JP4892430B2 - 駆動力伝達装置、駆動力伝達装置の組立方法、及び治具 - Google Patents

駆動力伝達装置、駆動力伝達装置の組立方法、及び治具 Download PDF

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Description

本発明は、トランスファやリヤ・デファレンシャル装置等に供される駆動力伝達装置、駆動力伝達装置の組立方法、及び治具に関する。
従来の駆動力伝達装置としては、特許文献1の図6に記載のような、ドライブ・ピニオン・シャフトのドライブ・ピニオン・ギヤとリヤ・デファレンシャル装置のリング・ギヤとの間で駆動力伝達を行うものがある。
この駆動力伝達装置では、ドライブ・ピニオン・シャフト及びリヤ・デファレンシャル装置のデフ・ケースが軸受によってキャリヤ・ケースに回転支持されている。デフ・ケースを支持する軸受とキャリヤ・ケースとの軸方向間にはシムが組み込まれ、デフ・ケースの回転支持に対して軸方向の予圧が付与されている。
キャリヤ・ケースは、リヤ・デファレンシャル装置の回転軸の側部側にカバーを備え、リヤ・デファレンシャル装置等を回転軸心に沿った方向からキャリヤ・ケースに組み付けることができる。
かかる組み付けにおいては、シムをリヤ・デファレンシャル装置の回転軸心に沿った方向から組み込むことができる。
しかし、キャリヤ・ケースがリヤ・デファレンシャル装置の回転軸の側部側にカバーを備えず、リヤ・デファレンシャル装置の回転軸心に沿った結合面でキャリヤ・ケース本体及びキャリヤ・ケース・カバーに分割された場合には、シム及びシール部材の組み込みに難点がある。
さらに説明すると、特許文献1のような構造において、キャリヤ・ケースがリヤ・デファレンシャル装置の回転軸の側部側にカバーを備えず、リヤ・デファレンシャル装置の回転軸心に沿った結合面でキャリヤ・ケース本体及びキャリヤ・ケース・カバーに分割された場合、組み込みは次のように行われる。
まず、キャリヤ・ケース本体に、リヤ・デファレンシャル装置を軸心の平行移動により軸受けを介して組み込む。その後、軸受取付穴部の分割部分に対しシムを内径側から打ち込み、与圧を付与する。次いで、キャリヤ・ケース・カバーを、キャリヤ・ケース本体に結合面での突き当てにより結合させる。
しかし、シムの打ち込み作業に熟練を要すると共に、打ち込み時にシムによってキャリヤ・ケース本体等を傷つける恐れもある。
特開2007−71306公報
解決しようとする問題点は、与圧付与部材の打ち込み作業に熟練を要すると共に、打ち込み時に与圧付与部材によってキャリヤ・ケース本体等を傷つける恐れがある点である。
本発明は、与圧付与部材の打ち込み作業を不要にするため、端部開口に連続する内周面の奥側に軸受取付穴部を形成したケースと、前記軸受取付穴部に軸受取付軸部が軸受を介して回転自在に支持される回転体と、前記軸受取付穴部と前記軸受との軸方向間に介設され軸方向の与圧を付与する与圧付与部材とを備えた駆動力伝達装置であって、前記ケースが、前記軸受取付穴部の軸心を含む面に沿った結合面により突き当て結合される第1、第2の分割ケース部分の組み合わせでなり、前記与圧付与部材の内周径を、前記ケースの端部開口に連続する内周面よりも小さく設定し、前記ケースの端部開口に連続する内周面の形状を、前記与圧付与部材に当接しつつ前記端部開口からケース外に渡る治具の周回形状の部分を内包可能であり且つ前記治具の周回形状の部分を端部開口から外部へ軸方向に引き抜き可能に形成し、前記回転体は、デファレンシャル装置の後輪出力側に結合された回転軸であることを駆動力伝達装置の特徴とする。
また、端部開口に連続する内周面の奥側に軸受取付穴部を形成したケースと、前記軸受取付穴部に軸受取付軸部が軸受を介して回転自在に支持される回転体と、前記軸受取付穴部と前記軸受との軸方向間に介設され軸方向の与圧を付与する与圧付与部材とを備え、前記ケースが、前記軸受取付穴部の軸心を含む面に沿った結合面により突き当て結合される第1、第2の分割ケース部分の組み合わせでなり、前記与圧付与部材の内周径を、前記ケースの端部開口に連続する内周面よりも小さく設定し、前記ケースの端部開口に連続する内周面の形状を、前記与圧付与部材に当接しつつ前記端部開口からケース外に渡る治具の周回形状の部分を内包可能であり且つ前記治具の周回形状の部分を端部開口から外部へ軸方向に引き抜き可能に形成した駆動力伝達装置を組み立てる駆動力伝達装置の組立方法であって、前記回転体を前記ケースに組み付ける前に前記軸受取付軸部に前記軸受を取り付け、前記軸受に対し前記与圧付与部材を組み付け位置に配置すると共に該与圧付与部材に前記治具の周回形状の部分を当接させて軸方向に挟持させることにより仮の与圧付与状態とし、前記回転体を前記軸受と与圧付与部材と治具と共に、前記第1、第2の分割ケース部分の一方に対し前記軸受が前記軸受取付穴部の分割部分に取り付けられるように組み付け、その後前記第1、第2の分割ケース部分の他方を前記第1、第2の分割ケース部分の一方に前記結合面により結合して前記治具の周回形状の部分を前記ケースの端部開口に連続する内周面に内包させ、その後前記治具の挟持を解除して前記ケースの端部開口から治具の周回形状の部分を軸方向に引き抜くことを駆動力伝達装置の組立方法の特徴とする。
さらに、前記周回形状の先端側部を備えた当接可動部と、前記当接可動部を軸方向に締め上げて挟持移動させる部材とを備えたことを治具の最も主要な特徴とする。
本発明によれば、端部開口に連続する内周面の奥側に軸受取付穴部を形成したケースと、前記軸受取付穴部に軸受取付軸部が軸受を介して回転自在に支持される回転体と、前記軸受取付穴部と前記軸受との軸方向間に介設され軸方向の与圧を付与する与圧付与部材とを備えた駆動力伝達装置であって、前記ケースが、前記軸受取付穴部の軸心を含む面に沿った結合面により突き当て結合される第1、第2の分割ケース部分の組み合わせでなり、前記与圧付与部材の内周径を、前記ケースの端部開口に連続する内周面よりも小さく設定し、前記ケースの端部開口に連続する内周面の形状を、前記与圧付与部材に当接しつつ前記端部開口からケース外に渡る治具の周回形状の部分を内包可能であり且つ前記治具の周回形状の部分を端部開口から外部へ軸方向に引き抜き可能に形成し、前記回転体は、デファレンシャル装置の後輪出力側に結合された回転軸である。
