JP4900431B2 - プロジェクタ、およびプロジェクタの制御方法 - Google Patents
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Description
このようなプロジェクタでは、長時間に亘り使用した場合、光源装置からの発熱、および光源装置から射出された光束の一部を吸収することによる電気光学装置の発熱等により、プロジェクタ内部が高温化しやすい。そして、特許文献1に記載のプロジェクタでは、制御部を備え、該制御部は、プロジェクタ内部の温度を検出し、該温度が上昇し異常状態であると判定した場合にプロジェクタの駆動を停止する、すなわち、電源を切る制御を実施する。
したがって、内部温度の上昇を抑制し、利便性の向上が図れるプロジェクタの開発が望まれている。
また、電気光学装置の光透過率または光反射率の最下限値を設定し、設定した最下限値、および電気光学装置の光透過率または光反射率の最高値に基づいて階調−光透過率特性または階調−光反射率特性を変更するとは、例えば、画像情報に対して階調変換処理を施し、画像情報の低階調領域における電気光学装置の光透過率または光反射率を変更する処理を採用できる。また、この処理に限らず、電気光学装置を駆動する際の駆動電圧に対して所定のオフセット電圧を加算し、電気光学装置に加わる駆動電圧を高電圧側にシフトさせて、画像情報の低階調領域における電気光学装置の光透過率または光反射率を変更する処理を採用してもよい。
本発明では、プロジェクタを構成する電気光学装置駆動制御部は、特性変更部を含んで構成される。そして、特性変更部は、温度検出部にて検出された検出温度に基づいて電気光学装置の光透過率または光反射率の最下限値を設定し、設定した最下限値、および電気光学装置の光透過率または光反射率の最高値に基づいて階調−光透過率特性または階調−光反射率特性を変更する。このことにより、温度検出部にて検出された検出温度に基づいて、例えば、画像情報に対して階調変換処理を施し、画像情報の低階調領域における電気光学装置の光透過率または光反射率を向上させて電気光学装置における階調−光透過率特性または階調−光反射率特性を変更することで、電気光学装置にて吸収する光束を低減させ、電気光学装置の発熱量を低減させることができる。したがって、電気光学装置の温度を低減することが可能となり、プロジェクタ内部の温度上昇を抑制可能となる。また、このことにより、プロジェクタ内部の温度が高温化して異常状態となることを回避可能となり、内部温度が異常状態となった場合に電源を切る制御を実施する必要がなく、すなわち、投射画面がいきなり消えることがないので、プロジェクタの利便性の向上を図れる。
また、光源装置として例えば発光ダイオード素子を採用した場合であっても、例えば光源装置の駆動時間の経過に伴う該光源装置の温度の上昇に応じて、すなわち、光源装置の輝度の低下に応じて、上述した特性変更部による階調−光透過率特性または階調−光反射率特性を変更させるように制御すれば、光源装置の輝度の低下に応じて電気光学装置の光透過率または光反射率を向上させることで光学像の輝度の低下を抑制することが可能となる。
ここで、各階調−光透過率特性または各階調−光反射率特性が実質的に等しくなるとは、各階調−光透過率特性曲線または各階調−光反射率特性曲線が、同一形状または相似形状を有することを意味する。
本発明では、光源装置は、複数の色光をそれぞれ射出可能に複数で構成される。また、温度検出部は、複数の光源装置に対応して複数で構成される。さらに、電気光学装置は、複数の光源装置に対応して複数で構成される。そして、特性変更部は、複数の温度検出部にて検出された検出温度に基づいて複数の色光に対応する画像情報に所定の処理を施し、複数の電気光学装置同士で各階調−光透過率特性または各階調−光反射率特性が実質的に等しくなるように変更する。このことにより、特性変更部にて各階調−光透過率特性または各階調−光反射率特性を変更した場合であっても、各階調−光透過率特性または各階調−光反射率特性にしたがって各電気光学装置にて形成される各光学像の色合いを良好にすることが可能となり、色合成光学装置にて合成された光学像を投射光学装置にて拡大投射することで色むらのない良好な光学像を投影することが可能となる。
ここで、各階調−光透過率特性または各階調−光反射率特性が実質的に異なるとは、各階調−光透過率特性曲線または各階調−光反射率特性曲線が、同一形状または相似形状を有しないことを意味する。
本発明では、光源装置は、複数の色光をそれぞれ射出可能に複数で構成される。また、温度検出部は、複数の光源装置に対応して複数で構成される。さらに、電気光学装置は、複数の光源装置に対応して複数で構成される。そして、特性変更部は、複数の温度検出部にて検出された検出温度に基づいて複数の色光に対応する画像情報に所定の処理を施し、複数の電気光学装置同士で各階調−光透過率特性または各階調−光反射率特性が実質的に異なるように変更する。このことにより、複数の光源装置として例えば複数の発光ダイオード素子を採用し、各光源装置の駆動時の発熱量が異なり、各光源装置の温度が異なる場合、すなわち、各光源装置の輝度が異なる場合であっても、各光源装置の温度に応じて複数の電気光源装置同士で各階調−光透過率特性または各階調−光反射率特性を実質的に異なるように変更することで、各光源装置の異なる輝度に対応させて各電気光学装置に光学像を形成させることが可能となり、色合成光学装置にて合成された光学像の色バランスを良好にすることが可能となる。したがって、色合成光学装置にて合成された光学像を投射光学装置にて拡大投射することで色むらのない良好な光学像を投影することが可能となる。
ここで、固体発光素子としては、例えば、発光ダイオード素子、半導体レーザ等が例示できる。
本発明によれば、光源装置が固体発光素子を含んで構成されているので、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等の光源装置と比較して、駆動時の発熱量が小さくて済み、光源装置の温度上昇をさらに抑制可能な構成となり、プロジェクタ内部の温度上昇をさらに抑制可能とする。また、駆動時の消費電力が小さくて済む。さらに、光源装置の間欠点灯制御を容易に実施することが可能な構成となる。さらにまた、光源装置の小型化および軽量化を図れる。
