JP4915308B2 - 内燃機関の燃料セタン価検出装置 - Google Patents

内燃機関の燃料セタン価検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、燃料のセタン価を検出する内燃機関の燃料セタン価検出装置に関する。
内燃機関の運転に使用される燃料は、そのセタン価によって着火性が異なる。そのため、従来から、セタン価の測定方法や、セタン価に応じた燃料噴射量や燃料噴射時期の制御方法などに関する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、パイロット噴射時の熱発生率(dQ/dθ)とセタン価との相関関係からセタン価を検出する技術が記載されている。また、特許文献2には、燃焼室内の圧力Pと容積Vから熱発生量パラメータを算出し、パラメータ変化に基づきセタン価を測定する技術が記載されている。更に、特許文献3には、燃料の比重により検出したセタン価(燃料性状)に応じて、パイロット噴射の噴射量や噴射時期などを制御する技術が記載されている。その他にも、本発明に関連する技術が特許文献4及び5に記載されている。
特開2006−226188号公報 特開2005−344550号公報 特開2005−48703号公報 特開2004−308440号公報 特開2000−257467号公報
しかしながら、上記した特許文献1乃至5に記載された技術では、少量の燃料を用いてセタン価を検出する場合などにおいて、もともと燃料のセタン価が低かった場合に、安定した燃焼・着火が行われずに、セタン価の検出を適切に行うことができない可能性があった。また、これらの文献には、パイロット噴射を行う回数などに基づいて燃料のセタン価を検出することについては記載されていない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、パイロット噴射を行う回数などに基づいて、燃料のセタン価を適切に検出することが可能な内燃機関の燃料セタン価検出装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、燃料のセタン価を検出する内燃機関の燃料セタン価検出装置は、内燃機関のフューエルカット時において、パイロット噴射を行う回数を変化させて燃料噴射を実行する燃料噴射制御手段と、前記燃料噴射制御手段によって噴射された燃料の着火が生じた際において、当該燃料噴射制御手段によって設定されている前記パイロット噴射の回数に基づいて、前記燃料のセタン価を検出するセタン価検出手段と、を備える。
上記の内燃機関の燃料セタン価検出装置は、燃料のセタン価を検出するために好適に利用される。具体的には、内燃機関の燃料セタン価検出装置は、フューエルカット時(燃料カット時)において、パイロット噴射を行う回数を変化させて燃料噴射を実行して、着火が生じた際において設定されているパイロット噴射の回数に基づいて燃料のセタン価を検出する。このようにしてパイロット噴射を複数回行った場合、燃料の混合気が拡散しにくく温度が上がりやすいため、セタン価の検出時において、燃料の着火性を向上させることが可能となる。つまり、セタン価の検出時に、燃料が着火しやすい状態にすることができる。したがって、上記の内燃機関の燃料セタン価検出装置によれば、単発の噴射のみ(メイン噴射のみ)を行う場合と比較して、安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。
上記の内燃機関の燃料セタン価検出装置の一態様では、前記燃料噴射制御手段は、1回目の燃料噴射は、最大パイロット噴射回数の半分の回数で前記パイロット噴射を実行し、前記パイロット噴射により着火した場合には、0回から前記最大パイロット噴射回数までの範囲を2等分に分割した下半分の範囲を、次回のパイロット噴射で用いる範囲として決定し、前記パイロット噴射により着火しなかった場合には、0回から前記最大パイロット噴射回数までの範囲を2等分に分割した上半分の範囲を、次回のパイロット噴射で用いる範囲として決定し、2回目以降の燃料噴射は、前回のパイロット噴射で決定された範囲の中間にある回数で前記パイロット噴射を実行し、当該パイロット噴射により着火した場合には、前記前回のパイロット噴射で決定された範囲を2等分に分割した下半分の範囲を、次回のパイロット噴射で用いる範囲として決定し、当該パイロット噴射により着火しなかった場合には、前記前回のパイロット噴射で決定された範囲を2等分に分割した上半分の範囲を、次回のパイロット噴射で用いる範囲として決定する。これにより、広い範囲のセタン価の燃料に対して、比較的少ない判定回数によってセタン価を判定することが可能となる。
上記の内燃機関の燃料セタン価検出装置の他の一態様では、前記燃料噴射制御手段は、給油後において前記セタン価の検出を行う場合には、1回目の燃料噴射は、給油前の燃料において前記セタン価を判定する際に設定されていた前記パイロット噴射の回数によって前記パイロット噴射を実行し、2回目以降の燃料噴射は、前回の燃料噴射による着火の有無に基づいて、前記前回の燃料噴射において設定されていた前記パイロット噴射の回数を増加又は減少させた回数の前記パイロット噴射によって実行する。これにより、給油後においてセタン価の検出を行う場合に、広い範囲のセタン価の燃料に対して、比較的少ない判定回数によってセタン価を判定することが可能となる。
上記の内燃機関の燃料セタン価検出装置において好適には、前記セタン価検出手段は、前記内燃機関における排気ガスの温度を取得し、前記排気ガスの温度に基づいて前記燃料の着火の有無を判断する。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[装置構成]
図1は、本実施形態に係る内燃機関の燃料セタン価検出装置が適用された車両100の概略構成を示すブロック図である。なお、図1において、実線の矢印はガスの流れの一例を示し、破線の矢印は信号の入出力を示す。
車両100は、主に、吸気通路3と、スロットルバルブ4と、インタークーラ5と、バイパス通路6と、バイパス通路弁7と、エンジン(内燃機関)8と、燃料噴射弁9と、グロープラグ10と、バルブタイミング可変機構11aと、燃料噴射圧力可変機構11bと、スワール可変機構11cと、排気通路12と、触媒13と、ターボチャージャ14と、EGR通路15aと、ECU(Engine Control Unit)20と、を備える。
吸気通路3には外部から導入された吸気が通過し、スロットルバルブ4は吸気通路3を通過する吸気の流量を調整する。スロットルバルブ4は、ECU20から供給される制御信号S4によって開度などが制御される。吸気通路3には、吸気を過給するターボチャージャ14のコンプレッサ14aが設けられている。また、吸気通路3には、吸気を冷却するインタークーラ5が設けられていると共に、インタークーラ5をバイパスするバイパス通路6が設けられている。このバイパス通路6には、バイパス通路6への吸気の供給/遮断を制御するバイパス通路弁7が設けられている。バイパス通路弁7は、ECU20から供給される制御信号S7によって開閉が制御される。
エンジン8は、吸気通路3から吸気が供給されると共に、燃料噴射弁9から燃料が供給される。エンジン8は、供給された吸気と燃料との混合気を燃焼室で燃焼させることによって、車両100における走行用動力を発生する。エンジン8は、例えばディーゼルエンジン(圧縮自着火エンジン)などに相当する。なお、燃料噴射弁9は、ECU20から供給される制御信号S9によって、燃料を噴射する回数や燃料噴射量や噴射時期などが制御される。
エンジン8における各気筒には、筒内温度を上昇させることが可能なグロープラグ(以下、単に「グロー」とも表記する。)10が設けられている。グロープラグ10は、ECU20から供給される制御信号S10により、オン/オフや、その温度などが制御される。また、エンジン8には、エンジン8における吸気弁(不図示)のバルブタイミングを変化させることが可能なバルブタイミング可変機構11aが設けられている。バルブタイミング可変機構11aは、ECU20から供給される制御信号S11aによって制御される。更に、エンジン8には、燃料噴射弁9から噴射される燃料の圧力を変化させることが可能な燃料噴射圧力可変機構11bが設けられている。例えば、燃料噴射圧力可変機構11bはポンプなどにより構成され、コモンレール(不図示)を介して燃料噴射弁9へ燃料を供給する。燃料噴射圧力可変機構11bは、ECU20から供給される制御信号S11bによって制御される。加えて、エンジン8には、気筒内におけるスワールの強さを変化させることが可能なスワール可変機構11cが設けられている。スワール可変機構11cは、例えばスワールコントロールバルブなどによって構成される。スワール可変機構11cは、ECU20から供給される制御信号S11cによって制御される。
上記したエンジン8での燃焼によって生成された排気ガスは、排気通路12から排出される。排気通路12には、排気ガスのエネルギーによって回転されるターボチャージャ14のタービン14bと、排気ガスを浄化可能な触媒13とが設けられている。
ターボチャージャ14は、所謂MAT(Motor Assist Turbo)として構成されており、その回転軸にはモータ14cが直結されている。モータ14cは、ターボチャージャ14における回転をアシストする電動機として機能する。つまり、モータ14cは、ターボチャージャ14における過給圧を上昇させるように機能する。この場合、モータ14cは、ECU20から供給される制御信号S14cにより制御される。
また、車両100は、タービン14bの上流側からコンプレッサ14aの下流側に、排気ガスを還流させるように構成されている。具体的には、排気通路12のタービン14bの上流位置と、吸気通路3のインタークーラ5より下流位置とを接続するEGR通路15aによって、排気ガスが還流される。このEGR通路15a上には、EGRガス量を制御可能なEGR弁15bが設けられている。
車両100には、各種のセンサが設けられている。具体的には、車両100は、クランク角センサ21と、水温センサ22と、排気温度センサ23と、回転数センサ24と、を備える。クランク角センサ21は、図示しないクランクシャフトの回転角(クランク角)を検出し、検出したクランク角に対応する検出信号S21をECU20に対して出力する。水温センサ22は、エンジン8などの冷却を行う冷却水の温度(以下、単に「水温」と呼ぶ。)を検出し、検出した水温に対応する検出信号S22をECU20に供給する。排気温度センサ23は、排気通路12上に設けられ、排気ガスの温度(排気温度)を検出し、検出した排気温度に対応する検出信号S23をECU20に供給する。回転数センサ24は、エンジン8の回転数を検出し、検出した回転数に対応する検出信号S24をECU20に供給する。なお、車両100には、上記したセンサ以外にも種々のセンサが設けられているが、本実施形態と特に関係の無い部分については説明を省略する。
