JP4903401B2 - 軸−軸受を有するエスカレータまたは動く歩道ならびにこのエスカレータを組立および分解する方法 - Google Patents

Description

本発明は、独立請求項の定義によるトラス、軸、および軸をトラスに保持する軸−軸受を有するエスカレータまたは動く歩道、ならびにこのエスカレータを組立および分解する方法に関する。

以下の説明においては、用語「エスカレータ」は動く歩道も含み、用語「ステップ」は動く歩道のパレット（ｐａｌｌｅｔ：搬送床）も含む。

通常のエスカレータのステップは２つの搬送チェーンに固定され、そのチェーンと共にエンドレス循環ステップループを形成し、このステップループはエスカレータの各端部で対の搬送チェーンのホイールの上を走行する。対の搬送チェーンホイールの一方は駆動装置の一部であり、ステップループを駆動および逆方向に駆動し、対のチェーンホイールの他方はステップループ逆転装置の一部である。ステップループの個々のステップのそれぞれは、２つのフロントガイドローラおよび２つのリヤガイドローラを備え、それらのローラの上で、本来はエスカレータの支持構造体に主に固定されるガイドレールおよびカムまたは逆走行曲線により、ステップは位置に依存して決定された位置内を案内される。

側板（ｂａｌｕｓｔｒａｄｅ）を備えるエスカレータまたは歩く歩道の上階の階段の頂上には、主軸が組み込まれている。主軸の左右はトラスに支承されている。軸受の損傷が発生した場合、主軸を分解する必要があるため、支承方法は可能な限り簡単にする必要がある。

主軸はレール上を案内されるステップまたはパレットを駆動する。ステップまたはパレットの駆動を容易にするため、主な駆動は、例えば中空軸構造で実現される。この中空軸構造では、主軸はエスカレータのトラスの軸受で保持される固定駆動軸から成る。この駆動軸周りに、回転接触軸受を介して駆動軸に連結された回転中空軸が取り付けられている。この中空駆動軸はステップループまたはパレットループを回転および搬送する。中空軸を支持する駆動軸は一般に、ねじを用いてトラスに強固に固定される。

前述の実施形態は、例えば回転接触軸受が故障した場合、広範囲の分解および据付作業が必要となる欠点を有する。この理由は、回転接触軸受はそれらを駆動軸の端部に長さ方向に移動することによってだけ、分解および再組立できるからである。回転接触軸受および中空軸を引き出すには、固定駆動軸をトラスから取り外す必要があり、この作業は、特にこのような駆動同軸の重量（５００ｋｇ）を考えると、労力と時間を要する。本発明の構造は、予測される不具合の全種類の修正についての中断時間を短くする要求には適合できない。

軸の組立は、エスカレータを据え付けるときに実行される。また、軸の分解は、エスカレータを保守するときに実行される。据付および保守は価値連鎖における２つの異なる手順である。

本発明の目的はエスカレータまたは動く歩道の前述の欠点を回避すること、すなわち、故障した回転接触軸受または他のいずれかの構成部品の交換を実質的に短時間で可能にすることである。本発明の目的はまた、エスカレータまたは動く歩道の軸の組立および分解を、可能な限り少ない部品を用いて簡単に短時間で可能にすることにより、据付コストの低減を実現することである。

本発明の目的は独立請求項に述べた特徴により満たされる。本発明の有利な実施形態およびさらなる応用形態は従属請求項で述べる。

請求項１に述べるとおり、エスカレータまたは動く歩道は、トラス、軸、および軸をトラスに支承する少なくとも１つの軸−軸受から成り、軸−軸受はハブおよびソケットから成り、ハブはトラスに強固に固定され、ソケットは軸をハブ上に保持している。

ソケットは軸をハブ上に保持しているため、軸は、ソケットを軸に沿って押して取り外すことにより、簡単に素早く分解できる。素早く容易に取り付ける作業は、逆の作業または実行にも効果的である。

簡単で単純な組立および分解作業により、貴重な作業時間が節減できる。部品が少数であることおよび部品の作製が簡単であることという理由から、この軸−軸受はきわめて経済的である。したがって、この新規の軸−軸受は単純、軽量、安価、および簡単になる。素早く簡単な組立、および分解ならびに少数の部品は、この新規の軸−軸受の追加の利点である。

本発明によるエスカレータの有利な実施形態によれば、軸の端部にソケットが配置される。ソケットのこの位置決めにより、軸の負荷をエスカレータのトラスに最適に伝達できる。

