JP4904845B2 - 液体噴射装置及び処理液ミスト回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、搬送される被処理物に対して、搬送方向と略直交する方向に往復移動される液体噴射ヘッドから処理液を噴射する液体噴射装置及び処理液ミスト回収方法に関する。
液体噴射ヘッドから処理液を噴射する液体噴射装置の一例であるインクジェット式プリンタは、プラテン上を搬送される用紙(被処理物)に対して、搬送方向と略直交する方向に往復移動される印刷ヘッド(液体噴射ヘッド)からインク液(処理液)を噴射する。
近年、インクジェット式プリンタにおける印刷品質の高精細化に伴い、印刷ヘッドから噴射されるインク滴の粒径は、益々微細化されている。そして、このインク滴の微細化に伴い、印刷処理時に、印字ヘッドから噴射されたインク滴の一部が用紙の印刷面に付着せずに微小なインクミストとして装置ケース内に浮遊し易くなっている。
この様な装置ケース内に浮遊するインクミスト(浮遊ミスト)は、装置ケース内の搬送手段等に付着して印刷品質の低下を招く虞がある。
そこで、装置ケース内の浮遊ミストを、吸引ファンにより吸引して回収するミスト回収手段を装備したプリンタも提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
図7は、従来のプリンタに装備されたミスト回収手段の処理手順を示したものである。
印字命令に従って用紙給紙がなされると(ステップS101)、ミスト回収手段の吸引ファンがOFFからONにされて吸引力がONにされる(ステップS102)。
次いで、用紙上の最初の印字位置から、1バンド印字(キャリッジが用紙幅方向へ一往復する間に、印刷ヘッドにより実施される印字)と、用紙を一定量(1バンド分)送る紙送りとを印字完了まで繰り返す(ステップS103〜S105)。
そして、その用紙への印字が全て完了したら、ミスト回収手段の吸引ファンがONからOFFにされて吸引力がOFFにされ(ステップS106)、用紙の排紙により処理が終了となる。
特開平7−17037号公報 特公平8−11447号公報
しかしながら、図7に示した従来のミスト回収手段の処理では、ミストの発生を低減する為に吸引ファンの吸引力を強くすると、印字処理中にミスト回収手段の吸引ファンの吸引力で発生する気流によって、印字ヘッドから用紙に噴射されたインク滴の飛行軌跡に乱れが生じ、インク滴の着弾位置のずれによる画質の低下が発生することがあった。この問題は、用紙の縁まで印刷する縁無し印刷時に特に顕著になる。
即ち、用紙に縁無し印刷が実施された場合、用紙の中央領域では吸引ファンの吸引力による気流の影響が小さく、目立つ画質の低下は生じないが、用紙の周縁領域は、吸引ファンの吸引力による気流の影響を強く受け易い。そこで、インク滴の飛行軌跡が用紙の外側に曲がるなどして、インク滴の着弾数の低下や着弾の位置ずれが発生するために、印刷色が薄くなったり、画像に歪みが出たりするなどの画質低下が発生してしまうという問題があった。
従って、本発明の目的は上記課題を解消することに係り、浮遊ミストの回収動作が被処理物への処理液滴の飛行軌跡に影響して、処理液滴の着弾のずれや欠如による処理不良が発生することがない液体噴射装置及び処理液ミスト回収方法を提供することである。
本発明の上記目的は、搬送される被処理物に対して、液体噴射ヘッドから処理液を噴射する液体噴射装置であって、
前記被処理物に付着せずに装置ケース内に浮遊する浮遊ミストを吸引ファンの吸引力で吸引して回収するミスト回収手段を備えており、
前記ミスト回収手段は、前記吸引ファンによる吸引力が前記液体噴射ヘッドから前記被処理物に噴射された処理液滴の飛行軌跡に影響を及ぼさないように、前記液体噴射ヘッドによる処理液の噴射時に前記吸引ファンによる吸引力を低下させることを特徴とする液体噴射装置により達成される。
上記構成の液体噴射装置によれば、液体噴射ヘッドによる処理液の噴射時には、吸引ファンを停止させたり、回転を弱めたりすることによって、ミスト回収手段の吸引ファンによる吸引力を低下させることができるので、ミスト回収手段の吸引によって発生する気流が被処理物への処理液滴の飛行軌跡に影響を及ぼすことが回避される。
