成分、高分子化合物、その他の添加剤などを配合することができる。
【0025】
有効成分は、エアゾール組成物Iの使用目的や用途に応じて適宜選択され、たとえば消臭剤、殺菌・防腐剤、清涼剤、害虫忌避剤、頭髪用セット剤、保湿剤、紫外線吸収剤、アミノ酸、ビタミン類、ホルモン類、酸化防止剤、各種抽出液、皮膚軟化剤、かゆみ止め、消炎鎮痛剤、収斂剤、抗炎症剤、局所麻酔剤、抗ヒスタミン剤、美白剤、香料などが用いられる。
【0026】
前記消臭剤としては、たとえばラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジルなどがあげられる。
【0027】
前記殺菌・防腐剤としては、たとえばパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、感光素、パラクロルメタクレゾールなどがあげられる。
【0028】
前記清涼剤としては、たとえば1−メントール、カンフルなどがあげられる。
【0029】
前記害虫忌避剤としては、たとえばN,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、力プリル酸ジエチルアミドなどがあげられる。
【0030】
前記頭髪用セット剤としては、たとえばジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸ブチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸アルカノールアミン、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョンなどがあげられる。
【0031】
前記保湿剤としては、たとえばプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、ヒアルロン酸、力ロニン酸、乳酸ナトリウム、d,1−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチンなどがあげられる。
【0032】
前記紫外線吸収剤としては、たとえばパラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチルなどがあげられる。
【0033】
前記アミノ酸としては、たとえばグリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどがあげられる。
【0034】
前記ビタミン類としては、たとえばビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸d,1−α−トコフェロール、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、d,1−α一トコフェロール、酢酸d,1−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチンなどがあげられる。
【0035】
前記ホルモン類としては、たとえばエラストラジオール、エチニルエストラジオールなどがあげられる。
【0036】
前記酸化防止剤としては、たとえばアスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどがあげられる。
【0037】
前記各種抽出液としては、たとえばシャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などがあげられる。
【0038】
前記皮膚軟化剤としては、たとえば尿素などがあげられる。
【0039】
前記かゆみ止めとしては、たとえばリドカイン、ジフェンヒドラミン、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸ジカリウムなどがあげられる。
【0040】
前記消炎鎮痛剤としては、たとえばサリチル酸メチル、カンフル、ジフェンヒドラミン、インドメタシン、ピロキシカム、フェルビナク、ケトプロフェン、クロタミトンなどがあげられる。
【0041】
前記収斂剤としては、たとえば酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などがあげられる。
【0042】
前記抗炎症剤としては、たとえばアラントイン、グリシルレチン酸、アズレンなどがあげられる。
【0043】
前記局所麻酔剤としては、たとえば塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカインなどがあげられる。
【0044】
前記抗ヒスタミン剤としては、たとえば塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンなどがあげられる。
【0045】
前記美白剤としては、たとえばアルブチン、コウジ酸などがあげられる。
【0046】
なお有効成分は単独でまたは2種以上を混合して用いることができ、前記例示されたなかでも、後述する液化ガスへの溶解性がすぐれたものの場合、液化ガスに溶解させて配合することも可能である。
【0047】
水性原液I中の有効成分の量は、その効果を充分に発揮させるには、0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上であることが望ましく、またその濃度が高すぎて、有効成分の種類によっては人体へ悪影響を及ぼすおそれをなくすには、20重量%以下、好ましくは15重量%以下であることが望ましい。
【0048】
低級アルコールは、有効成分の溶解剤(溶媒)としてや、冷却感の付与、乾燥性の向上など、使用感を向上させたり、吐出したエアゾール組成物Iの発泡時間や、発泡の大きさ(発泡倍率)、泡質など、発泡性を調整するために用いられる成分である。
【0049】
前記低級アルコールとしては、たとえばエチルアルコール、イソプロピルアルコールなど、炭素数が2〜3の1価アルコールがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0050】
水性原液I中の低級アルコールの量は、それによる効果を充分に発現させるには、1重量%以上、好ましくは3重量%以上であることが望ましく、また水性原液Iと液化ガスとが乳化しにくくなり、泡状でなくスプレー状でエアゾール組成物Iが噴射されるおそれをなくすには、30重量%以下、好ましくは25重量%以下であることが望ましい。
【0051】
多価アルコールは、有効成分の溶解剤(溶媒)としてや、皮膚や頭髪の保湿性を向上させるなど、使用感を向上させるために用いられる成分である。
【0052】
前記多価アルコールとしては、たとえばグリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0053】
水性原液I中の多価アルコールの量は、それによる効果を充分に発現させるには、1重量%以上、好ましくは3重量%以上であることが望ましく、また乾燥性がわるくなり、使用感が低下するおそれをなくすには、20重量%以下、好ましくは15重量%以下であることが望ましい。
【0054】
前記油成分としては、水性原液Iの粘度を上昇させるなどの調整をしたり、泡の安定性をより向上させるには、常温でペースト状ないし固形状の油成分を配合することができる。
【0055】
常温でペースト状ないし固形状の油成分としては、たとえばセチルアルコール、ステアリルアルコール、べへ二ルアルコール、ミリスチルアルコール、ラノリンアルコールなどの高級アルコール;パラフィン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素;ミツロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、力ンデリラロウなどのロウ類があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0056】
