JP4908246B2 - 管路更生工法 - Google Patents

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Description

本発明は、管路更生工法、および管路更生用ライナーに関する。さらに詳しくは、本発明は、上下水道管、ガス導管などの既設管路の内面をライニングすることにより既設管路を補強する管路更生工法、およびこの管路更生工法で用いられる管路更生用ライナーに関する。
上下水道管、ガス導管などの主として地中に埋設された老朽化した既設管路の再生ならびに延命化を目的とし、更生後に新管と同等以上の耐荷能力および耐久性を有する更生管を形成するための技術として、硬質ポリエチレンや硬質塩化ビニル樹脂などの硬質熱可塑性樹脂と、ポリエステル繊維などから形成される織布と、からなる管路更生用ライナーを既設管路内面にライニングするための工法や、この管路更生用ライナー自体に関する多くの技術が既に開示されている。例えば、以下のような特許文献1〜4である。
従来、周壁に抗張性補強条が埋設された保形性のある熱可塑性樹脂からなる管体を用いた管の内面ライニング工法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の管の内面ライニング工法は、対象管の内径よりも外径の小さい熱可塑性樹脂からなり、周壁に部分的に軸線方向に沿って1ないし複数条の抗張性補強条が埋設された保形性のある管体(ライニング管体)を用い、該管体の内部に高温流体を導入することによって加熱軟化させながら対象管内に挿入する。そして、高温流体の圧力を上げて管体を膨張させ対象管の内面に密着させたのち、冷却固化させることを特徴とする工法である。この工法により、挿入時に管体にかかる引張り荷重を上記抗張性補強条で受けもち、ライニング管体の対象管内への円滑な引き込み挿入を可能にすると、称している。
また、よこ糸の織り縮み率が10〜15%である筒状織布の内外面に熱可塑性樹脂の被覆層を形成した管路の補修用管体が知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の管路の補修用管体は、少なくともよこ糸の一部に高剛性糸を使用した織り縮み率が10〜15%である筒状織布からなる上記補修用管体が、管路の内径にほぼ一致するように拡張することを特徴とし、これにより、加圧時に過度に径膨張して管路を破壊するようなことはないと、称している。
また、管体の長さ方向の強度および伸びを規定した管路の補修用管体が知られている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3に記載の管路の補修用管体は、熱可塑性樹脂よりなる硬質管の内面、外面又は肉厚内に筒状織布を配してなるものにおいて、管体を加熱したときの長さ方向の単位幅当たりの強度が、管路の直径と管体を膨らませるための加熱加圧流体の圧力との積の1.3倍以上であり、かつ管体に1.3DPに相当する荷重を作用させたときの長さ方向の伸びが、10〜30%であるものである。この補修用管体を用いることにより、管路の屈曲部において屈曲の外側に補修用管体を沿わせることができ、また屈曲の内側で補修用管体がだぶついて皺が生じることがないと、称している。
また、高温状態での曲げ弾性率を規定した熱可塑性樹脂と高温状態での筒長方向の強度を規定した筒状織布とからなる補修用管体が知られている(例えば、特許文献4参照)。この特許文献3に記載の管路の補修用管体は、90℃に加熱した状態における曲げ弾性率が1500kg/cm2(約150MPa)以下である熱可塑性樹脂よりなる硬質管の内面、外面又は肉厚内に、90℃に加熱した状態における筒長方向の強度が30kg/cm以上である筒状の織布を配したものである。この補修用管体を用いることにより、多数の屈曲部があるような管路系においても、小さい力で補修用管体を引き込むことができ、補修用管体が破断するようなことがないと、称している。
特許第2735856号公報 特開平09−70888号公報 特許第3442463号公報 特開平08−14438号公報
一方、上下水道管、ガス導管などの主として地中に埋設される管路には、下水道管においては汚水桝や雨水桝から本管に接続する取付管、水道管においては配水管から分岐する給水管など、メインとなる管(本管)から分岐する管が存在する。ここで、老朽化した既設管路を上記のような補修用管体(管路更生用ライナー)で補強する場合、例えば、既設管路を管路更生用ライナーでライニングした後、このメインとなる管と分岐管とを連通させるために、メイン管(本管)と分岐管との接続部(開口部)に位置する部分の管路更生用ライナーに穿孔等する必要がある。
