JP4894812B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンの燃料噴射装置に関する。
ディーゼルエンジンでは、燃料噴射弁に形成された噴孔から燃焼室内へ燃料が噴射され、燃焼が実現される。燃焼室内に露出する燃料噴射弁の先端部には、燃焼によって生じるデポジットが付着することがある。燃料噴射弁の噴孔近傍にデポジットが付着すると、デポジットの付着していない状態と比較して、噴孔の開口面積が縮小する。すなわち、燃料の流路の断面積が縮小する。このため、格別の対策が施されない限り、噴孔から噴射される燃料量は減少する。
特許文献1に開示された燃料噴射制御装置は、デポジットが噴孔近傍に付着したことを判断すると、噴孔の開弁時間を延長し、燃料の噴射時間を延長する。これにより、噴射量を増加させて、燃焼に必要な量の燃料を燃焼室内へ供給している。
特開平9−151770号公報
ところが、燃料の噴射時間を延長すると、燃料の後燃え期間が延びてしまい、PM(Paticulate Matter)の排出量が増加することが考えられる。
そこで、本発明は、噴孔の開口面積が変化した場合であっても、燃料噴射弁の噴射量を維持することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明の燃料噴射装置は、燃料が噴射される噴孔が形成された燃料噴射弁と、当該燃料噴射弁へ供給する燃料を高圧の状態で維持する燃料蓄圧手段と、車両の累積走行距離に応じた噴射量劣化学習値に基づいて、前記噴孔の開口面積が縮小したことを判定する第1の判定手段と、当該第1の判定手段が前記噴孔の開口面積が縮小したことを判定した場合、前記燃料蓄圧手段における燃料の圧力を上昇させる第1の制御手段と、を備えたことを特徴とする(請求項1)。このような構成とすることにより、燃料噴射装置は、累積走行距離に対する噴射量劣化学習値により、噴孔付近のデポジットの量を推定し、噴孔の開口面積の縮小した状態を把握することができる。燃料噴射装置は、このようにして把握した噴孔の開口面積の状態に基づいて、噴射圧を制御することができる。これにより、燃料噴射量を確保することができる。
このような燃料噴射装置において、前記燃料噴射弁から噴射された燃料の燃焼音についての暗騒音の音量を取得する暗騒音取得手段を備え、前記第1の判定手段が、当該暗騒音取得手段により取得された暗騒音の音量が閾値を超えると判断するとともに、前記噴孔の開口面積が縮小したことを判定した場合、前記第1の制御手段は燃料の圧力を上昇させる構成とすることができる(請求項)。このような構成とすることにより、暗騒音によって燃焼音を際立たなくすることができる。燃焼音は、燃料の圧力が上昇することにより増加することになるが、暗騒音が大きい場合には、このように増加する燃焼音を際立たなくすることができる。このため、燃料噴射装置は、ドライバ等の乗員に燃焼音の増加による不快感を与えることなく、運転状態に適した所定量の燃料を噴射し、所望のエンジン出力を得ることができる。
さらに、このような燃料噴射装置は、前記噴孔の開口面積が拡大したことを判定する第2の判定手段と、当該第2の判定手段が前記噴孔の開口面積が拡大したことを判定した場合、前記燃料蓄圧手段の燃料の圧力を低下させる第2の制御手段と、を備えた構成とすることができる(請求項)。このような構成とすることにより、噴孔の開口面積が拡大した場合も、噴射時間を変更することなく、運転状態に適した噴射量を維持することができる。特に、噴孔の開口面積が拡大したにもかかわらず噴射圧が変更されなければ、噴射される燃料量が過多となる。このため、噴射圧を低下することにより、運転状態に適した噴射量を得ることができる。
