JP4896858B2 - 変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法 - Google Patents

変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、変圧器を電源に投入する際に生じる励磁突入電流を抑制するための励磁突入電流抑制装置および方法に関する。
変圧器鉄心に残留磁束がある状態で電源投入により無負荷励磁を行うと、大きな励磁突入電流が流れる。この励磁突入電流の大きさは変圧器の定格負荷電流の数倍になることが一般に知られている。
このように大きな励磁突入電流が流れると、系統電圧が変動し、その電圧変動が大きい場合需要者に影響を与えることがある。
従来、励磁突入電流を抑制する方法として、投入抵抗と接点とを直列に接続してなる抵抗体付き遮断器を、遮断器主接点のいずれかと並列接続し、当該抵抗体付き遮断器を遮断器主接点に先行して投入するようにした励磁突入電流抑制方法が知られている(例えば特許文献1を参照)。
また、他の抑制方法として、直接接地系の3相変圧器を3台の単相型遮断器で投入する際、任意の1相を先行投入し、その後に残りの2相を投入させるようにして励磁突入電流を抑制する方法も既に知られているところである(例えば、非特許文献1を参照)。
特開2002-75145「励磁突入電流抑制装置付きガス遮断器」 IEEE Trans. Vol.16、No.2 2001"Elimination of Transformer Inrush Currents by Controlled Switching -Part I: Theoretical Considerations"
上述の特許文献1に記載されている抵抗体付き遮断器による励磁突入電流抑制方法では、通常の遮断器に対して抵抗体付き遮断器を特別に付加する必要があるため、遮断器全体としてみた場合、大型化は否めない。
また、周知のように遮断器には、一つの操作機構で3相の遮断器の投入・開極動作を同時に操作するようにした3相一括操作型遮断器が存在するが、この3相一括操作型遮断器は、非特許文献1に記載されている励磁突入電流抑制方法に適用できないという欠点がある。
一方、上述の非特許文献1に記載されているように、変圧器投入時の励磁突入電流抑制に際しては、変圧器を遮断したときの残留磁束の大きさを把握しておくことが重要である。
非有効接地系に設置された無負荷変圧器に流れる励磁電流を遮断器がその零点で遮断するときには、第1相遮断後に零相電圧が発生し、第2、3相遮断後、その零相電圧が直流電圧となって変圧器に残留する。そのため、遮断器で遮断する側の変圧器各端子の対地電圧を電圧測定装置によって測定している場合には、遮断後に上述の直流電圧が計測されることになる。
変圧器鉄心の残留磁束は電圧を積分することで求められる。例えば、Y結線の場合には、各端子と中性点との間の電圧を測定してそれを積分すれば、上記の直流電圧の影響を受けずに変圧器鉄心の残留磁束を正確に算出することができる。
しかし、一般に、計器用変圧器(VT,PT)やコンデンサ形計器用変圧器(PD)といった高電圧を低電圧に分圧して電圧を測定する電圧測定装置は、変圧器各端子と大地間に接続される。このような電圧測定装置によって測定できるのは、変圧器各端子の対地電圧であり、その電圧を積分すると、上記の直流電圧を含んで積分することになり、積分値が発散してしまうため、正確な残留磁束が求められない。
本発明は、以上述べた従来技術に鑑みなされたものであり、その目的は、電力系統に設置された変圧器を遮断器で遮断したときの残留磁束を正確に算出し、3相分の変圧器を単相型遮断器3台で電源に同時投入した際、もしくは3相一括操作型遮断器で投入した際に生じる励磁突入電流を、抵抗体付き遮断器等の設備を付加せずに抑制することを可能にした変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側もしくは2次側または3次側の相電圧もしくは線間電圧を積分することにより変圧器各相の定常磁束を算出し、前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各相の残留磁束の極性および大きさを算出し、前記変圧器各相の定常磁束の極性と、前記各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定した電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測しておき、遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御して遮断することにより、前記の関係から変圧器の残留磁束を推定し、その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各相の定常磁束の極性と、前記推定された各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする。
また、請求項18乃至請求項21に係る発明は、1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの電圧を測定して線間の定常磁束を求め、前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出し、前記変圧器各線間の定常磁束の極性と、前記各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする。そして、請求項18〜請求項21は、電圧を測定して線間の定常磁束を求める手法として、それぞれ次のような異なる手法を採用している。請求項18では、1次側の相電圧を測定して線間電圧に変換し、その線間電圧を積分して線間の定常磁束を算出する。請求項19では、1次側の相電圧を測定して積分することにより変圧器各端子の定常磁束を算出し、その変圧器各端子の定常磁束を線間の定常磁束に変換する。請求項20では、1次側の線間電圧を測定して積分することにより変圧器各線間の定常磁束を算出する。請求項21では、Δ結線された2次巻線または3次巻線の3相対地電圧を測定して積分することにより変圧器各線間の定常磁束を算出する。
また、請求項24に係る発明は、1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定した電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測しておき、遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御して遮断することにより、前記の関係から変圧器の残留磁束を推定し、その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各線間の定常磁束の極性と、前記推定された各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする。
本発明によれば、電力系統に設置された変圧器を遮断器で遮断したときの残留磁束を正確に算出し、3相分の変圧器を単相型遮断器3台で電源に同時投入した際、もしくは3相一括操作型遮断器で投入した際に生じる励磁突入電流を、抵抗体付き遮断器等の設備を付加せずに抑制することを可能にした変圧器の励磁突入電流抑制装置および方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図を通して同一部分には同一符号を付けることにより重複した説明は適宜省略する。
(実施の形態1)
図1乃至図4は、本実施の形態1を説明するための図であり、特に、図1は3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図、図2は電源相電圧と変圧器の定常磁束および変圧器鉄心の残留磁束の関係を示す波形図、図3は単相変圧器を単相の遮断器で投入するときの残留磁束と投入位相および投入後の磁束を示す波形図、図4は電源相電圧と変圧器の定常磁束および変圧器鉄心の残留磁束の関係が図1とは異なる場合の波形図である。
(構成)
図1において、100は電力系統の母線(電源母線ともいう)、200は各相の主接点が一括操作される3相一括操作型遮断器(3相遮断器)である。300は3相遮断器200によって電源母線100に投入または遮断される3相変圧器であり、その1次巻線301および2次巻線302はY結線され、3次巻線303はΔ結線されている。Zn1、Zn2はそれぞれ1次巻線301、2次巻線302の中性点を接地するためのインピーダンスである。なお、変形例として、3相遮断器200を3相各相の単相型遮断器とし、各相の単相型遮断器を3相同時に投入または遮断操作しても良いことは言うまでもない。
400は前記電源母線100の各相(U、V、W)電圧を計測するためのVT等で構成された電源電圧計測用機器、500は3相変圧器300の1次側各相(U、V、W)端子電圧を計測するためのVT等で構成された変圧器端子電圧計測用機器、そして、600は遮断器200の主接点に対して投入指令を出力する投入制御装置であり、励磁突入電流抑制装置を構成している。
投入制御装置600において、601はVT等の電源電圧計測用機器400から出力された各相(U、V、W相)の電源電圧を取り込んで計測する電源電圧計測手段、602はこの電源電圧計測手段601で計測された各相電圧をそれぞれ積分することにより各相ごとの定常時の磁束を算出する定常磁束算出手段である。
