JP4899396B2 - 炭素材と、これを用いた二次電池用負極材及び非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
これらの炭素材は、従来、椰子殻、石炭コークス、石炭又は石油ピッチ、フラン樹脂、フェノール樹脂などを原料としている(例えば、特許文献1参照)。しかし、これらの原料から得られた従来の炭素材は、特に非水電解質二次電池用の負極材として用いた場合に、充放電容量やサイクル性などにおいてその特性が充分ではない場合があった。
(1)細孔を有する炭素材であって、硫黄を含有する樹脂組成物を炭化処理してなることを特徴とする炭素材。
(2)前記樹脂組成物の硫黄含有量は、樹脂組成物全体に対して0.1〜20重量%である(1)に記載の炭素材。
(3)前記炭素材は、該炭素材の表面及び内部に硫黄を含有するものである(1)又は(2)に記載の炭素材。
(4)前記炭素材の硫黄含有量は、炭素材全体に対して0.1〜10重量%である(1)ないし(3)のいずれかに記載の炭素材。
(5)前記炭素材の表面に存在する硫黄含有量(X)と、炭素材内部に存在する硫黄含有量(Y)との重量比率(X:Y)は、1:99〜0.1:99.9である(1)ないし(4)のいずれかに記載の炭素材。
(6)前記細孔の全容積が0.1〜50ml/kgである(1)ないし(5)のいずれかに記載の炭素材。
(7)前記樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含むものである(1)ないし(6)のいずれかに記載の炭素材。
(8)前記熱硬化性樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、及び、アニリン樹脂から選ばれる1種以上のものである(1)ないし(7)のいずれかに記載の炭素材。
(9)(1)ないし(8)のいずれかに記載の炭素材を含有することを特徴とする二次電池用負極材。
(10)(9)に記載の二次電池負極材を用いることを特徴とする非水電解質二次電池。
本発明の炭素材を用いることにより、充放電特性に優れた非水電解質二次電池用負極材を得ることができる。
また、樹脂組成物の硫黄含有量を樹脂組成物全体に対して0.1〜20重量%とすることで、充放電特性を更に向上させることができる。
本発明の炭素材は細孔を有する炭素材であって、硫黄を含有する樹脂組成物を炭化処理してなることを特徴とする。
また、本発明の二次電池用負極材は、上記本発明の炭素材を含有することを特徴とする。
そして、本発明の非水電解質二次電池は、上記本発明の二次電池負極材を用いることを特徴とする。
本発明の炭素材は、硫黄を含有する樹脂組成物を用い、これを炭化処理することにより得られるものである。
上記樹脂組成物としては特に限定されないが、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、あるいは、その他の高分子材料から選ばれるもの(以下、これらを単に「主成分樹脂類」ということがある)を含有することができる。上記主成分樹脂類は、単独あるいは二種類以上を併用することができる。 また、上記主成分樹脂類とともに、適宜、硬化剤、添加剤などを併せて含有することができる。
ここで用いられる硬化剤としては特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂の場合はヘキサメチレンテトラミン、パラホルムなどを用いることができる。また、エポキシ樹脂の場合は、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミンなどのポリアミン化合物、酸無水物、イミダゾール化合物、ジシアンジアミド、ノボラック型フェノール樹脂などを用いることができる。
なお、通常は所定量の硬化剤を併用する熱硬化性樹脂であっても、本発明で用いられる樹脂組成物においては、通常よりも少ない量を用いたり、あるいは硬化剤を併用しないで合成することもできる。
そして、熱硬化性樹脂の中でも、ノボラック型フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、及び、アニリン樹脂から選ばれる1種以上のものであることが好ましい。これにより、炭素材を低価格で製造することができる。
ここで用いられる添加剤としては特に限定されないが、例えば、200〜800℃にて炭化処理した炭素材前駆体、黒鉛及び黒鉛変性剤、有機酸、無機酸、含窒素化合物、含酸素化合物、含硫黄物、芳香族化合物、及び、非鉄金属元素などを挙げることができる。
上記添加剤は、用いる主成分樹脂類の種類や性状などにより、単独あるいは二種類以上を併用することができる。