本発明の燃料噴射装置は、噴孔の開口面積の変化が判定された場合に、燃料噴射弁からの燃料の噴射圧を変更するようにしたので、運転状態に適した噴射量を得て、エンジンの出力を維持することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の燃料噴射装置1を組み込んだ4気筒のディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」と称する)10の概略構成を示した説明図である。図1の説明図では、1つの気筒について噴射する燃料噴射弁2を示している。燃料噴射装置1は、燃料噴射弁2、燃料タンク3、フューエルポンプ4、コモンレール5を備えている。燃料噴射弁2は、燃料を噴射する噴孔2aが形成されたノズルボディの内部に弁体が配置された構成となっている。燃料噴射弁2の弁体は、通電することにより起動したアクチュエータにより引き上げられる。これにより、燃料噴射弁2に形成された噴孔2aが開口し、燃料が燃焼室6へ噴射される。
燃料タンク3は、燃料を貯留するタンクである。燃料タンク3内の燃料は、フューエルポンプ4に吸引され、コモンレール5へ供給される。フューエルポンプ4に吸引される燃料は、燃料タンク3とフューエルポンプ4との間に配置された燃料フィルタ7を通過する。このとき、燃料内の不純物が燃料フィルタ7にて取り除かれる。コモンレール5は、本発明の燃料蓄圧手段に相当する。このコモンレール5は、燃料噴射弁2へ供給する燃料を高圧の状態で維持するとともに、燃料噴射弁2へ高圧の燃料を供給する。コモンレール5には、減圧弁5aが備えられている。減圧弁5aは、コモンレール5内の燃料を燃料タンク3へ逃し、コモンレール5内部を減圧する。また、コモンレール5にはコモンレール5内の圧力を検出するレール圧センサ5bが備えられている。
さらに、燃料噴射装置1は、ECU(Electronic Control Unit)8と駆動ユニット9とを備えている。ECU8は、コモンレール5のレール圧センサ5bと電気的に接続されており、コモンレール5内の圧力情報を取得する。ECU8は、本発明の第1の制御手段に相当し、取得されたコモンレール5内の圧力情報に基づいて、減圧弁5aを開弁状態とするか否かを判断する。ECU8は、減圧弁5aの開閉する状態について判断するとこれに関する情報を駆動ユニット9へ送信する。駆動ユニット9は、ECU8から送られる情報に従って、減圧弁5aの開閉状態を切り替える。ECU8は、コモンレール5内の圧力が目標レール圧を超える場合、減圧弁5aを開弁状態とする信号を送る。これにより、減圧弁5aが開弁し、コモンレール5内の燃料が減少してコモンレール5内の圧力が低下する。一方、ECU8は、コモンレール5内の圧力が目標レール圧に達していない場合に、減圧弁5aを閉弁状態とする信号を送る。これにより、減圧弁5aは閉弁状態となる。減圧弁5aが閉弁状態となっている間に、コモンレール5内にはフューエルポンプ4から燃料が供給される。これにより、コモンレール5内の燃料が増加し、コモンレール5内の圧力が上昇する。以上のように、ECU8は、コモンレール5内の圧力を制御する。これにより、各気筒における燃料噴射弁2の噴射圧が制御されることとなる。また、ECU8は、エンジン10の運転状態から燃料噴射弁2の開閉状態を判断し、駆動ユニット9を介して、燃料噴射弁2の開閉状態を制御する。
図2は、燃料噴射弁2の噴射量と燃料噴射弁2への通電時間との関係を示した説明図である。図2は、32MPa、100MPa、180MPaの3通りの噴射圧について示している。このような噴射圧は、ECU8が調整するコモンレール5内の圧力により定まる。また、通電時間は、燃料噴射弁2の開弁している時間と関連している。すなわち、同一の通電時間であれば、弁体が開弁している時間が同じである。図2で示すように、燃料噴射弁2は、開弁時間が同じであれば、噴射圧が上昇するほど、噴射量が増加する。32MPa、100MPa、180MPaとの値は例示であり、ECU8は、コモンレール5の維持可能な圧力範囲で、燃料噴射弁2の噴射圧を制御することができる。
さらに、図1に示すように、燃料噴射装置1は、車速センサ11、NEセンサ12を備えている。車速センサ11及びNEセンサ12は、ECU8と電気的に接続されており、ECU8は、車速センサ11から車両の速度に関する情報を取得し、NEセンサ12からエンジン10の回転数に関する情報を取得する。また、車速センサ11から取得される車両の速度が所定値を超える場合、すなわち、車速が速い場合、ロードノイズや風きり音が大きい。このため、ECU8は、暗騒音が閾値を超えると判断する。このような車速センサ11とECU8とが本発明の暗騒音推定手段を構成する。
