JP4895716B2 - 圧電デバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

カーエレクトロニクス製品や携帯型電子機器などに用いられる小型の圧電デバイス製造方法に関し、特に信頼性が高く生産性に優れた小型の圧電デバイス製造方法に関する。
近年、携帯電話やウェアラブル機器に代表される携帯型電子機器の需要が高まりつつある。こうした携帯型電子機器には水晶振動子が必要不可欠であり、特に高精度で発振する水晶振動子の要求が高まってきている。
さらに、自動車分野においては、ITS(高度道路交通システム)の進展により、自動車の電子化、IT(情報通信技術)化の取り組みが活発化している。こうした取り組みの中では、加速度センサーや角速度センサー等の重要性がさらに高まっており、これらに使われる圧電デバイス、特に高精度で発振する振動型の圧電デバイスの要求が高まってきている。
以下に、振動型の圧電デバイスの中でも最も需要の多い水晶振動子について、従来から用いられてきた構成とその製造方法を示す(例えば特許文献1参照)。
図6は従来の圧電デバイスの一例である水晶振動子の斜視図である。従来の水晶振動子12は、基部120とこの基部120から突出して形成されている2本の振動脚110を有した水晶片100と、その水晶片100に電圧を加え、振動脚110を振動させるための電極200とで構成されている。なお電極200は振動脚110の平面xと側面yに配置されており、それら電極200は基部120に配置されたパッド部500につながっている。パッド部500からはワイヤーや導電性接合剤等によって外部の回路基板等(図示せず。)と電気的に接続される。
このような構成からなる従来の水晶振動子12は以下に示すような製造方法によって製造されていた。図7は従来の圧電デバイスの製造方法の前半の工程を示した図である。図8は従来の圧電デバイスの製造方法の後半の工程を示した図である。ともに、図6のB−B部の断面図を示している。
まず、図7(a)に示すように水晶ウェハー1000に研磨加工、洗浄を行った後、下層がクロム(Cr)、上層が金(Au)からなるマスク層2000をスパッタリング法により形成する。なお図7のマスク層2000ではCrとAuの境界は描かれていない。
次に、図7(b)に示すように、フォトレジスト3000をマスク層2000の表面に塗布した後、フォトレジスト3000を音叉形状のパターンに露光、現像し、図7(c)に示すように、音叉形状のレジストパターン3100を形成する。次に、レジストパターン3100を介してマスク層2000にエッチング処理を行い、図7(d)に示すような、AuとCrからなる音叉形状のマスクパターン2100を形成する。次に、レジストパターン3100を剥離液で除去し(図7(e))、AuとCrからなるマスクパターン2100をマスクとして水晶ウェハー1000をウェットエッチングし、図7(f)に示すように、水晶ウェハー1000を音叉形状の水晶片100に成形する。
次に、図8(g)に示すように、水晶片100上のマスクパターン2100を除去し、改めて、水晶片100の表面に下層がクロム(Cr)、上層が金(Au)からなる導電性
膜205をスパッタリング法で成膜する(図8(h))。
その後、図8(i)に示すように、電着法、スプレーコート法、インクジェット法等により、導電性膜205の表面にフォトレジストジスト305を塗布した後、フォトレジスト305を図6に示す電極200のパターン形状に露光、現像し、電極200と同形状のレジストパターン300を形成する(図8(j))。
しかる後に、図8(k)に示すように、レジストパターン300を介してAu及びCrのエッチングを行い、AuとCrからなる電極200にパターン化して形成する。最後に、レジストパターン300を剥離液で除去して(図8(l))、図6に示すような振動脚110の平面xおよび側面yに電極200が形成された水晶振動子12が完成する。
以上のような従来の水晶振動子12において、その構造上、振動脚110の付け根付近(基部120の近傍)の狭い領域D(図6に図示)に複数の電極200が高密度に配線されることになり、そのため電極200を微細に且つ狭間隔に形成する必要があった。
その一方で、電極200を微細化するのではなく、水晶片100の基部120の近傍の形状を変える方法も提案されている(例えば特許文献2参照)。この方法によれば、水晶片100の領域D付近の外形形状を変えることによって、ある程度の広さを有する電極配置部を設けている。このように電極配線部を広くすることで、電極200の間隔を広くして配置することが可能となり、電極200間の短絡を防止していた。
