JP4892031B2 - アンテナコアおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐候性に優れたアンテナコアおよびこれらの製造方法に関する。より詳細には、自動車、二輪車、住宅用ドアに搭載されるアンテナおよびキーレスエントリーシステムに好適に使用されるアンテナコアに関する。
近年、キーレスエントリーシステム(以下、KLESと記す)や、特開平5−126666号公報(特許文献1)に開示されるタイヤ空気圧モニタリングシステム(以下、TPMSと記す)等のように、外部との情報のやりとりを行う車載システムが開発され、普及している。こうしたシステムの多くには、30〜300kHzの長波帯の電波が利用され、このような周波数領域に感度特性を有するアンテナが使用されている。
これらのアンテナの設置箇所としては、KLES用のアンテナにおいてはドアハンドル内やドアミラー内であり、TPMS用のアンテナにおいてはタイヤハウジングの近傍である。
また、自動車の居住空間を大きくするためや意匠性から、アンテナ部品については一層の小型化が要求される。一般に、アンテナ部品の小型化は、アンテナ特性とトレードオフの関係にあり、アンテナコアを小型化するとアンテナの送受信特性は低下する。従って、小型化してもシステムの性能を低下させないためにはアンテナ特性を向上させる必要がある。
こうした市場の要求に対して、特開2001−345615号公報(特許文献2)フェライトコアを樹脂製のケースに収めてポッティングを施したドアハンドル内蔵アンテナが開示されている。
特再2003−060175号公報(特許文献3)には、鉄およびコバルトを主成分とする非晶質金属薄帯を積層した後、加圧熱処理を行い作成したアンテナ用磁心を開示している。加圧熱処理することで、透磁率、鉄損などの磁気特性が向上している。
さらに非晶質金属部材を用いるアンテナとしては、特開2003−283231号公報(特許文献4)には、ゴム状部材または空気層を介して積層し、周辺部をエポキシ樹脂またはウレタンポッティング材で固定することによりアンテナ用磁心を作成し、耐衝撃性および耐曲げ性に優れることが記載されている。
さらに、特開2008−42387号公報(特許文献5)には鉄系非晶質金属薄体を積層してなるアンテナ用磁心において、その全体を有機フィルムで覆われることでアンテナ磁心を固定することが記載されている。
特開2005−33278号公報(特許文献6)には、薄膜状磁性体の積層物(芯)を熱収縮チューブに挿入した後、加熱処理することにより熱収縮チューブを収縮させてアンテナ用磁心を形成している。
特開平5−126666号公報 特開2001−345615号公報 特再2003−060175号公報 特開2003−283231号公報 特開2008−042387号公報 特開2005−033278号公報
例えば、アンテナを車載用として用いた場合、その設置場所は、風雨や塩水等に曝される車体外部に隣接し、外部環境から完全には遮断されにくい箇所である。アンテナコアをこのような車載用途に用いた場合、使用しているうちに、アンテナ特性が経時的に低下することが本発明者の検討により明らかになった。
この原因についてさらに解析を進めた結果、使用時におけるアンテナコアの吸湿または吸水でアンテナコアが酸化し、錆が生じる。その結果、磁気特性が低下し、アンテナ特性が低下することが明らかになった。
特再2003−060175号公報(特許文献3)は鉄心の側面は樹脂が被覆されておらず、金属がむき出しになっている。そのため上記に記した自動車の外装部品に使用される場合、錆が発生し、磁気特性が低下する可能性がある。
特開2003−283231号公報(特許文献4)には、ゴム状部材または空気層を介して積層しているため、積層物であるアンテナコア部は変形可能である。耐湿性、耐水性を得るためには、積層物の全面を包囲部材で覆う必要がある。
しかし、実施例で用いられているようなエポキシ樹脂またはウレタンポッティング材を積層物の全面に塗布すると、剛性及び厚みが増し、変形しにくく、薄型化が難しいという問題が生じる。また、エポキシ樹脂またはウレタンポッティング材を硬化させるために時間を要し、生産性に優れない。