このため、前記回転体を前記ケースに組み付ける前に前記軸受取付軸部に前記軸受を取り付け、前記軸受に対し前記与圧付与部材を組み付け位置に配置すると共に該与圧付与部材に前記治具の周回形状の部分を当接させて軸方向に挟持させることにより仮の与圧付与状態とすることができる。そして、前記回転体を前記軸受と与圧付与部材と治具と共に、前記第1、第2の分割ケース部分の一方に対し前記軸受が前記軸受取付穴部の分割部分に取り付けられるように組み付け、その後前記第1、第2の分割ケース部分の他方を前記第1、第2の分割ケース部分の一方に前記結合面により結合して前記治具の周回形状の部分を前記ケースの端部開口に連続する内周面に内包させ、その後前記治具の挟持を解除して前記ケースの端部開口から治具の周回形状の部分を軸方向に引き抜くことができる。
従って、ケースが回転体の軸方向側部側にカバーを備えない場合でも、与圧付与部材の打ち込みを必要とせずに組み込むことができ、与圧付与部材によってキャリヤ・ケース本体等を傷つけることがない。
また、駆動力伝達装置の組立方法によれば、端部開口に連続する内周面の奥側に軸受取付穴部を形成したケースと、前記軸受取付穴部に軸受取付軸部が軸受を介して回転自在に支持される回転体と、前記軸受取付穴部と前記軸受との軸方向間に介設され軸方向の与圧を付与する与圧付与部材とを備え、前記ケースが、前記軸受取付穴部の軸心を含む面に沿った結合面により突き当て結合される第1、第2の分割ケース部分の組み合わせでなり、前記与圧付与部材の内周径を、前記ケースの端部開口に連続する内周面よりも小さく設定し、前記ケースの端部開口に連続する内周面の形状を、前記与圧付与部材に当接しつつ前記端部開口からケース外に渡る治具の周回形状の部分を内包可能であり且つ前記治具の周回形状の部分を端部開口から外部へ軸方向に引き抜き可能に形成した駆動力伝達装置を組み立てる駆動力伝達装置の組立方法であって、前記回転体を前記ケースに組み付ける前に前記軸受取付軸部に前記軸受を取り付け、前記軸受に対し前記与圧付与部材を組み付け位置に配置すると共に該与圧付与部材に前記治具の周回形状の部分を当接させて軸方向に挟持させることにより仮の与圧付与状態とし、前記回転体を前記軸受と与圧付与部材と治具と共に、前記第1、第2の分割ケース部分の一方に対し前記軸受が前記軸受取付穴部の分割部分に取り付けられるように組み付け、その後前記第1、第2の分割ケース部分の他方を前記第1、第2の分割ケース部分の一方に前記結合面により結合して前記治具の周回形状の部分を前記ケースの端部開口に連続する内周面に内包させ、その後前記治具の挟持を解除して前記ケースの端部開口から治具の周回形状の部分を軸方向に引き抜くことで、与圧付与部材の組付けを行わせることができる。
さらに、前記周回形状の先端側部を備えた当接可動部と、前記当接可動部を軸方向に挟持移動させる部材とを備えた治具により、与圧付与部材の組付を行わせることができる。
与圧付与部材の打ち込み作業を不要にするという目的を、周回形状の部分により与圧付与部材を挟持させる治具の使用を可能とする構造により実現した。
[四輪駆動車の全体構成]
図1は4輪駆動車のスケルトン平面図である。
図1のように、本実施例の駆動力伝達装置であるトランスファ1は、前輪側の中間軸3の外周に配置され、フロント・デファレンシャル装置5の後輪出力側に連動結合されている。ケースとしてトランスファ1の分配ケース9は、トランスミッション11側のベル・ハウジング13に取り付けられている。
ベル・ハウジング13内には、フロント・デファレンシャル装置5が支持されている。フロント・デファレンシャル装置5は、エンジン15からトランスミッション11を介して駆動入力を受ける。この駆動入力は、リング・ギヤ17を介しデフ・ケース19に対して行われる。
フロント・デファレンシャル装置5の出力部である左右のサイド・ギヤには、中間軸21,3がそれぞれ結合されている。この各中間軸21,3が車軸である左右の前輪車軸23,25に結合され、フロント・デファレンシャル装置5と前輪車軸23,25との間を接続する。前輪車軸23,25は、左右の前輪29,31に連動連結されている。
従って、各中間軸21,3によりフロント・デファレンシャル装置5の駆動力出力を前輪車軸23,25を介して左右の前輪29,31へ伝達する。
トランスファ1は、フロント・デファレンシャル装置5への駆動入力を後輪側へ分配するものである。トランスファ1の分配ケース9には前記中間軸3が貫通配置されている。
分配ケース9内には、入力軸(回転体)としての連結中空軸33が設けられている。連結中空軸33は、中間軸3の外周に遊嵌している。連結中空軸33の一端部は、フロント・デファレンシャル装置5のデフ・ケース19に連動連結されている。この連結中空軸33には、リング・ギヤ35が取り付けられ、リング・ギヤ35は出力軸としての後輪側出力軸37のピニオン・ギヤ39に噛み合っている。リング・ギヤ35及びピニオン・ギヤ39は、ベベル・ギヤで形成されている。リング・ギヤ35及びピニオン・ギヤ39は、直交噛み合いし直交ギヤ組41を構成している。
後輪側出力軸37には、ユニバーサル・ジョイント43を介してプロペラ・シャフト45が結合されている。プロペラ・シャフト45には、ユニバーサル・ジョイント47、4WD用のオン・デマンドのトルク伝達カップリング48を介してドライブ・ピニオン・シャフト49が結合されている。ドライブ・ピニオン・シャフト49のドライブ・ピニオン・ギヤ51は、リヤ・デファレンシャル装置53のリング・ギヤ55に噛み合っている。
リヤ・デファレンシャル装置53は、ケースとしてのキャリヤ・ケース57に支持されている。リヤ・デファレンシャル装置53には、左右の後輪車軸59,61を介して左右の後輪63,65が連動連結されている。
従って、エンジン15からトランスミッション11を介してフロント・デファレンシャル装置5のリング・ギヤ17にトルクが入力されると、一方では中間軸21,3及び前輪車軸23,25を介して左右の前輪29,31へトルク伝達が行われる。他方では、デフ・ケース19、連結中空軸33、リング・ギヤ35、ピニオン・ギヤ39を介して後輪側出力軸37へトルク伝達が行われる。