ECU8は、噴孔2aの開口面積が変化したことを判定する本発明の第1の判定手段を構成する。以下、燃料噴射弁2の噴孔2aの状態を推定して、燃料の目標噴射圧を算出するECU8の制御処理について説明する。図3は、ECU8による噴孔面積の縮小の判定及び目標噴射圧の算出に関する処理の一例を示したフローチャートである。
ECU8はステップS1において、累積走行距離に応じた噴射量劣化学習値(以下、単に「学習値」と称する。)Taの算出を行う。学習値Taとは、デポジットが生成しやすい運転状態で運転された走行距離を積算した値である。このようなデポジットが生成しやすい運転状態は、エンジン10の平均有効圧と回転数から定まり、予め実験的に求められたものである。このような運転状態で運転が行われるほど、噴孔2a付近にデポジットが付着しやすく、噴孔2aの開口面積が縮小すると推定される。このECU8はステップS1の処理を終えると、ステップS2へ進む。
ECU8は、ステップS2において、噴孔面積縮小判定マップにステップS1において算出した学習値Taを照合する。図4は、噴孔面積縮小判定マップの一例を示した説明図である。図4中の縦軸は、噴射量劣化学習値を示し、横軸は、累積走行距離を示している。また、マップは判定値を有している。学習値Taは、累積走行距離が増加するに伴い増加する傾向にある。このため、図4に示すように、噴射量劣化学習値Taは、累積走行距離に対応して増加する。仮に、この学習値Taが判定値を超えると、以下のステップにおいて、噴孔2aの開口面積が縮小していると判断される。この判定値が一定値であると、累積走行距離が少ない領域において、学習値Taが急激に増加するような場合、すなわち、噴孔の開口面積が急激に縮小したような場合を捕捉することができず、対処が遅れる。このため、累積走行距離が少ない場合には判定値として低い値が設定されている。このような事情を考慮して、判定値は、累積走行距離が増加するとともに、ステップ状に高くなるように設定されている。ECU8はステップS2の処理を終えると、ステップS3へ進む。
ECU8はステップS3において、学習値Taと判定値Aとを比較し、学習値Taが判定値Aを超えるか否かを判断する。ECU8はステップS3において、YESと判断する場合、すなわち、学習値Taが判定値Aを超えると判断する場合、ステップS4、ステップS5へ進む。
ECU8はステップS4において、噴孔2aの開口面積が縮小していると判定する。図5は、噴孔2aの開口面積が縮小する以前の噴射量と開口面積が縮小した以後の噴射量とを比較した説明図である。図5の縦軸は、燃料噴射弁2の噴射量を示し、横軸は燃料噴射弁2への通電時間を示している。また、図5中の実線が噴孔2aの開口面積が縮小する以前の状態、点線が噴孔2aの開口面積が縮小した以降の状態を示している。図5に示すように、噴孔2aの開口面積が縮小すると、噴孔2aの開口面積が縮小する以前と比較して、同じ通電時間における噴射量が減少する。例えば、燃料噴射弁2への通電時間がt1である場合、新品の状態における噴射量がQ1であったのに対して、噴孔2aの開口面積が縮小した場合の噴射量はQ2(Q2<Q1)へ減少する。
ECU8はステップS5において、燃料噴射弁2の開弁に要する通電時間を基準値に固定する。すなわち、通電時間の延長、短縮は行わない。この基準値は、燃料の所定量を噴射するため、基準として採用されている値である。ECU8はステップS5の処理を終えると、ステップS6へ進む。
ECU8はステップS6において、予め実験等から得られた噴射圧補正マップに基づいて、目標噴射圧を算出する。図6は、噴射圧補正マップを示した説明図である。図6の縦軸は、噴射圧変化量ΔPを示し、横軸は学習値Taを示している。ここでは、ステップS1において取得した学習値Taを噴射圧補正マップに照合し、噴射圧変化量ΔPを算出する。例えば、ステップS1において算出された学習値TaがTa1とすると、図6の噴射圧補正マップに基づき、噴射圧変化量ΔPはΔP1と算出される。さらに、ECU8は、ここで得られた噴射圧変化量ΔPを現在の噴射圧に加算し、目標噴射圧を算出する。ECU8は、ここで算出される目標噴射圧に基づいて、コモンレール5内の燃料の圧力を制御し、燃料噴射弁2の噴射圧力を制御する。ECU8はステップS6の処理を終えると、ステップS7へ進む。
