JP4910587B2 - 駆動力配分装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動源から入力された駆動力の第1及び第2の出力軸への配分比率を制御可能な駆動力配分装置に関するものである。
従来、入力された駆動力を相互の差動を許容しつつ第1及び第2の出力軸に伝達する差動機構と、その第1及び第2の出力軸間に介在された遊星歯車機構と、該遊星歯車機構に駆動連結されたモータとを備え、そのモータ回転方向及びモータトルクを制御することにより第1及び第2の出力軸間における駆動力配分を可変可能な駆動力配分装置がある。
例えば、特許文献1には、リヤディファレンシャルを介して差動回転可能に設けられた左右の車軸間、つまり第1及び第2の出力軸間に、図14に示すような遊星歯車機構U1を介在させることにより、エンジンの駆動力の左右の駆動輪への配分比率を制御可能な駆動力配分装置が開示されている。
この駆動力配分装置において、遊星歯車機構U1は、一体回転可能に同軸配置されたピニオンギヤを連結してなる二連ピニオン型のプラネタリギヤPGと、その各ピニオンにそれぞれ噛合する二つのサンギヤSG1,SG2と、プラネタリギヤPGを自転可能且つ公転可能に支承するプラネタリキャリヤCとを備えて構成されている。尚、この遊星歯車機構U1では、プラネタリキャリヤCを固定した状態で両サンギヤSG1,SG2を回転させた場合に、第1のサンギヤSG1(同図中右側)よりも第2のサンギヤSG2(同図中左側)の方が回転速度が速くなる、即ち第1のサンギヤSG1が減速側ギヤ、第2のサンギヤSG2が増速側ギヤとなるように構成されている。この駆動力配分装置では、サンギヤSG1には、ディファレンシャルを介して右の車軸が連結され、他方のサンギヤSG2には、変速機構を介して左の車軸が連結されている。そして、その遊星歯車機構U1を駆動する制御用駆動源としてのモータは、プラネタリキャリヤCに駆動連結されている。
即ち、この駆動力配分装置は、モータトルクに基づきプラネタリキャリヤCを回転させることにより、第1のサンギヤSG1側から第2のサンギヤSG2側に、又は第2のサンギヤSG2側から第1のサンギヤSG1側へとトルク伝達可能に構成されている。つまり、そのプラネタリキャリヤCを制御トルクの入力要素として遊星歯車機構U1をモータ駆動することにより、左右の車軸に伝達される駆動力(トルク)は、見かけ上、右の車軸側から左の車軸側に、又は左の車軸側から右の車軸側へと移動する。そして、そのモータ回転方向及びモータトルクを制御することにより、左右の車軸に対する駆動力配分を可変することが可能となっている。
特開2006−112474号公報
しかしながら、遊星歯車機構には、制御トルクの入力要素の設定、及びトルク伝達方向、並びにプラネタリギヤに噛合する各ギヤの回転速度と同プラネタリギヤを支承するプラネタリキャリヤの回転速度との関係が、所定の条件下にある場合、そのトルク伝達特性が変化するという特徴がある。
例えば、図14に示す遊星歯車機構U1では、プラネタリキャリヤCを制御トルクの入力要素として、増速側の第2のサンギヤSG2から減速側の第1のサンギヤSG1へとトルク伝達がなされる場合において、プラネタリキャリヤCの回転速度よりも第1のサンギヤSG1の回転速度が速い状態が上記の所定の条件に該当する。そして、この条件下にある場合、一定の制御トルクの入力に対し、増速側の第2のサンギヤSG2から減速側の第1のサンギヤSG1へと伝達されるトルク量が、この条件下以外の場合と比較して大きく増加するという特徴がある。
このため、これと同様の構成を有する遊星歯車機構を用いた従来の駆動力配分装置(左右駆動力配分装置)では、図15に示すように、制御トルクとして遊星歯車機構に入力するモータトルクを一定とした場合であっても、その左右の駆動輪の回転速度によっては、当該両駆動輪間の伝達トルク差がその目標とする値よりも大きく出てしまう。つまり、車速やその旋回方向及び旋回半径等といった走行状態によって、左右の駆動力配分(トルク差)が変動し、ひいては、これが操舵フィーリングを損ねる要因となるという問題があり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、より正確な駆動力配分を可能とする駆動力配分装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、入力される駆動力を相互の差動を許容しつつ第1及び第2の出力軸に伝達する差動機構と、前記第1及び第2の出力軸間に介在された遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構に駆動連結されたモータと、モータ回転方向及びモータトルクを制御することにより前記第1及び第2の出力軸間の駆動力配分を制御する制御手段とを備えた駆動力配分装置において、前記制御手段は、前記遊星歯車機構のトルク伝達特性の変化に起因する両出力軸間における駆動力配分の変動を補償すべく前記モータトルクを補正すること、を要旨とする。
