JP4902388B2 - 車両の乗員拘束装置 - Google Patents

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Description

この発明は、シートベルト装置やサイドサポート等の車両の乗員拘束装置に関するものである。
車両のシートベルト装置として、ベルトリールを回転駆動するためのモータを設け、緊急時や走行状態の不安定時にモータの駆動によってウェビングの張力を制御し、乗員姿勢の安定化を図るようにしたものが実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のシートベルト装置は、ウェビングが巻回されるベルトリールがモータに接続され、車両に作用する前後方向と左右方向の減速度に応じて、モータによるウェビング張力の制御を開始するようになっている。具体的には、このシートベルト装置は、前後方向の加速度センサと左右方向の加速度センサを備えるとともに、車両に作用する減速度ベクトルの方向に対応する閾値をマップを参照して設定する閾値設定手段を備え、前記両加速度センサで検出した検出値と閾値設定手段で設定した閾値を比較し、検出値が閾値を超えるときにウェビングの張力増加のためにモータを駆動するようになっている。
特開2003−237534号公報
しかし、この従来のシートベルト装置においては、車両に作用する減速度の方向に応じた閾値を逐次求め、その閾値と両加速度センサの検出値を比較してウェビングの張力を制御するため、演算処理が複雑になり、コントローラの演算負担が大きくなることが懸念されている。
そこでこの発明は、コントローラの演算負担の増大を招くことなく、車両に作用する減速度に応じた適切な乗員拘束を得ることのできる車両の乗員拘束装置を提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、ベルトリールから引き出されたウェビングによって車室側壁側の上下の2点と、車体内側寄りのシート下方の1点で乗員を拘束する乗員拘束装置であって、車両に作用する減速度に応じて乗員拘束手段(例えば、後述の実施形態におけるモータ10,ベルトリール12)によって前記ウェビングを引き込むものにおいて、車両に作用する減速度を検出する減速度検出手段(例えば、後述の実施形態における前後加速度センサ19,横加速度センサ20)と、車両に作用する減速度が直交座標の原点に作用すると仮定したときに、前記減速度が、座標上を原点を中心に前後左右で90°毎に切り分けた4つの区分領域のうちのどの領域に向いているかを判定する減速度方向区分判定手段(例えば、後述の実施形態における減速度方向区分判定手段24)と、前記座標上の区分領域毎に作動条件を規定し、前記減速度方向区分判定手段で判定された区分領域の作動条件と前記減速度検出手段の検出結果とを比較して、その検出結果が対応する区分領域の作動条件を満たしているかどうかを判定する作動判定手段(例えば、後述の実施形態における作動判定手段25)と、を備え、前記作動判定手段が作動条件を満たしていると判定したときに前記乗員拘束手段を作動させ、前記減速度方向区分判定手段で判定される区分領域のうちの、車両前方かつ車幅方向内側の領域では、車両前方かつ車幅方向外側の領域よりも、前記作動判定手段で用いる作動条件を低く設定したことを特徴とする。
これにより、車両に任意の方向の減速度が作用して減速度検出手段がその減速度を検出すると、まず、減速度方向区分判定手段がその減速度の向きがどの区分領域に向いているかを判定する。この後、作動判定手段が、減速度の向く区分領域に対応した作動条件と減速度検出手段の検出結果を比較し、検出結果が作動条件を満たしていれば乗員拘束手段を作動させ、満たしていなければ乗員拘束手段を作動させないようにする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両の乗員拘束装置において、前記減速度方向区分判定手段で判定される区分領域のうちの、車両後方かつ車幅方向内側の領域では、車両に作用する減速度の横方向成分の絶対値が閾値を超えるか否かを作動条件とし、前記減速度方向区分判定手段で判定される区分領域のうちの、車両後方かつ車幅方向外側の領域では、常に作動しない作動条件に設定したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両の乗員拘束装置において、前記区分領域毎の作動条件は、車両の各座席毎に個別に設定されていることを特徴とする。
これにより、座席毎に減速度の向きと乗員拘束の必要度の関係が異なる場合に的確に対応することが可能になる。