上記硫黄を含有する化合物としては、主成分樹脂類、あるいは、主成分樹脂以外の成分のいずれにおいても、1種類を用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また上記硫黄の存在形態としては特に限定されず、樹脂骨格中に存在している場合、また単純な混合物として存在していてもかまわない。
この理由は、以下のように考えられる。すなわち、硫黄を上記所定量含有することにより、硫黄の有する電気陰性度により、炭素材に好適な電気的特性を付与することができ、これにより、リチウムイオンの吸蔵・放出を促進させ、高い充放電特性を付与することができるものと考えられる。
硫黄の含有量が小さすぎると上記効果を充分に発現させることができず、また大きすぎると、硫黄の電気陰性度が高くなるため、吸蔵されたリチウムイオンが硫黄原子と電気的吸着を起こし、不可逆容量が増加するため、高い充放電特性を得られなくなるところ、上記範囲とすることで両者のバランスに優れる。
一方不導体膜は電解液の分解抑制としての効果も期待されており、炭素材表面上に不導体膜が形成されなければ電解液の分解が継続的に行われると考えられており、適度な炭素材の表面活性が要求されている。ここで所定量の硫黄が存在することにより電解液の分解が抑制される程度の不導体膜が形成されるものと考えられる。
以上のことから、重量比率(X:Y)のXの値が上記上限値を越えると電解液が過剰に分解されて、炭素材上に必要以上の不導体膜が形成され、リチウムイオンの吸蔵・放出が阻害されることが考えられ、上記下限値未満では、炭素材上の活性が低い為不導体膜が十分に形成されず電解液が継続的に分解されることになり充放電特性が低下してしまう可能性が考えられる。そこで上記範囲とすることで高い充放電特性が得られるものと推測される。
これらの炭化処理条件は、使用する樹脂、炭化する炭化炉・電気炉の構造・種類や電気炉・炭化炉への仕込み重量や仕込み体積により様々に変化する為に一概には述べられないが、この手法としての1例としてノボラック型フェノール樹脂(PR−53195)とヘキサを粉砕混合したものを用いた場合には、200から350℃迄の昇温速度を50℃/分、350〜600℃の間を30℃/分、600〜1200℃の間を100℃/分にすることにより、充放電特性が良好な炭素材を得ることができれる。
本方法は、測定試料(炭素材前駆体)を、燃焼法を用いて単純なガス(CO2、H2O、N2、及びSO2)に変換した後に、ガス化した試料を均質化した上でカラムを通過させるものである。これにより、これらのガスが段階的に分離され、それぞれの熱伝導率から、炭素、水素、窒素及び硫黄の含有量を測定することができる。本発明では、パーキンエルマー社製・元素分析測定装置「PE2400」を用いて実施した。
本発明の炭素材中の硫黄含有量は、上記樹脂組成物中の硫黄含有量のほか、樹脂組成物を炭化する条件、あるいは、炭化処理の前に硬化処理、あるいはプレ炭化処理を行う場合には、それらの条件についても適宜設定することによっても調整することができる。
このようにして得られた樹脂組成物は、複数種類の成分を物理的に混合しただけのものであってもよいし、樹脂組成物の調製段階で付与されるエネルギーにより、その一部を化学的に反応させたものであってもよい。
ここで炭化処理の条件としては特に限定されないが、例えば、常温から1〜200℃/時間で昇温して、800〜3000℃で0.1〜50時間、好ましくは0.5〜10時間保持して行うことができる。炭化処理時の雰囲気としては窒素、ヘリウムガスなどの不活性雰囲気下、もしくは不活性ガス中に微量の酸素が存在するような、実質的に不活性な雰囲気下で行うことができる。
このような炭化処理時の温度、時間等の条件は、炭素材の特性を最適なものにするため適宜調整することができる。
ここでプレ炭化処理の条件としては特に限定されないが、例えば、常温から1〜200℃/時間で昇温して、500〜1000℃で0.1〜50時間、好ましくは0.5〜10時間保持して行うことができる。
硬化処理方法としては特に限定されないが、例えば、樹脂組成物に硬化反応が可能な熱量を与えて熱硬化する方法、あるいは、主成分樹脂類と硬化剤とを併用する方法などにより行うことができる。
0.33nm以下の細孔に関しては、細孔径が小さい為に径中へリチウムイオンが挿入されるという現象は見られず、挿入脱離反応からすると細孔ではなく壁として取り扱われるものと予想される。0.33nm以上の細孔に関しては、細孔に対してリチウムイオンが挿入脱離することができることから充放電特性を評価する上で重要視されるものである。
