JP4896601B2 - 固体酸化物形燃料電池の運転制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池の運転制御方法に関し、より詳しくは、固体酸化物形燃料電池スタックまたは横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルを、全体として安全且つ安定して燃料利用率が適正ないし最大になるように制御する方法に関する。
固体酸化物形燃料電池(以下、適宜“SOFC”と言う)には平板型、円筒型、一体積層型、横縞型、その他各種型式があるが、これらは原理的には同じである。その単電池すなわちセルは、固体酸化物電解質を挟んでアノード及びカソードが配置され、アノード/固体酸化物電解質/カソードの三層構造で構成される。SOFCには、(a)電解質膜自体でその構造を保持する自立膜式や(b)膜厚の厚いアノードで電解質膜を支持する支持膜式のほか、(c)絶縁性多孔質支持基体の上に電池を配置した形式なども考えられている。
図1(a)〜(c)はそれらセルの態様例を説明する図(断面図)である。図1(a)は自立膜式のセル1で、電解質膜3の下面にアノード2が配置され、電解質膜3の上面にカソード4が配置されて構成される。図1(b)は支持膜式のセル1で、アノード2の上に電解質膜3が配置され、電解質膜3の上にカソード4が配置されて構成される。図1(c)は、多孔質支持基体5の上に順次、アノード2、電解質3及びカソード4を配置して構成したセル1である。
アノードの構成材料としてはNiを主成分とする材料、Niとイットリア安定化ジルコニアの混合物からなる材料などが用いられ、固体酸化物電解質としてはイットリア安定化ジルコニア、スカンジア安定化ジルコニア、イットリアドープセリア、ガドリアドープセリアなどが用いられ、カソードの構成材料としてはSrドープのLaMnO3などが用いられ、多孔質支持基体の構成材料としてはNiと希土類元素酸化物が固溶したZrO2などが用いられる。多孔質支持基体は、その作製時に構成材料にグラファイト粉末などを混入して焼結することで多孔質とされる。
ところで、セル一つでは高々0.8V程度の電圧しか得られないので、実用的な電力を得るためにセルとセルをインターコネクタを介して交互に積層配置してスタック化される。図2は、その態様例を模式的に示す図で、セルの2個をインターコネクタ6、7を介して配置し、燃料と空気が直交流する態様を示している。すなわち、隣接するセルを電気的に直列に接続するのと同時に、カソードとアノードのそれぞれに空気と燃料とを分配し供給し排出する目的でインターコネクタとセルとが交互に積層される。なお、図2中A−A線断面が図1(a)〜(c)の断面図に相当している。
図3(a)〜(b)はその積層の態様例を説明する図である。図3(a)は、各セル1とインターコネクタ6、7の燃料流路、空気流路との位置関係を示す図で、燃料流路と空気流路が並行流する態様を示している。図3(b)は、図3(a)のように積層、構成したSOFCスタックを示した斜視図で、インターコネクタ等の記載は省略している。図3(b)ではセル数が17個の場合を示しているが、その数は適宜設定される。SOFCの運転時には、セルのアノード側に燃料を流し、カソード側に酸化剤ガスを流して、両電極間に外部負荷を接続することで電力が得られる。本明細書中、酸化剤ガスについては、適宜空気を例に説明するが、酸素富化空気、酸素などを用いる場合も同様である。
図3(c)は、図3(a)〜(b)に示すスタックを構成するセル一個を取り出し、空気中の酸素、電子の流れなどを示した図で、図3(a)〜(b)より拡大して示している。図3(c)のとおり、カソード側を流れる空気中の酸素はカソード4で酸化物イオン(O2-)となり、電解質3を通ってアノード2に至る。ここで、アノード側を流れる燃料と反応して電子を放出し、電気と水や二酸化炭素等の反応生成物を生成する。カソードでの利用済み空気はカソードオフガスとして排出され、アノードでの利用済み燃料は、未利用の燃料と水蒸気や二酸化炭素等の反応生成物を含むアノードオフガスとして排出される。
ところで、SOFCにおいては、水素と一酸化炭素が燃料となるが、炭化水素のうちメタンは、アノードの構成成分である金属、例えばニッケルの触媒作用により水蒸気改質されて水素と一酸化炭素になる。このため、SOFCでは、水素、一酸化炭素、メタン、あるいはそれらの2種以上からなる燃料であればそのままアノードへ導入すればよい。しかし、燃料にメタン以外の炭素数2以上の炭化水素が含まれていると、SOFCへの配管、特にアノードへの燃料導入管やアノードに炭素を生成、析出し、これが電気化学反応を阻害して電池性能を劣化させてしまう。
このため、炭素数C2以上の炭化水素を含む原燃料の場合は、水蒸気改質法や部分酸化法で予備改質して水素、一酸化炭素及びメタンを含む予備改質ガスに変えられる。予備改質に代えて、メタンも改質して水素、一酸化炭素に変えて改質ガスとしてもよい。水蒸気改質法で原燃料を改質する場合、メタン換算スチーム(モル)比(S/C比)は2以上(完全水蒸気改質に必要な水蒸気量の2倍以上)、好ましくは3以上とされる。
ここで、本明細書において、そのように、予備改質または改質する前の燃料を“原燃料”と言い、その原燃料を水蒸気改質法や部分酸化法で予備改質または改質してSOFCのアノードへ導入する予備改質済みの燃料(水素、一酸化炭素、メタン、あるいはそれらの2種以上を含む燃料)及び改質済みの燃料(水素、一酸化炭素のうちの一方または両者を含む燃料)を単に“燃料”と言う。
ところで、SOFCにおいては、適量の燃料をアノードへ供給するために原燃料の流量を制御する必要があるが、その制御は一般的には次のように行うことができる。SOFCの効率を決める一つの要因として燃料利用率がある。燃料利用率は、アノードへ導入する燃料量に対する実際に発電に寄与する燃料量の比率であり、アノードへ導入する燃料のうちどれだけ発電に利用されるかを示す比率である。従って、燃料利用率が高いほど発電効率が高くなるので、一般的には、できる限り燃料利用率を高めるような工夫をし、できる限り高い燃料利用率で運転する。
しかし、燃料利用率には理論上、そして実用上も上限がある。図4はその事実を説明する図で、電流密度を例えば0.2A/cm2と一定にして、燃料利用率を高めた場合のSOFCセル中における燃料出口付近のセル電圧の変化を示している。図4のとおり、SOFCセルでの燃料利用率が高くなるにつれて電圧が漸次低下し、燃料利用率が90%程度を超えると急激にセル電圧が落ち込む。
そのようにセル電圧が落ちてくる現象は、アノード側での酸素分圧の増加を意味しており、酸素分圧がある一定値以上に増加すると、アノード中の触媒金属、例えばNiが酸化してNiOに変化し、Niの酸化に伴って起こる格子膨張によりアノードが破損し、安全性を損なってしまう。これが“燃料枯れ”と呼ばれるもので、発電を損なうばかりか、セルの劣化も引き起こす。
SOFCセルのアノードに供給された燃料は出口に向けて順次消費されていくため、燃料枯れは、単セルでも、複数のセルを配置したSOFCスタックでも、複数のセルを配置したSOFCスタックの複数個を配置してなるSOFCスタックでも、通常、アノードの燃料の出口側で起こり得る。加えて、実際のSOFCセル、SOFCスタックには、若干の燃料リークや、電極内部のガス拡散が律速(支配的)となり、これらに起因して燃料利用率は実質的には85%程度が限度となる。これらの点は、後述横縞型SOFCバンドルにおけるセルスタックの場合も同様であり、また以下に述べる点は、後述横縞型SOFCバンドルについても同様である。
そこで、図5に示すように、アノードが酸化されないようなセル電位、例えば0.6V程度の下限電位、すなわち限界電圧をセットする。そして、セル電圧が限界電圧を下回らないようにしながら(すなわち、セル電圧が限界電圧を下回らないようにリミッタをかけながら)、燃料利用率を所定値、つまり限界電圧に対応する燃料利用率、例えば80%に安全性の幅をもたせた範囲、すなわち限界燃料利用率に安全性のマージンを加味した範囲に制御する方式がとられる。
上記のような燃料利用率の所定値への制御態様としては、セル電圧が限界電圧を下回らないように原燃料の供給量を制御することが考えられる。例えば、図5のように所定の燃料利用率を80%として、電流値をモニタし(すなわち電流値を計測して監視し)、その計測電流値から算出した所定量の原燃料を供給し、これに合わせて、予備改質用ないし改質用の水蒸気量、発電用の空気量も制御して、燃料利用率が常に80%程度になるように制御する。