後輪側出力軸37からは、ユニバーサル・ジョイント43、プロペラ・シャフト45、ユニバーサル・ジョイント47、トルク伝達カップリング48、ドライブ・ピニオン・シャフト49、ドライブ・ピニオン・ギヤ51を介して、リヤ・デファレンシャル装置53のリング・ギヤ55にトルク伝達が行われる。リヤ・デファレンシャル装置53からは、左右の後輪車軸59,61を介して左右の後輪63,65へトルク伝達が行われる。
このトルク伝達による、前後輪29,31,63,65によって、4輪駆動状態で走行することができる。
[トランスファ]
図2はトランスファの平断面図である。
図2のトランスファ1は、前記のようにフロント・デファレンシャル装置5の後輪出力側に設けられ、フロント・デファレンシャル装置5(図1)への駆動入力を後輪63,65(図1)側へ分配するものである。このトランスファ1は、ケースとしての分配ケース9に入出力軸として交差配置され駆動力伝達を行う連結中空軸33及び後輪側出力軸37が回転支持されている。
図3は、図1のIII矢視方向の概略図である。
図2,図3のように、前記分配ケース9は、前記リング・ギヤ35の回転軸心に沿った結合面67により第1の分割ケース部分であるケース本体69及び第2の分割ケース部分であるケース・カバー71に分割形成され、且つ結合面67を合わせてケース本体69及びケース・カバー71をボルト73により結合している。本実施例では、結合面67の上部側がピニオン・ギヤ39(後輪側出力軸37)の先端側に向かって後傾するように鉛直方向に対し傾斜して形成されている。
かかる構成によりケースとしての分配ケース9が、入出力軸の一方である連結中空軸33を回転体としてその軸心(後述の軸受取付穴部の軸心)を含む面に沿った結合面67により突き当て結合可能である第1、第2の分割ケース部分としてケース本体69及びケース・カバー71を備えた構成となっている。
分配ケース9のケース本体69及びケース・カバー71は、前記のようにボルト73により結合されるが、リング・ギヤ35や連結中空軸33との干渉を避けるように軸心75の両側に複数のボルト73を配置して十分な結合力を持たせている。ボルト73の軸心は、リング・ギヤ35の軸心と交差する方向でケース本体69に向けて配置されている。これにより、ボルト73の頭部がケース・カバー71の筒状部から外径側に向けて突出することが抑制され、他部材(エンジンなど)とのスペースの取り合いを抑制することができる。すなわち、ボルト73の頭部は、ケース・カバー71の外郭内側寄りに配置され、外郭外への突出が抑制されている。
リング・ギヤ35の回転軸心に沿った方向でケース本体69の端部側には、フランジ部77が設けられ、ボルト挿通部79,81,83,85が設けられている。
分配ケース9は、ケース本体69のボルト挿通部79,81,83,85等に挿通したボルトによりトランスミッション側の前記ベル・ハウジング13の壁面に突き合わせて取り付けられている。ケース・カバー71は、ベル・ハウジング13の壁面に対して隙間を有し、ベル・ハウジング13に対する分配ケース9の取り付けを確実に行わせることができる。
また、フランジ部77におけるボルト挿通部79,85は、リング・ギヤ35の軸心75を含む結合面67からケース・カバー71側へ張り出して位置しているので分配ケース9の取付後の振動を抑制することができる。
このケース本体69には、ボルト87によって第3の分割ケース部分89が結合されている。第3の分割ケース部分89には、オイル通路用の貫通孔90が形成されると共に、オーリング92が支持され、このオーリング92は、ケース本体69に密接している。
分配ケース9のケース本体69及びケース・カバー71には、リング・ギヤ35の支持部として軸受取付穴部91,93が設けられている。軸受取付穴部91,93の軸方向外端部は、段付き状に形成されている。
ケース本体69及びケース・カバー71には、リング・ギヤ35の収容部95が設けられている。分配ケース9には、シール支持穴部97,99,101が設けられている。
シール支持穴部97,101は、端部開口102,104に連続する内周面に形成され、シール支持穴部99は、シール支持穴部101よりも僅かに小径に形成され、両穴部99,101が連続的に形成されている。
従って、端部開口102,104に連続する内周面であるシール支持穴部97,101(99)の奥側に軸受取付穴部91,93を形成した構成となっている。
ケース本体69は、重力方向最下方に位置する部分103を備え、動力伝達装置1内部に密閉されるオイルのオイル溜まりの主要部を構成している。また、ケース本体69は、開口105を備えている。開口105には、フィラー・プラグ107が取り付けられ、内部へオイルを封入するために開閉可能となっている。
ケース本体69側に開口105を設け、フィラー・プラグ107や図示外のドレン・プラグなどの付属部品を組み付けるようにしたことにより、ケース・カバー71を主に強度を考慮したシンプルな形状にすることができ、ケース・カバー71と他の部材(エンジンなど)とのスペースの取り合いを抑制し、設計的な自由度をさらに向上できる。
分配ケース9のケース本体69内には、前記のようにフロント・デファレンシャル装置5のデフ・ケース19のボス部にスプライン部109にて連結する連結中空軸33が延設されている。
連結中空軸33の一端側外周には、結合用のスプライン部109が設けられ、且つ軸受取付穴部91の内周側に対向する軸受取付軸部111が設けられている。軸受取付軸部111よりも外端側には、シール支持穴部97に同心状に内外対向配置されるシール支持軸部122が設けられている。
連結中空軸33の他端側には、軸受取付穴部93の内周側に対向する軸受取付軸部113が設けられている。軸受取付軸部113よりも外端側には、シール支持穴部99に同心状に内外対向配置されたシール支持軸部114が設けられている。
連結中空軸33の中間部には、フランジ部115が設けられている。フランジ部115に、前記リング・ギヤ35がボルト117により締結固定されている。
連結中空軸33は、軸受であるテーパー・ローラー・ベアリング119,121によりケース本体69及びケース・カバー71の軸受取付穴部91,93に回転自在に支持されている。
図4,図5は、テーパー・ローラー・ベアリング及びシムの関係を治具の一部と共に示す要部拡大断面図である。
