JP4897464B2 - 蒸気圧縮式冷凍サイクル - Google Patents

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Description

本発明は、蒸気圧縮式冷凍サイクルに関し、とくに、改良を加えたアキュームレータを備えた、二酸化炭素冷媒を使用する冷凍サイクルとして好適な蒸気圧縮式冷凍サイクルに関する。
環境問題配慮の側面から、車両用空調装置においても、代替冷媒として二酸化炭素冷媒が提案されている(例えば、特許文献1)。二酸化炭素冷媒は無毒、不燃性であるが、臨界温度が低く(約31℃)、冷凍サイクルの高圧側圧力が超臨界状態(約7.4MPa)になる遷臨界サイクル(超臨界冷凍サイクル)となる。一般的に、フロンを使用したものと比較して冷凍成績係数(COP:Coefficent of Performance) が悪い為、これを向上させることが求められている。
その一つの手法として、内部熱交換器を用いて放熱器出口側の高圧側冷媒と蒸発器出口側の低圧側冷媒との間で熱交換する方法がある。これによって、高圧側冷媒温度を低減することで蒸発器入口側のエンタルピーを低減し、蒸発器におけるエンタルピー差を増大させることにより、冷凍成績係数(COP)の向上を実現している。
さらに、低圧側における内部熱交換器の前にアキュームレータを設置し、外部環境変化による必要冷媒量変動に対応できるようにする構成も知られている。アキュームレータは、サイクル内冷媒の出し入れを行う液溜めタンクであり、蒸気流出管を液相冷媒の液面(気相冷媒と液相冷媒の界面)よりも上部に配置することで、気液を分離して気相冷媒を蒸気流出管より圧縮機側に向けて流出させるようにしている。
特公平7−18602号公報
しかしながら、低負荷時においては、蒸気圧縮式冷凍サイクル内における必要冷媒量が少なくなるため、アキュームレータ内に貯留される液相冷媒量が増加する。そのため、貯留される液相冷媒の液面が上昇し、アキュームレータ入口配管より流入する気液二相冷媒がアキュームレータ内に貯留されている液相冷媒と衝突することにより、液相冷媒の液面が大きく乱変動し、アキュームレータ内に設置された蒸気流出管に液相冷媒が流入してしまうという問題がある。液相冷媒を多量に含む気相冷媒が、以降のサイクル中に、とくに圧縮機に供給されてしまうと、冷凍サイクルの性能が大きく変動し、冷凍成績係数(COP)の大幅な向上は望めない。
そこで本発明の課題は、上記のような問題点に着目し、低負荷時においても蒸気流出管へ液相冷媒が流入することを抑え、低負荷時におけるサイクル変動を低減させることが可能なアキュームレータを備えた蒸気圧縮式冷凍サイクルを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る蒸気圧縮式冷凍サイクルは、冷媒を吸入圧縮する圧縮機と、圧縮した冷媒を放熱する放熱器と、放熱した冷媒を低圧側冷媒との熱交換により更に冷却する内部熱交換器と、冷却された冷媒を減圧する減圧機と、減圧した冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発器から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し分離した気相冷媒を圧縮機の吸入側へ流出させるアキュームレータを備えた蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、前記アキュームレータの蒸気流出管のアキュームレータ内部に設けられる部分の少なくとも一部分を多重管構造に構成するとともに、該多重管構造部分の内側および外側の管壁にそれぞれ複数の細孔を設け、前記多重管構造部分の外側の管壁に設けられる細孔の断面積が、内側の管壁に設けられる細孔の断面積よりも大きく、前記アキュームレータ内に、冷媒流入管から流入された冷媒が、回り込んで前記多重管構造部分の細孔に至るように、隔壁が設けられていることを特徴とするものからなる。
