JP4906537B2 - 液体吐出ヘッド、画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は液体吐出ヘッド、画像形成装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、これらの複合機等の画像形成装置として、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)で構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、液体とは記録液、インクに限るものではなく、画像形成を行うことができる液体であれば特に限定されるものではない。また、液体吐出装置とは、液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像を形成するものに限らない。
このような液体吐出装置ないし画像形成装置は、捺染装置や金属配線などの産業用システムにまで利用されるようになってきている。近年、より高品位な画像を、より速い印刷速度で出力できることが求められるようになっている。前者の要求に対してノズルの数、密度共に増加する傾向にある。それに伴い、各加圧液室間隔は狭まっている。また、エネルギー印加の周波数も高くなる傾向にある。後者の要求に対しては、記録ヘッドの長尺化が試みられており、最近記録媒体の幅全領域を覆うことのできる、いわゆるライン型ヘッドの実用化が進められている。
また、液体吐出ヘッドとしては、液滴を吐出するノズル、ノズルが連通する個別液室(加圧液室、吐出室、圧力室、液体流路などとも称される。)、圧力室内の液体を加圧する圧力(エネルギー)を発生する圧力発生手段(エネルギー発生手段)と、各圧力室に液体を供給する比較的容積の大きな共通液室とを備えて、圧力発生手段で発生させる圧力で圧力室内の液体を加圧することによってノズルから液滴を吐出させる。ここで、圧力発生手段としては、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマル方式、圧電素子(本願では電気機械変換素子と同義語として用いる。)などを用いる圧電方式、静電力を発生する静電型アクチュエータを用いる静電方式などが知られている。
ところで、液体吐出ヘッドにおいて、液滴を吐出するとき、個別液室の圧力を上昇させる必要がある。ここで発生する圧力は、ノズルから液滴を吐出させると同時に、共通液室へと伝播する。この圧力が、再び個別液室側へ伝わると、個別液室内の圧力を予期しない値に変動させる要因となり、液滴を所望の滴量、速度で吐出させることができなくなり、噴射不良を引き起こす。特に、同時に複数の個別液室を加圧して液滴を吐出させる場合、共通液室に個別液室から伝えられる圧力は非常に大きなものとなり、噴射不良が発生しやすい。また、共通液室に伝播した圧力変動が隣接する加圧液室に伝播して液体にも影響が及ぶ相互干渉が生じると、意図しないノズルからの液滴の漏洩や吐出、吐出状態の不安定を誘発することになる。その結果、高品位な画像出力を得ることを妨げることになる。
これを防ぐためには、共通液室における圧力減衰効率を高める必要がある。その手段としては、一般には、共通液室の体積を大きく取る、或いは共通液室の壁面に振動板のような圧力吸収体を設けるといった手法がとられる。特に、圧力吸収体を用いる手法は、共通液室寸法を大きくすることなく圧力変動を吸収でき、また適切な吸収体を用いれば、圧力減衰効果は非常に高いため、広く用いられている。また、圧力吸収体としては、共通液室の壁面の一部を、剛性の低い部材若しくは構造とし、壁面そのものの振動によって減衰する構成、共通液室の壁面に、ゴムのように弾性の低い部材をコーティングすることによって、その部材の表面の変形によって減衰する構成などがある。このうち、壁面そのものの振動によって減衰する構成は、減衰効率の良さから、特に優れている。
例えば、特許文献1には複数の加圧液室が配列された方向をX方向としたときに、共通液室を構成するX方向に延びた壁面に、他の壁面よりも剛性が低く、振動によって圧力を吸収する圧力吸収体によるダンパ面を形成すること、ダンパ面は、共通液室のX方向全長に渡っては形成されずに、部分的にダンパ面の存在しない領域を設けることが記載されている。
特開2005−125631号公報
また、特許文献2には個別液室内の圧力発生源(ヒータ)と共通液室の間の領域に圧力吸収体を設けることが記載されている。
特開平06−191030号公報 特許文献3には共通液室に圧力変動吸収用の複数の圧力吸収体を設け、インク透過性フィルタを用いて圧力吸収体室を二分割することが記載されている。 特開2000−158668号公報 特許文献4には圧力発生室に連通するリザーバの少なくとも一方面側に可撓性を有する可撓性膜が設けられ、可撓性膜が圧電材料層及びその両面側に設けられた一対の対向電極からなる駆動素子を含み、可撓性膜は一対の対向電極の少なくとも何れか一方が当該可撓性膜に伝搬される屈曲波の進行方向に沿って複数のセグメントに分割されて、実質的に複数の駆動素子を含む構成とするヘッドが記載されている。 特許第3695509号公報