一方、603は変圧器端子電圧計測用機器500から出力された各相(U、V、W相)の変圧器端子電圧を取り込んで計測する変圧器端子電圧計測手段、604はこの変圧器端子電圧計測手段603で計測された各相電圧をそれぞれ積分することにより変圧器の鉄心の残留磁束を各相毎に算出する残留磁束算出手段である。
605は各相(U、V、W相)毎に前記定常磁束算出手段602の出力信号および定常磁束算出手段604の出力信号を入力し、定常磁束と、変圧器鉄心の残留磁束とが同一極性になる位相を検出する位相検出手段である。606は、この位相検出手段605の出力信号を3相分入力し、3相分の論理積が成立する範囲で遮断器200の主接点が電気的に投入されるように、遮断器200の主接点を駆動する操作機構に対して投入指令を出力する投入指令出力手段である。
(作用)
図2において、1〜3は、電源電圧計測手段601によって計測された電源各相(U、V、W相)電圧である。4〜6は変圧器に定常状態で3相電圧が印加されたとき、前記電源電圧計測手段601によって計測された電圧を定常磁束算出手段602で積分して算出された変圧器各相(U、V、W相)鉄心の定常磁束である。そして、7〜9は変圧器端子電圧計測手段603によって計測された電圧を残留磁束算出手段604で積分して算出された変圧器各相(U、V、W相)鉄心の残留磁束である。
なお、図示の例では、変圧器U相鉄心の残留磁束7が正極性で最大の残留磁束、V相鉄心の残留磁束8およびW相鉄心の残留磁束9が負極性でかつそれぞれ異なる値の状態を示している。
図2から明らかなように、U相で鉄心の残留磁束7と定常磁束4との極性が一致するのは10に示す位相範囲である。同様に、V相で鉄心の残留磁束8と定常磁束5との極性が一致するのは11の範囲であり、W相で鉄心の残留磁束9と定常磁束6との極性が一致するのは12の範囲である。これら残留磁束と定常磁束との極性が一致する位相範囲10、11および12はそれぞれ位相検出手段605により検出される。そして、これらの位相範囲10〜12のうち、3相とも定常磁束と残留磁束との極性が一致する位相範囲は13に示す範囲であり、位相範囲10、11および12のアンド条件すなわち、各相毎の位相検出手段605から出力された信号の論理積で求まる。この位相範囲13は3相遮断器200の投入目標位相範囲である。
(効果)
図3は単相変圧器を単相の遮断器で投入するときの残留磁束と投入位相および投入後の磁束を示す波形図である。15は電源電圧14が定常的に変圧器に印加されたときの定常磁束を示している。前述したように磁束は電圧を積分したものであるから、その位相は電圧の位相から位相が90°遅れている。
変圧器の残留磁束が0の場合、図3において、−180°の位相で遮断器が投入すると、変圧器の磁束は16となる。このとき磁束16は、位相0°において最大となり、その値は2p.u.となる。すなわちこの投入位相は変圧器の残留磁束が0のときに励磁突入電流が最大に流れる条件である。
また、変圧器に残留磁束17がある場合、位相−180°で遮断器が投入すると、磁束は18となり、その最大値は2p.u.+残留磁束17の大きさとなる。磁束18と磁束16との最大値の差は残留磁束17相当分であるが、変圧器の鉄心の電流−磁束の特性は飽和特性であり、残留磁束0で−180°の位相で投入したとき磁束16の条件に比べて、磁束18の条件では、励磁突入電流の大きさは残留磁束17の差以上に著しく大きくなる。
一方、19は残留磁束が17のときに、位相−90°で投入したときの磁束である。この場合の磁束の最大値は1p.u.+残留磁束17の大きさである。すなわち残留磁束17と定常磁束15が同じ極性となる位相範囲−90°〜90°で遮断器200を投入すれば、投入後の磁束の最大値は少なくとも2p.u.より小さくなり、磁束16よりも大きくなることは無い。従って、残留磁束17と定常磁束15が同じ極性となる位相範囲で遮断器200を投入すれば、励磁突入電流の大きさは、残留磁束17があっても、残留磁束0において遮断器200を投入したときに流れる最大の励磁突入電流よりも小さくすることができる。
一般に電力系統に用いられる3相変圧器では、2次もしくは3次巻線がΔ結線されており、図1の例では3次巻線がΔ結線されている。3相変圧器300を遮断器200で遮断した後の各相分の残留磁束の総和は、2次もしくは3次巻線がΔ結線されていることによって必ず0となる。従って、3相変圧器のある1相の残留磁束が例えば正極性で最大の場合、他の2相の残留磁束はともに負極性の値となるか、もしくは1相が負極性で最大、残りの1相は0となる。
図2は、3相変圧器における前記の残留磁束の関係すなわち3相の残留磁束の総和が0で、U相の残留磁束が正極性で最大、他の2相の残留磁束がともに負極性の値となっている状態としている。
U相において、残留磁束7と定常磁束4が同極性となるのは10の範囲である。従って、位相範囲10において遮断器200が投入すれば、少なくともU相の励磁突入電流は、残留磁束0における最大の励磁突入電流よりも小さくすることができる。
3相変圧器300の定常磁束4、5、6は120°ずつ位相がずれている。このため、U相の残留磁束7と定常磁束4とが同極性となる位相範囲10において、遮断器を3相同時に投入した場合、他のV、W相の励磁突入電流は必ずしも小さくなるとは限らない。
しかし、前述したように3相の残留磁束の関係から、図2に示したように、V、W相の残留磁束は負の値となっている。このとき、V相については、残留磁束8と定常磁束5とが同極性となるのは位相範囲11である。同様にW相については、残留磁束9と定常磁束6とが同極性となるのは位相範囲12となる。
ここで、位相範囲13において、U相の残留磁束7と定常磁束4が同極性となる位相範囲10、V相の残留磁束8と定常磁束5が同極性となる位相範囲11およびW相の残留磁束9と定常磁束6が同極性となる位相範囲12の全てが重なっている。従って、位相範囲13内で遮断器を3相同時に投入させれば、3相とも励磁突入電流を抑制することができる。
図4は1相の残留磁束が0で他の2相が正極性および負極性の最大となった条件を想定している。残留磁束9の値が0の相をW相としている。W相の残留磁束9は値が0のため、定常磁束6と残留磁束9とが同極性となる位相を−180°〜0°としても、0°〜180°としても良い。
この場合でも、3相の残留磁束と定常磁束がすべて同極性となる位相範囲が20もしくは21となる。従って、位相範囲20もしくは21内において遮断器200を3相同時に投入させれば、3相とも励磁突入電流を抑制できる。
前述した通り、電力系統に用いられる3相変圧器は2次もしくは3次巻線がΔ結線されるため、3相変圧器300を遮断器200で遮断した後の各相の残留磁束はΔ結線によって、その総和が必ず0となる。これは1次側Y結線の中性点の接地方式には影響されない。従って、有効接地系に設置された3相変圧器においても、非有効接地系に設置された3相変圧器においても、前記の投入位相範囲13を設定することができ、3相一括操作型遮断器200で、もしくは3相各相の単相型遮断器の同時操作で変圧器300を投入するときに前記の投入位相制御方法で励磁突入電流を抑制することができることは言うまでもない。
遮断器200の投入において、主接点間に発生するプレアークと呼ばれる先行放電や、操作機構の動作ばらつきなどに起因する投入時間のばらつきが存在する。前記プレアークによる投入ばらつきや、遮断器投入時のばらつきは、あらかじめその特性を取得しておくことにより、位相制御を行う制御装置で補正することが可能であり、これらのばらつきがあっても、遮断器200の投入を図2における投入目標位相範囲13内もしくは図4における投入目標位相範囲20、21内とすることが可能であることは言うまでもない。
(実施の形態2)
図5乃至図7は、本実施の形態2を説明するための図であり、図5乃至図7は、3相変圧器投入時の相電圧および定常磁束、残留磁束の関係を示す波形図であり、残留磁束の残り方がそれぞれ異なる場合を想定して示している。なお、本実施の形態2では、3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係は前述の実施の形態1の場合と同じであるため、図1相当のブロック図は省略する。
(構成)
本実施の形態2は、3相変圧器300の各相の中で残留磁束の最も小さな相において、定常磁束と残留磁束の交点22を3相遮断器200の投入目標点とするように投入制御装置600を設定したものである。
(作用)
図5は3相変圧器の各相の残留磁束の和が0の条件のもと、U相の残留磁束7が正極性で最大であり、V、W相の残留磁束8、9がともに負極性で異なる値で、残留磁束8>残留磁束9の関係にあるため、W相が残留磁束の最も小さな相である。従って、図5の場合はW相における定常磁束6と残留磁束9の交点22を遮断器投入目標点として3相遮断器200の投入目標点を設定する。
図6はU、V相残留磁束をそれぞれ正極性、負極性で最大、W相を0とした場合である。この場合も、W相が残留磁束の最も小さな相であり、W相における定常磁束6と残留磁束9の交点22を遮断器投入目標点として3相遮断器200の投入目標点を設定する。