ECU8はステップS7において、暗騒音が閾値を超えるか否かを判断する。ECU8は、車速センサ11から取得される車両の速度がv(km/h)以上である場合、暗騒音が閾値を超えると判断する。暗騒音が閾値を超える場合、すなわち、車速が速い場合、ロードノイズや風きり音が大きいため、目標噴射圧の上昇により大きくなる燃焼音をかき消すことができる。このため、ECU8は、暗騒音が閾値を超える場合に、目標噴射圧を上昇させ、燃料噴射を実行する。
また、以下の場合にも、暗騒音が大きくなるため、暗騒音が閾値を超えると判断することができる。
1) エンジン10がN(rpm)以上で運転されている場合
2) ワイパースイッチがONである場合
3) エアコンファンが全開である場合
例えば、1)の場合は、噴射圧を上げずともエンジン騒音が大きいため、2)の場合は、降雨の音により、3)の場合は、室内送風音が大きいため、燃焼音がかき消される。さらに、車両の速度に基づく場合も含めて、これらの状態を組み合わせ、暗騒音が閾値を超えると判断してもよい。
ECU8はステップS7において、YESと判断する場合、すなわち、暗騒音が大きい状態であると判断すると、ステップS8へ進む。ECU8はステップS8において、設定された目標噴射圧で燃料の噴射を実行する。ECU8はステップS8の処理を終えるとリターンとなる。一方、ECU8はステップS7において、NOと判断する場合、すなわち、暗騒音が大きい状態でないと判断すると、ステップS4へ戻る。
ところで、ECU8はステップS3において、NOと判断する場合、すなわち、学習値Taが判定値A以下であると判断する場合、ステップS8へ進む。ECU8はステップS8において、設定された目標噴射圧で燃料の噴射を実行する。ここでは、このステップS8に到達する間に目標噴射圧は変化していない。すなわち、噴射圧がそのままの状態で噴射が行われる。ステップS3でNOと判断する場合は、噴孔2aの開口面積が縮小していると判断しない。この場合は、噴射圧を変更させなくとも、運転状態に応じた噴射量が得られる。
次に、このようなECU8の処理による効果を説明する。図7は、噴孔2aの開口面積が縮小した場合における、燃料の噴射圧が初期の状態の噴射量と、燃料の噴射圧を上昇させた状態の噴射量とを比較した説明図である。図7の縦軸は、燃料噴射弁2の噴射量を示し、横軸は、燃料噴射弁2への通電時間を示している。図7中、燃料の噴射圧が初期の状態の噴射量は、点線で示し、燃料の噴射圧を上昇させた状態の噴射量は、破線で示している。ECU8の判定により、噴孔2aの面積が縮小していると判断された場合、燃料噴射弁2の通電時間と噴射量との関係は、図7に示す点線で示した状態となる。この状態では、通電時間t1では、燃焼に必要な燃料が噴射できず、噴射量が不足する。このような状態において、燃料噴射装置1は、噴射圧補正マップに基づいて、目標噴射圧を算出し、新たな噴射圧P2(P2>P1(初期の噴射圧))とする。ここでの処理は、上記で説明したECU8の処理手順のステップS6である。ここで算出した噴射圧による燃料噴射弁2の通電時間と噴射量との関係は、図7に示す破線で示す状態となる。これにより、通電時間t1において、噴孔2aの面積が縮小する以前の噴射量が得られる。これにより、運転状態に応じた燃料が噴射され、エンジンの出力低下を防止することができる。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例の燃料噴射装置は、実施例1の燃料噴射装置1と同様の構成をしている。但し、本実施例の燃料噴射装置は、ECU8が行う制御処理が実施例1と相違している。以下、本実施例におけるECU8の制御の処理手順について説明する。また、ECU8は、本発明の第2の制御手段にも相当し、ECU8とNEセンサ12とは本発明の第2の判定手段にも相当する。なお、本実施例の燃料噴射装置の構成は実施例1と同一であるため、同一の参照番号を用いて説明する。