アキュームレータの蒸気流出管を上記のように構成することにより、冷媒流入管よりアキュームレータ内に流入した冷媒は、従来と同様に気液分離された後、分離された気相冷媒が、多重管構造の外側の管壁に設けられた細孔を通過し、続いて内側の管壁に設けられた細孔を通過して蒸気流出管内に入り、そこからサイクル内の所定の行き先、つまり、内部熱交換器の低圧側を通して圧縮機へと送られる。たとえ多少の液相冷媒が含まれていたとしても、少なくとも2回細孔を通過されることにより、流路断面積が絞られることによる速度上昇や管壁への衝突が生じ、液相冷媒が気相冷媒から振るい落とされて適切に分離される。したがって、低負荷時等に液相冷媒がアキュームレータ内の上部まで貯留されており、冷媒流入管より勢いよく流入した気液混合冷媒によって貯留されていた液相冷媒の液面が乱変動したとしても、直接蒸気流出管へと流入することはほとんどなくなり、液相冷媒が適切に分離された気相冷媒が効率よく流出されて、サイクル変動が効果的に低減される。
上記アキュームレータの構造においては、多重管構造部分の多重管構造として、二重管構造、あるいは三重管以上の構造のいずれも可能である。ただし、あまり多くの多重管構造とすると、細孔を通過する回数が多くなりすぎて圧力損失が大きくなりすぎるおそれがあるので、高々三重管構造までとすることが好ましい。
また、細孔はアキュームレータ内に貯留される貯留液の液面よりも上部に設けられていることが好ましい。液面よりも下に配置されていると、単に液相冷媒が細孔を介して壁の内外を連通するだけになり、上述した気液分離性能が得られない。
また、上記蒸気流出管としては、上記多重管構造部分と一体に組みつけられている構造とすることもできる。このように構成すれば、多重管構造部分を含めて一つの蒸気流出管部材として、取り扱うことができ、部品点数が少なくて済み、管理や組立が容易化される。
また、上記アキュームレータは、その内部に、冷媒流入管に対向配置された衝突板を有する構造に構成することもできる。衝突板には複数の***が設けられていることが好ましい。このような衝突板を設ければ、上記細孔に至るまでの気液分離性能についても向上でき、アキュームレータ全体としての気液分離性能が向上する。
上記細孔には、以下のような形態を採用するすなわち、上記多重管構造部分の外側の管壁に設けられる細孔の断面積が、内側の管壁に設けられる細孔の断面積よりも大きいまた、上記多重管構造部分の外側の管壁に設けられる細孔のアキュームレータ高さ方向の位置が、内側の管壁に設けられる細孔のアキュームレータ高さ方向の位置とは異なる位置に設定されていることが好ましい。このように構成すれば、外側の管壁に設けられる細孔部分でうまく分離し切れなかった液相冷媒が含まれていたとしても、内側の管壁に設けられる細孔部分で分離することが可能になり、より確実に目標とする気液分離が行われるようになる。
また、蒸気流出管は、その下部にオイル戻し孔を有することが好ましい。このようにすれば、アキュームレータ内の最下部に貯留されているオイルを、適量、気相冷媒の流出に伴って吸い上げることが可能になり、圧縮機等に対して、オイルを潤滑油として適切に供給することが可能になる。
このオイル戻し孔の断面積としては、多重管構造部分に設けられる細孔の断面積および冷媒流入管の断面積のいずれよりも小さいことが好ましい。戻されるオイルの量はごく少量でよく、過剰のオイルが戻されるとかえって冷凍サイクルの性能を損なうことになる。
また、アキュームレータ内には、冷媒流入管から流入された冷媒が、回り込んで上記多重管構造部分の細孔に至るように、隔壁を設け。このような隔壁を設けておくことにより、冷媒流入管から流入された冷媒は直接的には細孔に至らないので、細孔に至るまでに適切に気液分離しておくことが可能になる。
このような本発明に係る構造は、とくに高圧領域で使用され、内部熱交換器やアキュームレータ設置の要求度が高い、二酸化炭素冷媒を使用する場合に好適なものである。また、冷凍サイクル全体の小型化や搭載性の向上が求められる車両用空調装置に好適なものである。