取り位置のうちのいずれかに保持制御されるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の乗員拘束装置において、前記乗員拘束手段は、繰り返し作動が可能な可逆式の乗員拘束手段であることを特徴とする。
これにより、減速度の向きに応じた乗員拘束が繰り返し利用されるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の乗員拘束装置において、前記座標上の区分領域毎に規定される作動条件は複数段設定され、前記乗員拘束手段は、前記各段の作動条件に対応して複数の作動態様を持つことを特徴とする。
これにより、車両に作用する減速度の向きと大きさ等に応じて乗員拘束手段が異なる態様で作動するようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の乗員拘束装置において、前記拘束手段は、ウェビング(例えば、後述の実施形態におけるウェビング5)を巻回するベルトリール(例えば、後述の実施形態におけるベルトリール12)と、このベルトリールに駆動力を伝達して前記ウェビングの巻取りを行うモータ(例えば、後述の実施形態におけるモータ10)と、前記ベルトリールの巻取り位置を検出する巻取り位置検出手段(例えば、後述の実施形態における回転センサ14,巻取り位置検出部27)と、前記モータへの通電量を制御するモータ制御手段(例えば、後述の実施形態におけるモータ制御手段26)と、を備え、前記モータ制御手段は、前記巻取り位置検出手段の検出結果を基にして前記ベルトリールを目標巻取り位置に保持する保持制御モードを有することを特徴とする。
これにより、検出した減速度が対応する区分領域の作動条件を満たすものと判定されると、モータ制御手段がモータへの通電量を制御して、ベルトリールを目標巻取り位置に保持するようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の車両の乗員拘束装置において、前記目標巻取り位置が複数段設定されるとともに、前記座標上の区分領域毎に規定される作動条件が複数段設定され、この各作動条件を満たすときに、前記ベルトリールを対応する段の目標巻取り位置に保持するように前記モータが制御されることを特徴とする。
これにより、車両に作用する減速度の向きと大きさ等に応じてベルトリールの巻取り位置が複数段の目標巻取り位置のうちのいずれかに保持制御されるようになる。
請求項1に記載の発明によれば、車両に作用する減速度の向きを直交座標上で前後左右で90°毎の区分領域に分け、その区分領域に応じた作動条件と検出した減速度を比較して乗員拘束手段の作動・非作動を決定するため、複雑な演算処理を用いることなく減速度に応じた適切な乗員拘束を行うことができる。
また、この発明によれば、減速度方向区分判定手段で判定される区分領域のうちの、車両前方かつ車幅方向内側の領域では、車両前方かつ車幅方向外側の領域よりも、作動判定手段で用いる作動条件を低く設定しているため、ウェビングによる不要な拘束を無くすことができる。
請求項2に記載の発明によれば、減速度方向区分判定手段で判定される区分領域のうちの、車両後方かつ車幅方向内側の領域では、車両に作用する減速度の横方向成分の絶対値が閾値を超えるか否かを作動条件とし、減速度方向区分判定手段で判定される区分領域のうちの、車両後方かつ車幅方向外側の領域では、常に作動しない作動条件に設定しているため、ウェビングによる不要な拘束を無くすことができる。
請求項3に記載の発明によれば、区分領域毎の作動条件を車両の各座席毎に個別に設定するため、減速度の向きと乗員拘束の必要度の関係が座席毎に異なる乗員拘束手段を用いる場合に、最適な乗員拘束特性を得ることができる。
請求項4に記載の発明によれば、繰り返し作動が可能な可逆式の乗員拘束手段を用いることにより、減速度の向きに応じた乗員拘束を繰り返し利用できるようになるため、装置の利用効率を高めることが可能になる。
請求項5に記載の発明によれば、車両に作用する減速度の向きと大きさ等に応じて乗員拘束手段が異なる態様で作動するため、車両の状況に応じたよりきめ細かい乗員拘束が可能になる。
請求項6に記載の発明によれば、モータの駆動によってウェビングを目標巻取り位置に保持するシートベルト装置に適用されるため、複雑な演算処理を用いることなく減速度に応じたウェビングによる適切な乗員拘束を行うことができる。
請求項7に記載の発明によれば、減速度の向きと大きさ等に応じてベルトリールの巻取り位置を複数段の目標巻取り位置のうちのいずれかに保持制御するため、車両の状況に応じてウェビングによる乗員拘束をよりきめ細かく行うことができる。