しかしながら、特許文献1〜4に記載された管の内面ライニング工法や管路の補修用管体では、既設管路にライニングされた管路更生用ライナーのうち、開口部に位置する部分を特定することが容易でないという問題点がある。また、下水道管路では、先に述べた本管と取付管との接続部に隙間が発生していることがある。この場合、隙間から地下水が管路内に浸入するので管路更生用ライナーの加熱時に温度が上がらず、管路更生用ライナーが十分に膨張しない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、上下水道管、ガス導管などの主として地中に埋設され老朽化した既設管路の補強(ライニング)を容易に行うことができる管路更生工法、および管路更生用ライナーを提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明に係る管路更生工法は、上下水道管、ガス導管などの既設管路の内面をライニングすることにより既設管路を補強する管路更生工法に関する。そして、本発明に係る管路更生工法は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の管路更生工法は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る管路更生工法における第1の特徴は、内面及び外面のうちの少なくともいずれかに硬質熱可塑性樹脂層が形成された筒状織布からなり長手方向を有する管路更生用ライナーを加熱することにより柔軟性を持たせる加熱工程と、前記長手方向に直交する断面の断面積を当該断面が円形状の場合よりも縮小させた断面形状で加熱された前記管路更生用ライナーを既設管路に挿入するライナー挿入工程と、前記既設管路に挿入された前記管路更生用ライナーの内側から前記管路更生用ライナーを加熱および加圧することにより前記管路更生用ライナーを拡張させる拡張工程と、拡張した前記管路更生用ライナーの内側から、加圧状態を保ったまま前記管路更生用ライナーを冷却する冷却工程と、を備え、前記管路更生用ライナーは、拡張前の外径が前記既設管路の内径よりも小さく、拡張後の外径が前記既設管路の内径よりも大きく拡張可能であるように形成されていることである。
この構成によると、例えば、既設管路に分岐管が存在する場合、この分岐管と既設管路の本管との接続部の上記管路更生用ライナーは、前記拡張工程により分岐管側に膨らみ、本管に密着した管路更生用ライナーには、管路更生用ライナーの内側から見て、本管の開口部形状に近似した形状のくぼみ状の凹部が形成される。これにより、穿孔等により連通させなければならない分岐管と本管との接続部を容易に特定することができる。よって、既設管路の補強を容易に行うことができる。
また、上記管路更生用ライナーは、加熱により軟化して拡張し、既設管路の内径よりも大きく拡張可能であるため、管路更生用ライナーと既設管路との密着性は非常に高い。また、既設管路が老朽化して管路接続箇所に段差部が生じていたり、不連続な管折れ部が生じていても、既設管路の内径よりも大きく拡張可能で加熱により柔軟性をもった上記管路更生用ライナーは、この段差部や管折れ部にほぼ隙間なく沿って密着することが可能であり、この段差部や管折れ部でシワを生じにくい。
また、本発明に係る管路更生工法における第2の特徴は、前記硬質熱可塑性樹脂は、硬質塩化ビニル樹脂であり、当該硬質塩化ビニル樹脂は、20℃での曲げ弾性率が2000〜3500MPaで、かつ80℃での曲げ弾性率が300〜800MPaであり、前記管路更生用ライナーは、拡張前の外径が前記既設管路の内径よりも5%以上小さく、0.05〜0.1MPaの加熱加圧流体を用いて拡張させることで拡張前の外径から10〜20%拡張可能であることである。
この構成によると、管路更生用ライナーの拡張前の外径を既設管路の内径よりも5%以上小さくすることで、管路更生用ライナーを既設管路に挿入し易い。また、管路更生用ライナーを既設管路に挿入する場合、硬質熱可塑性樹脂層を形成する硬質塩化ビニル樹脂の80℃での曲げ弾性率が300MPa未満であると、硬質熱可塑性樹脂層は外傷を受け易く、硬質塩化ビニル樹脂の曲げ弾性率が800MPaより大きいと管路更生用ライナーを既設管路へ引き込みにくい。
さらに、管路更生用ライナーの外径を、既設管路の内径よりも、約5〜15%、大きく拡張できるので、確実に管路更生用ライナーを既設管路に密着させてライニング施工できるとともに、既設管路に分岐管が存在する場合、穿孔等により連通させなければならない分岐管と本管との接続部を容易に特定することができる。また、硬質熱可塑性樹脂層を形成する硬質塩化ビニル樹脂の20℃での曲げ弾性率が2000MPa未満であると、管路更生用ライナーの硬質熱可塑性樹脂層の肉厚を非常に厚くしなければならない。すなわち、例えば下水道管路は前述したように地下水等の浸入水があることが多く、この浸入水が外水圧として管路更生用ライナーに作用する。ライナーの曲げ弾性率はライナー肉厚の3乗に反比例するので、曲げ弾性率が低いと肉厚を厚くすることになり(詳しくは後述する)、ライナーの剛性が上がって施工性が低下してしまう。また、硬質塩化ビニル樹脂の曲げ弾性率が3500MPaより大きいと、管路更生用ライナーは衝撃に対して割れ易い。
また、本発明に係る管路更生工法における第3の特徴は、本管に少なくとも1本の分岐管が分岐している前記既設管路の内面をライニングすることに用いられることである。
この構成によると、分岐管と既設管路の本管との接続部において管路更生用ライナーは、前記する拡張工程により分岐管側に膨らみ、本管に密着した管路更生用ライナーには、管路更生用ライナーの内側から見て、本管の開口部形状に近似した形状のくぼみ状の凹部が形成される。これにより、穿孔等により連通させなければならない分岐管と本管との接続部を容易に特定することができる。よって、既設管路の補強を容易に行うことができる。