図2〜図5のように、テーパー・ローラー・ベアリング119,121のアウター・レース119a,121aとケース本体69及びケース・カバー71の軸受取付穴部91,93の軸方向端面との軸方向間に、軸方向の与圧を付与する与圧付与部材としてシム123a,123b,125a,125bが介設されている。テーパー・ローラー・ベアリング121のアウター・レース121aとシム125bとの間には、さらにワッシャ126が介設されている。
シム123aの内周径は、シール支持穴部97の内周面の内径よりも小さく設定され、シール支持穴部97の内周面よりも内径側に突出している。
シム125a,125bの内周径は、シール支持穴部99の内周面の内径よりも小さく設定され、シール支持穴部99の内周面よりも内径側に突出している。
従って、前記分配ケース9の端部開口102,104に連続する内周面であるシール支持穴部97及びシール支持穴部99,101の形状を、前記シム123a,125aに当接しつつ前記端部開口102,104から分配ケース9外に渡る後述する治具の周回形状の部分を内包可能であり且つ治具の周回形状の部分を端部開口102,104から後述のように外部へ軸方向に引き抜き可能に形成した構成となっている。
前記シール支持穴部97,99及びシール支持軸部122,114間には、シール部材127,129が介設されシール支持穴97,99の内周面にシール部材127,129の外周面が嵌合している。
前記連結中空軸33の軸心部を貫通する前記中間軸3とシール支持軸部114との間には、シール部材131が介設されている。中間軸3とシール支持穴部101との間には、図示しないシール部材やダスト・カバーが介設される。
後輪側出力軸37は、テーパー・ローラー・ベアリング133,135により分配ケース9の第3のケース部分89に支持され、ピニオン・ギヤ39は、前記第3のケース部分89に支持された構成となっている。
後輪側出力軸37には、結合フランジ部材137がナット139によって締結されている。結合フランジ部材137の先端部と分配ケース9の第3のケース部分89との間には、シール部材141が設けられている。
従って、シール部材92,127,129,141によって分配ケース9内を区画してオイル完結構造とすることができ、収容空間142内に潤滑オイルが封入されている。
シール部材141の外側には、結合フランジ部材137に支持されたダスト・カバー143が配置されている。
[治具及びトランスファの組立て]
図6は、トランスファ1の組立方法を、治具と共に示し、(a)は、連結中空軸にテーパー・ローラー・ベアリング及びシムを配置した断面図、(b)は、治具によりシムに仮の与圧を付与する状態を示す断面図、(c)は、連結中空軸をテーパー・ローラー・ベアリングとシムと治具と共に、分配ケース9に組み付けた状態の断面図である。
治具145は、図6(b)のように一対の当接可動部147,149とこれらの当接部材を挟持させるべく軸方向力を発生させる部材の一例である雌雄螺合部材としてねじ軸151及びナット153,155とを備えている。
当接可動部147,149は、周回状壁部157,159と外内筒部161,163、165,167とからなっている。
周回状壁部157,159と外筒部161,165とは、一体的に結合され、外筒部161,165は周回形状の先端側部161a,165aを備え、各先端部161a,165aに、当接部169,171が、段付き状に形成されている。当接部169がシム123aに対向する面169a、当接部171がシム125a,125bに対向する面171aは、アール状に形成されている。
周回状壁部157,159と内筒部163,167とは、一体に形成され、ねじ軸151に移動可能に嵌合している。内筒部163,167には、嵌合ヘッド173,175が形成され、連結中空軸33の軸穴177,179に嵌合ガイドされる構成となっている。
ナット153,155と周回状壁部157,159との間には、ワッシャ181,183が介設されている。
トランスファ1の組立に際し、連結中空軸33を分配ケース9に組み付ける前に、図6(a)のように前記軸受取付軸部111,113に前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121を取り付け、このテーパー・ローラー・ベアリング119,121に対しシム123a、123bとシム125a,125b及びワッシャ126とを組み付け位置に配置する。
次に、前記のようにテーパー・ローラー・ベアリング119,121及びシム123a,123b、125a,125bを配置した連結中空軸33に対し、図6(b)のように、治具145を装着する。
治具145のねじ軸151は、連結中空軸33の軸心に通され、ねじ軸151の各端部から当接可動部147,149を挿入嵌合させ、外筒部161,165の当接部169,171を、シム123a,125aに突き当てる。
この時、シム123a,125aの内周側は、当接部169,171により支持される。この状態で、内筒部163,167の嵌合ヘッド173,175が、連結中空軸33の軸穴177,179に嵌合し、連結中空軸33に対する当接可動部147,149のふらつきが規制される。
次いで、ねじ軸151の各端部からワッシャ181,183を介してナット153,155を螺合させ、当接可動部147,149を軸方向に締め上げる。
この軸方向への締め上げによりシム123a,123b、125a,125bを介し、テーパー・ローラー・ベアリング119,121を仮の与圧付与状態とする。
次に、前記連結中空軸33を前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121とシム123a,123b、125a,125bと治具145と共に、第1、第2の分割ケース部分の一方であるケース本体69に対し、前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121が前記軸受取付穴部91,93の分割部分に取り付けられるように組み付ける(図6(c)参照)。
このとき、後輪側出力軸37をテーパー・ローラー・ベアリング133,135を介して取り付けた第3の分割ケース部分89も組み付けられる。
その後、第1、第2の分割ケース部分の他方であるケース・カバー71をケース本体69に前記結合面67により結合する。この結合は、ボルト73の締め込みにより締結する。