また発泡物を頭髪や皮膚などに用いたときに撥水性や艶を付与したり、櫛通りをよくするなど、使用感を向上させるには、常温で液状の油成分を配合することができる。
【0057】
常温で液状の油成分としては、たとえばメチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル;ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、流動パラフィン、イソパラフイン、ケロシン、スクワラン、スクワレンなどの炭化水素;ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、酢酸エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエトキシエチルなどのエステル油;ラウリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコール;ツバキ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマ二油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂類があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0058】
なおノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサンなどの炭素数が5〜6の炭化水素については、発泡倍率や発泡時間などを調整するために、後述する液化ガスとともに配合してもよい。
【0059】
水性原液I中の油成分の量は、それによる効果を充分に発現させるには、0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上であることが望ましく、またべたついたり、乾燥性がわるくなるなど、使用感が低下するおそれをなくすには、20重量%以下、好ましくは10重量%以下であることが望ましい。
【0060】
前記高分子化合物は、水性原液Iの粘度を調整したり、泡の弾力性や消泡性、乾燥性など、泡質を調整する成分である。
【0061】
高分子化合物としては、たとえば力ラギーナン、ペクチン、デンプン、ゼラチン、コラーゲン、力ルボキシメチルデンプン、エチルセルロース、結晶セルロース、力ルボキシビニルポリマー、キサンタンガムなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、水性原液Iが増粘しやすく、乾燥性にすぐれた泡が得られるという点から、ゼラチンを用いることが好ましい。
【0062】
水性原液I中の高分子化合物の量は、それによる効果を充分に発現させるには、0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上であることが望ましく、また水性原液Iの粘度が高くなりすぎて発泡性がわるくなったり、取扱い性が低下するおそれをなくすには、10重量%以下、好ましくは8重量%以下であることが望ましい。
【0063】
前記その他の添加剤としては、たとえばpH調整剤、粉体などがあげられる。
【0064】
前記pH調整剤は、水性原液Iやエアゾール組成物Iを長時間にわたって安定化させるために用いられ、エアゾール組成物Iをたとえば金属製容器内に充填する際に該金属製容器への腐食を少なくしたり、有効成分が経時的に分解されることを防止する成分である。
【0065】
pH調整剤としては、たとえば乳酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンムニウムなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0066】
前記粉体は、粉体自体が有効成分として作用したり、他の有効成分を担持する担体、保護剤、付着剤、固体潤滑剤などとして作用する成分である。
【0067】
粉体としては、たとえばタルク、酸化亜鉛、力オリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、シリ力、ゼオライト、セラミックパウダー、チッ化ホウ素などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0068】
水性原液I中のその他の添加剤の量は、前記陰イオン性界面活性剤、乳化補助剤、有効成分、低級アルコール、多価アルコール、油成分、高分子化合物などの量を考慮し、たとえば0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%であることが望ましい。
【0069】
水性原液I中には、たとえば精製水、イオン交換水、蒸留水などの水が溶媒として含有されている。また前記低級アルコールや多価アルコールなど、水に可溶な成分も溶媒として作用する場合もある。
【0070】
水性原液I中の水の量は、通常前記陰イオン性界面活性剤、乳化補助剤、有効成分、低級アルコール、多価アルコール、油成分、高分子化合物、その他の添加剤の残量であり、水性原液Iが全量100重量%となるように適宜調整される。
【0071】
前記陰イオン性界面活性剤や、必要に応じて乳化補助剤、有効成分、油成分、高分子化合物、その他の添加剤を、水や低級アルコール、多価アルコールなどの溶媒と撹拌混合し、溶解ないし分散させることにより水性原液Iを得ることができる。なお陰イオン性界面活性剤や油成分などの常温でペースト状ないし固形状の成分を用いる場合には、各成分の混合物をたとえば30〜90℃程度に加温し、水性原液Iの粘度が後述する範囲をこえ、あまりにも高くなりすぎないようにすることが好ましい。とくに陰イオン性界面活性剤として脂肪酸のケン化物を用いる場合は、アルカリ類を最後に添加してケン化することが、水性原液Iを調製しやすいという点から好ましい。
【0072】
かくして得られる水性原液Iの25℃における粘度は、吐出後、乳化していた液化ガスが短時間で気化し、急激に発泡物の容積が増大して泡の1粒1粒が大きくなって発泡物が粗くなり、長時間にわたって安定な発泡物が形成されにくく、破泡しやすくなるおそれをなくすためには、0.05Pa・s以上、好ましくは0.07Pa・s以上であることが望ましく、また水性原液Iをたとえば前記温度範囲に加温しても粘度低下が小さく、粘性のない液化ガスと乳化させることが困難にならないようにするには、20Pa・s以下、好ましくは18Pa・s以下であることが望ましい。
【0073】
前記水性原液Iと液化ガスとを混合することにより両成分が乳化され、本発明のエアゾール組成物Iを得ることができる。
【0074】
液化ガスはエアゾール組成物Iにおける噴射剤であり、該エアゾール組成物Iを吐出したときに、水性原液Iを液膜とした、きわめて軽い安定な発泡物を形成させる成分である。
【0075】
液化ガスとしては、たとえばプロパン、n−ブタン、i−ブタンおよびこれらの混合物である液化石油ガス、ジメチルエーテル、フロン類などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。とくに、水性原液Iと乳化しやすいという点から、液化石油ガスを主成分とするものが好ましく、液化ガス中に液化石油ガスが50重量%以上含有されることが好ましい。また吐出後ゆっくりと気化し、きわめて軽く、使い勝手のよい発泡物を形成させやすいという点から、液化ガスとして、その20℃における蒸気圧が0.1〜0.5MPa、さらには0.1〜0.4MPaのものを用いることが好ましい。