本発明によれば、プロジェクタの制御方法は、温度検出ステップと、特性変更ステップとを備え、特性変更ステップでは、温度検出ステップにて検出された検出温度に基づいて電気光学装置の光透過率または光反射率の最下限値を設定し、この設定した最下限値と電気光学装置の光透過率または光反射率の最高値とに基づいて階調−光透過率特性または階調−光反射率特性を変更するので、上述したプロジェクタと同様の作用・効果を享受できる。
〔プロジェクタの構成〕
図1は、本実施形態に係るプロジェクタ1の概略構成を模式的に示す図である。
プロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン上に拡大投射するものである。このプロジェクタ1は、光源装置2と、3つの偏光変換装置3と、3つの電気光学装置4と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム5と、投射光学装置としての投射レンズ6と、ここでは図示しない制御装置とを備える。
これらLEDモジュール2R,2G,2Bは、略同様の構成であり、具体的な図示は省略するが、Si基板上に固体発光素子である複数のLED素子が配列形成されている。なお、LEDモジュール2R,2G,2Bを構成するLED素子は、結晶の種類および添加物等が異なるように形成されたものであり、それぞれR色光、G色光、B色光を発する。また、これらLEDモジュール2R,2G,2Bには、後述する制御装置からの制御指令に応じて前記各LED素子に駆動電圧を印加する光源駆動回路が形成されている。
なお、本実施形態では、温度検出センサ20を各LEDモジュール2R,2G,2Bにそれぞれ接するように設けているが、勿論、温度検出センサ20を設ける位置はこれに限らず、LEDモジュール2R,2G,2Bの近傍であればいずれの位置に設けても構わない。
これら偏光変換装置3R,3G,3Bは、図示を略したが、照明光軸に対して傾斜配置される偏光分離膜および反射ミラーを交互に配列した構成を具備する。偏光分離膜は、各色光に含まれるP偏光光束およびS偏光光束のうち、一方の偏光光束を透過し、他方の偏光光束を反射する。反射された他方の偏光光束は、反射ミラーによって曲折され、一方の偏光光束の射出方向、すなわち照明光軸に沿った方向に射出される。射出された偏光光束のいずれかは、偏光変換装置3R,3G,3Bの光束射出面に設けられる位相差板によって偏光変換され、略全ての偏光光束の偏光方向が揃えられる。このような偏光変換装置3R,3G,3Bを用いることにより、光源装置2から射出される光束を、略一方向の偏光光束に揃えることができるため、電気光学装置4で利用する光源光の利用率を向上することができる。
本実施形態では、偏光変換装置3R,3BはR色光用LEDモジュール2RおよびB色光用LEDモジュール2Bから射出されるR,B色光をP偏光光束に揃えて射出し、偏光変換装置3GはG色光用LEDモジュール2Gから射出される色光をS偏光光束に揃えて射出する。
入射側偏光板41R,41G,41Bは、偏光変換装置3で偏光方向が略一方向に揃えられた各色光が入射され、入射された光束のうち、偏光変換装置3で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。すなわち、入射側偏光板41R,41Bは偏光変換装置3R,3Bから射出されるP偏光光束を透過させ、入射側偏光板41Gは偏光変換装置3Gから射出されるS偏光光束を透過させる。これら入射側偏光板41R,41G,41Bは、例えば、サファイアガラスまたは水晶等の基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。
液晶パネルモジュール42R,42G,42Bは、具体的な図示は省略するが、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入した液晶パネルと、後述する制御装置から出力される画像信号を入力し、前記液晶パネルに画像に応じた所定の駆動電圧を前記液晶パネルに印加する液晶パネル駆動用IC(Integrated Circuit)とで構成されている。そして、液晶パネルモジュール42R,42G,42Bは、例えば、前記液晶パネル駆動用ICから与えられた駆動電圧にしたがって、前記液晶パネルの液晶の配向状態が制御され、入射側偏光板41R,41G,41Bから射出された偏光光束の偏光方向を変調する。
そして、光源装置2から射出された光束の光量に対する、電気光学装置4を透過した光束の光量の比率によって前記光透過率が規定される。
投射レンズ6は、クロスダイクロイックプリズム5にて形成したカラー画像をスクリーン100上に拡大投射するものであり、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成され、鏡筒内に収納されている。
図2は、制御装置7による光源装置2および電気光学装置4の制御構造を示すブロック図である。
制御装置7は、LEDモジュール2R,2G,2Bの間欠点灯制御を実施するとともに、外部機器から入力した画像信号に対して所定の処理を施し、この処理を施した画像信号に応じて液晶パネルモジュール42R,42G,42Bを駆動制御する。この制御装置7は、図2に示すように、映像信号入力部71と、制御部72と、記憶部73とを備える。
第1入力部711は、パーソナルコンピュータから出力された複数の画像信号が与えられる部分であり、図2に示すように、第1ビデオセレクタ711Aと、ADC(Analog to Digital Converter)711Bとを備える。
第1ビデオセレクタ711Aは、制御部72から与えられる選択信号に応じて、入力した複数の画像信号のうちの1つを選択して出力する。この第1ビデオセレクタ711Aから出力される画像信号には、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のアナログ画像信号と、水平同期信号および垂直同期信号とが含まれている。このような画像信号は、コンポーネント信号と呼ばれる。