ECU20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備えて構成される。本実施形態では、ECU20は、主に燃料のセタン価を検出するための処理を実行する。より具体的には、ECU20は、エンジン8のフューエルカット時において、パイロット噴射を行う回数を変化させる燃料噴射などを実行し、燃料の着火が生じた際におけるパイロット噴射の回数などに基づいて、燃料のセタン価を検出する。このように、ECU20は、本発明における内燃機関の燃料セタン価検出装置に相当する。具体的には、ECU20は、燃料噴射制御手段、セタン価検出手段、燃料噴射圧力制御手段、グロープラグ制御手段、モータ制御手段、スロットル制御手段、第1のバルブタイミング制御手段、第2のバルブタイミング制御手段、インテークマニホールド温度制御手段、及びスワール制御手段として動作する。なお、ECU20は車両100における他の構成要素の制御も行うが、本実施形態と特に関係の無い部分については説明を省略する。
[セタン価検出方法]
以下で、セタン価検出方法の実施例について具体的に説明する。
(第1実施例)
まず、第1実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第1実施例では、エンジン8のフューエルカット時(燃料カット時)において、パイロット噴射を行う回数を変化させて燃料噴射を実行して、着火が生じた際において設定されているパイロット噴射の回数に基づいて燃料のセタン価を検出する。このようにしてパイロット噴射を複数回行った場合、燃料の混合気が拡散しにくく温度が上がりやすいため、セタン価の検出時において、燃料の着火性を向上させることが可能となる。つまり、セタン価の検出時に、燃料が着火しやすい状態にすることができる。したがって、第1実施例によれば、単発の噴射のみ(メイン噴射のみ)を行う場合と比較して、安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。
図2は、第1実施例に係るセタン価検出方法を、具体的に説明するための図である。図2(a)〜(c)は、それぞれ横軸にクランク角を示し、縦軸に時間を示している。また、図2(a)は高セタン価の燃料を用いた場合のグラフを示しており、図2(b)及び図2(c)は低セタン価の燃料を用いた場合のグラフを示している。
高セタン価の燃料を用いた場合には、パイロット噴射なしの単発噴射(つまりメイン噴射のみ)を行うことによって、燃料が着火していることがわかる(図2(a)参照)。これに対して、低セタン価の燃料を用いた場合には、パイロット噴射なしの単発噴射では、燃料が着火していないことがわかる(図2(b)参照)。こうなるのは、低セタン価の燃料は、高セタン価の燃料よりも着火しにくい傾向にあるからである。ここで、図2(b)に示す燃料と同一の燃料に対して、図2(c)に示すように、複数回のパイロット噴射を行った場合、燃料が着火していることがわかる。これは、パイロット噴射を複数回行うことによって、燃料の混合気が拡散しにくくなり温度が上がりやすくなったため、燃料が着火しやすい状態になったからである。
図3は、着火した際のパイロット噴射の回数(以下では、パイロット噴射を行う回数を、単に「パイロット数」とも呼ぶ。)とセタン価との関係を示した概略図である。図示のように、パイロット数が少ないほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、パイロット数が多いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、少ないパイロット数でも着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、パイロット数を多くしなければ着火しない傾向にあるからである。第1実施例では、このようなパイロット数とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
次に、図4を参照して、第1実施例に係るセタン価検出処理について具体的に説明する。図4は、第1実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。なお、このセタン価検出処理は、前述したECU20によって実行される。また、当該処理は、例えば燃料の給油後における所定タイミングで実行される。
まず、ステップS101では、ECU20は、セタン価の判定実行条件が成立したか否かを判定する。例えば、ECU20は、エンジン8がフューエルカット状態にあるか否かなどを判定する。つまり、フューエルカット状態にある場合に、ECU20は、セタン価の判定実行条件が成立していると判定する。判定実行条件が成立している場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS102に進み、判定実行条件が成立していない場合(ステップS101;No)、処理は当該フローを抜ける。
ステップS102では、ECU20は、セタン価を判定するために設定するパイロット噴射の回数(パイロット数)を決定する。そして、処理はステップS103に進む。
ステップS103では、ECU20は、セタン価を判定するための燃料噴射を実行する。具体的には、ECU20は、ステップS102で設定されたパイロット数で燃料噴射を実行する。より詳しくは、ECU20は、車両100における減速状態に対して影響が少ないような噴射量によって、燃料噴射を実行する。そして、処理はステップS104に進む。
ステップS104では、ECU20は、ステップS103における燃料噴射によって燃料が着火したか否かを判定する。具体的には、ECU20は、クランク角センサ15から供給される検出信号S15からクランク角速度を求めて、このクランク角速度の変化に基づいて燃料の着火の有無を判断する。例えば、ECU20は、クランク角速度の変化(クランク角加速度に対応する)が所定以上となった際に、燃料の着火がしたと判断することができる。なお、クランク角速度の変化に基づいて着火の有無を判断することに限定はされない。他の例では、クランク角速度の変化の代わりに、筒内圧の変化(筒内圧センサなどの出力)に基づいて着火の有無を判断することができる。
燃料が着火している場合(ステップS104;Yes)、処理はステップS106に進む。ステップS106では、ECU20は、現在設定されているパイロット数に基づいてセタン価を検出する。例えば、ECU20は、パイロット数に対して燃料のセタン価が対応付けられたマップを参照して、現在設定されているパイロット数に対応するセタン価を得る。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
一方、燃料が着火していない場合(ステップS104;No)、処理はステップS105に進む。ステップS105では、ECU20は、パイロット数を変更する処理を実行する。例えば、ECU20は、現在設定されているパイロット数を増加させる処理を実行する。そして、処理はステップS103に戻り、燃料噴射を再度実行する。つまり、ステップS103〜S105の処理を繰り返すことによって、燃料の着火が生じるまでパイロット数を変更する。なお、パイロット数を変更しても、1サイクルにおける合計の噴射量が変化しないように、燃料噴射を実行するものとする。
このように、第1実施例に係るセタン価検出処理によれば、パイロット噴射を複数回行うことにより、セタン価の検出時において、燃料が着火しやすい状態にすることができる。したがって、セタン価の検出時に安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出を効率的に行うことが可能となる。この場合、着火の有無の判定のみでセタン価の検出を行うので、着火が起こりにくい条件(エンジンの圧縮比が低い場合や吸気弁の閉じ時期が遅い場合や水温が低い場合など)であっても、セタン価の検出時において適切に着火を行わせることができるため、セタン価を適切に検出することができる。
なお、上記では、燃料の着火の有無に基づいてパイロット数を徐々に増加させることによって、セタン価を検出するために設定すべきパイロット数を判定する実施例を示したが、これに限定はされない。他の例では、最大パイロット噴射回数(以下、「最大パイロット数」と呼ぶ。)の概ね半分の回数のパイロット数によって燃料噴射を開始して、燃料噴射による着火の有無に基づいて、セタン価を検出するために着火の判定を行うべきパイロット数の範囲を徐々に半分に絞り込んでいくことができる。具体的には、1回目の燃料噴射は、最大パイロット数の概ね半分のパイロット数のパイロット噴射によって実行し、2回目以降の燃料噴射は、前回の燃料噴射による着火の有無に基づいて、セタン価を検出するために着火の判定を行うべきパイロット数における範囲を概ね半分に絞り込んだパイロット数のパイロット噴射によって実行することができる。
図5は、他の例に係るパイロット数の判定手順(以下、「第1のパイロット数の判定手順」と呼ぶ。)を具体的に説明するための図である。図示のように、まず、ECU20は、最大パイロット数の概ね半分の回数のパイロット数によってパイロット噴射を開始する。最大パイロット数が「8回」である場合には「4回」のパイロット数によって1回目のパイロット噴射を行い、最大パイロット数が「7回」である場合には「4回」若しくは「3回」のパイロット数によって1回目のパイロット噴射を行う。次に、ECU20は、最大パイロット数の概ね半分の回数で着火した場合には、2回目のパイロット噴射には、最大パイロット数の下半分の領域におけるパイロット数を用いる。具体的には、最大パイロット数の下半分の領域における概ね中間のパイロット数を用いる。例えば、最大パイロット数が「8回」である場合には、「2回」のパイロット数で2回目のパイロット噴射を行う。これに対して、ECU20は、最大パイロット数の概ね半分の回数で着火しなかった場合には、2回目のパイロット噴射には、最大パイロット数の上半分の領域におけるパイロット数を用いる。具体的には、最大パイロット数の上半分の領域における概ね中間のパイロット数を用いる。例えば、最大パイロット数が「8回」である場合には、「6回」のパイロット数で2回目のパイロット噴射を行う。そして、ECU20は、3回目以降のパイロット噴射も同様にして、着火の有無に応じてパイロット数の範囲を徐々に半分に絞り込んでいったパイロット数によって行う。