以下、この発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明にかかる乗員拘束装置であるシートベルト装置1の全体概略構成を示すものであり、同図中2は、乗員3の着座するシートである。この実施形態のシートベルト装置1は、所謂三点式のシートベルト装置であり、図示しないセンタピラーに取付けられたリトラクタ4からウェビング5が上方に引き出され、そのウェビング5がセンタピラーの上部側に支持されたスルーアンカ6に挿通されるとともに、ウェビング5の先端がシート2の車室外側寄りのアウタアンカ7を介して車体フロアに固定されている。そして、ウェビング5のスルーアンカ6とアウタアンカ7の間にはタングプレート8が挿通されており、そのタングプレート8は、シート2の車体内側寄りの車体フロアに固定されたバックル9に対して脱着可能となっている。
ウェビング5は、初期状態ではリトラクタ4に巻き取られており、乗員3が手で引き出してタングプレート8をバックル9に固定することにより、乗員3の主に胸部と腹部をシート2に対して拘束する。このシートベルト装置1の場合、衝突やロールオーバ時におけるウェビング5の引き込みが電動式のモータ10と火薬発火によって行われるとともに、モータ10がプリテンショナ機構を構成するようになっている。
リトラクタ4は、図2に示すようにケーシング(図示せず)に回転可能に支持されたベルトリール12にウェビング5が巻回されるとともに、ケーシングの一端側にベルトリール12の軸12aが突出している。このベルトリール12の軸12aは、動力断接操作用のクラッチ(図示せず)を含む動力伝達機構13を介してモータ10の回転軸10aに連動可能に接続されている。また、リトラクタ4内には、ベルトリール12を巻取り方向に付勢する図示しない巻取りばねが収容され、ベルトリール12とモータ10がクラッチのオフ作動によって切り離された状態において、巻取りばねによる張力がウェビング5に作用するようになっている。
また、ベルトリール12の軸12aには、その軸12aの回転を検出する回転センサ14(巻取り位置検出手段)が設けられている。この回転センサ14は、例えば、円周方向に沿って異磁極が交互に着磁された磁性円板15と、この磁性円板15の外周縁部に近接配置された一対のホール素子16a,16bと、ホール素子16a,16bの検出信号を処理するセンサ回路17とから成り、センサ回路17で処理されたパルス信号がコントローラ18に出力されるようになっている。
ベルトリール12の回転に応じてセンサ回路17からコントローラ18に入力されるパルス信号は、コントローラ18において、基本的にはモータ10を駆動するためのフィードバック信号として用いられる。つまり、コントローラ18においては、パルス信号をカウントすることによってベルトリール12の回転量(ウェビング5の引き出し量)を検出し、さらにパルス信号の変化速度(周波数)を演算することによってベルトリール12の回転速度(ウェビング5の引き出し速度)を求め、また、両パルス信号の波形の立ち上がりの比較によってベルトリール12の回転方向を検出する。
コントローラ18には、図示しないバックルスイッチやレーダ等の前方物体検出装置の他、車両に作用する前後方向の減速度を検出する前後加速度センサ19(減速度検出手段)と、車両に作用する左右方向の減速度を検出する横加速度センサ20(減速度検出手段)が接続されている。
また、コントローラ18は、前後加速度センサ19から信号を受けて車両に作用する前後方向の減速度を算出する前後減速度検出部22(減速度検出手段)と、横加速度センサ20から信号を受けて車両に作用する左右方向の減速度を算出する横減速度検出部23(減速度検出手段)と、前後減速度検出部22と横減速度検出部23から信号を受けて車両に作用する減速度の向きを求め、その減速度の向きが後述する区分領域のいずれに向いているかを判定する減速度方向区分判定手段24と、後述する区分領域毎に規定した作動条件と前後減速度検出部22および/または横減速度検出部23の検出結果とを比較して、検出結果が作動条件を満たすかどうかを判定する作動判定手段25と、回転センサ14から信号を受けてベルトリール12の回転位置を算出する巻取り位置検出部27(巻取り位置検出手段)と、巻取り位置検出部27と減速度方向区分判定手段24から夫々信号を受けてモータ10によるベルトリール12の制御目標位置を設定する目標位置設定手段28と、作動判定手段25が作動条件を満たすと判定したときに、ベルトリール12が目標位置設定手段28で設定した目標位置になるようにモータ10の電流制御を行うモータ制御手段26と、を備えている。
ここで、前記の区分領域について、図4を参照して説明する。