図7はV、W相の残留磁束8、9がU相残留磁束7の1/2を想定した場合である。なお、図7ではV相の残留磁束8と、W相の残留磁束9とを区別して明示するため、意識的に両残留磁束が重ならないように描いている。この図7の場合もW相における定常磁束6と残留磁束9の交点22を遮断器投入目標点として3相遮断器200の投入目標点を設定する。
図5乃至図7から明らかなように、遮断器投入目標点22は図2に示した投入目標位相範囲13(−30°〜30°)に入っており、3相とも各相の残留磁束と定常磁束との差が小さくなる。
(効果)
本実施の形態2によれば、各相の定常磁束と残留磁束との差を小さくでき、この投入目標点22において3相の遮断器200を投入させて変圧器300を励磁させれば、大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
(実施の形態3)
図8乃至図10は、本実施の形態3を説明するための図である。特に、図8乃至図10は、3相変圧器投入時の相電圧および定常磁束、残留磁束の関係を示す波形図であり、残留磁束の残り方がそれぞれ異なる場合を想定して示している。なお、本実施の形態3では、3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係は前述の実施の形態1、2の場合と同じであるため、図1相当のブロック図は省略する。
(構成)
本実施の形態3は、3相変圧器投入時の残留磁束の最も大きな相において、定常磁束が波高値にあるとき、すなわち定常磁束よりも90°進んでいる相電圧の0点を3相遮断器200の投入目標点とするように投入制御装置600を設定したものである。なお、図8乃至図10の残留磁束の様相は図5乃至図7と同一である。
(作用)
図8は3相変圧器各相の残留磁束の和が0の条件のもと、U相の残留磁束7が正極性で最大であり、V、W相の残留磁束8、9がともに負極性で異なる値であり、残留磁束7>残留磁束8>残留磁束9の関係にあるため、U相が残留磁束の最も大きい相である。従って、図8の場合はU相における定常磁束4の波高値を遮断器投入目標点23として3相遮断器200の投入目標点を設定する。
図9の場合はU、V相残留磁束をそれぞれ正極性、負極性で最大、W相を0とした場合である。この場合も、U相が残留磁束の最も大きな相であり、U相における定常磁束4の波高値を遮断器投入目標点23として3相遮断器200の投入目標点を設定する。
図10はV、W相の残留磁束8、9がU相残留磁束7の1/2を想定した場合である。なお、図10ではV相の残留磁束8と、W相の残留磁束9と見やすくするため、意識的に両残留磁束が重ならないように描いている。この図10の場合もU相における定常磁束4の波高値を遮断器投入目標点23として3相遮断器200の投入目標点を設定する。
図8乃至図10から明らかなように、遮断器投入目標点23では、図2に示した投入目標位相範囲13に入っており、3相とも各相の残留磁束と定常磁束との差が小さくなる。
(効果)
本実施の形態3によれば、各相の定常磁束と残留磁束との差を小さくでき、この投入目標23において3相遮断器200を投入させて変圧器300を励磁させれば、大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
(変形例)
なお、以上述べた実施の形態1乃至3では、変圧器300の1次側がY結線された場合で説明したが、図2、図4乃至図10に示した相電圧を線間電圧とし、その線間電圧の積分値を磁束とすれば、変圧器300の1次側がΔ結線された変圧器投入の条件となる。この場合でも同様の投入位相制御方法で大きな励磁突入電流を抑制できることは言うまでもない。
(実施の形態4)
図11乃至図12は、本実施の形態4を説明するための図であり、特に、図11は3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図、図12は、単相変圧器3台をY結線−Δ結線に接続し、その3相分の変圧器を遮断器で遮断したときの残留磁束を、遮断位相を変えて計算で求めた例を示す図である。
(構成)
図11において、電力系統構成は図1の場合と同じであるが、図1と異なるのは、変圧器300の2次巻線302がΔ結線され、さらに、変圧器300の通常の運用状態において1次側端子、2次側端子または3次側端子のいずれにも変圧器端子電圧計測用機器500が設置されていない場合に、1次側端子に仮接続用の変圧器端子電圧計測用機器500Aを接続し、その出力電圧を投入・開極制御装置600Aの変圧器端子電圧計測手段603に入力するようにしている点にある。
この投入・開極制御装置600Aは、実施の形態1の投入制御装置600に替えて設けたもので、励磁突入電流抑制装置を構成しており、電源電圧計測手段601から投入指令出力手段606までの構成要素については、実施の形態1の投入制御装置600と共通であるが、遮断位相・残留磁束関係計測保持手段607、開極位相制御手段608および開極指令出力手段609を追加した構成としている。
遮断位相・残留磁束関係計測保持手段607は、変圧器端子電圧計測用機器500Aを仮接続した状態で遮断器を少なくとも1回以上(一般的には複数回)遮断し、そのとき変圧器端子電圧計測手段603から出力される電圧遮断位相と、残留磁束算出手段604から出力される磁束信号とを入力して、遮断位相と残留磁束の関係を計測し保持する機能を備えている。
開極位相制御手段608は、電源電圧計測手段601の出力と、遮断位相・残留磁束関係計測保持手段607の出力とを入力して主接点の開極位相を制御する機能を備えている。そして、開極指令出力手段609は、開極位相制御手段608の出力信号を受けて遮断器200の主接点を駆動する操作機構に対して開極指令を出力する機能を備えている。
図12は例として3.3kV−415V−300kVAの単相変圧器を3台、Y結線−Δ結線に接続し、その3相分の変圧器300を遮断器200で遮断したときの残留磁束を、遮断位相を変えて計算により求めた図である。
前述したように、3相変圧器300が通常の運用状態において、1次側端子、2次側端子または3次端子のいずれにも変圧器端子電圧計測用機器500が設置されていない場合に、変圧器端子電圧計測用機器500Aを仮接続した状態で遮断器200を少なくとも1回以上(一般的には複数回)遮断し、図12に相当する遮断器の遮断位相に対する変圧器各相の残留磁束の特性をあらかじめ測定しておく。図中の24は1相の残留磁束が最大となるように遮断位相を設定したときの各相の残留磁束を示し、7´、8´、9´はそれぞれU相、V相、W相の残留磁束である。
変圧器端子電圧計測用機器500Aはこの残留磁束7´、8´、9´の特性を測定するために仮接続し、通常の運用状態においては取り外す。もちろん恒久的に変圧器端子電圧計測用機器500Aを設置してもよい。遮断位相と残留磁束の関係が得られればよいので、図12に示すように詳細に残留磁束の特性を測定する必要は必ずしもない。
通常の運用において遮断器200で変圧器300を遮断する際、開極指令出力手段609は遮断位相が常に同じになるように遮断器の開極位相を制御して遮断する。これによって、あらかじめ測定した図12に相当する残留磁束の特性から、各相の残留磁束は例えば24であると推定することが可能となる。
(作用)
電力系統に遮断器200および変圧器300を一旦設置した後は、当該電力系統の回路条件(図11の場合、電力系統100から変圧器300までの回路条件)は常に同じであるから、遮断器200が遮断するときの位相を常に同じにしておけば、変圧器300各相の残留磁束の値も常に同じになるはずである。
従って、変圧器300の1次側端子乃至3次側端子のいずれにも電圧計測用機器が常時接続していない場合においても、所定の位相で遮断器200が遮断した後の変圧器300の残留磁束の情報は常に得ることができる。
ところで、変電所では母線等には必ず母線電圧計測用機器等の電源電圧計測用機器が設置されている。この電源電圧計測用機器の電圧情報があれば、変圧器端子電圧計測用機器が設置されていなくても、変圧器の定常磁束を算出することができる。従って、変圧器端子電圧計測用機器が無くても、遮断器200の位相制御投入が可能となる。
(効果)
遮断器が変圧器を遮断した後の残留磁束の情報は、電圧計測用機器を仮接続した測定によってあらかじめ明らかになっているから、遮断の都度、変圧器端子電圧を計測しなくても、残留磁束と定常磁束との関係を得ることができ、上述した実施の形態1乃至3の位相検出方法を適用することによって、遮断器200で変圧器300を電源に投入したときに大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
また、変圧器の定常磁束、すなわち変圧器に定常状態で電圧が印加されたときの磁束は、母線等に設置された電源電圧計測用機器によって測定された電圧を積分することでも求めることができる。
(実施の形態5)
上述した実施の形態4では、遮断位相を制御して、残留磁束を推定する方法について、変圧器300の1次側端子に仮接続用の変圧器端子電圧計測用機器500Aを接続し、その出力電圧を投入・開極制御装置600Aの変圧器端子電圧計測手段603に入力するようにしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、変圧器300の運用状態で1次、2次および3次側端子のいずれかに電圧計測用機器が接続されている場合にも適用可能である。