しかしながら、上述したように共通液室の壁面の剛性を下げ、薄い膜として形成する場合、広い領域にわたって薄膜を形成する必要が生じるため、ピンホール等の工程異常が発生しやすくなり、製造歩留まりが低下するという課題がある。また、製造過程における薄膜の取り扱いも難しくなる。特に、上述したライン型ヘッドに代表されるようにヘッドは多ノズル化により大型化していく傾向にあり、この場合、圧力吸収体の面積も必然的に大きくなり、こうした工法上の問題は更に深刻になっている。
また、上記特許文献2に記載されているように個別液室単位で圧力吸収体を設けるのでは、圧力吸収体の剛性を十分に下げることが難しく、効果的な圧力吸収を行うことが困難になる。また、特許文献3に記載されているように圧力吸収体室を複数に分けるのでは工法が複雑になるという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、製造工程における問題を改善しつつ効率的な圧力減衰効果が得られる液体吐出ヘッド、この液体吐出ヘッドを備えることで高品質な画像を高速で形成できる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体吐出ヘッドは、
複数の加圧液室と、各加圧液室が連通口を介して接続された共通液室と、加圧液室内の圧力を変化させる圧力変換手段とを備え、前記加圧液室に連通したノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドにおいて、
前記共通液室を形成する壁面の中で、少なくとも一つの壁面は、他の壁面よりも剛性が低いダンパ面となっており、
このダンパ面は同一材料からなる厚さが相対的に厚い厚肉部と厚さが相対的に薄い薄肉部を含み、
前記厚肉部と薄肉部はダンパ面長手方向に延びるライン状に形成されており、
ライン状薄肉部とライン状厚肉部は前記ダンパ面短手方向に交互に形成され
前記ダンパ面の最外周は前記薄肉部によってのみ構成されている
構成とした。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、ピンホール欠陥の発生や取り扱いの不便さという製造工程における問題を改善しつつ、効率的な圧力減衰効果が得られる。
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、安定した滴吐出特性が得られ、高画質画像を形成することができるようになる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。なお、図1は同液体吐出ヘッドの液室長手方向(液室の並び方向と直交する方向)に沿う断面説明図、図2は同じく液室短手方向(液室の並び方向)に沿う断面説明図、図3は同じく同ヘッドのダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である。図3におけるハッチングは区別を容易にするためのもので断面を表すものではない。
この液体吐出ヘッドは、流路部材(液室基板)1と、この流路部材1の下面に接合した振動板部材2と、流路部材1の上面に接合したノズル板3とを有し、これらによって液滴(液体の滴)を吐出するノズル4が連通する個別流路(以下「加圧液室」ともいう。)6を形成し、各加圧液室6に振動板部材2に設けた連通部9及び流路部材1に形成した連通路10、流体抵抗部7を介して液体であるインク(記録液)を供給する共通液室8は後述するフレーム部材17に形成している。
ここで、流路部材1は、結晶面方位(110)の単結晶シリコン基板を水酸化カリウム水溶液(KOH)などのアルカリ性エッチング液を用いて異方性エッチングすることで各加圧液室6や流体抵抗部7、連通路10などの開口、溝を形成している。なお、流路部材1は、SUS基板を、酸性エッチング液を用いてエッチング、あるいは打ち抜きなどの機械加工することで、各加圧液室6などを形成することもできるし、また、流路部材1とノズル板3或いは振動板部材2とを電鋳で一体形成することもできる。その他感光性樹脂などを用いることもできる。
振動板部材2は、加圧液室6側から第1層2a、第2層2b、第3層2cの3層構造のニッケルプレートで形成したもので、例えば電鋳によって作製している。なお、この振動板部材2は、例えば、ポリイミドなどの樹脂部材とSUS基板などの金属プレートとの積層部材、或いは、樹脂部材から形成したものなどを用いることもできる。
ノズル板3は、各加圧液室6に対応して多数のノズル4を形成し、流路部材1に接着剤接合している。このノズル板3としては、ステンレス、ニッケルなどの金属、ポリイミド樹脂フィルムなどの樹脂、シリコン、及びそれらの組み合わせからなるものを用いることができる。また、ノズル4の内部形状(内側形状)は、ホーン形状(略円柱形状又は略円錘台形状でもよい。)に形成し、このノズル4の穴径はインク滴出口側の直径で約20〜35μmとしている。
また、ノズル板3のノズル面(吐出方向の表面:吐出面)には、図示しない撥水性の表面処理を施した撥水処理層を設けている。撥水処理層としては、例えば、PTFE−Ni共析メッキやフッ素樹脂の電着塗装、蒸発性のあるフッ素樹脂(例えばフッ化ピッチなど)を蒸着コートしたもの、シリコン系樹脂・フッ素系樹脂の溶剤塗布後の焼き付け等、記録液物性に応じて選定した撥水処理膜を設けて、記録液の滴形状、飛翔特性を安定化し、高品位の画像品質を得られるようにしている。
そして、振動板部材2には、各加圧液室6に対応して第1層2aで形成した変形可能な領域であるダイアフラム部(振動領域)2Aの中央部に第2層2b及び第3層2cの積層構造からなる凸部2Bを形成し、この凸部2Bに圧力発生手段(アクチュエータ手段)を構成する積層型の圧電素子12Aをそれぞれ接合している。