【0076】
なお本発明においては、前記液化ガスとともに、加圧剤として圧縮ガスを配合してもよく、たとえばチッ素ガス、炭酸ガス、亜酸化チッ素ガス、圧縮空気などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0077】
水性原液Iと液化ガスとの重量比(水性原液I/液化ガス)は、水性原液I中に液化ガスが乳化しにくくなり、エアゾール組成物Iを調製するのが困難にならないようにするとともに、水性原液Iの量が少なくなり、たとえば有効成分の効果が充分に発現されないおそれをなくすには、10/90以上、好ましくは15/85以上であり、また発泡物の泡比重が大きくなり、たとえば頭髪用セット剤としてセットした頭髪に適用した場合、泡の自重で頭髪スタイルを乱してしまわないようにするには、60/40以下、好ましくは55/45以下である。このような範囲内に水性原液Iと液化ガスとの重量比を調整することで、きわめて軽く、すぐれた特性を有する発泡物が得られるだけでなく、陰イオン性界面活性剤として、たとえば完全にケン化されていない特定のケン化度を有する脂肪酸のケン化物(いわゆる、部分ケン化物)を用いた場合であっても、低温時にケン化されていない脂肪酸の析出を防止することができる。
【0078】
水性原液の粘度が高い場合には、前記範囲内で水性原液Iと液化ガスとの配合割合を調整したのち、これら水性原液Iおよび液化ガスを加温しながら混合して水性原液Iの粘度を低下させ、乳化してエアゾール組成物Iを得ることができる。この場合、粘度の高い水性原液Iに粘度の低い液化ガスを多量に乳化させることが可能である。
【0079】
前記水性原液Iと液化ガスとの加温混合は、たとえばエアゾール製品とする際に用いられる耐圧性容器内に各成分を充填したのちに行なってもよく、充填前にあらかじめ行なってもよい。充填後に混合する場合には、たとえば耐圧性容器を振盪すればよく、充填前に混合する場合には、たとえば両成分を機械的に混合すればよい。
【0080】
水性原液Iおよび液化ガスを混合する際の温度は、水性原液Iの粘度が充分に低下し、液化ガスと容易に混合して乳化するように、30℃以上、好ましくは40℃以上であることが望ましく、また液化ガスの圧力上昇が大きくなりすぎ、耐圧性容器の耐圧を超えないように、80℃以下、好ましくは70℃以下であることが望ましい。
【0081】
あらかじめ水性原液Iおよび液化ガスを乳化したエアゾール組成物Iを耐圧性容器内に充填したり、または水性原液Iと液化ガスとを順次耐圧性容器内に充填し、両成分を乳化し、たとえば該耐圧性容器にエアゾールバルブ、スパウトを取り付けることにより、エアゾール製品を製造することができる。
【0082】
前記耐圧性容器にはとくに限定がなく、たとえばアルミ、ブリキなどの金属製容器、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの樹脂製容器、ガラス製容器などを用いることができる。また前記エアゾールバルブやスパウトについては、通常の発泡性エアゾール製品に用いられているバルブやスパウトを用いることができる。
【0083】
なお、耐圧性容器に充填されるエアゾール組成物Iを、低温時であっても確実に吐出することができ、また吐出されたエアゾール組成物Iがゆっくりと発泡し、軽く、長時間にわたって安定な発泡物が容易に得られるようにするには、25℃でのエアゾール製品の内圧が0.15MPa以上、好ましくは0.2MPa以上であることが望ましく、また高温時の製品の安全性を考慮すると、25℃でのエアゾール製品の内圧が0.8MPa以下、好ましくは0.7MPa以下であることが望ましい。
【0084】
このように本発明のエアゾール組成物Iが充填されたエアゾール製品から吐出される吐出物は、吐出し、吐出物が発泡してその形状が安定となってからたとえば1分間以上、好ましくは2分間以上、消泡や破泡により液状化せずに泡の状態を保持する長時間にわたって安定な発泡物を形成するものであり、安定な状態での該発泡物の25℃での泡比重は、0.001g/ml以上、好ましくは0.0015g/ml以上であり、また0.005g/ml以下、好ましくは0.0045g/ml以下である。
【0085】
さらに前記発泡物は弾力性が小さいので、該発泡物を手指で押さえたり、擦るなど、あるいは櫛やブラシでとくなどの行為により容易に消泡し、有効成分を均一に付与することができる。
【0086】
本発明のエアゾール組成物Iは、きわめて軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐれ、綿のような感触であり、なおかつ長時間にわたって安定な発泡物を形成することができるものである。したがって、本発明のエアゾール組成物Iが充填されたエアゾール製品は、たとえばドライ感が要求されるような頭髪用セット剤、保護剤、仕上げ剤などの頭髪用製品;殺菌・消毒剤、保護剤、制汗剤、害虫忌避剤などの人体用製品などに好適に使用することができる。
【0087】
つぎに本発明の発泡性エアゾール製品について説明する。
【0088】
本発明の発泡性エアゾール製品は、界面活性剤を含有した水性原液IIと液化ガスとが乳化したエアゾール組成物IIを耐圧性容器に充填したものであり、該発泡性エアゾール製品から吐出後得られる発泡物は、吐出直後は表面形状が粗く、密な発泡物であるが、時間の経過とともに発泡物の形状が変化し、形状変化が停止して安定となったときに、表面形状は滑らかになり、きわめて軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐれ、しかも長時間にわたって安定なものである。
【0089】
本発明に用いられる水性原液IIには界面活性剤が含有される。該界面活性剤は水性原液IIに粘性を付与し、さらに該水性原液IIと液化ガスとを乳化するための成分であり、エアゾール組成物IIの発泡性や泡の安定性に関与するものである。
【0090】
界面活性剤としては、たとえば非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、高分子型界面活性剤、シリコン系界面活性剤などがあげられる。
【0091】
前記非イオン性界面活性剤としては、たとえばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンラノリン・ラノリンアルコール・ミツロウ誘導体、脂肪酸アルキロールアミドなどがあげられる。
【0092】
前記陰イオン性界面活性剤としては、たとえば脂肪酸のケン化物、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシルメチルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウムなどの高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン酸、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウムなどの高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸などのリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウムなどの高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油などの硫酸化油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウムなどがあげられる。