また、本発明に係る管路更生工法における第4の特徴は、前記既設管路が、連続する複数のマンホール間を本管で接続して形成されており、前記ライナー挿入工程において、複数の前記管路更生用ライナーを少なくとも1つのマンホールから前記既設管路に挿入し、前記複数の管路更生用ライナーに対して、同時に前記拡張工程を実施し、かつ、その後同時に前記冷却工程を実施することにより、前記連続する複数のマンホール間の前記本管を同時にライニングすることである。
この構成によると、管路更生用ライナーの上記拡張工程と上記冷却工程とを同時に実施することで施工期間を大幅に短縮することが可能となる。また、例えば1つのマンホールから管路更生用ライナーを既設管路に挿入する場合、ライナーが巻かれたリール等をいちいち別のマンホールに移動する必要がない。
また、本発明に係る管路更生工法における第5の特徴は、前記既設管路が、連続する3つ以上のマンホール間を本管で接続して形成されており、前記連続する3つ以上のマンホールの中央に位置するマンホールから、前記拡張工程および前記冷却工程を実施することにより、前記連続する3つ以上のマンホール間の前記本管を同時にライニングすることである。
この構成によると、上記中央に位置するマンホールから、上記拡張工程および冷却工程を実施することで、拡張工程および冷却工程で用いられる管路更生用ライナーの加熱加圧流体や冷却用流体などが管路更生用ライナー内全範囲に行きわたる時間が大幅に短縮される。これにより、施工期間を大幅に短縮することが可能となる。
また、本発明に係る管路更生工法における第6の特徴は、前記既設管路が、連続する3つ以上のマンホール間を本管で接続して形成されており、前記ライナー挿入工程において、施工対象の両端の2つのマンホール間に、前記本管の全長分の1本の前記管路更生用ライナーを挿入し、前記冷却工程の後、前記マンホールと前記本管との交差部の前記管路更生用ライナーを切断することである。
この構成によると、上記ライナー挿入工程が1回で済む。また、例えばライナーが巻かれたリールやウインチ等を別のマンホール等へ移動させる必要がなくなる。
また、本発明に係る管路更生用ライナーは、既設管路の内面をライニングすることにより既設管路を補強する管路更生工法で用いられる管路更生用のライナーに関する。そして、本発明に係る管路更生用ライナーは、上記目的を達成するために以下のような特徴を有している。
上記目的を達成するための本発明に係る管路更生用ライナーにおける特徴は、前記ライナーは、内面及び外面のうちの少なくともいずれかに20℃での曲げ弾性率が2000〜3500MPaで、かつ80℃での曲げ弾性率が300〜800MPaの硬質熱可塑性樹脂層が形成された筒状織布からなり、前記ライナーの外径は、拡張前の外径が前記既設管路の内径よりも5%以上小さく、0.05〜0.1MPaの加熱加圧流体を用いて拡張させることで拡張前の外径から10〜20%拡張可能であることである。
この構成によると、前記したように、管路更生用ライナーの拡張前の外径を既設管路の内径よりも5%以上小さくすることで、管路更生用ライナーを既設管路に挿入し易い。また、管路更生用ライナーを既設管路に挿入する場合、硬質熱可塑性樹脂層を形成する硬質塩化ビニル樹脂の80℃での曲げ弾性率が300MPa未満であると、硬質熱可塑性樹脂層は外傷を受け易く、硬質塩化ビニル樹脂の曲げ弾性率が800MPaより大きいと管路更生用ライナーを既設管路へ引き込みにくい。
さらに、管路更生用ライナーの外径を、既設管路の内径よりも、約5〜15%、大きく拡張できるので、確実に管路更生用ライナーを既設管路に密着させてライニング施工できるとともに、既設管路の本管に接続される分岐管が存在する場合、穿孔等により連通させなければならない分岐管と本管との接続部を容易に特定することができる。よって、既設管路の補強を容易に行うことができる。
また、硬質熱可塑性樹脂層を形成する硬質塩化ビニル樹脂の20℃での曲げ弾性率が2000MPa未満であると、管路更生用ライナーの硬質熱可塑性樹脂層の肉厚を非常に厚くしなければならない。すなわち、例えば下水道管路は前述したように地下水等の浸入水があることが多く、この浸入水が外水圧として管路更生用ライナーに作用する。ライナーの曲げ弾性率はライナー肉厚の3乗に反比例するので、曲げ弾性率が低いと肉厚を厚くすることになり(詳しくは後述する)、ライナーの剛性が上がって施工性が低下してしまう。また、硬質塩化ビニル樹脂の曲げ弾性率が3500MPaより大きいと、管路更生用ライナーは衝撃に対して割れ易い。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、ここでは本発明に係る管路更生用ライナーの実施形態について最初に説明し、そのあとで、本発明に係る管路更生工法の実施形態について説明する。尚、本発明に係る管路更生工法の実施形態についての説明では、更生させる管路の対象として、下水道管路を選択しているが、これに限られるものではなく、上下水道管(上水道管および下水道管)、ガス導管などの主として地中に埋設される管路全てを対象として、本発明に係る管路更生用ライナー、および本発明に係る管路更生工法を適用できる。