本実施例のECU8により行われる制御処理の概略を説明すると、まず、ECU8は、燃料噴射弁2の実噴射量を推定し、指令噴射量との差分を算出する。次に、ECU8は、得られた実噴射量と指令噴射量との差分から噴孔2aにおけるデポジットの堆積状態、すなわち、噴孔2aの開口面積の変化について判断し、対応する措置をとる。
まず、燃料噴射弁の実噴射量を推定し、指令噴射量との差分を算出するECU8の処理について説明する。図8は、燃料噴射弁2からの燃料の実噴射量と指令噴射量との差分を算出するECU8の処理手順(以下、「噴射量の差分算出処理」と称する。)の一例を示したフローチャートである。
まず、ECU8は、燃料噴射弁の噴射量を学習するための噴射(以下、単に学習噴射と称する。)を行う。この学習噴射はいわゆる極少量のパイロット噴射である。ECU8は、ステップS11において、学習噴射を実施するための条件を満たすか否かを判断する。具体的には、以下の条件を満たすことを判断する。
1) 燃料噴射弁2に対する指令噴射量が0となる無噴射時である。
2) 変速装置がニュートラル状態である(例えば、シフトチェンジ時)。
3) 所定のレール圧が維持されている。
ECU8は、ステップS11においてYESと判断する場合、すなわち、学習噴射を実施する条件を満たすと判断する場合、ステップS12へ進む。なお、変速装置がニュートラル状態であるためには、例えば、シフトポジション(シフトレバーの操作位置)がニュートラル位置にあること、あるいは、クラッチがOFF状態、すなわち、駆動輪に対してエンジン動力が遮断されている状態にあること(この場合、シフトポジションは必ずしもニュートラル位置にある必要はない)である。また、燃料噴射装置1が、EGR装置、ディーゼルスロットル、可変ターボ等を装備する場合は、EGRバルブの開度、ディーゼルスロットルの開度、可変ターボの開度等を、学習噴射を実施するための条件に加えることもできる。
ECU8はステップS12において、学習噴射を実施する。この学習噴射により噴射しようとする燃料量は、パイロット噴射の指令噴射量Qcに相当する。次に、ECU8は、ステップS13において、NEセンサ12の信号を取り込んでエンジン回転数ωを検出する。なお、エンジン回転数ωの検出は、変動を精度良く検出するため、燃料噴射弁2から燃料が噴射される直前に実施される。
次に、ECU8は、ステップS14において、気筒毎に回転数変動量Δω(i)を算出する。例えば、第3気筒を例に挙げると、ω3(i)とω3(i+1)との差Δω3(i)を算出する。このΔω(i)は、無噴射時には単調に減少していく。この無噴射時に単調に減少するときのΔω(i)をΔωp(i)とする。一方、学習噴射を実施した直後では、各気筒においてΔω(i)が上昇する。
次に、ECU8は、ステップS15において、学習噴射による回転数上昇量δを気筒毎に算出し、その平均値δxを算出する。回転数上昇量δは、学習噴射を実施しなかった場合のΔωp(i)と、ステップS14で算出されたΔω(i)との差として求められる。なお、学習噴射を実施しなかった場合のΔωp(i)は、無噴射時において単調に減少するので、学習噴射以前のΔωp(i−1)から容易に推定できる。
次に、ECU8はステップS16において、実噴射量Qrを算出する。ステップS15で算出したδxと学習噴射を実施した時のエンジン回転数ω0との積によりトルク比例量Tpが算出される。このトルク比例量Tpは、学習噴射によって発生するエンジン10の発生トルクTに比例する。また、エンジン10において、発生トルクTと実噴射量Qrは比例する。このため、実噴射量Qrは、算出されたトルク比例量Tpに比例する。したがって、トルク比例量Tpと予め算出しておいた比例定数kとの積により実噴射量Qrを以下に示す数式(1)により推定することができる。
Qr=k・δx・ω0 (∵Tp=δx・ω0)・・・・・・(1)
このように、ECU8の処理により、実噴射量Qrが推定される。ECU8は、ステップS16の次にステップS17へ進む。ECU8はステップS17において、ステップS12における学習噴射の実噴射量Qrと指令噴射量Qcとの差分ΔQを算出する。ここで、次式(2)で示すように、差分ΔQは、実噴射量Qrから指令噴射量Qcを減じたものである。すなわち、差分ΔQは負の値となることがある。
ΔQ=Qr−Qc ・・・・・・・・・・・・・(2)