このように、本発明に係る蒸気圧縮式冷凍サイクルによれば、蒸気流出管のアキュームレータ内の少なくとも一部を細孔を有する多重管構造に構成することで、液相冷媒が流出される気相冷媒中に流入することを適切に抑えることができ、とくに、低負荷時において蒸気流出管へ液相冷媒が流入することを抑えることができ、低負荷時におけるサイクル変動を低減することが可能になって、サイクルの冷凍成績係数を向上することが可能になる。その結果、優れた性能の蒸気圧縮式冷凍サイクル、とくに二酸化炭素冷媒を使用する場合に優れた性能の蒸気圧縮式冷凍サイクルを実現できる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに、詳細に説明する。
まず、図1に、本発明に係る蒸気圧縮式冷凍サイクルを模式的に示した空調装置の回路構成例を示す。図1の構成において、1は冷媒を圧縮する圧縮機、2は圧縮機1にて圧縮された冷媒を外部の熱交換媒体(例えば、空気)によって放熱する放熱器(ガスクーラ)を示している。また、この蒸気圧縮式冷凍サイクルは、放熱器2にて放熱された冷媒(高圧側冷媒)を更に冷却する内部熱交換器3と、冷却された冷媒を減圧する減圧機4と、減圧した冷媒を蒸発させる蒸発器5と、蒸発器5から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し実質的に気相冷媒のみを内部熱交換器3の低圧側回路へ流出させるアキュームレータ6を備えている。アキュームレータ6で熱交換された低圧側冷媒が、再び圧縮機1に吸入され、圧縮される。これらの機器が、順次接続されて冷凍回路11(冷凍サイクル)として構成されている。なお、図1における矢印は冷媒の流れを示している。
内部熱交換器3は、二酸化炭素のようなサイクル運転時の高圧側冷媒圧力が超臨界状態になる遷臨界サイクルでは、高圧側冷媒圧力を低下できる。それは、高圧側冷媒と低圧側冷媒との間で熱交換することで、高圧側冷媒の温度を低減できるからである。さらに、高圧側冷媒温度を低減できるので、蒸発器5の入口側のエンタルピーを低減でき、蒸発器5におけるエンタルピー差を増大させることで、冷凍成績係数(COP)の向上が期待できる。しかしながら、内部熱交換器3は高圧側冷媒温度を低減できるというメリットがある反面、圧縮機1の吸入側冷媒温度を上昇させてしまう。圧縮機1は理論的には等エントロピー変化するので、圧縮機1の吸入側冷媒温度が上昇すると、圧縮機1の吸入側冷媒温度が低い時と比べて圧縮機1の動力が大きくなるデメリットも併せ持つ。
その他、二酸化炭素のような高圧側冷媒圧力が高い冷媒を使用する場合には、耐圧性の確保等の問題から高圧側に液溜めタンクを設けることが難しい。よって、低圧側にアキュームレータ6を設置するのが一般的である。
図2は、比較のために示した、従来の冷凍サイクルにて用いられていたアキュームレータの構造図である。アキュームレータ6は外部環境変化による必要冷媒量変動に対応できるように構成されている。アキュームレータ6はサイクル内冷媒を出し入れする液溜めタンクであり、蒸気流出管を液冷媒の液面(界面)よりも上部に配置することで、気液を分離して気相冷媒を蒸気流出管より流出させる機器である。また、アキュームレータ6内に流入する潤滑油を圧縮機1へ返油する。実際に、オイル分離器等を用いても、冷媒と潤滑油を100%分離することは難しく、冷媒とともに潤滑油が冷凍サイクル内を循環する。
アキュームレータ6の上面に、蒸発器5の出口冷媒配管と接続された冷媒流入管21が設けてあり、ここからアキュームレータ6内に冷媒および潤滑油(オイル)が流入する。流入した冷媒および潤滑油は、その比重の差によって比重の大きい潤滑油が底部のオイル層27へ溜まり、次に比重の大きな液相冷媒がオイル層27の上部に液冷媒層26として形成される。最も比重の小さな気相冷媒が液冷媒層26の上部に気冷媒層25として形成され、蒸気流出管22より気冷媒層25の気相冷媒が流出する。その際、オイル戻し孔24より少量の潤滑油を吸い上げ、アキュームレータ6内に溜まった潤滑油が内部熱交換器3を経て、圧縮機1に返油される。冷媒流入管21および蒸気流出管22が耐圧容器23に収容されている。
このような従来構成に対し、本発明ではアキュームレータは例えば以下のように構成される。
(実施例1)