このとき、前記治具145の周回形状の部分である外筒部161,165が、前記分配ケース9の端部開口102,104に連続する内周面であるシール支持穴部97、99,101に内包される状態となり、ケース本体69に対するケース・カバー71の取り付けを可能としている。
その後、ナット153,155の少なくとも一方の螺合を外して治具145の締め上げを解除する。この解除によりねじ軸151を連結中空軸33から引き抜くと共に、分配ケース9の端部開口102,104から治具145の周回形状の部分を軸方向に引き抜く。
その後、シール支持穴部97,99及びシール支持軸部122,114間に、シール部材127,129を介設する。
その後、開口105から潤滑オイルを注入し、フィラー・プラグ107を装着して潤滑オイルを封入したオイル完結構造にすることができる。
[シール支持軸部]
図7は、シール支持軸部を示し、(a)は、実施例1に係るシール支持軸部を示す要部断面図、(b)は、比較例に係るシール支持軸部を示す要部断面図である。
図7(a)は、シール支持軸部114を連結中空軸33に対して一体に形成する構造としたものである。図7(b)は、シール支持軸部114aを、結中空軸33に対して圧入等により一体に形成する構造としたものである。
図7(b)の構造では、次のような組み付け手順となる。
図2のシール支持軸部114を図7(b)のシール支持軸部114aに代えて説明すると、まず、ケース・カバー71を外した分配ケース9のケース本体69に対し、後輪側出力軸37をテーパー・ローラー・ベアリング133,135を介して取り付けた第3の分割ケース部分89を組み付け、連結中空軸33をテーパー・ローラー・ベアリング119,121を介して組み付ける。
このとき、テーパー・ローラー・ベアリング119側のシム123a,123bは、軸受取付穴部91のケース本体69側の分割部分に予め組み込んでおく。
その後、他方のテーパー・ローラー・ベアリング121側のシム125a,125bを、軸受取付穴部93の分割部分の内径側から打ち込む。
この打ち込みは、ワッシャ126及びシム125aを先に配置してからシム125bについて行うものであり、ワッシャ126及びシム125a間にシム125bを打ち込む。
このようなシム125a,125bの組み付けにより、分配ケース9が軽量なアルミ合金等により形成されていても、シム125bの打ち込みによるケース本体69の傷付きを防ぐことができる。
その後、シール支持軸部114aを連結中空軸33へ圧入し、一体的に結合する。
その後、ケース・カバー71を、ケース本体69へ結合面67により突き当て、ボルト73により締結結合させる。このとき、ケース・カバー71において、軸受取付穴部91,93における分割部分の軸方向に対向する縦壁間の距離を先に組み込まれているシム123a,125aの軸方向外面間の距離よりも若干大きく設定することで、ケース・カバー71の軸受取付穴部91,93における分割部分を、ケース本体69側に組み込まれているシム123a,125aに対し無理なく組み合わせることができる。
その後、シール支持穴部97,99及びシール支持軸部122,114a間に、シール部材127,129を介設し、潤滑オイルを封入したオイル完結構造にすることができる。
従って、図7(b)の構造では、潤滑オイルを封入したオイル完結構造にするために、シール支持軸部114aを連結中空軸33に対して後付けで一体にする必要がある。
これに対し、本実施例1では、図7(a)のように、シール支持軸部114を連結中空軸33に対して一体に形成しても、前記のような組み付けによりオイル完結構造にすることができる。
[シムの変形例]
図8は、テーパー・ローラー・ベアリング及びシムの関係を示し、(a),(b)は、本発明実施例1の変形例にかかる要部拡大断面図、(c)は、比較例にかかる要部拡大断面図である。
図8は、テーパー・ローラー・ベアリング121側の構造に係り、図8(c)のように、連結中空軸33のシール支持部114aを、圧入構造とし、シムを打ち込み形式にすると、分配ケース9の傷付きを避けるために、シム125aを配置してからシム125bを打ち込むことになる。
これに対し、本願発明実施例1のようにシムを打ち込まない構造では、
図8(a)のように、シム125bを省略した構造、図8(b)のよ
うにシム125cのみとした構造にすることができる。
図8(b)の構造では、図8(a)のワッシャ126を省略する分、テーパー・ローラー・ベアリング121のアウター・レース121aをインナー・レース121bより寸法s1だけシム125c側に突出させている。
図9は、テーパー・ローラー・ベアリング及びシムの関係を示し、(a)は、本発明実施例1の変形例にかかる要部拡大断面図、(b)は、比較例にかかる要部拡大断面図である。
図9は、テーパー・ローラー・ベアリング119側の構造に係り、本願発明の実施例1である図9(b)に対し、図9(a)のようにした。すなわち、テーパー・ローラー・ベアリング119のアウター・レース119aをインナー・レース119bより寸法s2だけシム123c側に突出させ、シム125cを1枚とした。寸法s2は、前記寸法s1と同一でも良い。
[治具及びトランスファの組立ての変形例]
図10は、図6(b)に対応し、治具によりシムに仮の与圧を付与する状態を示す断面図である。
治具145Aは、一対の当接可動部147A,149Aと雌雄螺合部材としてボルト151A及びブリッジ153Aとを備えている。
当接可動部147A,149Aは、周回状壁部157A,159Aと外筒部161A,165A、内軸部163A,167Aとからなっている。
周回状壁部157A,159Aと外筒部161A,165Aとは、一体的に結合され、外筒部161A,165Aは周回形状の先端側部161aA,165aAを備え、各先端部161aA,165aAに、当接部169A,171Aが、段付き状に形成されている。当接部169A,171Aは、前記当接部169,171と同一形状に形成されている。
周回状壁部157A,159Aと内軸部163A,167Aとは、一体に形成されている。内軸部163A,167Aには、嵌合ヘッド173A,175Aが形成され、連結中空軸33の軸穴177,179に嵌合ガイドされる構成となっている。
