JP4905423B2 - ディスク記録媒体、ディスクドライブ装置、再生方法 - Google Patents
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Description
光ディスクには、例えばCD、CD−ROM、DVD−ROMなどとして知られているように再生専用タイプのものと、MD、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RW、DVD+RW、DVD−RAMなどで知られているようにユーザーデータが記録可能なタイプがある。記録可能タイプのものは、光磁気記録方式、相変化記録方式、色素膜変化記録方式などが利用されることで、データが記録可能とされる。色素膜変化記録方式はライトワンス記録方式とも呼ばれ、一度だけデータ記録が可能で書換不能であるため、データ保存用途などに好適とされる。一方、光磁気記録方式や相変化記録方式は、データの書換が可能であり音楽、映像、ゲーム、アプリケーションプログラム等の各種コンテンツデータの記録を始めとして各種用途に利用される。
またデータトラック上の所定の位置にデータを記録することができるようにアドレス情報を記録する必要もあるが、このアドレス情報は、グルーブをウォブリング(蛇行)させることで記録される場合がある。
このようにすると、記録時や再生時に、反射光情報として得られるウォブリング情報からアドレスを読み取ることができ、例えばアドレスを示すピットデータ等を予めトラック上に形成しておかなくても、所望の位置にデータを記録再生することができる。
このようにウォブリンググルーブとしてアドレス情報を付加することで、例えばトラック上に離散的にアドレスエリアを設けて例えばピットデータとしてアドレスを記録することが不要となり、そのアドレスエリアが不要となる分、実データの記録容量を増大させることができる。
なお、このようなウォブリングされたグルーブにより表現される絶対時間(アドレス)情報は、ATIP(Absolute Time In Pregroove)又はADIP(Adress In Pregroove)と呼ばれる。
この出荷時情報としては、ディスクへの記録条件、例えば記録線速度やレーザパワー推奨値などを示すディスク情報や、ハックされた機器を排除するためなどのシステム情報を記録したい。
そしてこれらの出荷時情報は、高い信頼性と、ある程度のデータ量と、改竄されないことが必要とされる。
また、コンテンツデータの記録にあたっては、著作権保護の観点からデータを暗号化することが考えられるが、システム情報から暗号化に用いられる鍵が正確に得られないと、暗号化データを復号してコンテンツを利用することができず、またコンテンツデータの記録の際の暗号化ができないためである。
これらのことから、出荷時情報として記録されるディスク情報やシステム情報には、記録再生されるユーザデータ以上に高い信頼性が要求される。
例えばハックされたときにシステムのマスターキーを更新することを考え、その排除単位としてシステム(商品)の機種単位などを考えた場合、マスターキーを更新するためには、各々の単位でマスターキーを特定するための鍵情報の束として、ある程度の情報量が必要となる。このようなことからシステム情報は比較的データサイズの大きな情報となってしまう。
また、ディスク上のディフェクト(傷や汚れ)の可能性を考慮した場合でも、正確に出荷時情報が読み出せることが上記信頼性の点から必要で、このためにディスク情報やシステム情報を多重書き(同じデータを複数回記録する)することが行われる。当然、出荷時情報としてのデータ量は大きくならざるを得ない。
ところが光ディスクに高密度に記録再生することを考えると、エンボスピットによるプリレコード方法は不都合が生ずる。
光ディスクに高密度に記録再生する場合、グルーブの深さを浅くすることが必要とされている。そしてスタンパによってグルーブとエンボスピットを同時に生産するディスクにおいては、グルーブとエンボスピットの深さを異なる深さとすることは非常に困難である。このため、エンボスピットの深さはグルーブの深さと同じにならざるを得ない。
ところが、エンボスピットの深さが浅くなると、エンボスピットから品質のよい信号が得られないという問題がある。
この場合、フェーズチェンジマークは、ディスク上にスパイラル状に形成されたグルーブ上に記録再生されるが、高密度化のためにメディアノイズをおさえるためには、グルーブの深さは、約20nm、つまり波長λに対してλ/13〜λ/12がのぞましい。
一方、品質のよいエンボスピットからの信号を得るには、エンボスピットの深さは、λ/8〜λ/4がのぞましく、結局グルーブ及びエンボスピットとしての共通の深さとして、いい解が得られないでいた。
このような事情から、エンボスピットにかわる、出荷時情報をプリレコードする方法が求められていた。
また、上記第1のデータ及び第3のデータの訂正符号は、LDCであり、上記第2のデータの訂正符号は、nibbleベースの符号である。
また、上記第1のエラー訂正ブロックは、第1のフレーム構造と、第1の訂正符号からなる第1のサブブロック構造と、第2の訂正符号からなる第2のサブブロック構造とから構成され、上記第3のエラー訂正ブロックは、第2のフレーム構造と、上記第1の訂正符号からなる第3のサブブロック構造と、上記第2の訂正符号からなる第4のサブブロック構造とから構成されるようにする。
或いは、上記第2のデータ及び第3のデータは、予め形成されたウォブリンググルーブによって記録されており、上記第1のデータは、上記書換可能な記録方式として、上記ウォブリンググルーブによるトラック上への光磁気マークによる記録方式で記録されるようにする。
また、上記再生専用領域に記録される第3のデータには、アドレス情報が含まれているようにする。
また、上記第3のデータの記録密度は、上記第1のデータの記録密度より緩くされているとともに、上記第1のサブブロックを構成する上記第1の訂正符号の符号数をmの倍数とし、上記第3のサブブロックを構成する上記第1の訂正符号の符号数を、上記第1のサブブロックの訂正符号の符号数のn/mとすることで、上記第3のサブブロックのデータ数を、上記第1のサブブロックのデータ数のn/mとし(但し、n及びmは正の整数)、さらに、上記第2のサブブロックを構成する上記第2の訂正符号の符号数をpの倍数とし、上記第4のサブブロックを構成する上記第2の訂正符号の符号数を、上記第2のサブブロックの訂正符号の符号数のq/pとすることで、上記第4のサブブロックのデータ数を、上記第2のサブブロックのデータ数のq/pとする(但し、p及びqは正の整数)。
これらの場合、上記「m」は、「2」のべき乗の値とする。
また、上記「n」は、「1」とする。
また上記第1のエラー訂正ブロックのフレーム数、及び上記第3のエラー訂正ブロックのフレーム数を、上記訂正符号内のデータ数と同程度もしくはそれ以上とする。
また、上記第1のエラー訂正ブロックのフレーム数、及び上記第3のエラー訂正ブロックのフレーム数を、上記第1の訂正符号の符号語数と上記第2の訂正符号の符号語数の和と同程度もしくはそれ以上とする。
或いは、上記第1のエラー訂正ブロックにはリンキング用のフレームが付加され、上記第3のエラー訂正ブロックには、リンキング用のフレームが付加されていないものとする。
又は、上記第1の変調方式と上記第3の変調方式は同一の変調方式であるとする。
又この場合、上記第1の変調方式と上記第3の変調方式はRLL(1、7)PP方式であり、上記第2の変調方式はMSK変調方式であるとする。
そして、上記グルーブにより形成されるトラックに対してレーザ照射を行い反射光信号を得るヘッド手段と、上記反射光信号からトラックのウォブリングに係る信号を抽出するウォブリング抽出手段と、上記反射光信号から上記第1のデータに係る信号を抽出する第1データ信号抽出手段と、上記記録再生領域の再生時において、上記ウォブリング抽出手段によって抽出された上記ウォブリングに係る信号について第2の変調方式に対する復調を行なう第2データ復調手段と、上記記録再生領域の再生時において、上記第1データ抽出手段によって抽出された上記第1のデータに係る信号について上記第1の変調方式に対する復調を行なう第1データ復調手段と、上記再生専用領域の再生時において、上記ウォブリング抽出手段によって抽出された上記ウォブリングに係る信号について上記第3の変調方式に対する復調を行なう第3データ復調手段と、上記第1データ復調手段の復調出力と、上記第3データ復調手段の復調出力に対して上記エラー訂正符号によるエラー訂正処理を行うエラー訂正手段と、上記記録再生領域の記録再生時には、上記第2データ復調手段の処理を実行させるとともに上記エラー訂正手段に対して上記第1のエラー訂正ブロックに対する処理を指示し、上記再生専用領域の再生時には、上記第3データ復調手段の処理を実行させるとともに上記エラー訂正手段に対して上記第3のエラー訂正ブロックに対する処理を指示する制御手段と、を備える。
また、上記エラー訂正手段は、第1のフレーム構造と、第1の訂正符号からなる第1のサブブロック構造と、第2の訂正符号からなる第2のサブブロック構造とから構成される上記第1のエラー訂正ブロックに関してエンコード及びデコード可能とされるとともに、第2のフレーム構造と、上記第1の訂正符号からなる第3のサブブロック構造と、上記第2の訂正符号からなる第4のサブブロック構造とから構成される上記第3のエラー訂正ブロックに関してデコード可能とされる。