図1は、本発明に係る管路更生用ライナーの一実施形態を示す概略の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る管路更生用ライナー1は、筒状織布11の内面に内面硬質熱可塑性樹脂層14、外面に外面硬質熱可塑性樹脂層15が形成されたものである。ここで、筒状織布11は、経糸12に対してスパイラル状に連続して織り込まれた緯糸13とからなる継ぎ目のない筒状の織布である。このため、筒状織布11は高い破断応力を有し、かつ長手方向にはほとんど収縮しない。よって、管路更生用ライナー1を既設管路に引き込んでも管路更生用ライナー1にクラックが生じることはない。尚、この筒状織布11は、内側から加圧されたときに、緯糸13が周方向に引っ張られて伸びるとともに屈曲部分が直線状に近づくので、これによって筒状織布11は径方向に拡張する。
また、管路更生用ライナー1は、後述する拡張前の外径が既設管路の内径よりも小さく、拡張後の外径が既設管路の内径よりも大きく拡張可能であるように形成されている。これにより、詳しくは後述するが、例えば、既設管路の本管から分岐する管(例えば、下水道本管に接続する汚水桝や雨水桝からの取付管や水道管においては配水管から分岐する給水管など)が存在する場合、この分岐管と本管との接続部の管路更生用ライナー1は、後述する拡張工程により分岐管側に膨らみ、既設管路に密着した管路更生用ライナー1には、管路更生用ライナー1の内側から見て、本管の開口部形状に近似した形状のくぼみ状の凹部が形成される。これにより、穿孔等により連通させなければならない分岐管と本管との接続部を容易に特定することができる。よって、既設管路の補強を容易に行うことができる。
ここで、本実施形態においては、筒状織布11の経糸12として、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の1120tex/4×604本の糸を用い、緯糸13として、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の1100tex/3×45本/10cmの嵩だか加工糸を用いた。このポリエチレンテレフタレートは、非常に熱に強い樹脂であり、約80℃に加熱しても、常温時の強度に対して80%程度の強度を有す。そして、筒状織布11の厚みは、硬質熱可塑性樹脂層に埋入された状態で約0.3mmであった。
また、内面硬質熱可塑性樹脂層14及び外面硬質熱可塑性樹脂層15を形成する本実施形態の硬質熱可塑性樹脂は、重量比率で、硬質塩化ビニル樹脂100部、MBS3.5部、安定剤3部、可塑剤5部の硬質塩化ビニル樹脂を用いた。そして、内面硬質熱可塑性樹脂層14の厚みを約6mmとし、外面硬質熱可塑性樹脂層15の厚みを約1mmとしている。内面硬質熱可塑性樹脂層14は、管路更生用ライナー1の内面を形成する層であり、直接、加熱されたり、加圧されたりするため、外面よりも厚く設定されている。また、上記の硬質熱可塑性樹脂層(14、15)が形成された筒状織布11からなる管路更生用ライナー1の破断強度は、20℃で約1MPa、80℃で約0.5MPaである。
好ましくは、内面硬質熱可塑性樹脂層14及び外面硬質熱可塑性樹脂層15を形成する硬質熱可塑性樹脂は、20℃での曲げ弾性率が2000〜3500MPaで、80℃での曲げ弾性率が300〜800MPaであることである。硬質塩化ビニル樹脂の20℃での曲げ弾性率が2000MPa未満であると、管路更生用ライナー1の硬質熱可塑性樹脂層の肉厚を非常に厚くしなければならない。すなわち、例えば下水道管路は前述したように地下水等の浸入水があることが多く、この浸入水が外水圧として管路更生用ライナーに作用する。この外水圧によるライナーの潰れの式は、以下の(A)式で表される。
(数1)
EXT=(2E・F・F/((1−ν)・N))×(t/D) ・・・(A)
EXT:圧力、E:曲げ弾性率、ν:ポアソン比
:支持向上係数、F:管路の扁平係数
N:安全率、t:ライナーの肉厚、D:ライナー外径
(A)式より、ライナーの曲げ弾性率(E)はライナー肉厚(t)の3乗に反比例するので、曲げ弾性率(E)が低いと肉厚(t)を厚くすることになり、ライナーの剛性が上がって施工性が低下してしまう。また、曲げ弾性率が3500MPaより大きいと、管路更生用ライナー1は衝撃に対して割れ易い。また、硬質塩化ビニル樹脂の80℃での曲げ弾性率が300MPa未満であると、硬質熱可塑性樹脂層(14、15)は外傷を受け易く、曲げ弾性率が800MPaより大きいと、管路更生用ライナー1を既設管路へ引き込みにくい。よって、上記のように、硬質塩化ビニル樹脂は、20℃での曲げ弾性率を2000〜3500MPaとし、80℃での曲げ弾性率を300〜800MPaとすることが好ましい。
また、硬質熱可塑性樹脂層(14、15)、および筒状織布11からなる管路更生用ライナー1の外径は、拡張前の外径が既設管路の内径よりも5%以上小さく、0.05〜0.1MPaの水蒸気や温水などの加熱加圧流体を用いて拡張させることで後述する拡張前の外径から10〜20%拡張することが好ましい。管路更生用ライナー1の外径を既設管路の内径よりも5%以上小さくすることで、管路更生用ライナー1を既設管路に挿入し易い。
