JP4896842B2 - 携帯可能電子装置 - Google Patents
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図1は、この実施の形態に係る携帯可能電子装置としてのICカード1のハードウエア構成を概略的に示すものである。
図1に示すように、ICカード1は、CPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)11、ROM(リード・オンリ・メモリ)12、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)13、通信ユニット(UART)14、不揮発性メモリ(NV(EEPROM))15、および、コプロセッサ(Co−Processor)16などを有している。
また、上記ICカード1は、上位装置としての上記ICカード処理装置2から電力などの供給を受けた際、活性化し(動作可能な状態となり)、上記ICカード処理装置2からのコマンドに応じて動作するようになっている。
上記不揮発性メモリ16には、たとえば、ISO/IEC7816において定義されたファイル構造で各種のデータが記憶される。たとえば、上記不揮発性メモリ16には、複数階層構造(ツリー構造)で管理されるデータファイルとしてのファイル(EF:Elementary File)、および、データフォルダとしてのファイル(DF:Dedicated File)が記憶されている。
図2に示す例では、最上位がマスタファイルとしてのファイル(MF:Master File)21である。上記MF21の配下には、フォルダとしてのDF(アプリケーションA)22A、および、フォルダとしてのDF(2アプリケーションB)22Bが設けられている。さらに、上記DF(アプリケーションA)22Aの配下には、データの格納などに使用されるEF(ファイルA1)23A1およびEF(ファイルA2)23A2が設けられている構成になっている。さらに、上記DF(アプリケーションB)22Bの配下には、データの格納などに使用されるEF(ファイルB1)23B1が設けられている構成になっている。このようなファイル構造では、各種のデータは、データファイルとしてのEFに記憶される。
上記ICカード1では、上述したように、CPU11がROM12あるいは不揮発性メモリ16に記憶されているプログラムを実行することにより、種々の処理を実現している。すなわち、上記ICカード1では、CPU11が実行するソフトウエアによってROM12、RAM13、不揮発性メモリ16、UART14あるいはコプロセッサ15などを制御することにより種々の処理を実現している。
上記ICカード1におけるソフトウエアは、ハードウエア(H/W)層31、OS(オペレーティングシステム)層32、および、アプリケーション層33から構成される。図3に示すように、上記ICカード1では、上記アプリケーション層33が最上位に位置し、上記OS層32が上記H/W層31の上位に位置するような構造となっている。
すなわち、上記H/W層31の各ハードウエアは、上記OS層32のカードOS41により制御される。上記OS層32のカードOS41は、上記アプリケーション層33の各アプリケーションから要求に応じて各ハードウエアの動作を制御する。また、上記H/W層31の各ハードウエアによる処理結果等は、上記OS層32のカードOS41を介してアプリケーションへ供給される。たとえば、外部装置からのコマンドは、上記H/W層31のハードウエアにより受信され、上記OS層32のカードOS41へ供給される。上記カードOS41では、上記H/W層31で受信したコマンドを選択的にアプリケーション層33における特定のアプリケーションへ供給する。
図4及び図5は、チャネル管理テーブル42aの構成例を示す図である。
すなわち、図4及び図5に示すように、チャネル管理テーブル42aは、各アプリケーションおよび各ファイルごとに各ロジカルチャネルのアクセス順番が格納されている。つまり、チャネル管理テーブル42aに格納されるアクセス順番は、各ファイルあるいは各アプリケーションをカレントに設定したロジカルチャネルの順番(つまり、各ファイルあるいは各アプリケーションにアクセスしたロジカルチャネルの順番)である。
たとえば、特定のアプリケーション(最優先とするアプリケーション)は、ロジカルチャネルの優先順位によらずに、常に全てのコマンドに対する処理を実行するようにしても良い。また、受信したコマンドの種類によらずに、最上位のロジカルチャネルでなければ、全てのコマンドに対する処理を実行しないようにしても良い。さらには、たとえば、履歴情報をレコード単位で順次格納する特定のファイルについては、ロジカルチャネルの優先順位によらずに、書込み処理を許可するようにしても良い。
上記のように、本ICカード1では、アプリケーションごとに、別のロジカルチャネルとカレント設定が競合する場合のコマンドに対する処理内容に自由に設計でき、運用形態などに応じた自由度の高いシステムを実現できる。
図6は、ICカード処理装置2からのコマンドに対する処理例を説明するためのフローチャートである。なお、カードOS41および各アプリケーションの動作は、CPU11により実現されるものであるが、以下の処理例では、カードOS41の動作と各アプリケーション22(22A、22B、…)の動作とに分けて説明するものとする。
まず、ICカード処理装置2からのコマンドをUART14により受信すると(ステップS10)、CPU11により実行されるカードOS41は、受信したコマンドをアプリケーション(ここではアプリケーション22Aとする)に通知する(ステップS11)。