また上記エラー訂正手段は、上記第1のサブブロックを構成する上記第1の訂正符号の符号数をmの倍数とし、上記第3のサブブロックを構成する上記第1の訂正符号の符号数を、上記第1のサブブロックの訂正符号の符号数のn/m(但し、n及びmは正の整数)とし、さらに、上記第2のサブブロックを構成する上記第2の訂正符号の符号数をpの倍数とし、上記第4のサブブロックを構成する上記第2の訂正符号の符号数を、上記第2のサブブロックの訂正符号の符号数のq/p(但し、p及びqは正の整数)として処理を行う。
これらの場合において、上記「m」は、「2」のべき乗の値とする。
また上記「n」は、「1」とする。
或いは、上記第1の変調方式と上記第3の変調方式は同一の変調方式であるとして、必要な復調を行う。
或いは、上記第1の変調方式と上記第3の変調方式はRLL(1、7)PP方式であり、上記第2の変調方式はMSK変調方式であるとして、それぞれ復調を行う。
そして上記記録再生領域の再生時には、上記グルーブにより形成されるトラックに対してレーザ照射を行った際の反射光信号から、トラックのウォブリングに係る信号、及び上記第1のデータに係る信号を抽出し、抽出された上記ウォブリングに係る信号について上記第2の変調方式に対する復調を行ってアドレス情報をデコードするとともに、抽出された上記第1のデータに係る信号について上記第1の変調方式に対する復調、及び上記エラー訂正符号による上記第1のエラー訂正ブロックに対してエラー訂正処理を行って上記第1のデータを再生する。
上記再生専用領域の再生時には、上記グルーブにより形成されるトラックに対してレーザ照射を行った際の反射光信号から、トラックのウォブリングに係る信号を抽出し、抽出された上記ウォブリングに係る信号について上記第3の変調方式に対する復調、及び上記エラー訂正符号による上記第3のエラー訂正ブロックに対してエラー訂正処理を行って上記第3のデータを再生する。
また、上記記録再生領域の再生時には、第1のフレーム構造と、第1の訂正符号からなる第1のサブブロック構造と、第2の訂正符号からなる第2のサブブロック構造とから構成される上記第1のエラー訂正ブロックに対してエラー訂正処理を行い、上記再生専用領域の再生時には、第2のフレーム構造と、上記第1の訂正符号からなる第3のサブブロック構造と、上記第2の訂正符号からなる第4のサブブロック構造とから構成される上記第3のエラー訂正ブロックに対してエラー訂正処理を行う。
また上記エラー訂正処理においては、上記第1のサブブロックを構成する上記第1の訂正符号の符号数をmの倍数とし、上記第3のサブブロックを構成する上記第1の訂正符号の符号数を、上記第1のサブブロックの訂正符号の符号数のn/m(但し、n及びmは正の整数)とし、さらに、上記第2のサブブロックを構成する上記第2の訂正符号の符号数をpの倍数とし、上記第4のサブブロックを構成する上記第2の訂正符号の符号数を、上記第2のサブブロックの訂正符号の符号数のq/p(但し、p及びqは正の整数)として処理を行う。
これらの場合、上記「m」は、「2」のべき乗の値とする。
また上記「n」は、「1」とする。
或いは、上記第1の変調方式と上記第3の変調方式は同一の変調方式であるとして、必要な復調を行う。
或いは、上記第1の変調方式と上記第3の変調方式はRLL(1、7)PP方式であり、上記第2の変調方式はMSK変調方式であるとして、それぞれ復調を行う。
ディスク出荷時の手間やコストをも考えると、第3のデータとしての出荷時情報のデータを1枚毎に記録する必要のない、スタンパで形成される再生専用データとすることが好適である。
また、第2のデータとしてのプリアドレス情報(ADIP)を記録するにあたって、ピットを用いずグルーブをウォブルすることにより記録した追記型/書換型ディスクにおいては、出荷時情報にもピットを用いず、グルーブをウォブルすることにより記録することが好適である。
即ち第2のデータたるプリアドレス情報は、記録密度は低くてよく、また内挿保護などで保証される程度の誤り率でよい。また第2のデータは記録再生領域にウォブリンググルーブとして記録される場合、そのグルーブによるトラックには第1のデータが重畳される。
一方、第3のデータたる出荷時情報は、第1のデータより記録密度は低くても構わないが、読み出し時間を考えると、第2のデータ(プリアドレス情報)程度の記録密度では機能しない。また誤り率は第1のデータと同等以下が求められる。そして、出荷時情報を記録する再生専用領域は、スタンパで形成される領域(ウォブリンググルーブによるデータ)なので、アドレス情報もこの出荷時情報データ中に入れておくことで、プリアドレス情報との重畳は必要ない。
従って、第3のデータ(出荷時情報)と第2のデータ(ADIP)は変調方式を異なるものとすることが考えられる。
このため、第3のデータ(出荷時情報)の信頼性を確保するためには、第1のデータより十分に記録密度を緩めることが適切となる。
第3のデータの記録密度を緩めるにあたっても、第1のデータと同様に考え、これも第3のデータについての第3のエラー訂正ブロック長はトラック1周回を超えないものとする。
また、第3のデータについては、訂正能力、冗長度の面から大きな符号とした第1のデータの誤り訂正符号と同一とする。
同一のフレームのデータが、同一の誤り訂正符号上にのるのは望ましくないので、フレーム内のデータ数を誤り訂正符号のインターリーブ数すなわち符号数と同程度かあるいはそれより少ないデータ数とする。
従って、第1のエラー訂正ブロックと第3のエラー訂正ブロックの大きさを異なるものとすることに伴って、フレーム構造を変える。
また、第3のデータにかかる第3のエラー訂正ブロックの有効データ数も、2のべき乗個(例えば2048バイト)の倍数であることが望ましい。
EDC(エラー検出コード)などが付加されると2のべき乗個ではない場合もあるが、第1のエラー訂正ブロックの有効データ数および第3のエラー訂正ブロックの有効データ数がともに有効データ数が2のべき乗個の倍数であるためには、上記mは2のべき乗である必要がある。
さらに、第1のエラー訂正ブロックの有効データ数および第3のエラー訂正ブロックの有効データ数がともに有効データ数が2のべき乗個であると、すなわちn=1であると、データのアクセスが容易になる。
第3のデータの場合、第1のデータのように第2のデータ(プリアドレス情報)との重畳も考えなくても良いし、第1のデータほどの高密度も要求されない。このため第3のデータの変調方式は簡単なものとしてもよい。
一方、これらの事情がなければ第3のデータの変調方式は第1のデータの変調方式と同じにしても良い。
この場合、第3のデータのフレームの一部にシンクパターンとシンクIDを設け、あるフレームの一部にアドレスユニット番号を設ける。
記録再生領域には第2のデータとしてプリアドレス情報があらかじめ記録されているために、最低限シンクパターンがあればアクセスが可能であるが、シンクパターン、シンクID、アドレスユニット番号を設けておいてもかまわない。
しかし、第3のデータが記録される再生専用領域では、記録は行われないため、APC領域、GAP等は不要である。また同期情報、アドレス情報を含むデータ列が連続的にスタンパで形成されているために、PLL引き込み用VFOパターンは不要であり、ランインがなくてもフレーム同期、フレーム番号による同期、アドレス同期までをかけることができる。
また、続くクラスタもすぐに始まるためデータ列が連続しており、ポストアンブルも不要、すなわちランアウトも不要である
よって、再生専用領域における第3のデータについては、ランイン/ランアウトというリンキング用のフレームは省くことができる。
即ち第3のデータ、つまりプリレコーデッド情報とされる出荷時情報について、高い信頼性を保ちつつ、適切なデータ容量で、しかも改ざん不能な情報として記録できるという効果がある。
また本発明によるディスクの場合は、ディスクドライブ装置側においても、用いるデバイス/回路への影響が少なく、構成の簡易化が実現でき、大きなコストアップも生じない。
第1のデータと第3のデータは、同一の誤り訂正符号を用いている。このため第3のデータと第1のデータはECC処理に関して同一のハードウェアを同じものをつかうことができ、ディスクドライブ装置の低コスト化及び構成の簡易化を促進できる。
また、第1のデータは、第1のエラー訂正ブロック構造を有し、また第3のデータは第2のエラー訂正ブロック構造を有することで、第1,第3のデータについてそれぞれに適切なエラー訂正ブロック構造とできる。
特に、第3のデータの記録密度は、第1のデータの記録密度より緩くされているとともに、記第1のエラー訂正ブロックの訂正符号の符号数をmの倍数とし、上記第2のエラー訂正ブロックの訂正符号の符号数を、上記第1のエラー訂正ブロックの訂正符号の符号数のn/mとして、第2のエラー訂正ブロックのデータ数を、第1のエラー訂正ブロックのデータ数のn/mとすることで、第1,第3のデータについてそれぞれに適切なエラー訂正ブロック構造としたうえで、エラー訂正処理にとって都合のよいものとすることができる。
特にこの場合、上記第3のデータの記録密度は、上記第1のデータの記録密度より緩くされているとともに、第1のサブブロックを構成する第1の訂正符号の符号数をmの倍数とし、第3のサブブロックを構成する第1の訂正符号の符号数を、第1のサブブロックの訂正符号の符号数のn/mとし、また第2のサブブロックを構成する第2の訂正符号の符号数をpの倍数とし、第4のサブブロックを構成する第2の訂正符号の符号数を、第2のサブブロックの訂正符号の符号数のq/pとすることで、第1,第3のデータについてそれぞれに適切なエラー訂正ブロック構造としたうえで、エラー訂正処理にとって都合のよいものとすることができる。