このような炭素材を用いることにより、可逆細孔の量を適正化することができるとともに、不可逆細孔の量を減らすことができるので、これにより、充電容量を確保し、充放電効率を良好なものにすることができる。
そして、得られた樹脂組成物を、100℃から5時間かけて昇温して、200℃に到達後、さらに1時間保持して硬化処理した後、振動ボールミルで粉砕して、硬化した樹脂組成物を得て、これを常温から10℃/時間で昇温して、1000℃に到達後、さらに10時間保持して炭化処理を行うことにより、上記細孔容積を有した炭素材を得ることができる。
この手法としての1例を以下に示すが、ノボラック型フェノール樹脂(PR−53195)とヘキサを粉砕混合したものを用いた場合には、室温から350℃迄の昇温速度を50℃/分、350〜600℃の間を30℃/分、600〜1200℃の間を100℃/分にすることにより充放電特性が良好な炭素材が得られる。
樹脂組成物中の硫黄成分は、樹脂骨格中に組み込まれた形態、樹脂骨格に硫黄含有置換基として結合した形態、あるいは、硫黄含有の添加剤として用いられ、主成分樹脂と単に混合されている形態、などの形態により存在している。そして、樹脂組成物を加熱して炭化する工程において、例えば樹脂骨格中に組み込まれた硫黄成分の一部は炭素材骨格の一部を形成して残存し、樹脂骨格に硫黄含有置換基として結合した硫黄や、硫黄含有の添加剤として用いられ、主成分樹脂と単に混合されている硫黄成分の多くは昇華することにより、上記硫黄含有量を有した炭素材を得ることができると考えられる。
そして、樹脂組成物として用いる主成分樹脂、添加剤の種類、配合を調整することにより、炭素材中の硫黄含有量の調整を行うことができる。
硫黄を含有する樹脂組成物、特に、樹脂骨格中に硫黄を含有する樹脂組成物は、例えば樹脂骨格が炭素のみで形成されたような樹脂組成物と比較すると構造に柔軟性を有するため、炭化処理工程において骨格構造の規則化が促進されやすい。そして、このように規則化が促進された構造中において、硫黄原子の効果が最大限に引き出され、この結果、上記細孔容積を有する炭素材を得ることができると考えられる。
この炭化条件の基準としては前述したように 用いた樹脂種や使用量により条件が異なるが、全般的に昇温速度が10℃〜100℃/時間時に適した結果が得られやすい。これより遅い場合は炭化過程が長時間に渡ることにより雰囲気中の酸素等による酸化反応が生じやすくなり、よって酸素原子が導入されやすくなるため酸素によるリチウム吸着が起こり、充電容量が高くなるものの充放電効率は低下していく。またこれより早いと熱履歴による樹脂骨格の制御が十分に行われにくくなり、本材料の特性によるメリットを十分に生かすことが出来なくなる。
そして、樹脂組成物の種類、配合、硬化条件、プレ炭化条件、及び、炭化条件などを適宜設定することにより、この細孔容積の調整を行うことができる。
島津製作所社製・細孔分布測定装置装置「ASAP2010」を用いて、測定試料(炭素材)を623Kで真空加熱前処理後、測定ガスとしてCO2(分子径;0.33nm)を用い、273.15Kでの吸着等温線を測定し、Dubinin−Radushkevichの式を用いてそれぞれの吸着ガスの細孔容積を計算し、これをもとにそれぞれの細孔容積を次式に基づいて計算した。
W=W0・exp[−(A/E)n]、A=RT[ln(Ps/P)]
W:吸着分子が占有しているエネルギー[ml/g]
E:吸着特性エネルギー[J/mol]
P:平行蒸気圧[mmHg]
T:吸着温度[K]
W0:細孔容積[ml/g]
Ps:飽和蒸気圧[mmHg]
n:構造指数=2[−]
本発明の二次電池用負極材は、上記本発明の炭素材を含有することを特徴とするものである。
本発明の非水電解質二次電池は、上記本発明の二次電池負極材を用いることを特徴とするものである。
正極材としては特に限定されないが、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等の複合酸化物やポリアニリン、ポリピロール等の導電性高分子等を用いることができる。セパレータとしては特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の微多孔質フィルム、不織布等を用いることができる。電解液としては特に限定されないが、非水系溶媒に電解質となるリチウム塩を溶解したものを用いる。電解質としてはLiClO4,LiPF6等のリチウム金属塩、テトラアルキルアンモニウム塩等を用いることができる。非水系溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、ジエチルカーボネート等の鎖状エステル類、ジメトキシエタン等のエーテル類等の混合物等を用いることができる。また、上記塩類をポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル等に混合された固体電解質を用いることもできる。