特開平11−177364号公報(第7頁、図3) 特開2002−76827号公報(第7頁、図5)
圧電デバイスの一応用例である従来の水晶振動子12において、その構造上、振動脚110の付け根付近(基部120の近傍)の狭い領域に複数の電極200が高密度に配線されることになり、電極200は微細に且つ狭間隔に形成されていた。そのため、電極200のパターニング精度が少しでも悪化すると、電極200の短絡や断線といった電気的不良が多発していた。
また、従来の水晶振動子12の製造方法によれば、水晶片100を形成した後に、フォトリソグラフィー法(一般に露光・現像によるパターニング方法のことをフォトリソグラフィー法と称する。)によって電極200を形成するが、フォトリソグラフィー法は本来、二次元平面における微細なパターンを形成するのに適したパターニング方法であり、三次元形状になっている水晶片100の全面にフォトリソグラフィー法を使ってパターニングしようとしても、それほど微細なパターンを形成することはできない。
なぜなら、図8(i)において、フォトレジスト305を水晶片100の全面に薄く均等に塗布することは難しく、フォトレジスト305を1μm以下の厚みで薄く塗布しようとすると必ず塗布しきれずに導電性膜205が露出してしまう部分が生じてしまうからである。そこで通常は、導電性膜205の全面が完全に覆われるように塗布するために、3〜10μm程度の厚さで厚くフォトレジスト305を塗布していた。
しかしながらフォトレジスト305が厚く塗布されていると、図8(j)において、フォトレジスト305の厚み以下の精度ではパターニングできないという欠点が逆に現れる
ことになる。従来の製造方法で用いられている電着法、スプレーコート法、インクジェット法といった塗布方法では、薄くても3〜10μm程度の厚みで塗布されるため、数μm以下の幅の電極200は形成できない。その結果、それぞれの電極200の幅が太く形成され、それぞれの間隔が狭くなり、電極200間の短絡が発生しやすかった。
電極200間の短絡による不良を改善するために、特許文献2では、電極200が高密度に配置される領域Dの部分を水晶片100の形状を変えることによって広くし、電極200の配置に余裕を持たせている。
しかしながら、この場合、水晶片100の外形を部分的ではあるが大きくすることを意味し、あまり小型化には適していない。また、本来理想的な形状で設計されているはずの水晶片100の形状を、電極200の配線のために変えてしまうので、設計的に理想とされる形状とは異なってしまい、水晶振動子12の性能を十分に発揮させることができない。
本発明の目的は、小型で生産性に優れた圧電デバイスを提供することにあり、さらには、高い性能信頼性を有する圧電デバイスを提供することにある。また、生産性に優れた小型で信頼性の高い圧電デバイスの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の圧電デバイスの製造方法は、圧電振動子片の上面
又は下面と側面とに跨った電極を有する圧電デバイスの製造方法において、圧電素子片の上面又は下面に応じた箇所に導電性膜を形成し、該導電性膜上にレジストを形成し、該レジストが形成された面に対して垂直方向から該レジストを露光し、該レジストを現像して第1のレジストパターンを形成し、第1のレジストパターンを介して該導電性膜をエッチングすることにより圧電素子片の上面又は下面に応じた箇所に第1の電極を形成する第1の電極形成工程と、第1の電極を形成した面と側面とに跨り、かつ、第1の電極と重なった導電性膜を形成し、該導電性膜上にレジストを形成し、該レジストを露光し、該レジストを現像して第2のレジストパターンを形成し、第2のレジストパターンを介して該導電性膜をエッチングすることにより、第1の電極を形成した面と側面とに跨り、かつ、第1の電極と接続した第2の電極を形成する第2の電極形成工程と、を備え、第1の電極を構成する材料は、第2の電極形成工程で導電性膜をエッチングする溶液に対して不溶性であることを特徴とする。
また、本発明の圧電デバイスの製造方法は、上述した事項に加えて、第2の電極形成工程において、導電性膜及びレジストが形成されたそれぞれの面に対して斜め方向からレジストを露光することを特徴とする。
さらに、本発明の圧電デバイスの製造方法は、上述した事項に加えて、第2の電極形成工程において、レジストを電着法で形成することを特徴とする。