複数の圧電素子12Aは、1つの圧電素子部材12にハーフカットの溝加工(スリット加工)によって分断することなくことなく櫛歯状に形成したものであり、圧電素子部材12は複数個の圧電素子12Aの並び方向に沿ってベース部材13上に固定配置している。この場合、1列に並ぶ複数の圧電素子は、交互に駆動する圧電素子12Aと単なる支柱部となる駆動されない圧電素子12Bとなる。支柱部となる圧電素子12Bは液室間隔壁部6Aに対応する部分に接合している。
圧電素子部材12は、例えば厚さ10〜50μm/1層のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の圧電層と、厚さ数μm/1層の銀・パラジューム(AgPd)からなる内部電極層とを交互に積層したものであり、内部電極を交互に端面の端面電極(外部電極)である個別電極及び共通電極にそれぞれ電気的に接続したものである。この圧電定数がd33(d33は内部電極面に垂直(厚み方向)の伸び縮みを指す。)である圧電素子12Aの伸縮により振動領域2Aを変位させて液室6を収縮、膨張させるようになっている。圧電素子12Aに駆動信号が印加され充電が行われると伸長し、また圧電素子12Aに充電された電荷が放電すると反対方向に収縮する。
なお、圧電素子部材12の圧電方向としてd33方向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成とすることも、圧電素子部材12の圧電方向としてd31方向の変位を用いて加圧液室6内インクを加圧する構成とすることもできる。本実施形態ではd33方向の変位を用いた構成をとっている。
ベース部材13は金属材料で形成することが好ましい。ベース部材13の材質(材料)が金属であれば、圧電素子部材12の自己発熱による蓄熱を防止することができる。
さらに、振動板部材2の周囲にはフレーム部材17を接着剤で接合している。そして、このフレーム部材17には各液室6に液体を供給する共通液室8を形成している。この共通液室8から振動板部材2に形成した連通部9を介して液室6に液体(記録液)が供給される。なお、フレーム部材17には共通液室8に外部から記録液を供給するための記録液供給口も形成される。
この共通液室8は、加圧液室6の並び方向(ノズル並び方向:これを「共通液室長手方向」とする)に平面形状で長方形状に形成している。そして、この共通液室8を形成する壁面の中で、少なくとも一つの壁面は、振動板部材2の第1層2aで形成することにより、フレーム部材17で形成される他の壁面よりも剛性が低いダンパ面20としている。
このダンパ面20は、図3にも示すように、振動板部材2の第1層2a〜第3層cで形成された厚さが相対的に厚い厚肉部21と振動板部材2の第1層2aで形成された厚さが相対的に薄い薄肉部21を含み、これらの厚肉部21と薄肉部22はダンパ面長手方向(共通液室長手方向と同じ)に延びるライン状に形成されている。なお、厚肉部21及び薄肉部22はいずれも振動板部材2で形成することにより同一材料で形成している。
そして、ここでは、ライン状薄肉部22とライン状厚肉部21は、図3に示すように、ダンパ面短手方向(ノズル並び方向と直交する方向になる。)に交互に形成されている。この例では、ライン状厚肉部22は5本としているが、これに限るものではない。
なお、厚肉部21を2層構造とし、薄肉部22を1層構造とし、あるいは、厚肉部21を3層構造とし、薄肉部22を2層構造としても良い。また、共通液室8の一部の壁面を形成する振動板部材2の少なくとも共通液室8側は耐インク性(耐液性)を有することが好ましい。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば圧電素子12に印加する電圧を基準電位から下げることによって圧電素子12が収縮し、振動板2が下降して加圧液室6の容積が膨張することで、加圧液室6内にインクが流入し、その後圧電素子12に印加する電圧を上げて圧電素子12を積層方向に伸長させ、振動板2をノズル4方向に変形させて加圧液室6の容積/体積を収縮させることにより、加圧液室6内の記録液が加圧され、ノズル4から記録液の滴が吐出(噴射)される。
そして、圧電素子12に印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板2が初期位置に復元し、加圧液室6が膨張して負圧が発生するので、このとき、共通液室8から加圧液室6内に記録液が充填される。そこで、ノズル4のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。引き打ちとは、基準電位から電位を下げて圧電素子を収縮させて加圧液室の内容積を増加し後電位を基準電位まで戻すことによって振動板を初期位置に復帰させて液滴を吐出させる打ち方、押し打ちとは基準電位から電位を上げて振動板を加圧液室側に押し込むことで液滴を吐出させる打ち方である。
このようにしてノズル4から液滴を吐出させるために加圧液室6内に圧力変動が生じさせると、加圧液室6内の圧力変動が流体抵抗部7、連通路10、連通部9を通じて共通液室8に伝播される。これにより、共通液室8に圧力変動が生じるが、ダンパ面20が振動することで、伝播した圧力変動を減衰させるので、液滴を吐出させる加圧液室6の圧力を変動させて所要の滴体積、滴速度で液滴を吐出できなくなったり、液滴を吐出させない加圧液室6の圧力を変動させてノズルメニスカスを崩して、記録液が漏洩したり、液滴が吐出されたりすることが防止され、安定して滴吐出を行うことができる。