また、上記管路更生用ライナー1は、加熱により軟化して拡張し、既設管路の内径よりも大きく拡張可能であるため、管路更生用ライナー1と既設管路との密着性は非常に高くなる。また、既設管路が老朽化して管路接続箇所に段差部が生じていたり、不連続な管折れ部が生じていても、既設管路の内径よりも大きく拡張可能で加熱により柔軟性をもった上記管路更生用ライナー1は、この段差部や管折れ部にほぼ隙間なく沿って密着することが可能であり、この段差部や管折れ部でシワを生じにくい。さらに、例えば、既設管路の本管に接続された分岐管が存在する場合、この分岐管と本管との接続部の管路更生用ライナー1は、拡張により分岐管側に膨らみ、管路更生用ライナー1には、管路更生用ライナー1の内側から見て、上記接続部の開口形状に近似した形状のくぼみ状の凹部が形成される。これにより、穿孔等により連通させなければならない分岐管と本管との接続部を容易に特定することができる。
次に、本発明に係る管路更生工法の実施形態について説明する。ここで、まず既設の下水道管路の問題点について説明する。図2、図3は、既設の下水道管路を示す概略図である。
図2(a)に示すように、下水道管路150の本管100には、一般に、住宅や道路の側溝などに接続されている汚水桝や雨水桝から延びる取付管105が取り付けられている。ここでは、このように既設管路である下水道管路150は、本管100と取付管105とから構成されている管路である。この取付管105が接続された本管100の内面を管路更生用ライナー1でライニングする場合、通常、本管100の内面をライニングしたのち、取付管105と本管100との接続部を穿孔等により連通させるが、この場合、この接続部の特定が容易でないという問題がある。
次に、下水道管路150としては、一般に、合成樹脂管、陶管、鉄筋コンクリート管が用いられている。そして、図2(b)に示すように、下水道管路150の継手部107は、1本のパイプ(下水道管路150)の凹形状の端部に別のパイプ(下水道管路150)の凸形状の端部を挿入した形式となっていることが多く、下水道管路150の敷設状態が悪かったり、地盤が軟弱であったり、下水道管路150が老朽化したりすると、上記凹形状の端部が破損して、下水道管路150に段差が生じている場合がある。この場合、管路更生用ライナー1を下水道管路150内に引き込みにくく、かつ、ライニングされた管路更生用ライナー1が継手部107でシワを生じ、下水の流下能力を低下させたり、固形物を滞留させたりするという問題がある。
また、図3(a)に示すように、上記凹形状の端部が破損して、下水道管路150の継手部107で管折れが生じている場合もある。この場合、上記と同様、管路更生用ライナー1を下水道管路150内に引き込みにくく、かつ、ライニングされた管路更生用ライナー1が継手部107でシワを生じ、下水の流下能力を低下させたり、固形物を滞留させたりするという問題がある。
さらに、図3(b)に示すように、下水道管路150の継手部107のゴムパッキン(不図示)が経年により劣化したり、継手部107がずれたり、下水道管路150にクラックが生じたりして、地下水103が継手部107から下水道管路150内に浸入している場合がある(浸入水102)。この場合、浸入水102を下水道管路150外に排出するように、かつ、地下水103が下水道管路150内に浸入してこないようにライニング施工(管路更生)する必要がある。尚、図2(b)、図3(a)、(b)に示す下水道管路150は、図2(a)に示す本管100であったり取付管105であったりするものである。
(第1実施形態)
次に、本発明に係る管路更生工法の実施形態(第1実施形態)について説明する。図4は、本発明に係る管路更生工法における加熱工程およびライナー挿入工程の一実施形態を示す概略図である。図4に示すように、本実施形態においては、汚水桝や雨水桝(以下、桝106と記載する)から延びた取付管105が取り付けられた下水道管路150の本管100の管路更生工法について説明する。尚、桝106からの取付管105が取り付けられていない本管100にも当然、本発明に係る管路更生工法を適用できる。また、下水道管路150の取付管105自体にも本発明に係る管路更生工法を適用し得る。
まず、例えばリール等(不図示)に巻き付けられた状態で現場に搬入された管路更生用ライナー1をライニング材料加熱装置2内に入れ、約100℃の水蒸気で加熱することにより柔軟性を持たせる加熱工程が行われる。尚、本実施形態における管路更生用ライナー1は、約80℃〜約100℃に加熱されれば柔軟性を持つため、加熱する温度は、約100℃に限られない。ライニング材料加熱装置2は、例えば金属製薄板からなる箱体であり、内部にボイラ(不図示)等から水蒸気が供給されるように形成されている。
次に、管路更生用ライナー1の長手方向に直交する断面の断面積を当該断面が円形状の場合よりも縮小させた断面形状で加熱された管路更生用ライナー1を本管100に挿入するライナー挿入工程が行われる。長手方向に直交する断面の断面積を当該断面が円形状の場合よりも縮小させた断面形状とは、例えば上記長手方向に直交する断面形状が、扁平、V字状、又はU字状の形状であることであり、これにより、管路更生用ライナー1を容易に本管100に挿入することができる。