これらの場合において、「m」は「2」のべき乗の値、「n」は「1」とすることが最適である。
またディスクドライブ装置側では、第3のデータを第2のデータ(ADIPアドレス情報)と同じウォブルチャンネルの再生系で再生(ウォブル情報の抽出)することができる。
また第3のデータは、FMコード変調等のバイフェーズ変調して記録している。これにより信号を狭帯域化することができ、SNRを改善することができる。またPLL、ディテクション回路ともに簡易なハードウェアで構成することができる。
或いは第3のデータを第1のデータと同一の変調方式とした場合も、復調系回路構成を共用でき、ディスクドライブ装置の簡易化を促進できる。
また第3のデータにはアドレス情報が含まれる。これによってディスクドライブ装置は再生専用領域において当該アドレスに基づいて適切にアクセス/再生動作を行うことができる。
この実施の形態の光ディスクは、例えばDVR(Data&Video Recording)と呼ばれて近年開発されているディスクの範疇に属するものとする。
1.DVRディスクに対応する実施の形態における本発明の概要
2.ディスクの物理特性
3.ユーザーデータのECCブロック構造
4.ADIPアドレス
5.プリレコーデッド情報(出荷時情報)
6.ディスクドライブ装置
7.ディスク製造方法
8.変形例
まず、本発明(請求項)に係る語句と、DVRシステムに対応する実施の形態として説明上用いる語句についての対応関係を示しておく。もちろん本発明の各請求項における語句の意味が、実施の形態における対応する語句の意味に限定されるものではない。
第2のデータ:ADIP(記録再生領域におけるウォブリンググルーブによっ て記録されているプリアドレス情報)
第3のデータ:出荷時情報(再生専用領域におけるウォブリンググルーブによ って記録されているプリレコーデッド情報)
第1の変調方式:RLL(1、7)PP方式
第2の変調方式:MSK変調方式
第3の変調方式:バイフェーズ変調方式
訂正符号:LDC(Long Distance Code)及びBIS(burst indicating subcode)
第1の訂正符号:LDC
第2の訂正符号:BIS
エラー訂正ブロック:LDC及びBISを用いたECCブロック
第1、第3のサブブロック:LDCサブブロック
第2、第4のサブブロック:BISサブブロック
詳しくは後述するが、データブロック全体の誤り訂正能力を確保するために、各々のサブブロックに必要とされる誤り訂正符号が用いられる。
即ち、ユーザーデータに対してエラー訂正符号としてのLDCによりLDCサブブロックが構成され、またユーザコントロールデータに対してエラー訂正符号としてのBISによりBISサブブロックが構成される。
データフレームはLDCサブブロックとBISサブブロックからのデータによって構成される。
ここで、同一のフレームのデータが同一の誤り訂正符号上にのるのは望ましくないので、フレーム内のデータ数を各々の誤り訂正符号のインターリーブ数すなわち符号数の和と同程度かあるいはそれより少ないデータ数とする。
そしてデータブロック全体の誤り訂正能力を確保するために、各々のサブブロックに必要な誤り訂正符号を用いる。即ち本例では実際の出荷時情報としてのプリレコーデッドデータに対してエラー訂正符号としてのLDCによりLDCサブブロックが構成され、またプリレコーデッドコントロールデータに対してエラー訂正符号としてのBISによりBISサブブロックが構成される。
そして出荷時情報のブロックについても、データフレームはLDCサブブロックとBISサブブロックからのデータによって構成され、フレーム内のデータ数を各々の誤り訂正符号のインターリーブ数すなわち符号数の和と同程度かあるいはそれより少ないデータ数とする。
出荷時情報としてのプリレコーデッドデータの記録密度を緩めるにともなってユーザーデータとプリレコーデッドデータのブロックの大きさを異なるものとするにあたって、プリレコーデッドデータのブロック内の、実データからなるサブブロックをn/m個の誤り訂正符号(LDC)から構成する。
この場合、ユーザーデータのブロック内の、実データからなるサブブロックの有効データ数は、2のべき乗個(例えば2048バイト)の倍数であることが望ましい。
また、出荷時情報たるプリレコーデッドデータのブロック内の、実データからなるサブブロックの有効データ数も、2のべき乗個(例えば2048バイト)の倍数であることが望ましい。
EDCなどが付加されると2のべき乗個ではない場合もあるが、ユーザーデータ1ブロック内の、実データからなるサブブロックの有効データ数および出荷時情報1ブロック内の、実データからなるサブブロックの有効データ数がともに有効データ数が2のべき乗個の倍数であるためには、上記mは2のべき乗である必要がある。
さらに、ユーザーデータ1ブロックの有効データ数および出荷時情報1ブロックの有効データ数がともに有効データ数が2のべき乗個であると、すなわちn=1であるとデータのアクセスが容易になる。
出荷時情報の記録密度を緩めるにともなってユーザーデータと出荷時情報のブロックの大きさを変えるにあたって、出荷時情報のブロック内の、付加・制御情報からなるサブブロックをq/p個の誤り訂正符号(BIS)から構成する。
これらは、データのための付加・制御情報であるためpは2のべき乗である必要はなく、q=1である必要もない。
出荷時情報のフレームの一部にシンクパターンとシンクIDを設け、あるフレームの一部にアドレスユニット番号を設ける。
即ちDVRのシステムにおいては、出荷時情報のフレーム中の、実データからなるサブブロックに相当するデータの一部にシンクパターンとシンクIDを設け、出荷時情報のフレーム中の、付加・制御情報からなるサブブロックに相当するデータの一部にアドレスユニット番号を設ける。
ユーザーデータが記録される記録再生領域にはプリアドレスデータ(ADIP)があらかじめ記録されているために、最低限シンクパターンがあればアクセスが可能であるが、シンクパターン、シンクID、アドレスユニット番号を設けておいても問題ない。
しかし、出荷時情報が記録される再生専用領域では、記録は行われないため、APC領域、GAP等は不要である。また同期情報、アドレス情報を含むデータ列が連続的にスタンパで形成されているために、PLL引き込み用VFOパターンは不要であり、ランインがなくてもフレーム同期、フレーム番号による同期、アドレス同期までをかけることができる。
また、続くクラスタもすぐに始まるためデータ列が連続しており、ポストアンブルも不要、すなわちランアウトも不要である
よって、再生専用領域における出荷時情報については、ランイン/ランアウトというリンキング用のフレームは省くことができる。
以下、本実施の形態を具体的に説明していく。
まず実施の形態となるディスクにおける物理的な特性及びウォブリングトラックについて説明する。
本例の光ディスクは、相変化方式でデータの記録を行う光ディスクであり、ディスクサイズとしては、直径が120mmとされる。また、ディスク厚は1.2mmとなる。即ちこれらの点では外形的に見ればCD(Compact Disc)方式のディスクや、DVD(Digital Versatile Disc)方式のディスクと同様となる。
相変化マーク(フェイズチェンジマーク)が記録されるトラックのトラックピッチは0.32μm、線密度0.12μmとされる。
そしてユーザーデータ容量としては約23Gバイトを実現している。
図1(a)に模式的に示すように、ディスク上は、最内周側から最外周側までグルーブGVがスパイラル状に形成される。なお別例として、グルーブGVを同心円状に形成することも可能である。
また、ディスクはCLV(線速度一定)方式で回転駆動されてデータの記録再生が行われるものとしているが、グルーブGVについてもCLVとされる。従って、トラック1周回のグルーブのウォブリング波数はディスク外周側に行くほど多くなる。
つまりグルーブGVの左右の側壁は、アドレス等に基づいて生成された信号に対応して蛇行している。
グルーブGVとその隣のグルーブGVの間はランドLとされ、上述のようにデータの記録はグルーブGVに行われる。つまりグルーブGVがデータトラックとなる。なお、ランドLをデータトラックとしてデータの記録をランドLに行うようにすることや、グルーブGVとランドLの両方をデータトラックとして用いることも考えられる。
ディスク上の領域としては、内周側からリードインゾーン、データゾーン、リードアウトゾーンが配される。
また、記録・再生に関する領域構成としてみれば。リードインゾーンの内周側がPBゾーン(再生専用領域)、リードインゾーンの外周側からリードアウトゾーンまでがRWゾーン(記録再生領域)とされる。
プリレコーデッドデータゾーンは、あらかじめ出荷時情報(プリレコーデッド情報)を、ディスク上にスパイラル状に形成されたグルーブをウォブリングすることによって記録してある。これは書換不能な再生専用の情報であり、つまりプリレコーデッドデータゾーンが上記PBゾーン(再生専用領域)となる。
テストライトエリアは記録/再生時のレーザパワー等、フェーズチェンジマークの記録再生条件を設定する際の試し書きなどにつかわれる。
ディフェクトマネジメントエリアはディスク上のディフェクト情報を管理する情報を記録再生する。
