JP4915445B2 - 車両駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に搭載された駆動力源の制御装置、特に、駆動力源の駆動力を制御することで車両の燃費向上を図るようにした車両駆動力制御装置に関するものである。
近年、自動車業界に於いて燃料消費量の削減、すなわち燃費改善に向けた取り組みが進められている。燃費改善を実現するためには無駄な燃料消費をしないこと等が知られており、例えば、特許文献1には、ドライバーが省燃費モードを選択することで、通常モード選択時に比べてエンジン出力特性を低下させるように制御し、車両の発進等の加速時に必要以上の燃料が消費されるのを防ぐようにした技術が開示されている。
しかし、特許文献1に開示された技術によって燃料消費が低減されることにより、車両の発進シーン及び加速シーンに於いて、ドライバーの思い描く加速度が得られない場合、ドライバーは違和感を抱いてしまい、この違和感を解消するためにアクセルの踏み増しが生じ、かえって燃料消費量が増加するという問題があった。この問題に対して本出願人は、アクセル開度と駆動力の特性に基づいて得られる駆動力を基準値として、アクセルを踏み込んでからの経過時間、もしくは車速の増加に伴って前記駆動力を漸次減少させる目標駆動力を算出し、この目標駆動力に基づいてスロットルバルブ、インジェクタ等の駆動力制御装置を制御することで、無駄な燃料消費を抑え、車両の発進シーン及び加速シーン等の燃費を向上させる車両駆動力制御装置を提案している(特許文献2参照)。
特許3872507号公報 特願2009−135057号明細書
一般に、登坂路を走行中は平坦路に比べ勾配抵抗が増加するため、平坦路走行時の速度を維持した状態で登坂路を走行するには、この増加した勾配抵抗分に相当する駆動力が必要である。特許文献2に記載の車両駆動力制御装置は、発進時及び加速時にアクセルペダルを踏み込み過ぎ、アクセルを踏むたびに無駄な燃料消費を繰り返す、という運転経験の浅いドライバーや運転技術が低いドライバーの特徴に基づき、アクセルを踏み込んでからの経過時間の増加に伴って駆動力を漸次減少させることで、この無駄な燃料消費を減らし、燃費改善を実現させるものである。したがって、特許文献2に記載の車両駆動力制御装置による制御のもと、平坦路走行時の速度を維持した状態で登坂路を走行しようと思い、ドライバーがアクセルを踏んだとしても、従来に比べ駆動力が減少していることから、意図する駆動力が得られず、それゆえ速度を維持することができなくなり、ドライバーが違和感を抱いてしまう。このため、アクセルの踏み増しが生じ、過度にアクセルを踏み込み、かえって燃料消費量が増加するという問題があった。
また、特許文献2に記載の車両駆動力制御装置は、シフトダウン等のシフトチェンジやカーブ走行時のステアリング操作等のドライバーの運転操作を考慮せずに、アクセルを踏み込んでからの経過時間、もしくは車速の増加に伴って目標駆動力を漸次減少させた駆動力に基づいて駆動力制御装置を制御するものである。このため、ドライバーがシフトダウンし、意図的に加速しようとしている場合に於いて、特許文献2の技術を適用していないものと同じアクセル踏み込み量では、ドライバーの意図する加速感が得られず、ドライバーが違和感を抱いてしまう。このときも、アクセルの踏み増しが生じ、過度にアクセルを踏み込み、かえって燃料消費量が増加するという問題があった。さらに、カーブを走行する際、ドライバーは道路のカーブ度合いに応じて、アクセル操作とステアリング操作とのバランスを保持しながら走行するが、特許文献2に記載の車両駆動力制御装置による制御のもとでは、この道路のカーブ度合いを考慮しておらず、走行する道路が直線に近いゆるいカーブであろうときついカーブであろうと同じ制御を行っていることから、例えば、きついカーブにさしかかりアクセル操作をしたとしても、意図する駆動力が得られない場合がある。この場合、アクセル操作とステアリング操作とのバランスが崩れ、ドライバーが違和感を抱いてしまうという問題もあった。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、登坂路等の走行環境が変化した場合やシフトチェンジ等のドライバーの意思に即した運転操作をした場合であっても、ドライバーの意図する加速感が得られ、かつ燃費を向上させる車両駆動力制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る車両駆動力制御装置は、アクセル開度を検出するアクセル開度センサと、前記アクセル開度に基づきアクセルペダル踏み込み開始後の経過時間を算出する経過時間算出手段と、前記アクセル開度と駆動力源の駆動力との関連特性に基づいて第1の駆動力を算出し、前記第1の駆動力の値を基準として、前記経過時間の増加に伴って漸次減少する第2の駆動力を算出する駆動力算出手段と、前記第1の駆動力または第2の駆動力のうち、いずれの駆動力を目標駆動力とするかを判定する目標駆動力判定手段と、少なくとも前記目標駆動力判定手段により得られた目標駆動力に基づいて駆動力操作量を算出する駆動力操作量算出手段と、前記駆動力操作量に基づいて前記駆動力源の駆動力を制御する駆動力制御手段とを備えるようにしたものである。
また、本発明に係る車両駆動力制御装置は、アクセル開度を検出するアクセル開度センサと、自車の車速を検出する車速センサと、前記アクセル開度に基づきアクセル操作が開始されたかどうかを判定するアクセル操作開始判定手段と、前記アクセル開度と駆動力源の駆動力との関連特性に基づいて第1の駆動力を算出し、前記第1の駆動力の値を基準として、前記アクセル操作開始判定手段により判定されたアクセル操作開始時点からの車速の増加に伴って漸次減少する第2の駆動力を算出する駆動力算出手段と、前記第1の駆動力または第2の駆動力のうち、いずれの駆動力を目標駆動力とするかを判定する目標駆動力判定手段と、少なくとも前記目標駆動力判定手段により得られた目標駆動力に基づいて駆動力操作量を算出する駆動力操作量算出手段と、前記駆動力操作量に基づいて前記駆動力源の駆動力を制御する駆動力制御手段とを備えるようにしたものである。