ADC711Bは、第1ビデオセレクタ711Aから出力される3つのアナログ画像信号を該ADC711B内のAD変換回路によってそれぞれデジタル画像信号に変換する。そして、このデジタル画像信号は、制御部72を介して記憶部73に一時的に記録される。なお、この記録されるデジタル画像信号は、ADC711Bから出力されるデジタル画像信号に応じて順次書き換えられる。
第2ビデオセレクタ712Aは、制御部72から与えられる選択信号に応じて、入力した複数のビデオ信号のうちの1つを選択して出力する。これらのビデオ信号は、輝度信号と色信号と同期信号とが重畳された画像信号で、コンポジット信号と呼ばれる。
ビデオデコーダ712Bは、第2ビデオセレクタ712Aから出力されるコンポジット信号から水平同期信号および垂直同期信号を分離するとともに、R,G,Bの3つのデジタル画像信号に変換する。そして、このデジタル画像信号は、制御部72を介して記憶部73に一時的に記録される。なお、この記録されるデジタル画像信号は、ビデオデコーダ712Bから出力されるデジタル画像信号に応じて順次書き換えられる。
センサ信号受付部721は、R,G,B色光用の各温度検出センサ20R,20G,20Bで検出された各温度センサ信号を受け付ける部分であり、これらの温度検出センサ20R,20G,20Bで検出された各温度センサ信号は、デジタル信号に変換されてセンサ信号受付部721で受け付けられる。そして、センサ信号受付部721は、各温度検出センサ20R,20G,20Bで検出された各温度に対応するデジタル信号を光源駆動制御部722および電気光学装置駆動制御部723に出力する。
デューティ比制御部722Aは、各LEDモジュール2R,2G,2Bを構成する各光源駆動回路に所定の制御指令を出力し、各光源駆動回路に所定のデューティ比を有する駆動信号を各LEDモジュール2R,2G,2Bを構成する各LED素子に出力させ、各LED素子を所定のデューティ比(単位時間当りの消灯時間に対する単位時間当りの点灯時間の比率)で間欠点灯させる。また、デューティ比制御部722Aは、センサ信号受付部721で受け付けられた各温度センサ信号に対応する各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度と、記憶部73に記憶された情報とに基づいて、各光源駆動回路から出力される各駆動信号のデューティ比を同様に変更させるデューティ比制御を実施する。このデューティ比制御部722Aは、具体的には後述するが、制御状態切替部722Bからの制御指令にしたがって、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度の上昇に応じて前記駆動信号のデューティ比を増加させるデューティ比増加制御と、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度に応じて前記駆動信号のデューティ比を一旦低く変更するとともに、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度の下降に応じて前記変更したデューティ比を徐々に増加させるデューティ比抑制制御とを実施する。
制御状態切替部722Bは、記憶部73に記憶された情報にしたがって、センサ信号受付部721で受け付けられた温度センサ信号に対応する各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度のうちの一番高い温度が所定の温度範囲内にある場合に、デューティ比制御部722Aによる制御状態をデューティ比増加制御からデューティ比抑制制御に切り替える。
画像処理部723Aは、映像信号入力部71から出力されるデジタル画像信号に対して拡大・縮小等の画像サイズ調整処理、台形歪補正処理、画質調整処理、ガンマ補正処理等を実施する。そして、画像処理部723Aは、処理を施した画像に対応する画像信号を特性変更部723Bに出力する。
図3において、横軸は特性変更部723Bに入力した画像信号の階調値であり、縦軸は電気光学装置4の光透過率である。そして、階調−光透過率特性曲線CSは、電気光学装置4固有の階調−光透過率特性曲線である。
特性変更部723Bは、図3に示すように、センサ信号受付部721で受け付けられた各温度センサ信号に対応する各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度に基づいて電気光学装置4の光透過率の最下限値LSをL1またはL2に設定する。そして、設定した最下限値L1またはL2、および電気光学装置4の光透過率の最高値Hに基づいて階調−光透過率特性曲線CSを階調−光透過率特性曲線C1またはC2に変更する。
すなわち、特性変更部723Bは、図3に示すように、画像処理部723Aから出力される画像信号に対して階調変換処理を実施し、例えば低階調領域Aにおける電気光学装置4の光透過率を向上させる。
図3では、特性変更部723Bが2つの最下限値L1,L2をそれぞれ設定し、この最下限値L1,L2に対応する2つの階調−光透過率特性曲線C1,C2にそれぞれ変更するように図示されているが、本実施形態では、特性変更部723Bは3つ以上の最下限値をそれぞれ設定し、これら最下限値に対応する3つ以上の階調−光透過率特性曲線にそれぞれ変更するものとする。なお、これに限らず、特性変更部723Bが1つまたは2つの最下限値を設定し、設定した最下限値に対応する1つまたは2つの階調−光透過率特性曲線に変更する構成としてもよい。
フレームメモリ731は、書換可能であるSRAM(Static Random Access Memory)等で構成され、上述したように外部機器から出力され、映像信号入力部71を介したデジタル画像信号を記録する。このように、外部機器から出力される画像信号は、このフレームメモリ731に一時的に記録され、この記録された画像信号に基づいて制御部72の電気光学装置駆動制御部723が所定の処理を施し、施した画像信号に基づいて液晶パネルモジュール42R,42G,42Bを駆動制御している。