【0093】
前記脂肪酸のケン化物の代表例としては、たとえばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などの脂肪酸類と、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカリ類との反応物などがあげられる。
【0094】
前記陽イオン性界面活性剤としては、たとえばアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルアンモニウム塩などがあげられる。
【0095】
前記両性界面活性剤としては、たとえば酢酸べタイン、レシチンなどがあげられる。
【0096】
前記高分子型界面活性剤としては、たとえばポリアルキルビニルピリジニウム、アルキルフェノールポリマー誘導体、スチレン・マレイン酸重合物誘導体などがあげられる。
【0097】
前記シリコン系界面活性剤としては、たとえばポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体などがあげられる。
【0098】
前記界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。前記界面活性剤のなかでも、水性原液に粘性を付与し、吐出後、多量に配合されている液化ガスを大気圧下でありながらゆっくりと気化させることができ、発泡物の形状が徐々に変化して安定となったときに得られる発泡物が、長時間にわたる保持性にすぐれ、きわめて軽い泡を形成させやすいという点から、陰イオン性界面活性剤が好ましく、そのなかでもとくに脂肪酸のケン化物が好ましい。
【0099】
前記脂肪酸のケン化物のケン化度は、あまりにも小さいと、遊離の脂肪酸(ケン化されていない脂肪酸)が多くなり、低温時に脂肪酸が析出しやすくなるので、30%以上、好ましくは40%以上であることが望ましく、またあまりにも大きいと、水性原液IIの粘度が低下して発泡物の安定性が低下したり、またアルカリ性になり、皮膚への刺激や頭髪へのダメージが大きくなり、さらに発泡物がべたつきやすく、手などに付着して取れにくくなるので、100%以下、好ましくは90%以下であることが望ましい。かかる範囲内でケン化度を選択することにより、発泡物の堅さを調整することができる。
【0100】
また脂肪酸の種類を選択することにより、水性原液IIの粘度を調整することができ、さらに吐出直後の泡質や発泡時間、泡比重なども調整することができる。たとえば分子量が大きいステアリン酸を用いた場合には、吐出直後はクリーム状であり、発泡時間が長く、泡比重が大きくなる傾向がある。一方、分子量が小さいラウリン酸を用いた場合には、水性原液IIの粘度は小さくなり、発泡時間は短く、泡の弾力性が小さくなる傾向がある。かかる脂肪酸の好ましい分子量は200〜300である。
【0101】
水性原液II中の界面活性剤の量は、水性原液IIの粘度が低く、泡の保持性がわるくならないように、さらに水性原液IIと液化ガスとを乳化するのが困難になり、発泡性が低下して泡が形成されにくくならないようにするには、1重量%以上、好ましくは3重量%以上であることが望ましく、またエアゾール組成物IIのべたつき感や皮膚への刺激性が大きくならないようにするには、25重量%以下、好ましくは20重量%以下であることが望ましい。
【0102】
水性原液IIには、前記界面活性剤のほかにも、たとえば有効成分、低級アルコール、多価アルコール、油成分、高分子化合物、その他の添加剤などを配合することができる。
【0103】
有効成分は、エアゾール組成物IIの使用目的や用途に応じて適宜選択され、たとえば消臭剤、殺菌・防腐剤、清涼剤、害虫忌避剤、頭髪用セット剤、保湿剤、紫外線吸収剤、アミノ酸、ビタミン類、ホルモン類、酸化防止剤、各種抽出液、皮膚軟化剤、かゆみ止め、消炎鎮痛剤、収斂剤、抗炎症剤、局所麻酔剤、抗ヒスタミン剤、美白剤、香料などが用いられる。
【0104】
前記消臭剤としては、たとえばラウリル酸メタクリレート、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジルなどがあげられる。
【0105】
前記殺菌・防腐剤としては、たとえばパラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化クロルヘキシジン、感光素、パラクロルメタクレゾールなどがあげられる。
【0106】
前記清涼剤としては、たとえば1−メントール、カンフルなどがあげられる。
【0107】
前記害虫忌避剤としては、たとえばN,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート)、力プリル酸ジエチルアミドなどがあげられる。
【0108】
前記頭髪用セット剤としては、たとえばジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート・(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸オクチルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリル酸ブチル・アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸アルカノールアミン、アクリル酸アルキル共重合体エマルジョン、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルジョンなどがあげられる。
【0109】
前記保湿剤としては、たとえばプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、コラーゲン、キシリトール、ソルビトール、ヒアルロン酸、力ロニン酸、乳酸ナトリウム、d,1−ピロリドンカルボン酸塩、ケラチン、カゼイン、レシチンなどがあげられる。
【0110】
前記紫外線吸収剤としては、たとえばパラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチルなどがあげられる。
【0111】
前記アミノ酸としては、たとえばグリシン、アラニン、ロイシン、セリン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニンなどがあげられる。
【0112】
前記ビタミン類としては、たとえばビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸d,1−α−トコフェロール、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、d,1−α一トコフェロール、酢酸d,1−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチンなどがあげられる。
【0113】
前記ホルモン類としては、たとえばエラストラジオール、エチニルエストラジオールなどがあげられる。
【0114】
前記酸化防止剤としては、たとえばアスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどがあげられる。
【0115】
前記各種抽出液としては、たとえばシャクヤクエキス、ヘチマエキス、バラエキス、レモンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、セージエキス、茶エキス、海藻エキス、プラセンタエキス、シルク抽出液などがあげられる。
【0116】
前記皮膚軟化剤としては、たとえば尿素などがあげられる。
【0117】