本発明によれば、アクセル開度と駆動源の駆動力との関連特性に基づいて算出された第1の駆動力、または、前記第1の駆動力の値を基準として、アクセルペダル踏み込み開始後の経過時間の増加に伴って漸次減少する第2の駆動力のうち、いずれの駆動力を目標駆動力とするかを判定するようにしたので、走行環境が変化した場合やドライバーの運転操作をした場合であっても、ドライバーの意図する加速度が得られ、かつ燃費を向上させる車両駆動力制御装置を提供することができる。
また本発明によれば、アクセル開度と駆動源の駆動力との関連特性に基づいて算出された第1の駆動力、または、前記第1の駆動力の値を基準として、アクセル操作開始判定手段により判定されたアクセル操作開始時点からの車速の増加に伴って漸次減少する第2の駆動力のうち、いずれの駆動力を目標駆動力とするかを判定するようにしたので、走行環境が変化した場合やドライバーの運転操作をした場合であっても、ドライバーの意図する加速度が得られ、かつ燃費を向上させる車両駆動力制御装置を提供することができる。
この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置の動作を説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置に於ける駆動力算出手段内で実行される処理を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置に於ける重み付け値ωの特性を示すグラフである。 この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置に於けるアクセル開度θと駆動力Pの関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置に於ける目標駆動力判定手段内で実行される処理を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2による車両駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による車両駆動力制御装置の動作を説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2による車両駆動力制御装置に於ける駆動力算出手段内で実行される処理動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2による車両駆動力制御装置に於ける重み付け値ωの特性を示すグラフである。 この発明の実施の形態2の別の形態による車両駆動力制御装置の動作を説明するタイミングチャートである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る車両駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。図1に於いて、アクセル開度センサ101は、アクセル(図示せず)の踏み込み量に対応したアクセル開度θを検出する。アクセル開度θは、アクセルを踏み込んだ割合を示すものであり、例えば、アクセルを踏んでいない状態ではθ=0、アクセルを最も踏み込んだ状態ではθ=100%である。経過時間算出手段としての踏込み経過時間算出手段102は、アクセル開度センサ101により検出したアクセル開度θに基づき、アクセルペダル踏み込み開始後の経過時間trを算出する。具体的には、アクセル開度θ=0で、アクセルを踏んでいない状態、すなわちアクセルペダルから足が離れている状態では、経過時間tr=0である。次に、アクセル開度θ=0の状態からアクセルを踏むことで、アクセル開度θは増加し、この時点を基準とした経過時間trが算出される。また、アクセル開度θx(θx≠0)の状態からアクセルをさらに踏み込んだ場合、この時点でアクセルペダルの踏み込みが開始されたことから、この時点を新たな基準とし、経過時間trが算出される。アクセル開度変化量算出手段103は、アクセル開度センサ101により検出したアクセル開度θに基づき、その変化量としてのアクセル開度変化量δθを算出する。具体的には、アクセルを踏み込んだ時点から所定時間T(例えば、0.5秒)内に於けるアクセル開度θの変化量を算出する。なお、アクセルを踏み戻した場合は、δθ<0となるが、このときは、ドライバーの加速したいという意思がないことから、便宜上、δθ<0の場合は、δθ=0とする。
車速センサ104は、自車の車速Vsを検出し、舵角センサ105は、自車のステアリングの操舵角の情報を検出する。走行抵抗算出手段106は、車両が走行する際に路面や空気などから受ける走行抵抗を算出する。ここで、車両の走行抵抗は、登坂路など勾配のある道を走行中に生じる勾配抵抗、車両重量に比例して生じるころがり抵抗、車速の2乗に比例して生じる空気抵抗、車両の加速度に比例して生じる加速抵抗の4つに大別され、例えば、加速走行している車両の加速度>0であることから、加速抵抗>0であり、このときの車両駆動力は、定速走行に必要な駆動力と車両が加速するのに必要な駆動力(余裕駆動力)を合わせた駆動力に等しい。また、定速走行している車両の加速度=0であることから、加速抵抗=0であり、このときの車両駆動力は、定速走行に必要な駆動力に等しい。そして、余裕駆動力は、加速抵抗に等しく、定速走行に必要な駆動力は、加速抵抗を除いた走行抵抗に等しいことから、以降では走行抵抗を基準とした値として、加速抵抗を除いた走行抵抗、すなわち、勾配抵抗、ころがり抵抗および空気抵抗を合わせたものを走行抵抗Aと表記する。走行抵抗Aのうち、勾配抵抗は、例えば、ナビゲーションシステムを利用することで取得可能な道路勾配を用いて算出され、ころがり抵抗は、車両重量を用いて算出され、空気抵抗は、車速センサ104により検出した車速Vsを用いて算出される。道路曲率算出手段107は、車速センサ104により検出した車速Vsおよび舵角センサ105により検出した操舵角情報に基づき、走行中の道路のカーブ度合い、すなわち道路曲率の絶対値を算出する。なお、道路曲率の絶対値は、車速Vsおよび操舵角情報以外にも、前述のナビゲーションシステムを利用することで取得しても構わない。最後に、トランスミッションECU108は、車両に搭載されるトランスミッション(変速機、図示せず)の変速比を制御するものであり、その詳細説明は省略するが、トランスミッションの変速比情報を出力する。