そこで、ミスト回収手段の吸引によって発生する気流が処理液滴の着弾のずれや欠如による処理不良を発生させることがなく、被処理物の全域に、高精度な噴射処理を実現することができる。
なお、上記構成の液体噴射装置において、前記ミスト回収手段は、プラテンに形成された吸引孔と、前記吸引孔と装置ケース外とを連通する吸引ダクトと、前記吸引ダクトに設けられた吸引ファンと、前記浮遊ミストを捕捉するミスト捕捉手段と、を備えることが望ましい。
このような構成の液体噴射装置によれば、プラテンに形成された吸引孔から装置ケース内に浮遊する浮遊ミストの吸引・回収が行われ、装置ケース内の各部が浮遊ミストによって汚損されることを防止する。また、吸引孔から吸引ダクトに吸引された浮遊ミストは、ミスト捕捉手段に確実に捕捉されるので、浮遊ミストが装置ケース外部に放出されて装置周囲の環境を汚損することもない。
また、上記構成の液体噴射装置において、前記ミスト捕捉手段が、前記液体噴射ヘッドから噴射されて前記被処理物に付着しなかった処理液を吸収するべく、前記吸引孔を覆うように前記プラテンに設けられた吸収材を有することが望ましい。
このような構成の液体噴射装置によれば、液体噴射ヘッドから噴射されて被処理物に付着しなかった処理液を吸収する吸収材が、浮遊ミストを捕捉するミスト捕捉手段としてのミスト吸収材を兼用する構成のため、専用のミスト吸収材を装備する場合と比較すると、吸引孔や吸引ダクトの配設が容易になり、装置の大型化やコストアップを抑えることができる。
また、上記構成の液体噴射装置において、前記ミスト回収手段が、前記吸引ダクトを開閉可能な開閉機構を有することが望ましい。
このような構成の液体噴射装置によれば、開閉機構を開閉動作させることで、処理液の噴射時に浮遊ミストを吸引する吸引力を容易且つ確実に低下させることができる。
また、本発明の上記目的は、搬送される被処理物に対して、液体噴射ヘッドから処理液を噴射する液体噴射装置において、前記被処理物に付着せずに装置ケース内に浮遊する浮遊ミストを吸引・回収する処理液ミスト回収方法であって、
前記液体噴射ヘッドから前記被処理物に噴射された処理液滴の飛行軌跡に影響を及ぼさないように、前記液体噴射ヘッドによる処理液の噴射時には、浮遊ミストを吸引する吸引力を低下させることを特徴とする処理液ミスト回収方法により達成される。
上記の処理液ミスト回収方法によれば、液体噴射ヘッドによる処理液の噴射時には、吸引ファンを停止させたり、回転を弱めたりすることによって、浮遊ミストを吸引する吸引力を低下させるので、吸引によって発生する気流が被処理物への処理液滴の飛行軌跡に影響を及ぼすことが回避される。
そこで、吸引によって発生する気流が処理液滴の着弾のずれや欠如による処理不良を発生させることがなく、被処理物の全域に、高精度な噴射処理を実現することができる。
なお、上記の処理液ミスト回収方法において、吸引ファンを動作制御することにより、浮遊ミストを吸引する吸引力を低下させることが望ましい。
このような構成の処理液ミスト回収方法によれば、吸引ファンの動作制御は、例えば吸引ファンへの給電を制御することで簡単に実現できるため、処理液の噴射時に浮遊ミストを吸引する吸引力を容易且つ確実に低下させることができる。
また、上記の処理液ミスト回収方法において、プラテンに形成された吸引孔と装置ケース外とを連通すると共に吸引ファンを設けた吸引ダクトを開閉制御することにより、浮遊ミストを吸引する吸引力を低下させることが望ましい。
このような構成の処理液ミスト回収方法によれば、吸引ダクトの開閉制御は、例えば吸引ダクトに設けた開閉機構を開閉動作させることで簡単に実現できるため、処理液の噴射時に浮遊ミストを吸引する吸引力を容易且つ確実に低下させることができる。
本発明に係る液体噴射装置及び処理液ミスト回収方法によれば、液体噴射ヘッドによる処理液の噴射時には、吸引ファンを停止させたり、回転を弱めたりすることによって、浮遊ミストを吸引する吸引力を低下させるので、吸引によって発生する気流が被処理物への処理液滴の飛行軌跡に影響を及ぼすことが回避される。