即ち、遊星歯車機構には、使用状況によりそのトルク伝達特性が変化するという特徴がある。しかし、上記構成のように、所定の条件下において、制御トルクとして遊星歯車機構に入力するモータトルクを補正することにより、こうしたトルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分の変動を補償することができ、これにより、正確な駆動力配分ができるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記遊星歯車機構の構成要素のうち、プラネタリギヤを自転及び公転可能に支承するプラネタリキャリヤの回転速度と前記プラネタリギヤに噛合されたギヤの回転速度との比較に基づいて、前記モータトルクの補正を行うこと、を要旨とする。
即ち、遊星歯車機構におけるトルク伝達特性変化は、その構成要素であるプラネタリキャリヤの回転速度とプラネタリギヤに噛合するギヤの回転速度との関係に依存する。従って、そのプラネタリキャリヤの回転速度と上記噛合するギヤの回転速度との比較に基づきモータトルクを補正することで、トルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分の変動を精度よく補償することができる。
請求項3に記載の発明は、前記遊星歯車機構の構成要素のうち、プラネタリギヤに噛合される二つのギヤは、ともに外歯有する、又はともに内歯を有するものであり、前記モータは、前記プラネタリギヤを自転及び公転可能に支承するプラネタリキャリヤに駆動連結されるものであって、第1回転速度として前記プラネタリキャリヤの回転速度を検出する第1の検出手段と、第2回転速度として前記プラネタリギヤに噛合されたギヤの回転速度を検出する第2の検出手段とを備え、前記制御手段は、前記プラネタリキャリヤを固定とした場合に増速側となる増速側ギヤから減速側となる減速側ギヤへとトルク伝達される状態において、前記第1回転速度よりも前記第2回転速度が速い場合には、前記モータトルクを低減する補正を行うこと、を要旨とする。
請求項4に記載の発明は、前記遊星歯車機構の構成要素のうち、プラネタリギヤに噛合される二つのギヤは、ともに外歯を有する、又はともに内歯を有するものであり、前記モータは、前記プラネタリギヤに噛合される二つのギヤのうち、前記プラネタリギヤを自転及び公転可能に支承するプラネタリキャリヤを固定とした場合に増速側となる増速側ギヤに駆動連結されるものであって、第1回転速度として前記プラネタリキャリヤの回転速度を検出する第1の検出手段と、第2回転速度として前記プラネタリギヤに噛合されたギヤの回転速度を検出する第2の検出手段とを備え、前記制御手段は、前記プラネタリキャリヤから前記プラネタリキャリヤを固定とした場合に減速側となる減速側ギヤへとトルク伝達される状態において、前記第1回転速度よりも前記第2回転速度が速い場合には、前記モータトルクを増加する補正を行うこと、を要旨とする。
請求項5に記載の発明は、前記遊星歯車機構の構成要素のうち、プラネタリギヤに噛合される二つのギヤは、一方が外歯を有し他方が内歯を有するものであり、前記モータは、前記プラネタリギヤに噛合される二つのギヤのうち、前記プラネタリギヤを自転及び公転可能に支承するプラネタリキャリヤを固定とした場合に増速側となる増速側ギヤに駆動連結されるものであって、第1回転速度として前記プラネタリキャリヤの回転速度を検出する第1の検出手段と、第2回転速度として前記プラネタリギヤに噛合されたギヤの回転速度を検出する第2の検出手段とを備え、前記制御手段は、前記プラネタリキャリヤを固定とした場合に減速側となる減速側ギヤから前記プラネタリキャリヤへとトルク伝達される状態において、前記第1回転速度よりも前記第2回転速度として検出された前記増速側ギヤの回転速度が速い場合、又は前記第1回転速度よりも前記第2回転速度として検出された前記減速側ギヤの回転速度が遅い場合には、前記モータトルクを低減する補正を行うこと、を要旨とする。
請求項6に記載の発明は、前記遊星歯車機構の構成要素のうち、プラネタリギヤに噛合される二つのギヤは、一方が外歯を有し他方が内歯を有するものであり、前記モータは、前記プラネタリギヤに噛合される二つのギヤのうち、前記プラネタリギヤを自転及び公転可能に支承するプラネタリキャリヤを固定とした場合に減速側となる減速側ギヤに駆動連結されるものであって、第1回転速度として前記プラネタリキャリヤの回転速度を検出する第1の検出手段と、第2回転速度として前記プラネタリギヤに噛合されたギヤの回転速度を検出する第2の検出手段とを備え、前記制御手段は、前記プラネタリキャリヤを固定とした場合に増速側となる増速側ギヤから前記プラネタリキャリヤへとトルク伝達される状態において、前記第1回転速度よりも前記第2回転速度として検出された前記増速側ギヤの回転速度が速い場合、又は前記第1回転速度よりも前記第2回転速度として検出された前記減速側ギヤの回転速度が遅い場合には、前記モータトルクを増加する補正を行うこと、を要旨とする。
上記各構成のように、遊星歯車機構の構造、及び制御トルクの入力要素の設定に応じて、最適化を図ることにより、より精度よく、トルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分の変動を補償することができる。