(作用)
本発明の上記手段では、まずウェハー上に圧電素子片の外形形状をかたどったマスクパターンを形成する。このマスクパターンはウェハーをエッチング法で加工する時のマスクの役目をするとともに、その後の工程で圧電素子上に形成される平面電極として加工し直されるものである。よって、このマスクパターンはウェハーをエッチングする時に用いられるエッチング液に対して不溶性を示し、且つ電気抵抗の低い材料を選ぶのが望ましい。
本発明の圧電デバイスの製造方法では、このマスクパターンを形成した後、マスクパターン上にレジストパターンを形成する。このレジストパターンは平面電極の形状をしており、この後に行われるマスクパターンをエッチングして平面電極を形成する工程におけるマスクの役目をするものである。よって、このレジストパターンのパターニング精度は平面電極のパターニング精度に大きく影響するため、このレジストパターンを高い精度でパターニングすることができれば、平面電極の短絡や断線といった不良をほとんど無くすことができるのである。
本発明では、レジストパターンの形成の時点でウェハーはまだ圧電素子片に加工されておらず、段差のない平坦な面を有した状態にある。平坦な面上でのレジストパターンの形成は、一般にLSI分野で行われているパターニング工程と何ら変わることはなく、LSI分野で行われているようなフォトリソグラフィー法によるパターニング方法を用いればミクロン以下の寸法精度でレジストパターンを形成することは非常に容易である。
レジストパターンを精度良く形成した後、ウェハーをエッチング法によって加工するとマスクパターンの形状どおりに加工され、所定の形状の圧電素子片が形成される。一般にエッチング法は機械加工法に比べて微細で精度良く加工できるため、本発明で目的としているような小型の圧電デバイス(圧電素子片)を形成するのに適している。
その後、レジストパターンをマスクとしてマスクパターンをエッチングすると、小型の圧電素子片の一平面上に、微細で寸法精度に優れた平面電極を形成することができる。その結果、小型の圧電素子片を用いた小型の圧電デバイスであっても、平面電極において短絡や断線といった不良の発生はほとんど無くすことができる。
圧電素子片に平面電極を形成した後、導電性膜を圧電素子片及び平面電極上に成膜し、その導電性膜を、従来から用いられている方法でパターニングして多面電極を形成する。この多面電極は圧電素子片の平面とこの平面とは異なる他の面(側面)にわたって連続して形成される。
なお、従来から用いられている方法とは、電着法、スプレーコート法、インクジェット法等により圧電素子片の全面に塗布されたフォトレジストジストを露光、現像してレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをマスクにして導電性膜をエッチングする方法である。この方法の場合、圧電素子片の平面であろうが側面であろうがいかなる面であってもパターニングが可能で、平面と側面の境界である角部であっても断線無く確実にパターニングできるのが特徴である。
なお、本発明の圧電デバイスでは、平面電極を構成する材料と多面電極を形成する材料とが異なった材料であることを特徴としている。詳しくは平面電極を構成する材料は、多面電極を構成する材料を溶解する物質に対して、不溶性であるのが本発明の特徴である。これは、多面電極を形成する工程で用いられるエッチング液によって、せっかく微細に精度良く形成した平面電極が侵されないようにするためである。こうすることによって、工程の初期の段階で形成した平面電極は完成に至るまで、微細で精度の高い状態のまま保たれることとなる。
以上のようにして、本発明では微細で高密度の配置が要求される平面電極と、形成が難しい側面にも断線無く配線することが要求される多面電極とを、それぞれに適した方法で別々に形成することで、小型で信頼性の高い圧電デバイスを達成することができた。
本発明によれば、小型で生産性に優れた圧電デバイスを提供することができ、さらには、高い性能信頼性を有する圧電デバイスを提供することができる。また、生産性に優れた小型で信頼性の高い圧電デバイスの製造方法を提供することができる。
図1は本発明の圧電デバイスの一例である水晶振動子の斜視図である。本発明の圧電デバイスの一例である水晶振動子10は、基部120とこの基部120から突出して形成されている2本の振動脚110を有した音叉形状をした水晶片100と、その水晶片100に電圧を加え、振動脚110を振動させるための平面電極210、多面電極220とで構成されている。