このように、第1のパイロット数の判定手順では、燃料の着火の有無に応じて、セタン価を検出するために着火の判定を行うべきパイロット数の範囲を徐々に半分に絞り込んでいく。具体的には、ECU20は、現在のパイロット数による燃料噴射によって着火した場合には、現在のパイロット数と前回のパイロット数とによって定まる下半分の領域におけるパイロット数を用い、現在のパイロット数による燃料噴射によって着火しなかった場合には、現在のパイロット数と前回のパイロット数とによって定まる上半分の領域におけるパイロット数を用いて、着火の判定を行うパイロット数の範囲を半分に絞り込んでいく。より詳しくは、ECU20は、現在のパイロット数による燃料噴射によって着火した場合には、現在のパイロット数と前回のパイロット数との差の絶対値の概ね半分の値を現在のパイロット数から減算することによって得られたパイロット数(以下では、「少ない側の中間のパイロット数」と呼ぶ。)を次回のパイロット数として用いる。これに対して、ECU20は、現在のパイロット数による燃料噴射によって着火しなかった場合には、現在のパイロット数と前回のパイロット数との差の絶対値の概ね半分の値を現在のパイロット数に対して加算することによって得られたパイロット数(以下では、「多い側の中間のパイロット数」と呼ぶ。)を次回のパイロット数として用いる。
図6は、上記したようなセタン価を判定するために設定すべきパイロット数を決定するための処理(以下、「第1のセタン価判定パイロット数決定処理」とも呼ぶ。)を示すフローチャートである。この第1のセタン価判定パイロット数決定処理は、前述した第1実施例に係るセタン価検出処理(図4参照)において繰り返し実行される。つまり、セタン価を判定する処理の中で繰り返し実行される。また、当該処理は、ECU20によって実行される。
まず、ステップS201では、ECU20は、1回目の判定であるか否かを判定する。つまり、ECU20は、セタン価を判定するために1回目のパイロット噴射を実行する状況であるか否かを判定する。1回目の判定である場合(ステップS201;Yes)、処理はステップS202に進む。この場合には、以降の処理で、セタン価の判定時において、1回目のパイロット噴射を実行する際に設定すべきパイロット数を決定する。これに対して、1回目の判定でない場合(ステップS201;No)、処理はステップS203に進む。この場合には、以降の処理で、セタン価の判定時において、2回目以降のパイロット噴射を実行する際に設定すべきパイロット数を決定する。
ステップS202では、ECU20は、最大パイロット数の概ね半分の回数を、1回目のパイロット噴射において設定すべきパイロット数として決定する。つまり、最大パイロット数の概ね半分の回数のパイロット数によって、セタン価を判定するためのパイロット噴射を開始させる。そして、処理は当該フローを抜ける。
一方、ステップS203では、ECU20は、前回のパイロット噴射によって着火が生じたか否かを判定する。例えば、ECU20は、クランク角速度の変化に基づいて燃料の着火の有無を判断する。
前回のパイロット噴射によって着火が生じた場合(ステップS203;Yes)、処理はステップS204に進む。この場合には、ECU20は、少ない側の中間のパイロット数を、次回のパイロット噴射において設定すべきパイロット数として決定する(ステップS204)。そして、処理は当該フローを抜ける。
これに対して、前回のパイロット噴射によって着火が生じなかった場合(ステップS203;No)、処理はステップS205に進む。この場合には、ECU20は、多い側の中間のパイロット数を、次回のパイロット噴射において設定すべきパイロット数として決定する(ステップS205)。そして、処理は当該フローを抜ける。
以上の第1のセタン価判定パイロット数決定処理を行うことにより、セタン価を検出するために設定すべきパイロット数を効率的に判定することができる、つまり比較的少ない判定回数で当該パイロット数を特定することができる。したがって、広い範囲のセタン価の燃料に対して、比較的少ない判定回数によってセタン価を判定することが可能となる。
なお、更に他の例では、給油後においてセタン価の検出を行う場合には、上記のように最大パイロット数の概ね半分の回数のパイロット数によって燃料噴射を開始する代わりに、給油前の燃料においてセタン価を判定する際に用いたパイロット数から燃料噴射を開始して、当該パイロット数から、セタン価を検出するために設定すべきパイロット数を絞り込んでいくことができる。詳しくは、燃料タンク内の残量よりも給油量がかなり少ない場合には、1回目の燃料噴射は、給油前の燃料においてセタン価を判定する際に設定されていたパイロット数によってパイロット噴射を実行し、2回目以降の燃料噴射は、前回の燃料噴射による着火の有無に基づいて、前回の燃料噴射において設定されていたパイロット数を増加又は減少させたパイロット数のパイロット噴射によって実行することができる。こうするのは、燃料タンク内の残量が多く、給油量が少ない場合には、給油によって混合された後の燃料におけるセタン価は、給油前における燃料の影響が大きく反映されるからである。つまり、給油によって混合された後の燃料におけるセタン価は、給油前の燃料におけるセタン価に近い値になると考えられるからである。
図7は、更に他の例に係るパイロット数の判定手順(以下、「第2のパイロット数の判定手順」と呼ぶ。)を具体的に説明するための図である。つまり、給油後においてセタン価の検出を行う場合に実行されるパイロット数の判定手順を説明するための図である。図示のように、まず、ECU20は、前回検出されたセタン価に対応するパイロット数によってパイロット噴射を開始する。つまり、ECU20は、給油前の燃料においてセタン価を判定する際に設定されていたパイロット数によって、1回目のパイロット噴射を行う。次に、ECU20は、1回目のパイロット噴射によって着火した場合には、2回目のパイロット噴射には、1回目に設定したパイロット数から1つ減少させたパイロット数を用いる。これに対して、ECU20は、1回目のパイロット噴射によって着火しなかった場合には、2回目のパイロット噴射には、1回目に設定したパイロット数を1つ増加させたパイロット数を用いる。そして、ECU20は、3回目以降のパイロット噴射も同様にして、着火の有無に応じて、前回の燃料噴射において設定されていたパイロット数を1つ増加させたパイロット数又は1つ減少させたパイロット数によって実行する。
図8は、上記したようなセタン価を判定するために設定すべきパイロット数を決定するための処理(以下、「第2のセタン価判定パイロット数決定処理」とも呼ぶ。)を示すフローチャートである。この第2のセタン価判定パイロット数決定処理は、前述した第1実施例に係るセタン価検出処理(図4参照)において繰り返し実行される。つまり、セタン価を判定する処理の中で繰り返し実行される。また、当該処理は、ECU20によって実行される。
まず、ステップS301では、ECU20は、燃料の給油後の判定であるか否かを判定する。具体的には、ECU20は、給油量が燃料タンク内の残量よりも少ないか否かを判定する。給油後の判定である場合(ステップS301;Yes)、処理はステップS302に進む。これに対して、給油後の判定でない場合(ステップS301;No)、処理はステップS307に進む。この場合には、ECU20は、図6に示した第1のセタン価判定パイロット数決定処理を実行する(ステップS307)。つまり、ECU20は、最大パイロット数の概ね半分の回数のパイロット数によって燃料噴射を開始して、燃料噴射による着火の有無に基づいて、セタン価を検出するために着火の判定を行うべきパイロット数の範囲を徐々に半分に絞り込んでいく処理を実行する。
ステップS302では、ECU20は、1回目の判定であるか否かを判定する。つまり、ECU20は、セタン価を判定するために1回目のパイロット噴射を実行する状況であるか否かを判定する。1回目の判定である場合(ステップS302;Yes)、処理はステップS303に進む。この場合には、以降の処理で、セタン価の判定時において、1回目のパイロット噴射を実行する際に設定すべきパイロット数を決定する。これに対して、1回目の判定でない場合(ステップS302;No)、処理はステップS304に進む。この場合には、以降の処理で、セタン価の判定時において、2回目以降のパイロット噴射を実行する際に設定すべきパイロット数を決定する。
ステップS303では、ECU20は、前回のセタン価に対応するパイロット数を、1回目のパイロット噴射において設定すべきパイロット数として決定する。つまり、ECU20は、給油前の燃料においてセタン価を判定する際に設定されていたパイロット数を、1回目のパイロット噴射において設定すべきパイロット数として決定する。そして、処理は当該フローを抜ける。
一方、ステップS304では、ECU20は、前回のパイロット噴射によって着火が生じたか否かを判定する。例えば、ECU20は、クランク角速度の変化に基づいて燃料の着火の有無を判断する。
前回のパイロット噴射によって着火が生じた場合(ステップS304;Yes)、処理はステップS305に進む。この場合には、ECU20は、前回の燃料噴射において設定されていたパイロット数から1つ減少させたパイロット数を、次回のパイロット噴射において設定すべきパイロット数として決定する(ステップS305)。そして、処理は当該フローを抜ける。
これに対して、前回のパイロット噴射によって着火が生じなかった場合(ステップS304;No)、処理はステップS306に進む。この場合には、ECU20は、前回の燃料噴射において設定されていたパイロット数を1つ増加させたパイロット数を、次回のパイロット噴射において設定すべきパイロット数として決定する(ステップS306)。そして、処理は当該フローを抜ける。
以上の第2のセタン価判定パイロット数決定処理を行うことにより、給油後においてセタン価の検出を行う場合に、セタン価を検出するために設定すべきパイロット数を効率的に判定することができる、つまり比較的少ない判定回数で当該パイロット数を特定することができる。これによっても、広い範囲のセタン価の燃料に対して、比較的少ない判定回数によってセタン価を判定することが可能となる。
(第2実施例)