本発明によれば、より正確な駆動力配分を可能とする駆動力配分装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、前輪駆動車をベースとする四輪駆動車であり、エンジン2の傍らに組み付けられたトランスアクスル3には、一対のフロントアクスル4L,4Rが連結されており、エンジン2の駆動力は、これらフロントアクスル4L,4Rを介して前輪5L,5Rに伝達される。また、トランスアクスル3には、上記各フロントアクスル4L,4Rとともにプロペラシャフト6が連結されており、同プロペラシャフト6は、トルクカップリング7及びリヤディファレンシャル8を介して一対のリヤアクスル9L,9Rと連結されている。そして、これらプロペラシャフト6、リヤディファレンシャル8、及びリヤアクスル9L,9Rを介して、後輪10L,10Rにも駆動力が伝達されるようになっている。
図2に示すように、本実施形態のリヤディファレンシャル8は、遊星歯車式の差動機構11を備えている。具体的には、差動機構11は、外歯ギヤ12と一体に形成されたリングギヤ13を有しており、同リングギヤ13の内側にはサンギヤ14が同軸に配置されている。また、これらリングギヤ13及びサンギヤ14の間には、第1プラネタリギヤ15a及び第2プラネタリギヤ15bからなる複数のプラネタリギヤ対15が介在されており、各第1プラネタリギヤ15aはリングギヤ13に、各第2プラネタリギヤ15bはサンギヤ14にそれぞれ噛合されている。そして、これら各プラネタリギヤ対15を構成する第1プラネタリギヤ15a及び第2プラネタリギヤ15bは、互いに噛合された状態で、プラネタリキャリヤ16によりそれぞれ自転可能且つ公転可能に支承されている。
本実施形態では、トルクカップリング7を介してプロペラシャフト6に連結された入力軸17の一端には、ドライブピニオン18が設けられており、リングギヤ13は、その外周に形成された外歯ギヤ12が、このドライブピニオン18に噛合されることにより同ドライブピニオン18と駆動連結されている。そして、サンギヤ14は、左のリヤアクスル9Lの軸端に、プラネタリキャリヤ16は、右のリヤアクスル9Rの軸端に固定されることにより、対応する各リヤアクスル9L,9Rとともに一体回転可能に設けられている。
即ち、プロペラシャフト6の回転は、トルクカップリング7及び入力軸17からドライブピニオン18を介してリングギヤ13へと伝達され、同リングギヤ13とともにサンギヤ14及びプラネタリキャリヤ16が一体的に回転することにより、その駆動力が両リヤアクスル9L,9Rから左右の後輪10L,10Rへと伝達される。そして、車両旋回時等、左右の後輪10L,10Rに生ずる回転差は、各第1プラネタリギヤ15a及び各第2プラネタリギヤ15bのそれぞれが、自転しつつサンギヤ14の周りを公転することにより、これを許容する構成となっている。
(駆動力配分装置)
また、本実施形態のリヤディファレンシャル8は、エンジン2の駆動力の左右の後輪10L,10Rへの配分比率を制御可能な駆動力配分装置20としての機能を有している。
詳述すると、本実施形態では、駆動力配分装置20の第1及び第2の出力軸を構成する両リヤアクスル9L,9R間には、遊星歯車機構21が介在されており、同遊星歯車機構21には、その制御用駆動源としてモータ22が駆動連結されている。そして、このモータ22の作動をECU23により制御し、そのモータトルクに基づき両リヤアクスル9L,9R間に差回転を生じさせることにより、プロペラシャフト6からドライブピニオン18を介して入力されるエンジン2の駆動力の両リヤアクスル9L,9Rへの配分比率を制御可能な構成となっている。
さらに詳述すると、本実施形態の遊星歯車機構21は、図14に示される遊星歯車機構U1と同様の構成を有している。即ち、遊星歯車機構21は、左のリヤアクスル9Lと同軸に並置された二つのサンギヤ24,25と、両サンギヤ24,25に噛合する複数の二連ピニオン26と、これら各二連ピニオン26を自転可能且つ公転可能に支承するプラネタリキャリヤ27とにより構成されている。
本実施形態では、各サンギヤ24,25には互い異なる歯数が設定されるとともに、これら各サンギヤ24,25に噛合する二連ピニオン26の第1及び第2ピニオン26a,26bにも互い異なる歯数が設定されている。そして、プラネタリキャリヤ27を固定した状態で両サンギヤ24,25を回転させた場合に、第1のサンギヤ24よりも第2のサンギヤ25の方が回転速度が速くなる、即ちプラネタリキャリヤ27を固定とした場合に、第1のサンギヤ24が減速側ギヤ、第2のサンギヤ25が増速側ギヤとなるように構成されている。つまり、本実施形態では、第1のサンギヤ24が遊星歯車機構U1における第1のサンギヤSG1に、第2のサンギヤ25が第2のサンギヤSG2に相当し、二連ピニオン26がプラネタリギヤPGに相当する。そして、プラネタリキャリヤ27がプラネタリキャリヤCに相当する。
本実施形態では、第1のサンギヤ24は、差動機構11のプラネタリキャリヤ16と一体回転可能に連結、即ち差動機構11を介して右のリヤアクスル9Rと連結されている。また、第2のサンギヤ25は、変速機構31を介して左のリヤアクスル9Lに連結されている。そして、制御用駆動源としてのモータ22は、各二連ピニオン26を支承するプラネタリキャリヤ27と駆動連結されている。