このように、変圧器300側の電圧計測用機器がある場合に、あえてこの形態をとる理由は、コントローラへの変圧器側の電圧計測用機器の入力が不要になるため、コントローラの簡素化・コストダウンが図れるという効果を奏することができるからである。
また、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係を取得する手段は、必ずしも、図11の同期開閉制御装置600Aに内蔵されている必要はない。別のユニットで遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係を取得し、結果のみを同期開閉制御装置600Aに記憶させるようにしても同様の効果を奏することができる。
実際の運用においては、既に設置されているVT、または仮に接続するVTを使用して、汎用計測器で変圧器電圧を計測し、その計測データから遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をパソコン等で算出するような形態が一般的と考えられる。
(実施の形態6)
図13乃至図16は、本実施の形態6を説明するための図であり、特に、図13は3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図、図14は電源相電圧と変圧器の定常磁束、変圧器鉄心の残留磁束、線間電圧と線間の定常磁束、および線間の残留磁束の関係を示す波形図、図15は非有効接地系に設置されたY−Δ結線の3相変圧器を示す結線図、図16は図15の3相変圧器を遮断した後に変圧器Y側中性点に直流電圧が現れることを示す波形図である。
(構成)
図13において、3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係は前述の実施の形態1乃至3の場合と同じであるが、実施の形態1乃至3と異なるのは、励磁突入電流抑制装置を構成する投入制御装置600において、各相ごとの定常時の磁束を算出する定常磁束算出手段602に替えて、線間の定常時の磁束を算出する定常磁束算出手段602Aを設けるとともに、各相ごとの残留磁束を算出する残留磁束算出手段604に替えて、線間の残留磁束を算出する残留磁束算出手段604Aを設けた点にある。
ここで、定常磁束算出手段602Aは、電源電圧計測手段601で計測された各相(U、V、W相)の電源電圧を積分することにより、定常時の各相の磁束を算出し、各相の磁束を線間の磁束に変換する手段である。また、残留磁束算出手段604Aは、変圧器端子電圧計測手段603で計測された各相(U、V、W相)の変圧器端子電圧を積分することで変圧器各端子の残留磁束を算出し、それを線間の残留磁束に変換する手段である。
なお、変形例として、電源電圧計測手段601で計測された各相電圧を定常磁束算出手段602Aにより線間電圧に変換し、それを積分して各線間の磁束を求めてもよい。同様に、変形例として、変圧器端子電圧計測手段603で計測された各相電圧を残留磁束算出手段604Aにより線間電圧に変換し、それを積分して各線間の磁束を求めてもよい。
また、VT等の電圧計測用機器では、機器内で対地電圧を線間電圧に変換する機能を有しているものもあるため、そのような電圧計測用機器が設置されている場合には、定常磁束算出手段602Aや残留磁束算出手段604Aにより各相電圧を線間電圧に変換する必要がなくなる。すなわち、電源電圧計測用機器400内で対地電圧を線間電圧に変換する場合には、電源電圧計測手段601で線間電圧が計測されるため、定常磁束算出手段602Aは、線間電圧を積分して各線間の磁束を求めればよい。同様に、変圧器端子電圧計測用機器500内で対地電圧を線間電圧に変換する場合には、変圧器端子電圧計測手段603で線間電圧が計測されるため、残留磁束算出手段604Aは、線間電圧を積分して各線間の磁束を求めればよい。
また、定常磁束算出手段602Aおよび残留磁束算出手段604Aが、それぞれ線間の磁束を算出することから、位相検出手段605は、各線間(UV、VW、WU相)毎に定常磁束算出手段602Aの出力信号および定常磁束算出手段604Aの出力信号を入力し、定常磁束と、変圧器各線間の残留磁束とが同一極性になる位相を検出する。投入指令出力手段606は、この位相検出手段605の出力信号を3線間(UV、VW、WU相)分入力し、3線間分の論理積が成立する範囲で遮断器200の主接点が電気的に投入されるように、遮断器200の主接点を駆動する操作機構に対して投入指令を出力する。
(作用)
図14において、1〜3は、電源電圧計測手段601によって計測された電源各相(U、V、W相)電圧である。4〜6は、変圧器に定常状態で3相電圧1〜3が印加されたとき、その電圧を定常磁束算出手段602Aで積分して算出された変圧器各相(U、V、W相)の定常磁束である。
31〜33は、定常磁束算出手段602Aによって3相電圧1〜3を変換して得られた各線間(UV、VW、WU間)電圧、34〜36は、定常磁束算出手段602Aによって各線間電圧31〜33を積分して算出することで、もしくは、各相の定常磁束4〜6を変換することで得られた各線間の磁束である。37〜39は、残留磁束算出手段604Aで算出された変圧器各線間(UV、VW、WU間)の残留磁束である。
なお、図14の例では、変圧器UV間の残留磁束37が正極性で最大値、VW間の残留磁束38およびWU間の残留磁束39が負極性でかつそれぞれ同じ値の状態を示している。また、図14では、VW間の残留磁束38と、WU間の残留磁束39とを区別して明示するため、意識的に両残留磁束が重ならないように描いている。
また、変圧器各相(U、V、W相)鉄心の残留磁束7〜9は、残留磁束算出手段604Aで算出された変圧器各線間(UV、VW、WU間)の残留磁束37〜39から推定することで、もしくは、残留磁束算出手段604Aによって変圧器各線間(UV、VW、WU間)の残留磁束37〜39を算出するために各相電圧1〜3を積分して算出することで得られたものである。
図14から明らかなように、3線間(3相分)とも定常磁束と残留磁束との極性が一致するのは、40に示す位相範囲であり、各線間毎に位相検出手段605から出力された信号の論理積で求まる。この位相範囲40は、3相遮断器200の投入目標位相範囲である。
前述した実施の形態1乃至4においては、変圧器1次対地電圧を積分し、各相鉄心の残留磁束を算出し、その残留磁束と各相の定常磁束とから図14に示すような各相の残留磁束と定常磁束の極性が3相とも一致する範囲42(図2の範囲13、図4の範囲20、21に相当)を求め、この範囲42を投入目標位相範囲として3相遮断器200を投入すれば、大きな励磁突入電流を抑制できることを示した。
図14において線間の磁束から設定した投入目標位相範囲40は「各相の残留磁束と定常磁束の極性が3相とも一致する範囲42」の範囲内であり、この投入目標位相範囲40で3相遮断器200を投入して変圧器300を励磁させれば、大きな励磁突入電流を抑制できる。
遮断器200の投入において、操作機構の動作ばらつきなどに起因する投入時間のばらつきが存在する。遮断器投入時のばらつきは、あらかじめその特性を取得しておくことにより、位相制御を行う制御装置で補正することが可能であり、これらのばらつきがあっても、遮断器200の投入を図14における投入目標位相範囲40内とすることが可能であることは言うまでもない。
(効果)
図16は、図15に示すような、1次側がY結線で、その中性点が非接地の変圧器を3相遮断器200で遮断したときの変圧器1次対地電圧、対地電圧を積分して算出した磁束、線間電圧、およびその電圧を積分して算出した磁束を示している。
図16においては、3相遮断器200が電流を遮断した後、変圧器1次側対地電圧に直流電圧43が現れている。Y結線された中性点の電圧は、直流電圧43と同じになっている。
変圧器端子電圧を積分して残留磁束を算出する場合には、遮断後の残留磁束を算出するために直流電圧43を積分することになるので、各相の残留磁束7〜9は時間とともに増加し、最終的には発散する。このため、端子電圧を積分して残留磁束を算出したのでは、残留磁束が正確に算出できないことが明らかである。
一方で、線間電圧を考慮すると、例えば、UV間の線間電圧はU相対地電圧からV相対地電圧を引き算したものである。図16に示す直流電圧22から明らかなように、遮断器遮断後の変圧器1次各相の対地電圧は同じ大きさの直流電圧となっている。そのため、1次対地電圧を差分して算出する線間電圧31〜33にはこの直流電圧の影響は現れない。このような線間電圧31〜33を積分すれば、図16に線間の残留磁束37〜39として示すように、磁束が発散することはないので、直流電圧22の影響を受けることなく、正確な残留磁束を求めることができる。従って、線間電圧を積分して定常磁束と残留磁束との関係を求めれば、変圧器が遮断された後に中性点に直流電圧が発生しても、直流電圧の影響を受けずに遮断器投入位相を決定することができる。
線間電圧は、前記のように対地電圧の差分であり、また、磁束は電圧の積分である。そのため、対地電圧を線間電圧に変換した後、それを積分して磁束を算出した場合でも、あるいは、対地電圧を積分して各相の磁束を算出し、その磁束を差分した場合でも、中性点の直流電圧の影響を受けることなく線間の残留磁束を算出できることは言うまでもない。