前記かゆみ止めとしては、たとえばリドカイン、ジフェンヒドラミン、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸ジカリウムなどがあげられる。
【0118】
前記消炎鎮痛剤としては、たとえばサリチル酸メチル、カンフル、ジフェンヒドラミン、インドメタシン、ピロキシカム、フェルビナク、ケトプロフェン、クロタミトンなどがあげられる。
【0119】
前記収斂剤としては、たとえば酸化亜鉛、アラントインヒドロキシアルミニウム、タンニン酸、クエン酸、乳酸などがあげられる。
【0120】
前記抗炎症剤としては、たとえばアラントイン、グリシルレチン酸、アズレンなどがあげられる。
【0121】
前記局所麻酔剤としては、たとえば塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカインなどがあげられる。
【0122】
前記抗ヒスタミン剤としては、たとえば塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミンなどがあげられる。
【0123】
前記美白剤としては、たとえばアルブチン、コウジ酸などがあげられる。
【0124】
なお有効成分は単独でまたは2種以上を混合して用いることができ、前記例示されたなかでも、後述する液化ガスへの溶解性がすぐれたものの場合、液化ガスに溶解させて配合することも可能である。
【0125】
水性原液II中の有効成分の量は、その効果を充分に発揮させるには、0.05重量%以上、好ましくは0.1重量%以上であることが望ましく、またその濃度が高すぎて、有効成分の種類によっては人体へ悪影響を及ぼすおそれをなくすには、20重量%以下、好ましくは15重量%以下であることが望ましい。
【0126】
低級アルコールは、有効成分の溶解剤(溶媒)としてや、エアゾール組成物IIを噴射させた際の冷却感の付与、乾燥性の向上など、使用感を向上させたり、吐出したエアゾール組成物IIの発泡時間や、発泡の大きさ(発泡倍率)、泡質など、発泡性を調整するために用いられる成分である。
【0127】
前記低級アルコールとしては、たとえばエチルアルコール、イソプロピルアルコールなど、炭素数が2〜3の1価アルコールがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0128】
水性原液II中の低級アルコールの量は、それによる効果を充分に発現させるには、1重量%以上、好ましくは3重量%以上であることが望ましく、また水性原液IIと液化ガスとが乳化しにくくなり、泡状でなくスプレー状でエアゾール組成物IIが噴射されるおそれをなくすには、30重量%以下、好ましくは25重量%以下であることが望ましい。
【0129】
多価アルコールは、有効成分の溶解剤(溶媒)としてや、皮膚や頭髪の保湿性を向上させるなど、使用感を向上させるために用いられる成分である。
【0130】
前記多価アルコールとしては、たとえばグリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0131】
水性原液II中の多価アルコールの量は、それによる効果を充分に発現させるには、1重量%以上、好ましくは3重量%以上であることが望ましく、また乾燥性がわるくなり、使用感が低下するおそれをなくすには、20重量%以下、好ましくは15重量%以下であることが望ましい。
【0132】
前記油成分としては、水性原液IIの粘度を上昇させるなどの調整をしたり、泡の安定性をより向上させるには、常温でペースト状ないし固形状の油成分を配合することができる。
【0133】
常温でペースト状ないし固形状の油成分としては、たとえばセチルアルコール、ステアリルアルコール、べへ二ルアルコール、ミリスチルアルコール、ラノリンアルコールなどの高級アルコール;パラフィン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素;ミツロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、力ンデリラロウなどのロウ類があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0134】
また発泡物を頭髪や皮膚などに用いたとき、撥水性や艶を付与したり、櫛通りをよくするなど、使用感を向上させるには、常温で液状の油成分を配合することができる。
【0135】
常温で液状の油成分としては、たとえばメチルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどのシリコーンオイル;ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、流動パラフィン、イソパラフイン、ケロシン、スクワラン、スクワレンなどの炭化水素;ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、酢酸エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエトキシエチルなどのエステル油;ラウリルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコール;ツバキ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、アマ二油、サフラワー油、ホホバ油、ヤシ油などの油脂類があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0136】
なおノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサンなどの炭素数が5〜6の炭化水素については、発泡時間や発泡倍率などを調整するために、後述する液化ガスとともに配合してもよい。
【0137】
水性原液II中の油成分の量は、それによる効果を充分に発現させるには、0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上であることが望ましく、またべたついたり、乾燥性がわるくなるなど、使用感が低下するおそれをなくすには、20重量%以下、好ましくは10重量%以下であることが望ましい。
【0138】
前記高分子化合物は、水性原液IIの粘度を調整したり、泡の弾力性や消泡性、乾燥性など、泡質を調整する成分である。
【0139】
高分子化合物としては、たとえば力ラギーナン、ペクチン、デンプン、ゼラチン、コラーゲン、力ルボキシメチルデンプン、エチルセルロース、結晶セルロース、力ルボキシビニルポリマー、キサンタンガムなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでも、水性原液IIが増粘しやすく、乾燥性にすぐれた泡が得られるという点から、ゼラチンを用いることが好ましい。
【0140】
水性原液II中の高分子化合物の量は、それによる効果を充分に発現させるには、0.1重量%以上、好ましくは0.3重量%以上であることが望ましく、また水性原液IIの粘度が高くなりすぎて発泡性がわるくなったり、取扱い性が低下するおそれをなくすには、10重量%以下、好ましくは8重量%以下であることが望ましい。
【0141】
前記その他の添加剤としては、たとえばpH調整剤、粉体などがあげられる。
【0142】
前記pH調整剤は、水性原液IIやエアゾール組成物IIを長時間にわたって安定化させるために用いられ、エアゾール組成物IIをたとえば金属製容器内に充填する際に該金属製容器への腐食を少なくしたり、有効成分が経時的に分解されることを防止する成分である。
【0143】