そして、この実施形態においては、ダンパ面20に薄肉部22のラインと厚肉部21のラインをダンパ面短手方向に交互に形成されている構成としているので、厚肉部21の存在によって薄肉部22の面積が減って、ピンホール等の製造工程上の欠陥、異常の発生が減少するが、厚肉部21をダンパ面長手方向にライン状に形成していることから、全面を薄肉部22にした場合とほとんど変わらない圧力吸収効果を得ることができる。また、厚肉部22がダンパ面20を支える柱となるため強度も増し、製造工程における取り扱いが容易になる。
なお、厚肉部21及び薄肉部22の幅は、等間隔であっても、異なる間隔であってもよい。また、厚肉部21を構成する領域の面積と、薄肉部22を構成する領域の面積は、同程度であるのが最も好ましいが、これに限るものではない。また、上記実施形態では厚肉部21と薄肉部22の2種の厚さのみとしているが、三種類以上の厚さとすることもできる。
次に、本発明の第2実施形形態について図4を参照して説明する。なお、図4は同実施形態におけるヘッドのダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である。
この実施形態では、2本のライン状厚肉部21を形成し、このライン状厚肉部21とダンパ面短手方向に交互に形成されている。このような構成でも前記第1実施形態と同様な作用効果が得られる。
次に、本発明の第3実施形形態について図5を参照して説明する。なお、図5は同実施形態におけるヘッドのダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である。
この実施形態では、上記第2実施形態において、ライン状厚肉部21がダンパ面長手方向において2箇所(2箇所に限るものではなく、3箇所以上でも良い。)で分断されている構成としている。
このように構成した場合、前記第2実施形態に比べて、長手方向の剛性が下がり圧力吸収効果を高めることができる。ただし、厚肉部21の柱としての効果は低下してダンパ面20自体の強度は下がることになる。この構成は、ダンパ面20の長手方向長さが短い場合に適した構造である。
次に、本発明の第4実施形形態について図6を参照して説明する。なお、図6は同実施形態におけるヘッドのダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である。
この実施形態では、上記第2実施形態において、ライン状厚肉部21に対してダンパ面短手方向にも厚肉部21で形成されるリブ23を2箇所(2箇所に限るものではなく、3箇所以上でも良い。)に形成したものである。
このように構成した場合、前記第2実施形態に比べてダンパ面20の強度は向上するが、短手方向の剛性が上がることになる。この構成は、ダンパ面長手方向の長さが長い場合、特にライン型ヘッドのような構成の場合に適している。なお、リブ23が何本か形成されても、リブ23間の距離が十分にあれば、ダンパとしての効果(圧力吸収効果)は十分に機能する。
次に、本発明の第5実施形形態について図7を参照して説明する。なお、図7は同実施形態におけるヘッドのダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である。
この実施形態では、上記第2実施形態において、ライン状厚肉部21はダンパ面20の長手方向端部まで形成せず、ダンパ面20の外周部は薄肉部22としている。
このように構成した場合、ダンパ面20の強度は低下するが、この最外周部でのダンパ面20の変位が大きく取れ、このためダンパ面20全体の変位量の積分、即ちダンパ面20の変形による共通液室8の体積変化を大きくとることができ、圧力吸収効果を高めることができる。
次に、本発明の第6実施形形態について図8を参照して説明する。なお、図8は同実施形態におけるヘッドのダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である。
この実施形態では、3本のライン状厚肉部21を設けるとともに、ライン状厚肉部21がダンパ面長手方向において2箇所(2箇所に限るものではなく、3箇所以上でも良い。)で分断され、更にライン状厚肉部21はダンパ面20の長手方向端部まで形成せず、ダンパ面20の外周部は薄肉部22としている。
次に、本発明の第7実施形形態について図9を参照して説明する。なお、図9は同実施形態におけるヘッドのダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である。
この実施形態では、前記第2実施形態において、4本のライン状厚肉部21を設けている。
次に、本発明の作用効果について、比較例との対比において説明する。
まず、流路構成の一般的な例について説明する。図10及び図11に示す第1例では、前述したノズル、液室、圧力発生手段などを含む液室ユニット101が複数個並んで配置され、それぞれが連通部103を介して共通液室102に接続されている。共通液室102は、フレーム部材105に形成され、その一面はダンパ面104となっている。また、図12及び図13に示す第2例では、液室ユニット101、連通部103、共通液室102が直線状に並ぶ例である。