そこで、吸引によって発生する気流が処理液滴の着弾のずれや欠如による処理不良を発生させることがなく、被処理物の全域に、高精度な噴射処理を実現することができる。
従って、浮遊ミストの回収動作が被処理物への処理液滴の飛行軌跡に影響して、処理液滴の着弾のずれや欠如による処理不良が発生することがない液体噴射装置及び処理液ミスト回収方法を提供することができる。
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態に係る液体噴射装置を詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る液体噴射装置の外観斜視図、図2は図1に示した液体噴射装置から排紙トレイ及び上部ケースを取り外した状態の外観斜視図、図3は図1に示した液体噴射装置の要部断面図、図4は図3に示したミスト回収手段のミスト吸引動作の制御を示すフローチャート、図5は図3に示したプラテン上を搬送される用紙に対するヘッド位置とファン吸引制限範囲を示す平面図である。
本第1実施形態に係る液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ1は、フロント給・排紙タイプのプリンタであり、図1に示すように、上部ケース2と下部ケース3とから構成される装置ケース4の前面中央に、用紙Pを積層収容した略箱形の用紙カセット5が着脱自在に挿着されている。
また、用紙カセット5の上面開放部を覆うように、印刷が終了した用紙を受ける排紙トレイ6が装備されている。
更に、装置ケース4の前面左右には、インジケータ等の表示部7や電源スイッチ等の操作部8が配設されている。
装置ケース4の内部には、図2及び図3に示すように、給紙ユニット22のピックアップローラ(給紙ローラ)21によって用紙カセット5から一枚ずつ繰り出される用紙PをU字状搬送経路(搬送経路)に沿って搬送する搬送機構11と、この搬送機構11によるU字状搬送経路の途中に用紙Pの搬送方向と直交する方向へ往復移動自在に装備されたキャリッジ13と、このキャリッジ13に搭載されて用紙Pに記録用インク(処理液)の微少滴を噴射して印刷を行う印刷ヘッド(液体噴射ヘッド)44と、その印刷ヘッド44に供給する記録用インクを貯留したインクタンク15,16と、搬送機構11による用紙Pの搬送速度やキャリッジ13の移動速度や印刷ヘッド44のインク噴射動作等を制御する不図示の制御部(CPU)とが設けられている。
本実施形態のインクジェット式プリンタ1の場合、搬送機構11によって用紙Pが搬送されるU字状搬送経路は、図3に示すように、用紙カセット5から繰り出された用紙Pを搬送する円弧状搬送経路Aと、この円弧状搬送経路Aから排紙トレイ6へ繋がる直線状搬送経路Bとから構成されている。
また、搬送機構11は、オートシートフィーダ(ASF)部と紙送り部とを有している。
上記オートシートフィーダ部は、用紙カセット5に積層収容されている複数枚の用紙Pを一枚ずつ装置後方の円弧状搬送経路Aの入口に繰り出す給紙ユニット22と、円弧状搬送経路Aに装備されて給紙ユニット22が繰り出した用紙Pを下流側に所定距離だけ離れた給紙用ローラ対41に挟持搬送する為の中間ローラ31及びアシストローラ33と、中間ローラ31の外周に沿って送られる用紙Pの搬送方向を円弧状搬送経路Aの出口に至る円弧状に規制するガイド部34と、から構成されている。
駆動ローラとしての中間ローラ31は、従動ローラとしてアシストローラ33との間に用紙Pを挟むことで、用紙Pを挟持搬送する。アシストローラ33の上流側には、リタードローラ32が設けられており、複数枚の用紙Pが円弧状搬送経路Aに繰り出されるのを防止している。
上記紙送り部は、直線状搬送経路B上に設定された駆動ローラとしての紙送りローラ41aと従動ローラ41bとで構成される前記給紙用ローラ対41によって、円弧状搬送経路Aから搬送されてきた用紙Pをその下流に設定されたプラテン面(印刷用基準面)91aを備えたプラテン91上に搬送する紙送り部である(図3参照)。
本実施形態の場合、給紙用ローラ対41は、用紙Pの下面に接触する駆動ローラとしての紙送りローラ41aに、従動ローラ41bが用紙Pの上面を押圧付勢することにより、該用紙Pを挟持搬送する。