pH調整剤としては、たとえば乳酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンムニウムなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0144】
前記粉体は、粉体自体が有効成分として作用したり、他の有効成分を担持する担体、保護剤、付着剤、固体潤滑剤などとして作用する成分である。
【0145】
粉体としては、たとえばタルク、酸化亜鉛、力オリン、雲母、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、シリ力、ゼオライト、セラミックパウダー、チッ化ホウ素などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0146】
水性原液II中のその他の添加剤の量は、前記界面活性剤、有効成分、低級アルコール、多価アルコール、油成分、高分子化合物などの量を考慮し、たとえば0.05〜15重量%、好ましくは0.1〜10重量%であることが望ましい。
【0147】
水性原液II中には、たとえば精製水、イオン交換水、蒸留水などの水が溶媒として含有されている。また前記低級アルコールや多価アルコールなどの水に可溶な成分も溶媒として作用する場合もある。
【0148】
水性原液II中の水の量は、通常前記界面活性剤、有効成分、低級アルコール、多価アルコール、油成分、高分子化合物、その他の添加剤の残量であり、水性原液IIが全量100重量%となるように適宜調整される。
【0149】
前記界面活性剤や、必要に応じて有効成分、油成分、高分子化合物、その他の添加剤を、水や低級アルコール、多価アルコールなどの溶媒と撹拌混合し、溶解ないし分散させることにより水性原液IIを得ることができる。なお界面活性剤や油成分などの常温でペースト状ないし固形状の成分を用いる場合には、各成分の混合物をたとえば30〜90℃程度に加温し、水性原液IIの粘度が後述する範囲をこえ、あまりにも高くなりすぎないようにすることが好ましい。とくに界面活性剤として脂肪酸のケン化物を用いる場合は、アルカリ類を最後に添加してケン化することが、水性原液IIを調製しやすいという点から好ましい。
【0150】
かくして得られる水性原液IIの25℃における粘度は、吐出後、乳化していた液化ガスが短時間で気化し、急激に発泡物の容積が増大して泡の1粒1粒が大きくなって発泡物が粗くなり、長時間にわたって安定な発泡物が形成されにくく、破泡しやすくなるおそれをなくすためには、0.05Pa・s以上、好ましくは0.07Pa・s以上であることが望ましく、また水性原液IIをたとえば前記温度範囲に加温しても粘度低下が小さく、粘性のない液化ガスと乳化させることが困難にならないようにするには、20Pa・s以下、好ましくは18Pa・s以下であることが望ましい。
【0151】
前記水性原液IIと液化ガスとを混合することにより両成分が乳化され、本発明のエアゾール製品に用いられるエアゾール組成物IIを得ることができる。
【0152】
液化ガスはエアゾール組成物IIにおける噴射剤であり、該エアゾール組成物IIを吐出したときに、水性原液IIを液膜とした、きわめて軽い安定な発泡物を形成させる成分である。
【0153】
液化ガスとしては、たとえばプロパン、n−ブタン、i−ブタンおよびこれらの混合物である液化石油ガス、ジメチルエーテル、フロン類などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。とくに、水性原液IIと乳化しやすいという点から、液化石油ガスを主成分とするものが好ましく、液化ガス中に液化石油ガスが50重量%以上含有されることが好ましい。また吐出後ゆっくりと気化し、きわめて軽く、使い勝手のよい発泡物を形成させやすいという点から、液化ガスとして、その20℃における蒸気圧が0.1〜0.5MPa、さらには0.1〜0.4MPaのものを用いることが好ましい。
【0154】
なお本発明においては、前記液化ガスとともに、加圧剤として圧縮ガスを配合してもよく、たとえばチッ素ガス、炭酸ガス、亜酸化チッ素ガス、圧縮空気などがあげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0155】
水性原液IIと液化ガスとの重量比(水性原液II/液化ガス)は、水性原液II中に液化ガスが乳化しにくくなり、エアゾール組成物IIを調製するのが困難にならないようにするとともに、水性原液IIの量が少なくなり、たとえば有効成分の効果が充分に発現されないおそれをなくすには、10/90以上、好ましくは15/85以上であることが望ましく、また発泡物の泡比重が大きくなり、たとえば頭髪用セット剤としてセットした頭髪に適用した場合、泡の自重で頭髪スタイルを乱してしまわないようにするには、60/40以下、好ましくは55/45以下であることが望ましい。このような範囲内に水性原液IIと液化ガスとの重量比を調整することで、きわめて軽く、すぐれた特性を有する発泡物が得られるだけでなく、界面活性剤として、たとえば完全にケン化されていない特定のケン化度を有する脂肪酸のケン化物(いわゆる、部分ケン化物)を用いた場合であっても、低温時にケン化されていない脂肪酸の析出を防止することができる。
【0156】
水性原液の粘度が高い場合には、たとえば前記範囲内で水性原液IIと液化ガスとの配合割合を調整したのち、これら水性原液IIおよび液化ガスを加温しながら混合して水性原液IIの粘度を低下させ、乳化してエアゾール組成物IIを得ることができる。この場合、粘度の高い水性原液IIに粘度の低い液化ガスを多量に乳化させることが可能となる。
【0157】
前記水性原液IIと液化ガスとの加温混合は、エアゾール製品とする際に用いられる耐圧性容器内に各成分を充填したのちに行なってもよく、充填前にあらかじめ行なってもよい。充填後に混合する場合には、たとえば耐圧性容器を振盪すればよく、充填前に混合する場合には、たとえば両成分を機械的に混合すればよい。
【0158】
水性原液IIおよび液化ガスを混合する際の温度は、水性原液IIの粘度が充分に低下し、液化ガスと容易に混合して乳化するように、30℃以上、好ましくは40℃以上であることが望ましく、また液化ガスの圧力上昇が大きくなりすぎ、耐圧性容器の耐圧を超えないように、80℃以下、好ましくは70℃以下であることが望ましい。
【0159】
あらかじめ水性原液IIおよび液化ガスを乳化したエアゾール組成物IIを耐圧性容器内に充填したり、または水性原液IIと液化ガスとを順次耐圧性容器内に充填し、両成分を乳化し、たとえば該耐圧性容器にエアゾールバルブ、スパウトを取り付けることにより、本発明の発泡性エアゾール製品を製造することができる。
【0160】
前記耐圧性容器にはとくに限定がなく、たとえばアルミ、ブリキなどの金属製容器、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどの樹脂製容器、ガラス製容器などを用いることができる。また前記エアゾールバルブやスパウトについては、通常の発泡性エアゾール製品に用いられているバルブやスパウトを用いることができる。
【0161】
なお、耐圧性容器に充填されるエアゾール組成物IIを低温であっても確実に吐出することができ、また吐出されたエアゾール組成物IIがゆっくりと発泡し、軽く、長時間にわたって安定な発泡物が容易に得られるようにするには、25℃での発泡性エアゾール製品の内圧が0.15MPa以上、好ましくは0.2MPa以上であることが望ましく、また高温時の製品の安全性を考慮すると、25℃での発泡性エアゾール製品の内圧が0.8MPa以下、好ましくは0.7MPa以下であることが望ましい。
【0162】