ライナー挿入工程では、まず、管路更生用ライナー1の先端を、他のマンホール104上に設置したウィンチ4から本管100、マンホール104を経由して地上まで伸ばされたワイヤロープ5の一端に連結する。そして、加熱された管路更生用ライナー1の柔軟性が落ちないようにライニング材料予備加熱装置3を通して予備加熱しながら、マンホール104に管路更生用ライナー1を引き込んでいく。ここで、ライニング材料予備加熱装置3とは、図4に示すように筒状体の加熱装置であり、例えば内部にボイラ(不図示)等から水蒸気が供給されるように形成されたり、筒状体を電気ヒータで加熱できるように形成されたりしているものである。
マンホール104の底部まで管路更生用ライナー1が引き込まれると、次に、管路更生用ライナー1をマンホール104と本管100との接続部の角部等に設置された回転自在のガイド6に沿わせながら、ウィンチ4でワイヤロープ5を巻き取っていくことにより、本管100内に引き込んでいく。
ここで、管路更生用ライナー1を構成する硬質熱可塑性樹脂(14、15)の硬質熱可塑性樹脂は、80℃での曲げ弾性率が300〜800MPaであることが好ましい。前記したように、上記硬質塩化ビニル樹脂の80℃での曲げ弾性率が300MPa未満であると、硬質熱可塑性樹脂層(14、15)は、マンホール104および本管100内への引き込み時に外傷を受け易く、一方、80℃での曲げ弾性率が800MPaより大きいと、管路更生用ライナー1をマンホール104および本管100内に引き込みにくい。
また、管路更生用ライナー1は、後述する拡張工程前の外径が本管100の内径よりも5%以上小さいことが好ましい。これにより、長手方向に直交する断面の断面積を筒状の場合よりも縮小させることと合わせて、管路更生用ライナー1を本管100に挿入し易く、かつ、図2(b)、図3(a)に示すように、下水道管路150(本管100)に段差、管折れが生じていても管路更生用ライナー1を本管100に挿入し易くなる。
次に、図5は、本発明に係る管路更生工法における拡張工程および冷却工程の一実施形態を示す概略図である。
図5に示すように、ライニング対象のマンホール104間全長に管路更生用ライナー1を挿入したのち、管路更生用ライナー1の両端に金具(不図示)等の連結部材を介してホース21を取り付ける。また、管路更生用ライナー1の一方に取り付けられたホース21の他端は、マンホール104上の空気圧縮機8とボイラ7とが接続された蒸気、空気、および水を混合できる混合装置9に取り付けられ、管路更生用ライナー1の他方に取り付けられたホース21の他端は、他のマンホール104上の消音消煙装置10に取り付けられる。
そして、本管100に挿入された管路更生用ライナー1の内側から管路更生用ライナー1を加熱および加圧することにより管路更生用ライナー1を拡張させる拡張工程が行われる。
この拡張工程では、混合装置9から加熱加圧流体である水蒸気を管路更生用ライナー1に供給することにより、長手方向に直交する断面の断面積を筒状体の場合よりも縮小させられた管路更生用ライナー1は筒状に膨らみ、本管100の内面に密着する。そして、管路更生用ライナー1は、本管100の内径よりも大きく拡張可能であるため、取付管105と本管100との接続部において、管路更生用ライナー1には、管路更生用ライナー1の内側から見て、本管100の開口部形状に近似した形状のくぼみ状の凹部23が形成される。これにより、穿孔等により連通させなければならない取付管105と本管100との接続部を容易に特定することができる。
尚、管路更生用ライナー1は、0.05〜0.1MPaの水蒸気を用いて拡張させることで拡張前の外径から10〜20%拡張可能であることが好ましい。
次に、拡張した管路更生用ライナー1の内側から、加圧状態を保ったまま管路更生用ライナー1を冷却する冷却工程が行われる。
この冷却工程では、混合装置9に接続されたボイラ7の運転を停止し、混合装置9に接続された空気圧縮機8から空気を管路更生用ライナー1に供給して加圧状態を保ったまま管路更生用ライナー1を冷却する。この際、空気のみでは熱エネルギー(熱カロリー)が低いので、水を加えると管路更生用ライナー1の冷却が速くできる。尚、水を加える場合でも、空気で加圧することはやめるべきではない。いきなり水だけで加圧状態を保ったまま冷却しようとすると、ウォーターハンマーが生じる場合があるので、水と空気を少しずつ切り替えるようにする。
ここで、管路更生用ライナー1を構成する硬質熱可塑性樹脂(14、15)は、20℃での曲げ弾性率が2000〜3500MPaであることが好ましい。前記したように、硬質塩化ビニル樹脂の20℃での曲げ弾性率が2000MPa未満であると、管路更生用ライナー1の硬質熱可塑性樹脂層の肉厚を非常に厚くしなければならない。すなわち、下水道管路(本管100、取付管105)は前述したように地下水等の浸入水があることが多く、この浸入水が外水圧として管路更生用ライナー1に作用する。ライナーの曲げ弾性率はライナー肉厚の3乗に反比例するので、曲げ弾性率が低いと肉厚を厚くすることになり、ライナーの剛性が上がって施工性が低下してしまう。また、曲げ弾性率が3500MPaより大きいと、管路更生用ライナー1は衝撃に対して割れ易い。
次に、図6は、本発明に係る管路更生工法における端部切断工程の一実施形態を示す概略図である。
図6に示すように、管路更生用ライナー1の冷却が完了すれば、空気圧縮機8を停止して管路更生用ライナー1内の圧力を抜き、作業員106がハンドグラインダーなどの工具を用いて管路更生用ライナー1の端部を本管100(既設管路)の端部に合わせて切断する端部切断工程が行われる。