図6〜7はその運転制御の態様例を説明する図である。図6は例えば図3に示すような一個のSOFCスタックの場合で、例えば燃料利用率を80%(限界電圧、すなわち図5の例で言えば、セル電圧0.6Vに対応する燃料利用率)に設定する。そして発電時に、SOFCスタックからの電流値を経時的にモニタし、燃料利用率が常に80%、あるいはそれ以下になるように、その計測電流値から算出した所定の原燃料量を供給するよう制御し、これに合わせて予備改質用または改質用水蒸気量、カソードへの空気量も制御する。これらの制御は、記憶装置、入出力装置を伴う中央処理装置(CPU)により行う。
図7は、複数のSOFCスタックを配置したSOFCスタックの場合で、図6では示す原燃料の改質器等の記載は省略している。各SOFCスタックに供給する燃料は、負荷に応じてマスフローコントローラ(MFC)などで所定量に制御されて各スタックの各セルのアノードに供給され、これに対応した空気量が各スタックの各セルのカソードに供給される。そしてこの場合、各SOFCスタックの規模が同じであれば、共通の燃料導管から分岐して各SOFCスタックに供給する燃料量は同じである。
そのような制御に際し、例えば都市ガスを原燃料とする場合、その組成(=原燃料の成分、各成分の量比)は、ある程度の自由度はあるが、予め分かっており、それに対応して予備改質ガスあるいは改質ガス、すなわち燃料の組成(=燃料の成分である水素、一酸化炭素、予備改質ガスの場合にはそれらのほかメタン、それらの量比)が分かるので、原燃料の増減量は一義的ないしほぼ一義的に制御することができる。
これをアノードに供給する燃料の側から言えば、予備改質ガス、あるいは改質ガスである燃料中の組成は原燃料の増減量を制御することにより一義的ないしほぼ一義的に制御される。しかし、燃料利用率の算出は、供給している総燃料量に対する、セルごとの電流値、その比率のみから一律に求められるものであり(すなわち推定燃料利用率)、燃料の若干の組成変動や燃料供給系のタイムラグ等により、必ずしも実際の燃料利用率と推定燃料利用率は一致しない。
加えて、一例として、複数の平板型SOFCセルを積層したスタックにおいては、例えば中心部のセル(上下に積層したセルのうち、上方部や下方部のセルではなく中央部のセル)の温度がより高温となり、そこでの反応がより進むことなどから、セルごとに供給される燃料にも分布が生じることがある。このため、スタック全体の平均的な燃料利用率と中心部の局所的なセルでの燃料利用率が一致しないことが生じる。
本発明者らは、複数のセルを備えたSOFCスタック、SOFCスタックの複数個を配したSOFCスタックなどにおける局所的なセルにおける酸素分圧を測定して燃料利用率を検知し、それを基にSOFCスタックの局所的なセルでの燃料枯れを防止し、それらの効率を最大限高め且つ安定して運転する方法及びそのためのシステムを先に開発している〔特願2004−330779号出願(出願日=平成16年11月15日)、特願2005−059759号出願(出願日=平成17年3月3日、以下“759号出願”と言う)〕。
特願2004−330779号出願 特願2005−059759号出願
これら両出願のうち、759号出願に係る発明が本発明に対する直接的な先行技術に相当している。759号出願に係る発明には幾つかの態様があるが、基本的には、SOFCスタックのうち最も燃料枯れが起こりそうな局所セルについて、(a)アノードへの燃料供給部とアノードの燃料出口部に酸素センサを配置して酸素分圧を測定するとともに、(b)局所セルの発電電流量及び(c)改質用に導入する水蒸気量を測定することにより、局所セルの燃料利用率を推定し、局所セルで燃料枯れが起こらないようにSOFCスタック全体への燃料供給量を制御するものである。
これによれば、SOFCスタックを運転するに際して、局所セルでの燃料枯れを防止し、SOFCスタックを安全且つ安定して燃料利用率が適正ないし最大になるように制御することができる。これにより、SOFCスタックを構成する局所的なセルのアノード中の触媒金属、例えばNiの酸化に伴って起こるアノードの破損を防止し、SOFCを安全且つ安定して運転することができる。
このように、759号出願に係る発明は実用上も非常に有用であるが、その制御には酸素センサを配置する必要があり、一般的な酸素センサとしてはジルコニア式酸素センサが使用される。ジルコニア式酸素センサには幾つかの種類があり、大別すると、酸素濃度が高い場合には限界電流式酸素センサ(すなわち一室式)が使用され、酸素濃度が低い場合には完全濃淡電池式酸素センサ(すなわち二室式)が使用されるが、SOFCに使用する燃料のような酸素分圧の低いガスの酸素濃度測定には電池式酸素センサ(二室式)を使用する必要がある。
しかし、電池式酸素センサ(二室式)の場合には構造が複雑であり(後述図12参照)、また、別途レファレンスとなる酸素(空気)を供給する必要がある。
本発明においては、759号出願に係る発明を前提にさらに工夫をし、複数のセルを配置したSOFCスタックの局所セル、複数のセルを配置したSOFCスタックの複数個を配置してなるSOFCスタックの局所セル、横縞型SOFCバンドルの局所セルスタックを酸素センサとして利用し、SOFCスタックまたは横縞型SOFCバンドルを、全体として安全且つ安定して燃料利用率が適正ないし最大になるように制御する方法を提供することを目的とするものである。
本発明(1)は、複数のセルを備えた固体酸化物形燃料電池スタックの運転制御方法である。そして、
(a)前記スタックを構成する各セルのうち最も燃料枯れが起こりそうな局所セルを利用して、その燃料供給側と燃料出口側の起電力と温度を基に酸素分圧を測定するとともに、
(b)局所セルの発電電流量と原燃料の改質用に導入する水蒸気量を測定することにより、局所セルの燃料利用率を推定し、
(c)局所セルで燃料枯れが起こらないように固体酸化物形燃料電池スタック全体への燃料供給量を制御することを特徴とする。
本発明(1)において、前記(a)における酸素分圧を測定する態様として、前記局所セルについて、燃料供給側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサAを構成し、且つ、燃料出口側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサBを構成することにより行うことができる。
本発明(1)は、平板型、円筒型、一体積層型、その他各種形式の固体酸化物形燃料電池スタックに対して適用できる。
本発明(2)は、複数の平板型セルを備えた固体酸化物形燃料電池スタックの複数個を配置してなる固体酸化物形燃料電池スタックの運転制御方法である。そして、
(a)前記複数個のスタックにおける各セルのうち最も燃料枯れが起こりそうな局所セルを利用して、その燃料供給側と燃料出口側の起電力と温度を基に酸素分圧を測定するとともに、
(b)局所セルの発電電流量と原燃料の改質用に導入する水蒸気量を測定することにより、局所セルの燃料利用率を推定し、
(c)局所セルで燃料枯れが起こらないように固体酸化物形燃料電池スタック全体への燃料供給量を制御することを特徴とする。
本発明(2)において、前記(a)における酸素分圧を測定する態様として、前記局所セルについて、燃料供給側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサAを構成し、且つ、燃料出口側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサBを構成することにより行うことができる。
本発明(3)は、複数個の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックで構成した固体酸化物形燃料電池バンドルの運転制御方法である。そして、
(a)前記複数個のセルスタックのうち最も燃料枯れが起こりそうな局所セルスタックを利用して、燃料供給側と燃料出口側の起電力と温度を基に酸素分圧を測定するとともに、
(b)局所セルスタックの発電電流量と原燃料の改質用に導入する水蒸気量を測定することにより、局所セルスタックの燃料利用率を推定し、
(c)局所セルスタックで燃料枯れが起こらないように固体酸化物形燃料電池バンドル全体への燃料供給量を制御することを特徴とする。
本発明(4)は、複数個の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックで構成した固体酸化物形燃料電池バンドルの複数個を配置してなる固体酸化物形燃料電池バンドルの運転制御方法である。そして、
(a)前記複数個のバンドルにおける各セルスタックのうち最も燃料枯れが起こりそうな局所セルスタックを利用して、燃料供給側と燃料出口側の起電力と温度を基に酸素分圧を測定するとともに、