デューティ比制御データ記憶部732は、書換可能であるSRAM等で構成され、光源駆動制御部722によるデューティ比制御に関する情報がテーブルT1,T2,T3上に記憶されている。
ここで、テーブルT1は、図4(A)に示すように、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度に対するデューティ比が設定されたテーブルとして構成されている。このテーブルT1は、デューティ比制御部722Aがデューティ比増加制御を実施する際に用いられるものであり、図4(A)では具体的な数値で表していないが、温度A,温度B・・・とLEDモジュール2R,2G,2Bにおける温度の上昇に応じて、デューティ比が増加するように設定されている。
ここで、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度のうちの一番高い温度が第1温度閾値としての温度閾値1を超えた時点が、デューティ比制御部722Aによるデューティ比増加制御をデューティ比抑制制御に切り替えるタイミングとなる。また、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度のうちの一番高い温度が第2温度閾値としての温度閾値2以下となった時点が、デューティ比制御部722Aによるデューティ比抑制制御をデューティ比増加制御に切り替えるタイミングとなる。
デューティ比増加制御を実施する際に用いられるテーブルT1には、図5に示すように、温度の上昇に応じて、デューティ比が増加する(単位時間当りの点灯時間が長くなる)ように設定された情報が記憶されている。
一方、デューティ比抑制制御を実施する際に用いられるテーブルT2には、温度閾値1に対応するデューティ比が、テーブルT1における温度閾値1に対応するデューティ比に比較して、低く設定され、温度の下降に応じて、前記低く設定されたデューティ比から徐々にデューティ比が増加する(単位時間当りの点灯時間を長くする)ように設定された情報が記憶されている。
すなわち、テーブルT1,T2は、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度に対するデューティ比の相関関係が逆に設定されており、図5に示すように、テーブルT3にて設定された温度閾値2の温度でテーブルT1,T2におけるデューティ比が近接した値となるように設定され、テーブルT3にて設定された温度閾値1の温度でテーブルT1,T2におけるデューティ比が離間した値となるように設定されている。
この階調−光透過率特性データ記憶部733には、図示は省略するが、LEDモジュール2R,2G,2Bの各温度に対応して画像処理部723Aから出力される画像信号の階調を変換する変換テーブルが記憶されている。
なお、前記変換テーブルは、3つの電気光学装置4R,4G,4Bに対応して3つで構成されている。そして、これら変換テーブルは、所定の温度に対応させて例えば階調−光透過率特性曲線CS(図3)を各階調−光透過率特性曲線C1またはC2(図3)に変更し、各階調−光透過率特性曲線C1またはC2にしたがって各電気光学装置4R,4G,4Bにて光学像を形成させた場合に、各光学像が所定の色合いとなるように設定されている。すなわち、所定の温度に対応する各階調−光透過率特性曲線が、同一形状または相似形状となるように変更する。
また、この階調−光透過率特性データ記憶部733には、図示は省略するが、デューティ比制御データ記憶部732におけるデューティ比制御切替テーブルT3と略同様の変更処理テーブルが記憶されている。この変更処理テーブルは、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度のうちの一番高い温度が温度閾値1を超えた時点が、特性変更部723Bにより前記階調−光透過率特性の変更処理を実施するタイミングとなり、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度のうちの一番高い温度が温度閾値2以下となった時点が、前記変更処理を終了するタイミングとなる。
図6は、制御装置7による制御動作を説明するためのフローチャートである。
図7は、制御装置7の制御によるLEDモジュール2R,2G,2Bの温度の推移を示す図である。
図8は、制御装置7の制御によるLEDモジュール2R,2G,2Bを間欠点灯させる際のデューティ比の推移を示す図である。
なお、図6では、LEDモジュール2R,2G,2Bのうち、一番高い温度であるLEDモジュールの温度の推移を示し、同様に、図7でも、LEDモジュール2R,2G,2Bのうち、一番高い温度であるLEDモジュールを間欠点灯させる際のデューティ比の推移を示している。
ユーザによるリモートコントローラ等の入力操作により、プロジェクタ1を起動する旨の信号を制御装置7が入力すると、制御装置7における制御部72の光源駆動制御部722は、各LEDモジュール2R,2G,2Bを構成する各光源駆動回路に所定の制御指令を出力し、各光源駆動回路から各LED素子に所定のデューティ比の駆動信号を出力させる。そして、各LED素子は、駆動信号に応じてON、OFFの間欠点灯を実施する。
また、制御部72の電気光学装置駆動制御部723は、映像信号入力部71を介して外部機器から入力し記憶部73のフレームメモリ731に記憶する画像信号を適宜読み出して、読み出した画像信号に対して所定の処理を施し、処理を施した画像信号を各液晶パネルモジュール42R,42G,42Bに出力する。そして、各液晶パネルモジュール42R,42G,42Bを構成する各液晶パネル駆動ICは、入力した画像信号に対応する駆動信号を各液晶パネルに出力し、各LED素子から射出された光束を変調する。なお、この状態では、電気光学装置駆動制御部723の特性変更部723Bによる階調−光透過率特性の変更処理は実施されておらず、画像処理部723Aによるガンマ補正処理が施された階調−光透過率特性にしたがって各電気光学装置4R,4G,4Bにて各光学像が形成される。