次に、第2実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第2実施例では、パイロット数を変化させて燃料噴射を実行する代わりに、パイロット噴射を行う時期(噴射時期)を変化させる制御を行い、着火が生じた際において設定されている噴射時期に基づいて燃料のセタン価を検出する点で、前述した第1実施例と異なる。つまり、第2実施例では、パイロット噴射を実行する噴射時期を遅くしたり早くしたりする制御を行う。前述したように、パイロット噴射を複数回行った場合、燃料の混合気が拡散しにくく温度が上がりやすいため、燃料が着火しやすくなるが、パイロット噴射を実行する噴射時期を圧縮上死点(TDC)に対して早くすることにより(つまり進角させることにより)、燃料が更に着火しやすくなると言える。したがって、第2実施例によれば、噴射時期を固定にする場合と比較して、安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。また、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
図9は、第2実施例に係るセタン価検出方法を、具体的に説明するための図である。図9(a)〜(c)は、それぞれ横軸にクランク角を示し、縦軸に時間を示している。また、図9(a)は高セタン価の燃料を用いた場合のグラフを示しており、図9(b)及び図9(c)は低セタン価の燃料を用いた場合のグラフを示している。
高セタン価の燃料を用いた場合には、複数回のパイロット噴射によって、燃料が着火していることがわかる(図9(a)参照)。次に、図9(a)に示すものと同様の条件で燃料噴射を行った場合において、つまりパイロット噴射の回数及び噴射時期を同じ条件にして燃料噴射を行った場合において、低セタン価の燃料を用いた場合には、燃料が着火していないことがわかる(図9(b)参照)。こうなるのは、低セタン価の燃料を用いた場合には、高セタン価の燃料を用いた場合よりも、噴射時期が比較的遅い場合には着火しにくい傾向にあるからである。次に、図9(b)に示す噴射時期を早くして(つまり噴射時期を進角させて)複数回のパイロット噴射を行った場合、図9(c)に示すように、燃料が着火していることがわかる。これは、パイロット噴射を実行する噴射時期を早くすることにより、燃料が着火しやすい状態になったからである。
図10は、パイロット数と、着火した際の噴射時期と、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、噴射時期が遅いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、噴射時期が早いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、比較的遅い噴射時期でも着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、噴射時期を早くしなければ着火しない傾向にあるからである。第2実施例では、ECU20は、このような噴射時期とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
図11は、第2実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。なお、このセタン価検出処理は、前述したECU20によって実行される。
ステップS401、S402の処理は、前述した第1実施例に係るセタン価検出処理におけるステップS101、S102の処理と同様である(図4参照)。よって、その説明を省略する。次に、ステップS403では、ECU20は、セタン価を判定するために設定する噴射時期を決定する。そして、処理はステップS404に進む。
ステップS404では、ECU20は、セタン価を判定するための燃料噴射を実行する。具体的には、ECU20は、ステップS403で設定された噴射時期で燃料噴射を実行する。そして、処理はステップS405に進む。
ステップS405では、ECU20は、ステップS404における燃料噴射によって燃料が着火したか否かを判定する。具体的には、ECU20は、クランク角速度の変化に基づいて燃料の着火の有無を判断する。燃料が着火している場合(ステップS405;Yes)、処理はステップS407に進む。ステップS407では、ECU20は、現在設定されている噴射時期に基づいてセタン価を検出する。例えば、ECU20は、噴射時期に対して燃料のセタン価が対応付けられたマップを参照して、現在設定されている噴射時期に対応するセタン価を得る。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
一方、燃料が着火していない場合(ステップS405;No)、処理はステップS406に進む。ステップS406では、ECU20は、噴射時期を変更する処理を実行する。例えば、ECU20は、現在設定されている噴射時期を早くする(つまり進角させる)。そして、処理はステップS404に戻り、燃料噴射を再度実行する。つまり、ステップS404〜S406の処理を繰り返すことによって、燃料の着火が生じるまで噴射時期を変更する。
上記の第2実施例に係るセタン価検出処理によっても、パイロット噴射の噴射時期を変化させることによって、セタン価の検出時において燃料が着火しやすい状態にすることができる。したがって、セタン価の検出時に安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出を効率的に行うことが可能となる。
なお、第2実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、パイロット噴射を行う噴射時期を変化させる制御を行うと共に、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行うことによって、燃料のセタン価を検出することができる。例えば、噴射時期を変化させても燃料が着火しない場合には、パイロット噴射を行う回数を増加させて、セタン価の検出を行うことができる。
(第3実施例)
次に、第3実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第3実施例では、パイロット数や噴射時期などを変化させて燃料噴射を実行する代わりに、燃料噴射を行う際の合計の噴射量を変化させる制御を行い、着火が生じた際において設定されている合計の噴射量に基づいて燃料のセタン価を検出する点で、前述した第1実施例及び第2実施例と異なる。つまり、第3実施例では、複数のパイロット噴射において噴射する合計の噴射量を変化させる制御を行う。合計の噴射量を増加させた場合には、燃料の温度が上がりやすいため、燃料が着火しやすくなると言える。したがって、第3実施例によれば、合計の噴射量を固定にする場合と比較して、安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。また、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
図12は、パイロット数と、着火した際の合計の噴射量と、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、噴射量が少ないほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、噴射量が多いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、比較的少ない噴射量でも着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、噴射量を多くしなければ着火しない傾向にあるからである。第3実施例では、ECU20は、このような合計の噴射量とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
なお、第3実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、燃料噴射を行う際の合計の噴射量を変化させる制御を行うと共に、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行うことによって、燃料のセタン価を検出することができる。
(第4実施例)
次に、第4実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第4実施例では、パイロット数や噴射時期などを変化させて燃料噴射を実行する代わりに、パイロット噴射において燃料を噴射するインターバル(以下、「パイロットインターバル」と呼ぶ。)を変化させる制御を行い、着火が生じた際において設定されているパイロットインターバルに基づいて燃料のセタン価を検出する点で、前述した第1乃至第3実施例と異なる。パイロットインターバルを短くした場合には、燃料の混合気が拡散しにくくなるため、燃料が着火しやすくなると言える。したがって、第4実施例によれば、パイロットインターバルを固定にする場合と比較して、安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。また、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
図13は、パイロット数と、着火した際のパイロットインターバルと、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、パイロットインターバルが長いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、パイロットインターバルが短いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、比較的長いパイロットインターバルでも着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、パイロットインターバルを短くしなければ着火しない傾向にあるからである。第4実施例では、ECU20は、このようなパイロットインターバルとセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
なお、第4実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、パイロットインターバルを変化させる制御を行うと共に、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行うことによって、燃料のセタン価を検出することができる。