即ち、モータ22の発生するモータトルクを制御トルクとしてプラネタリキャリヤ27に入力することにより、遊星歯車機構21は、第1のサンギヤ24側から第2のサンギヤ25側へ、又は第2のサンギヤ25側から第1のサンギヤ24側へとトルクを伝達するように構成されている。そして、ECU23は、その制御トルクとして入力するモータ22の回転方向及びモータトルクを制御することにより、第1及び第2のサンギヤ24,25がそれぞれ連結された両リヤアクスル9L,9Rにおける駆動力配分を制御する。
尚、変速機構31は、遊星歯車機構21に設定された変速比に基づくプラネタリキャリヤ27の回転を抑制すべく当該遊星歯車機構21の変速比を補正するために設けられたものである。そして、本実施形態の変速機構31は、遊星歯車機構21と同一構成を有する遊星歯車を、その減速側のサンギヤ34と増速側のサンギヤ35との配置を反転させて遊星歯車機構21の傍らに同軸配置し当該遊星歯車機構21と左のリヤアクスル9Lと間に介在させることにより、構成されている。即ち、変速機構31における増速側のサンギヤ35は、遊星歯車機構21における増速側のサンギヤ25に連結され、その減速側のサンギヤ34は、左側のリヤアクスル9Lに連結される。そして、プラネタリギヤ36を支承するプラネタリキャリヤ37を非回転部位であるケーシング(図示略)に固定することにより、遊星歯車機構21に設定された変速比を相殺して、モータ22に駆動連結されたプラネタリキャリヤ27の非モータ駆動時における回転を抑制することが可能となっている。
次に、ECUによるモータ制御の態様について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態では、ECU23には、ステアリングセンサ38により検出された操舵角θsが入力される。そして、ECU23は、その検出された操舵角θsに基づいて、モータ22の作動を制御する。
即ち、車両旋回時には、旋回半径方向内側の車輪よりも外側の車輪の方の回転速度が速くなる。そして、ECU23は、左右の後輪10L,10Rのうち、外側の駆動輪となる方の駆動力配分が大となるようにモータ22の作動を制御する。具体的には、図3に示すように、ECU23は、入力される操舵角θsに示されるステアリング方向に応じて、モータ22の回転方向を切り替える。そして、その操舵角θsの絶対値が大きいほど、そのモータトルクが大となるようにモータ22に供給する電流量を制御する。
(補償制御)
さて、上述のように、遊星歯車機構には、制御トルクの入力要素の設定、及びトルク伝達方向、並びにプラネタリギヤに噛合する各ギヤの回転速度と同プラネタリギヤを支承するプラネタリキャリヤの回転速度との関係が、所定の条件下にある場合、そのトルク伝達特性が変化するという特徴がある。そして、本実施形態の駆動力配分装置20のように、図14に示される遊星歯車機構U1と同様の構成を有する遊星歯車機構21を用い、そのプラネタリキャリヤ27に、制御用駆動源であるモータ22を連結する構成においては、上記トルク伝達特性の変化により、次のような問題が生ずることになる。
即ち、左旋回時、第2のサンギヤ25側(増速側ギヤ)から第1のサンギヤ24側(減速側ギヤ)へとトルク伝達がなされる状態において、プラネタリキャリヤ27の回転速度よりも各サンギヤの回転速度が速い場合には、モータトルクが一定であるにも関わらず第2のサンギヤ25側から第1のサンギヤ24側に伝達されるトルクが増大する。そして、これにより、左右のリヤアクスル9L,9Rのトルク差が想定する値よりも大きく出てしまうという問題が生ずる。
この点を踏まえ、本実施形態の駆動力配分装置20では、ECU23は、遊星歯車機構21が、このようなトルク伝達特性の変化する条件下にあるか否かを監視する。そして、トルク伝達特性の変化する条件下にあると判定した場合には、そのトルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分(トルク差)の変動を補償すべくモータ22の発生するモータトルクを補正する(図3参照)。
具体的には、本実施形態では、ECU23には、左右のリヤアクスル9L,9Rに設けられた車輪速センサ39L,39Rが接続されており、ECU23は、これら各車輪速センサ39L,39Rにより検出された左右の車輪速V_L,V_Rに基づいて、第1のサンギヤ24の回転速度ωG、及びプラネタリキャリヤ27の回転速度ωCを演算する。尚、本実施形態では、プラネタリキャリヤ27の回転速度ωCが第1回転速度に相当し、第1のサンギヤ24の回転速度ωGが第2回転速度に相当する。そして、ECU23は、これらの二つの回転速度ωG,ωCを比較し、プラネタリキャリヤ27の回転速度ωCよりも第1のサンギヤ24の回転速度ωGが速い場合には、そのモータトルクを低減すべくモータ22に供給する電流量を低減する。
即ち、図4のフローチャートに示すように、ECU23は、状態量として操舵角θs及び左右の車輪速V_L,V_Rを取得すると(ステップ101)、先ず操舵角θsに基づいてモータ22に発生させるべきモータトルクを決定し、同モータ22に供給する電流量の指令値(電流指令Iq*)を演算する(ステップ102)。