図4(a),(b)は、図3に示す車両の右側座席と左側座席に夫々対応する直交座標であり、直交座標の原点位置に車両の減速度が作用するものと仮定している。なお、図4において、横方向の座標軸は車両右方向をプラス、車両左方向をマイナスとし、縦方向の座標軸は車両前方向をプラス、車両後方向をマイナスとしている。
この実施形態では、直交座標を、原点を中心として第1象限〜第4象限に対応する4つの区分領域に切り分けており、減速度方向区分判定手段24においては、以下の表1に示すように原点に作用する車両の減速度のベクトルがどの区分領域(象限)に向かっているかを判定している。なお、以下の説明においては、各区分領域を対応する象限で呼んで区別するものとする。
Figure 0004902388
また、作動判定手段25は、検出結果と作動条件として、例えば、図4に対応する以下の表2のようものを採用することができる。なお、図4(a),(b)の各閾値線を越える各斜線領域は、右側座席と左側座席の各シートベルト装置1の作動条件を満たす領域であり、作動判定手段25においては、直交座標の原点位置に作用する車両の減速度ベクトルがこれらの斜線領域内に入る場合に各象限(区分領域)毎の作動条件を満たすものと判定する。
表2において、Gは、車両に作用する減速度を、Gyは車両に作用する減速度Gの横方向(左右方向)成分を夫々示し、a,−b,c,a´,b´,c´は、図4(a),(b)中の座標軸と交わる各閾値線上の点の値を示す。また、「運転席条件」とは右座席でのシートベルト装置1の作動条件を意味し、「助手席条件」とは左座席でのシートベルト装置1の作動条件を意味する。
Figure 0004902388
表2中の作動条件について説明すると、右座席の第1象限と左座席の第2象限において、車両に作用する減速度Gの絶対値を比較的大きな閾値a,a´と比較しているのは、各座席のこれらの象限の方向ではウェビング5の拘束位置が充分に高いうえにドアトリム等による拘束も受け易いためである。これに対し、右座席の第2象限と左座席の第1象限において、車両に作用する減速度Gの絶対値を比較的小さな閾値c,c´と比較しているのは、各座席のこれらの象限の方向ではウェビング5による拘束位置が低く、乗員の肩部が拘束されにくいためである。また、右座席の第3象限と左座席の第4象限において、絶対値の比較的大きい閾値−b,b´と車両に作用する減速度Gの横方向成分Gyとを比較しているのは、車体後方側への乗員の上体移動はシートバックによって拘束できるものの、車両旋回時等に乗員の上体が横方向に移動する場合が考えられるためである。そして、右座席の第4象限と左座席の第3象限において作動条件を設けないのは、車体後方側への乗員の上体移動はシートバックによって拘束できるうえ、車両旋回時等における乗員の上体移動はドアトリム等によって拘束されるためである。
以下、このシートベルト装置1で行われる制御を、図5に示すフローチャートに沿って説明する。なお、このフローチャートで示す制御は、右側座席のシートベルト装置1についてのものであるが、左側座席についても、作動条件が表2のように異なるだけで右側座席のものとほぼ同様に行われる。
まず、ステップS100においては、車両走行中に車両に減速度Gが発生しているかどうかを判定し、減速度Gが発生していないものと判定した場合にはリターンし、発生しているものと判定した場合にはステップS101へと進む。
ステップS101においては、減速度区分領域の判定を行い、減速度ベクトルの向きが第1〜第4象限のいずれを向いているかを判定する。そして、このとき減速度ベクトルの向きが第1象限を向くものと判定したときにはステップS102に進み、第2象限に向くものと判定したときにはステップS103、第3象限に向くものと判定したときにはステップS104へと夫々進み、第4象限に向くものと判定したときにはリターンする。
ステップS102,S103,S104においては、検出した減速度が各象限に対応する作動条件(表2参照)を満たすかどうかの判定を行い、条件を満たさないと判定した場合にはリターンし、条件を満たすものと判定した場合にはステップS105に進んで、モータ10の作動によるベルトリール12の巻取り位置の制御を実行する。ここでの巻取り位置は、常に一定であっても、車両の走行状態に応じて変更されるようにしても良い。
以上のように、このシートベルト装置1においては、車両に作用する減速度の向きを直交座標の各象限に対応させて分類し、各象限に応じた作動条件と検出した減速度を比較して、ベルトリール12の巻取り位置(ウェビング5の巻取り量)の変更を行うかどうかを決定するため、コントローラ18での演算を簡素化しつつも減速度に応じた適切な乗員拘束を行うことができる。
また、このシートベルト装置1では、各象限毎の作動条件を、減速度の向きと乗員拘束の必要度の関係に応じて左右の座席毎に個別に設定しているため、夫々の座席において最適な乗員拘束特性を得ることができる。