当接可動部147Aは、周回状壁部157Aにおいてブリッジ153Aに一体に設けられ、当接可動部149Aには、周回状壁部157Aにおいてボルト151Aの先端がボール185を介して当接している。ボルト151Aは、ブリッジ153Aに螺合している。
図10の治具145Aは、ボルト151Aをブリッジ153Aに締め込むことで当接可動部147A,149A及びシム123a,123b、125a,125bを介し、テーパー・ローラー・ベアリング119,121に仮の与圧を付与することができる。
連結中空軸33を前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121とシム123a,123b、125a,125bと治具145Aと共に、ケース本体69に対し組み付けられるのは、図6と同様である。
治具145Aの取り外しは、ボルト151Aの締め込みを解除することで行わせることができる。
[実施例1の効果]
本発明実施例1では、端部開口102,104に連続するシール支持穴部97,99,101の奥側に軸受取付穴部91,93を形成した分配ケース9と、前記軸受取付穴部91,93に軸受取付軸部111,113がテーパー・ローラー・ベアリング119,121を介して回転自在に支持される連結中空軸33と、前記軸受取付穴部91,93と前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121との軸方向間に介設され軸方向の与圧を付与するシム123a,123b,125a,125bとを備えたトランスファ1であって、前記分配ケース9が、前記軸受取付穴部91,93の軸心を含む面に沿った結合面67により突き当て結合されるケース本体69及びケース・カバー69の組み合わせでなり、前記シム123a、125a,125bの内周径を、前記分配ケース9の端部開口102,104に連続するシール支持穴部97,99,101よりも小さく設定し、前記分配ケース9の端部開口102,104に連続するシール支持穴部97,99,101の形状を、前記シム123a,125aに当接しつつ前記端部開口102,104から分配ケース9外に渡る治具145(145A)の外筒部161,165(161A,165A)を内包可能であり且つ前記治具145(145A)の外筒部161,165(161A,165A)を端部開口102,104から外部へ軸方向に引き抜き可能に形成した。
このため、前記連結中空軸33を前記分配ケース9に組み付ける前に前記軸受取付軸部111,113に前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121を取り付け、前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121に対し前記シム123a,123b,125a,125bを組み付け位置に配置すると共に該シム123a,125aに前記治具145(145A)の外筒部161,165(161A,165A)を当接させて軸方向に挟持する力を発生させて締め上げることにより仮の与圧付与状態とすることができる。
そして、前記連結中空軸33を前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121とシム123a,123b,125a,125bと治具145(145A)と共に、前記ケース本体69に対し前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121が前記軸受取付穴部91,93の分割部分に取り付けられるように組み付け、その後前記ケース・カバー71を前記ケース本体69に前記結合面67により結合して前記治具145(145A)の外筒部161,165(161A,165A)を前記分配ケース9の端部開口102,104に連続するシール支持穴部97,99,101に内包させ、その後前記治具145(145A)の挟持する締め上げを解除して前記分配ケース9の端部開口102,104から治具145(145A)の外筒部161,165(161A,165A)を軸方向に引き抜くことができる。
従って、分配ケース9が連結中空軸33の軸方向側部側にカバーを備えない場合でも、シム125bの打ち込みを必要とせずに組み込むことができ、シム125bによってケース本体69等を傷つけることがない。
また、トランスファ1の組立方法によれば、前記連結中空軸33を前記分配ケース9に組み付ける前に前記軸受取付軸部111,113に前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121を取り付け、前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121に対し前記とシム123a,123b,125a,125bを組み付け位置に配置すると共に該シム123a,125aに前記治具145(145A)の外筒部161,165(161A,165A)を当接させて軸方向に挟持させる力を発生させて締め上げることにより仮の与圧付与状態とし、前記連結中空軸33を前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121とシム123a,123b,125a,125bと治具145(145A)と共に、前記ケース本体69に対し前記テーパー・ローラー・ベアリング119,121が前記軸受取付穴部91,93の分割部分に取り付けられるように組み付け、その後前記ケース・カバー71を前記ケース本体69に前記結合面67により結合して前記治具145(145A)の外筒部161,165(161A,165A)を前記分配ケース9の端部開口102,104に連続するシール支持穴部97,99,101に内包させ、その後前記治具145(145A)の挟持する締め上げを解除して前記分配ケース9の端部開口102,104から治具145(145A)の外筒部161,165(161A,165A)を軸方向に引き抜くことで、シム123a,123b,125a,125bの組付を行わせることができる。