(b)局所セルスタックの発電電流量と原燃料の改質用に導入する水蒸気量を測定することにより、局所セルスタックの燃料利用率を推定し、
(c)局所セルスタックで燃料枯れが起こらないように固体酸化物形燃料電池バンドル全体への燃料供給量を制御することを特徴とする。
本発明(3)〜(4)において、前記(a)における酸素分圧を測定する態様として、前記(a)の酸素分圧の測定を、前記局所セルスタックについて、燃料供給側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサAを構成し、且つ、燃料出口側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサBを構成することにより行うことができる。
本発明によれば、SOFCスタック、横縞型SOFCバンドルを運転するに際して、それぞれ局所的なセル、局所的なセルスタックでの燃料枯れを防止し、SOFCスタック、横縞型SOFCバンドルを安全且つ安定して燃料利用率が適正ないし最大になるように制御することができる。これにより、SOFCスタックの局所的なセル、あるいは横縞型SOFCバンドルの局所的なセルスタックのアノード中の触媒金属、例えばNiの酸化に伴って起こるアノードの破損を防止し、SOFCスタック、あるいは横縞型SOFCバンドルを安全且つ安定して運転することができる。
本発明を759号出願に係る発明との関係で言えば、759号出願に係る発明の制御には酸素センサを別途配置する必要があるのに対して、本発明においては、SOFCスタックを構成している局所セル、あるいは横縞型SOFCバンドルを構成している局所セルスタックそのものに酸素センサとしての機能をもたせるので、別途構造が複雑な酸素センサを用意する必要がない。また、別途酸素センサを配置する場合、配線の取り回しや、レファレンス酸素(空気)の供給など、酸素センサを使用する場合に必要であったオプショナルな部分が一切不要となる。
本発明において対象とするSOFCスタック、あるいは横縞型SOFCバンドルにおいては、炭化水素系の原燃料を予備改質または改質した燃料をSOFCのアノードに供給する。これら予備改質または改質には水蒸気改質法を適用してもよく、部分酸化法を適用してもよいが、好ましくは水蒸気改質法を適用する。SOFCでは水素、一酸化炭素のほか、メタンも燃料となるので、本発明では、それらの改質法により、C2以上の炭化水素を改質した予備改質レベルの改質ガスを燃料としてもよく、メタンをも改質した改質レベルの改質ガスを燃料としてもよい。
図8は、そのような燃料を用いる場合における、図3(a)〜(b)に示すように複数個のセルを積層したSOFCスタック全体における平均燃料利用率を横軸にし、縦軸には、平均のセル電圧と局所的に燃料枯れが起こったセルの電圧をプロットした図である。一例として、電流密度を0.2A/cm2と一定にして、燃料利用率を高めた場合のSOFCセル中における燃料出口付近のセル電圧の変化を示している。
図8のとおり、SOFCスタック全体としての平均のセル電圧は、燃料利用率が高くなるにつれて漸次低下する。例えば燃料利用率が80%の場合には、平均セル電圧は0.65Vを超えている。これに対して、局所セル(すなわち積層SOFCスタックの中心部のセル)のセル電圧は、燃料利用率が高くなるにつれて急激に低下している。例えば燃料利用率が80%の場合には、局所セルの電圧は0.5Vにまで落ち込み、燃料枯れが発生している。
この燃料枯れは燃料の分配が不均一であることから発生したものである。例えば、積層SOFCスタックの中心部のセルでは、より高温となることから、気体の粘性の増大と密度の減少で、その領域を流れる燃料のモル流量が相対的に低下してしまう。そうすると、燃料利用率としては高くなるが、これは当該中心部のセルつまり局所セルにおいて、特にその燃料出口側で十分な燃料が行き渡らないことを意味し、これが“燃料枯れ”をもたらし、局所セルの電圧が落ち込む。
図9はその状況、事実を説明する図で、図9(a)は前述図3(c)に相当している。図9(a)のように、空気中の酸素はカソード4側から電解質3を通してアノード2側に酸素イオン(O2-)の形で供給され、アノード側で燃料中の水素と反応して水蒸気を生成する。そして、燃料上流側から下流側に向けて順次、燃料中の水素が消費されて水蒸気の濃度が増加していくが、上記のとおり、より高温の局所セルではそれらガスの粘性の増大と密度の減少により燃料のモル流量が相対的に低下し、しかも燃料流下流に行くに従って、水素の濃度が減少し、相対的に酸素濃度が増加して局所セルの起電力が低下していく。特に、全電流量が供給燃料量を超えるような場合には、局所セルの電圧が著しく低下して電流が取れない、いわゆる“燃料枯れ”が起こることになる。
このように、SOFCスタック全体の平均的な燃料利用率は所定値であっても、局所的なセルでは燃料利用率が高くなって燃料枯れが起こり、当該局所セルにダメージを与える危険がある。そしてこのことは、複数のSOFCスタックを配置してなるSOFCスタックにおける局所セルでも生じ得る。
図9(b)は説明のために、図9(a)に示す部分を電池回路図として書き表した図である。図9(b)中、E1〜E6はセルの各箇所における起電力、I1〜I6はそれに対応する電流値である。図9(b)のとおり、電流は酸素イオン(O2-)の流れとは逆向きに流れる。そして、実は、燃料流下流側に行くに従って、起電力Eが低下していくので、電流値も均等ではなく、I1>I2>I3>I4>I5>I6となる。なお、図9(b)中の下部には、燃料が水素の場合を例に示しているが、燃料が一酸化炭素、あるいは両者の混合ガスの場合も同様である。
ここで、カソード側に供給される空気中の酸素は、アノード側を流れる燃料に対して水蒸気の形で入ってくるので、その分アノード側を流れる燃料中の水蒸気量は増加していくことになる。そこで、仮に、図9(b)中下部に示すように、燃料が水素で、アノード側入口での燃料中の水蒸気濃度が0%(水素濃度は100%)、燃料利用率が80%とすると、アノード側最下流での水蒸気濃度は80%(逆に水素濃度は20%)となる。なお、S/C比は通常2以上とすることから、原燃料の水蒸気改質に際して余剰水蒸気が含まれており、水蒸気はその分オンされていることになる。
ところで、そのような局所セルでの燃料枯れの影響は、SOFCスタックとして積層したセル数が少ない場合には、平均のセル電圧信号によっても読みとれるように顕著に現れてくる。しかし、セルの数が多い場合には、その影響は、全体のセル数つまり母数が多いために鈍化し、顕わには現れなくなる。従って、全体のセル電位、もしくは平均的なセル電位をモニタしても、局所的なセル電位の落ち込みは読みとれない。このため、通常の運転制御方法では、燃料枯れが起こっていないと認識されても、その実、局所セルでは燃料枯れが起こり、局所セルがダメージを受けるケースが発生し得る。
本発明は、複数のセルを配置したSOFCスタック、複数のセルを配置したSOFCスタックの複数個を配置してなるSOFCスタック、横縞型SOFCバンドルにおける以上のような局所的なセル、局所的なセルスタックでの燃料枯れを防止し、局所セル、局所セルスタックがダメージを受けないように制御するものである。
〈本発明の基本的構成、操作〉
本発明の基本的構成、操作は下記(1)〜(5)のとおりである。ここではSOFCスタックを例に説明するが、横縞型SOFCバンドルについても同様である。
(1)SOFCスタックを構成する各セルのうち最も燃料枯れが起こりそうなセル、すなわち局所セルについて、その燃料入口側と、アノードの燃料出口側との二箇所におけるアノードと電解質との間に起電力計測用のセンサリード線を配置し、且つ当該二箇所に温度測定用の熱電対(=熱電堆)を配置する。そして、
(2)SOFCスタックの作動時に、当該二箇所のセンサリード線及び熱電対によりそれぞれ起電力(すなわち開放起電力)及び温度を測定する。
(3)上記(2)で測定される起電力信号(起電力値)及び温度を基に燃料供給側の燃料流路を流れる燃料の酸素分圧と燃料出口側の燃料流路を流れる燃料中の酸素分圧を測定し、当該局所セルでの燃料利用率を検知する。
(4)上記(3)で検知される燃料利用率と設定値(設定燃料利用率)を対比する。
(5)上記(4)の対比において、検知燃料利用率が設定値を下回る場合には、当該局所セルで燃料枯れが起こっている証拠であるので、SOFCスタックへ供給する総燃料量を増加させる。これにより当該局所セルでの燃料枯れを防止するものである。