駆動力算出手段109は、後述する方法によって、アクセル開度センサ101により検出したアクセル開度θ、踏込み経過時間算出手段102により算出した経過時間trに基づき、第1の駆動力P1と第2の駆動力P2を算出する。目標駆動力判定手段110は、アクセル開度変化量算出手段103により算出したアクセル開度変化量δθ、走行抵抗算出手段106により算出した走行抵抗A、道路曲率算出手段107により算出した道路曲率の絶対値、トランスミッションECU108により得られたトランスミッションの変速比に基づき、駆動力算出手段109により算出した第1の駆動力P1、第2の駆動力P2のうち、いずれの駆動力を目標駆動力Ptとするかを判定する。駆動力操作量算出手段111は、少なくとも目標駆動力判定手段110により判定した目標駆動力Ptに基づき、駆動力操作量Qを算出する。
なお、駆動力源は、エンジンのみにより構成されている場合のほか、ハイブリッド車のようにエンジンと電動機とにより構成されている場合も含む。又、駆動力操作量算出手段111は、目標駆動力Ptだけでなく、駆動力源の回転数、ハイブリッド車のように駆動力を電動機によりアシストする場合はその電動機によるアシスト駆動力等に基づき、駆動力操作量Qを算出するようにしてもよい。
駆動力制御手段112は、駆動力操作量算出手段111により算出した駆動力操作量Qに基づき、駆動力源の駆動力を制御する。具体的には、駆動力制御手段112は、例えば、ガソリンエンジン搭載車の場合ではスロットルバルブの開度と吸気バルブのリフト量及び開閉タイミングを制御し、ディーゼルエンジン搭載車の場合ではインジェクタの燃料噴射量及び燃料噴射タイミングを制御し、駆動力源の駆動力を制御する。さらに、ハイブリッド車や電気自動車の場合では、電動機への供給電力を制御し、駆動力源の駆動力を制御する。
次に、以上のように構成されたこの発明の実施の形態1に係る車両駆動力制御装置のうち、駆動力算出手段109と目標駆動力判定手段110の動作について説明する。図2は、この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置の動作を説明するタイミングチャートであり、横軸は時間t、縦軸はそれぞれ(a)アクセル開度θ、(b)第1の駆動力P1、(c)経過時間tr、(d)第2の駆動力P2、(e)走行抵抗A、(f)トランスミッションの変速比、(g)目標駆動力Ptである。なお、比較のため、図2(d)には、図2(c)で示した第1の駆動力P1が細線で示されており、図2(e)には、図2(d)で示した第2の駆動力P2が細線で示されている。図2には、走行抵抗Aに関して、アクセル開度θがθ=θaの状態で平坦路を定速走行している車両が、時点t1に於いて車両が登坂路にさしかかり、勾配抵抗が増加することで走行抵抗Aが増加し、時点taに於いて走行抵抗Aが第2の駆動力P2より大きくなり、時点t10以降に於いて登坂路の勾配が緩やかになり、勾配抵抗が減少することで走行抵抗Aが減少し、時点tbに於いて走行抵抗Aが第2の駆動力P2より小さくなることが示されている。また、トランスミッションの速度比に関して、時点tcから時点t6の間に於いて、ドライバーが意図的に加速しようとシフトダウンしたことで、トランスミッションの変速比が所定値(β)以上となることが示されている。なお、図2(f)には、トランスミッションの変速比が段階的に変化するAT車の場合について示したが、AT車の場合に限らず、MT車やトランスミッションの変速比が連続的に変化するCVT車の場合についても同様、トランスミッションの変速比に基づき、目標駆動力を判定してもよい。
駆動力算出手段109は、以下に述べる処理により第1の駆動力P1、第2の駆動力P2を算出する。図3は、駆動力算出手段109内で実行される処理を説明するためのフローチャートである。図3に示す処理は、所定時間T毎に繰り返して行なわれる。
図3に於いて、ステップ301ではアクセル開度センサ101により検出したアクセル開度θを取得する。ステップ302では、踏込み経過時間算出手段102にて算出した経過時間trを取得する。具体的には、例えば、図2(a)のアクセル開度θに対して、経過時間trは図2(c)に示すような形で得られ、アクセル開度θ>0の区間のうち、時点t1から時点t2までは、θ=θaからθ>θaになった時点t1を基準とした経過時間trが算出され、時点t3から時点t4または時点t5から時点t6までは、ともにθ=0からθ>0になった時点、すなわち時点t3または時点t5を基準とした経過時間trが算出される。また、アクセル開度θ=0の区間、すなわち時点t2から時点t3、時点t4から時点t5まで、および時点t6以降ではtr=0である。
ステップ303では、ステップ302で取得した経過時間trから、下記の式(1)に基づき、重み付け値ωを算出する。図4は、重み付け値ωの特性を示すグラフである。図4に示すように、重み付け値ωは、経過時間trに比例する特性を備えている。
Figure 0004915445
ただし、Cは定数であり、重み付け値ωの値が0≦ω≦1の範囲内となるように設定される。
ステップ304では、ステップ301で取得したアクセル開度θから、下記の式(2)に基づいて第1の駆動力P1を算出し、ステップ305では、アクセル開度θおよびステップ303で算出した重み付け値ωから、下記の式(3)に基づいて第2の駆動力P2を算出する。
Figure 0004915445
Figure 0004915445