なお、図15の例において、101は、電力系統、102は、電源側中性点インピーダンスを示している。この例では、変圧器中性点のインピーダンスがない状態を示しているが、非有効接地系で、変圧器中性点にインピーダンスが接続される場合がある。中性点に接続されるインピーダンスは、大きな値の抵抗であることが多く、この場合でも変圧器中性点に直流電圧が現れるため、本実施の形態1により同様の効果が得られる。
(実施の形態7)
図17乃至図20は、本実施の形態7を説明するための図であり、図17は、図14の波形のうち、対地電圧を遮断器極間電圧に書き直し、磁束の波形を削除したものである。図18は、非有効接地系に設置されたY−Δ結線の3相変圧器を示す結線図、図19は、図18の3相変圧器を投入するとき、遮断器が1相だけ投入した後の、他相の電圧変化を説明する図である。図20は、3相変圧器投入時の電源相電圧、線間電圧、定常磁束、および残留磁束の関係を示す波形図であり、図17とは線間の残留磁束の残り方が異なる場合を想定して示している。なお、本実施の形態7では、3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係は前述の実施の形態6の場合と同じであるため、図13相当のブロック図は省略する。
(構成)
本実施の形態7は、3相変圧器300の各線間の中で残留磁束の最も大きな線間において、定常磁束と残留磁束の極性が一致する範囲で定常磁束が最大値となる点、すなわち、線間の電圧零点41を、3相遮断器200の投入目標点とするように投入制御装置600を設定したものである。
(作用)
図17において、47は遮断器200投入時のプレアーク発生電圧を示している。遮断器極間に電圧が引加された状態で遮断器を投入するとき、遮断器接点が機械的に接触する前にプレアークと呼ばれる先行放電が発生し、電気的に投入状態となることが知られている。プレアークが発生する電圧は、接点間距離が大きいほど大きくなる。従って、図17に示すように、遮断器投入時のプレアーク発生電圧47は、時間軸に沿って低下する。また、このようなプレアーク発生電圧が、ばらつき48を示すことは良く知られている。
図17における投入目標点41の設定条件は、W相の遮断器極間電圧46の波高値で遮断器を電気的に投入できることを示している。しかし、この投入目標点41において、他相であるU相とV相の遮断器極間電圧45、46の値は、0.5p.u.であるため、このままでは他相であるU相とV相の投入時間が遅れてしまい、遮断器は3相同時に投入状態とはならない。
これに対して、図19では、3.3kV−415V−300kVAの変圧器を図18に示すようにY−Δ結線に接続した条件で、投入目標点41で遮断器200が1相だけ投入状態となったときの他相の遮断器極間電圧の変化49、50を計算で求めた結果波形を示している。
図19において、遮断器極間電圧の変化49、50として示すように、他相の極間電圧は、投入目標点41で遮断器200が1相だけ投入状態となった後、過渡振動を伴い,急な立上りで大きくなることが明らかとなった。これは、非投入相の変圧器端子から、変圧器1次端子と遮断器間の漂遊の静電容量(図18の350)が投入相の電圧によって充電されるためであると考えられる。なお、過渡振動が収束した後、他相の極間電圧は、√3p.u.の大きさになる。
これにより、図17の投入目標点41において3相遮断器を投入させるとき、1相の先行放電によって投入状態となった後、すぐに他相も先行放電で投入状態となり、3相遮断器投入の時間差を非常に小さくできることが明らかとなった。
図20は、残留磁束の様相を図17とは異なる条件としたときの遮断器投入目標を示す波形図である。図20では、UV間残留磁束37が正極性で最大、VW間残留磁束38が0であり、WU間残留磁束39が負極性でかつその絶対値がUV間残留磁束37と同じ、という条件としている。このとき、UV間残留磁束37とUV間定常磁束34によって投入目標点41が設定される。一方、WU間残留磁束39とWU間定常磁束36によって投入目標点41’が設定される。
図20において、投入目標点41では、W相対地電圧3が波高値となっており、これは、遮断器W相極間電圧が波高値となることである。一方、投入目標点41’では、V相対地電圧が波高値となっており、これは、遮断器V相極間電圧が波高値となることである。すなわち、投入目標点41、41’のいずれを投入目標としても、前記の通り、遮断器3相間の投入の時間差を小さくすることができることは明らかである。
(効果)
本実施の形態7によれば、遮断器投入時の各相の投入ばらつきを小さくでき、この投入目標点41において3相の遮断器200を投入させて変圧器300を励磁させれば、大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
(実施の形態8)
図21乃至図22は、本実施の形態8を説明するための図であり、1次Y側相電圧、線間電圧と2次もしくは3次Δ側の対地電圧、線間電圧の位相関係を示している。なお、本実施の形態8では、3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係は前述の実施の形態6、7の場合と同じであるため、図13相当のブロック図は省略する。
(構成)
本実施の形態8は、変圧器1次Y側に電圧分圧装置が設置されていない場合に、2次もしくは3次のΔ結線側の対地電圧を計測することで、1次側線間電圧とするものである。
(作用)
図21は、Y側とΔ側の相順関係が+30度の場合を示している。この図21において、Δ側W相対地電圧56は、1次Y側VW間線間電圧32とベクトルの向きが逆になっている。Δ側V相対地電圧55とY側UV間線間電圧31、Δ側U相対地電圧54とY側WU間線間電圧33の関係も同様である。すなわち、Δ側の対地電圧を計測し、その電圧の極性を3相とも反転させれば、1次Y側の線間電圧と同じ位相となる。
ここで、変圧器遮断後の中性点に現れる前述の直流電圧(図16の43)は零相電圧であり、対称座標法から、Δ側には影響しないことが明らかである。従って、Δ側対地電圧を計測し、積分することによって、1次Y側線間電圧を積分し磁束を算出したのと同じ結果が得られ、図14、図17、図20に示したような投入目標点41を設定することができる。
また、図21はY側とΔ側の相順関係が+30度の場合であるが、図22に示すように相順関係が−30度の場合も同様の作用が得られることは言うまでもない。
すなわち、図22に示すように、相順関係が−30度の場合には、Δ側V相対地電圧55は、1次Y側UV間線間電圧31とベクトルが同じ向きになっている。Δ側U相対地電圧54とY側WU間線間電圧33、Δ側W相対地電圧56とY側VW間線間電圧32の関係も同様である。従って、Δ側の対地電圧を計測し、その電圧を3相とも同極性とすれば、1次Y側の線間電圧と同じ位相となる。
(効果)
本実施の形態8によれば、変圧器1次側に電圧分圧装置が設置されていない場合でも、1次側各線間の磁束を算出でき、遮断器の投入目標を設定することができるので、大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
(変形例)
図16に示した変圧器1次対地電圧に現れる直流電圧43は零相電圧であるため、3相の対地電圧を足し算し、さらにそれを3分の1にして、もとの対地電圧から引き算することで対地電圧の直流電圧を0とすることが可能である。その上で磁束を算出し、遮断器投入目標を設定すれば、中性点に現れる直流電圧の影響なく大きな励磁突入電流を抑制できることは言うまでもない。
(実施の形態9)
図23乃至図24は、本実施の形態9を説明するための図であり、特に、図23は3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図、図24は、単相変圧器3台をY結線−Δ結線に接続し、その3相分の変圧器を遮断器で遮断したときの線間の残留磁束を、遮断位相を変えて計算で求めた例を示す図である。
(構成)
図23において、電力系統構成は図13の場合と同じであるが、図13と異なるのは、変圧器300の2次巻線302がΔ結線され、さらに、変圧器300の通常の運用状態において1次側端子、2次側端子または3次側端子のいずれにも変圧器端子電圧計測用機器500が設置されていない場合に、1次側端子に仮接続用の変圧器端子電圧計測用機器500Aを接続し、その出力電圧を投入・開極制御装置600Aの電圧計測手段603に入力するようにしている点にある。変形例として、2次もしくは3次側端子に変圧器端子電圧計測用機器500Aを接続してもよい。
この投入・開極制御装置600Aは、実施の形態6の投入制御装置600に替えて設けたもので、電源電圧計測手段601から投入指令出力手段606までの構成要素については、実施の形態6の投入制御装置600と共通であるが、遮断位相・残留磁束関係計測保持手段607、開極位相制御手段608および開極指令出力手段609を追加することで、実施の形態4の投入・開極制御装置600Aに準ずる構成としたものである。
言い換えれば、本実施の形態9の投入・開極制御装置600Aは、実施の形態4の投入・開極制御装置600Aにおいて、各相ごとの定常時の磁束を算出する定常磁束算出手段602に替えて、線間の定常時の磁束を算出する定常磁束算出手段602Aを設けるとともに、各相ごとの残留磁束を算出する残留磁束算出手段604に替えて、線間の残留磁束を算出する残留磁束算出手段604Aを設けたものである。
図24は例として3.3kV−415V−300kVAの単相変圧器を3台、Y結線−Δ結線に接続し、その3相分の変圧器300を遮断器200で遮断したときの線間の残留磁束を、遮断位相を変えて計算により求めた図である。