かかる課題を解決する為に、本出願人は特願2007−278665号をすでに提供しているが、特願2007−278665号は磁性部材フィルムまたはチューブで封止したものである。
しかし、フィルムの封止工程が複雑であるばかりでなく、長期間使用する場合は錆発生の課題が必ずしも完全に解決されていない。さらに、特開2008−42387号公報(特許文献5)には鉄系非晶質金属薄体を積層してなるアンテナ用磁心において、その全体を有機フィルムで覆われることでアンテナ磁心を固定することが記載されているが、この方法でも耐水性、耐湿性は満足のいくものでなく長期間使用するには問題があった。
また、特開2005−33278号公報(特許文献6)には、磁心を収縮チューブに挿入した後、加熱処理によって熱収縮チューブを収縮させてアンテナ磁心を形成しているが、特許文献6の記載によれば、固定されていない薄膜磁性体の積層物をずれることなくチューブに挿入する事が困難であるという問題が生じる。
また積層物の側面は熱収縮チューブで覆われているが、端部はチューブの熱収縮のみで閉じられており完全に密封されていないため、耐水性、耐湿性は考慮されていない。
本発明のアンテナコアは、所定の磁束密度の磁性部材と、磁性部材を密封するフィルムからなるチューブと、チューブに封入されている防錆油と、を有する。
従って、本発明のアンテナコアでは、所定の磁束密度の磁性部材がフィルムからなるチューブに密封されている。ただし、そのチューブには防錆油が充填されているので、磁性部材が防錆油とチューブとにより二重に防錆される。
また、上述のようなアンテナコアにおいて、チューブが熱収縮性チューブからなってもよい。
また、上述のようなアンテナコアにおいて、チューブがポリオレフィン系のフィルムからなってもよい。
また、上述のようなアンテナコアにおいて、防錆油がJIS規格NP1〜NP10のうちNP1〜NP8からなってもよい。
また、上述のようなアンテナコアにおいて、磁性部材が積層体からなってもよい。
また、上述のようなアンテナコアにおいて、磁性部材が鉄を含む非晶質の金属薄帯とポリイミド樹脂との積層体からなってもよい。
本発明のアンテナコアの製造方法は、所定の磁束密度の磁性部材を形成する工程と、磁性部材の外面全体に防錆油を付着させる工程と、防錆油が外面全体に付着した磁性部材を少なくとも一端が開口している熱収縮性チューブに挿入する工程と、熱収縮性チューブを加熱により収縮させて磁性部材に密着させる工程と、熱収縮性チューブの端部の開口を閉止して磁性部材を密封するとともに防錆油を封入する工程と、を有する。
また、上述のようなアンテナコアの製造方法において、両端が開口した熱収縮性チューブを中央から加熱して両端まで順次収縮させてもよい。
また、上述のようなアンテナコアの製造方法において、一端が開口した熱収縮性チューブを閉塞している他端から加熱して一端まで順次収縮させてもよい。
なお、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
また、本発明の製造方法は、複数の工程を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の工程を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の製造方法を実施するときには、その複数の工程の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
さらに、本発明の製造方法は、複数の工程が個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある工程の実行中に他の工程が発生すること、ある工程の実行タイミングと他の工程の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
本発明のアンテナコアでは、所定の磁束密度の磁性部材がフィルムからなるチューブに密封されている。ただし、そのチューブには防錆油が充填されているので、磁性部材が防錆油とチューブとにより二重に防錆される。従って、高い耐候性を有するアンテナコアを実現することができる。