(第5実施例)
次に、第5実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第5実施例では、パイロット数や噴射時期などを変化させて燃料噴射を実行する代わりに、燃料噴射圧力を変化させる制御を行い、着火が生じた際において設定されている燃料噴射圧力に基づいて燃料のセタン価を検出する点で、前述した第1乃至第4実施例と異なる。つまり、第5実施例では、ECU20は、燃料噴射圧力可変機構11bを制御することによって燃料噴射圧力を変化させることによって、燃料のセタン価を検出する。具体的には、ECU20は、燃料噴射圧力を高い圧力から下げる側に変化させることによって、若しくは燃料噴射圧力を低い圧力から上げる側に変化させることによって、着火が生じた際の燃料噴射圧力に基づいてセタン価を判定する。また、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
図14は、パイロット数と、着火した際の燃料噴射圧力と、セタン価との関係を示した概略図である。具体的には、図14(a)は、燃料噴射圧力が高い側における燃料噴射圧力とセタン価との関係を示しており、図14(b)は、燃料噴射圧力が低い側における燃料噴射圧力とセタン価との関係を示している。
図14(a)に示すように、燃料噴射圧力が高いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、燃料噴射圧力が低いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、燃料噴射圧力が高くなりすぎると、燃料噴霧が微粒化しすぎ、混合気が拡散しやすくなり着火しにくくなるからである。したがって、セタン価が高い場合には着火しやすいため、比較的高い燃料噴射圧力でも着火する傾向にあると言えるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、燃料噴射圧力を低くしなければ着火しない傾向にあると言える。ECU20は、燃料噴射圧力を高い圧力から下げる側に変化させる場合には、このような燃料噴射圧力とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
これに対して、図14(b)に示すように、燃料噴射圧力が低いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、燃料噴射圧力が高いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、燃料噴射圧力が低くなりすぎると、燃料噴霧の微粒化が悪くなり、混合気ができにくくなり着火しにくくなるからである。したがって、セタン価が高い場合には着火しやすいため、比較的低い燃料噴射圧力でも着火する傾向にあると言えるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、燃料噴射圧力を高くしなければ着火しない傾向にあると言える。ECU20は、燃料噴射圧力を低い圧力から上げる側に変化させる場合には、このような燃料噴射圧力とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
なお、図14(a)及び図14(b)に示す燃料噴射圧力の範囲の概ね中間における燃料噴射圧力を用いて、セタン価の検出を行うことも可能である。前述したように、燃料噴射圧力が高くなりすぎても低くなりすぎても着火しにくくなるが、このような概ね中間における燃料噴射圧力を用いた場合には、着火性に与える影響が少ない燃料噴射圧力によってセタン価の検出を行うことができる。したがって、精度を悪化させることなく、安定してセタン価の検出を行うことが可能となる。
また、第5実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、燃料噴射圧力を変化させる制御を行うと共に、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行うことによって、燃料のセタン価を検出することができる。
(第6実施例)
次に、第6実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第6実施例では、セタン価の検出時に、エンジン8の気筒に設けられたグロープラグ10を作動させる制御を行う点で、前述した第1乃至第5実施例と異なる。つまり、第6実施例では、グロープラグ10を加熱させた状態で、燃料のセタン価を検出する。より詳しくは、ECU20は、グロープラグ10の温度(以下、単に「グロー温度」と呼ぶ。)を変化させる制御を行い、着火が生じた際のグロー温度に基づいて燃料のセタン価を検出する。このようにグロープラグ10を加熱させることにより、筒内温度が上昇する傾向にあるので、グロープラグ10を加熱させない場合と比較して、燃料が着火しやすくなると言える。したがって、第6実施例によれば、セタン価の検出時に安定した着火を行わせることができ、セタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。また、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
図15は、パイロット数と、着火した際のグロー温度と、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、グロー温度が低いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、グロー温度が高いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、比較的低いグロー温度でも着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、グロー温度を高くしなければ着火しない傾向にあるからである。第6実施例では、ECU20は、このようなグロー温度とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
図16は、第6実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。なお、このセタン価検出処理は、前述したECU20によって実行される。
ステップS501、S502の処理は、前述した第1実施例に係るセタン価検出処理におけるステップS101、S102の処理と同様である(図4参照)。よって、その説明を省略する。次に、ステップS503では、ECU20は、セタン価を判定するために設定するグロー温度を決定する。そして、処理はステップS504に進む。ステップS504では、ECU20は、セタン価を判定するための燃料噴射を実行する。そして、処理はステップS505に進む。
ステップS505では、ECU20は、ステップS504における燃料噴射によって燃料が着火したか否かを判定する。具体的には、ECU20は、クランク角速度の変化に基づいて燃料の着火の有無を判断する。燃料が着火している場合(ステップS505;Yes)、処理はステップS507に進む。ステップS507では、ECU20は、現在のグロー温度に基づいてセタン価を検出する。例えば、ECU20は、グロー温度に対して燃料のセタン価が対応付けられたマップを参照して、現在のグロー温度に対応するセタン価を得る。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
一方、燃料が着火していない場合(ステップS505;No)、処理はステップS506に進む。ステップS506では、ECU20は、グロー温度を変更する処理を実行する。例えば、ECU20は、グロー温度が上昇するようにグロープラグ10に対する制御を行う。そして、処理はステップS504に戻り、燃料噴射を再度実行する。つまり、ステップS504〜S506の処理を繰り返すことによって、燃料の着火が生じるまでグロー温度を変更する。
上記の第6実施例に係るセタン価検出処理によっても、グロープラグ10のグロー温度を変化させることによって、セタン価の検出時において燃料が着火しやすい状態にすることができる。したがって、セタン価の検出時に安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出を効率的に行うことが可能となる。
なお、第6実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、グロー温度を変化させる制御を行うと共に、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行うことによって、燃料のセタン価を検出することができる。これにより、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
(第7実施例)
次に、第7実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第7実施例では、パイロット数や噴射時期などを変化させて燃料噴射を実行する代わりに、過給圧が変化するようにターボチャージャ14に設けられたモータ14cに対する制御を行い、着火が生じた際の過給圧に基づいて燃料のセタン価を検出する点で、前述した第1乃至第6実施例と異なる。過給圧が高くなった場合には、エンジン8の気筒内の空気が増加して温度が下がりにくくなるため、燃料が着火しやすくなると言える。したがって、第7実施例によれば、過給圧を変化させない場合と比較して、安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。
図17は、パイロット数と、着火した際の過給圧と、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、過給圧が低いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、過給圧が高いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、比較的低い過給圧でも着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、過給圧を高くしなければ着火しない傾向にあるからである。第7実施例では、ECU20は、このような過給圧とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