半径58.0〜58.5mmはリードアウトゾーンとされる。リードアウトゾーンは、リードインゾーンと同様のディフェクトマネジメントエリアが設けられたり、また、シークの際、オーバーランしてもよいようにバッファエリアとしてつかわれる。
半径23.1mm、つまりテストライトエリアから、リードアウトゾーンまでが、フェイズチェンジマークが記録再生されるRWゾーン(記録再生領域)とされる。
アドレス情報を形成したグルーブには、フェーズチェンジマークにより情報を記録再生する。
図3(a)に示すように、RWゾーンにおけるグルーブ、つまりADIPアドレス情報を形成したグルーブトラックは、トラックピッチTP=0.32μmとされている。
このトラック上にはフェイズチェンジマークによるレコーディングマークが記録されるが、フェーズチェンジマークはRLL(1,7)PP変調方式(RLL;Run Length Limited、PP:Parity preserve/Prohibit rmtr(repeated minimum transition runlength))等により、線密度0.12μm/bit、0.08μm/ch bitで記録される。
1chビットを1Tとすると、マーク長は2Tから8Tで最短マーク長は2Tである。
アドレス情報は、ウォブリング周期を69Tとし、ウォブリング振幅WAはおよそ20nm(p-p)である。
アドレス情報のウォブリングのCNR(carrier noise ratio)はバンド幅30KHzのとき、記録後30dBであり、アドレスエラーレートは節動(ディスクのスキュー,デフォーカス、外乱等)による影響を含めて1×10-3以下である。
即ちトラックピッチTP=0.35μmであり、ウォブリング周期は36T、ウォブリング振幅WAはおよそ40nm(p-p)とされている。ウォブリング周期が36Tとされることはプリレコーデット情報の記録線密度はADIP情報の記録線密度より高くなっていることを意味する。また、フェーズチェンジマークは最短2Tであるから、プリレコーデッド情報の記録線密度はフェーズチェンジマークの記録線密度より低い。
このPBゾーンのトラックにはフェーズチェンジマークを記録しない。
ADIPアドレス情報についてのウォブルのCNRはバンド幅30KHzのとき、フェイズチェンジマークの未記録状態で35dBである。
アドレス情報としては、いわゆる連続性判別に基づく内挿保護を行うことなどによりこの程度の信号品質で十分であるが、PBゾーンに記録するプリレコーデッド情報については、フェイズチェンジマークと同等のCNR50dB以上の信号品質は確保したい。このため、図3(b)に示したようにPBゾーンでは、RWゾーンにおけるグルーブとは物理的に異なるグルーブを形成するものである。
さらにウォブル波形として矩形波をつかうことによって、CNRを+2dB改善できる。
あわせてCNRは43dBである。
フェーズチェンジマークとプリレコーデッドデータゾーンのウォブルの記録帯域の違いは、ウォブル18T(18Tは36Tの半分);フェイズチェンジマーク2Tで、この点で9.5dB得られる。
従ってプリレコーデッド情報としてのCNRは52.5dB相当であり、となりのトラックからのクロストークとして−2dBを見積もっても、CNR50.5dB相当である。つまり、ほぼフェーズチェンジマークと同程度の信号品質となり、ウォブリング信号をプリレコーデッド情報の記録再生に用いることが十分に適切となる。
RWゾーン(記録再生領域)にフェーズチェンジマークにより記録されるユーザデータのECCブロック構造を図4で説明する。
このデータ単位に対して、1セクタにつき4バイトのEDC(エラー検出コード)が付加され、2052バイト×32セクタの単位のデータフレームとされる。
さらにスクランブル処理されてスクランブルドデータフレームとされる。
そしてリードソロモン符号化されて、216行(row)×304列(colum)のデータブロックが構成される。さらに32行のパリティが付加されて、LDC(Long Distance Code)サブブロックが構成される。LDCは、符号間距離が大きい訂正符号である。LDCサブブロックは、RS(248,216,33)×304のブロックである。
そして、LDCサブブロックから、LDCクラスタ(496行×152列)が構成される。
図5(a)に示すユーザーデータ64KBについては、図5(b)のようにECCエンコードされる。即ちメインデータは1セクタ2048Bについて4BのEDC(error detection code)を付加し、32セクタに対し、LDCを符号化する。LDCはRS(248,216,33)、符号長248、データ216、ディスタンス33のRS(reed solomon)コードである。304の符号語がある。
この720バイトが符号化の単位となる。
即ち、この720バイトがリードソロモン符号化されて、30行×24列のアクセスブロックとされる。
そして、これに32行のパリティが付加されて、BIS(burst indicating subcode)サブブロックが構成される。BISは、光ディスクのバーストエラーの位置を示すためのサブコードである。
BISサブブロックは、RS(62,30,33)×24のブロックである。そして、BISサブブロックから、BISクラスタ(496行×3列)が構成される。
即ちBISサブブロックは、図5(c)に示す720Bのデータに対して、図5(d)のようにECCエンコードされる。即ちRS(62,30,33)、符号長62、データ30、ディスタンス33のRS(reed solomon)コードである。24の符号語がある。
従ってデータフレームとしての1フレームは、152+3=155バイトとされる。図示するように、38バイトのLDCと1バイトのBISが交互に配置されていくことで155バイトのデータフレームが構成されることとなる。
この155バイトのデータフレームの496行、つまり496フレームがECCブロックとなる。
記録密度は、DVRにおいてRLL(1,7)PP変調の チャンネルビットあたり0.08μm程度が考えられる。
このため、エラーが検出されたBISのシンボルは次のように使うことができる。
ECCのデコードの際、BISを先にデコードする。図4のデータフレーム構造において隣接したBIS(あるいはフレームシンク)の2つがエラーの場合、両者のあいだにはさまれたデータ38Bはバーストエラーとみなされる。このデータ38Bにはそれぞれエラーポインタが付加される。LDCではこのエラーポインタをつかって、ポインターイレージャ訂正をおこなう。
これによりLDCだけの訂正より、訂正能力を上げることができる。
BISにはアドレス情報等が含まれているが、このアドレスは、ROMタイプディスク等で、ウォブリンググルーブによるアドレス情報がない場合等につかわれる。
上記のように155バイトのデータフレーム(1932チャンネルビットの記録フレーム)は、496行、つまり496フレームでECCブロックが構成される。この496フレームの前後に、リンキングのためのランイン、ランアウトとしてのフレームが付加された、498フレームが記録単位(RUB:recording unit block)としてのクラスタとなる。
続いて、RWゾーンにおけるウォブリンググルーブとして記録されるADIPアドレスについて説明する。
図7は、グルーブをウォブリングしたADIPアドレスの変調方法として、FSK変調の一つであるMSK(minimum shift keying)変調を用いたものを示している。
アドレス等のデータは、図7(a)(b)に示すように、記録前に、1ウォブルを単位として、差動符号化する。
つまり、記録前の差動符号化後のプリコードデータにおいて、データが“1”のエッジの立ち上がりと立ち下がりの1ウォブル期間が、“1”になる。
このようなプリコードデータをMSK変調したMSKストリームでは、図7(c)のように、プリコードデータが“0”のとき、キャリアであるcosωtあるいは−cosωtとなり、プリコードデータが“1”のとき、キャリアの周波数の1.5倍のcos1.5ωtあるいは−cos1.5ωtとなる。
キャリアの周期は図に示すように、記録再生するフェーズチェンジデータの1チャンネルビット長を1chとすると、69chである。
従ってADIPデータビットの記録密度は、RLL(1,7)PP変調のユーザデータに比べて1/2576となる。
図8にその様子を示す。RUB(記録クラスタ)は、図6に示したように、データのECCブロックとしての496フレームに、リンキングのためのランイン、ランアウトを付加した498フレームとして記録単位である。
そして図8(a)のように1つのRUBに相当する区間において、ADIPとしては3つのアドレスブロックが含まれることになる。
1つのアドレスブロックは83ビットから形成される。
シンクパートの8ビットでは、モノトーンビット(1ビット)とシンクビット(1ビット)によるシンクブロックが4単位形成される。
データパートの75ビットでは、モノトーンビット(1ビット)とADIPビット(4ビット)によるADIPブロックが15単位形成される。
そしてモノトーンビットはMSKマークに続いて、キャリア周波数によるウォブルが連続して形成される。シンクビット及びADIPビットは後述するが、MSKマークに続いて、MSK変調波形によるウォブルを有して形成される。
図9(a)(b)からわかるように、8ビットのシンクパートは、4つのシンクブロック(sync block“0”“1”“2”“3”)から形成される。各シンクブロックは2ビットである。