ここで、f(θ)は特性fで与えられる駆動力、f(θ)は特性fで与えられる駆動力、Δは駆動力f(θ)とf(θ)との偏差である。特性fは、アクセル開度θと駆動力源の駆動力Pとの関連特性であり、例えば、通常運転に適合するように設計された特性である。特性fは、特性fよりも駆動力が抑制され、低燃費性を重視した特性である。図5は、特性fおよび特性fで与えられる駆動力f(θ)およびf(θ)の例を示したグラフである。式(1)、式(3)および図4から、第2の駆動力P2は、第1の駆動力P1の値を基準に、経過時間trの増加に伴って漸次減少する値となっていることが分かる。
目標駆動力判定手段110は、登坂路等の走行環境が変化した場合やシフトチェンジ等のドライバーの意思に即した運転操作をした場合であってもドライバーの意図する加速感が得られ、無駄な燃料消費を抑える制御を可能とする目標駆動力Ptの判定を行う。図6は、目標駆動力判定手段110内で実行される処理を説明するためのフローチャートである。図6に示す処理は、図3に示した駆動力算出手段109と同じ所定時間T毎に繰り返して行なわれる。
図6に於いて、ステップ601では走行抵抗算出手段106により走行抵抗Aを取得し、ステップ603ではトランスミッションECU108よりトランスミッションの変速比を取得する。ステップ604ではアクセル開度変化量算出手段103により算出したアクセル開度変化量δθを取得する。
ステップ605では、ステップ601で取得した走行抵抗Aが第2の駆動力P2より大きいか否かを判定し、走行抵抗Aが大きいと判定した場合はステップ609へ進み、それ以外の場合はステップ606へ進む。図2の例では、時点t1に於いて車両が登坂路にさしかかり、その後、時点taから時点tbの間に於いて、走行抵抗Aの一つである勾配抵抗が増加した結果、走行抵抗Aが第2の駆動力P2より大きくなり、ステップ609へ進む。
ステップ606では、ステップ602で取得した道路曲率の絶対値が所定値(α)以上であるか否かを判定し、道路曲率の絶対値がα以上であると判定した場合はステップ609へ進み、それ以外の場合はステップ607へ進む。
ステップ607では、ステップ603で取得したトランスミッションの変速比が所定値(β)以上であるか否かを判定し、トランスミッションの変速比がβ以上であると判定した場合はステップ609へ進み、それ以外の場合はステップ608へ進む。図2の例では、時点tcから時点t6の間に於いて、ドライバーが意図的に加速しようとシフトダウンしたことで、トランスミッションの変速比がβ以上となり、ステップ609へ進む。
ステップ608では、ステップ604で取得したアクセル開度変化量δθが所定値(γ)以上であるか否かを判定し、アクセル開度変化量δθがγ以上であると判定した場合はステップ609へ進み、それ以外の場合はステップ610へ進む。ステップ609へ進むと、駆動力算出手段109で算出した第1の駆動力P1を目標駆動力Ptと判定する。ステップ610に進むと、駆動力算出手段109で算出した第2の駆動力P2を目標駆動力Ptと判定する。
以上のように、目標駆動力判定手段110では、走行抵抗Aが第2の駆動力P2より大きいか否か、および道路曲率の絶対値、トランスミッションの変速比、アクセル開度変化量δθが各々設定された所定値(α、β、γ)以上であるか否かを判定し、その判定に基づいて第1の駆動力P1、第2の駆動力P2のうち、いずれの駆動力を目標駆動力Ptとするかを判定し、出力する。図2の例では、時点taから時点tbの間に於いて、走行抵抗Aが第2の駆動力P2より大きいとの判定に基づき、第1の駆動力P1を目標駆動力Ptと判定し、また時点tcから時点t6の間に於いて、トランスミッションの変速比がβ以上であるとの判定に基づき、第1の駆動力P1を目標駆動力Ptと判定することで、これらのときの目標駆動力Ptを、図2(g)に示すように適切に制御することができる。
なお、この発明の実施の形態1では、走行抵抗Aが第2の駆動力P2より大きいか、および道路曲率の絶対値、トランスミッションの変速比、アクセル開度変化量δθのいずれかが各々の所定値(α、β、γ)以上であれば、第1の駆動力P1を目標駆動力Ptと判定する場合について示したが、目標駆動力Ptの判定はこれに限られるものではなく、走行抵抗Aが第2の駆動力P2より大きく、さらに道路曲率の絶対値、トランスミッションの変速比、アクセル開度変化量δθのすべてが各々の所定値(α、β、γ)以上の場合にのみ、第1の駆動力P1を目標駆動力Ptと判定してもよいし、走行抵抗Aが第2の駆動力P2より大きいか否かの判定のみで、目標駆動力Ptの判定を行ってもよい。
以上述べたように、この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置によれば、アクセル開度と駆動力源の駆動力との関連特性に基づいて算出された第1の駆動力、または、前記第1の駆動力の値を基準として、アクセルペダル踏み込み開始後の経過時間の増加に伴って漸次減少する第2の駆動力のうち、走行環境の変化やドライバーの運転操作に基づいて、いずれの駆動力を目標駆動力とするかを判定するようにしたので、走行環境が変化した場合やドライバーの意思に即した運転操作をした場合に於いても、目標駆動力を適切に制御することができることから、ドライバーの意図する加速感が得られ、かつ燃費を向上させる車両駆動力制御装置を提供することができる。
また、この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置によれば、走行抵抗Aが第2の駆動力よりも大きい場合、第1の駆動力を目標駆動力とすることで、例えば、車両が平坦路を走行中、登坂路にさしかかり、勾配抵抗を含む走行抵抗Aが第2の駆動力よりも大きくなった場合であっても、平坦路での無駄な燃料消費を抑えつつ、登坂路でドライバーの意図する加速感が得られるので、アクセルの踏み増しを防ぐことができる。