また、装置ケース4の内部には、プラテン91のプラテン面91a上に搬送されてきた用紙Pに対して文字や図形等の画像を印刷する液体噴射ヘッドとしての印刷ヘッド44が組み込まれている。印刷ヘッド44によって印刷処理が済んだ用紙Pは、駆動ローラである排紙ローラ48aと従動ローラであるスターホイール48bとによって構成される排紙用ローラ対48によって挟持搬送され、U字状搬送経路出口の排紙トレイ6に排出される。
給紙ユニット22は、図3に示すように、先端に繰り出し用のピックアップローラ21を備えたフレーム25の後端が支持ピン24によって図中上下方向に回動可能に構成されている。この給紙ユニット22は、給紙レバー25の上下方向の揺動により、用紙カセット5内の最上部の用紙Pに対してピックアップローラ21を接触させることが可能である。
給紙ユニット22は、当該インクジェット式プリンタ1の休止時には図3に示すように給紙レバー25が略水平に維持されて、ピックアップローラ21が用紙カセット5上の用紙Pから離れた状態に保たれる。
そして給紙時には、支持ピン24を中心とする給紙レバー25の下方への回動によって、ピックアップローラ21が用紙カセット5内の最上部の用紙Pに押し付けられ、ピックアップローラ21の回転によって用紙カセット5内の用紙Pが傾斜した摩擦パッド23に当接し、その摩擦力と用紙Pの腰の強さによって分離されながら、一枚ずつ円弧状搬送経路Aに繰り出される。
この際、リタードローラ32は、用紙Pに用紙カセット5へ押し戻す方向の力を付与しつつ、中間ローラ31との間に挟むことで、用紙Pを1枚ずつ分離して下流の円弧状搬送経路Aに分離搬送する
給紙が済んで、印刷ヘッド44によって印刷が開始される時には、図3に示すように、給紙レバー25は元の水平状態に戻される。
ガイド部34の上方側には、搬送されてきた用紙Pを直線状搬送経路B側に向けて送るアシストローラ33と共に補助ガイド部材35が設けられている。
この補助ガイド部材35は、ガイド部34に対して後端側が回動可能に支持され、先端側が揺動自在とされている。
そして、この補助ガイド部材35は、円弧状搬送経路Aから直線状搬送経路Bへ搬送される用紙Pを上方側から自重により押さえ、該用紙Pを直線状搬送経路Bに沿ってインクジェット式プリンタ1の前方側に案内する。
給紙用ローラ対41を構成している紙送りローラ41a及び従動ローラ41bは、円弧状搬送経路Aの出口端(ガイド部34の下流側端部)から装置前面側に所定距離離れて設けられており、円弧状搬送経路Aから直線状搬送経路Bに送り出されてきた用紙Pを挟持して印刷位置である印刷ヘッド44の下に搬送する。そして、紙送りローラ41aの回転駆動量を制御することにより、用紙Pを印刷ヘッド44に対して位置決めすることが可能である。
印刷ヘッド44は、図3に示すように、用紙Pに向かってインクを吐出させる吐出ノズル46を有しており、この吐出ノズル46よりも搬送経路の上流側には、用紙Pを検出すると共にその幅を検出するPWセンサ47が設けられている。
このPWセンサ47は、用紙Pに向かって照射した光の反射光を検出することにより、用紙Pの有無を検出し、キャリッジ13の移動により用紙Pの幅を検出する。
なお、本実施形態のインクジェット式プリンタ1では、このPWセンサ47と同様に光の反射光を検出することで用紙Pの有無を検出する用紙検出センサが、搬送経路の適宜箇所に設置されている。
プラテン91の上方に配置されるキャリッジ13は、図2に示すキャリッジ駆動機構50により用紙幅方向に駆動される。
キャリッジ駆動機構50は、図2に示すように、用紙幅方向に延在する一対のキャリッジ軸52,53によりキャリッジ13を用紙幅方向に移動自在に支持し、キャリッジ13が固定されたタイミングベルト54をキャリッジモータ14によって駆動することで、キャリッジ13を用紙幅方向の任意位置に移動させる。
このインクジェット式プリンタ1は、用紙Pの搬送方向を副走査方向、キャリッジ13の移動方向を主走査方向として、キャリッジ13に搭載された印刷ヘッド44からのインク吐出を制御することで、用紙Pに文字や図形等の画像記録(印刷)を行う。