なお、液室ユニット101は、液室、ノズル、圧力変換手段等により構成される。ここで、圧力変換手段は、電歪素子に電圧を印加して電歪素子を変形させることで液滴を吐出させる圧電型アクチュエータでもよいし、あるいは、電気熱変換素子に電流を流すことで発熱により液体を発泡させることで液滴を吐出させるサーマル型アクチュエータとすることができる。その他、静電型アクチュエータを用いるものでもよい。
圧電型アクチュエータを用いる場合には圧電素子の変形量を調整することで様々な大きさの液滴を吐出させることができ、階調性が良好な画像を形成するのに有利である。一方、サーマル型アクチュエータを用いる場合にはズルの高集積化が容易であるため、多ノズルヘッドに向いており、解像度が高い画像を高速で形成するのに有利である。
また、液室ユニット101は流路からノズル(吐出口)にかけての形状が直線的であるエッジシュータ方式であっても良いし、流路の向きとノズル(吐出口)の向きが異なるサイドシュータ方式であっても良い。エッジシュータ方式のヘッドにおいては、各部分の精度良い微細化やノズルのマルチ化、小型化が極めて容易であり、また量産性に優れているという利点を有する。その一方で、滴吐出の際の応答周波数や液滴の飛翔速度に限界がある。また、サーマル型アクチュエータを用いた場合、電気熱変換素子が発熱することで液中に気泡が発生するが、この気泡が温度低下により収縮し、電気熱変換素子近辺で消滅するときの衝撃によってアクチュエータが徐々に破壊されるキャビテーション現象が生じ、特にこの現象はエッジシュータ方式において顕著であることから、ヘッドの寿命が比較的短くなる。
これに対して、サイドシュータ方式のヘッドは、エネルギーをより効率良く液滴形成とその飛翔の運動エネルギーへと変換でき、また液体供給によるメニスカスの復帰も速いという構造上の利点を有し、また、サーマル型アクチュエータを用いた場合でも気泡が成長し、その気泡がノズルに達することで気泡が大気に通じることになり温度低下による気泡の収縮が起こらないことから、ヘッドの寿命が長くなるという長所を有している。
以上のような流路構成において、ダンパ面104は、通常は液室ユニット101が並ぶ方向、即ち図10及び図12において、紙面上下方向が長手方向、左右方向が短手方向となる。実際のヘッドでは、液室ユニット101は数十〜数百列並び、ダンパ面104は、短手方向に対して長手方向が著しく長い、即ちアスペクト比の大きな形状となる。このため、ダンパ面104は、短手方向の剛性が高くなるような構造にすると、圧力ダンパ効果は急激に低くなる。
また、上記の通り長手方向が非常に長く、必要となるダンパの面積は大きくなるため、ダンパ面104を全体に薄膜に形成すると、前述したようにピンホールなどによる歩留まり低下の問題が発生する。そのため、全体を薄膜とすることはせず、本発明のように厚肉部と薄肉部の2層構造とするのが良い。ただし、厚肉部の存在により、圧力緩和効果が低下しないような構成にする必要がある。そこで、長手方向に厚肉部と薄肉部のラインが走り、短手方向で厚肉部、薄肉部のラインが交互に配置されるような構成にすることで、厚肉部が長手方向に貫通しているため、構造的に長手方向の剛性が上がるが、長手方向は十分長く、このような厚肉部が走っていても実際にはダンパ面の変形にはあまり影響しない。また、短手方向は、厚肉部が連続することなく、薄肉部が存在していることにより、ダンパ面は十分に変形することができるようになる。
この効果を確認するため、ダンパ面として、次の5種類を用意し、共通液室の圧力吸収効果を確認した。この結果を図15に示している。なお、図15で、長一点鎖線は比較例1、二点鎖線は比較例2、一点鎖線は実施例1、破線は実施例2、実線は実施例3をそれぞれ示している。
比較例1:ダンパ面全体が厚さ26μm(図14の形状)
比較例2:ダンパ面全体が厚さ3μm(図14の形状)
実施例1:厚肉部26μm、薄肉部3μm、厚肉部のライン数1本
実施例2:厚肉部26μm、薄肉部3μm、厚肉部のライン数2本(図4の形状)
実施例3:厚肉部26μm、薄肉部3μm、厚肉部のライン数5本(図3の形状)
なお、ダンパ面以外の構成は全て統一している。また、比較例3、実施例1、2の構成では、厚肉部と薄肉部の面積は同一(それぞれダンパ面全体の1/2)である。また、図15は駆動周波数を変えてヘッドを駆動したときの共通液室の圧力値を評価している。
図15において、2.4kHz付近のピークは、ヘッド全体の一次共振の周波数である。ヘッド共振により、比較例1では共通液室圧力も大きな値を示しているが、比較例2では圧力ダンパ効果により、この周波数の共振はかなり低減されている。実施例1、2、3では、比較例2に比べて厚さ3μmの領域は半分になっているが、比較例2とほぼ同等の十分な圧力低減効果が確保されている。
さらに、比較例2の場合、2.4kHzの値は小さくなっているが、それ以外の周波数(1kHz、4.7kHzなど)に他には見られない大きな共振点が発生している。これはダンパ面自体の共振によるもので、比較例2ではダンパ面の剛性が低いため、比較的低い周波数にこのような共振点が多数現れている。これに対し、実施例1、2、3ではダンパ面自体の共振は低周波領域では発生しにくいため、ほとんど発生していない。
ただし、厚肉部が1本の実施例1の場合、2.4kHzにおける圧力共振抑制効果即ちヘッド共振時の圧力変動抑制効果が実施例2、3に比べて不十分である。したがって、厚肉部のライン数は2本以上とするのが良い。