SOFCスタックを構成する各セルには、共通の燃料供給管から、各セルへの燃料分配部を介して同じ組成の燃料が供給される。局所セルの二箇所での起電力計測部のうち、燃料入口側の起電力計測用のセンサリード線は、セルの燃料入口側のアノード面と電解質とに配置し、燃料出口側の起電力計測用のセンサリード線は、セルの燃料出口側のアノード面と電解質とに配置する。併せて、各センサリード線先端の配置箇所に温度測定用の熱電対を配置する。この場合、両熱電対の先端は、各センサリード線先端の配置箇所あるいはその近辺に配置すればよく、例えば空気流路側の電解質面に配置する。
図10〜11は複数個の平板型セルを積層して構成したSOFCスタックの局所セルに起電力計測用センサリード線、熱電対を配置した態様を示す図である。そのうち、まず図10について、図10(a)は斜視図、図10(b)は図10(a)中X−X線断面図である。なお、図10(b)に示す燃料分配部、利用済み燃料排出部は、図10(a)では省略している。
図10のとおり、SOFCスタックを構成するセルのうち、局所セルすなわち燃料枯れが起こりそうなセルの燃料入口側と燃料出口側に、それぞれセンサリード線と熱電対を配置する。これにより、当該局所セルに酸素センサの機能を持たせ、当該局所セルを酸素センサとして利用するものである。
ここで、例えば図10のようなSOFCスタックでは、その作動中、その積層中心部のセルがより高温となることから、燃料枯れが起こりそうなセルは通常、当該積層中心部のセルである。しかし、SOFCスタックは通常、断熱容器に収容、設置され、各セルからの利用済み燃料と利用済み燃料を断熱容器内で燃焼した後、排出することなどから、燃料枯れが起こりそうなセルは、積層中心部より上部のセルであることもあり得るし、また、利用済み燃料と利用済み燃料の燃焼排ガスの排出を断熱容器の下部に設ける場合などでは、積層中心部より下部のセルであることもあり得る。
〈局所セル、局所セルスタックの見定め〉
そこで、本発明においては、SOFCスタックについて、どの箇所のセルが最も燃料枯れが起こりそうなセルであるかを予備試験等により予め見定め、この局所セルに酸素センサとしての機能をもたせる。SOFCスタックにおいては、より高温となり、燃料枯れが起こりそうなセルは、一個とは限らず、複数個である場合もあり得るが、この場合にはそのうちの一個を適宜選定して酸素センサとしての機能をもたせる。これらの点については、後述横縞型SOFCバンドルにおける横縞型セルスタックについても同様である。
〈局所セルを利用する酸素分圧測定の態様〉
図11は、図10のように起電力計測用センサリード線、温度計測用熱電対を配置した局所セルを取り出し、それらの配置態様をより具体的に説明する図である。図11中、手前側が燃料入口側、これと相対する向こう側が燃料出口側、すなわち利用済み燃料出口側である。図11のとおり、燃料入口側のアノード2の下面と電解質3の上面にセンサリード線を配置するとともに、熱電対を配置する。また、燃料出口側のアノード2の下面と電解質3の上面にセンサリード線を配置するとともに、熱電対を配置する。
図11中、8は電解質3の上面に配置した面状電極であり、これにセンサリード線の先端が接続される。このセンサリード線の先端は、電解質3の上面に代えて、カソード4に接続してもよい。
アノード2の下面に配置するセンサリード線の先端は、面状電極8の位置と相対するアノード2の下面の位置に接続されるが、当該アノード2の下面の位置に面状電極8と同様の面状電極を配置し、これに接続するようにしてもよい。
また、燃料入口側、燃料出口側の各熱電対の先端は、各センサリード線の配置箇所あるいはその近辺に配置すればよいが、図11では空気流路側の電解質3の上面に配置した面状電極に配置した場合を示している。センサリード線、熱電対用導線、面状電極の構成材料としてはPt、その他適宜選定して用いる。
ここで、図10〜11に示すとおり、酸素センサとして機能させる局所セルについて、燃料入口側の酸素センサを酸素センサAとし、燃料出口側の酸素センサを酸素センサBとする。すなわち、酸素センサA及び酸素センサBは、当該局所セルに、それぞれ“起電力計測用センサリード線と温度計測用熱電対”を配して構成される。そして、SOFCスタックの作動時に、酸素センサA及び酸素センサBにより、それら両箇所つまり燃料入口側と燃料出口側を流れる燃料中の酸素分圧を測定する。
〈局所セルを利用する酸素センサA及び酸素センサBの原理、機能について〉
本発明においては局所セルを利用して酸素分圧を測定する。酸素センサとして機能させる局所セルは、本発明において重要な役割を果たすが、これによりアノード側を流れる燃料中の酸素を極微量まで測定できる。本発明においては、局所セルを介してSOFCスタックにおける当該局所セルのアノードの燃料入口側及びアノードの燃料出口側を流れる燃料中の酸素分圧をそれぞれ酸素センサA及び酸素センサBにより測定する。そして、その測定値を基に当該局所セルでの燃料利用率を検知し、SOFCスタックや横縞型SOFCバンドルの運転制御に利用するものである。
〈従来の酸素センサの原理、機能について〉
ここで、本発明における局所セルを利用する酸素センサA及び酸素センサBについて従来の酸素センサを例にして説明する。酸素センサには幾つかの種類があるが、そのうち完全濃淡電池式酸素センサ(二室式)は、電解質として安定化ジルコニア〔イットリア(Y23)ドープのジルコニアやカルシア(CaO)ドープのジルコニアなど〕をベースとし、安定化ジルコニアを挟む電極間の酸素分圧差を電力に変えて測定するものである。この酸素センサは、いわゆるSOFCの原理を応用しており、カソード側に空気を供給してレファレンス(つまり照合ガスないし基準ガス)として使用し、ガス中の僅かな極微量の酸素濃度でも高精度で正確に測定することができる。
図12はその酸素センサの原理、構造、機能について説明する図である。図12のとおり、電極保護層としての多孔質セラミック層間に安定化ジルコニアが配置され、両多孔質セラミック層のうち一方側にカソードが、他方側にアノードが設けられる。両電極材料としては好ましくはPt電極が用いられる。そして、カソード側に空気を流通させ、アノード側に被測定ガスを流通させる。これにより両電極間の起電力Eを開回路状態で測定することで、被測定ガス中の酸素分圧を知ることができる。
酸素センサの電圧、すなわち起電力Eは、SOFCの場合と同様、下記ネルンスト(Nernst)の式(Y)で表される。式(Y)中、Po2(c)はカソード側(空気側)の酸素分圧、Po2(a)はアノード側(低酸素濃度の被測定ガス側)の酸素分圧、Fはファラデー定数、Rは気体定数、Tは酸素センサ温度(K)である。そしてPo2(c)は、空気をレファレンスとして用いる場合には0.20948になる。
空気中の酸素濃度(酸素=20.948vol%)は一定であるので、酸素濃度が低いもう一方の側の気体(ガス)中の酸素濃度の測定ができる。酸素センサでは、センサ起電力Eから、式(Y)を用いて計算し低酸素濃度の被測定ガスの酸素分圧を同定する。なお、Po2(a)を常用対数で求める場合の式(Z)を示している。
Figure 0004896601
Figure 0004896601
本発明において、局所セルを利用する酸素センサA及び酸素センサBは、そのような酸素センサの原理を利用して、局所セルの燃料流路を流れる燃料中の極微量の酸素分圧を測定するものである。
〈局所セルでの酸素センサA及び酸素センサBによる酸素分圧測定の具体的態様〉
本発明においては、酸素センサA及び酸素センサBによる起電力信号及び計測温度を基に燃料入口部の燃料流路を流れる燃料の酸素分圧と燃料出口部の燃料流路を流れる燃料中の酸素分圧を測定し、その値を基に当該局所セルでの燃料利用率を検知するものである。
炭化水素系原燃料の成分である、例えばC1〜C4の飽和炭化水素の水蒸気改質は下記反応式(1)〜(4)で表される。これらの反応式における生成系のCO、H2はいわゆる“反応素過程(elementary process of reaction)”を経て生成している。なお、C2〜C4の不飽和炭化水素についても同様である。
Figure 0004896601
こうして炭化水素系原燃料の水蒸気改質反応によって、完全に改質した場合のガス組成は、水素と一酸化炭素のほか、水蒸気(余剰水蒸気)と二酸化炭素の4種の成分の混合ガスとなる。このうち二酸化炭素は一酸化炭素と水蒸気の反応成分である。このように、改質ガスはCO、H2、H2O及びCO2を含む系であるが、厳密にはそれら各ガスの構成原子はラジカルやイオンの状態で混在して相互に解離、反応を繰り返しており、COやH2との反応には酸素が関与している。
これをH2とCOについて見れば、下記反応式(5)及び(6)のように、それぞれ、1/2モル(1/2O2)の酸素が反応してH2OとCO2になる。
Figure 0004896601