前述したように、3相変圧器300が通常の運用状態において、1次側端子、2次側端子または3次端子のいずれにも変圧器端子電圧計測用機器500が設置されていない場合に、変圧器端子電圧計測用機器500Aを仮接続した状態で遮断器200を少なくとも1回以上(一般的には複数回)遮断し、図24に相当する遮断器の遮断位相に対する変圧器各線間の残留磁束の特性をあらかじめ測定しておく。
変圧器端子電圧計測用機器500Aは、この図24に相当する線間の残留磁束の特性を測定するために接続し、通常の運用状態においては取り外す。もちろん恒久的に変圧器端子電圧計測用機器500Aを設置してもよい。遮断位相と残留磁束の関係が得られればよいので、図24に示すように詳細に残留磁束の特性を測定する必要は必ずしもない。
通常の運用において遮断器200で変圧器300を遮断する際、開極指令出力手段609は遮断位相が常に同じになるように遮断器の開極位相を制御して遮断する。これによって、あらかじめ測定した図24に相当する残留磁束の特性から、各線間の残留磁束を推定することが可能となる。
(作用)
電力系統に遮断器200および変圧器300を一旦設置した後は、当該電力系統の回路条件(図23の場合、電力系統100から変圧器300までの回路条件)は常に同じであるから、遮断器200が遮断するときの位相を常に同じにしておけば、変圧器300各線間の残留磁束の値も常に同じになるはずである。
従って、変圧器300の1次側端子乃至3次側端子のいずれにも電圧計測用機器が常時接続していない場合においても、所定の位相で遮断器200が遮断した後の変圧器300の残留磁束の情報は常に得ることができる。
前述したように、変電所に必ず設置されている母線電圧計測用機器等の電源電圧計測用機器の電圧情報があれば、変圧器端子電圧計測用機器が設置されていなくても、変圧器の定常磁束を算出することができる。従って、変圧器端子電圧計測用機器が無くても、遮断器200の位相制御投入が可能となる。
(効果)
遮断器が変圧器を遮断した後の残留磁束の情報は、電圧計測用機器を仮接続した測定によってあらかじめ明らかになっているから、遮断の都度、変圧器端子電圧が計測できなくても、残留磁束と定常磁束との関係を得ることができ、上述した実施の形態6乃至8の位相検出方法を適用することによって、遮断器200で変圧器300を電源に投入したときに大きな励磁突入電流が流れるのを抑制できる。
また、変圧器の定常磁束、すなわち変圧器に定常状態で電圧が印加されたときの磁束は、母線等に設置された電源電圧計測用機器によって測定された電圧を積分することでも求めることができる。
本発明の実施の形態1における3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図。 本発明の実施の形態1における3相の電源相電圧と3相変圧器の定常磁束および変圧器鉄心の残留磁束の関係を示す波形図。 単相変圧器を単相の遮断器で投入するときの残留磁束と投入位相および投入後の磁束を示す波形図。 電源相電圧と変圧器の定常磁束および変圧器鉄心の残留磁束の関係が図1とは異なる場合の波形図。 本発明の実施の形態2における3相変圧器投入時の相電圧および定常磁束、残留磁束の関係を示す波形図。 本発明の実施の形態2における3相変圧器投入時の相電圧および定常磁束、残留磁束の関係を示す波形図。 本発明の実施の形態2における3相変圧器投入時の相電圧および定常磁束、残留磁束の関係を示す波形図。 本発明の実施の形態3における3相変圧器投入時の相電圧および定常磁束、残留磁束の関係を示す波形図。 本発明の実施の形態3における3相変圧器投入時の相電圧および定常磁束、残留磁束の関係を示す波形図。 本発明の実施の形態3における3相変圧器投入時の相電圧および定常磁束、残留磁束の関係を示す波形図。 本発明の実施の形態4における3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図。 本発明の実施の形態4における単相変圧器3台をY結線−Δ結線に接続し、遮断器で遮断したときの遮断位相と各相の残留磁束の計算結果例を示す図。 本発明の実施の形態6における3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図。 本発明の実施の形態6における3相の電源相電圧と3相変圧器の定常磁束、変圧器鉄心の残留磁束、線間電圧と線間の定常磁束、および線間の残留磁束の関係を示す波形図。 本発明の実施の形態6における非有効接地系に設置されたY−Δ結線の3相変圧器を示す結線図。 本発明の実施の形態6における図15の3相変圧器を遮断した後に変圧器中性点に直流電圧が発生することを示す波形図。 本発明の実施の形態7における投入目標設定を示す波形図。 本発明の実施の形態7における非有効接地系に設置されたY−Δ結線の3相変圧器を示す結線図。 本発明の実施の形態7における図18の3相変圧器において、1相だけ遮断器を投入したときの他相の電圧変化を説明する波形図。 本発明の実施の形態7における3相の電源相電圧と3相変圧器の定常磁束、変圧器鉄心の残留磁束、線間電圧と線間の定常磁束、および線間の残留磁束の関係を示す波形図。 本発明の実施の形態8における3相変圧器1次Y側の相電圧と線間電圧、および2次もしくは3次Δ側の対地電圧と線間電圧の関係を示す波形図。 本発明の実施の形態8における3相変圧器1次Y側の相電圧と線間電圧、および2次もしくは3次Δ側の対地電圧と線間電圧の関係を、図21とは異なる相順関係で示す波形図。 本発明の実施の形態9における3相変圧器、3相遮断器および励磁突入電流抑制装置の接続関係を示すブロック図。 本発明の実施の形態9における単相変圧器3台をY結線−Δ結線に接続し、遮断器で遮断したときの遮断位相と各線間の残留磁束の計算結果例を示す図。
符号の説明
1〜3…電源相電圧(U相、V相、W相)、4〜6…変圧器各相の定常磁束(U相、V相、W相)、7〜9…変圧器各相鉄心の残留磁束(U相、V相、W相)、10〜12…各相の残留磁束と定常磁束の極性が一致する範囲(U相、V相、W相)、13、20〜21…各相の残留磁束と定常磁束の極性が3相とも一致する範囲(投入目標位相範囲)、22〜23…遮断器投入目標点、31〜33…線間電圧(UV間、VW間、WU間)、34〜36…線間の定常磁束(UV間、VW間、WU間)、37〜39…線間の残留磁束(UV間、VW間、WU間)、40…各線間の定常磁束と残留磁束の極性が3線間で一致する範囲(投入目標位相範囲)、41…遮断器投入目標点、42…各相の残留磁束と定常磁束の極性が3相とも一致する範囲、43…直流電圧、44〜46…遮断器極間電圧(U相、V相、W相)、51〜53…変圧器Δ側線間電圧(UV間、VW間、WU間)、54〜56…変圧器Δ側各相対地電圧(U相、V相、W相)、57〜59…遮断位相を変えたときの線間の残留磁束(UV間、VW間、WU間)、100…電力系統、200…3相遮断器、300…3相変圧器、400…電圧計測機器、500…変圧器端子電圧計測用機器、500A…仮接続用の変圧器端子電圧計測用機器500A、600…投入制御装置、600A…投入・開極制御装置、601…電源電圧計測手段、602…各相の定常磁束算出手段、602A…線間の定常磁束算出手段、603…変圧器端子電圧計測手段、604…各相の残留磁束算出手段、604A…線間の残留磁束算出手段、605…位相検出手段、606…投入指令出力手段、607…遮断位相・残留磁束関係計測保持手段、608…開極位相制御手段、609…開極指令出力手段。

Claims (30)

  1. 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
    前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側もしくは2次側または3次側の相電圧もしくは線間電圧を積分することにより変圧器各相の定常磁束を算出し、
    前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各相の残留磁束の極性および大きさを算出し、
    前記変圧器各相の定常磁束の極性と、前記各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  2. 残留磁束が最も小さな相の定常磁束が残留磁束と交差する点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項1記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  3. 残留磁束が最も大きな相の相電圧零点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させて3相変圧器を励磁することを特徴とする請求項1記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  4. 非有効接地系に設置されるとともに、1次巻線がΔ結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
    前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側もしくは2次側または3次側の線間電圧を積分することにより変圧器各相の定常磁束を算出し、