このように、本発明の発泡性エアゾール製品から吐出される吐出物は、吐出直後は表面形状が粗く、密な発泡物であるが、時間の経過とともに発泡物の形状が変化し、形状変化が停止して安定となったときに、表面形状は滑らかになり、きわめて軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐれ、しかもたとえば発泡物が安定となってから1分間以上、好ましくは2分間以上、消泡や破泡せずにその形状を保持する長時間にわたって安定な発泡物を形成することができる。
【0163】
前記発泡物の形状変化が停止したときの発泡物の25℃での泡比重は、0.001g/ml以上、好ましくは0.0015g/ml以上であり、また0.005g/ml以下、好ましくは0.0045g/ml以下である。
【0164】
また吐出直後の発泡物の泡比重と形状変化が停止したときの発泡物の泡比重との比(吐出直後の発泡物の泡比重/形状変化が停止したときの発泡物の泡比重、発泡倍率)は、1.5以上で、好ましくは2以上であることが望ましく、また10以下、好ましくは8以下であることが望ましい。
【0165】
吐出してから発泡物の形状変化が安定するまでの時間(発泡時間)は90秒間以上、好ましくは120秒間以上であることが望ましく、水性原液中に乳化している液化ガスをゆっくりと気化させ、それに伴い泡をゆっくりと増大させることで、形状が安定したときの泡比重が0.001〜0.005g/mlと非常に小さく、軽い泡となり、さらに泡の安定性および消泡時の乾燥性にすぐれたものとなる。一方、発泡時間が短いと泡比重が大きくなる傾向がある。
【0166】
さらに前記発泡物は弾力性が小さいので、該発泡物を手指で押さえたり、擦るなど、あるいは櫛やブラシでとくなどの行為により容易に消泡し、有効成分を均一に付与することができる。
【0167】
本発明の発泡性エアゾール製品は、きわめて軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐれ、綿のような感触であり、なおかつ長時間にわたって安定な発泡物を形成することができるものである。したがって、本発明の発泡性エアゾール製品は、たとえばドライ感が要求されるような頭髪用セット剤、保護剤、仕上げ剤などの頭髪用製品;殺菌・消毒剤、保護剤、制汗剤、害虫忌避剤などの人体用製品などに好適に使用することができる。
【0168】
さらに本発明の発泡性エアゾール製品は、前記発泡物が長時間にわたって安定であるので、車内や室内用の消臭剤、芳香剤、殺虫剤などとして用いることができ、発泡物が消泡してなくなることにより、発泡物に含まれる有効成分の効果がなくなったことを目視にて確認することができる。さらに本発明の発泡性エアゾール製品から得られる発泡物は、水面上に浮かべた場合であっても、発泡物はすぐに消泡せずに泡の状態を保持することができるので、入浴剤などにも好適に使用することができる。
【0169】
【実施例】
つぎに本発明のエアゾール組成物および発泡性エアゾール製品を実施例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0170】
なお以下の各製造例1〜12で得られた「水性原液」とは水性原液Iおよび水性原液IIを含み、また各実施例1〜16で得られた「エアゾール組成物」とはエアゾール組成物Iおよびエアゾール組成物IIを、「エアゾール製品」とはエアゾール組成物Iが充填されてなるエアゾール製品およびエアゾール組成物IIが充填されてなる発泡性エアゾール製品を含むものである。
【0171】
製造例1
以下に示す各成分を60℃にて充分に撹拌混合し、水性原液aを得た。
【0172】
Figure 0004917723
【0173】
得られた水性原液aの25℃における粘度をB型粘度計にて測定したところ、1.35Pa・sであった。
【0174】
またミリスチン酸とトリエタノールアミンとの反応物(脂肪酸のケン化物)のケン化度は53.6%であった。
【0175】
実施例1〜5および比較例1
前記製造例1で得られた水性原液aを60℃に加温し、これと表1に示す液化ガスとを、透明なガラス製エアゾール用耐圧容器(満注量:100ml)内に表1に示す割合で順次充填し、エアゾールバルブおよびスパウトを嵌着してエアゾール組成物が充填されたエアゾール製品を得た。なお、25℃におけるエアゾール製品の内圧は0.21〜0.43MPaであった。
【0176】
表1中および後述する液化ガスの略号は、以下のとおりである。
LPG−1:液化石油ガス(20℃における蒸気圧:0.19MPa)
LPG−2:液化石油ガス(20℃における蒸気圧:0.39MPa)
LPG−3:液化石油ガス(20℃における蒸気圧:0.45MPa)
LPG−4:液化石油ガス(20℃における蒸気圧:0.34MPa)
DME:ジメチルエーテル(20℃における蒸気圧:0.48MPa)
【0177】
【表1】
Figure 0004917723
【0178】
製造例2〜12
表2に示す各成分を60℃にて充分に撹拌混合し、水性原液b〜lを得た。
【0179】
得られた水性原液b〜lの25℃における粘度(Pa・s)をB型粘度計にて測定した。その結果を表2に示す。
【0180】
また脂肪酸とトリエタノールアミンとの反応物(脂肪酸のケン化物)のケン化度(%)も併せて表2に示す。
【0181】
なお表2中の各略号は以下のとおりである。
Figure 0004917723
【0182】
【表2】
Figure 0004917723
【0183】
実施例6〜16
前記製造例2〜12で得られた水性原液b〜lを60℃に加温し、これとLPG−1とを、実施例1〜5および比較例1と同じエアゾール用耐圧容器内に、両者の割合が水性原液/LPG−1(重量比)=30/70となるように順次充填し、エアゾールバルブおよびスパウトを嵌着してエアゾール組成物が充填されたエアゾール製品を得た(実施例6〜16は順に水性原液b〜lに対応)。なお、25℃におけるエアゾール製品の内圧は0.21〜0.23MPaであった。
【0184】
比較例2(従来のトリートメントフォーム)
以下に示す各成分を25℃にて充分に撹拌混合し、水性原液を得た。
【0185】
Figure 0004917723
【0186】
得られた水性原液の25℃における粘度をB型粘度計にて測定したところ、0.05Pa・s以下であった。
【0187】
前記水性原液とLPG−3とを、実施例1〜16および比較例1と同じエアゾール用耐圧容器内に、両者の割合が水性原液/LPG−3(重量比)=93/7となるように順次充填し、エアゾールバルブおよびスパウトを嵌着してエアゾール組成物が充填されたエアゾール製品を得た。なお、25℃におけるエアゾール製品の内圧は0.46MPaであった。
【0188】
比較例3(従来のシェービングフォーム)
以下に示す各成分を60℃にて充分に撹拌混合し、水性原液を得た。
【0189】
Figure 0004917723
【0190】
得られた水性原液の25℃における粘度をB型粘度計にて測定したところ、0.05Pa・s以下であった。また脂肪酸(ミリスチン酸およびステアリン酸)とアルカリ類(トリエタノールアミンおよび水酸化カリウム)との反応物のケン化度は105.1%であった。
【0191】
前記水性原液とLPG−4とを、実施例1〜16および比較例1と同じエアゾール用耐圧容器内に、両者の割合が水性原液/LPG−4(重量比)=95.5/4.5となるように順次充填し、エアゾールバルブおよびスパウトを嵌着してエアゾール組成物が充填されたエアゾール製品を得た。なお、25℃におけるエアゾール製品の内圧は0.37MPaであった。
【0192】
比較例4(従来のクラッキングフォーム)
以下に示す各成分を25℃にて充分に撹拌混合し、水性原液を得た。
【0193】
Figure 0004917723
【0194】