ここで、平衡定数Kは、それぞれの気体の分圧Pで示される。なお、気体反応の平衡定数はKpと記述されるが、以下で用いる符号との関係でKとしている。例えば(5)式の反応の場合、分母に(5)式の左辺すなわち原系のガスの分圧積を置き、分子に右辺すなわち生成系のガスの分圧積を置くことで記述される。そこで、例えば温度750℃における(5)式における平衡定数をK1、(6)式における平衡定数をK2とすると、K1及びK2は下記式(7)、(8)から、それぞれK1=6.0×109、K2=7.6×109となり、平衡定数K1及びK2はともに非常に大きな値である。
Figure 0004896601
(5)式と(6)式はそれぞれ独立に満たされるべき平衡式であるが、改質ガスでは通常(5)式と(6)式が同時に成り立っているので、下記式(9)のシフト反応式が成立している。これは(5)式から(6)式を引くことで自然に導かれる。このためSOFCのアノードにはCO、H2O、H2及びCO2を含む混合ガスが導入されることになるが、厳密には、それらの成分のほか、前記(5)式及び(6)式で示されるように酸素も含むことになる。
Figure 0004896601
上記のとおり、炭化水素系原燃料の水蒸気改質反応によって、完全に改質した場合のガス組成は、原系である水素及び一酸化炭素と、生成系である水蒸気及び二酸化炭素の4種の成分の混合ガスとなる。ここで、(7)式(K1=6.0×109)及び(8)式(K2=7.6×109)から明らかなとおり、(5)式及び(6)式のように、極く僅かではあるが、酸素が分圧10-20程度のオーダで存在している。本発明においては、このような極微量の酸素の分圧を局所セルに配置したセンサリード線及び熱電対を介して測定するものである。
ここで、前述式YまたはZにおいて、酸素センサAで測定された起電力はEであり、熱電対で測定された温度はTであり、カソードへ流す酸化剤ガスが空気である場合にはPo2(c)は0.20948である。
すなわち、局所セルの燃料入口側(アノードへの燃料供給側)での酸素分圧は、前述式YまたはZにおいて、センサリード線を介して計測される電圧をEとして代入し、熱電対で計測される温度をTとして代入し、また、前述式YまたはZ中“Po2(c)”はカソード側の酸素分圧であるので、酸化剤ガスが空気の場合0.20948を代入することで得られる。
同じく 前述式YまたはZにおいて、酸素センサBで測定された起電力はEであり、熱電対で測定された温度はTであり、カソードへ流す酸化剤ガスが空気である場合にはPo2(c)は0.20948であるが、酸素消費量分だけ酸素分圧が低下することになる。ただし、空気利用率は通常30%程度であり、酸素分圧の低下はほとんど無視できる。
すなわち、局所セルの燃料出口側(アノードからの燃料排出側)での酸素分圧は、前述式YまたはZにおいて、センサリード線を介して計測される電圧をEとして代入し、熱電対で計測される温度をTとして代入し、また、式YまたはZ中“Po2(c)”はカソード側の酸素分圧であるので、酸化剤ガスが空気の場合には0.20948を代入することで得られる。
ここで、上記のとおり、燃料排出側における空気中の酸素分圧の低下は殆ど無視できるが、空気利用率は通常30%程度と予め予測できることから、燃料排出側での空気中の酸素分圧をその分、補正した上で代入することで“Po2(c)”を得るようにしてもよい。
〈燃料中の酸素分圧による燃料利用率判定の具体的態様〉
本発明は、基本的に燃料組成が明確である場合を前提にしているが、例えば都市ガスを原燃料とする燃料のように燃料組成が明確である場合には、燃料の流量さえ分かれば、供給燃料量が算出可能であるので、発電電流量からすぐに燃料利用率が算出できる。SOFCスタック全体としてはもちろん、燃料枯れを起こさない個々のセルにおける燃料利用率についても同様である。
ところが、燃料組成が明確であっても、つまり燃料組成が分かっていても、SOFCスタックにおける個々のセルへの燃料の流配が均一でなく、燃料枯れを起こす可能性があるセルがある場合には、当該局所セルでの燃料利用率は算出できない。そこで、本発明においては、以下の手法により、個々のセルにおける燃料の流量が分からない場合でも、SOFCスタックを構成する局所的セルの燃料利用率を算出するものである。
前述のとおり、炭化水素系原燃料の水蒸気改質反応によって生成した燃料中のH2とCOについて見れば、前記(5)式及び(6)式のように、それぞれ1/2モルの酸素(1/2O2)が反応してH2OとCO2になる。
ここで、アノードへ導入する燃料の原燃料である炭化水素中のC成分及びH成分、また添加する水蒸気:H2Oの初期のモル数を以下のとおりとする。
C:cモル、H:aモル、H2O:Bモル
例えば、原燃料が1モルのCH4と1モルのC26で構成される場合、水蒸気改質に必要なストイキメトリックな水蒸気量の3倍〔メタン換算スチーム(モル)比(S/C比)=3〕を添加するとすると、以下のとおりとなる。
c=1+2=4モル、a=4+6=10モル、B=(1+2)×3=9モル
ここで、原燃料を完全改質後、セルのアノードへの燃料入口側(燃料供給部)でのガス組成を以下のように設定する。
2:pモル、CO:qモル、H2O:rモル、CO2:sモル
そして、H、C、Oに関してマスバランスを考慮すると、下記式(10)〜(12)のようになる。
Figure 0004896601
これら(10)〜(12)式をr及びsについて変形すると、それぞれ下記式(13)〜(14)のとおりとなる。
Figure 0004896601
そして、(5)式及び(6)式の平衡式K1、K2はそれぞれ下記式(15)、(16)のとおりとなる。
Figure 0004896601
(10)〜(12)式を変形して求めたr及びsを(15)式、(16)式に代入して整理すると下記式(17)、(18)のとおりとなる。
Figure 0004896601
そして、局所セルの燃料入口側(アノードへの燃料供給側)での酸素分圧をPo2(1)、燃料出口側(アノードの燃料出口側)での酸素分圧をPo2(2)として、計算を簡略化するためにt1(1)、t2(1)、t1(2)、t2(2)として下記式(19)〜(22)のように定義する。(19)〜(22)式における、酸素分圧:Po2(1)は酸素センサAで計測され、酸素分圧:Po2(2)は酸素センサBで計測される値である。なお、K1、K2は定数であるので、(19)〜(22)式での変数はPo2(1)、Po2(2)だけである。
Figure 0004896601
ここで発電電流量、すなわちアノードへ供給する酸素イオン(O2-)量をJとする。H2:1モルと反応する酸素イオン量は1モル〔=O2-の1/2、(5)式参照〕、CO:1モルと反応する酸素イオン量は1モル〔=O2-の1/2、(6)式参照〕であるから、実効燃料量Qを酸素イオン1モルと反応する燃料量と定義すると、Q=a/2+2c=p+qである。従って、実効燃料量Qは下記式(23)のとおりとなる。
Figure 0004896601
そして(23)式をcについて変形すると下記式(24)のとおりとなる。
Figure 0004896601
ここで簡略化のために、さらに下記式(25)、(26)のようにM(1)、M(2)を定義する。
Figure 0004896601
そして、(24)式を実効燃料量Qについて解くと下記式(27)のとおりとなる。
Figure 0004896601
ここで、燃料利用率はUf=J/Qであるから、燃料利用率Ufは下記式(28)のとおりとなる。
Figure 0004896601
こうして、燃料組成が分かっていれば、燃料流量が分からない場合でも、水蒸気改質用に供給する水蒸気量B、対象とする局所セルの燃料入口側(アノードへの燃料供給側)及び燃料出口側(アノードの燃料出口側)の燃料の酸素分圧から、当該局所セルでの燃料利用率Ufを算出することができる。すなわち、
(一) 対象とする局所セルの燃料入口側及び燃料出口側の酸素分圧は、それぞれ酸素センサAで計測されるPo2(1)、酸素センサBで計測されるPo2(2)である。これは(19)〜(22)式で定義したとおり、(28)式のt1(1)、t2(1)、t1(2)、t2(2)における変数であるので、(19)〜(22)式を介して(28)式に代入される。
(二) Po2(1)、Po2(2)は、(19)〜(22)式、(25)〜(26)式を介して(28)式のM(1)、M(2)として代入される。
(三) カソードに供給する酸素イオン(O2-)量Jは発電電流量に対応し、発電電流量を計測することにより得られるので、これを(28)式に代入する。
(四) 水蒸気量Bは原燃料を燃料に水蒸気改質しているその水蒸気量であるので、(28)式におけるB量として代入される。