また、この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置によれば、道路曲率の絶対値が所定値以上であれば、第1の駆動力を目標駆動力とすることで、例えば、ドライバーがきついカーブにさしかかり、アクセル操作をした場合であったとしても、道路のカーブ度合いを考慮に入れた適切な駆動力を目標駆動力とすることが可能となり、ドライバーの意図する加速感が得られる車両駆動力制御装置を提供することができる。
また、この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置によれば、トランスミッションの変速比が所定値以上であれば、第1の駆動力を目標駆動力とすることで、例えば、ドライバーが意図的に加速しようとシフトダウンした場合であっても、ドライバーの意図すする加速感が得られる車両駆動力制御装置を提供することができる。なお、トランスミッションの変速比が所定値未満であっても、例えば、高速道路での本線への合流シーンや先行車の追い越しシーン等に於いては、ドライバーは大きな加速を必要としており、このドライバーの加速したいという意思は、方向指示器等による進路変更意思を検出することにより得られる。このことから、方向指示器等による進路変更意思の検出結果に基づいて、第1の駆動力を目標駆動力とすることで、ドライバーの意図する加速感が得られる車両駆動力制御装置を提供することができる。
さらに、この発明の実施の形態1による車両駆動力制御装置によれば、アクセル開度変化量が所定値以上であれば、第1の駆動力を目標駆動力とすることで、例えば、ドライバーが加速感を得たいと想定される車両の加速シーン等に於いて、ドライバーの意図する加速感が得られる車両駆動力制御装置を提供することができる。
なお、この発明の実施の形態1に於いては、アクセル開度変化量が所定値以上であれば、第1の駆動力を目標駆動力とする場合について示したが、アクセル開度変化量はドライバーの加速したいという意思を反映した値であることから、上述のアクセル開度変化量に関する判定を行う代わりに、アクセル開度変化量に基づいて重み付け値ωを算出してもよい。具体的には、図4に示すように、アクセル開度変化量δθが大きいほど重み付け値ωの傾きCを小さくする、すなわち、重み付け値ωがアクセル開度変化量δθに反比例するようにする。このように、アクセル開度変化量δθが大きいほど重み付け値ωを小さくすることで、ドライバーのアクセル操作に対して適切に第2の駆動力P2を制御することが可能となり、ドライバーの意図する加速感が得られ、かつ燃費を向上させる車両駆動力制御装置を提供することができる。なお、所定値(γ)以上の場合、重み付け値ωの傾きCを0にすることで、前述のアクセル開度変化量に基づく目標駆動力の判定処理と等価の処理を行うことが可能である。
なお、この発明の実施の形態1に係る車両駆動力制御装置の目標駆動力判定手段110に於いては、図2(g)に示すように、走行環境やドライバーのアクセル操作に応じた目標駆動力が判定される。しかし、時点ta、時点tcの前後ではアクセル開度θが一定で、さらに時点ta、時点tcでは第2の駆動力を選択している状態から第1の駆動力を選択する状態に変化し、目標駆動力が不連続となり、両者の差分が大きいほどドライバーに違和感を与える可能性が高くなる。このとき、目標駆動力が不連続に変化するのを防ぐために、例えば、図2(g)の破線A、破線Cに示すように線形補間することで、第2の駆動力を選択している状態から第1の駆動力を選択する状態へ徐々に変化させるように制御してもよい。このように、線形補間等の各種補間により、目標駆動力が連続的に変化するように制御することにより、ドライバーに違和感を与えないようにすることが可能となる。また、時点tbの前後ではアクセル開度θが一定で、さらに時点tbでは第1の駆動力を選択している状態から第2の駆動力を選択する状態に変化するが、このときも上記と同様、目標駆動力が不連続に変化するのを防ぐために、例えば、図2(g)の破線Bに示すように線形補間することで、第1の駆動力を選択している状態から第2の駆動力を選択する状態へ徐々に変化するように制御してもよい。このように、線形補間等の各種補間により、目標駆動力が連続的に変化するように制御することにより、ドライバーに違和感を与えないようにすることが可能となる。
また、この発明の実施の形態1に係る車両駆動力制御装置の踏込み経過時間算出手段102に於いては、アクセル開度θに基づくドライバーのアクセル操作に応じて経過時間trが算出され、例えば、図2(c)に示すように、アクセルペダルから足を離した時点t2に於いて、アクセル開度θがθ>0からθ=0になり、経過時間trはtr>0からtr=0となることを示している。なお、アクセルペダルから足を離す直前の第2の駆動力をP2a(経過時間tr>0)、再度アクセルを踏み込んだときの第2の駆動力をP2b(経過時間tr=0)とすると、P2a(θ)<P2b(θ)である。ここで、アクセルペダルから足を離した後すぐに再度アクセルを踏み込む場合、一般的なドライバーは、アクセルペダルから足を離す直前の駆動力を基準として、アクセル踏み込み量を決める、という特徴があるが、P2a(θ)<P2b(θ)であり、第2の駆動力を目標駆動力と判定した場合、アクセルペダルから足を離した後すぐに再度アクセルを踏み込んだとき、ドライバーの想定値以上の駆動力が発生し、ドライバーに違和感を与えるばかりか、余分に燃料を消費してしまう。このことから、アクセルペダルを足から離した後、すぐに再度アクセルを踏み込む場合、アクセル再踏み込み時にドライバーに違和感を与えないようにするために、アクセルペダルを足から離す直前の駆動力P2a(θ)を車両駆動力制御装置内のメモリに格納しておき、アクセル再踏み込み時の駆動力がP2a(θ)からP2b(θ)に徐々に変化するように制御してもよい。このような制御を行うことにより、ドライバーに違和感を与えないようにすることが可能となる。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2による車両駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。図7に於いて、駆動力算出手段701は、アクセル開度センサ101により検出したアクセル開度θ、車速センサ104により検出した車速Vsから、第1の駆動力P1、第2の駆動力P2を算出する。なお、図7以降の図中に付した符号のうち、前出のものと同一の符号は同一の部分を示す。