本発明の実施の形態のアンテナコアの外観を示す模式的な斜視図である。 アンテナコアの製造方法の第一工程として磁性部材の外観を示す模式的な斜視図である。 第二工程として磁性部材を防錆油の液槽に浸漬した状態を示す模式的な斜視図である。 第三工程として磁性部材を熱収縮チューブに挿入する状態を示す模式的な斜視図である。 第四工程として熱収縮チューブを中央から加熱する状態を示す模式的な斜視図である。 本実施の形態のアンテナコアを利用したコイルアンテナの外観を示す模式的な斜視図である。
本発明の実施の形態のアンテナコア100を図1を参照して以下に説明する。まず、本実施の形態のアンテナコア100は、図示するように、所定の磁束密度の磁性部材110と、磁性部材110を密封するフィルムからなる熱収縮性チューブ120と、熱収縮性チューブ120に封入されている防錆油130と、を有する。
熱収縮性チューブ120は、ポリオレフィン系の熱収縮性フィルムからなる。なお、同図では模式的に熱収縮性チューブ120の両端が充分な余裕をもって防錆油130を封入している状態を図示している。
しかし、熱収縮性チューブ120は上述のように熱収縮性フィルムからなるので、実際の製品では、熱収縮性チューブ120の両端も磁性部材110に略密着した状態とすることができる(図示せず)。
また、防錆油130は、JIS規格NP1〜NP10のうちNP1〜NP8からなる。磁性部材110は、鉄を含む非晶質の金属薄帯111とポリイミド樹脂112との積層体からなる。
ここで、本実施の形態のアンテナコア100の製造方法を図2ないし図5を参照して以下に説明する。まず、図2に示すように、上述のように鉄を含む非晶質の金属薄帯111とポリイミド樹脂112との積層体として、所定の磁束密度の磁性部材110を形成する。
つぎに、図3に示すように、例えば、防錆油130の液槽131に磁性部材110を浸漬することにより、磁性部材110の外面全体に防錆油130を付着させる。つぎに、図4に示すように、この防錆油130が外面全体に付着した磁性部材110を、例えば、両端が開口している熱収縮性チューブ120に一端から挿入する。
そして、図5に示すように、この熱収縮性チューブ120を加熱により収縮させて磁性部材110に密着させる。このとき、熱収縮性チューブ120を中央から加熱して両端まで順次収縮させる。
そして、最後に熱収縮性チューブ120の両端を高温に加熱して溶着により閉止することで、図1に示すように、磁性部材110を密封するとともに防錆油130を封入する。
上述のような構成において、本実施の形態のアンテナコア100では、所定の磁束密度の磁性部材110がフィルムからなる熱収縮性チューブ120に密封されている。ただし、その熱収縮性チューブ120には防錆油130が充填されているので、磁性部材110が防錆油130と熱収縮性チューブ120とにより二重に防錆される。このため、非常に高い耐候性を有するアンテナコア100を実現することができる。
しかも、熱収縮性チューブ120がポリオレフィン系の熱収縮性チューブからなるため、簡単に磁性部材110を密封することができ、防錆油130を内部に封入することができる。
さらに、防錆油130がJIS規格NP1〜NP10のうちNP1〜NP8からなるので、詳細には後述するが、例えば、自動車の部品としてアンテナコア100を使用するような場合でも、必要な耐久性を実現することができる。
また、磁性部材110は、鉄を含む非晶質の金属薄帯111とポリイミド樹脂112との積層体からなる。このため、所定の磁束密度を実現しながら柔軟な磁性部材110を簡単に実現することができる。
しかも、本実施の形態のアンテナコア100の製造方法では、防錆油130に浸漬した磁性部材110を両端が開口している熱収縮性チューブ120に挿入してから、その熱収縮性チューブ120を中央から加熱して両端まで順次収縮させる。このため、熱収縮性チューブ120の内部に気泡が残存することを良好に防止することができる。
上述のように形成されたアンテナコア100に、例えば、図6に示すように、全体に被覆導線1001を巻回することで、いわゆるコイルアンテナ1000が形成される。例えば、銅を主成分とする導線の周囲に絶縁加工を施した被覆導線1001を、アンテナコア100に巻回することにより、コイルアンテナ1000を作製することが可能である。