次に、ECU23は、操舵角θsが左旋回時を示す値であるか否かを判定し(ステップ103)、左旋回時である場合(ステップ103:YES)には、続いて左右の車輪速V_L,V_Rに基づいて、第1のサンギヤ24の回転速度ωG及びプラネタリキャリヤ27の回転速度ωCを演算する(ステップ104,105)。そして、プラネタリキャリヤ27の回転速度ωCよりも第1のサンギヤ24の回転速度ωGが速いか否かを判定し(ステップ106)、速い場合(ωG>ωC、ステップ106:YES)には、モータ22の発生するモータトルクを低減すべく、上記ステップ102において演算した電流指令Iq*を低減する補正を実行する(ステップ107)。
尚、本実施形態では、このステップ107における電流指令Iq*を低減する補正は、ステップ102において演算された電流指令Iq*に「1」よりも小さい所定の係数αを乗ずることにより行われる(Iq**=Iq*×α、α<1)。そして、上記ステップ103において、右旋回時であると判定した場合(ステップ103:NO)、又は上記ステップ106において、第1のサンギヤ24の回転速度ωGがプラネタリキャリヤ27の回転速度ωC以下であると判定した場合(ステップ106:NO)には、上記ステップ107におけるトルク補正を実行しない。即ち、ステップ102において演算された電流指令Iq*に基づいてモータ22への電力供給を実行する(ステップ108)。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
ECU23は、操舵角θsが左旋回時を示す値であるか否かを判定し(ステップ103)、左旋回時であると判定場合(ステップ103:YES)には、続いて左右の車輪速V_L,V_Rに基づいて、第1のサンギヤ24の回転速度ωG及びプラネタリキャリヤ27の回転速度ωCを演算する(ステップ104,105)。そして、プラネタリキャリヤ27の回転速度ωCよりも第1のサンギヤ24の回転速度ωGが速いか否かを判定し(ステップ106)、速い場合(ωG>ωC、ステップ106:YES)には、モータ22の発生するモータトルクを低減すべく、上記ステップ102において演算した電流指令Iq*を低減する補正を実行する(ステップ107)。
(1)即ち、遊星歯車機構には、使用状況によりそのトルク伝達特性が変化するという特徴がある。しかし、上記構成のように、所定の条件下にある場合に、制御トルクとして遊星歯車機構21に入力するモータトルクを補正することにより、こうしたトルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分(トルク差)の変動を補償することができ、これにより、正確な駆動力配分ができるようになる。
(2)上記トルク伝達特性の変化は、遊星歯車機構の構成要素であるプラネタリキャリヤ37の回転速度ωCとサンギヤ34の回転速度ωGとの関係に依存する。従って、そのプラネタリキャリヤ37の回転速度ωCとサンギヤ34の回転速度ωGとの比較に基づいてモータトルクを補正することで、トルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分の変動を精度よく補償することができる。
(3)プラネタリギヤ36に噛合する二つのサンギヤ24,25を備えた遊星歯車機構21を用い、そのプラネタリキャリヤ27に制御用駆動源であるモータ22を連結する構成では、次のようなトルク伝達特性の変化が発生する。即ち、第2のサンギヤ25側(増速側ギヤ)から第1のサンギヤ24側(減速側ギヤ)へとトルク伝達がなされるようモータ22を制御している状態において、プラネタリキャリヤ27の回転速度ωCよりもサンギヤ34の回転速度ωGが速い場合、モータトルクが一定であるにも関わらず第2のサンギヤ25側から第1のサンギヤ24側に伝達されるトルクが増大する。従って、プラネタリキャリヤ37の回転速度ωCよりもサンギヤ34の回転速度ωGが速い場合には、制御トルクとして入力するモータトルクを低減することにより、トルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分の変動を精度よく補償することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、第2回転速度として第1のサンギヤ24の回転速度を用いたが、第2のサンギヤ25の回転速度を用いてもよい。
・本実施形態では、電流指令Iq*の補正は、電流指令Iq*に「1」よりも小さい所定の係数αを乗ずることにより行われることとした。しかし、これに限らず、電流指令Iq*に所定量を加算(減算)する、或いは特別のマップを用いる等、その他の方法を用いてもよい。
・本実施形態では、遊星歯車式の差動機構11を用いたが、ベベルギヤ式の差動機構を用いてもよい。
・本実施形態では、本発明を、二連ピニオン型のプラネタリギヤPGと、その各ピニオンにそれぞれ噛合する二つのサンギヤSG1,SG2と、プラネタリギヤPGを支承するプラネタリキャリヤCとを備えた遊星歯車機構U1(図14参照)と同様の構成を有する遊星歯車機構21を用いた駆動力配分装置20に具体化した。しかし、これに限らず、その他の構成を有する遊星歯車機構を用いた駆動力配分装置に具体化してもよい。
例えば、遊星歯車機構として、図5に示すように、外歯を有するサンギヤSG1,SG2に代えて、内歯を有する二つのリングギヤRG1,RG2を備えた遊星歯車機構U2と同様の構成を有するものを用いる。尚、この遊星歯車機構U2においては、第1のリングギヤRG1側が増速側ギヤ、第2のリングギヤRG2側が減速側ギヤとなるように構成されている。そして、そのプラネタリキャリヤCを制御トルクの入力要素として設定する。