以下、本発明の実施例1を図に基づいて説明する。図3は本発明の実施例1におけるアキュームレータの内部構造を示している。基本的には、図2で説明した通り、アキュームレータ6の上面に蒸発器5の出口冷媒配管と接続された冷媒流入管21が設けてあり、ここからアキュームレータ6内に冷媒および潤滑油が流入する。流入した冷媒および潤滑油は、その比重の差によって比重の大きい潤滑油が底部のオイル層27へ溜まり、次に比重の大きな液相冷媒がオイル層27の上部に液冷媒層26として形成される。最も比重の小さな気相冷媒が液冷媒層26の上部に気冷媒層25として形成され、蒸気流出管22より気冷媒層25の気相冷媒が流出する。その際、オイル戻し孔24より少量の潤滑油を吸い上げ、アキュームレータ6内に溜まった潤滑油が内部熱交換器3を経て、圧縮機1に返油される。冷媒流入管21および蒸気流出管22は耐圧容器23に収容されている。
本実施例1では、蒸気流出管22の一部が二重管構造に構成され、二重管構造の外側の室が気液冷媒分離室31として構成されている。さらに、蒸気流出管22および二重管構造の気液冷媒分離室31の内外の管壁(配管表面)に細孔32が設けられている。これら細孔32の位置は液冷媒層26よりも十分に高い位置に設置されている。このような構造とすることにより、低負荷時等に液冷媒層26がアキュームレータ6内の上部まで貯留されている状態で、冷媒流入管21より勢いよく流入した冷媒によって液冷媒層26の液面(界面)が乱変動したとしても、液相冷媒が直接蒸気流出管22へ流入することは少なくなり、サイクル変動を低減することができる。
また、低負荷時の冷媒状態として、アキュームレータ6内に流入する冷媒の乾き度が小さいため、比較的液相冷媒を多く含んだ冷媒が流出するが、蒸気流出管22の一部に二重管構造の気液冷媒分離室31を設け、さらに配管表面に細孔32を設けたことにより、比重の大きな液相冷媒は壁面に衝突し、気液冷媒それぞれに分離される。内側の管壁としての蒸気流出管22にも細孔32を設けたことにより、より効率的に気液の分離が可能となり、良好な気液分離によりサイクルの安定性が向上できる。
ここで、二重管構造の気液分離室31の表面に設けられた細孔32の断面積の方が、蒸気流出管22の表面に設けられた細孔32の断面積よりも大きいことが好ましい。また、二重管構造の気液分離室31の表面に設けられた細孔32の断面積は、冷媒流入管21の断面積以下の大きさとすることが好ましい。さらに、二重管構造の気液分離室31の表面に設けられた細孔32の断面積および蒸気流出管22の表面に設けられた細孔32の断面積、冷媒流入管21の断面積のいずれよりも、オイル戻し孔24の断面積の方が小さいように設計することが好ましい。これは、冷媒が二重管構造の気液冷媒分離室31や蒸気流出管22の表面に設けられた細孔32を通過する際の圧力損失によって、冷媒流速を上げることで、衝突度合を高め、気液分離性能を高めることを目的とした構成である。
さらに、蒸気流出管22内の圧力とアキュームレータ6容器内圧力の圧力差によって、オイル戻し孔24から潤滑油が吸い上げられる。オイル戻し孔24は断面積が小さいので、冷凍サイクル中の不純物が詰まる恐れがあるので、図示はしないが、オイル戻し孔24部分にはフィルタを取り付けておくことが好ましい。
また、二重管構造の気液分離室31の表面に設けられた細孔32と、蒸気流出管22の表面に設けられた細孔32の位置は水平方向で一致しないことが好ましい。そのような構造とすることで、二重管構造の気液分離室31の表面に設けられた細孔32で分離しきれなかった液相冷媒を蒸気流出管22の表面に設けられた細孔32で分離できるため、より分離効率がよくなる。
因みに二重管構造の気液分離室31の構成として、上蓋としてアキュームレータ6の上面(上壁)を用いれば、下蓋のみ必要となるため、部品点数の削減に繋がる。
また、本発明では、二重管構造の気液分離室31と冷媒流入管21をロー付けまたは溶接等により一体化することが可能であり、一体化により、配管とアキュームレータ6本体との組付け強度を増すことが可能となり、製品の信頼性向上を期待できる。さらに、部品点数の低減も可能になり、部品管理や組立の容易化をはかることもできる。
(実施例2)