sync block“1”は、モノトーンビットとシンク“1”ビットで形成される。
sync block“2”は、モノトーンビットとシンク“2”ビットで形成される。
sync block“3”は、モノトーンビットとシンク“3”ビットで形成される。
なお図10(a)〜(e)において、それぞれウォブル振幅の下段にMSKマークパターンを示している。
これら4種類の各シンクビットは、それぞれ図10(b)(c)(d)(e)に示すようなウォブルパターンとされる。
シンク“1”ビット〜シンク“3”ビットは、それぞれMSKマークの位置を2ウォブル区間後方にずらしたパターンである。
即ち図10(c)のシンク“1”ビットは、ビットシンクbsとしてのMSKマークに続いて、18ウォブル区間後にMSKマークがあり、さらにその10ウォブル区間後にMSKマークがあるパターンとなる。
図10(d)のシンク“2”ビットは、ビットシンクbsとしてのMSKマークに続いて、20ウォブル区間後にMSKマークがあり、さらにその10ウォブル区間後にMSKマークがあるパターンとなる。
図10(e)のシンク“3”ビットは、ビットシンクbsとしてのMSKマークに続いて、22ウォブル区間後にMSKマークがあり、さらにその10ウォブル区間後にMSKマークがあるパターンとなる。
図11(a)(b)からわかるように、データパートは、15個のADIPブロック(ADIP block“0”〜“14”)から形成される。各ADIPブロックは5ビットである。
各ADIPブロックにおいて、シンクブロックの場合と同様に、モノトーンビットは56ウォブル期間において先頭にビットシンクbsとしてのMSKマークが配され、続いてキャリア周波数のウォブルが連続する波形であり、これを図12(a)に示している。
ADIPビットとしての「1」及び「0」のパターンを図12(b)(c)に示す。
ADIPビットとしての値が「1」の場合のウォブル波形パターンは、図12(b)に示すように、先頭に配されるビットシンクbsとしてのMSKマークに続いて、12ウォブル区間後方にMSKマークが配される。
ADIPビットとしての値が「0」の場合のウォブル波形パターンは、図12(c)に示すように、先頭に配されるビットシンクbsとしてのMSKマークに続いて、14ウォブル区間後方にMSKマークが配される。
ADIPアドレス情報は36ビットあり、これに対してパリティ24ビットが付加される。
36ビットのADIPアドレス情報は、多層記録用にレイヤナンバ3bit(layer no.bit 0〜layer no.bit2)、RUB(recording unit block)用に19bit(RUB no.bit 0〜layer no.bit 18)、1RUBに対する3つのアドレスブロック用に2bit(address no.bit 0、address no.bit1)とされる。
また、記録再生レーザパワー等の記録条件を記録したdisc ID等、AUXデータとして12bitが用意されている。
エラー訂正方式としては4ビットを1シンボルとした、nibbleベースのリードソロモン符号RS(15,9,7)である。つまり、符号長15ニブル、データ9ニブル、パリティ6ニブルである。
図14に、プリレコーデッドデータゾーンにおけるウォブリンググルーブを形成するための、プリレコーデッド情報(出荷時情報)の変調方法を示す。
変調はバイフェーズ変調方式として例えばFMコード変調を用いる。
図14(a)にデータビット、図14(b)にチャンネルクロック、図14(c)にFMコード、図14(d)にウォブル波形を縦に並べて示している。
データの1bitは2ch(2チャンネルクロック)であり、ビット情報が「1」のとき、FMコードはチャンネルクロックの1/2の周波数とされる。
またビット情報が「0」のとき、FMコードはビット情報「1」の1/2の周波数であらわされる。
ウォブル波形としては、FMコードを矩形波を直接記録することもあるが、図4(d)に示すように正弦波状の波形で記録することもある。
なお、図14(e)(f)に示すパターンに対応した場合は、図14(j)(k)に示すようになる。
出荷時情報のデータブロックは2セクターで構成される。このデータブロックは実際の出荷時情報(プリレコーデッドデータ)によるサブブロックと出荷時情報に係るコントロールデータ(プリレコーデッドコントロールデータ)によるサブブロックにより構成される。
このデータ単位に対して、1セクタにつき4バイトのEDC(エラー検出コード)が付加され、2052バイト×2セクタの単位のデータフレームとされる。
さらにスクランブル処理されてスクランブルドデータフレームとされる。
そしてリードソロモン符号化されて、216行(row)×19列(colum)のデータブロックが構成される。さらに32行のパリティが付加されて、LDC(Long Distance Code)サブブロックが構成される。LDCサブブロックは、RS(248,216,33)×19のブロックである。
そして、LDCサブブロックから、LDCクラスタ(248行×19列)が構成される。
図16(a)に示すユーザーデータ4KBについては、図16(b)のようにECCエンコードされる。即ちプリレコーデッドデータは1セクタ2048Bについて4BのEDC(error detection code)を付加し、2セクタに対し、LDCを符号化する。LDCはRS(248,216,33)、符号長248、データ216、ディスタンス33のRS(reed solomon)コードである。19の符号語がある。
この120バイトが符号化の単位となる。
即ち、この120バイトがリードソロモン符号化されて、30行×4列のアクセスブロックとされる。
そして、これに32行のパリティが付加されて、BIS(burst indicating subcode)サブブロックが構成される。
BISサブブロックは、RS(62,30,33)×4のブロックである。そして、BISサブブロックから、BISクラスタ(248行×1列)が構成される。
即ちBISサブブロックは、図16(c)に示す120Bのデータに対して、図16(d)のようにECCエンコードされる。即ちRS(62,30,33)、符号長62、データ30、ディスタンス33のRS(reed solomon)コードである。4の符号語がある。
従ってデータフレームとしての1フレームは、19+1=20バイトとされる。例えば図示するように、1バイトのBISが先頭に配置された後、19バイトのLDCが配置されて20バイトのデータフレームが構成されることとなる。
この20バイトのデータフレームの248行、つまり248フレームがECCブロックとなる。
なお、バイフェーズ変調の場合、DC成分は無いため、dccを付加する必要はない。
図2で説明したように、出荷時情報としてのプリレコーデッド情報は、直径12cmディスクのPBゾーンとして、半径22.3〜23.1mmのエリアに記録する。
このPBゾーンに上記フォーマットで出荷時情報のデータとしての1ブロックをディスク1周回を超えないように入れることを考えると、チャンネルビット 密度は 1.72μmくらいまで緩められる。
すなわち データビット記録密度を RLL(1,7)PP方式のユーザデータに比べて1/28程度まで緩められ、信号のS/Nを稼ぐことができる。
ECCのデコードの際、BISを先にデコードする。隣接したBISの2つがエラーの場合、両者のあいだにはさまれたデータ19Bはバーストエラーとみなされる。このデータ19Bにはそれぞれエラーポインタが付加される。LDCではこのエラーポインタをつかって、ポインターイレージャ訂正をおこなう。
これによりLDCだけの訂正より、訂正能力をあげることができる。
これは、出荷時情報(プリレコーデッド情報)のECCデコード処理は、フェイズチェンジマークによるユーザデータ再生時のECCデコード処理を行う回路系で実行でき、ディスクドライブ装置としてはハードウエア構成の効率化を図ることができることを意味する。
上記のように20バイトのデータフレーム(336チャンネルビットの記録フレーム)は、248行、つまり248フレームでECCブロックが構成される。この248フレームの前後に、リンキングのためのランイン、ランアウトとしてのフレームが付加された、250フレームが1クラスタとなる。
ただし、そのような点が問題にならなければ、ユーザーデータのクラスタ構造に合わせる必要はない。
即ち出荷時情報は再生専用の情報であって、書換は行われないものであるため、リンキング用のフレームは必要ないものである。
そこで図18に示すように、リンキング用のフレームを設けず、248フレームを1クラスタとする例も考えられる。
これらの図においては、LDCサブブロックの変換を図19〜図21に、BISサブブロックの変換を図22〜図25に、LDCサブブロックとBISサブブロックのデータをディスク上に記録する際の変換を図26に示している。
変換式は 0≦g<2,0≦h<2052の範囲でユニット「g」,プリレコーデッドデータ「h」を用いて、
i=(g×2052+h)%216
j=(g×2052+h)/216
とあらわされる。なお、“/”は除算の商、 “%”除算の余り(modulo)を示す。
また、C(g,2048) 〜C(g,2051)は、C(g,0) 〜C(g,2047)に対するEDC(誤りチェックコード)である。