このように、実際のヘッド駆動周波数帯となる低周波領域では、ダンパ面全体を薄肉構成とするよりも効果が高い。また、比較例2に対し、薄肉部の面積が減少していることから、ピンホールによる歩留まり低下も比較例2に比べて改善できる。更に、図4に示すように厚肉部をダンパ面の長手方向全面に渡って形成すれば、ここが柱となり、加工時や駆動時のダンパ面の破壊(膜破れなど)を抑制する効果もある。
次に、別の例として、図16に示すように、薄肉部を端部、厚肉部を中央に形成した場合と本発明の実施例を比較した結果を図17に示している。なお、図17で、長一点鎖線は比較例3、二点鎖線は比較例4、一点鎖線は比較例5、破線は実施例4、実線は実施例5をそれぞれ示している。
ここでは、薄肉部の総面積が変わるように、形状を次のとおりとしている。
比較例3:薄肉部;長手方向長さ10mm、短手方向長さ2mm、
総面積;10×2×2(両端)=40mm
比較例4:薄肉部;長手方向長さ15mm、短手方向長さ2mm、
総面積;60mm
比較例5:薄肉部;長手方向長さ20mm、短手方向長さ2mm
総面積;80mm
実施例4:厚肉部;ライン数4本(長さ54.4mm×幅250mm)
総面積;55.2mm
実施例5:厚肉部;ライン数4本(長さ54.4mm×幅350mm)
総面積;33.4mm
ここで、比較例4、5、6は図16に示すように形状、実施例4、5は図9に示す形状である。なお、いずれもダンパ面全体の寸法は、54.8mm×2mm、厚肉部の厚さは26μm、薄肉部の厚さは3μmとなっている。
図17によれば、比較例4〜6の構成において、比較例4、5では薄肉部の総面積が60mm以下の場合、2kHz付近に大きな共振ピークが残っており、比較例6のように80mm程度まで面積を広げる必要がある。これに対し、実施例4、5では、総面積33.4mmの実施例3でも十分な共振抑制効果が得られている。すなわち、厚肉部/薄肉部の2層構造とした場合でも、本発明の構成を採用することで、薄肉部の総面積をより少なくすることができ、ピンホール等の歩留まり低下をより抑えることができる。
次に、第1実施形態の具体例について説明する。
流路部材1として高さ500μmのSiを用い、これに高さ100μm、長手方向の長さ1000μm、短手方向の幅170μmの加圧液室6を形成する。Ni電鋳により厚さ20μmのノズル板3を形成する。振動板2は、Ni電鋳による3層構造とし、液室6側より、3μm(第1層2a)、11.5μm(第2層2b)、11.5μm(第3層2c)の厚さとする。振動板2は、同一層でダンパ面20も構成する。
圧力発生手段として圧電素子12Aを用い、これをベース部材13に固定し、連結部2Bを介して加圧液室6を加圧する。なお、圧電素子12Aは、銀・パラジュームによる電極を上下に挟んだ16層積層配置構造とする。
共通液室8はエポキシ樹脂によって形成されたフレーム部材17に形成され、深さ3000μm、短手方向長さ(図1にて紙面左右方向長さ)2600μm、長手方向長さ(図1にて紙面垂直方向長さ)54000μmとなっている。
ダンパ面20は、図3に示すように5本の厚肉部21が形成され、長手方向長さ54000μm、短手方向長さ2000μmとなっている。厚肉部21の幅は200μmで、ダンパ面20の短手方向に等間隔に並んで形成されている。厚肉部21の厚さは26μm、薄肉部22の厚さは3μmとなっている。
比較例として、同一構成でダンパ面20を全て3μmとしたヘッドも作製した。
これらの第1実施形態に係るヘッドと比較例に係るヘッドをプリンタに搭載し、印字試験を行った。その結果、全ノズルからインクを吐出して印字した場合、本発明に係るヘッドを搭載したプリンタでは不良画質を発生することのない、良好な結果が得られたが、比較例のヘッドを搭載したプリンタでは不良画質が発生した。また、振動板部材形成工程での歩留まりも、本発明の方が高く、本発明の改善効果が確認された。
次に、第6実施形態の具体例について説明する。
流路部材1として高さ500μmのSiを用い、これに高さ100μm、長手方向の長さ1000μm、短手方向の幅170μmの加圧液室6を形成する。Ni電鋳により厚さ20μmのノズル板3を形成する。振動板2は、Ni電鋳による3層構造とし、液室6側より、3μm(第1層2a)、11.5μm(第2層2b)、11.5μm(第3層2c)の厚さとする。振動板2は、同一層でダンパ面20も構成する。
圧力発生手段として圧電素子12Aを用い、これをベース部材13に固定し、連結部2Bを介して加圧液室6を加圧する。なお、圧電素子12Aは、銀・パラジュームによる電極を上下に挟んだ16層積層配置構造とする。
共通液室8はエポキシ樹脂によって形成されたフレーム部材17に形成され、深さ2000μm、短手方向長さ(図1にて紙面左右方向長さ)2600μm、長手方向長さ(図1にて紙面垂直方向長さ)32000μmとなっている。
ダンパ面20には、図8に示すように、途中で分断された3本の厚肉部21が形成されている。ダンパ面20は長手方向長さ32000μm、短手方向長さ2000μmとなっている。厚肉部21の幅は300μmで、ダンパ面20の短手方向に等間隔に並んで形成されている。厚肉部21の厚さは26μm、薄肉部22の厚さは3μmとなっている。また、厚肉部21は、ダンパ面20の長手方向に関して3等分され、1本当たりの長さは10000μmとなっている。また、ダンパ面20の長手方向端部も厚肉部21は到達しておらず、ダンパ面20の最外周は薄肉部22によってのみ形成されている。