    前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各相の残留磁束の極性および大きさを算出し、
    前記変圧器各相の定常磁束の極性と、前記各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  5. 残留磁束が最も小さな相の定常磁束が残留磁束と交差する点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項4記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  6. 残留磁束が最も大きな相の線間電圧零点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させて3相変圧器を励磁することを特徴とする請求項4記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  7. 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
    前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定した電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測しておき、
    遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御して遮断することにより、前記の関係から変圧器の残留磁束を推定し、
    その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各相の定常磁束の極性と、前記推定された各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  8. 残留磁束が最も小さな相の定常磁束が残留磁束と交差する点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項7記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  9. 残留磁束が最も大きな相の相電圧零点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させて3相変圧器を励磁することを特徴とする請求項7記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  10. 非有効接地系に設置されるとともに、1次巻線がΔ結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
    前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定した電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測しておき、
    遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御して遮断することにより、前記の関係から変圧器の残留磁束を推定し、
    その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各相の定常磁束の極性と、前記推定された各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  11. 残留磁束が最も小さな相の定常磁束が残留磁束と交差する点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項10記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  12. 残留磁束が最も大きな相の線間電圧零点を投入目標として3相の遮断器を同時に投入させて3相変圧器を励磁することを特徴とする請求項10記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  13. 3相の遮断器を3相一括操作型遮断器としたことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  14. 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
    前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側もしくは2次側または3次側の相電圧もしくは線間電圧を積分することにより変圧器各相の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
    前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各相の残留磁束の極性および大きさを算出する残留磁束算出手段と、
    前記変圧器各相の定常磁束の極性と、前記変圧器各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲を検出して出力を生じる位相検出手段と、
    前記位相検出手段の出力により前記3相の遮断器を同時に投入させる投入手段と、
    を備えたことを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。
  15. 非有効接地系に設置されるとともに、1次巻線がΔ結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
    前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側もしくは2次側または3次側の線間電圧を積分することにより変圧器各相の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
    前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各相の残留磁束の極性および大きさを算出する手段と、
    前記変圧器各相の定常磁束の極性と、前記変圧器各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲を検出して出力を生じる位相検出手段と、
    前記位相検出手段の出力により前記3相の遮断器を同時に投入させる投入手段と、
    を備えたことを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。
  16. 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
    前記遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係を保持する遮断位相・残留磁束関係計測保持手段と、
    遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御する開極位相制御手段と、
    前記開極位相制御手段の出力により遮断器に開極指令を出力する手段と、
    その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各相の定常磁束の極性と、前記遮断位相・残留磁束関係計測保持手段に保持されている各相の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲を検出して出力を生じる位相検出手段と、
    前記位相検出手段の出力により前記3相の遮断器を同時に投入させる投入手段と、
    を備えたことを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。
  17. 前記遮断位相・残留磁束関係計測保持手段は、前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定された電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測し保持することを特徴とする請求項16に記載の変圧器の励磁突入電流抑制装置。
  18. 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
    前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側の相電圧を測定し、
    前記測定された相電圧を線間電圧に変換し、その線間電圧を積分して線間の定常磁束を算出し、
    前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出し、
    前記変圧器各線間の定常磁束の極性と、前記各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  19. 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