次に、図7は、本発明に係る管路更生工法における開口部穿孔工程の一実施形態を示す概略図である。
図7に示すように、管路更生用ライナー1の端部切断工程が完了すれば、次に、取付管105を塞いでいる管路更生用ライナー1の内側から見て凹部23形状をした管路更生用ライナー1の一部(図5、6参照)を、穿孔等により除去する開口部穿孔工程が行われる。この開口部穿孔工程では、マンホール104上に発電機等の電源装置(不図示)を設置して、その電源装置から電力が供給された穿孔機21とテレビカメラ装置22をそれぞれ操作して、凹部23形状をした上記管路更生用ライナー1の一部を除去する。ここで、穿孔機21には、ダイヤモントチップを埋め込んだビッドが取付けられている。穿孔箇所は、凹部23形状となっているため、テレビカメラ装置22で非常に特定し易い。
次に、図2、および図3に示した、既設の下水道管路を本実施形態に係る管路更生工法でライニングした状態について説明する。図8、図9は、本発明の一実施形態に係る管路更生用ライナーで下水道管路をライニングした状態を示す概略図である。
まず、図8(a)は、図2(a)に示す下水道管路をライニングした状態を示す概略図である。前記したように、取付管105と本管100との接続部において、管路更生用ライナー1には、管路更生用ライナー1の内側から見て、本管100の開口部形状に近似したくぼみ状の凹部23が形成される。これにより、穿孔等により連通させなければならない取付管105と本管100との接続部をテレビカメラ装置22等の手段(図7参照)を用いて容易に特定することができる。
図8(b)は、図2(b)に示す下水道管路をライニングした状態を示す概略図である。図8(b)に示すように、下水道管路150の継手部107に段差が生じていても、下水道管路150の内径よりも大きく拡張可能な柔軟性のある管路更生用ライナー1でライニングされることにより、管路更生用ライナー1は、この継手部107の段差部にほぼ隙間なく沿って密着し、この段差部でシワを生じにくい。よって、この継手部107で下水の流下能力が低下したり、固形物が滞留したりすることは防止される。
図9(a)は、図3(a)に示す下水道管路をライニングした状態を示す概略図である。
上記と同様に、図9(b)に示すように、下水道管路150の継手部107に管折れが生じていても、下水道管路150の内径よりも大きく拡張可能な柔軟性のある管路更生用ライナー1でライニングされることにより、管路更生用ライナー1は、この継手部107の管折れ部にほぼ隙間なく沿って密着し、この管折れ部でシワを生じにくい。よって、この継手部107で下水の流下能力が低下したり、固形物が滞留したりすることは防止される。
図9(b)は、図3(b)に示す下水道管路をライニングした状態を示す概略図である。図9(b)に示すように、地下水103が継手部107から下水道管路150内に浸入していたとしても(図3(b)参照)、地下水103の外水圧以上の所定の水蒸気圧で、管路更生用ライナー1を拡張することにより、浸入水102をほぼ排出することができる。また、管路更生用ライナー1は筒状織布11で補強され十分に強度が高いため破断するようなことはない。
(第2実施形態)
図10は、本発明に係る管路更生工法の第2実施形態を示す概略図である。尚、本実施形態の説明においては、前記の第1実施形態と同様の各形態については、その説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態に係る前記ライナー挿入工程においては、2つの加熱された管路更生用ライナー(1a、1b)を図10の3つの奇数個のマンホール(104a、104b、104c)の中央のマンホール104bから本管100に挿入する。そして、管路更生用ライナー(1a、1b)に対して、同時に前記の拡張工程を実施し、かつ、その後同時に前記の冷却工程を実施することにより、連続する3つのマンホール104間の本管100を同時にライニングする。これにより、管路更生用ライナー(1a、1b)の上記拡張工程と上記冷却工程とを同時に実施することで施工期間を大幅に短縮することが可能となる。また、上記中央に位置するマンホール104bから、上記拡張工程および冷却工程を実施することで、拡張工程および冷却工程で用いられる水蒸気や冷却用の空気、水などが管路更生用ライナー(1a、1b)内全範囲に行きわたる時間が大幅に短縮される。
また、管路更生用ライナーの挿入が中央のマンホール104bからのみとなるため、ウインチやライナーを巻いたリール等を移動させることなくライナー挿入工程が一度に実施でき、さらにリール等の設置場所は施工区間の中ほどになるため、作業スペースも広く確保できる。
(第3実施形態)