図15に示した(2052×2)バイトのEDC付きプリレコーデッドデータは、上記変換式により、図19に示すように、0≦i≦215、0≦j≦18のメモリD(i,j)に展開される。図中に示す「0,0」〜「1,2051」がプリレコーデッドデータ「C(g,h)」を示している。
網掛け部分として示す、i値としての216〜247の範囲は、付加される32rowのパリティとなる。
変換式は 0≦s<8,0≦t<31,1≦u<20の範囲でs,t,uを用いて、
i=(s×31+t)
j=(s×31+t+u−1)%19
とあらわされる。
図22にBISサブブロックに入れる情報を示している。
上述のようにBIS情報は、アドレス情報とプリレコーデッドコントロールデータより構成される。
1つのアドレスフィールドは9byteより構成される。例えばアドレスフィールド#0は、0-0〜0-8の9バイトで構成される。
各アドレスフィールドのMSB4ByteにはAUN(address unit number)というECCブロックアドレスを示すアドレス値が配される。
また各アドレスフィールドの5バイト目には、その下位3bit(3Lsbit)には、アドレスフィールドナンバが配される。
さらに各アドレスフィールドの下位4Byteには各アドレスフィールドに対するパリティが配される。
プリレコーデッドコントロールデータの1ユニットは24byteより構成される。例えばユニット#0は、0-0〜0-23の24バイトで構成される。
このプリレコーデッドコントロールデータは将来のシステムに使われるようにリザーブしてある。
アドレス情報I(s,v)として、sはAUN(#0〜#7)、vはアドレスデータ(バイト(0〜8))である。
プリレコーデッドコントロールデータU(g,h)について、gはユニット(#0,#1)、hはデータ(バイト(0〜23))である。
i=((s×31+v)%31)×2 +((s×31+v)/124)
=(v%31)×2+(s/4)
j= (s×31+v)%4
であり、メモリ上に0≦i≦17の18rowの範囲にアドレス情報がインターリーブされて展開される。
i=(g×24+h)%12+18
j=(g×24+h)/12
とあらわされ、メモリ上に18≦i≦29の12rowの範囲にプリレコーデッドコントロールデータが展開される。
網掛け部分として示す、i値としての30〜61の範囲は、付加される32rowのパリティとなる。
変換式は 0≦s<8,0≦t<31,u=0の範囲でs,t,uを用いて、
i=((s×31+t)%31)×2+((s×31+t)/124)
=(t%31)×2+(s/4)
j=(s×31+t)%4
とあらわされる。
なお、出荷時情報についてのデータ変換について述べたが、これらの変換規則はユーザーデータについての同様に適用される。
図27により、プリレコーデッドデータの8KBを単位とするECCブロック構造を説明する。
従ってプリレコーデッドデータによるサブブロックは、8Kバイト、即ち2048バイト×4セクタの単位となる。
このデータ単位に対して、1セクタにつき4バイトのEDC(エラー検出コード)が付加され、2052バイト×4セクタの単位のデータフレームとされる。
さらにスクランブル処理されてスクランブルドデータフレームとされる。
そしてリードソロモン符号化されて、216行(row)×38列(colum)のデータブロックが構成される。さらに32行のパリティが付加されて、LDC(Long Distance Code)サブブロックが構成される。LDCサブブロックは、RS(248,216,33)×38のブロックである。符号語は38である。
そして、LDCサブブロックから、LDCクラスタ(496行×19列)が構成される。
この240バイトが符号化の単位となる。
即ち、この240バイトがリードソロモン符号化されて、30行×8列のアクセスブロックとされる。
そして、これに32行のパリティが付加されて、BIS(burst indicating subcode)サブブロックが構成される。符号語は8となる。
BISサブブロックは、RS(62,30,33)×8のブロックである。そして、BISサブブロックから、BISクラスタ(496行×1列)が構成される。
従ってデータフレームとしての1フレームは、19+1=20バイトとされる。例えば図示するように、1バイトのBISが先頭に配置された後、19バイトのLDCが配置されて20バイトのデータフレームが構成されることとなる。
この20バイトのデータフレームの496行、つまり496フレームがECCブロックとなる。
なお、バイフェーズ変調の場合、DC成分は無いため、dccを付加する必要はない。
図2で説明したように、出荷時情報としてのプリレコーデッド情報は、直径12cmディスクのPBゾーンとして、半径22.3〜23.1mmのエリアに記録する。
このPBゾーンに上記フォーマットで出荷時情報のデータとしての1ブロックをディスク1周回を超えないように入れることを考えると、チャンネルビット 密度は 0.86μmくらいまで緩められる。
すなわち データビット記録密度を RLL(1,7)PP方式のユーザデータに比べて1/14程度まで緩められ、信号のS/Nを稼ぐことができる。
そしてこの場合も、出荷時情報は、フェイズチェンジマークによるユーザデータと出荷時情報は、ECCフォーマットとしては、同一の符号が採用される。
上記のように20バイトのデータフレーム(336チャンネルビットの記録フレーム)は、496行、つまり496フレームでECCブロックが構成される。この496フレームの前後に、リンキングのためのランイン、ランアウトとしてのフレームが付加された、498フレームが1クラスタとなる。
ただしこの場合も、必ずしもユーザーデータのクラスタ構造に合わせる必要はない。即ち出荷時情報は再生専用の情報であって、書換は行われないものであるため、リンキング用のフレームは必要ない。
そこで図29に示すように、リンキング用のフレームを設けず、496フレームを1クラスタとする例も考えられる。
図30に示すように、フレームシンクFSとしては7種類のフレームシンクFS0〜FS6がある。各フレームシンクFS0〜FS6はFMコード変調のアウトオブルールとしてのパターンを用いた、シンクボディ「11001001」の8チャンネルビットと、7種類のフレームシンクFS0〜FS6のそれぞれについてのシンクIDの8チャンネルビットの合計16チャンネルビットより構成される。
他のシンクIDも同様に、3bitのデータビットとパリティ1bitによりあらわされ、FMコード変調される。
これによりビットデータの符号距離は2以上となり、1ビット誤りがあってもほかのシンクIDと判断されることはない。
フレームシンクFSは記録の際に、NRZI変換されて記録される。
上述したように4KB単位の場合、1ECCブロックの248フレームは、8つの31フレームづつのアドレスフレームに分割される。
また8KB単位の場合、1ECCブロックの496フレームは、16個の31フレームづつのアドレスフレームに分割される。
即ちいずれにしても31フレームを単位として分割される。
フレームナンバ「1」から「30」には、図31に示す順番でフレームシンク(FS1〜FS6)を配置する。このフレームシンクの並ぶ順番により、先頭のフレームシンクFS0が特定できなくとも、アドレスフレームの先頭を特定することもできる。
次に、上記のようなディスクに対応して記録/再生を行うことのできるディスクドライブ装置を説明していく。
図32はディスクドライブ装置の構成を示す。
図32において、ディスク100は上述した本例のディスクである。
そして光学ピックアップ1によってディスク100上のRWゾーンにおけるグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたADIP情報の読み出しがおこなわれる。またPBゾーンにおけるグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたプリレコーデッド情報の読み出しがおこなわれる。
また記録時には光学ピックアップによってRWゾーンにおけるトラックにユーザーデータがフェイズチェンジマークとして記録され、再生時には光学ピックアップによって記録されたフェイズチェンジマークの読出が行われる。
レーザダイオードは、波長405nmのいわゆる青色レーザを出力する。また光学系によるNAは0.85である。
またピックアップ1全体はスレッド機構3によりディスク半径方向に移動可能とされている。
またピックアップ1におけるレーザダイオードはレーザドライバ13からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
マトリクス回路4には、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備え、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば再生データに相当する高周波信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。
さらに、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。
変復調回路6は、再生時のデコーダとしての機能部位と、記録時のエンコーダとしての機能部位を備える。
再生時にはデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードの復調処理を行う。
またECCエンコーダ/デコーダ7は、記録時にエラー訂正コードを付加するECCエンコード処理と、再生時にエラー訂正を行うECCデコード処理を行う。