このような状態において、各温度検出センサ20R,20G,20Bは、各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度を検出する(処理S1:温度検出ステップ)。そして、各温度検出センサ20R,20G,20Bは、検出した各温度に対応する各温度センサ信号を制御装置7に出力する。なお、各温度検出センサ20R,20G,20Bは、例えば、所定時間毎に各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度を検出し、検出した温度に対応する各温度センサ信号を逐次、制御装置7に出力するものとする。
制御装置7の制御部72は、センサ信号受付部721を介して逐次、各温度センサ信号を入力し、各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度を認識する。光源駆動制御部722のデューティ比制御部722Aは、記憶部73のデューティ比制御データ記憶部732に記憶されたデューティ比増加制御テーブルT1を参照して、認識した温度のうち一番高い温度に対応するデューティ比をそれぞれ算定する。そして、デューティ比制御部722Aは、算定した各デューティ比にて各LEDモジュール2R,2G,2Bを間欠点灯制御する。
ここで、処理S3において、「N」と判定した場合、すなわち、認識した各温度のうちのいずれの温度も温度閾値1を超えていないと判定した場合には、上述したデューティ比増加制御(処理S2)を継続して実施する。デューティ比制御部722Aは、デューティ比増加制御(処理S2)を繰り返し実施することで、デューティ比増加制御テーブルT1にしたがって、図8に示すように、認識した各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度の上昇に応じて各LEDモジュール2R,2G,2Bを間欠点灯させる際の各デューティ比を徐々に増加させ、すなわち、単位時間当りの点灯時間を徐々に長くしている。そして、各LEDモジュール2R,2G,2Bを間欠点灯させる際の単位時間当りの点灯時間を徐々に長くすることで、図7に示すように、各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度はさらに上昇する。
処理S4の後、デューティ比制御部722Aは、制御状態切替部722Bからの制御指令にしたがって、以下に示すように、各LEDモジュール2R,2G,2Bのデューティ比抑制制御を実施する(処理S5:デューティ比抑制制御ステップ)。
デューティ比制御部722Aは、記憶部73のデューティ比制御データ記憶部732に記憶されたデューティ比抑制制御テーブルT2を参照して、各LEDモジュール2R,2G,2Bのうちの温度閾値1を超える高い温度に対応するデューティ比をそれぞれ算定する。そして、デューティ比制御部722Aは、算定した各デューティ比にて各LEDモジュール2R,2G,2Bを間欠点灯制御する。
このように、デューティ比増加制御(処理S2)からデューティ比抑制制御(処理S5)に切り替えると、図8に示すように、各LEDモジュール2R,2G,2Bを間欠点灯制御する際のデューティ比が低く変更され、すなわち、単位時間当りの点灯時間が短くなる。このため、図7に示すように、各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度が低減していく。
特性変更部723Bは、記憶部73の階調−光透過率特性データ記憶部733に記憶された変換テーブルを参照し、各LEDモジュール2R,2G,2Bのうちの温度閾値1を超える高い温度に基づいて、電気光学装置4R,4G,4Bにおける光透過率の最下限値が高くなるように、画像処理部723Aから出力される画像信号に対して階調変換処理を施し、階調−光透過率特性曲線をそれぞれ変更する。例えば、図3を参照して説明すると、特性変更部723Bは、電気光学装置4R,4G,4Bにおける光透過率の最下限値LSが最下限値L1となるように、画像処理部723Aから出力される画像信号に対して階調変換処理を施し、階調−光透過率特性曲線CSを階調−光透過率特性曲線C1に変更する。
そして、特性変更部723Bによる階調−光透過率特性の変更処理が実施された後の画像信号を各液晶パネルモジュール42R,42G,42Bに出力し、各液晶パネルモジュール42R,42G,42Bは変更された各階調−光透過率特性にしたがって光学像をそれぞれ形成する。
デューティ比制御部722Aは、記憶部73に記憶されたデューティ比抑制制御テーブルT2にしたがってデューティ比抑制制御(処理S5)を繰り返し実施することで、図8に示すように、認識した各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度の下降に応じて、一旦、低く変更したデューティ比を徐々に増加させ、すなわち、各LEDモジュール2R,2G,2Bを間欠点灯させる際の単位時間当りの点灯時間を徐々に長くしている。
また、特性変更部723Bは、記憶部73に記憶された変換テーブルにしたがって階調−光透過率特性の変更処理(処理S6)を繰り返し実施することで、認識した各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度の下降に応じて電気光学装置4R,4G,4Bにおける光透過率の最下限値が小さくなるように、各階調−光透過率特性曲線を変更する。例えば、図3を参照して説明すると、特性変更部723Bは、光透過率の最下限値L1を最下限値L2となるように、階調変換処理を実施し、階調−光透過率特性曲線C1を階調−光透過率特性曲線C2に変更する。
そして、デューティ比制御部722Aは、上述したデューティ比増加制御(処理S2)と同様に、LEDモジュール2R,2G,2Bのデューティ比増加制御を実施する(処理S9)。
また、特性変更部723Bは、画像処理部723Aから出力される画像信号に対して階調変換処理を実施することを停止する(処理S10)。そして、各液晶パネルモジュール42R,42G,42Bは、画像処理部723Aによるガンマ補正処理が施された階調−光透過率特性曲線にしたがって各光学像を形成する。