また、本実施形態のキャリッジ駆動機構50には、キャリッジモータ14によって移動するキャリッジ13の用紙幅方向の位置を検出する位置検出センサが設けられている。
この位置検出センサは、キャリッジ軸53に沿って平行に配置された直線状のリニアスケール(メインスケール)55と、キャリッジ13に搭載されてキャリッジ移動時に対向するリニアスケール55上のスケールを読むエンコーダ(図示せず)とを備えた構成であり、エンコーダの検出した検出信号に基づいて、DCモータからなるキャリッジモータ14が動作制御される。
本第1実施形態のインクジェット式プリンタ1は、図3に示すように、用紙Pに付着せずに装置ケース4内に浮遊する浮遊ミストを吸引ファン69の吸引力で吸引して回収するミスト回収手段72を備えている。
このミスト回収手段72は、プラテン91に形成された吸引孔63と、これら吸引孔63と装置ケース4外とを連通する吸引ダクト61と、吸引ダクト61の出口側開口端に設けられた吸引ファン69と、浮遊ミストを捕捉するミスト捕捉手段としてのミスト吸収材71と、を備えている。
本実施形態の場合、ミスト吸収材71は、吸引孔63を覆うようにプラテン91に設けられており、印刷ヘッド44の吐出ノズル46から噴射されて用紙Pに付着しなかったインク滴を吸収するための吸収材を兼ねている。
即ち、ミスト吸収材71は、キャリッジ13に搭載されて用紙幅方向に移動する印刷ヘッド44の吐出ノズル46と対向するプラテン91の用紙幅方向に沿った領域に配設されている。
そこで、縁無し印刷時等に用紙Pに着弾しなかったインク滴は、ミスト吸収材71に吸収され、用紙Pに付着しなかった浮遊ミストは、ミスト吸収材71の下方に位置する吸引孔63に吸引されてミスト吸収材71に捕捉される。このミスト吸収材71は、例えばスポンジ等の多孔質部材により構成されことが望ましい。
吸引ダクト61は、プラテン91の用紙幅方向に沿って適宜配置された複数の吸引孔63に対応する幅広の入口側開口端と、吸引ファン69が取付けられる出口側開口端とを備え、装置ケース4内に敷設されたダクトである。
更に、本実施形態における吸引ダクト61に装備された吸引ファン69を動作制御する制御部は、吸引ファン69への給電をオン・オフ制御することによって、用紙Pに向けて噴射されたインク滴の飛行軌跡に影響を及ぼさないように吸引ファン69の吸引力を低下させることができる。
上述のインクジェット式プリンタ1では、用紙Pがプラテン91上に搬送される印刷処理時には、印刷ヘッド44の印字動作に応じて、ミスト回収手段72による吸引動作が図4に示したフローチャートに基づいて制御される。
まず、印字命令に従って。用紙P上の最初の印字位置が印刷ヘッド44による印字位置に位置決めされるように、用紙給紙がなされる(ステップS401)。
次いで、次のステップS402により、1バンド印字(キャリッジ13が用紙幅方向へ一往復する間に、印刷ヘッド44により実施される印字)が実施される。
次いで、印字が完了すると、ミスト回収手段72の吸引ファン61がOFFからONに切り替えられて、吸引孔63からのミスト吸引が開始される(ステップS403)。
次に、1バンド分の紙送りが実施される(ステップS404)ことで、印字していない紙送り中にミストが吸引される事になる。1バンド分の紙送りが完了すると、次のステップS405に移行する。
ステップS405では、ミスト回収手段72の吸引ファン69がONからOFFに切り替えられて、吸引孔63からのミスト吸引が停止される。
以上の1バンド印字、1バンド分の紙送り、所定時間のミスト吸引は、その用紙P上の全ての印字が完了するまで、繰り返される(ステップS406)。
そして、その用紙P上の全ての印字が完了すると、用紙Pが排紙トレイ6上に排紙されるまで、ミスト回収手段72の吸引ファン69がOFFからONに切り替えられて、吸引孔63からのミスト吸引が継続される(ステップS407,S408)。
そして、用紙Pが排紙トレイ6上に排紙されると、ミスト回収手段72の吸引ファン69がONからOFFに切り替えられて、吸引孔63からのミスト吸引が停止されて、処理が終了する(ステップS409)。