なお、第7実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、過給圧が変化するようにモータ14cに対する制御を行うと共に、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行うことによって、燃料のセタン価を検出することができる。
(第8実施例)
次に、第8実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第8実施例では、パイロット数や噴射時期などを変化させて燃料噴射を実行する代わりに、インテークマニホールドの圧力(以下、単に「インマニ圧」と呼ぶ。)が変化するようにスロットルバルブ4に対する制御を行い、着火が生じた際におけるインマニ圧に基づいて燃料のセタン価を検出する点で、前述した第1乃至第7実施例と異なる。インマニ圧が高くなった場合には、エンジン8の気筒内の空気が増加して温度が下がりにくくなるため、燃料が着火しやすくなると言える。したがって、第8実施例によれば、インマニ圧を変化させない場合と比較して、安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。
図18は、パイロット数と、着火した際のインマニ圧と、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、インマニ圧が低いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、インマニ圧が高いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、比較的低いインマニ圧でも着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、インマニ圧を高くしなければ着火しない傾向にあるからである。第8実施例では、ECU20は、このようなインマニ圧とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
なお、第8実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、インマニ圧が変化するようにスロットルバルブ4に対する制御を行うと共に、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行うことによって、燃料のセタン価を検出することができる。これにより、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
(第9実施例)
次に、第9実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第9実施例では、パイロット数や噴射時期などを変化させて燃料噴射を実行する代わりに、吸入空気量が変化するようにエンジン8におけるバルブタイミングを変化させる制御を行い、着火が生じた際におけるバルブタイミングに基づいて燃料のセタン価を検出する点で、前述した第1乃至第8実施例と異なる。例えば、ECU20は、エンジン8の吸気弁の開きタイミング(以下、「吸気開きタイミング」と呼ぶ。)を変化させる制御を行うことによって、吸入空気量を変化させる。この場合、吸気開きタイミングを遅くすると、初期の負圧による慣性効果で吸入空気量が増加する。このように吸入空気量が増加すると、気筒内の温度が下がりにくくなり、燃料が着火しやすくなると言える。したがって、第9実施例によれば、吸入空気量を変化させない場合と比較して、安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。また、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
図19は、パイロット数と、着火した際の吸気開きタイミングと、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、吸気開きタイミングが早いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、吸気開きタイミングが遅いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、吸気開きタイミングを比較的早くしても着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、吸気開きタイミングを遅くしなければ着火しない傾向にあるからである。第9実施例では、ECU20は、このような吸気開きタイミングとセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
なお、第9実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、吸入空気量が変化するようにバルブタイミングを変化させる制御を行うと共に、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行うことによって、燃料のセタン価を検出することができる。これにより、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
(第10実施例)
次に、第10実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第10実施例では、パイロット数や噴射時期などを変化させて燃料噴射を実行する代わりに、実圧縮比が変化するようにエンジン8におけるバルブタイミングを変化させる制御を行い、着火が生じた際におけるバルブタイミングに基づいて燃料のセタン価を検出する点で、前述した第1乃至第9実施例と異なる。例えば、ECU20は、エンジン8の吸気弁の閉じタイミング(以下、「吸気閉じタイミング」と呼ぶ。)を変化させる制御を行うことによって、実圧縮比を変化させる。この場合、吸気閉じタイミングを下死点(BDC)付近に近づけると(つまり吸気閉じタイミングを早くすると)、実圧縮比が高くなり、燃料が着火しやすくなると言える。したがって、第10実施例によれば、実圧縮比を変化させない場合と比較して、安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。
図20は、パイロット数と、着火した際の吸気閉じタイミングと、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、吸気閉じタイミングが遅いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、吸気閉じタイミングが早いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、吸気閉じタイミングを比較的遅くしても着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、吸気閉じタイミングを早くしなければ着火しない傾向にあるからである。第10実施例では、ECU20は、このような吸気閉じタイミングとセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
なお、第10実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、実圧縮比が変化するようにバルブタイミングを変化させる制御を行うと共に、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行うことによって、燃料のセタン価を検出することができる。
(第11実施例)
次に、第11実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第11実施例では、パイロット数や噴射時期などを変化させて燃料噴射を実行する代わりに、エンジン8におけるインテークマニホールドの温度(以下、「インマニ温度」と呼ぶ。)が変化するように制御を行い、着火が生じた際におけるインマニ温度に基づいて燃料のセタン価を検出する点で、前述した第1乃至第10実施例と異なる。例えば、ECU20は、インタークーラ5をバイパスするバイパス通路6に吸気が流れるようにバイパス通路弁7を制御することによって、吸気がインタークーラ5によって冷却されることを抑制することでインマニ温度を高くする。このようにしてインマニ温度が高くなった場合、気筒内の空気温度が高くなり、燃料が着火しやすくなると言える。したがって、第11実施例によれば、インマニ温度を変化させない場合と比較して、安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。また、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。また、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
図21は、パイロット数と、着火した際のインマニ温度と、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、インマニ温度が低いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、インマニ温度が高いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、インマニ温度が比較的低くても着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、インマニ温度を高くしなければ着火しない傾向にあるからである。第11実施例では、ECU20は、このようなインマニ温度とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
なお、第11実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、インマニ温度が変化するように制御を行うと共に、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行うことによって、燃料のセタン価を検出することができる。
(第12実施例)