上述したデューティ比増加制御(処理S2)と同様に、デューティ比増加制御(処理S9)を実施することで、図7に示すように、再度各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度が上昇する。このように、本実施形態では、プロジェクタ1の駆動時には、上述した処理S1〜処理S10を繰り返し実施する。
本実施形態では、デューティ比制御部722Aは、温度検出センサ20にて検出されたLEDモジュール2R,2G,2Bの温度が温度閾値1を超える前、および、温度閾値2以下となった後は、デューティ比増加制御を実施するので、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度上昇に応じてLEDモジュール2R,2G,2Bの単位時間当りの点灯時間を徐々に長くし、LEDモジュール2R,2G,2Bの駆動時間の経過に応じた輝度の低下を回避でき、視認性の良好な光学像を投影できる。
また、特性変更部723Bは、温度検出センサ20にて検出されたLEDモジュール2R,2G,2Bの温度に基づいて電気光学装置4R,4G,4B同士で各階調−光透過率特性が実質的に等しくなるように各階調−光透過率特性を変更するので、各階調−光透過率特性にしたがって各電気光学装置4R,4G,4Bにて形成される各光学像の色合いを良好にすることができ、クロスダイクロイックプリズム5にて合成された光学像を投射レンズ6にて拡大投射することで色むらのない良好な光学像を投影することができる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
以下の説明では、前記第1実施形態と同様の構造および同一部材には同一符号を付して、その詳細な説明は省略または簡略化する。
前記第1実施形態では、光源駆動制御部722は、各LEDモジュール2R,2G,2Bから射出される各色光が所定の色合いとなるように、各LEDモジュール2R,2G,2Bを間欠点灯させる際の各デューティ比を所定の比率にして各LEDモジュール2R,2G,2Bのデューティ比制御を実施している。また、電気光学装置駆動制御部723は、各電気光学装置4R,4G,4Bにて形成される各光学像が所定の色合いとなるように各階調−光透過率特性を変更している。すなわち、各デューティ比および各階調−光透過率特性を同様に変更する制御を実施している。
これに対して第2実施形態では、各デューティ比および各階調−光透過率特性をそれぞれ独立して変更する制御を可能とする構成である。
制御装置8は、前記第1実施形態で説明した映像信号入力部71および記憶部73の他、制御部82を備える。
なお、記憶部73を構成するデューティ比制御データ記憶部732には、デューティ比増加制御テーブルT1、デューティ比抑制制御テーブルT2、デューティ比制御切替テーブルT3が記憶されているとともに、後述する光源駆動制御部822により独立デューティ比制御から色合いデューティ比制御に切り替える際の所定のデューティ比閾値が記憶されている。
光源駆動制御部822を構成するデューティ比制御部822Aは、前記第1実施形態で説明したデューティ比制御部722Aと略同様に、制御状態切替部822Bからの制御指令にしたがって、センサ信号受付部721で受け付けられた各温度センサ信号に対応する各LEDモジュール2R,2G,2Bの各温度と記憶部73に記憶された情報(デューティ比増加制御テーブルT1、デューティ比抑制制御テーブルT2)とに基づき各LEDモジュール2R,2G,2Bのデューティ比増加制御およびデューティ比抑制制御を実施する。
また、このデューティ比制御部822Aは、上述したデューティ比増加制御およびデューティ比抑制制御を、各LEDモジュール2R,2G,2Bに対してそれぞれ同時に実施する色合いデューティ比制御と、上述したデューティ比増加制御およびデューティ比抑制制御を、各LEDモジュール2R,2G,2Bに対してそれぞれ個別に実施する独立デューティ比制御とを実施する。
また、この制御状態切替部822Bは、センサ信号受付部721で受け付けられた各温度センサ信号に対応する各LEDモジュール2R,2G,2Bの各温度と記憶部73に記憶されたデューティ比閾値とに基づいて、デューティ比制御部822Aによる制御状態(色合いデューティ比制御、独立デューティ比制御)を切り替える。
特性変更部823Bは、前記第1実施形態で説明した特性変更部823Bと同様に、画像処理部723Aから出力される画像信号に対して階調変換処理を施し、階調−光透過率特性を変更する。ここで、特性変更部823Bは、光源駆動制御部822にてLEDモジュール2R,2G,2Bの独立デューティ比制御が実施されている際、電気光学装置4R,4G,4Bに対応する各階調−光透過率特性を独立して変更する。
図10は、制御装置8による制御動作を説明するためのフローチャートである。
図11は、制御装置8の制御によるLEDモジュール2R,2G,2Bの温度推移の一例を示す図である。なお、図11では、温度の高い順にLEDモジュール2B,2G,2Rとして示しているが、これに限らない。
図12は、制御装置8の制御によるLEDモジュール2R,2G,2Bを間欠点灯させる際のデューティ比の推移を示す図である。なお、図12では、LEDモジュール2R,2G,2Bのうち、一番高い温度であるLEDモジュール、例えば、LEDモジュール2Bを間欠点灯させる際のデューティ比の推移を示している。
プロジェクタ1の起動後は、図11に示すように、プロジェクタ1の駆動時間が経過するにしたがって、各LED素子の点灯により各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度が徐々に上昇していく。このような状態において、前記第1実施形態で説明した処理S1と同様に、各温度検出センサ20R,20G,20Bが各LEDモジュール2R,2G,2Bの各温度を検出する(処理S11:温度検出ステップ)。
光源駆動制御部822は、前記第1実施形態で説明した処理S2と同様に、各LEDモジュール2R,2G,2Bに対して同時にデューティ比増加制御を実施する(処理S12)。
この処理S12では、光源駆動制御部822は、各LEDモジュール2R,2G,2Bに対して所定の比率に設定された各デューティ比で同時にデューティ比増加制御を実施するため、色合いデューティ比制御を実施している。