即ち、本第1実施形態のインクジェット式プリンタ1は、上述したミスト回収手段72による吸引ファン69のオン・オフ制御をすることによって、印刷ヘッド44が図4に示した用紙Pの外形よりも広いファン吸引制限領域R1内に位置する際には、用紙Pに向けて噴射されたインク滴の飛行軌跡に影響を及ぼさないように吸引ファン69の吸引力を低下させることができる。
そして、用紙Pに向けてインク滴が噴射されない非印刷時には、ミスト回収手段72の吸引ファン69が駆動されてミスト吸引動作が実施される。そこで、印刷ヘッド44から噴射されて用紙Pに付着しなかった浮遊ミストは、吸引ダクト61を介してミスト吸収材71の下方に位置する吸引孔63に吸引され、ミスト吸収材71に捕捉回収される。
従って、装置ケース4内の各部が、浮遊ミストによって汚損されることが防止されると共に、ミスト回収手段72に吸引された浮遊ミストはミスト吸収材71に確実に捕捉され、浮遊ミストが装置ケース4外部に放出されて装置周囲の環境を汚損することもない。
なお、本発明のミスト回収手段72によるミスト吸引動作は、用紙Pに向けて噴射されたインク滴の飛行軌跡に影響を及ぼさないように吸引ファン69の吸引力を低下させれば良いので、印刷ヘッド44が図4に示した用紙Pの外形よりも狭いファン吸引非制限領域R2内に位置する際には、吸引ファン69を駆動させることもできる。
そこで、印刷ヘッド44がファン吸引非制限領域R2内に位置している場合、吸引ファン69により吸引孔63に作用する吸引力は用紙Pに向けて噴射されたインク滴の飛行軌跡に殆ど影響を与えることが無いので、ミスト回収手段72によるミスト吸引動作を実施することができる。
即ち、本発明のミスト回収手段72は、プラテン上を搬送される用紙Pの少なくとも外周縁(前後端及び両側端)近傍に印刷ヘッド44が位置する際に、吸引ファン69の吸引力を低下させれば良い。
以上に説明した本第1実施形態のインクジェット式プリンタ1によれば、印刷ヘッド44による印字処理時(インク滴の噴射時)には、ミスト回収手段72の吸引ファン69を停止させたり、回転を弱めたりすることによって、ミスト回収手段72の吸引ファン69による吸引力を低下させることができるので、ミスト回収手段72の吸引によって発生する気流が用紙Pへのインク滴の飛行軌跡に影響を及ぼすことが回避される。
従って、ミスト回収手段72の吸引によって発生する気流がインク滴の着弾のずれや欠如等による印刷不良を発生させることはなく、縁無し印刷等を実施した場合でも、用紙Pの周縁部を含む用紙全域に、高精度な画像印刷処理を実現することができる。
尚、本実施形態におけるミスト吸収材71は、印刷ヘッド44の吐出ノズル46から噴射されて用紙Pに付着しなかったインク滴を吸収するための吸収材を兼用する構成のため、専用のミスト吸収材を装備する場合と比較すると、吸引孔63や吸引ダクト61の配設が容易になり、装置の大型化やコストアップを抑えることができる。
また、上記実施形態では、印刷ヘッド44の印字動作時には、ミスト回収手段72の吸引ファン69を停止させることで、吸引孔63からのミスト吸引力を低下させた。即ち、制御部が吸引ファン69への給電をONからOFFに切り替えても、直ちに吸引力が完全にゼロとなるわけではないが、印刷ヘッド44が噴射したインク滴の飛行軌跡に影響を及ぼさない程度に吸引ファン69の吸引力が低下すれば良いので、問題はない。勿論、吸引ファン69の吸引力が完全にゼロとなるように、ミスト回収手段を構成することも可能である。
例えば、図6に示した本発明の第2実施形態に係るインクジェット式プリンタにおけるミスト回収手段172のように、吸引ダクト61の途中に開閉機構であるバタフライ弁80を設け、吸引ダクト61を開閉制御することにより、吸引孔63から浮遊ミストを吸引する吸引力を低下させるように構成することもできる。
このようなミスト回収手段172によれば、吸引ダクト61に設けたバタフライ弁80を開閉動作させることで、簡単に吸引力を切り替えることができるため、インク滴の噴射時に浮遊ミストを吸引する吸引力を容易且つ確実に低下させることができる。