本発明のさらに有利な実施形態によれば、軸の各端部にソケットが配置される。これにより、軸の負荷はトラスの左右側にバランスの取れた大きさで一様に伝達される。

本発明の特に有利な実施形態は、軸が中空軸構造で実現される場合である。このような状態においては、中空軸は固定駆動軸から素早く容易に取り外し、分離することができる。

本発明の別の有利な実施形態は、完全嵌合（ｐｏｓｉｔｉｖｅ ｆｉｔ）、不完全嵌合、または材料結合によりトラスに接続されるハブの形態を取る。この手段により、ハブとトラスとの間の機械的接続の最大強度が得られる。

本発明の別の実施形態によれば、ソケットはハブに嵌め込むか、ハブの上に置くか、またはハブを覆うように構成される。これによりハブとソケットとの間の最適の機械的適合が得られる。

エスカレータは請求項８に記載の方法に従って組み立てできる。軸−軸受により、エスカレータまたは動く歩道の軸はトラスに支承され、軸−軸受のハブはトラスに強固に固定され、軸−軸受のソケットは軸上に配置され、軸は決められた位置に置かれ、ソケットは軸に沿ってハブ上に押されて、このハブに接続されている。

ソケットは軸に沿ってハブ上に押されて、このハブに接続されているため、この作用によって、軸は素早く容易に取り付けできる。

エスカレータは請求項９に記載の方法に従って分解できる。軸−軸受によりトラスに強固に固定されているエスカレータまたは動く歩道の軸は、軸−軸受のソケットを軸−軸受のハブから解放し、ソケットを軸に沿って押してハブから分離することにより、取り外しできる。

この手段により、ソケットを軸に沿って押してハブから分離することにより、軸は素早く容易に取り外しできる。

本発明の例示的実施形態は、図１から図４に示され、以下に詳細に説明される。

図１においては、エスカレータ１の主要構成部品が概略的に示されている。搬送チェーン駆動ホイールユニットを介して駆動ユニットにより駆動される、循環するエンドレスのステップループが、エスカレータ支持構造体内に組み込まれている。

図１に詳細に示されるように、エスカレータ１は側板２、ステップ３、およびトラス４を備える。側板２を備えるエスカレータまたは歩く歩道１の上階の階段の頂上には、軸５が組み込まれている。この新規発明によれば、軸５の組立は簡単であり、トラス４は細く作製できる。軸５は、エスカレータ１の上部に示されている。

図２では、エスカレータ１の上端（頭部）の軸−軸受７、軸５、トラス４、およびガイドレール６が示されている。ハブ８はエスカレータ１の上部に示されている。

図３では、軸５全体の断面が示され、ハブ８およびソケット９は軸に沿って移動できる。軸５は中空軸構造で実現される。この中空軸構造によれば、軸はエスカレータのトラスに支承される固定駆動軸から成る。この駆動軸周りに、回転接触軸受を介して駆動軸に連結された回転中空軸がある。この中空駆動軸はステップループを回転および搬送する。中空軸を支持する駆動軸は、トラスに強固に固定される必要がある。この例示的実施形態では、軸５はエスカレータの主軸、すなわち駆動力が作用する軸である。

図４では、軸−軸受７の１／４断面が示され、ハブ８、ソケット９、軸５およびトラス４を有する。

本発明の添付の例示的実施形態によれば、エスカレータ１または動く歩道は、トラス４、軸５、およびそれにより軸５がトラス４で支承される軸−軸受７を有し、軸−軸受７はハブ８およびソケット９から成り、ハブ８はトラス４に強固に固定され、ソケット９は軸５をハブ８上に保持している。

新規の軸−軸受７は少数の部品で形成される。ハブ８は、完全嵌合、不完全嵌合、または材料結合（例えば、ねじまたはピンまたは溶接）によりトラス４に接続される。この強力なハブ８は、最大５００ｋｇの重量の主軸５を支持する機能を果たす。ソケット９はハブ８に嵌め込むか、ハブ８の上に配置するか、またはハブ８に被せるように構成され、これにより、主軸５を保持する。このようにして、ハブ８はトラス４に接続される。ソケット９はハブ８の上に置かれ、ハブ８で支持される。主軸５はソケット９により保持または支承される。周囲を囲むソケット９は、前述のとおり、ハブ８により保持される。

好ましくは、主軸５は左右からトラス４で支承される。ソケット９は軸の各端部に取り付けられる。軸受が故障した場合、主軸５を分解する必要があるため、この軸受は可能な限り簡単に構成されている必要がある。

新規の軸−軸受７は同時に複数の機能を実行する。この軸−軸受７はわずかの部品から成り、分解が簡単である。

主軸５はガイドレール６上を案内されるステップまたはパレット３を駆動する。ステップまたはパレット３の駆動を容易にするため、主軸５は中空軸構造で実現されるのが好ましい。