図4は本発明の実施例2におけるアキュームレータの内部構造を示している。図4に示す構造において、図3に示した構造との違いは、二重管構造の気液分離室31の構成として、下蓋を、***42の開いた衝突板41としたことにある。このような構造とすることにより、低負荷時等に液冷媒層26がアキュームレータ6内上部まで貯留されている状態で、冷媒流入管21より勢いよく流入した冷媒によって液冷媒層26の界面が変動することを低減できる。低負荷時には特に乾き度の小さな冷媒が流入するので、比較的比重の大きな液相冷媒が流入することとなり、アキュームレータ6の冷媒流入管21からの勢いで貯留冷媒界面が変動し易い。冷媒を衝突板41に衝突させ、***42より重力降下させることで冷媒界面の乱変動を低減できる。また、隔壁43を設けることで、冷媒流入管21より流入した冷媒が直接、二重管構造の気液分離室31の表面に設けられた細孔32へ流入することを防止でき、二重管構造の外壁および内壁に設けられた細孔32による優れた気液分離性能を望ましい性能に維持することができる。
さらに、ここでは、冷媒流入管21および蒸気流出管22ともにアキュームレータ6上面にあるので、例えば、車両用空調装置の冷媒として二酸化炭素を用いた場合、装置の小型化、搭載性の向上が期待できる。
このように、上記のように構成されたアキュームレータ6によれば、蒸気流出管22の一部に二重管構造の気液冷媒分離室31を設け、さらに蒸気流出管22および二重管構造の気液冷媒分離室31の配管表面に細孔32を設けた構造とし、これらの位置を液冷媒層26よりも十分に高い位置に設置することで、低負荷時等に液冷媒層26がアキュームレータ6内上部まで貯留されている状態で、冷媒流入管21より勢いよく流入した冷媒によって液冷媒層26界面が乱変動したとしても、直接蒸気流出管22へ流入することは少なくなり、サイクル変動を低減することができる。
更に、低負荷時の冷媒状態として、アキュームレータ6内に流入する冷媒の乾き度が小さいため、比較的液相冷媒を多く含んだ冷媒が流出しようとするが、蒸気流出管22および二重管構造の気液冷媒分離室31の配管表面それぞれに細孔32を設けたことにより、比重の大きな液相冷媒は壁面に衝突し、効率的な気液冷媒の分離が可能となって、サイクル安定性を向上できる。また、二重管構造の気液分離室31の表面に設けられた細孔と、蒸気流出管22の表面に設けられた細孔の位置は水平方向で一致しないような構造とすることで、二重管構造の気液分離室31の表面に設けられた細孔で分離しきれなかった液相冷媒を蒸気流出管22の表面に設けられた細孔で分離できるため、より高い分離効率を得ることができる。
さらに、低負荷時には特に乾き度の小さな冷媒が流入し、比較的比重の大きな液相冷媒が流入することとなり、アキュームレータ流入配管からの勢いで貯留冷媒界面が変動し易くなるが、流入冷媒を衝突板41に衝突させ、***42より重力降下させることで冷媒界面の変動を低減することができる。
また、二重管構造の気液分離室31の構成として、上蓋としてアキュームレータ6上面を用いれば、下蓋のみ必要となるため、部品点数の削減に繋がり、二重管構造の気液分離室31と冷媒流入管21をロー付けまたは溶接等により一体化すれば、配管とアキュームレータ6本体との組付け強度が増すこととなり、製品の信頼性向上を期待できる。
さらに、冷媒流入管21および蒸気流出管22ともにアキュームレータ6上面にあるので、車両用空調装置の冷媒として二酸化炭素を用いた場合、装置の小型化、搭載性の向上が期待できる。
本発明に係る蒸気圧縮式冷凍サイクルは、蒸発器と内部熱交換器との間にアキュームレータを備えたあらゆる蒸気圧縮式冷凍サイクルに適用でき、とくに、二酸化炭素冷媒を使用する冷凍サイクル、中でも車両用空調装置に用いられる蒸気圧縮式冷凍サイクルとして好適なものである。
本発明に係る蒸気圧縮式冷凍サイクルの形態例を模式的に示した機器系統図である。 比較のために示した従来のアキュームレータの縦断面図(図2(B))および図2(B)のA−A線に沿う横断面図(図2(A))である。 本発明の実施例1におけるアキュームレータの縦断面図(図3(B))および図3(B)のA−A線に沿う横断面図(図3(A))である。 本発明の実施例2におけるアキュームレータの縦断面図(図4(B))および図4(B)のA−A線に沿う横断面図(図4(A))である。