巻回する被覆導線1001としては、当該分野で公知の種々のものを用いることができるが、熱融着性の被覆導線1001が、巻回加工時の工数を削減することができるため、好ましい。
このようなコイルアンテナ1000は、全体が柔軟に湾曲するので、様々な用途に利用することができる。上記のコイルアンテナ1000は、車載用アンテナとして使用できる。また上記のアンテナは、例えば、車載用キーレスエントリーシステムに用いることができる。
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では磁性部材110が鉄を含む非晶質の金属薄帯111とポリイミド樹脂112との積層体からなることを例示した。
しかし、本発明の磁性部材としては、単一の板状の非晶質金属薄帯、非晶質金属薄帯の積層体、非晶質金属薄帯と樹脂との積層体、単一の珪素鋼板、珪素鋼板の積層体、または珪素鋼板と樹脂との積層体を用いることができる。単一の板状の非晶質金属薄帯には樹脂が塗布されていてもよい。
また、上記形態では両端開口の熱収縮熱収縮性チューブ120に磁性部材110を挿入し、熱収縮熱収縮性チューブ120を中央から加熱して両端まで順次収縮させることで、磁性部材110と熱収縮熱収縮性チューブ120との間隙の防錆油130に残存する気泡を防止することを例示した。
しかし、一端開口の熱収縮チューブに磁性部材を挿入し、その熱収縮チューブを閉塞している他端から加熱して開口している一端まで順次収縮させることで、防錆油に残存する気泡を防止してもよい(図示せず)。
なお、磁性部材110は、0.4T以上の最大磁束密度を有することが好ましい。磁性部材110の最大磁束密度は0.4T以上であれば特に限定されないが、1.0T以上がより好ましい。
本発明で用いる非晶質金属としては、大気中で酸化しやすいFe系の非晶質金属が挙げられるが、これらに限定されない。中でも、Fe系の非晶質金属は、最大磁束密度が大きいため、磁性材料としては好ましい。
例としては、Fe−B―Si系、Fe−B系、Fe−P−C系などのFe−半金属系非晶質金属、およびFe−Zr系、Fe−Hf系、Fe−Ti系などのFe−遷移金属系非晶質金属がある。
Fe−Si−B系非晶質金属としては、Fe78Si9B13(原子%)、Fe78Si10B12(原子%)、Fe81Si13.5B3.5C2(原子%)、Fe77Si5B16Cr2(原子%)、Fe66Co18Si1B15(原子%)、Fe74Ni4Si2B17Mo3(原子%)などが挙げられる。中でもFe78Si9B13(原子%)、Fe77Si5B16Cr2(原子%)が、好ましく用いられる。特にFe78Si9B13(原子%)を用いるのが好ましい。
ナノ結晶金属を含む非晶質金属としては、一般式(Fe1−x−yCoxNiy)100−a−b−cSiaBbMcで表される合金が挙げられ、ここで式中、MはNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、P、Al、Cu、Au、Ag、Sn、Sbから選ばれる1種類以上の元素であり、x、yは原子比を表し、0≦x≦1.0、0≦y≦0.5、0≦x+y≦1.0であり、a、b、cは原子%を表し、0≦a≦24、1≦b≦30、0≦c≦30である。
このような磁性部材に用いられる非晶質金属薄帯としては、例えば、日立金属株式会社の商品名「METGLAS」(登録商標)の型番2605TCA、2605SC、2605S3A、2605SA1、および同社製の飽和磁束密度1.64Tを有する2605HB1が挙げられる。
積層体に用いられる非晶質金属薄帯は、単一で用いても、または2種以上の異なる金属の薄帯を用いてもよい。非晶質金属薄帯は、通常、溶融した金属を急冷ロールに吹き付け、急冷して得ることができる。
非晶質金属薄帯と樹脂との積層体は、非晶質金属薄帯に樹脂を塗布し、これらを所望の厚さになるように積層し、その後加熱による一体化処理を行うことにより得られる。積層体に用いられる樹脂としては、熱可塑性耐熱樹脂、非熱可塑性耐熱樹脂、熱硬化性耐熱樹脂が挙げられる。中でも、非晶質金属薄帯の磁気特性を向上させるための熱処理温度での熱分解がなく、金属薄帯の積層接着に好適な、熱可塑性耐熱樹脂が好ましい。