再生時には、変復調回路6で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、エラー検出/訂正処理及びデインターリーブ等の処理を行い、再生データを得る。
ECCエンコーダ/デコーダ7で再生データにまでデコードされたデータは、システムコントローラ10の指示に基づいて、読み出され、AV(Audio-Visual)システム20に転送される。
アドレスデコーダ9は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、システムコントローラ10に供給する。
またウォブル回路8ではプッシュプル信号として得られるウォブル信号に用いたPLL処理でクロックを生成し、例えば記録時のエンコードクロックとして各部に供給する。
システムコントローラ10は、読み出されたプリレコーデッド情報に基づいて、各種設定処理やコピープロテクト処理等を行うことができる。
また、システムコントローラ10はウォブル回路8に対して制御信号CTにより、ADIP情報の復調と出荷時情報の復調について処理の切換を指示する。
マトリクス回路4からのプッシュプル信号P/Pは、バンドパスフィルタ61を介してPLL部64に供給される。PLL部64は、例えばバンドパスフィルタ61で抽出されるウォブリングのキャリア成分について2値化した後、PLL処理を行って、上記ウォブルに基づくクロックCLKを再生する。
ただし図3で説明したように、RWゾーンのウォブリング周期は69Tで、PBゾーンのウォブリング周期は36Tである。つまり、RWゾーンとPBゾーンではウォブリングのキャリア周波数は異なる。
このためシステムコントローラ10は、制御信号CTによりRWゾーンの記録再生時と、PBゾーンの再生時とで、バンドパスフィルタ61の通過帯域を切り換えるようにしている。
これにより、PLL部64で生成されるクロックCLKとしては、RWゾーン記録再生時には周期69Tのウォブルに対応した周波数となり、PBゾーン再生時には周期36Tのウォブルに対応した周波数となる。
一方、RWゾーンの再生時にはMSK復調部65の動作を実行させ、ADIPアドレスの読込を実行させる。
この場合ECCエンコーダ/デコーダ7は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やインターリーブ、サブコード等の付加を行う。即ち図4で説明したECCブロックへのエンコードを行う。
またECCエンコードされたデータは、変復調回路6においてRLL(1−7)PP方式の変調が施され、リーダ/ライタ回路5に供給される。
記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックは上述したようにウォブル信号から生成したクロックを用いる。
レーザドライバ13では供給されたレーザドライブパルスをピックアップ1内のレーザダイオードに与え、レーザ発光駆動を行う。これによりディスク100に記録データに応じたピット(フェイズチェンジマーク)が形成されることになる。
即ちフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、ピックアップ1内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。これによってピックアップ1、マトリクス回路4、サーボ回路11、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
スピンドルサーボ回路12は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ2の回転速度情報として得、これを所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
またデータ再生時においては、リーダ/ライタ回路5内のPLLによって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ2の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そしてスピンドルサーボ回路12は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルモータ2のCLV回転を実行させる。
またスピンドルサーボ回路12は、システムコントローラ10からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ2の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
システムコントローラ10は、AVシステム20からのコマンドに応じて各種処理を実行する。
その後、その指示されたデータ区間のデータをAVシステム20に転送するために必要な動作制御を行う。即ちディスク100からのデータ読出を行い、リーダ/ライタ回路5、変復調回路6、ECCエンコーダ/デコーダ7におけるデコード/バファリング等を実行させ、要求されたデータを転送する。
また、システムコントローラ10は、このときECCエンコーダ/デコーダ7に対して、上記図4で説明した構造のECCブロックに対するエラー訂正デコードを指示することになる。
その場合、まずPBゾーンを目的としてシーク動作制御を行う。即ちサーボ回路11に指令を出し、ディスク最内周側へのピックアップ1のアクセス動作を実行させる。
その後、ピックアップ1による再生トレースを実行させ、反射光情報としてのプッシュプル信号を得、ウォブル回路8、リーダ/ライタ回路5、ECCエンコーダ/デコーダ7によるデコード処理を実行させ、プリレコーデッド情報としての再生データを得る。
なお、システムコントローラ10は、このときECCエンコーダ/デコーダ7に対して、上記図15(又は図27)で説明した構造のECCブロックに対するエラー訂正デコードを指示することになる。
システムコントローラ10はこのようにして読み出されたプリレコーデッド情報に基づいて、レーザパワー設定やコピープロテクト処理等を行う。
さらには他の機器に接続されない形態もあり得る。その場合は、操作部や表示部が設けられたり、データ入出力のインターフェース部位の構成が、図22とは異なるものとなる。つまり、ユーザーの操作に応じて記録や再生が行われるとともに、各種データの入出力のための端子部が形成されればよい。
もちろん構成例としては他にも多様に考えられ、例えば記録専用装置、再生専用装置としての例も考えられる。
続いて、上述した本例のディスクを製造方法を説明する。
ディスクの製造プロセスは、大別すると、いわゆる原盤工程(マスタリングプロセス)と、ディスク化工程(レプリケーションプロセス)に分けられる。原盤工程はディスク化工程で用いる金属原盤(スタンパー)を完成するまでのプロセスであり、ディスク化工程はスタンパーを用いて、その複製である光ディスクを大量生産するプロセスである。
本例の場合、ディスクの最内周側のPBゾーンに相当する部分でプリレコーデッド情報に基づいたウォブリングによるグルーブのカッティングが行われ、またRWゾーンに相当する部分で、ADIPアドレスに基づいたウォブリングによるグルーブのカッティングが行われる。
そしてカッティングが終了すると、現像等の所定の処理を行なった後、例えば電鋳によって金属表面上への情報の転送を行ない、ディスクの複製を行なう際に必要なスタンパーを作成する。
次に、このスタンパーを用いて例えばインジェクション法等によって、樹脂基板上に情報を転写し、その上に反射膜を生成した後、必要なディスク形態に加工する等の処理を行なって、最終製品を完成する。
プリレコーデッド情報発生部71は、プリマスタリング工程で用意されたプリレコーデッド情報を出力する。
アドレス発生部72は、絶対アドレスとしての値を順次出力する。
変調部83としてはレーザ光源82からの出射光をオン/オフする音響光学型の光変調器(AOM)と、さらにレーザ光源82からの出射光をウォブル生成信号に基づいて偏向する音響光学型の光偏向器(AOD)が設けられる。
そして変調信号に基づいて変調部83の光変調器及び光偏向器を駆動する駆動処理も行う。
同時に、レーザ光源82からの出射光は変調部83を介して、信号処理部81からの変調信号に基づく変調ビームとされてカッティングヘッド部84から硝子基板71のフォトレジスト面に照射されていき、その結果、フォトレジストがデータやグルーブに基づいて感光される。
コントローラ70は、カッティング開始時には、カッティング部74に対してカッティングヘッド部84が最内周側からレーザ照射を開始するように、基板回転/移送部85のスライド位置を初期位置とさせる。そして硝子基板101のCLV回転駆動と、トラックピッチ0.35μmのグルーブを形成するためのスライド移送を開始させる。
この状態で、プリレコーデッド情報発生部71から出荷時情報としてのプリレコーデッド情報を出力させ、切換部73を介して信号処理部81に供給させる。また、レーザ光源82からのレーザ出力を開始させ、変調部83は信号処理部81からの変調信号、即ちプリレコーデッド情報のFMコード変調信号に基づいてレーザ光を変調させ、硝子基板101へのグルーブカッティングを実行させる。
これにより、PBゾーンに相当する領域に、上述した図3(b)のようなグルーブのカッティングが行われていく。