比較例として、同一構成でダンパ面20を全て3μmとしたヘッドも作製した。
これらの第6実施形態に係るヘッドと比較例に係るヘッドをプリンタに搭載し、印字試験を行った。その結果、全ノズルからインクを吐出して印字した場合、本発明に係るヘッドを搭載したプリンタでは不良画質を発生することのない、良好な結果が得られたが、比較例のヘッドを搭載したプリンタでは不良画質が発生した。また、振動板部材形成工程での歩留まりも、本発明の方が高く、本発明の改善効果が確認された。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える本発明に係る液体吐出装置を含む画像形成装置の一例について図18及び図19を参照して説明する。なお、図18は同装置の機構部の全体構成を説明する概略構成図、図19は同機構部の要部平面説明図である。
この画像形成装置はシリアル型画像形成装置であり、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a、235b(区別しないときは「ヘッドタンク35」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ36を介して、各色のインクカートリッジ210から各色のインクが補充供給される。
一方、給紙トレイ202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイ202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ256に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト251が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト251上に用紙242が給送されると、用紙242が搬送ベルト251に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
このようなシリアル型画像形成装置において、本発明に係る液体吐出ヘッドを含む本発明に係る液体吐出装置を備えることによって、安定した滴吐出を行うことができ、高速で高画質画像を形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置を含む画像形成装置の他の例について図20を参照して説明する。なお、図20は同画像形成装置の概略構成図である。
この画像形成装置はフルライン型ヘッドを備えたライン型画像形成装置であり、装置本体401の内部に画像形成部402及び用紙を搬送する搬送機構403等を有し、装置本体401の一方側に多数枚の用紙405を積載可能な給紙トレイ404を備え、この給紙トレイ404から給紙される用紙405を取り込み、副走査搬送機構403によって用紙405を搬送しながら画像形成部402によって所要の画像を記録した後、装置本体401の他方側に装着された排紙トレイ406に用紙405を排紙する。
画像形成部402は、記録液となる液体を収容した液体タンクを一体にし、用紙の幅方向(搬送方向と直交する方向)の長さ相当分のノズル列を有する本発明に係る液体吐出ヘッドで構成したライン型ヘッド410y、410m、410c、410kを備えたものである。これらのライン型ヘッド410y、410m、410c、410kは図示しないヘッドホルダに取り付けている。
ライン型ヘッド410y、410m、410c、410kは、用紙搬送方向上流側からそれぞれ例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に各色の液滴を吐出する。なお、ライン型ヘッドとしては、各色の液滴を吐出する複数のノズル列を所定間隔で配置した1つのヘッドを用いることもできるし、ヘッドと液体カートリッジを別体としたものを用いることもできる。
給紙トレイ404の用紙405は、給紙コロ421によって1枚ずつ分離され装置本体401内に給紙され、用紙供給ローラ422によって搬送機構403に送り込まれる。
この搬送機構403は、駆動ローラ423と従動ローラ424との間に掛け渡した搬送ベルト425と、この搬送ベルト425を帯電させるための帯電ローラ426と、搬送ベルト425を画像形成部2に対向する部分で案内するガイド部材(プラテンプレート)427と、搬送ベルト425に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体などからなる記録液拭き取り部材(ここでは、クリーニングローラ)428と、用紙405を除電するための導電ゴムを主体とした除電ローラ429と、用紙405を搬送ベルト425側へ押える用紙押さえローラ430とを備えている。
また、搬送機構403の下流側には画像が記録された用紙405を排紙トレイ406に送り出すための排紙ローラ431を備えている。
このように構成したライン型画像形成装置においても、搬送ベルト425を帯電させて用紙405を送り込むことによって、静電力で用紙405が搬送ベルト425に吸着されて、搬送ベルト425の周回移動によって搬送され、画像形成部402によって画像が形成されて、排紙トレイ406に排紙される。