次に、第12実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第12実施例では、パイロット数や噴射時期などを変化させて燃料噴射を実行する代わりに、エンジン8におけるスワールの強さ(以下、「スワール強さ」と呼ぶ。)が変化するように制御を行い、着火が生じた際におけるスワール強さに基づいて燃料のセタン価を検出する点で、前述した第1乃至第11実施例と異なる。例えば、ECU20は、スワール可変機構11cを制御することによって、スワール強さを変化させる。スワール強さが強い場合には、混合気が拡散しやすくなり着火しにくくなるが、スワール強さが弱い場合には、混合気が拡散しにくくなるので、燃料が着火しやすくなると言える。したがって、第12実施例によれば、スワール強さを変化させない場合と比較して、安定した着火を行わせることができ、燃料のセタン価の検出をより確実に行うことが可能となる。また、精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
図22は、パイロット数と、着火した際のスワール強さと、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、スワール強さが強いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、スワール強さが弱いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、スワール強さが比較的強くても着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、スワール強さを弱くしなければ着火しない傾向にあるからである。第12実施例では、ECU20は、このようなスワール強さとセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
なお、第12実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、スワール強さが変化するように制御を行うと共に、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行うことによって、燃料のセタン価を検出することができる。
(第13実施例)
次に、第13実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第13実施例では、燃料の着火が生じた際におけるエンジン8における水温に基づいてセタン価を検出する点で、前述した第1乃至第12実施例と異なる。こうするのは、エンジン8の水温によって、燃料の着火しやすさが変わるからである。例えば、水温が高ければ、圧縮端温度が高くなり、燃料が着火しやすくなるからである。
図23は、パイロット数と、着火した際の水温と、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、水温が低いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、水温が高いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、水温が比較的低くても着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、水温が高くなければ着火しない傾向にあるからである。第13実施例では、ECU20は、このような水温とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
図24は、第13実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。なお、このセタン価検出処理は、前述したECU20によって実行される。
ステップS601、S602の処理は、前述した第1実施例に係るセタン価検出処理におけるステップS101、S102の処理と同様である(図4参照)。よって、その説明を省略する。次に、ステップS603では、ECU20は、水温センサ22から水温(検出信号S22に対応する)を取得する。そして、処理はステップS604に進む。ステップS604では、ECU20は、セタン価を判定するための燃料噴射を実行する。そして、処理はステップS605に進む。
ステップS605では、ECU20は、ステップS604における燃料噴射による着火の有無を検出する。具体的には、ECU20は、クランク角速度の変化に基づいて燃料の着火の有無を判断する。そして、処理はステップS606に進む。
ステップS606では、ECU20は、ステップS603で取得された水温と、ステップS604で検出された着火の有無とに基づいて、燃料のセタン価を判定する。具体的には、ECU20は、水温と着火の有無とに対してセタン価が対応付けられたマップを参照して、燃料のセタン価を判定する。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
上記の第13実施例に係るセタン価検出処理によれば、水温を考慮に入れてセタン価を検出するので、燃料のセタン価を精度良く検出することが可能となる。
なお、第13実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行いつつ、エンジン8の水温を考慮に入れて、燃料のセタン価を検出することができる。これにより、更に精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
(第14実施例)
次に、第14実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第14実施例では、EGR領域からの減速時において、燃料の着火が生じた際におけるEGR率(全排気ガスに占めるEGRガスの割合)に基づいてセタン価を検出する点で、前述した第1乃至第13実施例と異なる。つまり、第14実施例では、EGR領域からの減速時においてEGRガスが抜けてEGR率が変化することを利用して、着火が生じた際のEGR率からセタン価を検出する。こうするのは、EGR率によって燃料の着火しやすさが変わるため、各EGR率における着火の有無に基づいてセタン価を判定することができるからである。具体的には、EGR領域からの減速における初期段階ではEGR率が高いので、着火しにくいと言える。これに対して、減速が進むにつれ、EGR率が低くなるので、着火しやすくなると言える。
図25は、パイロット数と、着火した際のEGR率と、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、EGR率が高いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、EGR率が低いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、EGR率が比較的高くても着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、EGR率が低くなければ着火しない傾向にあるからである。第14実施例では、ECU20は、このようなEGR率とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
図26は、第14実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。なお、このセタン価検出処理は、前述したECU20によって実行される。
ステップS701では、ECU20は、セタン価の判定実行条件が成立したか否かを判定する。具体的には、ECU20は、車両100がEGR領域からの減速状態にあるか否かを判定する。判定実行条件が成立している場合(ステップS701;Yes)、処理はステップS702に進み、判定実行条件が成立していない場合(ステップS701;No)、処理は当該フローを抜ける。
ステップS702では、ECU20は、セタン価を判定するために設定するパイロット数を決定する。そして、処理はステップS703に進む。ステップS703では、ECU20は、セタン価を判定するための燃料噴射を実行する。そして、処理はステップS704に進む。
ステップS704では、ECU20は、現在のEGR率を取得する。例えば、ECU20は、演算式を用いてEGR率を算出する。そして、処理はステップS705に進む。ステップS705では、ECU20は、ステップS703における燃料噴射によって燃料が着火したか否かを判定する。具体的には、ECU20は、クランク角速度の変化に基づいて燃料の着火の有無を判断する。燃料が着火している場合(ステップS705;Yes)、処理はステップS707に進む。ステップS707では、ECU20は、ステップS704で得られたEGR率に基づいてセタン価を検出する。例えば、ECU20は、EGR率に対して燃料のセタン価が対応付けられたマップを参照して、現在のEGR率に対応するセタン価を得る。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
一方、燃料が着火していない場合(ステップS705;No)、処理はステップS703に戻り、燃料噴射を再度実行する。つまり、ステップS703〜S705の処理を繰り返すことによって、燃料の着火が生じるまでEGR率を取得し続ける。
上記の第14実施例に係るセタン価検出処理によれば、EGR領域からの減速時におけるEGR率の変化を利用して、適切にセタン価を検出することができる。このようにEGR率に基づいてセタン価を検出することにより、判定実行回数を削減しつつ、セタン価を精度良く検出することが可能となる。
なお、第14実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行いつつ、EGR領域からの減速時におけるEGR率を考慮に入れて、セタン価を検出することができる。これにより、更に精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
(第15実施例)
次に、第15実施例に係るセタン価検出方法について説明する。第15実施例では、エンジン8が高回転から減速する際に、燃料の着火が生じた際におけるエンジン8の回転数に基づいてセタン価を検出する点で、前述した第1乃至第14実施例と異なる。こうするのは、エンジン8の回転数によって燃料の着火しやすさが変わるため、各回転数における着火の有無に基づいてセタン価を判定することができるからである。具体的には、高回転からの減速における初期段階では、エンジン8の回転数が高いので、筒内のスワールが強く反応時間も短いため、燃料が着火しにくいと言える。これに対して、減速が進むにつれ、エンジン8の回転数が低くなるので、燃料が着火しやすくなると言える。