この問合せに対して、カードOS41は、ロジカルチャネル管理機能42によりチャネル管理テーブル42aを参照し、当該アプリケーション22Aのロジカルチャネルを判別する(ステップS14)。上記アプリケーション22Aのロジカルチャネルを判別すると、カードOS41は、上記アプリケーション22Aに対してロジカルチャネルを示す情報を通知する(ステップS15)。
これにより、上記アプリケーション22Aは、自身のロジカルチャネルを確認する。なお、コマンドを受信したアプリケーションが自身に割り当てられたロジカルチャネルを確認する方法としては、上記ステップS13〜S16の処理に限らず、受信したコマンドのCLASSバイトから直接確認する方法、あるいは、カード仕様によって予め用意されてる専用のAPIにより取得する方法なども適用可能である。
この問合せに対して、カードOS41は、上記ロジカルチャネル管理機能42によりチャネル管理テーブル42aを参照して、アクセス対象とするファイルに対する各ロジカルチャネルのアクセス順番(優先順位)を判定する(ステップS22)。上記アクセス対象のファイルに対する各ロジカルチャネルのアクセス順番を判別すると、カードOS41は、上記アプリケーション22Aに対して当該ファイルに対する各ロジカルチャネルのアクセス順番を示す情報を通知する(ステップS23)。
上記のように、本ICカード1のカードOS41では、各ファイルに対してカレント設定しているチャネルとそれらのチャネルのアクセス順番とを管理しておき、アプリケーションが、受信したコマンドに応じてアクセスしようとするファイルについて、「既に他のチャネルが対象のファイルをカレント設定しているか」、「アクセスする優先権(アクセスした順番)はどのチャネルにあるか」をカードOS41から提供される情報により確認することにより、複数のチャネルでのカレント設定に応じたアクセス制御を行うようにしたものである。
まず、第1の具体例として、優先権がない場合(アクセス順番が最上位でいない場合)に、書換えを不可とするように設計されたアプリケーションによる書換えコマンドに対する処理例について説明する。また、ここでは、各ロジカルチャネルが図5に示すような状態となっている場合を想定するものとする。
Claims (5)
- オペレーティングシステムプログラムを記憶する第1の記憶手段と、
アプリケーションプログラムを記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に記憶されているアプリケーションプログラムで用いられるデータを記憶している第3の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されているオペレーティングシステムプログラムおよび前記第2の記憶手段に記憶されているアプリケーションプログラムを実行する制御手段と、を有する携帯可能電子装置であって、
前記オペレーティングシステムプログラムは、
前記第3の記憶手段に記憶している各ファイルに対してアクセス中のチャネルを示す情報を管理する管理機能と、
前記管理機能に管理されている情報を参照することにより、特定のファイルにアクセスしようとするアプリケーションに、前記ファイルにアクセス中のチャネルを示す情報を提供する提供機能とを有し、
前記アプリケーションプログラムは、
前記オペレーティングシステムから提供された情報と自身に割り当てられているチャネルとに基づいて前記ファイルへのアクセスの可否を判定する判定機能と、
この判定機能により前記ファイルへのアクセスが不可であると判定した場合、前記ファイルへのアクセスを中断する中断機能と、
前記判定機能により前記ファイルへのアクセスを許可すると判定した場合、前記ファイルへのアクセスを実行する実行機能と、を有する、
ことを特徴とする携帯可能電子装置。 - 前記管理機能は、前記第2の記憶手段に記憶している各ファイルに対してアクセス中のチャネルとそれらのファイルの各ファイルへのアクセス順番とを示す情報を管理し、
前記提供機能は、前記管理機能に管理されている情報を参照することにより、前記アクセス対象とするファイルにアクセス中のチャネルとそれらのチャネルごとのアクセス順番とを示す情報を前記コマンドを処理するアプリケーションに提供する、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の携帯可能電子装置。 - 前記判定機能は、前記アクセス対象とするファイルに対するアクセス順番の先頭が当該アプリケーションに割り当てられているチャネルであれば、前記ファイルに対するアクセスを許可と判定する、
ことを特徴とする前記請求項1又は2に記載の携帯可能電子装置。 - 前記判定機能は、前記アクセス対象とするファイルの状態を変更する処理である場合、前記アクセス対象とするファイルに対して既にアクセス中の別のチャネルがあれば、前記ファイルへのアクセスを不可と判定する、
ことを特徴とする前記請求項1乃至3の何れか1項に記載の携帯可能電子装置。 - 前記判定機能は、前記アクセス対象とするファイルの状態を変更させない処理である場合、前記アクセス対象とするファイルにアクセス中のチャネルの有無にかかわらず、前記ファイルへのアクセスを許可と判定する、
ことを特徴とする前記請求項1乃至4の何れか1項に記載の携帯可能電子装置。
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