以下の表3は、前後加速度センサと舵角センサの検出結果を用いて加速度の向く象限(区分領域)を判別する参考例の判別表である
Figure 0004902388
また、表4は、前後加速度センサと舵角センサを用いた場合における右側座席と左側座席の各シートベルト装置の各象限毎の作動条件を示す表であり、同表に示す各条件と前後減速度G、車速V、舵角θを比較することによって各象限毎にシートベルト装置の作動を判定することができる。
Figure 0004902388
また、上記の例では、車両の前後方向の減速度を前後加速度センサで検出するようにしているが、車速の変化や、アクセルやブレーキの操作を基にして車両の前後方向の加速度を推定するようにしても良い。
さらに、上記の実施形態においては、シートベルト装置をまったく作動させない象限を除けば作動条件を各象限毎に1つ設けるようにしているが、各象限の作動条件を2段以上に設定し、各段に対応させてシートベルト装置の作動態様(例えば、ベルトリールの巻取り量)を別に設定するようにしても良い。
図6は、各象限の作動条件を2段に設定した実施形態の制御を示すフローチャートである。以下、この実施形態の制御を、図6のフローチャートに沿って説明するが、各象限に対応する作動条件は以下の表5に示すように設定されている。なお、助手席側のシートベルト装置は、表5に示すように作動条件が運転席側と異なるだけでほぼ同様の制御が行われるため、以下において運転席側の制御についてのみ説明するものとする。
Figure 0004902388
ステップS200においては、車両走行中に車両に減速度Gが発生しているかどうかを判定し、減速度Gが発生していないものと判定した場合にはリターンし、発生しているものと判定した場合にはステップS201へと進む。
ステップS201においては、減速度区分領域の判定を行い、減速度ベクトルの向きが第1〜第4象限のいずれを向いているかを判定する。このとき、減速度ベクトルの向きが第1象限を向くものと判定したときにはステップS202に進み、第2象限に向くものと判定したときにはステップS203、第3象限に向くものと判定したときにはステップS204へと夫々進み、第4象限に向くものと判定したときにはリターンする。
ステップS202においては、減速度Gの絶対値が第1段の閾値aよりも大きいかどうかを判定し、大きいものと判定した場合にはステップS205に進み、大きくないものと判定した場合にはリターンする。
同様に、ステップS203においては、減速度Gの絶対値が第1段の閾値cよりも大きいかどうかを判定し、大きいものと判定した場合にはステップS206に進み、大きくないものと判定した場合にはリターンする。
また、ステップS204においては、減速度Gの横方向成分Gyが第1段の閾値−bよりも小さいかどうかを判定し、小さいものと判定した場合にはステップS207に進み、小さくないものと判定した場合にはリターンする。
ステップS205においては、減速度Gの絶対値が第1象限に対応する第2段の閾値dよりも大きいかどうかを判定し、ステップS206においては、減速度Gの絶対値が第2象限に対応する第2段の閾値fよりも大きいかどうか、ステップS207においては、減速度Gの横方向成分Gyが第3象限に対応する第2段の閾値−eよりも小さいかどうかを夫々判定する。
ステップS205で閾値dよりも大きいものと判定した場合には、ステップS208に進み、同ステップS208において、巻取り量の大きい第2の位置を目標位置としたベルトリールの巻取り制御を実行する。また、ステップS205で閾値dよりも大きくないものと判定した場合には、ステップS209に進み、同ステップS209において、巻取り量の小さい第1の位置を目標位置としたベルトリールの巻取り制御を実行する。
同様に、ステップS206で閾値fよりも大きいものと判定した場合には、ステップS208に進で第2の位置を目標位置としたベルトリールの巻取り制御を実行し、閾値fよりも大きくないものと判定した場合には、ステップS209に進んで第1の位置を目標位置としたベルトリールの巻取り制御を実行する。
ステップS207で閾値−eよりも小さいものと判定した場合には、ステップS208に進んで第2の位置を目標位置としたベルトリールの巻取り制御を実行し、閾値−eよりも大きくないものと判定した場合には、ステップS209に進んで第1の位置を目標位置としたベルトリールの巻取り制御を実行する。
以上のように、この実施形態においては、各象限における作動条件を2段に設定して減速度の大きさに応じてベルトリールの巻取り位置を多段に制御できるため、車両の走行状態等に応じてウェビングによる乗員拘束をよりきめ細かく行うことができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