本発明の添付の例示的実施形態によれば、エスカレータまたは動く歩道の軸５は、軸−軸受７によりトラス４に強固に接続され、軸−軸受７のハブ８から分離している軸−軸受７のソケット９により取り外しされ、またソケット９は軸５に沿ってハブ８から分離するように押されて取り外される。

本発明は軸の分解方法の大幅な簡単化を提供する。この理由は、軸−軸受７が従来に比べて大幅に簡単な構造を有し、さらにソケットおよびハブの原理により、短時間で取り外しできるからである。これにより、分解作業および主軸の交換によるエスカレータの休止時間は大幅に低減する。

分解の際の利点は自明である。分解には、ソケット９を押してハブ８から分離する（押して嵌合、押して位置決め、スライドさせて嵌合、スライドさせて位置決め）ことだけが必要とされ、主軸５は完全に自由に動いて、分解および交換ができる。

主軸５を取り付ける際は、基本原理は上と正反対に作用する。ソケット９はハブ８に被せるように押し込む必要がある。

本発明の添付の例示的実施形態によれば、エスカレータまたは動く歩道の軸５は、トラス４に強固に固定された軸−軸受７のハブ８により、トラス４の軸−軸受７に保持され、軸−軸受７のソケット９は軸５上に配置され、軸５は決められた位置に置かれ、ソケット９は軸に沿ってハブ８上に押されて、このハブ８に接続されている。

この手段により、主軸５はハブ８を介してトラス４に接続される。次に、主軸５は完全に組み立てられ、組み込まれる。このとき、軸受力はソケット９を介して主軸５からハブ８に伝達される。ハブ８は軸受力をトラス４内に導き、すなわち軸受力をトラス４に伝達する。

エスカレータの一般的機構を示す。 エスカレータの上部の部分を詳細に示す。 図２の部分の断面を示す。 図２のエスカレータの上部の斜位像を示す。

符号の説明

１ エスカレータまたは歩く歩道
２ 側板
３ ステップ
４ トラス
５ 軸
６ ガイドレール
７ 軸−軸受
８ ハブ
９ ソケット

Claims (8)

1. トラス（４）、軸（５）、軸（５）をトラス（４）に保持する軸−軸受（７）を有するエスカレータまたは動く歩道であって、軸−軸受（７）はハブ（８）およびソケット（９）から成り、ハブ（８）はトラス（４）に強固に固定されて、ソケット（９）を支持し、軸（５）はソケット（９）で支承されることにより、軸（５）はソケット（９）によりハブ（８）に保持されており、ソケット（９）は軸（５）に沿って移動できる、エスカレータまたは動く歩道。
2. ソケット（９）は軸の端部に配置されていることを特徴とする、請求項１に記載のエスカレータまたは動く歩道。
3. ソケット（９）は軸の各端部に配置されていることを特徴とする、請求項１または２に記載のエスカレータまたは動く歩道。
4. 軸（５）は中空軸構造で実現されていることを特徴とする、請求項１から３のいずれか一項に記載のエスカレータまたは動く歩道。
5. ハブ（８）は完全嵌合、不完全嵌合、または材料結合によりトラス（４）に接続されていることを特徴とする、請求項１から４のいずれか一項に記載のエスカレータまたは動く歩道。
6. ソケット（９）はハブ（８）に嵌め込むか、ハブ（８）の上に配置するか、またはハブ（８）に被せるように構成されていることを特徴とする、請求項１から５のいずれか一項に記載のエスカレータまたは動く歩道。
7. トラス（４）の軸−軸受（７）によりエスカレータまたは動く歩道の軸（５）を支承する方法であって、軸−軸受（７）のハブ（８）はトラス（４）に強固に固定され、軸−軸受（７）のソケット（９）は軸（５）上に配置され、軸（５）は決められた位置に置かれ、ソケット（９）はハブ（８）上を軸に沿って押されて、ハブ（８）に接続される、軸（５）を支承する方法。
8. エスカレータまたは動く歩道の軸（５）を分解する方法であって、軸（５）は軸−軸受によりトラス（４）に強固に固定され、軸−軸受（７）はハブ（８）およびソケット（９）から成り、ハブ（８）はトラス（４）に強固に固定されており、軸−軸受（７）のソケット（９）は軸−軸受（７）のハブ（８）から取り外され、ソケット（９）は軸（５）の長さ方向に沿って押されてハブ（８）から分離される、軸（５）を分解する方法。

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