さらに、前記外筒部161,165(161A,165A)の先端側部161a,165a(161aA,165aA)を備えた当接可動部147,149(147a,149a)と、前記当接可動部147,149(147a,149a)を軸方向に締め上げ移動させるねじ軸151及びナット153,155(ボルト151A及びブリッジ153A)とを備えた治具145(145A)により、シム123a,123b,125a,125bの組付を行わせることができる。
図11は、ファイナル・ドライブを治具と共に示す平断面図、図12は、キャリヤ・ケースの概略側面図、図13は、リヤ・デファレンシャル装置を治具と共に示し、シムに仮の与圧を付与する状態の平断面図である。なお、上記実施例と対応する構成部分は同符号にBを付して詳細な説明を省略する。
本実施例2の駆動力伝達装置は、後輪側のファイナル・ドライブ1Bとして適用したものである。
すなわち、本実施例2では、ケースとしてのキャリヤ・ケース57Bに、入力軸としてのドライブ・ピニオン・シャフト49B及び回転体である出力軸としてのリヤ・デファレンシャル装置53Bのデフ・ケース187が回転自在に支持されている。
図12のように、前記キャリヤ・ケース57Bは、リング・ギヤ55Bの回転軸心に沿った結合面67Bにより第1の分割ケース部分であるケース本体69B及び第2の分割ケース部分であるキャリヤ・カバー71Bに分割形成され、且つ結合面67Bを突き合わせてケース本体69Bにキャリヤ・カバー71Bをボルト73Bにより結合している。
本実施例では、結合面67Bの上部側が後傾するようにドライブ・ピニオン・ギヤ51B(ドライブ・ピニオン・シャフト49B)の先端側に向かって鉛直方向に対し傾斜して形成されている。
図11のように、ドライブ・ピニオン・シャフト49Bは、軸受としてのテーパー・ローラー・ベアリング188,190によってキャリヤ・ケース57Bのケース本体69Bに支持されている。ドライブ・ピニオン・シャフト49Bは一端に結合用部材189がナット191により締結され、他端にドライブ・ピニオン・ギヤ51Bが設けられている。結合用部材189とキャリヤ・ケース57Bとの間には、シール部材193が設けられている。
デフ・ケース187は、軸受としてのテーパー・ローラー・ベアリング119B,121Bによってキャリヤ・ケース57Bのケース本体69Bとキャリヤ・カバー71Bとの間に支持されている。テーパー・ローラー・ベアリング119B,121Bとキャリヤ・ケース57Bとの間には、1枚のシム195,197が介設されている。但し、シム195,197の枚数は、任意であり、上記実施例と同様、複数枚とすることも可能である。
デフ・ケース187のフランジ部199には、ドライブ・ピニオン・ギヤ51Bと直交噛み合いするリング・ギヤ55Bがボルト201によって取り付けられている。
デフ・ケース187内には、ピニオン・シャフト203を介してピニオン・ギヤ205が回転自在に支持されている。ピニオン・ギヤ205には、一対のサイド・ギヤ207,209が噛み合い結合すると共に、サイド・ギヤ207,209間の相対回転を許容している。サイド・ギヤ207,209には、それぞれ後輪車軸がスプライン結合する。
従って、ドライブ・ピニオン・シャフト49Bからドライブ・ピニオン・ギヤ51B、リング・ギヤ55Bを介してリヤ・デファレンシャル装置53Bのデフ・ケース187に入力された駆動力を、後輪車軸を介して左右の後輪に伝達可能となっている。
そして、本実施例2では、デフ・ケース187の両端に端部開口102B,104Bに連続する内周面211,213を有し、内周面211,213の奥側に軸受取付穴部91B,93Bを形成した構成となっている。
前記シム195,197の内周径は、前記内周面211,213の内周径よりも小さく設定されている。
組み付け用の治具145Bは、実施例1の図10の治具145Aと同一である。従って、対応する構成部分の符号のAをBに代えて付し、重複説明は省略する。
図11の治具145Bは、図13のようにボルト151Bをブリッジ153Bに挟持する力を発生させて締め込むことで当接可動部147B,149B及びシム195,197を介し、テーパー・ローラー・ベアリング119B,121Bに仮の与圧を付与することができる。
リヤ・デファレンシャル装置53B(デフ・ケース187)を前記テーパー・ローラー・ベアリング119B,121Bとシム195,197と治具145Bと共に、ケース本体69Bに対し組み付けられるのは、図6と同様である。
治具145Bの取り外しは、ボルト151Bの挟持する締め込みを解除することで行わせることができる。
従って、本実施例でも、上記実施例と同様の作用効果を奏することができる。
[その他]
与圧部材に治具の周回状の部分を当接させ、軸方向に挟持させる手段としては、油圧力などを用いることもできる。
また、治具の周回状の部分は、シムに周方向ほぼ均等な押圧力を付与できれば良く、周方向連続した環状に限らず、間欠した複数の部分に分かれる構造でも良い。
4輪駆動車のスケルトン平面図である。(実施例1) トランスファの平断面図である。(実施例1) 図1のIII矢視方向の概略図である。(実施例1)。 テーパー・ローラー・ベアリング及びシムの関係を治具の一部と共に示す要部拡大断面図である。(実施例1) テーパー・ローラー・ベアリング及びシムの関係を治具の一部と共に示す要部拡大断面図である。(実施例1) トランスファの組立方法を、治具と共に示し、(a)は、連結中空軸にテーパー・ローラー・ベアリング及びシムを配置した断面図、(b)は、治具によりシムに仮の与圧を付与する状態を示す断面図、(c)は、連結中空軸をテーパー・ローラー・ベアリングとシムと治具と共に、分配ケースに組み付けた状態の断面図である。(実施例1) シール支持軸部を示し、(a)は、実施例1に係るシール支持軸部を示す要部断面図、(b)は、比較例に係るシール支持軸部を示す要部断面図である。 テーパー・ローラー・ベアリング及びシムの関係を示し、(a),(b)は、本発明実施例1の変形例にかかる要部拡大断面図、(c)は、比較例にかかる要部拡大断面図である。 テーパー・ローラー・ベアリング及びシムの関係を示し、(a)は、本発明実施例1の変形例にかかる要部拡大断面図、(b)は、比較例にかかる要部拡大断面図である。 図6(b)に対応し、治具によりシムに仮の与圧を付与する状態を示す断面図である。(実施例1の変形例) ファイナル・ドライブを治具と共に示す平断面図である。(実施例2) キャリヤ・ケースの概略側面図である。(実施例2) リヤ・デファレンシャル装置を治具と共に示し、シムに仮の与圧を付与する状態の平断面図である。(実施例2)