本発明においては、SOFCスタックの局所セルについて、(a)当該セルのアノードの燃料供給側とアノードの燃料出口側にそれぞれ起電力測定用センサリード線及び熱電対を配置して酸素センサA、酸素センサBとし、それら各箇所を流れる燃料中の酸素分圧を測定するとともに、(b)当該局所セルの発電電流量及び(c)原燃料改質用に導入する水蒸気量を測定する。そして、それらの測定値を基に上記(一)〜(四)のようにして当該局所セルでの燃料利用率Ufを算出、推定し、当該局所セルで燃料枯れが起こらないようにSOFCスタック全体への燃料供給量を制御することができる。
なお、当該局所セルの発電電流量は、スタック全体として計測される発電電流量を、スタックを構成するセル数で割ることで得られる。ここで、スタック全体として計測される発電電流量とは、下記図13で言えば電流モニタ(A)で計測される電流量である。
図13は、本発明の運転制御方法をSOFCスタックに適用する態様例を説明する図である。発電時に、SOFCスタックからの電流値及び電圧値を経時的にモニタするとともに、酸素センサA及び酸素センサBにより局所セルのアノードへの燃料供給側の燃料中の酸素分圧とアノードの燃料出口側の燃料中の酸素分圧をモニタする。そして、局所セルの燃料利用率が常に80%、あるいはそれ以下になるように、その計測酸素分圧値及び発電電流量から算出した所定の原燃料量を供給するよう制御し、これに合わせて原燃料改質用の水蒸気量、カソードへの空気量も制御する。これらの制御は、記憶装置、入出力装置を伴う中央処理装置(CPU)により行うことができる。
図14は、図13の態様例において、運転開始時以降の制御態様を説明する図である。運転開始時に初期設定燃料量を導入する。なお、初期設定燃料量は、本運転制御システムを適用するSOFCスタックでの定常運転時に必要な燃料量として予め設定される。以降運転中、通常の出力制御として発電電流値及び全電流電位値をモニタする。そして、全体としての平均電池電位が限界電圧より低下すると、すなわち“平均電池電位<限界電圧”であると、燃料流量を増加させるよう制御する。逆に、平均電池電位が限界電圧以上であると、すなわち“平均電池電位>限界電圧”であると、SOFCスタック全体としては正常であるので、そのまま運転を続ける。
このように通常の運転制御を行いながら、酸素センサA及び酸素センサBにより局所セルのアノードへの燃料供給側を流れている燃料とアノードの燃料出口側を流れている燃料の酸素分圧を計測し、併せて、当該局所セルの発電電流量及び改質用に導入している水蒸気量を測定し、それらの測定値を基に当該局所セルの燃料利用率Ufを算出する。そして、燃料利用率Ufが設定燃料利用率より大きいと、すなわち“燃料利用率Uf>設定燃料利用率”であると、当該局所セルで燃料枯れが起こっているか、起こり始めているので、図14中“燃料流量増加”として示すように、SOFCスタック全体への燃料供給量を増加させる。
一方、当該局所セルの燃料利用率Ufが設定燃料利用率より小さいと、すなわち“燃料利用率Uf<設定燃料利用率”であると、当該局所セルでの燃料枯れはないので、そのまま運転を続けるが、その際“燃料利用率Uf<設定燃料利用率”の差が大きい場合は、その差に応じて燃料流量を減少させるように制御する。このように、当該局所セルの燃料利用率Ufが設定燃料利用率より小さい場合、その程度如何により、必要に応じてSOFCスタック全体への燃料供給量を減少させてもよい。
このような制御を常時、あるいは所定間隔を置いて行うことで、燃料枯れが起こることが予測される局所セルでの燃料枯れを防止し、SOFCスタック全体として性能低下を来すことなく運転制御することができる。なお、上記設定燃料利用率は、スタックを構成する各セル(局所セルを含む)について、例えば前述図5に示すように、アノードが酸化されないようなセル電位、例えば0.6V程度の下限電位に対応して、予め設定された燃料利用率である。
〈SOFCスタックの複数個を配置したSOFCスタックの運転制御態様〉
本発明は、複数個の平板型セルを備えたSOFCスタックの複数個を配置してなるSOFCスタックの運転制御についても同様に適用される。図15は、3個のSOFCスタックを配置したSOFCスタックの運転制御の態様を説明する図である。複数個のSOFCスタックを配置してなるSOFCスタックの場合にも断熱容器等に収容されて使用されるが、3個のSOFCスタックのうち中央部に配置されたスタックは左右両側のスタックより高温になり易く、さらに、中央部に配置されたスタックにおいても、その中央部の局所セルでは、より高温になり、燃料枯れが起こることが予想される。
そこで、複数個の平板型セルを備えたSOFCスタックの複数個を配置したSOFCスタックにおいて、前述と同様にして、そのように燃料枯れが最も起こることが予想される局所セルを利用して酸素センサA、酸素センサBを構成、配置する。そして、前述と同様にして当該局所セルでの燃料利用率を推定し、燃料枯れが起こらないようにSOFCスタック全体への燃料供給量を制御して、当該局所セルでの燃料枯れを防止し、SOFCスタック全体として性能低下を来すことなく運転制御することができる。3個とは限らず、2個、4個、5個というように複数個のSOFCスタックを配置したSOFCスタックについても同様に適用される。
以上、主として平板型SOFCを例に説明したが、本発明は円筒型、横縞型、一体積層型、その他各種形式のSOFCについても同様に適用するものである。
〈複数個の円筒型SOFCセルを配置したSOFCスタックの運転制御態様〉
本発明は、複数個の円筒型SOFCセルを配置したSOFCスタックの運転制御についても適用される。図16はその態様を説明する図で、その要点部分を示している。複数個の円筒型SOFCセルを配置したSOFCスタックの場合にも、例えばスタックのうち中央部に配置されたセルは、その周縁のセルすなわち中央部から離れたセルに比べてより高温になり易く、燃料枯れが起こることが予想される。
そこで、図16(a)のように、複数個の円筒型SOFCセルを配置したSOFCスタックにおいて、そのように最も燃料枯れが起こることが予想される局所セルを利用して、前述と同様にして酸素センサA、酸素センサBを構成する。この形式のSOFCスタックも通常、複数個の円筒型SOFCセルを併置して、円筒形、立方形、直方形などの断熱容器に収容して使用される。図16(a)では、配置された中央部の一列を示し、断熱容器の記載は省略している。図16(b)は、円筒型SOFCセルの一個を取り出し、燃料及び空気の流れ方向を示した図である。
円筒型SOFCセルの場合も、前述と同様にして、燃料供給側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配し且つ温度計測用熱電対を配して酸素センサAを構成し、燃料出口側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配し且つ温度計測用熱電対を配して酸素センサBを構成する。そして、前述と同様にして当該局所セルでの燃料利用率を推定し、燃料枯れが起こらないようにSOFCスタック全体への燃料供給量を制御して、当該局所セルでの燃料枯れを防止し、SOFCスタック全体として性能低下を来すことないように運転制御する。
〈本発明を適用する横縞型SOFCバンドルの態様〉
本発明は、横縞型SOFCバンドルの運転制御についても適用される。横縞型SOFCバンドルを構成する基本構造は、内側に燃料流路を有する多孔質支持基体の表面に複数個のSOFCセルを横縞状に配置し、隣接するセル間を電気的に直列に接続してなるもので、その基本単位自体でスタックを構成している。各セルの構造は、前述図1に示す態様で言えば図1(c)のタイプである。
ここで、上記多孔質支持基体の断面形状は、円形状、楕円形状、多角形状(四角形、矩形など)、その他各種あり、またその内側の燃料流路は一個とは限らず、複数個を備えるなど各種態様がある。そして、多孔質支持基体の表面はその断面形状の外面に対応した形となり、その表面に燃料流路の燃料流れ方向に沿って複数個のSOFCセルが横縞状に配置される。このため、例えば、多孔質支持基体の断面形状が円形状の場合には円筒状のセルスタックとなり、それが断面矩形状の場合は直方体状のセルスタックとなる。
本明細書においては、そのような基本構造を持つ単位を“横縞型SOFCセルスタック”、“横縞型セルスタック”、“SOFCセルスタック”、あるいは単に“セルスタック”と指称している。そして、横縞型セルスタックの複数個を一体化することで横縞型SOFCバンドルが構成される。