次に、以上のように構成されたこの発明の実施の形態2に係る車両駆動力制御装置の動作について説明する。図8は、この発明の実施の形態2による車両駆動力制御装置の動作を説明するタイミングチャートであり、横軸は時間t、縦軸はそれぞれ(a)アクセル開度θ、(b)第1の駆動力P1、(c)自車の車速Vs、(d)第2の駆動力P2、(e)道路曲率の絶対値、(f)アクセル開度変化量δθ、(g)目標駆動力Ptである。図8は、時点t7に於いて発進し、時点t8に於いて巡航運転状態に入り、時点t9に於いて加速状態に入り、さらに時点t7から時点tdの間に於いて、ドライバーが大きくアクセルを踏み込むことにより、アクセル開度変化量δθが所定値(γ)以上となり、時点teから時点tfの間に於いて、車両がカーブにさしかかり、このときの道路曲率の絶対値が所定値(α)以上となる場合の、アクセル開度θ、車速Vs、道路曲率の絶対値、アクセル開度変化量δθおよび各種駆動力(P1、P2、Pt)の状態を示している。
図9は、駆動力算出手段701内で実行される処理動作を説明するためのフローチャートである。図9に示す処理は、所定時間T毎に繰り返して行われる。図9に於いて、ステップ301ではアクセル開度センサ101により算出したアクセル開度θを取得する。ステップ901では、車速センサ104で算出した車速Vsを取得する。具体的には、図8(c)に示すような形で得られ、例えば、車両の発進時に於いて、時点t7に於いてアクセル開度θが増加後、時点tdに於いて車速Vsが増加する。ここで、アクセル開度θが増加するタイミングと車速Vsが増加するタイミングが一致していないが、これは、アクセルを踏み込んでから実際に車速Vsが増加するまでに遅延があるためであり、図にはこの遅延時間を考慮した車速Vsが示されている。
ステップ902では、ステップ901で取得した車速Vsから、下記の式(4)に基づき、重み付け値ωを算出する。図10は、重み付け値ωの特性を示すグラフである。図10に示すように、車速Vsの上昇に伴い、重み付け値ωは大きくなる。
Figure 0004915445
ステップ304では、ステップ301で取得したアクセル開度θから、式(2)に基づいて第1の駆動力P1を算出し、ステップ305では、アクセル開度θおよびステップ902で算出した重み付け値ωから、式(3)に基づいて第2の駆動力P2を算出する。ここで、式(3)、式(4)および図10より、第2の駆動力P2は、第1の駆動力P1の値を基準に、車速Vsの増加に伴って漸次減少する値となっていることが分かる。以上のようにして、第2の駆動力P2を算出することで、図8に示す時点t7〜t8間の発進シーンや時点t9以降の加速シーンに於ける第2の駆動力P2を、図8(d)に示すように適切に漸減することができる。
目標駆動力判定手段110では、実施の形態1の記載と同様、走行抵抗Aが第2の駆動力P2より大きいか否か、および道路曲率の絶対値、トランスミッションの変速比、アクセル開度変化量δθが各々設定された所定値(α、β、γ)以上であるか否かを判定し、その判定に基づいて第1の駆動力P1、第2の駆動力P2のうち、いずれの駆動力を目標駆動力Ptとするかを判定し、出力する。図8の例では、時点t7から時点tdの間に於いて、アクセル開度変化量δθがγ以上であるとの判定に基づき、第1の駆動力P1を目標駆動力Ptとし、また時点teから時点tfの間に於いて、道路曲率の絶対値がα以上であるとの判定に基づき、第1の駆動力P1を目標駆動力Ptと判定することで、これらのときの目標駆動力Ptを、図8(g)に示すように適切に制御することができる。
以上述べたように、この発明の実施の形態2による車両駆動力制御装置によれば、アクセル開度と駆動力源の駆動力との関連特性に基づいて算出された第1の駆動力、または、前記第1の駆動力の値を基準として、車速の増加に伴って漸次減少する第2の駆動力のうち、走行環境の変化やドライバーの運転操作に基づいて、いずれの駆動力を目標駆動力とするかを判定するようにしたので、走行環境が変化した場合やドライバーの意思に即した運転操作をした場合に於いても、目標駆動力を適切に制御することができることから、ドライバーの意図する加速感が得られ、かつ燃費を向上させる車両駆動力制御装置を提供することができる。
なお、実施の形態2では、車速の増加に伴って漸次減少させた値を第2の駆動力として算出しているが、車速自体(すなわち車速の絶対値)ではなく、アクセル踏み込みによるアクセル操作開始時点の車速を基準とした車速の相対値(以降では車速偏差と表記)の増加に伴って漸次減少させた値を第2の駆動力として算出してもよい。以下では、図11を参照しながら、車速偏差の増加に伴って漸次減少させた値が第2の駆動力として算出されることを説明する。図11は、車速偏差の増加に伴って漸次減少させた値を第2の駆動力とした場合のタイミングチャートであり、横軸は時間t、縦軸はそれぞれ(a)アクセル開度θ、(b)第1の駆動力P1、(c)車速Vs、(d)車速偏差Vt、(e)第2の駆動力P2、(f)目標駆動力Ptである。図11(c)、図11(d)に示すように、時点t11の発進時に於いて、アクセル踏み込みによるアクセル操作が行われ、時点t13の加速時に於いて、アクセルの再踏み込みによるアクセル操作が行われる。よって、時点t11から時点t13の直前に於いては、アクセル踏み込みによるアクセル操作開始時点の車速=0であり、時点t13以降に於いては、アクセル踏み込みによるアクセル操作開始時点の車速=Va(時点t12から時点t13までの間の巡航運転状態における車速)である。したがって、時点t11から時点t13の直前に於いては、車速Vsと車速偏差Vtは等しいことから、このときの第2の駆動力P2は、車速の増加に伴って漸次減少させた値と等しくなる。一方、時点t13以降に於いて、巡航運転状態からアクセルをさらに踏み込んで加速状態に入る場合は、アクセル踏み込みによるアクセル操作開始時点の車速=Vaであることから、車速偏差Vt=Vs−Vaである。そして、時点t13に於ける車速偏差Vt=Vs−Va=Va−Va=0であることから、第2の駆動力P2は、第1の駆動力P1と等しくなる。以上のことから、巡航運転状態からアクセルをさらに踏み込んで加速状態に入る場合であっても、ドライバーの意図する加速感を得ることが可能となる。