この発明の一実施形態を示すシートベルト装置の全体概略構成図。 同実施形態のシートベルト装置のコントローラを中心とする概略構成図。 同実施形態を説明するものであり、車両室内を正面から見た図。 同実施形態の区分領域を説明するものであり、右側座席に対応する減速度ベクトルの座標図(a)と、左側座席に対応する減速度ベクトルの座標図(b)。 同実施形態の制御を示すフローチャート。 この発明の他の実施形態の制御を示すフローチャート。
符号の説明
1…シートベルト装置(乗員拘束装置)
5…ウェビング
10…モータ(乗員拘束手段)
12…ベルトリール(乗員拘束手段)
14…回転センサ(巻取り位置検出手段)
19…前後加速度センサ(減速度検出手段)
20…横加速度センサ(減速度検出手段)
22…前後減速度検出部(減速度検出手段)
23…横減速度検出部(減速度検出手段)
24…減速度方向区分判定手段
25…作動判定手段
26…モータ制御手段(乗員拘束手段)
27…巻取り位置検出部(巻取り位置検出手段,乗員拘束手段)

Claims (7)

  1. ベルトリールから引き出されたウェビングによって車室側壁側の上下の2点と、車体内側寄りのシート下方の1点で乗員を拘束する乗員拘束装置であって、車両に作用する減速度に応じて乗員拘束手段によって前記ウェビングを引き込むものにおいて、
    車両に作用する減速度を検出する減速度検出手段と、
    車両に作用する減速度が直交座標の原点に作用すると仮定したときに、前記減速度が、座標上を原点を中心に前後左右で90°毎に切り分けた4つの区分領域のうちのどの領域に向いているかを判定する減速度方向区分判定手段と、
    前記座標上の区分領域毎に作動条件を規定し、前記減速度方向区分判定手段で判定された区分領域の作動条件と前記減速度検出手段の検出結果とを比較して、その検出結果が対応する区分領域の作動条件を満たしているかどうかを判定する作動判定手段と、を備え、
    前記作動判定手段が作動条件を満たしていると判定したときに前記乗員拘束手段を作動させ
    前記減速度方向区分判定手段で判定される区分領域のうちの、車両前方かつ車幅方向内側の領域では、車両前方かつ車幅方向外側の領域よりも、前記作動判定手段で用いる作動条件を低く設定したことを特徴とする車両の乗員拘束装置。
  2. 前記減速度方向区分判定手段で判定される区分領域のうちの、車両後方かつ車幅方向内側の領域では、車両に作用する減速度の横方向成分の絶対値が閾値を超えるか否かを作動条件とし、
    前記減速度方向区分判定手段で判定される区分領域のうちの、車両後方かつ車幅方向外側の領域では、常に作動しない作動条件に設定したことを特徴とする請求項1に記載の車両の乗員拘束装置。
  3. 前記区分領域毎の作動条件は、車両の各座席毎に個別に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両の乗員拘束装置。
  4. 前記乗員拘束手段は、繰り返し作動が可能な可逆式の乗員拘束手段であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の乗員拘束装置。
  5. 前記座標上の区分領域毎に規定される作動条件は複数段設定され、
    前記乗員拘束手段は、前記各段の作動条件に対応して複数の作動態様を持つことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の乗員拘束装置。
  6. 前記拘束手段は、
    ウェビングを巻回するベルトリールと、
    このベルトリールに駆動力を伝達して前記ウェビングの巻取りを行うモータと、
    前記ベルトリールの巻取り位置を検出する巻取り位置検出手段と、
    前記モータへの通電量を制御するモータ制御手段と、を備え、
    前記モータ制御手段は、前記巻取り位置検出手段の検出結果を基にして前記ベルトリールを目標巻取り位置に保持する保持制御モードを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の乗員拘束装置。
  7. 前記目標巻取り位置が複数段設定されるとともに、
    前記座標上の区分領域毎に規定される作動条件が複数段設定され、
    この各作動条件を満たすときに、前記ベルトリールを対応する段の目標巻取り位置に保持するように前記モータが制御されることを特徴とする請求項6に記載の車両の乗員拘束装置。
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