以下、本発明に係る横縞型SOFCバンドルの運転制御について、直方体状(断面矩形状乃至扁平状)のセルスタックで構成した横縞型SOFCバンドルを例にして説明するが、他の態様の横縞型SOFCバンドルについても同様である。
〈横縞型SOFCバンドルの運転制御態様(その一)〉
図17は横縞型SOFCバンドルの一例について各部材の配置関係等を説明する図である。図17(b)は平面図、図17(a)はその左側面図〔図17(b)を左から見た図〕、図17(c)はその右側面図〔図17(b)を右側から見た図〕である。また、図18は、図17に示すような横縞型SOFCバンドルにおける燃料の流通状態を示した図である。
図17のとおり、複数個の横縞型SOFCセルスタック10が、燃料供給管19を中心にして上下に配置される。すなわち、横縞型SOFCセルスタック10の複数個を、各燃料流路の燃料導入側開口の位置を一端で揃え、且つ、他端の利用済み燃料排出側開口を反対側に向けて配置する。各SOFCセルスタック10を固定し、且つ、燃料を分配するマニホールド18を中心にし、マニホールド18からその上下両側に、それぞれ複数個の横縞型SOFCセルスタック10からなる各セルスタック群を配置する。マニホールド18の左右両端のうち、一方に燃料供給管19が配置され、相対する他方は塞がれている。
各SOFCセルスタック10には複数個のセルが横縞状に配置され、隣接するセル間はインターコネクタにより電気的に直列に連結される。なお、各SOFCセルスタック10には図17(a)、図17(c)に示すように複数個のセル11が横縞状に配置されているが、図17(b)の各SOFCセルスタック10ではセル11の記載は省略している。セルスタック群を形成する各SOFCセルスタック10は、面平行に等間隔ないしほぼ等間隔に配置され、マニホールド18に固定される。図17では、SOFCセルスタック10の数が合計40個〔図17(b)のとおり上下に各20個〕の場合を示しているが、その数は適宜設定される。
図18において、燃料供給管19から供給される燃料は、マニホールド18中の空間を流れながら各セルスタック10の燃料流路16に導入される。導入燃料は燃料流路16を流通しながら発電に寄与し、未利用燃料を含む利用済み燃料は、各セルスタック10の燃料流路16から排出される。図18中、燃料の流れ方向を矢印で示し、aは燃料流路16の燃料導入口、bは燃料流路16の利用済み燃料導出口である。
図19は、図17〜18に示す例の横縞型SOFCバンドルを斜視図として示したものである。このほか、横縞型SOFCバンドルには、マニホールド18からその一方の側だけにSOFCセルスタック群、すなわち複数個の横縞型SOFCセルスタックを配する態様など各種あるが、いずれも横縞型SOFCバンドルである。
横縞型SOFCバンドルの配置態様例として、その下面に平行に空気の分配機構が配置される。図20はその分配機構の態様例を示す図で、図19に対応して斜視図として示している。空気分配機構30は、空気供給管31、空気分配容器32を備え、また、図19に示すようなSOFCバンドルの下面の全域に対応し、その面に向けて空気を分配する複数の空気放出孔33が設けられている。
図21は、図19〜20に示すような横縞型SOFCバンドル20及び空気分配機構30を断熱容器34に収容、配置した態様を示す図である。図21のとおり、横縞型SOFCバンドル20は、空気分配機構30の上部に配置され、通常、断熱容器34に収容して使用される。バンドルを構成する各セルスタックの左右両端面から未利用燃料を含む利用済み燃料が排出され、その端部面のオフガス燃焼域で利用済み空気により燃焼する。なお、燃焼排ガスは、断熱容器34に設けた排出管(図示省略)から排出される。
図22は、そのSOFCバンドル20及び空気分配機構30を含むユニットについて、その運転時における空気等の流通方向を説明する図である。図22のとおり、空気供給管31から供給され、空気放出孔33から放出される空気は、図22中矢印のように流通する。すなわち、空気は、SOFCバンドルで面平行に配置された各セルスタック10間を通りながら発電に寄与した後、各セルスタック10の左右両端に向けて流れる。また、各セルスタック10の左右両端部面からは未利用燃料を含む利用済み燃料が排出される。
このような横縞型SOFCバンドルは、そのセルスタック群のうち、例えば中央部に配置されたセルスタックは両側のセルスタックよりも高温になり易く、燃料枯れが起こることが予想される。図17で言えば、図17(b)中局所セルスタックとして示すセルスタックである。そこで、当該局所セルスタックに酸素センサとしての機能を持たせる。
すなわち、横縞型SOFCバンドルにおいて、図19に示すように、そのように燃料枯れが最も起こそうな局所セルスタックに対して、前述と同様にして酸素センサA、酸素センサBを配置する。なお、より高温となり、燃料枯れが起こりそうなセルスタックは、一個とは限らず、複数個である場合もあり得るが、この場合にはそのうちの一個を適宜選定、利用して酸素センサA、酸素センサBを構成する。
図23はその局所セルスタックを取り出して平面図として示した図、図24はその斜視図である。図23〜24のとおり、局所セルスタックに対して、燃料供給側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサAを構成し、また、燃料出口側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサBを構成する。
図25は、図24中A−A線断面を拡大して示した図である。図25のとおり、燃料供給側の電解質13の上面とアノード12の下面にそれぞれセンサリード線を配するとともに、熱電対を配置する。
図25中、18は電解質13の上面に配置した面状電極であり、これにセンサリード線の先端が接続される。なお、このセンサリード線の先端は、電解質の上面に代えて、カソード14に接続してもよい。
アノード12の下面に配置するセンサリード線の先端は、面状電極18の位置と相対するアノード12の下面の位置に接続されるが、当該アノード2の下面の位置に面状電極18と同様の面状電極を配置し、これに接続するようにしてもよい。なお、アノード12の下面からのセンサリード線の取り出しは、例えば図23に示すようにセルスタックの長手方向の横側から取り出すなど適宜選定できる。
また、熱電対用導線の先端は、各センサリード線の配置箇所あるいはその近辺に配置すればよいが、図23〜25では空気流路側の電解質13の上面に配置した面状電極18の側部に配置した場合を示している。センサリード線、熱電対用導線、面状電極の構成材料としてはPt、その他適宜選定して用いる。
酸素センサAに関する以上の点は、燃料排出側に配置する酸素センサBついても同様である。そして、横縞型SOFCバンドルの作動、運転時に、酸素センサA及び酸素センサBにより、それら両箇所つまり燃料入口側と燃料出口側を流れる燃料中の酸素分圧を測定する。そして、前述と同様にして、当該局所セルスタックでの燃料利用率を推定し、燃料枯れが起こらないようにSOFCバンドル全体への燃料供給量を制御して、当該局所セルスタックでの燃料枯れを防止し、SOFCバンドル全体として性能低下を来すことなく運転制御することができる。
ここで、カソードへ流す空気のPo2(c)は0.20948であるが、酸素消費量分だけ酸素分圧が低下することになる。ただし、空気利用率は前述SOFCスタックの場合と同じく通常30%程度であり、酸素分圧の低下はほとんど無視できる。そして、図17〜19に例示の横縞型SOFCバンドルの場合、空気分配機構30を図21のように配置することから、カソード側の酸素分圧の低下は、燃料供給側と燃料排出側とで実質上変わらないので、前述式YまたはZの“Po2(c)”に代入するに際して、燃料排出側での空気中の酸素分圧を補正する必要はない。
〈横縞型SOFCバンドルの運転制御態様(その二)〉
本発明は、横縞型SOFCバンドルの複数個を配置した横縞型SOFCバンドルに対しても適用される。図26はその態様を説明する図である。図26のとおり、図17〜19に示すような横縞型SOFCバンドル20は、その複数個を配置しても使用される。すなわち、横縞型SOFCバンドル20と空気分配機構30を交互に配置し、断熱容器34に収容する。各バンドルを構成する各セルスタックの左右両端面から未利用燃料を含む利用済み燃料が排出され、その各端部面のオフガス燃焼域で利用済み空気により燃焼する。
その燃焼は各セルスタック左右の利用済み燃料排出端部側の領域で起こり、その輻射熱により各セルスタック10の全面、すなわち両端部面側から燃料供給側、つまりマニホールド側までの全域が加熱され、また上下の各セルスタック10も均等に加熱される。