なお平面電極210は下層がクロム(Cr)、上層が金(Au)の積層膜構造になっており水晶片100の平面xのみに形成されている。一方、多面電極220は銅(Cu)の単層膜からなっており、水晶片100の平面x及びそれに連なる側面yに連続して形成されている。そして、この多面電極220の平面部220aと平面電極210は同一面にあり、お互い重なり合うことによって電気的につながっている。
さらにその先では基部120に配置されたパッド部500とも電気的につながっている。なおパッド部500はワイヤーや導電性接合剤等によって外部の回路基板等(図示せず。)と電気的に接続され、外部から電圧を加えることによって水晶振動子10を駆動させることができる。
このような構成からなる本発明の水晶振動子10は以下に示すような製造方法によって製造される。図2は本発明の圧電デバイスの製造方法の前半の工程を示した図である。図3は本発明の圧電デバイスの製造方法の後半の工程を示した図である。ともに、図1のA−A部の断面図を示している。
本実施形態の水晶振動子10の製造方法において、水晶ウェハー1000上にマスクパターン2100を形成するまでの工程は、従来の製造方法の工程である図7(a)〜図7(e)の工程とまったく同じである。すなわち、まず始めに図7(a)に示すように水晶ウェハー1000に研磨加工、洗浄を行った後、下層がクロム(Cr)、上層が金(Au)からなるマスク層2000をスパッタリング法により形成する。
次に、図7(b)に示すように、フォトレジスト3000をマスク層2000の表面に塗布した後、フォトレジスト3000を音叉形状のパターンに露光、現像し、図7(c)に示すように、音叉形状のレジストパターン3100を形成する。その後、レジストパターン3100を介してマスク層2000にエッチング処理を行い、図7(d)に示すようなAuとCrからなる音叉形状のマスクパターン2100を形成し、図7(e)に示すように、レジストパターン3100を剥離液で除去する工程によって作られる。
本発明の圧電デバイスの製造方法が従来の製造方法と異なる点はこれ以降の工程である。本発明では図7(e)のように水晶ウェハー1000上にマスクパターン2100を形成した後、図2(a)に示すように、水晶ウェハー1000及びCrとAuの積層膜からなるマスクパターン2100(CrとAuの境界は描かれていない。)の平面上にフォトレジスト315を塗布する。
なお、この時に用いられるフォトレジスト315は微細パターンの形成に適したレジスト材料を選ぶのが望ましい。例えば高解像度、高コントラスト性を有し、塗布厚を薄くできるレジスト材料が望ましい。また、このフォトレジスト315は、後に行われる水晶ウェハー1000をエッチングする工程において、侵されない材料でなくてはならない。
次にフォトレジスト315を平面電極210の形状で露光、現像し、図2(b)に示すように、マスクパターン2100上に平面電極210の形状でパターン化されたレジストパターン310を形成する。なお、本発明の圧電デバイスの製造方法において、レジストパターン310のパターニングは非常に重要であり、微細で高精度にパターニングできる方法を選択するのが望ましい。
図4は本発明の圧電デバイスにおける平面電極のパターニング方法の一例を示した図である。本実施形態では図4に示すような縮小露光方式によってフォトレジスト315を紫外線UVにて露光し、その後、現像して図2(b)に示すようにパターン化した。露光マスク410、420を1/5に縮小して露光したので、露光マスク410、420の寸法精度の5倍の精度でパターニングすることができ、ミクロン以下の精度でレジストパターン310を形成することができた。
なお、本実施形態で用いた縮小露光方式によるパターニングは、本発明に適したパターニング方法の中の一例を示しただけにすぎない。この他にナノメートルオーダーでのパターニングが可能なX線リソグラフィー法、液浸リソグラフィー法、ナノインプリント法等の非常に微細なパターニングを行うことができる方法も本発明の製造方法に利用可能である。
このようにしてマスクパターン2100上にレジストパターン310を形成した後に、マスクパターン2100をマスクとして水晶ウェハー1000をウェットエッチングし、図2(c)に示すように、水晶ウェハー1000を音叉形状の水晶片100に成形する。一般的に水晶ウェハー1000を化学的に加工するウェットエッチング法は、機械的に加工する切削加工法に比べ微細な加工が可能であり、水晶振動子10を小型化するのに適した加工法である。