具体的には、図6に示す駆動力配分装置40において、上記の遊星歯車機構U2と同様の構成を有する遊星歯車機構41は、上記第1のリングギヤRG1に相当する増速側のリングギヤ44が、変速機構51を介して左のリヤアクスル9Lに連結される。また、上記第2のリングギヤRG2に相当する減速側の第2のリングギヤ45は、差動機構11を介して右のリヤアクスル9Rと連結されている。そして、制御用駆動源としてのモータ22は、各二連ピニオン46(プラネタリギヤPGに相当)を支承するプラネタリキャリヤ47(プラネタリキャリヤCに相当)と駆動連結される。尚、この駆動力配分装置40における変速機構51もまた、遊星歯車機構41と同一構成を有する遊星歯車機構を、その減速側のリングギヤ54と増速側のサンギヤ55との配置を反転させて遊星歯車機構41及び左のリヤアクスル9Lに連結することにより構成されている。そして、その二連ピニオン56を支承するプラネタリキャリヤ57は、非回転部材であるケーシング(図示略)に対して回転不能に固定されている。
このように構成することで、上記駆動力配分装置40と同様の動作、即ち左旋回時には、第1のリングギヤ44側(増速側ギヤ)から第2のリングギヤ45側(減速側ギヤ)へとトルク伝達がなされるようモータ22を制御する構成となる。そして、プラネタリキャリヤ47の回転速度ωCよりもリングギヤ44の回転速度ωGが速い場合、モータトルクが一定であるにも関わらず第1のリングギヤ44側(増速側)から第2のリングギヤ45側(減速側)に伝達されるトルクが増大する。従って、このような構成に具体化した場合についてもまた、プラネタリキャリヤ37の回転速度ωCよりもリングギヤ44の回転速度ωGが速い場合には、モータトルクを低減することで、トルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分の変動を精度よく補償することができる。
・本実施形態では、プラネタリキャリヤ27(C)を制御トルクの入力要素とした。しかし、これに限らず、本発明は、プラネタリギヤPGに噛合する二つのギヤのうち増速側のギヤ(図14においては第2のサンギヤSG2、図5においては第1のリングギヤRG1がそれに相当する)を制御トルクの入力要素としてモータ22に駆動連結する構成に適用してもよい。
具体的には、図7に示す駆動力配分装置60(図14に示す遊星歯車機構U1と同様の構成を有する遊星歯車機構61(及び変速機構62)を用いたもの)、及び図8に示す駆動力配分装置65(図5に示す遊星歯車機構U2と同様の構成を有する遊星歯車機構66(及び変速機構67)を用いたもの)がそれに相当する。
ただし、トルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分(トルク差)の変動を補償すべく制御トルクとして遊星歯車機構21に入力するモータトルクを補正するという点は同様であるが、その制御内容については、その構成に応じた最適化が必要である。
即ち、この場合(図7,図8に示す構成)、左旋回時には、プラネタリキャリヤCから減速側のギヤ(第1のサンギヤSG1,第2のリングギヤRG2)へとトルク伝達がなされるようモータ22を制御する構成となる。そして、この状態において、プラネタリキャリヤCの回転速度よりもプラネタリギヤPGに噛合されるギヤの回転速度ωGが速い場合には、そのトルク伝達特性の変化により、モータトルクが一定であるにも関わらずプラネタリキャリヤCから減速側のギヤへと伝達されるトルクが減少する。
従って、この場合における補償制御の態様としては、図9に示すように、第1回転速度としてのプラネタリキャリヤCの回転速度よりも第2回転速度としてのプラネタリギヤPGに噛合されるギヤの回転速度ωGが速い場合には、モータ22の発生するモータトルクを増加する補正を実行することになる。
具体的には、図10のフローチャートに示すように、ステップ203〜ステップ206の処理によって、上記トルク伝達特性の変化する条件下にあると判定した場合(ステップ206:YES)には、ステップ202において演算された電流指令Iq*を増加、即ちモータトルクを増加させる補正を実行する(ステップ207)。そして、これにより、トルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分の変動を精度よく補償することができる。
尚、ステップ201〜ステップ206、及びステップ208の処理については、図4に示すフローチャートにおけるステップ101〜ステップ106、及びステップ108の処理と同一であるため、その説明は省略する。また、電流指令Iq*を増加させる補正は、例えば、電流指令Iq*に「1」よりも大きな係数βを乗ずることにより行うことができる(Iq**=Iq*×β、β>1)。
・また、本発明は、図11に示すように、プラネタリギヤPGに噛合する二つのギヤのうち一方がリングギヤRG、他方がサンギヤSGという構成を有する遊星歯車機構U3を用いたものに適用してもよい。