符号の説明
1 圧縮機
2 放熱器(ガスクーラ)
3 内部熱交換器
4 減圧機
5 蒸発器
6 アキュームレータ
11 冷凍回路(冷凍サイクル)
21 冷媒流入管
22 蒸気流出管
23 耐圧容器
24 オイル戻し孔
25 気冷媒層
26 液冷媒層
27 オイル層
31 気液冷媒分離室
32 細孔
41 衝突板
42 ***
43 隔壁

Claims (11)

  1. 冷媒を吸入圧縮する圧縮機と、圧縮した冷媒を放熱する放熱器と、放熱した冷媒を低圧側冷媒との熱交換により更に冷却する内部熱交換器と、冷却された冷媒を減圧する減圧機と、減圧した冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発器から流出した冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し分離した気相冷媒を圧縮機の吸入側へ流出させるアキュームレータを備えた蒸気圧縮式冷凍サイクルにおいて、前記アキュームレータの蒸気流出管のアキュームレータ内部に設けられる部分の少なくとも一部分を多重管構造に構成するとともに、該多重管構造部分の内側および外側の管壁にそれぞれ複数の細孔を設け、前記多重管構造部分の外側の管壁に設けられる細孔の断面積が、内側の管壁に設けられる細孔の断面積よりも大きく、前記アキュームレータ内に、冷媒流入管から流入された冷媒が、回り込んで前記多重管構造部分の細孔に至るように、隔壁が設けられていることを特徴とする蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  2. 前記多重管構造部分が二重管構造に構成されている、請求項1に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  3. 前記細孔が、アキュームレータ内に貯留される貯留液の液面よりも上部に設けられている、請求項1または2に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  4. 前記蒸気流出管が、その多重管構造部分と一体に組みつけられている、請求項1〜3のいずれかに記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  5. 前記アキュームレータが、その内部に、冷媒流入管に対向配置された衝突板を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  6. 前記衝突板に複数の***が設けられている、請求項5に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  7. 前記多重管構造部分の外側の管壁に設けられる細孔のアキュームレータ高さ方向の位置が、内側の管壁に設けられる細孔のアキュームレータ高さ方向の位置とは異なる位置に設定されている、請求項1〜のいずれかに記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  8. 前記蒸気流出管が、その下部にオイル戻し孔を有する、請求項1〜のいずれかに記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  9. 前記オイル戻し孔の断面積が、前記多重管構造部分に設けられる細孔の断面積および冷媒流入管の断面積のいずれよりも小さい、請求項に記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  10. 使用される冷媒が二酸化炭素からなる、請求項1〜のいずれかに記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
  11. 車両用空調装置に用いられる冷凍サイクルからなる、請求項1〜10のいずれかに記載の蒸気圧縮式冷凍サイクル。
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