・ノボラック型フェノール樹脂:住友ベークライト社製「PR−53195」
・ヘキサメチレンテトラミン
・硫黄含有樹脂(A):チオフェノール100部と37%ホルムアルデヒド水溶液59部、蓚酸1部を攪拌機及び冷却管を備えた3つ口フラスコに入れ、100℃で3時間反応後、脱水し、硫黄含有樹脂(A)100部を得た。
・硫黄含有樹脂(B):フェノール100部と37%ホルムアルデヒド水溶液69部、25%硫酸水溶液4部を攪拌機及び冷却管を備えた3つ口フラスコに入れ、100℃で3時間反応後、脱水し、硫黄含有樹脂(B)100部を得た。
・硫酸(36%水溶液)
・パラトルエンスルホン酸
<実施例1>
(1)組成物の調製
ノボラック型フェノール樹脂100部をメタノール100部に溶解した後に、25%硫酸10部とを溶液混合し、更にメタノールを真空除去した樹脂にヘキサメチレンテトラミン10部を粉砕混合して樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、100℃から5時間かけて昇温して、200℃に到達後、さらに1時間保持して硬化処理した後、振動ボールミルで粉砕して、硬化した樹脂組成物を得た。
(2)炭素材の製造
上記で得られた硬化した樹脂組成物を、室温から600℃の間を10℃/時間で昇温して、その後100℃/時間で1200℃に到達後、さらに10時間保持して炭化処理を行い、炭素材を得た。
(1)組成物の調製
ノボラック型フェノール樹脂100部をメタノール100部に溶解した後に、25%硫酸5部とを溶液混合し、更にメタノールを真空除去した樹脂にヘキサメチレンテトラミン10部を粉砕混合して樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、100℃から5時間かけて昇温して、200℃に到達後、さらに1時間保持して硬化処理した後、振動ボールミルで粉砕して、硬化した樹脂組成物を得た。
(2)炭素材の製造
上記で得られた硬化した樹脂組成物を、室温から600℃の間を10℃/時間で昇温して、その後100℃/時間で1200℃に到達後、さらに10時間保持して炭化処理を行い、炭素材を得た。
(1)組成物の調製
ノボラック型フェノール樹脂100部、ヘキサメチレンテトラミン10部、及びパラトルエンスルホン酸5重量部を粉砕混合して樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、100℃から5時間かけて昇温して、200℃に到達後、さらに1時間保持して硬化処理した後、振動ボールミルで粉砕して、硬化した樹脂組成物を得た。
(2)炭素材の製造
上記で得られた硬化した樹脂組成物を、室温から600℃の間を10℃/時間で昇温して、その後100℃/時間で1200℃に到達後、さらに10時間保持して炭化処理を行い、炭素材を得た。
(1)組成物の調製
ノボラック型フェノール樹脂50部、硫黄含有樹脂(A)50部、及びヘキサメチレンテトラミン5部を粉砕混合して樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、100℃から5時間かけて昇温して、200℃に到達後、さらに1時間保持して硬化処理した後、振動ボールミルで粉砕して、硬化した樹脂組成物を得た。
(2)炭素材の製造
上記で得られた硬化した樹脂組成物を、室温から600℃の間を10℃/時間で昇温して、その後100℃/時間で1200℃に到達後、さらに10時間保持して炭化処理を行い、炭素材を得た。
(1)組成物の調製
硫黄含有樹脂(B)100部及びヘキサメチレンテトラミン10部を粉砕混合して樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、100℃から5時間かけて昇温して、200℃に到達後、さらに1時間保持して硬化処理した後、振動ボールミルで粉砕して、硬化した樹脂組成物を得た。
(2)炭素材の製造
上記で得られた硬化した樹脂組成物を、室温から600℃の間を10℃/時間で昇温して、その後100℃/時間で1200℃に到達後、さらに10時間保持して炭化処理を行い、炭素材を得た。
(1)組成物の調製
ノボラック型フェノール樹脂100部及びヘキサメチレンテトラミン10部を樹脂組成物として用い、100℃から5時間かけて昇温して、200℃に到達後、さらに1時間保持して硬化処理した後、振動ボールミルで粉砕して、硬化した樹脂組成物を得た。
(2)炭素材の製造