符号の説明
1 トランスファ(駆動力伝達装置)
1B ファイナル・ドライブ(駆動力伝達装置)
5 フロント・デファレンシャル装置
9 分配ケース(ケース)
33 連結中空軸(回転体、入力軸、回転軸)
37 後輪側出力軸(出力軸)
49B ドライブ・ピニオン・シャフト(入力軸)
53B リヤ・デファレンシャル装置
57B キャリヤ・ケース(ケース)
67,67B 結合面
69,69B ケース本体(第1の分割ケース部分)
71 ケース・カバー(第2の分割ケース部分)
71B キャリヤ・カバー(第2の分割ケース部分)
97、99,101 シール支持穴部(内周面)
102,102B,104,104B 端部開口
111,113,111B,113B 軸受取付軸部
119,121,119B,121B テーパー・ローラー・ベアリング(軸受)
123a,123b,125a,125b,195,197 シム(与圧付与部材)
127,129 シール部材
145,145B 治具
161,165,161A,165A,161B,165B 外筒部(治具の周回形状の部分)
187 デフ・ケース(回転体、出力軸)

Claims (7)

  1. 端部開口に連続する内周面の奥側に軸受取付穴部を形成したケースと、
    前記軸受取付穴部に軸受取付軸部が軸受を介して回転自在に支持される回転体と、
    前記軸受取付穴部と前記軸受との軸方向間に介設され軸方向の与圧を付与する与圧付与部材と、
    を備えた駆動力伝達装置であって、
    前記ケースが、前記軸受取付穴部の軸心を含む面に沿った結合面により突き当て結合される第1、第2の分割ケース部分の組み合わせでなり、
    前記与圧付与部材の内周径を、前記ケースの端部開口に連続する内周面よりも小さく設定し、
    前記ケースの端部開口に連続する内周面の形状を、前記与圧付与部材に当接しつつ前記端部開口からケース外に渡る治具の周回形状の部分を内包可能であり且つ前記治具の周回形状の部分を端部開口から外部へ軸方向に引き抜き可能に形成し、
    前記回転体は、デファレンシャル装置の後輪出力側に結合された回転軸である、
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 端部開口に連続する内周面の奥側に軸受取付穴部を形成したケースと、
    前記軸受取付穴部に軸受取付軸部が軸受を介して回転自在に支持される回転体と、
    前記軸受取付穴部と前記軸受との軸方向間に介設され軸方向の与圧を付与する与圧付与部材とを備え、
    前記ケースが、前記軸受取付穴部の軸心を含む面に沿った結合面により突き当て結合される第1、第2の分割ケース部分の組み合わせでなり、
    前記与圧付与部材の内周径を、前記ケースの端部開口に連続する内周面よりも小さく設定し、
    前記ケースの端部開口に連続する内周面の形状を、前記与圧付与部材に当接しつつ前記端部開口からケース外に渡る治具の周回形状の部分を内包可能であり且つ前記治具の周回形状の部分を端部開口から外部へ軸方向に引き抜き可能に形成した駆動力伝達装置を組み立てる駆動力伝達装置の組立方法であって、
    前記回転体を前記ケースに組み付ける前に前記軸受取付軸部に前記軸受を取り付け、
    前記軸受に対し前記与圧付与部材を組み付け位置に配置すると共に該与圧付与部材に前記治具の周回形状の部分を当接させて軸方向に挟持させることにより仮の与圧付与状態とし、
    前記回転体を前記軸受と与圧付与部材と治具と共に、前記第1、第2の分割ケース部分の一方に対し前記軸受が前記軸受取付穴部の分割部分に取り付けられるように組み付け、
    その後前記第1、第2の分割ケース部分の他方を前記第1、第2の分割ケース部分の一方に前記結合面により結合して前記治具の周回形状の部分を前記ケースの端部開口に連続する内周面に内包させ、
    その後前記治具の挟持を解除して前記ケースの端部開口から治具の周回形状の部分を軸方向に引き抜く、
    ことを特徴とする駆動力伝達装置の組立方法
  3. 請求項記載の駆動力伝達装置であって、
    前記ケースの端部開口に連続する内周面に、シール支持穴部を設け、
    前記シール支持穴部の内周面に、シール部材の外周面を嵌合し、
    前記与圧付与部材の内周径を、前記シール支持穴部の内周径よりも小さく設定し、
    前記シール部材が、前記回転体と摺動する、
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
  4. 請求項1又は3記載の駆動力伝達装置であって、
    前記ケースは、交差配置されて駆動力伝達を行う入出力軸を軸受を介して回転自在に支持するものであり、
    前記ケースの第1、第2の分割ケース部分は、前記入力軸を前記回転体としてその軸心を含む面に沿った結合面により突き当て結合可能である、
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
  5. 請求項記載の駆動力伝達装置の組立方法に用いる治具であって、
    前記周回形状の先端側部を備えた当接可動部と、
    前記当接可動部を軸方向に挟持移動させる部材と、
    を備えたことを特徴とする治具
  6. 請求項2記載の駆動力伝達装置の組立方法であって、
    前記ケースの端部開口に連続する内周面に、シール支持穴部を設け、
    前記シール支持穴部の内周面に、シール部材の外周面を嵌合し、
    前記与圧付与部材の内周径を、前記シール支持穴部の内周径よりも小さく設定した、
    ことを特徴とする駆動力伝達装置の組立方法。
  7. 請求項記載の駆動力伝達装置の組立方法であって、
    前記ケースは、交差配置されて駆動力伝達を行う入出力軸を軸受を介して回転自在に支持するものであり、
    前記ケースの第1、第2の分割ケース部分は、前記入出力軸の一方を前記回転体としてその軸心を含む面に沿った結合面により突き当て結合可能である、
    ことを特徴とする駆動力伝達装置の組立方法
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