具体的には、図12に示す駆動力配分装置70のように、遊星歯車機構U3と同様の構成を有する遊星歯車機構71の増速側ギヤであるサンギヤSGを制御用トルクの入力要素としてモータ22に駆動連結したものがこれに該当する。また、図13に示す駆動力配分装置75のように、遊星歯車機構U3と同様の構成を有する遊星歯車機構76の減速側ギヤであるリングギヤRGを制御用トルクの入力要素としてモータ22に駆動連結したものもこれに該当する。尚、これら駆動力配分装置70,75において、その各変速機構72,77は、上述の各変速機構31,51,62,67と同様に、対応する各遊星歯車機構71,76における各要素の配置を反転させることにより形成されている。
ここで、これら各図に示される各駆動力配分装置70,75についても、トルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分(トルク差)の変動を補償すべく制御トルクとして遊星歯車機構21に入力するモータトルクを補正するという点は同様であるが、その制御内容については、その構成に応じた最適化が必要である。
即ち、図11に示す遊星歯車機構U3では、増速側ギヤであるサンギヤSGを制御用トルクの入力要素として減速側ギヤであるリングギヤRGからプラネタリキャリヤCへとトルク伝達がなされる状況において、そのトルク伝達特性が変化する場合がある。これは、図12に示す駆動力配分装置70において右旋回時に起こり得る現象である。
具体的には、第1回転速度としてのプラネタリキャリヤCの回転速度よりも第2回転速度としての増速側ギヤ、即ちサンギヤSGの回転速度が速い場合、或いは、プラネタリキャリヤCの回転速度よりも第2回転速度としての減速側ギヤ、即ちリングギヤRGの回転速度が遅い場合がこれに該当する。そして、このような条件下においては、そのトルク伝達特性の変化により、制御用トルクとして入力するモータトルクが一定であるにも関わらず減速側ギヤ、即ちリングギヤRGからプラネタリキャリヤCへと伝達されるトルクが増加する。従って、図12に示す駆動力配分装置70では、上記の条件下において、モータトルクを低減するように補正するとよい。これにより、トルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分の変動を精度よく補償することができる。
また、遊星歯車機構U3には、減速側ギヤであるリングギヤRGを制御用トルクの入力要素として増速側ギヤであるサンギヤSGからプラネタリキャリヤCへとトルク伝達がなされる状況においても、そのトルク伝達特性が変化する場合があるという特徴がある。これは、図13に示す駆動力配分装置75において左旋回時に起こり得る現象である。
具体的には、先の例と同様に、第1回転速度としてのプラネタリキャリヤCの回転速度よりも第2回転速度としての増速側ギヤ、即ちサンギヤSGの回転速度が速い場合、或いは、プラネタリキャリヤCの回転速度よりも第2回転速度としての減速側ギヤ、即ちリングギヤRGの回転速度が遅い場合がこれに該当する。そして、このような条件下においては、そのトルク伝達特性の変化により、制御用トルクとして入力するモータトルクが一定であるにも関わらず増速側ギヤであるサンギヤSGからプラネタリキャリヤCへと伝達されるトルクが減少する。従って、図13に示す駆動力配分装置75では、上記の条件下において、モータトルクを増加するように補正するとよい。これにより、トルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分の変動を精度よく補償することができる。
・本実施形態では、本発明を、車両左右の駆動輪に対する駆動力配分装置に適用したが、車両前後の駆動輪に対する駆動力配分装置に適用してもよい。
本実施形態の車両の概略構成図。 本実施形態の駆動力配分装置の概略構成図。 本実施形態の補償制御の態様を示す説明図。 本実施形態の補償制御の処理手順を示すフローチャート。 遊星歯車機構の概略構成を示す模式図。 別例の駆動力配分装置の概略構成図。 別例の駆動力配分装置の概略構成図。 別例の駆動力配分装置の概略構成図。 別例の補償制御の態様を示す説明図。 別例の補償制御の処理手順を示すフローチャート。 遊星歯車機構の概略構成を示す模式図。 別例の駆動力配分装置の概略構成図。 別例の駆動力配分装置の概略構成図。 遊星歯車機構の概略構成を示す模式図。 トルク伝達特性の変化に起因する駆動力配分の変動を示す説明図。
符号の説明
1…車両、2…エンジン、8…リヤディファレンシャル、9L,9R…リヤアクスル、10L,10R…後輪、11…差動機構、20,40,60,65,70,75…駆動力配分装置、21,41,61,66,71,76…遊星歯車機構、22…モータ、23…ECU、SG…サンギヤ、SG1,24…第1のサンギヤ、SG2,25…第2のサンギヤ、PG…プラネタリギヤ、26,46…二連ピニオン、C,27,47…プラネタリキャリヤ、RG…リングギヤ、RG1,44…第1のリングギヤ、RG2,45…第2のリングギヤ、ωC,ωG…回転速度。

Claims (6)

  1. 入力される駆動力を相互の差動を許容しつつ第1及び第2の出力軸に伝達する差動機構と、前記第1及び第2の出力軸間に介在された遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構に駆動連結されたモータと、モータ回転方向及びモータトルクを制御することにより前記第1及び第2の出力軸間の駆動力配分を制御する制御手段とを備えた駆動力配分装置において、