上記で得られた硬化した樹脂組成物を、室温から10℃/時間で昇温して、1200℃に到達後、さらに10時間保持して炭化処理を行い、炭素材を得た。
(1)組成物の調製
ノボラック型フェノール樹脂100部をメタノール100部に溶解した後に、25%硫酸1部とを溶液混合し、更にメタノールを真空除去した樹脂にヘキサメチレンテトラミン10部を粉砕混合して樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、100℃から5時間かけて昇温して、200℃に到達後、さらに1時間保持して硬化処理した後、振動ボールミルで粉砕して、硬化した樹脂組成物を得た。
(2)炭素材の製造
上記で得られた硬化した樹脂組成物を、室温から10℃/時間で昇温して、1200℃に到達後、さらに10時間保持して炭化処理を行い、炭素材を得た。
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物及び炭素材について下記の評価を行った。
実施例、比較例で用いた樹脂組成物の配合を示した。
硫黄含有量は、パーキンエルマー社製・元素分析測定装置「PE2400」を用いて、熱伝導度法により測定した。
細孔容積は、以下の方法で測定した。
島津製作所社製・細孔分布測定装置装置「ASAP2010」を用いて、測定試料(炭素材)623Kで真空加熱前処理後、測定ガスとしてCO2(分子径:0.33nm)を用い、273.15Kでの吸着等温線を測定し、Dubinin−Radushkevichの式を用いてそれぞれの吸着ガスの細孔容積を計算し、これをもとにそれぞれの細孔容積を次式に基づいて計算した。
W=W0・exp[−(A/E)n]、A=RT[ln(Ps/P)]
W:吸着分子が占有しているエネルギー[ml/g]
E:吸着特性エネルギー[J/mol]
P:平行蒸気圧[mmHg]
T:吸着温度[K]
W0:細孔容積[ml/g]
Ps:飽和蒸気圧[mmHg]
n:構造指数=2[−]
(1)二次電池評価用二極式コインセルの製造
実施例及び比較例で得られた炭素材100部に対して、結合剤としてポリフッ化ビニリデン10部、希釈溶媒としてN−メチル−2−ピロリドンを適量加え混合し、スラリー状の負極混合物を調製した。調製した負極スラリー状混合物を18μmの銅箔の両面に塗布し、その後、110℃で1時間真空乾燥した。真空乾燥後、ロールプレスによって電極を加圧成形した。これを直径16.156mmの円形として切り出し負極を作製した。
正極はリチウム金属を用いて二極式コインセルにて評価を行った。電解液として体積比が1:1のエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合液に過塩素酸リチウムを1モル/リットル溶解させたものを用いた。
充電条件は電流25mAh/gの定電流で1mVになるまで保持した後に20時間保持し、放電条件は 1.25mAh/g以下に電流が減衰するまでとした。また、放電条件のカットオフ電位は 2.5Vとした。
上記(2)で得られた値をもとに、下記式により算出した。
充放電効率(%)=[放電容量/充電容量]×100
Claims (6)
- 細孔を有し、硫黄を含有する樹脂組成物を炭化処理してなることを特徴とする非水電解質二次電池用炭素材であって、
前記炭素材は、該炭素材の表面及び内部に硫黄を含有するものであり、
前記炭素材中の硫黄含有量は、炭素材全体に対して0.1〜10重量%であり、
前記炭素材の表面に存在する硫黄含有量(X)と、炭素材内部に存在する硫黄含有量(Y)との重量比率(X:Y)は、1:99〜0.1:99.9であり、
前記細孔の全容積が0.1〜50ml/kgである非水電解質二次電池用炭素材。 - 前記樹脂組成物中の硫黄含有量は、樹脂組成物全体に対して0.1〜20重量%である請求項1に記載の非水電解質二次電池用炭素材。
- 前記樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含むものである請求項1ないし2に記載の非水電解質二次電池用炭素材。
- 前記熱硬化性樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、及び、アニリン樹脂から選ばれる1種以上のものである請求項1ないし3のいずれかに記載の非水電解質二次電池用炭素材。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の非水電解質二次電池用炭素材を含有することを特徴とする非水電解質二次電池用負極材。
- 請求項5に記載の二次電池負極材を用いることを特徴とする非水電解質二次電池。
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