また基板回転/移送部85には、トラックピッチ0.32μmのグルーブを形成するようにスライド移送速度を低下させる。
これにより、RWゾーンに相当する領域に、上述した図3(a)のようなグルーブのカッティングが行われていく。
コントローラ70はセンサ86の信号から、当該カッティング動作がリードアウトゾーンの終端に達したことを検出したら、カッティング動作を終了させる。
その後、現像、電鋳等を行ないスタンパーが生成され、スタンパーを用いて上述のディスクが生産される。
以上、実施の形態のディスク及びそれに対応するディスクドライブ装置、ディスク製造方法について説明してきたが、本発明はこれらの例に限定されるものではなく、要旨の範囲内で各種変形例が考えられるものである。
Claims (17)
- 書換可能又は追記可能な記録方式による第1のデータの記録再生及びグルーブのウォブリングにより記録されている第2のデータの再生が可能とされる記録再生領域と、
グルーブのウォブリングにより記録されている第3のデータの再生のみが可能とされる再生専用領域とを備え、
上記第1のデータは、第1の変調方式で記録されるとともに、第1のエラー訂正ブロック構造を有し、
上記第2のデータは、第2の変調方式で記録されるとともに、上記第1のエラー訂正ブロック構造と異なる訂正符号による第2のエラー訂正ブロック構造を有し、
上記第3のデータは、第3の変調方式で記録されるとともに、上記第1のエラー訂正ブロック構造と同一の訂正符号による第3のエラー訂正ブロック構造を有する
ディスク記録媒体。 - 上記第1のデータ及び第3のデータの訂正符号は、LDCであり、
上記第2のデータの訂正符号は、nibbleベースの符号である請求項1記載のディスク記録媒体。 - 上記第1のエラー訂正ブロックは、
第1のフレーム構造と、第1の訂正符号からなる第1のサブブロック構造と、第2の訂正符号からなる第2のサブブロック構造とから構成され、
上記第3のエラー訂正ブロックは、
第2のフレーム構造と、上記第1の訂正符号からなる第3のサブブロック構造と、上記第2の訂正符号からなる第4のサブブロック構造とから構成される請求項1に記載のディスク記録媒体。 - 上記第2のデータ及び第3のデータは、予め形成されたウォブリンググルーブによって記録されており、
上記第1のデータは、上記書換可能な記録方式として、上記ウォブリンググルーブによるトラック上への相変化マークによる記録方式で記録される請求項1に記載のディスク記録媒体。 - 上記第2のデータ及び第3のデータは、予め形成されたウォブリンググルーブによって記録されており、
上記第1のデータは、上記書換可能な記録方式として、上記ウォブリンググルーブによるトラック上への光磁気マークによる記録方式で記録される請求項1に記載のディスク記録媒体。 - 上記再生専用領域に記録される第3のデータには、アドレス情報が含まれていることを特徴とする請求項1に記載のディスク記録媒体。
- 上記第1の変調方式と上記第3の変調方式は同一の変調方式である請求項1に記載のディスク記録媒体。
- 書換可能又は追記可能な記録方式による第1のデータの記録再生及びグルーブのウォブリングにより記録されている第2のデータの再生が可能とされる記録再生領域と、グルーブのウォブリングにより記録されている第3のデータの再生のみが可能とされる再生専用領域とを備え、上記第1のデータは、第1の変調方式で記録されるとともに、第1のエラー訂正ブロック構造を有し、上記第2のデータは、第2の変調方式で記録されるとともに、上記第1のエラー訂正ブロック構造と異なる第2の訂正符号によるエラー訂正ブロック構造を有し、上記第3のデータは、第3の変調方式で記録されるとともに、上記第1のエラー訂正ブロック構造と同一の訂正符号による第3のエラー訂正ブロック構造を有するディスク記録媒体に対して、データの記録又は再生を行うディスクドライブ装置であって、
上記グルーブにより形成されるトラックに対してレーザ照射を行い反射光信号を得るヘッド手段と、
上記反射光信号からトラックのウォブリングに係る信号を抽出するウォブリング抽出手段と、
上記反射光信号から上記第1のデータに係る信号を抽出する第1データ信号抽出手段と、
上記記録再生領域の再生時において、上記ウォブリング抽出手段によって抽出された上記ウォブリングに係る信号について第2の変調方式に対する復調を行なう第2データ復調手段と、
上記記録再生領域の再生時において、上記第1データ抽出手段によって抽出された上記第1のデータに係る信号について上記第1の変調方式に対する復調を行なう第1データ復調手段と、
上記再生専用領域の再生時において、上記ウォブリング抽出手段によって抽出された上記ウォブリングに係る信号について上記第3の変調方式に対する復調を行なう第3データ復調手段と、
上記第1データ復調手段の復調出力と、上記第3データ復調手段の復調出力に対して上記エラー訂正符号によるエラー訂正処理を行うエラー訂正手段と、
上記記録再生領域の記録再生時には、上記第2データ復調手段の処理を実行させるとともに上記エラー訂正手段に対して上記第1のエラー訂正ブロックに対する処理を指示し、上記再生専用領域の再生時には、上記第3データ復調手段の処理を実行させるとともに上記エラー訂正手段に対して上記第3のエラー訂正ブロックに対する処理を指示する制御手段と、
を備えたディスクドライブ装置。 - 上記第1のデータ及び第3のデータの訂正符号は、LDCであり、
上記第2のデータの訂正符号は、nibbleベースの符号である請求項8記載のディスクドライブ装置。 - 上記エラー訂正手段は、
第1のフレーム構造と、第1の訂正符号からなる第1のサブブロック構造と、第2の訂正符号からなる第2のサブブロック構造とから構成される上記第1のエラー訂正ブロックに関してエンコード及びデコード可能とされるとともに、
第2のフレーム構造と、上記第1の訂正符号からなる第3のサブブロック構造と、上記第2の訂正符号からなる第4のサブブロック構造とから構成される上記第3のエラー訂正ブロックに関してデコード可能とされる請求項8に記載のディスクドライブ装置。 - 上記制御手段は、
上記記録再生領域においては、上記第2のデータとして抽出されるアドレス情報に基づいて上記ヘッド手段のアクセスを実行させ、
上記再生専用領域においては上記第3のデータに含まれているアドレス情報に基づいて上記ヘッド手段のアクセスを実行させる請求項8に記載のディスクドライブ装置。 - 上記第1の変調方式と上記第3の変調方式は同一の変調方式である請求項8に記載のディスクドライブ装置。
- 書換可能又は追記可能な記録方式による第1のデータの記録再生及びグルーブのウォブリングにより記録されている第2のデータの再生が可能とされる記録再生領域と、グルーブのウォブリングにより記録されている第3のデータの再生のみが可能とされる再生専用領域とを備え、上記第1のデータは、第1の変調方式で記録されるとともに、第1のエラー訂正ブロック構造を有し、上記第2のデータは、第2の変調方式で記録されるとともに、上記第1のエラー訂正ブロック構造と異なる第2の訂正符号によるエラー訂正ブロック構造を有し、上記第3のデータは、第3の変調方式で記録されるとともに、上記第1のエラー訂正ブロック構造と同一の訂正符号による第3のエラー訂正ブロック構造を有するディスク記録媒体に対する再生方法として、
上記記録再生領域の再生時には、
上記グルーブにより形成されるトラックに対してレーザ照射を行った際の反射光信号から、トラックのウォブリングに係る信号、及び上記第1のデータに係る信号を抽出し、抽出された上記ウォブリングに係る信号について上記第2の変調方式に対する復調を行ってアドレス情報をデコードするとともに、抽出された上記第1のデータに係る信号について上記第1の変調方式に対する復調、及び上記エラー訂正符号による上記第1のエラー訂正ブロックに対してエラー訂正処理を行って上記第1のデータを再生し、
上記再生専用領域の再生時には、
上記グルーブにより形成されるトラックに対してレーザ照射を行った際の反射光信号から、トラックのウォブリングに係る信号を抽出し、抽出された上記ウォブリングに係る信号について上記第3の変調方式に対する復調、及び上記エラー訂正符号による上記第3のエラー訂正ブロックに対してエラー訂正処理を行って上記第3のデータを再生する
再生方法。 - 上記第1のデータ及び第3のデータの訂正符号は、LDCであり、
上記第2のデータの訂正符号は、nibbleベースの符号である請求項13記載の再生方法。 - 上記記録再生領域の再生時には、第1のフレーム構造と、第1の訂正符号からなる第1のサブブロック構造と、第2の訂正符号からなる第2のサブブロック構造とから構成される上記第1のエラー訂正ブロックに対してエラー訂正処理を行い、
上記再生専用領域の再生時には、第2のフレーム構造と、上記第1の訂正符号からなる第3のサブブロック構造と、上記第2の訂正符号からなる第4のサブブロック構造とから構成される上記第3のエラー訂正ブロックに対してエラー訂正処理を行う請求項13記載の再生方法。 - 上記記録再生領域の再生時には、上記第2のデータとして抽出されるアドレス情報に基づいてアクセスを実行し、
上記再生専用領域の再生時には、上記第3のデータに含まれているアドレス情報に基づいてアクセスを実行する請求項13に記載の再生方法。 - 上記第1の変調方式と上記第3の変調方式は同一の変調方式である請求項13に記載の再生方法。
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