    前記制御手段は、前記遊星歯車機構のトルク伝達特性の変化に起因する両出力軸間における駆動力配分の変動を補償すべく前記モータトルクを補正すること、
    を特徴とする駆動力配分装置。
  2. 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
    前記制御手段は、前記遊星歯車機構の構成要素のうち、プラネタリギヤを自転及び公転可能に支承するプラネタリキャリヤの回転速度と前記プラネタリギヤに噛合されたギヤの回転速度との比較に基づいて、前記モータトルクの補正を行うこと、
    を特徴とする駆動力配分装置。
  3. 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
    前記遊星歯車機構の構成要素のうち、プラネタリギヤに噛合される二つのギヤは、ともに外歯を有する、又はともに内歯を有するものであり、前記モータは、前記プラネタリギヤを自転及び公転可能に支承するプラネタリキャリヤに駆動連結されるものであって、
    第1回転速度として前記プラネタリキャリヤの回転速度を検出する第1の検出手段と、
    第2回転速度として前記プラネタリギヤに噛合されたギヤの回転速度を検出する第2の検出手段とを備え、
    前記制御手段は、前記プラネタリキャリヤを固定とした場合に増速側となる増速側ギヤから減速側となる減速側ギヤへとトルク伝達される状態において、前記第1回転速度よりも前記第2回転速度が速い場合には、前記モータトルクを低減する補正を行うこと、
    を特徴とする駆動力配分装置。
  4. 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
    前記遊星歯車機構の構成要素のうち、プラネタリギヤに噛合される二つのギヤは、ともに外歯を有する、又はともに内歯を有するものであり、前記モータは、前記プラネタリギヤに噛合される二つのギヤのうち、前記プラネタリギヤを自転及び公転可能に支承するプラネタリキャリヤを固定とした場合に増速側となる増速側ギヤに駆動連結されるものであって、
    第1回転速度として前記プラネタリキャリヤの回転速度を検出する第1の検出手段と、
    第2回転速度として前記プラネタリギヤに噛合されたギヤの回転速度を検出する第2の検出手段とを備え、
    前記制御手段は、前記プラネタリキャリヤから前記プラネタリキャリヤを固定とした場合に減速側となる減速側ギヤへとトルク伝達される状態において、前記第1回転速度よりも前記第2回転速度が速い場合には、前記モータトルクを増加する補正を行うこと、
    を特徴とする駆動力配分装置。
  5. 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
    前記遊星歯車機構の構成要素のうち、プラネタリギヤに噛合される二つのギヤは、一方が外歯を有し他方が内歯を有するものであり、前記モータは、前記プラネタリギヤに噛合される二つのギヤのうち、前記プラネタリギヤを自転及び公転可能に支承するプラネタリキャリヤを固定とした場合に増速側となる増速側ギヤに駆動連結されるものであって、
    第1回転速度として前記プラネタリキャリヤの回転速度を検出する第1の検出手段と、
    第2回転速度として前記プラネタリギヤに噛合されたギヤの回転速度を検出する第2の検出手段とを備え、
    前記制御手段は、前記プラネタリキャリヤを固定とした場合に減速側となる減速側ギヤから前記プラネタリキャリヤへとトルク伝達される状態において、前記第1回転速度よりも前記第2回転速度として検出された前記増速側ギヤの回転速度が速い場合、又は前記第1回転速度よりも前記第2回転速度として検出された前記減速側ギヤの回転速度が遅い場合には、前記モータトルクを低減する補正を行うこと、を特徴とする駆動力配分装置。
  6. 請求項1に記載の駆動力配分装置において、
    前記遊星歯車機構の構成要素のうち、プラネタリギヤに噛合される二つのギヤは、一方が外歯を有し他方が内歯を有するものであり、前記モータは、前記プラネタリギヤに噛合される二つのギヤのうち、前記プラネタリギヤを自転及び公転可能に支承するプラネタリキャリヤを固定とした場合に減速側となる減速側ギヤに駆動連結されるものであって、
    第1回転速度として前記プラネタリキャリヤの回転速度を検出する第1の検出手段と、
    第2回転速度として前記プラネタリギヤに噛合されたギヤの回転速度を検出する第2の検出手段とを備え、
    前記制御手段は、前記プラネタリキャリヤを固定とした場合に増速側となる増速側ギヤから前記プラネタリキャリヤへとトルク伝達される状態において、前記第1回転速度よりも前記第2回転速度として検出された前記増速側ギヤの回転速度が速い場合、又は前記第1回転速度よりも前記第2回転速度として検出された前記減速側ギヤの回転速度が遅い場合には、前記モータトルクを増加する補正を行うこと、を特徴とする駆動力配分装置。
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