なお、当然のことながら、レジストパターン310は水晶ウェハー1000をウェットエッチングする際に使われるエッチング液に対して不溶性であることが重要である。エッチング液に侵されてしまうような材料でレジストパターン310が形成されていると、折角、上記のような方法で微細に且つ高精度に形成した形状が崩れてしまうからである。
次に、図2(d)に示すように、水晶片100上のマスクパターン2100を、レジストパターン310をマスクとして利用し、エッチングする。するとレジストパターン310の形状を転写して、微細で高い寸法精度を有する平面電極210が形成される。
その後、レジストパターン310を剥離液で除去し、水晶片100の平面だけに、上層がAuで下層がCrからなる平面電極210が形成された状態になる(図2(e))。
次に、図3(f)に示すように、水晶片100と平面電極210を覆うようにして、Cuからなる導電性膜225をスパッタリング法によって成膜する。スパッタリング法は付き回り性が良いので、平面xにも側面yにもほぼ均等に成膜することができる。
その後、図3(g)に示すように、導電性膜225の表面にフォトレジストジスト325を塗布する。この時、フォトレジスト325は平面xにも側面yにも塗布されなくては
ならない。そのためには三次元的にレジスト材料を塗布することができる塗布方法を選択する必要がある。三次元的にレジスト材料を塗布することのできる方法としては、一般的に電着法、スプレーコート法、インクジェット法などが挙げられる。
これらの方法は、いずれも数μm以上の厚みでレジスト材料が塗布される方法であり、そのため平面xであっても、側面yであっても、さらには平面xと側面yの境界部(角部)であっても確実にその表面を覆って塗布することができる。なお、本実施形態では上記の塗布方法の中で、最も一般的に使われている電着法を用いてフォトレジスト325を塗布した。
その後、フォトレジスト325を図1に示す多面電極220の形状に露光、現像し、多面電極220と同形状のレジストパターン320を形成する(図3(h))。この時に行われるパターニング工程では、水晶片100の平面xと側面yのどちらの面にもレジストパターン320を形成しなくてはならないので、平面的(二次元的)にしかパターニングできない縮小露光法、X線リソグラフィー法、液浸リソグラフィー法、ナノインプリント法等は利用することができない。ゆえに本工程では三次元的にパターニングすることができる方法を選択して使用する必要がある。
図5は本発明の圧電デバイスにおける多面電極のパターニング方法の一例を示した図である。本実施形態では図5に示すような斜め露光方式によってフォトレジスト325を紫外線UVにて露光し、その後、現像して図3(h)に示すようにパターン化した。斜め露光方式は、図5に示すように、水晶片100の平面xに対して約45度の斜め方向から、露光マスク430、440を介して紫外線UVを照射する露光方法である。このようにすることでフォトレジスト325の平面xと側面yを同時に露光することができるため、生産性に優れた露光法である。
しかる後に、図3(i)に示すように、レジストパターン320を介して導電性膜225をエッチングして、Cuからなる多面電極220を形成する。なお、このエッチング工程で、導電成膜225の下部に形成されている平面電極210が一緒にエッチングされてしまうことはあってはならない。本実施形態では導電性膜にCuを使用しており、一方、平面電極210にAuを使用している。Auは非常に安定な材料であるので、Cuのエッチング液で平面電極210が侵されることはまったく無かった。
なお、平面電極210にはCrも使用されているが、下層のCrは上層のAuに覆われているので、Cuのエッチング液にさらされる心配はない。このように、本発明では、平面電極210が形成された後に多面電極220をエッチング法によって形成するため、平面電極210に使用する材料は多面電極220に使用する材料とは異なったものが選ばれ、且つ多面電極220を形成するためのエッチング工程で不溶性である必要がある。
最後に、レジストパターン320を剥離液で除去して(図3(j))、図1に示すような振動脚110の平面xに微細で短絡のない平面電極210が形成され、さらに平面xと側面yに断線のなく連続した多面電極220が形成された水晶振動子10が完成する。