なお、上記各実施形態においては、浮遊ミストを捕捉するミスト捕捉手段としてのミスト吸収材71が、印刷ヘッド44の吐出ノズル46から噴射されて用紙Pに付着しなかったインク滴を吸収するための吸収材を兼用する構成であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の形態を採りうることは云うまでもない。
例えば、吸引ダクト61の出口側開口端に設けられた吸引ファン69の上流又は下流に、ミスト捕捉手段として通気性を有した多孔質構造のミストフィルターを配設することもできる。また、ミストフィルターの代わりに、回収タンクを装備するようにしても良い。
また、本発明に係る液体噴射装置は、上記実施形態で例示したインクジェット式プリンタをはじめとして、例えば液晶ディスプレー等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッドを備えた装置、有機ELディスプレー、面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッドを備えた装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッドを備えた装置、精密ピペットとしての試料噴射ヘッドを備えた装置、捺染装置やマイクロデスペンサ等にも適用できる。
本発明の第1実施形態に係る液体噴射装置の外観斜視図である。 図1に示した液体噴射装置から排紙トレイ及び上部ケースを取り外した状態の外観斜視図である。 図1に示した液体噴射装置の要部断面図である。 図3に示したミスト回収手段のミスト吸引動作の制御を示すフローチャートである。 図3に示したプラテン上を搬送される用紙に対するヘッド位置とファン吸引制限範囲を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る液体噴射装置の要部断面図である。 従来のインクジェット式プリンタにおけるミスト回収手段の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1…インクジェット式プリンタ(液体噴射装置)、2…上部ケース、3…下部ケース、4…装置ケース、5…用紙カセット、6…排紙トレイ、11…搬送機構、13…キャリッジ、14…キャリッジモータ、44…印刷ヘッド(液体噴射ヘッド)、50…キャリッジ駆動機構、52,53…キャリッジ軸、61…吸引ダクト、63…吸引孔、69…吸引ファン、71…ミスト吸収材(ミスト捕捉手段)、72…ミスト回収手段、80…バタフライ弁(開閉機構)、91…プラテン、P…用紙(被処理物)

Claims (3)

  1. 搬送される被処理物に対して、当該被処理物の搬送方向と直交する方向に往復移動される液体噴射ヘッドから処理液を噴射する液体噴射装置であって、
    前記被処理物に付着せずに装置ケース内に浮遊する浮遊ミストを吸引ファンの吸引力で吸引して回収するミスト回収手段を備えており、
    前記ミスト回収手段は、プラテンに形成された吸引孔と、前記吸引孔と前記装置ケースの外部とを連通する吸引ダクトと、前記吸引ダクトに設けられた前記吸引ファンと、前記浮遊ミストを捕捉するミスト捕捉手段とを備え、
    前記ミスト回収手段は、前記吸引ファンによる吸引力が前記液体噴射ヘッドから前記被処理物に噴射された処理液滴の飛行軌跡に影響を及ぼさないように、前記液体噴射ヘッドによる前記被処理物の周縁部に対する前記処理液の噴射時に、前記被処理物における前記周縁部の内側の領域に対する前記処理液の噴射時よりも前記吸引ファンによる吸引力を低下させることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記ミスト捕捉手段が、前記液体噴射ヘッドから噴射されて前記被処理物に付着しなかった処理液を吸収するべく、前記吸引孔を覆うように前記プラテンに設けられた吸収材を有することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記ミスト回収手段が、前記吸引ダクトを開閉可能な開閉機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射装置。
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