得られた水性原液の25℃における粘度をB型粘度計にて測定したところ、0.05Pa・s以下であった。
【0195】
前記水性原液とLPG−1とを、実施例1〜16および比較例1と同じエアゾール用耐圧容器内に、両者の割合が水性原液/LPG−1(重量比)=30/70となるように順次充填し、エアゾールバルブおよびスパウトを嵌着してエアゾール組成物が充填されたエアゾール製品を得た。なお、25℃におけるエアゾール製品の内圧は0.21MPaであった。
【0196】
前記実施例1〜16および比較例1〜4の各エアゾール製品を25℃の恒温水槽内にて30分間保持し、エアゾール製品を25℃の状態にしてからエアゾール組成物を吐出させ、得られた吐出物の特性を以下の方法にて調べた。その結果を表3および表4に示す。
【0197】
なお比較例4のエアゾール組成物は、破泡が速く、泡比重については測定することができなかった。
【0198】
(イ)泡比重
(i)吐出直後の泡比重
容積100mlのカップ状の容器内に、エアゾール組成物を吐出させて泡を充填してその重量を測定し、25℃における吐出直後の泡比重(g/ml)を算出した。
【0199】
(ii)安定時の泡比重
前記エアゾール組成物を吐出後、30秒間経過ごとに泡の容積を100mlに調整して泡の重量を測定し、泡の容積増大がなくなった時点(形状変化が停止したとき)の泡比重を安定時の泡比重(g/ml)とした。
【0200】
(iii)発泡倍率
前記吐出直後の泡比重と安定時の泡比重との比(吐出直後の泡比重/安定時の泡比重)を算出し、安定時の泡の発泡倍率(倍)とした。
【0201】
(iv)発泡時間
前記エアゾール組成物の吐出から安定時までの時間を発泡時間(秒)とした。なお吐出直後と30秒間経過後との泡の容積に差がないときは、発泡時間を30秒以内とした。
【0202】
(ロ)安定性
エアゾール組成物をガラス製のシャーレ内に吐出させて得られた泡を25℃で放置し、破泡や消泡の有無を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて安定性を評価した。
【0203】
(評価基準)
◎:泡が安定となり、消泡や破泡が確認されるまでの時間(安定時間)が2分間以上である。
○:安定時間が1分間以上、2分間未満である。
△:吐出してから1分間後には泡の一部が消泡し、液状化する。
×:吐出直後に破泡および消泡し、泡のほとんどが液状化する。
【0204】
(ハ)乾燥性
エアゾール組成物をペーパータオル(商品名:キムタオル、(株)クレシア製)に吐出させて得られた泡を25℃で10秒間放置したのち、手指でせん断を加えて消泡させ、以下の評価基準に基づいて乾燥性を評価した。
【0205】
(評価基準)
◎:完全に乾燥してさらさらしており、ペーパータオルにしみ込んだ形跡がない。
○:ペーパータオルにわずかにしみ込んだ形跡が認められるが、手指に濡れた感覚はない。
△:ペーパータオルにしみ込んだ形跡が認められ、手指に少し濡れた感覚がある。
×:ペーパータオルにかなりしみ込んでおり、手指も濡れている。
【0206】
【表3】
Figure 0004917723
【0207】
【表4】
Figure 0004917723
【0208】
表3および表4に示された結果から、実施例1〜16で得られたエアゾール組成物を吐出させて得られた泡は、いずれも吐出後ゆっくりと発泡してその容積が増大し、泡の形状変化が安定するまで120秒以上要している。また安定時の泡の発泡倍率は2.1倍以上で、泡比重は約0.002〜0.004g/mlときわめて小さく、泡はすぐに消泡や破泡せずに安定であり、さらに泡にせん断を加えて消泡させたとき、消泡部分での乾燥性にすぐれていることがわかる。
【0209】
一方、発泡時間が60秒間と短く、短時間で泡の形状変化が安定する比較例1では、泡の発泡倍率が小さく、安定時の泡比重が0.0072g/mlと大きくなる。また泡の安定性はよいものの、乾燥性に劣るものである。
【0210】
さらに比較例2〜3の従来のエアゾール組成物は、吐出後さらに短時間で泡が安定し、泡比重はきわめて大きく、比較例4のエアゾール組成物にいたっては、破泡が速すぎて泡比重の測定ができなかった。また泡の安定性および乾燥性がともにわるく、実施例1〜16のエアゾール組成物から得られる泡とは対称的な特性を有するものであることがわかる。
【0211】
【発明の効果】
本発明のエアゾール組成物は、多量の液化ガスが水性原液に乳化しているにもかかわらず、長時間にわたって安定な発泡物を形成することができるものである。
【0212】
したがって本発明のエアゾール組成物が充填されたエアゾール製品は、たとえばドライ感が要求されるような頭髪用セット剤、保護剤、仕上げ剤などの頭髪用製品;殺菌・消毒剤、保護剤、制汗剤、害虫忌避剤などの人体用製品などに好適に使用することができる。
【0213】
また本発明の発泡性エアゾール製品は、吐出直後は表面形状が粗く、密な発泡物であるが、時間の経過とともに発泡物の形状が変化し、形状変化が停止して安定となったときに、表面形状は滑らかになり、きわめて軽く、弾力性も小さく、乾燥性にすぐれ、しかも長時間にわたって安定な発泡物を形成することができるものである。
【0214】
したがって、本発明の発泡性エアゾール製品は、たとえばドライ感が要求されるような頭髪用セット剤、保護剤、仕上げ剤などの頭髪用製品;殺菌・消毒剤、保護剤、制汗剤、害虫忌避剤などの人体用製品などに好適に使用することができる。
【0215】
さらに本発明の発泡性エアゾール製品は、前記発泡物が長時間にわたって安定であるので、車内や室内用の消臭剤、芳香剤、殺虫剤などとして用いることができ、発泡物が消泡してなくなることにより、発泡物に含まれる有効成分の効果がなくなったことを目視にて確認することができる。
【0216】
さらに本発明の発泡性エアゾール製品から得られる発泡物は、水面上に浮かべた場合であっても、発泡物はすぐに消泡せずに泡の状態を保持することができるので、入浴剤などにも好適に使用することができる。

Claims (5)

  1. 陰イオン性界面活性剤を含有した水性原液と液化ガスとが乳化したエアゾール組成物であって、前記陰イオン性界面活性剤が、脂肪酸類とアルカリ類との反応物である脂肪酸のケン化物であって、ケン化度が40〜90%であり、水性原液と液化ガスとの重量比(水性原液/液化ガス)が10/90〜60/40であり、25℃での泡比重が0.001〜0.005g/mlである発泡物を形成するエアゾール組成物。
  2. 水性原液中の陰イオン性界面活性剤の量が3〜20重量%である請求項記載のエアゾール組成物。
  3. 水性原液中に乳化補助剤が0.1〜10重量%含まれる請求項1または2記載のエアゾール組成物。
  4. 界面活性剤を含有した水性原液と液化ガスとが乳化したエアゾール組成物を耐圧性容器内に充填してなる発泡性エアゾール製品であって、前記界面活性剤が陰イオン性界面活性剤であり、かつ、前記陰イオン性界面活性剤が、脂肪酸類とアルカリ類との反応物である脂肪酸のケン化物であって、ケン化度が40〜90%であり、水性原液と液化ガスとの重量比(水性原液/液化ガス)が10/90〜60/40であって、
    該発泡性エアゾール製品からの吐出物が経時的に形状変化する発泡物を形成し、該発泡物の形状変化が停止したときの発泡物の25℃での泡比重が0.001〜0.005g/mlである発泡性エアゾール製品。
  5. 吐出直後の発泡物の泡比重と形状変化が停止したときの発泡物の泡比重との比(吐出直後の発泡物の泡比重/形状変化が停止したときの発泡物の泡比重)が1.5以上である請求項記載の発泡性エアゾール製品。
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