ECU8は、ステップS17の処理を終えるとリターンとなる。ところで、ECU8はステップS11でNOと判断する場合、すなわち、学習実施条件を満たさないと判断する場合、リターンとなる。
このように、ECU8は、実噴射量Qrと指令噴射量Qcとの差分ΔQを算出する。次に、このようにして算出した差分ΔQに基づいて、燃料噴射弁2の噴孔2aの状態を推定し、目標噴射圧を算出するECU8の制御処理について説明する。図9は、ECU8による目標噴射圧を算出する処理の一例を示したフローチャートである。
ECU8は、ステップS21において、噴射量の差分算出処理を実行する。この処理は、図8のフローチャートで示した処理である。この処理により、燃料噴射弁2における実噴射量Qrと指令噴射量Qcとの差分ΔQが算出される。
ECU8はステップS22において、差分ΔQと判定値Bとを比較し、差分ΔQが判定値B以下であるか否かを判断する。ここで、判定値Bは、減少する噴射量の許容される閾値であって、予め設定される値である。なお、ここで判定値Bは負の値である。ECU8はステップS22において、YESと判断する場合、すなわち、差分ΔQが判定値B以下であると判断する場合、ステップS23、ステップS24へ進む。
ECU8は、ステップS23で噴孔2aの開口面積が縮小していると判定する。ECU8は、ステップS24で燃料噴射弁2の開弁に要する通電時間を基準値に固定する。ステップS23、ステップS24の処理は、実施例1におけるECU8の制御処理におけるステップS4、ステップS5のそれぞれに相当する。ここでは、その詳細な説明を省略する。ECU8は、ステップ23、ステップS24の処理を終えると、ステップS25へ進む。
ECU8はステップS25において、予め実験等から得られた噴射圧補正マップに基づいて、目標噴射圧を算出する。図10は、噴射圧補正マップを示した説明図である。図10は、縦軸に噴射圧変化量ΔP、横軸に差分ΔQを示している。ここでは、ステップS21において取得した差分ΔQを噴射圧補正マップに照合し、噴射圧変化量ΔPを算出する。さらに、ECU8は、ここで得られた噴射圧変化量ΔPを現在の噴射圧に加算し、目標噴射圧を算出する。例えば、ステップS21において算出された差分ΔQがΔQbであるとすると、図10の噴射圧補正マップに基づき、噴射圧変化量ΔPはΔPbと算出される。ECU8はステップS25の処理を終えると、ステップS26へ進む。
ECU8はステップS26において、暗騒音が閾値を超えるか否かを判断する。ここでの処理は、実施例1におけるECU8の制御処理におけるステップS7に相当する。ここでの処理内容も同様であるため、その詳細な説明を省略する。ECU8はステップS26において、YESと判断する場合、すなわち、暗騒音が大きい状態であると判断すると、ステップS27へ進む。ECU8はステップS27において、設定された目標噴射圧で燃料の噴射を実行する。ECU8はステップS27の処理を終えるとリターンとなる。一方、ECU8はステップS26において、NOと判断する場合、すなわち、暗騒音が大きい状態でないと判断すると、ステップS23へ戻る。
ところで、ECU8はステップS22において、NOと判断する場合、すなわち、差分ΔQが判定値Bよりも大きいと判断する場合、ステップS28へ進む。ECU8はステップS28において、差分ΔQと判定値Cとを比較し、差分ΔQが判定値C以上であるか否かを判断する。ここで、判定値Cは、実噴射量Qrが指令噴射量Qcを超える場合でも、燃焼が正常に行われる閾値であって、予め設定された値である。ECU8はステップS28において、YESと判断する場合、すなわち、差分ΔQが判定値C以上であると判断する場合、ステップS29へ進む。
ECU8はステップS29において、噴孔2aの開口面積が拡大していると判定する。噴孔2a付近に付着していたデポジットが何らかの原因により剥離することがある。デポジットが剥離すると噴孔2aの開口面積が拡大する。差分ΔQが判定値C以上であると判断すると、噴孔2aの開口面積が拡大したと判定する。
次に、ECU8はステップS30において、燃料噴射弁2の開弁に要する通電時間を初期値に固定する。すなわち、通電時間の延長、短縮は行わない。ECU8はステップS30の処理を終えると、ステップS31へ進む。