ここで、処理S13において、「N」と判定した場合、すなわち、LEDモジュール2R,2G,2Bのうちのいずれの温度も温度閾値1を超えていないと判定した場合には、上述したデューティ比増加制御(処理S12)を継続して実施する。
一方、処理S13において、「Y」と判定した場合、すなわち、LEDモジュール2R,2G,2Bのうちの一番高い温度が温度閾値1を超えていると判定した場合には、制御状態切替部822Bは、デューティ比制御部822Aに所定の制御指令を出力し、デューティ比制御部822Aの制御状態を色合いデューティ比制御(処理S12)から独立デューティ比制御に切り替える(処理S14)。
先ず、制御部82は、各LEDモジュール2R,2G,2Bのうち、温度閾値1を超えた温度に対応するLEDモジュールを特定する(処理S15A)。なお、以下では、特定したLEDモジュールをLEDモジュール2Bとする。
そして、デューティ比制御部822Aは、処理S15Aにおいて特定したLEDモジュール2B以外のLEDモジュール2R,2Gに対しては、記憶部73のデューティ比制御データ記憶部732に記憶されたデューティ比増加制御テーブルT1にしたがって、デューティ比増加制御を実施する(処理S15B)。例えば、このデューティ比増加制御(処理S15B)では、LEDモジュール2R,2Gに対応するデューティ比増加制御テーブルT1にしたがって、LEDモジュール2R,2Gのうち一番高い温度に基づいて実施する。このようにLEDモジュール2R,2Gに対してデューティ比増加制御を実施することで、図11に示すように、LEDモジュール2Bの温度が温度閾値1を超えた後も、LEDモジュール2R,2Gの温度は上昇する。
また、特性変更部823Bは、記憶部73の階調−光透過率特性データ記憶部733に記憶された、LEDモジュール2Bに対応する、すなわち、電気光学装置4Bに対応する変換テーブルを参照し、LEDモジュール2Bの温度に基づいて、電気光学装置4Bにおける光透過率の最下限値が高くなるように、画像処理部723Aから出力される電気光学装置4Bに対応する画像信号に対して階調変換処理を施し、電気光学装置4Bに対応する階調−光透過率特性を変更する(処理S15D)。なお、階調−光透過率特性の変更処理は、前記第1実施形態と略同様であるため、詳細な説明を省略する。
前記第1実施形態で説明したように、デューティ比抑制制御(処理S15C)を繰り返し実施することで、図12に示すように、LEDモジュール2Bの温度の下降に応じて、一旦、低く変更したデューティ比を徐々に増加させ、すなわち、LEDモジュール2Bを間欠点灯させる際の単位時間当りの点灯時間を徐々に長くしている。また、階調−光透過率特性の変更処理(処理S15D)を繰り返し実施することで、LEDモジュール2Bの温度の下降に応じて電気光学装置4Bにおける光透過率の最下限値が小さくなるように、階調−光透過率特性曲線を変更する。
処理S16の後、デューティ比制御部822Aは、制御状態切替部822Bからの制御指令にしたがって、以下に示すように、各LEDモジュール2R,2G,2Bの色合いデューティ比制御を実施する(処理S17)。
デューティ比制御部822Aは、LEDモジュール2Bに対しては、上述したデューティ比抑制制御(処理S15C)を継続して実施する。このようにLEDモジュール2Bに対してデューティ比抑制制御を継続して実施することで、図11に示すように、LEDモジュール2Bの温度がさらに低減する。また、LEDモジュール2R,2Gに対しては、記憶部73のデューティ比制御データ記憶部732に記憶されたLEDモジュール2R,2Gに対応するデューティ比抑制制御テーブルT2を参照し、LEDモジュール2Bの温度に基づいて、デューティ比抑制制御を実施する。すなわち、デューティ比制御部822Aは、LEDモジュール2Bの温度に基づいて全てのLEDモジュール2R,2G,2Bのデューティ比抑制制御を実施することで、各LEDモジュール2R,2G,2Bが所定の比率の各デューティ比で間欠点灯し、色合いデューティ比制御を実施している。このようにLEDモジュール2R,2Gに対してデューティ比抑制制御を実施することで、LEDモジュール2R,2Gを間欠点灯制御する際のデューティ比が低く変更され、すなわち、単位時間当りの点灯時間が短くなる。このため、図11に示すように、LEDモジュール2R,2Gの温度は低減していく。
処理S18において、「N」と判定した場合、すなわち、LEDモジュール2Bの温度が温度閾値2以下でないと判定した場合には、上述した色合いデューティ比制御(処理S17)を継続して実施する。
そして、デューティ比制御部822Aは、上述したデューティ比増加制御(処理S12)と同様に、LEDモジュール2R,2G,2Bのデューティ比増加制御を実施する(処理20)。
また、特性変更部823Bは、画像処理部723Aから出力される画像信号に対して階調変換処理を実施することを停止する(処理S21)。
上述したデューティ比増加制御(処理S12)と同様に、デューティ比増加制御(処理S20)を実施することで、図11に示すように、再度各LEDモジュール2R,2G,2Bの温度が上昇する。このように、本実施形態では、プロジェクタ1の駆動時には、上述した処理S11〜処理S21を繰り返し実施する。
前記各実施形態では、光源駆動制御部722,822による光源装置2のデューティ比制御、および電気光学装置駆動制御部723,823による電気光学装置4における階調−光透過率特性の変更制御の双方を実施させる構成としたが、これに限らず、いずれかの制御のみを実施させる構成としても本発明の目的を十分に達成できる。
また、前記第1実施形態では、光源駆動制御部722は、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度が温度閾値1を超えた後にデューティ比抑制制御を実施し、一旦、デューティ比を低く変更してから、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度の下降に応じて前記低く変更したデューティ比を徐々に増加させていたが、これに限らない。例えば、デューティ比抑制制御を実施する際、一旦、デューティ比を低く変更してから、変更したデューティ比にて継続してLEDモジュール2R,2G,2Bを間欠点灯させる制御を実施する構成としてもよい。