図11は、本発明に係る管路更生工法の第3実施形態を示す概略図である。尚、本実施形態の説明においては、前記の第1、2実施形態と同様の各形態については、その説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態における特徴は、前記の第2実施形態においては、2つの管路更生用ライナー(1a、1b)を用いているが、本第3実施形態においては、3つのマンホール(104a、104b、104c)間の本管100を1つの管路更生用ライナー1cでライニングし、かつ、拡張工程および冷却工程をいずれも管路更生用ライナー1cの中央部から行っていることである。これにより、拡張工程および冷却工程で用いられる水蒸気や冷却用の空気、水などが管路更生用ライナー1c内全範囲に行きわたる時間が大幅に短縮される。管路更生用ライナー1cは、両端の2つのマンホール(104a、104c)間の施工対象である本管100の全長分の長さを有するライナーである。
そして、冷却工程の後、マンホール104bと本管100との交差部の管路更生用ライナー1cを、例えば図6に示すように切断する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
例えば、上記第2実施形態においては、2つの加熱された管路更生用ライナー(1a、1b)を用いて3つのマンホール104間の本管100を同時にライニングしているが、3つ以上の管路更生用ライナーを用いて、4つ以上のマンホール104間の本管100を同時にライニングしてもよい。
本発明に係る管路更生用ライナーの一実施形態を示す概略の斜視図である。 既設の下水道管路を示す概略図である。 既設の下水道管路を示す概略図である。 本発明に係る管路更生工法における加熱工程およびライナー挿入工程の一実施形態を示す概略図である。 本発明に係る管路更生工法における拡張工程および冷却工程の一実施形態を示す概略図である。 本発明に係る管路更生工法における端部切断工程の一実施形態を示す概略図である。 本発明に係る管路更生工法における開口部穿孔工程の一実施形態を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る管路更生用ライナーで下水道管路をライニングした状態を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る管路更生用ライナーで下水道管路をライニングした状態を示す概略図である。 本発明に係る管路更生工法の第2実施形態を示す概略図である。 本発明に係る管路更生工法の第3実施形態を示す概略図である。
符号の説明
1 管路更生用ライナー
11 筒状織布
12 経糸
13 緯糸
14 内面硬質熱可塑性樹脂層
15 外面硬質熱可塑性樹脂層
100 本管(既設管路)
105 取付管(既設管路)
104 マンホール

Claims (4)

  1. 内面及び外面のうちの少なくともいずれかに、20℃での曲げ弾性率が2000〜3500MPaで、かつ80℃での曲げ弾性率が300〜800MPaの硬質塩化ビニル樹脂層が形成された筒状織布からなり長手方向を有する管路更生用ライナーを加熱することにより柔軟性を持たせる加熱工程と、
    前記長手方向に直交する断面の断面積を当該断面が円形状の場合よりも縮小させた断面形状で加熱された前記管路更生用ライナーを、本管に少なくとも1本の分岐管が分岐してなる既設管路の本管に挿入するライナー挿入工程と、
    前記本管に挿入された前記管路更生用ライナーの内側から前記管路更生用ライナーを加熱および加圧することにより前記管路更生用ライナーを拡張させる拡張工程と、
    拡張した前記管路更生用ライナーの内側から、加圧状態を保ったまま前記管路更生用ライナーを冷却する冷却工程と、を備え、
    前記管路更生用ライナーは、拡張前の外径が前記本管の内径よりも小さく、拡張後の外径が前記本管の内径よりも大きく拡張可能であるように形成されており、
    前記拡張工程により、前記分岐管と前記本管との接続部の前記管路更生用ライナーが分岐管側に膨らんで当該管路更生用ライナーにくぼみ状の凹部が形成され、
    前記冷却工程により冷却された前記管路更生用ライナーの前記凹部を除去する工程をさらに備えることを特徴とする、管路更生工法。
  2. 前記既設管路が、連続する複数のマンホール間を本管で接続して形成されており、
    前記ライナー挿入工程において、複数の前記管路更生用ライナーを少なくとも1つのマンホールから前記本管に挿入し、
    前記複数の管路更生用ライナーに対して、同時に前記拡張工程を実施し、かつ、その後同時に前記冷却工程を実施することにより、前記連続する複数のマンホール間の前記本管を同時にライニングすることを特徴とする、請求項に記載の管路更生工法。
  3. 前記既設管路が、連続する3つ以上のマンホール間を本管で接続して形成されており、
    前記連続する3つ以上のマンホールの中央に位置するマンホールから、前記拡張工程および前記冷却工程を実施することにより、前記連続する3つ以上のマンホール間の前記本管を同時にライニングすることを特徴とする、請求項1または2に記載の管路更生工法。
  4. 前記既設管路が、連続する3つ以上のマンホール間を本管で接続して形成されており、
    前記ライナー挿入工程において、施工対象の両端の2つのマンホール間に、前記本管の全長分の1本の前記管路更生用ライナーを挿入し、
    前記冷却工程の後、前記マンホールと前記本管との交差部の前記管路更生用ライナーを切断することを特徴とする、請求項1または3に記載の管路更生工法。
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