図27は、パイロット数と、着火した際の回転数と、セタン価との関係を示した概略図である。図示のように、回転数が高いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が狭く、回転数が低いほど、着火が生じるセタン価の値の範囲が広くなることがわかる。こうなるのは、セタン価が高い場合には着火しやすいため、エンジン8の回転数が比較的高くても着火する傾向にあるが、セタン価が低い場合には着火しにくいため、回転数が低くなければ着火しない傾向にあるからである。第15実施例では、ECU20は、このようなエンジン8の回転数とセタン価との関係に基づいて、燃料のセタン価を検出する。
図28は、第15実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。なお、このセタン価検出処理は、前述したECU20によって実行される。
ステップS801では、ECU20は、セタン価の判定実行条件が成立したか否かを判定する。具体的には、ECU20は、車両100が高回転からの減速状態にあるか否かを判定する。判定実行条件が成立している場合(ステップS801;Yes)、処理はステップS802に進み、判定実行条件が成立していない場合(ステップS801;No)、処理は当該フローを抜ける。
ステップS802では、ECU20は、セタン価を判定するために設定するパイロット数を決定する。そして、処理はステップS803に進む。ステップS803では、ECU20は、セタン価を判定するための燃料噴射を実行する。そして、処理はステップS804に進む。
ステップS804では、ECU20は、現在のエンジン8の回転数を取得する。具体的には、ECU20は、回転数センサ24から回転数(検出信号S24に対応する)を取得する。そして、処理はステップS805に進む。ステップS805では、ECU20は、ステップS803における燃料噴射によって燃料が着火したか否かを判定する。具体的には、ECU20は、クランク角速度の変化に基づいて燃料の着火の有無を判断する。燃料が着火している場合(ステップS805;Yes)、処理はステップS807に進む。ステップS807では、ECU20は、ステップS804で得られた回転数に基づいてセタン価を検出する。例えば、ECU20は、エンジン8の回転数に対して燃料のセタン価が対応付けられたマップを参照して、現在の回転数に対応するセタン価を得る。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
一方、燃料が着火していない場合(ステップS805;No)、処理はステップS803に戻り、燃料噴射を再度実行する。つまり、ステップS803〜S805の処理を繰り返すことによって、燃料の着火が生じるまでエンジン8の回転数を取得し続ける。
上記の第15実施例に係るセタン価検出処理によれば、エンジン8の高回転からの減速時における回転数の変化を利用して、適切にセタン価を検出することができる。このようにエンジン8の回転数に基づいてセタン価を検出することにより、判定実行回数を削減しつつ、セタン価を精度良く検出することが可能となる。
なお、第15実施例に係るセタン価検出方法と、前述した第1実施例に係るセタン価検出方法とを組み合わせて実行しても良い。具体的には、パイロット噴射を行う回数を変化させる制御を行いつつ、高回転からの減速時におけるエンジン8の回転数を考慮に入れて、セタン価を検出することができる。これにより、更に精度良くセタン価の検出を行うことが可能となる。
(変形例)
上記では、クランク角速度の変化に基づいて燃料の着火の有無を判断する実施例を示したが、これに限定はされない。他の例では、排気ガスの温度(排気温度)に基づいて燃料の着火の有無を判断することができる。具体的には、ECU20は、燃料噴射の有無における排気温度(排気温度センサ23から取得される温度)の違いから、着火の有無を判断することができる。詳しくは、ECU20は、以下の手順で着火の有無を判断する。
燃料噴射によって着火が生じた場合には、燃料噴射無しの場合と比べて、排出されるガスの温度が熱発生により上昇する傾向にある。したがって、1つの例では、ECU20は、燃料噴射直前の排気温度に対して、燃料噴射有りにおける排気温度が上昇している場合に、燃料の着火が生じたと判断する。他の例では、ECU20は、噴射無しの場合に予測される排気温度に対して、燃料噴射有りにおける排気温度が高い場合に、燃料の着火が生じたと判断する。この場合、ECU20は、エンジン8の水温や、直前までの運転条件によって予測される筒内、排気系の温度などに基づいて、噴射無しの場合における排気温度を予測することができる。
本実施形態に係る車両の概略構成を示すブロック図である。 第1実施例に係るセタン価検出方法を具体的に説明するための図である。 パイロット数とセタン価との関係を示した概略図である。 第1実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。 第1のパイロット数の判定手順を具体的に説明するための図である。 第1のセタン価判定パイロット数決定処理を示すフローチャートである。 第2のパイロット数の判定手順を具体的に説明するための図である。 第2のセタン価判定パイロット数決定処理を示すフローチャートである。 第2実施例に係るセタン価検出方法を具体的に説明するための図である。 噴射時期とセタン価との関係を示した概略図である。 第2実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。 合計の噴射量とセタン価との関係を示した概略図である。 パイロットインターバルとセタン価との関係を示した概略図である。 燃料噴射圧力とセタン価との関係を示した概略図である。 グロー温度とセタン価との関係を示した概略図である。 第6実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。 過給圧とセタン価との関係を示した概略図である。 インマニ圧とセタン価との関係を示した概略図である。 吸気開きタイミングとセタン価との関係を示した概略図である。 吸気閉じタイミングとセタン価との関係を示した概略図である。 インマニ温度とセタン価との関係を示した概略図である。 スワール強さとセタン価との関係を示した概略図である。 水温とセタン価との関係を示した概略図である。 第13実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。 EGR率とセタン価との関係を示した概略図である。 第14実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。 エンジン回転数とセタン価との関係を示した概略図である。 第15実施例に係るセタン価検出処理を示すフローチャートである。
符号の説明
3 吸気通路
5 インタークーラ
6 バイパス通路
7 バイパス通路弁
8 エンジン(内燃機関)
9 燃料噴射弁
10 グロープラグ
11a バルブタイミング可変機構
11b 燃料噴射圧力可変機構
11c スワール可変機構
12 排気通路
14 ターボチャージャ
14c モータ
15a EGR通路
20 ECU
21 クランク角センサ
22 水温センサ
23 排気温度センサ
100 車両

Claims (4)

  1. 燃料のセタン価を検出する内燃機関の燃料セタン価検出装置であって、
    内燃機関のフューエルカット時において、パイロット噴射を行う回数を変化させて燃料噴射を実行する燃料噴射制御手段と、
    前記燃料噴射制御手段によって噴射された燃料の着火が生じた際において、当該燃料噴射制御手段によって設定されている前記パイロット噴射の回数に基づいて、前記燃料のセタン価を検出するセタン価検出手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の燃料セタン価検出装置。
  2. 前記燃料噴射制御手段は、
    1回目の燃料噴射は、最大パイロット噴射回数の半分の回数で前記パイロット噴射を実行し、前記パイロット噴射により着火した場合には、0回から前記最大パイロット噴射回数までの範囲を2等分に分割した下半分の範囲を、次回のパイロット噴射で用いる範囲として決定し、前記パイロット噴射により着火しなかった場合には、0回から前記最大パイロット噴射回数までの範囲を2等分に分割した上半分の範囲を、次回のパイロット噴射で用いる範囲として決定し、
    2回目以降の燃料噴射は、前回のパイロット噴射で決定された範囲の中間にある回数で前記パイロット噴射を実行し、当該パイロット噴射により着火した場合には、前記前回のパイロット噴射で決定された範囲を2等分に分割した下半分の範囲を、次回のパイロット噴射で用いる範囲として決定し、当該パイロット噴射により着火しなかった場合には、前記前回のパイロット噴射で決定された範囲を2等分に分割した上半分の範囲を、次回のパイロット噴射で用いる範囲として決定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料セタン価検出装置。
  3. 前記燃料噴射制御手段は、給油後において前記セタン価の検出を行う場合には、
    1回目の燃料噴射は、給油前の燃料において前記セタン価を判定する際に設定されていた前記パイロット噴射の回数によって前記パイロット噴射を実行し、
    2回目以降の燃料噴射は、前回の燃料噴射による着火の有無に基づいて、前記前回の燃料噴射において設定されていた前記パイロット噴射の回数を増加又は減少させた回数の前記パイロット噴射によって実行することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料セタン価検出装置。
  4. 前記セタン価検出手段は、前記内燃機関における排気ガスの温度を取得し、前記排気ガスの温度に基づいて前記燃料の着火の有無を判断することを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料セタン価検出装置。
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