また、前述した実施の形態1による車両駆動力制御装置によれば、アクセルペダル踏み込み開始後の経過時間の増加に伴って第2の駆動力が漸次減少する一方で、車両が平坦路を走行中、登坂路にさしかかる際に、勾配抵抗を含む走行抵抗Aが増加することから、第2の駆動力と走行抵抗Aの大小関係に基づいて目標駆動力を判定することで、適切に駆動力制御を行っていた。しかし、この発明の実施の形態2による車両駆動力制御装置によれば、第2の駆動力は車速の増加に伴って漸次減少する駆動力として算出され、車両が登坂路にさしかかると、走行抵抗Aが増加し、この走行抵抗Aが第2の駆動力よりも大きくなった場合、現在の車速での定速走行ができなくなり、車速は減少するが、この車速の減少に伴って第2の駆動力は漸次増加することから、この発明の実施の形態1に記載した第2の駆動力と走行抵抗Aとの大小関係に基づいて目標駆動力を判定しなくても、適切に駆動力制御を行える場合もある。しかし、車速の減少に伴って第2の駆動力が漸次増加したとしても第2の駆動力が走行抵抗Aよりも小さいままであれば、さらに車速が減少し、この車速の減少により、ドライバーに違和感を抱かせる場合もある。以上のことから、このような場合に於いても、この発明の実施の形態1の記載と同様、漸次増加した第2の駆動力が走行抵抗Aよりも小さい場合、すなわち走行抵抗Aが第2の駆動力よりも大きい場合、第1の駆動力を目標駆動力とすることで、平坦路での無駄な燃料消費を抑えつつ、登坂路でドライバーの意図する加速感が得られるので、アクセルの踏み増しを防ぐことができる。
さらに、この発明の実施の形態2による車両駆動力制御装置によれば、車両がカーブを走行する場合に於いて、カーブの手前でアクセルを緩めることで車速は減速し、前段落で記載したように、第2の駆動力は漸次増加するが、カーブ度合いによっては、ドライバーに違和感を抱かせる場合もある。したがって、カーブを走行するような場合に於いても、この発明の実施の形態1の記載と同様、道路曲率が所定値以上であれば、第1の駆動力を目標駆動力とすることで、道路のカーブ度合いを考慮に入れた適切な駆動力を目標駆動力とすることが可能となり、ドライバーに違和感を抱かせることなく、ドライバーの意図する加速感が得られる車両駆動力制御装置を提供することができる。
また、この発明の実施の形態2では、実施の形態1の記載と同様、トランスミッションの変速比が所定値以上であれば、第1の駆動力を目標駆動力とすることで、例えば、ドライバーが意図的に加速しようとシフトダウンした場合であっても、ドライバーの意図する加速感が得られる車両駆動力制御装置を提供することができる。なお、トランスミッションの変速比が所定値未満であっても、例えば、高速道路での本線への合流シーンや先行車の追い越しシーン等に於いては、ドライバーは大きな加速を必要としており、このドライバーの加速したいという意思は、方向指示器等による進路変更意思を検出することにより得られる。このことから、方向指示器等による進路変更意思の検出結果に基づいて、第1の駆動力を目標駆動力とすることで、ドライバーの意図する加速感が得られる車両駆動力制御装置を提供することができる。
さらに、この発明の実施の形態2では、実施の形態1の記載と同様、アクセル開度変化量が所定値以上であれば、第1の駆動力を目標駆動力とすることで、例えば、ドライバーが加速感を得たいと想定される車両の加速シーン等に於いて、ドライバーの意図する加速感が得られる車両駆動力制御装置を提供することができる。
また、この発明の実施の形態2に係る車両駆動力制御装置の目標駆動力判定手段110に於いては、図8(g)に示すように、走行環境やドライバーのアクセル操作に応じた目標駆動力が判定される。しかし、時点teの前後ではアクセル開度θが一定で、さらに時点teでは第2の駆動力を選択している状態から第1の駆動力を選択する状態に変化し、目標駆動力が不連続となり、両者の差分が大きいほどドライバーに違和感を与える可能性が高くなる。このとき、目標駆動力が不連続に変化するのを防ぐために、図8(g)の破線Eに示すように線形補間することで、第2の駆動力を選択している状態から第1の駆動力を選択する状態への変化が滑らかになるように制御してもよい。このように、目標駆動力が連続的に変化するように制御することにより、ドライバーに違和感を与えないようにすることが可能となる。また、時点tfの前後ではアクセル開度θが一定で、さらに時点tfでは第1の駆動力を選択している状態から第2の駆動力を選択する状態に変化するが、このときも上記と同様、目標駆動力が不連続に変化するのを防ぐために、図8(g)の破線Fに示すように線形補間することで、第1の駆動力を選択している状態から第2の駆動力を選択する状態への変化が滑らかになるように制御してもよい。このように、目標駆動力が連続的に変化するように制御することにより、ドライバーに違和感を与えないようにすることが可能となる。
以上で説明した実施の形態1または実施の形態2に係る車両駆動力制御装置に於いて、目標駆動力判定手段110では、アクセル開度変化量δθ、走行抵抗A、道路曲率の絶対値、トランスミッションの変速比に基づき、駆動力算出手段701により算出した第1の駆動力P1、第2の駆動力P2のうち、いずれの駆動力を目標駆動力Ptとするかを判定していたが、この判定をドライバーによって行うようにしてもよい。例えば、第1の駆動力P1、第2の駆動力のいずれかを選択可能なスイッチを備え、ドライバーが選択した駆動力を目標駆動力Ptとすることで、ドライバーの意思を反映することができることから、ドライバーの意図通りの加速度が得られ、ドライバーの燃費改善意識を反映した車両駆動力制御装置を提供することが可能となる。