    前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側の相電圧を測定し、
    前記測定された相電圧を積分することにより変圧器各端子の定常磁束を算出し、その変圧器各端子の定常磁束を線間の定常磁束に変換し、
    前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出し、
    前記変圧器各線間の定常磁束の極性と、前記各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  20. 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
    前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側の線間電圧を測定し、
    前記測定された線間電圧を積分することにより変圧器各線間の定常磁束を算出し、
    前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出し、
    前記変圧器各線間の定常磁束の極性と、前記各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  21. 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
    前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときのΔ結線された巻線の3相対地電圧を測定し、
    前記測定された対地電圧を積分することにより変圧器各線間の定常磁束を算出し、
    前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出し、
    前記変圧器各線間の定常磁束の極性と、前記各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内にあるとき、前記3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  22. 残留磁束が最も大きな線間において、線間電圧が前記残留磁束と同極性から逆極性へ遷移する電圧零点を電気的な投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項18乃至請求項21のいずれか1項に記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  23. 線間電圧の電圧零点を相電圧の位相に換算し、換算した相電圧の位相を電気的な投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項22記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  24. 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
    前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定した電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測しておき、
    遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御して遮断することにより、前記の関係から変圧器の残留磁束を推定し、
    その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各線間の定常磁束の極性と、前記推定された各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  25. 残留磁束が最も大きな線間において、線間電圧が前記残留磁束と同極性から逆極性へ遷移する電圧零点を電気的な投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項24記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  26. 線間電圧の電圧零点を相電圧の位相に換算し、換算した相電圧の位相を電気的な投入目標として3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする請求項25記載の変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  27. 非有効接地系に設置されるとともに、1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
    前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側の相電圧を測定し、
    前記測定された3相の相電圧の総和を3分の1にすることで零相電圧を算出し、
    各相の相電圧から前記零相電圧を引き算することで3相の変圧器の各巻線電圧を算出し、
    前記算出された各巻線電圧を積分することにより変圧器各巻線の定常磁束を算出し、
    前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各巻線の残留磁束の極性および大きさを算出し、
    その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各巻線の定常磁束の極性と、前記算出された各巻線の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  28. 非有効接地系に設置されるとともに、1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制方法において、
    前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときのΔ結線された巻線の線間電圧を測定し、
    前記測定された線間電圧を積分することにより変圧器各巻線の定常磁束を算出し、
    前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出し、
    その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各巻線の定常磁束の極性と、前記算出された各巻線の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲内で3相の遮断器を同時に投入させることを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制方法。
  29. 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線はたは3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
    前記変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの1次側もしくは2次側または3次側の相電圧もしくは線間電圧を積分することにより変圧器各線間の定常磁束を算出する定常磁束算出手段と、
    前記遮断器が変圧器を遮断した後の当該変圧器各線間の残留磁束の極性および大きさを算出する残留磁束算出手段と、
    前記変圧器各線間の定常磁束の極性と、前記変圧器各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲を検出して出力を生じる位相検出手段と、
    前記位相検出手段の出力により前記3相の遮断器を同時に投入させる投入手段と、
    を備えたことを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。
  30. 1次巻線がY結線に接続され、かつ、2次巻線または3次巻線がΔ結線された3相の変圧器の各相端子を3相遮断器により3相電源に投入して励磁開始時に発生する励磁突入電流を抑制するようにした変圧器の励磁突入電流抑制装置において、
    前記遮断器を少なくとも1回以上開放操作し、そのときに変圧器1次もしくは2次または3次端子に接続した電圧計測用機器によって測定した電圧から、遮断器の遮断位相と変圧器の残留磁束の関係をあらかじめ計測し保持する手段と、
    遮断器が変圧器を遮断するときは、常に同じ遮断位相となるように遮断器の開極位相を制御する開極位相制御手段と、
    前記開極位相制御手段の出力により遮断器に開極指令を出力する手段と、
    その後に変圧器を投入させるときは、変圧器に3相交流電圧が定常状態で印加されたときの各線間の定常磁束の極性と、前記保持されている各線間の残留磁束の極性が同一となる位相が3相分重なる範囲を検出して出力を生じる位相検出手段と、
    前記位相検出手段の出力により前記3相の遮断器を同時に投入させる投入手段と、
    を備えたことを特徴とする変圧器の励磁突入電流抑制装置。
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