しかし、それでも、上下に配置された各バンドルのうち特定部位、例えば中央部のバンドル、あるいは燃焼ガスの排出口を断熱容器34の上部に設けた場合には、より上方部のバンドルがより高温になり易く、さらにそのバンドルを構成するセルスタック群のうち、中央部のセルスタックがその両側のセルスタックより高温になり易く、燃料枯れが起こることが予想される。
そこで、前述〈横縞型SOFCバンドルの運転制御態様(その一)〉と同様にして、そのように燃料枯れが最も起こり易いことが予想される局所セルスタックを利用して酸素センサA、酸素センサBを構成する。これにより、前述と同様にして、その運転時に当該局所セルスタックでの燃料利用率を推定し、燃料枯れが起こらないように複数個のSOFCバンドル全体への燃料供給量を制御することにより、当該局所セルスタックでの燃料枯れを防止し、横縞型SOFCバンドルの複数個を配置した横縞型SOFCバンドル全体として性能低下を来すことなく運転制御することができる。
SOFCセルの態様例を説明する図 SOFCスタックの態様例を説明する図 SOFCスタックにおけるセル積層の態様例を説明する図 SOFCにおける燃料利用率とセル電圧との関係を説明する図 燃料利用率を利用するSOFCの運転制御方式を説明する図 SOFCスタックの通常の運転制御の態様例を説明する図 複数個のSOFCスタックからなるSOFCスタックの通常の運転制御の態様例を説明する図 平均のセル電圧と局所的に燃料枯れが起こったセルの電圧をプロットした図 局所セルにおける“燃料枯れ”と電圧、電流の状況等を説明する図 局所セルに対する起電力計測用センサリード線、熱電対の配置態様を説明する図 局所セルに対する起電力計測用センサリード線、熱電対の配置態様をより詳しく説明する図 従来の酸素センサの原理、構造、機能について説明する図 本発明の運転制御方法をSOFCスタックに適用する態様例を説明する図 図13における運転開始時以降の制御態様を説明する図 本発明を複数個のセルを備えたSOFCスタックの複数個を配置したSOFCスタックの運転制御に適用する態様を説明する図 本発明を複数個の円筒型SOFCセルを配置したSOFCスタックの運転制御に適用する態様を説明する図 横縞型SOFCバンドル(一例)の各部材の配置関係等を説明する図 横縞型SOFCバンドルにおける燃料の流通状態を示した図 図17〜18に示す例の横縞型SOFCバンドルを斜視図として示した図 横縞型SOFCバンドルに対する空気分配機構の態様例を示す図 横縞型SOFCバンドル、空気分配機構を断熱容器に収容した態様を示す図 SOFCバンドル及び空気分配機構を含むユニットの運転時における空気等の流通方向を説明する図 局所セルスタックを取り出して平面図として示した図 局所セルスタックを取り出して斜視図として示した図 図24中A−A線断面を拡大して示した図 横縞型SOFCバンドルの複数個を配置した横縞型SOFCバンドルに対して本発明を適用する態様を説明する図
符号の説明
1 SOFCセル
2、12 アノード
3、13 電解質
4、14 カソード
5、15 多孔質支持基体
6、7 インターコネクタ
V1〜V3 流量調整弁
8 電解質3上面に配置した面状電極
10 横縞型SOFCセルスタック
11 横縞型SOFCセルスタック10における複数個のセル
16 セルスタック10の燃料流路
a 燃料流路16の燃料導入口
b 燃料流路16の利用済み燃料導出口
18 各横縞型SOFCセルスタック10を固定し、燃料を分配するマニホールド
19 燃料供給管
20 横縞型SOFCバンドル
30 空気分配機構
31 空気供給管
32 空気分配容器
33 複数の空気放出孔
34 断熱容器

Claims (8)

  1. 複数のセルを備えた固体酸化物形燃料電池スタックの運転制御方法であって、
    (a)前記スタックを構成する各セルのうち最も燃料枯れが起こりそうな局所セルを利用して、その燃料供給側と燃料出口側の起電力と温度を基に酸素分圧を測定するとともに、
    (b)局所セルの発電電流量と原燃料の改質用に導入する水蒸気量を測定することにより、局所セルの燃料利用率を推定し、
    (c)局所セルで燃料枯れが起こらないように固体酸化物形燃料電池スタック全体への燃料供給量を制御することを特徴とする固体酸化物形燃料電池スタックの運転制御方法。
  2. 前記(a)における酸素分圧の測定を、前記局所セルについて、燃料供給側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサAを構成し、且つ、燃料出口側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサBを構成することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池スタックの運転制御方法。
  3. 前記複数のセルを備えた固体酸化物形燃料電池スタックが、平板型、円筒型または一体積層型の固体酸化物形燃料電池スタックであることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池スタックの運転制御方法。
  4. 複数の平板型セルを備えた固体酸化物形燃料電池スタックの複数個を配置してなる固体酸化物形燃料電池スタックの運転制御方法であって、
    (a)前記複数個のスタックにおける各セルのうち最も燃料枯れが起こりそうな局所セルを利用して、その燃料供給側と燃料出口側の起電力と温度を基に酸素分圧を測定するとともに、
    (b)局所セルの発電電流量と原燃料の改質用に導入する水蒸気量を測定することにより、局所セルの燃料利用率を推定し、
    (c)局所セルで燃料枯れが起こらないように固体酸化物形燃料電池スタック全体への燃料供給量を制御することを特徴とする固体酸化物形燃料電池スタックの運転制御方法。
  5. 前記(a)における酸素分圧の測定を、前記局所セルについて、燃料供給側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサAを構成し、且つ、燃料出口側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサBを構成することにより行うことを特徴とする請求項4に記載の固体酸化物形燃料電池スタックの運転制御方法。
  6. 複数個の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックで構成した固体酸化物形燃料電池バンドルの運転制御方法であって、
    (a)前記複数個のセルスタックのうち最も燃料枯れが起こりそうな局所セルスタックを利用して、燃料供給側と燃料出口側の起電力と温度を基に酸素分圧を測定するとともに、
    (b)局所セルスタックの発電電流量と原燃料の改質用に導入する水蒸気量を測定することにより、局所セルスタックの燃料利用率を推定し、
    (c)局所セルスタックで燃料枯れが起こらないように固体酸化物形燃料電池バンドル全体への燃料供給量を制御することを特徴とする横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルの運転制御方法。
  7. 複数個の横縞型固体酸化物形燃料電池セルスタックで構成した固体酸化物形燃料電池バンドルの複数個を配置してなる固体酸化物形燃料電池バンドルの運転制御方法であって、
    (a)前記複数個のバンドルにおける各セルスタックのうち最も燃料枯れが起こりそうな局所セルスタックを利用して、燃料供給側と燃料出口側の起電力と温度を基に酸素分圧を測定するとともに、
    (b)局所セルスタックの発電電流量と原燃料の改質用に導入する水蒸気量を測定することにより、局所セルスタックの燃料利用率を推定し、
    (c)局所セルスタックで燃料枯れが起こらないように固体酸化物形燃料電池バンドル全体への燃料供給量を制御することを特徴とする横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルの運転制御方法。
  8. 前記(a)の酸素分圧の測定を、前記局所セルスタックについて、燃料供給側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサAを構成し、且つ、燃料出口側のアノードと電解質面とに起電力計測用のセンサリード線を配するとともに、温度計測用熱電対を配して酸素センサBを構成することにより行うことを特徴とする請求項6または7に記載の横縞型固体酸化物形燃料電池バンドルの運転制御方法。
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