このように本発明の製造方法では、従来は一つの工程で形成されていた電極200を、平面電極210と多面電極220とに分離し、それぞれの要求にあった電極の形成方法を使用することで、小型で信頼性の高い水晶振動子10を提供できるようになる。
詳しく言えば、平面電極210を微細で狭い間隔で精度良く形成できるようになり、その結果、図1に示す振動脚110の付け根付近(領域C)のような非常に狭い領域に平面電極210を高密度に配線しなくてはならない場所であっても短絡せずに配線することが
でき、さらなる小型化にも対応できるようになった。また、多面電極220においては、平面xから側面yにかけて断線することなく多面電極220を配線することができ、信頼性を高めることができた。
また、本発明は電極(平面電極210、多面電極220)の構造と製造方法によって、水晶振動子10の小型化と信頼性向上を達成している。よって従来行われていたような電極配線のために水晶片100の形状を設計からはずれた形状に変更する必要がなく、水晶片100の形状を設計によって得られた最適形状で形成すればよい。その結果、本発明では設計通りの最高の性能を有する水晶振動子10を得ることができる。
なお、本実施形態では圧電デバイスの一例として、水晶からなる圧電素子片、すなわち水晶片100上に、平面電極210と多面電極220を形成した水晶振動子10を例に挙げて説明したが、本発明は水晶振動子10に限られるものではない。例えば水晶以外の圧電材料を利用した圧電振動子であっても本発明の効果は十分に得られる。また、用途としても、本発明は振動子に限られているわけではなく、例えば加速度センサーやジャイロスコープ等のセンサーにも利用可能である。
本発明の圧電デバイスの一例である水晶振動子の斜視図である。 本発明の圧電デバイスの製造方法の前半の工程を示した図である。 本発明の圧電デバイスの製造方法の後半の工程を示した図である。 本発明の圧電デバイスにおける平面電極のパターニング方法の一例を示した図である。 本発明の圧電デバイスにおける多面電極のパターニング方法の一例を示した図である。 従来の圧電デバイスの一例である水晶振動子の斜視図である。 従来の圧電デバイスの製造方法の前半の工程を示した図である。 従来の圧電デバイスの製造方法の後半の工程を示した図である。
符号の説明
10、12 水晶振動子
100 水晶片
110 振動脚
120 基部
200 電極
205、225 導電性膜
210 平面電極
220 多面電極
220a 平面部
300、310、320 レジストパターン
305、315、325 フォトレジスト
410、420、430、440 露光マスク
500 パッド部
1000 水晶ウェハー
2000 マスク層
2100 マスクパターン
3000 フォトレジスト
3100 レジストパターン

Claims (3)

  1. 圧電振動子片の上面又は下面と側面とに跨った電極を有する圧電デバイスの製造方法において、
    前記圧電素子片の上面又は下面に応じた箇所に導電性膜を形成し、該導電性膜上にレジストを形成し、該レジストが形成された面に対して垂直方向から該レジストを露光し、該レジストを現像して第1のレジストパターンを形成し、前記第1のレジストパターンを介して該導電性膜をエッチングすることにより前記圧電素子片の上面又は下面に応じた箇所に第1の電極を形成する第1の電極形成工程と、
    前記第1の電極を形成した面と前記側面とに跨り、かつ、前記第1の電極と重なった導電性膜を形成し、該導電性膜上にレジストを形成し、該レジストを露光し、該レジストを現像して第2のレジストパターンを形成し、前記第2のレジストパターンを介して該導電性膜をエッチングすることにより、前記第1の電極を形成した面と前記側面とに跨り、かつ、前記第1の電極と接続した第2の電極を形成する第2の電極形成工程と、を備え
    前記第1の電極を構成する材料は、前記第2の電極形成工程で前記導電性膜をエッチングする溶液に対して不溶性であることを特徴とする圧電デバイスの製造方法。
  2. 前記第2の電極形成工程において、前記導電性膜及び前記レジストが形成されたそれぞれの面に対して斜め方向から前記レジストを露光することを特徴とする請求項1に記載の圧電デバイスの製造方法。
  3. 前記第2の電極形成工程において、前記レジストを電着法で形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電デバイスの製造方法。
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