また、車速センサ104等の各種センサが故障した場合等、実施の形態1または実施の形態2に係る車両駆動力制御装置の構成部が故障状態である場合に於いて、目標駆動力判定手段110は、第1の駆動力P1を目標駆動力とすることで、従来通りの駆動力を得ることが可能となる。これにより、車両駆動力制御装置の構成部が故障した場合であっても、従来通りの駆動力が得られる車両駆動力制御装置を提供することが可能となる。
101:アクセル開度センサ、102:踏込み経過時間算出手段、103:アクセル開度変化量算出手段、104:車速センサ、105:舵角センサ、106:走行抵抗算出手段、107:道路曲率算出手段、108:トランスミッションECU、109:駆動力算出手段、110:目標駆動力判定手段、111:駆動力操作量算出手段、112:駆動力制御手段、701:駆動力算出手段

Claims (10)

  1. アクセル開度を検出するアクセル開度センサと、
    前記アクセル開度に基づきアクセルペダル踏み込み開始後の経過時間を算出する経過時間算出手段と、
    前記アクセル開度と駆動力源の駆動力との関連特性に基づいて第1の駆動力を算出し、前記第1の駆動力の値を基準として、前記経過時間の増加に伴って漸次減少する第2の駆動力を算出する駆動力算出手段と、
    前記第1の駆動力または第2の駆動力のうち、いずれの駆動力を目標駆動力とするかを判定する目標駆動力判定手段と、
    少なくとも前記目標駆動力判定手段により得られた目標駆動力に基づいて駆動力操作量を算出する駆動力操作量算出手段と、
    前記駆動力操作量に基づいて前記駆動力源の駆動力を制御する駆動力制御手段とを備えた車両駆動力制御装置。
  2. アクセル開度を検出するアクセル開度センサと、
    自車の車速を検出する車速センサと
    前記アクセル開度に基づきアクセル操作が開始されたかどうかを判定するアクセル操作開始判定手段と、
    前記アクセル開度と駆動力源の駆動力との関連特性に基づいて第1の駆動力を算出し、前記第1の駆動力の値を基準として、前記アクセル操作開始判定手段により判定されたアクセル操作開始時点からの車速の増加に伴って漸次減少する第2の駆動力を算出する駆動力算出手段と、
    前記第1の駆動力または第2の駆動力のうち、いずれの駆動力を目標駆動力とするかを判定する目標駆動力判定手段と、
    少なくとも前記目標駆動力判定手段により得られた目標駆動力に基づいて駆動力操作量を算出する駆動力操作量算出手段と、
    前記駆動力操作量に基づいて前記駆動力源の駆動力を制御する駆動力制御手段とを備えた車両駆動力制御装置。
  3. 車両の走行抵抗を算出する走行抵抗算出手段をさらに備え、
    目標駆動力判定手段は、前記算出された走行抵抗のうち、加速抵抗を除いた値に基づく駆動力が第2の駆動力より大きい場合、第1の駆動力を目標駆動力とすることを特徴とする請求項1または請求項2のうちいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置
  4. 駆動力源の駆動力を伝達する変速機と、前記変速機の変速比を変更する変速比変更手段をさらに備え、
    目標駆動力判定手段は、前記変速比が所定値以上の場合、第1の駆動力を目標駆動力とすることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置。
  5. 自車が走行する道路の道路曲率を検出する道路曲率検出手段をさらに備え、
    目標駆動力判定手段は、前記道路曲率が所定値以上の場合、第1の駆動力を目標駆動力とすることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置。
  6. アクセル開度からアクセル開度変化量を算出するアクセル開度変化量算出手段をさらに備え、
    目標駆動力判定手段は、前記アクセル開度変化量が所定値以上の場合、第1の駆動力を目標駆動力とすることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置。
  7. 右左折または走行路変更等の運転者の進路変更意思を検出する進路変更意思検出手段をさらに備え、
    目標駆動力判定手段は、前記進路変更意思検出手段により、前記運転者に進路変更の意思があることを検出した場合、第1の駆動力を目標駆動力とすることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置。
  8. 目標駆動力判定手段に基づいて、第1の駆動力または第2の駆動力のうち、一方の駆動力を目標駆動力と判定した後、他方の駆動力を目標駆動力と判定した場合、一方の駆動力から徐々に他方の駆動力に変化するように補間した値を目標駆動力とする目標駆動力補間手段をさらに有し、
    駆動力操作量算出手段は、前記目標駆動力補間手段により補間された目標駆動力に基づいて駆動力操作量を算出することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置。
  9. 第1の駆動力及び第2の駆動力のいずれかを選択可能なスイッチをさらに備え、
    目標駆動力判定手段は、前記スイッチにより選択された駆動力を目標駆動力とすることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置。
  10. 目標駆動力判定手段は、車両駆動力制御装置の構成部が故障状態である場合、第1の駆動力を目標駆動力とすることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の車両駆動力制御装置。
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