このようなライン型画像形成装置において、本発明に係る液体吐出ヘッドを含む本発明に係る液体吐出装置を備えることによって、安定した滴吐出を行うことができるので、高速で高画質画像を形成することができる。
なお、本発明に係る画像形成装置は、例えば、プリンタ/ファックス/コピアの単機能機やこれらの複合機などの画像形成装置に適用することができる。また、インク以外の液体である記録液や定着処理液などを用いる画像形成装置、その他の前述したような各種の液体を吐出する液体吐出装置にも適用することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドの第1実施形態を示す液室長手方向(液室の並び方向と直交する方向)に沿う断面説明図である。 同じく同ヘッドの液室短手方向(液室の並び方向)に沿う断面説明図である。 同じく同ヘッドのダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第2実施形態におけるダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である 本発明に係る液体吐出ヘッドの第3実施形態におけるダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である 本発明に係る液体吐出ヘッドの第4実施形態におけるダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である 本発明に係る液体吐出ヘッドの第5実施形態におけるダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である 本発明に係る液体吐出ヘッドの第6実施形態におけるダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である 本発明に係る液体吐出ヘッドの第7実施形態におけるダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である 液体吐出ヘッドにおける流路構成の第1例を説明する模式的説明図である。 図10のA−A線に沿う模式的説明図である。 液体吐出ヘッドにおける流路構成の第2例を説明する模式的説明図である。 図12のB−B線に沿う模式的説明図である。 比較例1、2の液体吐出ヘッドにおけるダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である 比較例1、2及び実施例1ないし3の液体吐出ヘッドにおけるヘッド駆動周波数と共通液室の圧力値の測定結果を示す説明図である。 比較例3ないし5の液体吐出ヘッドにおけるダンパ面を共通液室側から見た平面説明図である 比較例3ないし5及び実施例4、5の液体吐出ヘッドにおけるヘッド駆動周波数と共通液室の圧力値の測定結果を示す説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 同機構部の要部平面説明図である。 本発明に係る画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
符号の説明
1…流路部材
2…振動板部材
2A…振動領域
2B…島状凸部
3…ノズル板
4…ノズル
6…加圧液室(圧力室)
7…流体抵抗部
8…共通液室
12…圧電素子
13…ベース部材
20…ダンパ面
21…厚肉部
22…薄肉部
23…リブ
234a、234b…記録ヘッド
410k、410c、410m、410y…ライン型ヘッド

Claims (5)

  1. 複数の加圧液室と、各加圧液室が連通口を介して接続された共通液室と、加圧液室内の圧力を変化させる圧力変換手段とを備え、前記加圧液室に連通したノズルから液滴を吐出する液体吐出ヘッドにおいて、
    前記共通液室を形成する壁面の中で、少なくとも一つの壁面は、他の壁面よりも剛性が低いダンパ面となっており、
    このダンパ面は同一材料からなる厚さが相対的に厚い厚肉部と厚さが相対的に薄い薄肉部を含み、
    前記厚肉部と薄肉部はダンパ面長手方向に延びるライン状に形成されており、
    ライン状薄肉部とライン状厚肉部は前記ダンパ面短手方向に交互に形成され
    前記ダンパ面の最外周は前記薄肉部によってのみ構成されている
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ライン状厚肉部は2本以上あることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  3. 請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ライン状厚肉部及び前記ライン状薄肉部の少なくともいずれかは、前記ダンパ面長手方向の少なくとも1箇所で分断されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ダンパ面はNiの2層構造により形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 液体吐出ヘッドから液滴を吐出して画像を形成する画像形成装置において、請求項1ないしのいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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