以上のような制御を実施している際、LEDモジュール2R,2G,2Bの温度の上昇または下降に応じて、特性変更部723B,823Bが階調−光透過率特性の変更処理を実施する構成を採用してもよい。
また、階調−光透過率特性の変更を、ガンマ補正処理を実施する際に同時に実施する構成としてもよい。すなわち、前記各実施形態における画像処理部723Aにて階調−光透過率特性の変更処理を実施させる構成としてもよい。
前記各実施形態において、光源装置2を構成する固体発光素子として、LED素子を採用したが、これに限らず、その他の固体発光素子、例えば、半導体レーザ等を採用してもよい。
前記各実施形態では、光源装置2は3つのLEDモジュール2R,2G,2Bで構成され、これに対応して電気光学装置4は3つの電気光学装置4R,4G,4Bで構成されていたが、これに限らない。例えば、光源装置2を1つのみのLEDモジュール、電気光学装置4を1つのみの電気光学装置とする構成、光源装置2を2つのLEDモジュール、電気光学装置4を2つの電気光学装置とする構成、あるいは、光源装置2を4つ以上のLEDモジュール、電気光学装置4を4つ以上の電気光学装置とする構成としてもよい。
前記各実施形態では、電気光学装置4は液晶パネルを含んで構成されていたが、これに限らず、デジタル・マイクロミラー・デバイス(テキサスインスツルメント社の商標)として構成してもよい。
前記各実施形態において、プロジェクタ1は、スクリーン100を観察する側から光学像を投影するフロント投射型プロジェクタとして構成してもよく、あるいは、スクリーン100を観察する側と反対側から光学像を投射するリア投射型プロジェクタとして構成してもよい。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- 光源装置と、画像情報の階調レベルに応じて前記光源装置から射出された光束の光透過率または光反射率を変化させることで光変調を実施して光学像を形成する電気光学装置と、前記電気光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置とを備えたプロジェクタであって、
前記電気光学装置を駆動制御する電気光学装置駆動制御部と、前記光源装置近傍に配置され前記光源装置の温度を検出する温度検出部とを備え、
前記電気光学装置駆動制御部は、前記画像情報に所定の処理を施し、前記画像情報の階調レベル、および前記電気光学装置の光透過率または光反射率における階調−光透過率特性または階調−光反射率特性を変更する特性変更部を含んで構成され、
前記特性変更部は、前記温度検出部にて検出された検出温度に基づいて前記電気光学装置の光透過率または光反射率の最下限値を設定し、前記設定した最下限値、および前記電気光学装置の光透過率または光反射率の最高値に基づいて所定の階調値以下の低階調領域でのみ前記階調−光透過率特性または前記階調−光反射率特性を変更することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記光源装置は、複数の色光をそれぞれ射出可能に複数で構成され、
前記温度検出部は、前記複数の光源装置に対応して複数で構成され、
前記電気光学装置は、前記複数の光源装置に対応して複数で構成され、
前記複数の電気光学装置にて形成された色光毎の光学像を合成して射出する色合成光学装置を備え、
前記特性変更部は、前記複数の温度検出部にて検出された複数の検出温度に基づいて前記複数の色光に対応する前記画像情報に所定の処理を施し、前記複数の電気光学装置同士で各階調−光透過率特性または各階調−光反射率特性が実質的に等しくなるように変更することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
前記光源装置は、複数の色光をそれぞれ射出可能に複数で構成され、
前記温度検出部は、前記複数の光源装置に対応して複数で構成され、
前記電気光学装置は、前記複数の光源装置に対応して複数で構成され、
前記複数の電気光学装置にて形成された色光毎の光学像を合成して射出する色合成光学装置を備え、
前記特性変更部は、前記複数の温度検出部にて検出された複数の検出温度に基づいて前記複数の色光に対応する前記画像情報に所定の処理を施し、前記複数の電気光学装置同士で各階調−光透過率特性または各階調−光反射率特性が実質的に異なるように変更することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
前記光源装置は、固体発光素子を含んで構成されていることを特徴とするプロジェクタ。 - 光源装置と、画像情報の階調レベルに応じて前記光源装置から射出された光束の光透過率または光反射率を変化させることで光変調を実施して光学像を形成する電気光学装置と、前記電気光学装置にて形成された光学像を拡大投射する投射光学装置と、前記電気光学装置を駆動制御する電気光学装置駆動制御部と、前記光源装置近傍に配置され前記光源装置の温度を検出する温度検出部とを備えたプロジェクタの制御方法であって、
前記温度検出部が、前記光源装置の温度を検出する温度検出ステップと、
前記電気光学装置駆動制御部が、前記温度検出ステップにて検出した検出温度に基づいて前記画像情報に所定の処理を施し、前記画像情報の階調レベル、および前記電気光学装置の光透過率または光反射率における階調−光透過率特性または階調−光反射率特性を変更する特性変更ステップとを備え、
前記特性変更ステップは、前記検出温度に基づいて前記電気光学装置の光透過率または光反射率の最下限値を設定し、前記設定した最下限値、および前記電気光学装置の光透過率または光反射率の最高値に基づいて所定の階調値以下の低階調領域でのみ前記階調−光透過率特性または前記階調−光反射率特性を変更することを特徴とするプロジェクタの制御方法。
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