ECU8はステップS31において、図10の噴射圧補正マップに基づいて、目標噴射圧を算出する。ここでは、ステップS21において取得した差分ΔQを噴射圧補正マップに照合し、噴射圧変化量ΔPを算出する。さらに、ECU8は、ここで得られた噴射圧変化量ΔPを現在の噴射圧に加算し、目標噴射圧を算出する。ステップS25における目標噴射圧の増加が行われていた状態で、噴孔2aの開口面積が拡大した場合、増加した目標噴射圧で燃料が噴射され続けると、燃料の供給が過多となる。ステップS31では、燃料の噴射圧を元に戻すような措置が取られる。ECU8はステップS31の処理を終えると、ステップS27へ進み、燃料を噴射して、リターンとなる。
ところで、ECU8は、ステップS28において、NOと判断する場合、すなわち、差分ΔQが判定値Cよりも大きいと判断する場合、ステップS27へ進み、燃料を噴射してリターンとなる。ステップS28でNOと判断する場合、燃料噴射弁2の噴孔2aは噴孔面積に対して適度な噴射量となるように噴射が行われているため、そのままの状態が維持される。
本実施例は実施例1の燃料噴射装置1の効果に加えて、噴孔2aの開口面積が拡大した際、燃料の噴射圧を低下させることにより、運転状態に適した燃料を噴射することができる。これにより、過度の燃料の噴射を抑制することができる。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
本発明の燃料噴射装置を組み込んだディーゼルエンジンの概略構成を示した説明図である。 燃料噴射弁の噴射量と燃料噴射弁への通電時間との関係を示した説明図である。 ECUの行う噴孔面積の縮小の判定及び目標噴射圧の算出に関する処理の一例を示したフローチャートである。 噴孔面積縮小判定マップの一例を示した説明図である。 噴孔の開口面積が縮小する以前の噴射量と噴孔の開口面積が縮小した以降の噴射量とを比較した説明図である。 実施例1の噴射圧補正マップを示した説明図である。 噴孔の開口面積が縮小した場合において、燃料の噴射圧が初期の状態の噴射量と、燃料の噴射圧を上昇した状態の噴射量とを比較した説明図である。 燃料噴射弁からの燃料の実噴射量と指令噴射量との差分を算出するECUの処理の一例を示したフローチャートである。 ECUによる目標噴射圧を算出する処理の一例を示したフローチャートである。 実施例2の噴射圧補正マップを示した説明図である。
符号の説明
1 燃料噴射装置
2 燃料噴射弁
2a 噴孔
5 コモンレール
8 ECU
9 駆動ユニット
10 エンジン
11 車速センサ
12 NEセンサ

Claims (3)

  1. 燃料が噴射される噴孔が形成された燃料噴射弁と、
    当該燃料噴射弁へ供給する燃料を高圧の状態で維持する燃料蓄圧手段と、
    車両の累積走行距離に応じた噴射量劣化学習値に基づいて、前記噴孔の開口面積が縮小したことを判定する第1の判定手段と、
    当該第1の判定手段が前記噴孔の開口面積が縮小したことを判定した場合、前記燃料蓄圧手段における燃料の圧力を上昇させる第1の制御手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 請求項1記載の燃料噴射装置において、
    前記燃料噴射弁から噴射された燃料の燃焼音についての暗騒音の音量を取得する暗騒音取得手段を備え、
    前記第1の判定手段が、前記暗騒音取得手段により取得された暗騒音の音量が閾値を超えると判断するとともに、前記噴孔の開口面積が縮小したことを判定した場合、前記第1の制御手段は燃料の圧力を上昇させることを特徴とする燃料噴射装置。
  3. 記噴孔の開口面積が拡大したことを判定する第2の判定手段と、
    当該第2の判定手段が前記噴孔の開口面積が拡大したことを判定した場合、前記燃料蓄圧手段の燃料の圧力を低下させる第2の制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2記載の燃料噴射装置。
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