このような熱可塑性耐熱樹脂としては、ポリイミド樹脂、珪素含有樹脂、ケトン樹脂、ポリアミド樹脂、液晶ポリマー、ニトリル樹脂、チオエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリレート樹脂、サルホン樹脂、アミドイミド樹脂が挙げられる。中でも、ポリイミド樹脂、サルホン樹脂、アミドイミド樹脂が好ましい。
また本発明において、上記樹脂の前駆体を非晶質金属薄帯に塗布した後、熱処理を行い、この前駆体を樹脂化することもできる。ここで、非晶質金属薄帯と樹脂との積層体の製造方法の一具体例を以下に説明する。
耐熱性樹脂は、非晶質金属薄帯の片面または両面の少なくとも一部に付与される。付与方法としては、粉末状の耐熱性樹脂を非晶質金属薄帯に静電吸着する方法、溶媒に溶解した溶液状またはペースト状の耐熱性樹脂を、コータを用いて非晶質金属薄帯に塗工する方法が用いられる。使用できるコータとしては、例えば、グラビアコータ、ロールコータ、エアドクタコータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロッドコータ、キスコータ、ビードコータ、キャストコータが挙げられる。
塗工方法としては、例えば、ロールスクリーン法、浸漬コート法、スロットオリフィスコータ法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、電着コーティング法、スパッタリング法等の物理的蒸着法、およびCVD等の気相法が挙げられる。
ついで、樹脂が塗工された複数の非晶質金属薄帯を、所望の厚さまで積層する。非晶質金属薄帯を所望のアンテナコアの形状に切断する工程は、積層する前であっても後であってもよい。
アンテナコアの所望の形状よりも大きな金属薄帯を積層した後に切断加工すると、積層物の切断された端面において、金属薄帯間の電気的な導通が増加するため鉄損が増大することがある。そのため、所望の形状よりも大きな積層物を作製した後に、所望の大きさに切断する場合は、積層物の切断面の電気的導通を遮断する処理を加えることが望ましい。
金属薄帯をアンテナコアの所望の形状に切り出した後に、所望の厚さまで積層する場合は、上記のような切断面の電気的導通は増加しにくいため、上記のような電気的導通を遮断する処理を加える必要性は低い。
金属薄帯の切断には、ダイサー切断加工、レーザー切断加工、放電ワイヤー加工、打抜き加工、シャーリング加工、スリット加工、フォトエッチング加工等の方法を用いることができる。
金属薄帯を切断した後に積層する場合、広幅の金属薄帯をスリット加工により細幅のリボンとした後にシャーリング加工または打抜き加工により所望の形状に加工する方法が、低コストであるため好ましい。
一方、積層した後に所望の形状に切断する場合、ダイサー切断加工、レーザー切断加工、放電ワイヤー加工またはエッチング加工等の方法を用いることが好ましい。エッチング加工は、非晶質金属薄帯のみの選択的エッチングと、耐熱性樹脂のみの選択的エッチングとを組み合わせることで、複雑な形状の積層体を低コストで加工することが可能であるため好ましい。
次いで、耐熱性樹脂が塗工され積層された非晶質金属薄帯は、熱プレス、熱ロール、高周波溶着等により、用いられる非晶質金属および耐熱性樹脂に適切な温度および圧力で加熱、加圧されて一体化される。
一体化処理で用いられる温度は、用いられる耐熱性樹脂のガラス転位温度以上であり、樹脂が軟化または流動化する温度近傍である。圧力は、非晶質金属薄帯と耐熱性樹脂との間の不要な空隙を消失せしめる範囲とすることが好ましい。
非晶質金属薄帯と耐熱性樹脂との間の不要な空隙が消失することで、占積率が上がり、得られる積層体の最大磁束密度が向上するので、アンテナ特性が向上する。さらに不要な空隙が消失することで、腐食性物質が積層体の内部に侵入しにくくなるため、耐腐食性が向上する。このような圧力範囲として、約1〜50MPaの範囲が用いられる。
上記の一体化処理で得られた積層体に、さらに、磁気特性を向上させるために加圧加熱処理を行ってもよい。この加圧加熱処理の条件は、用いられる非晶質金属薄帯の種類と目的とする磁気特性により異なるが、通常は、大気中または不活性ガス雰囲気下もしくは真空下で行われる。
良好な磁気特性を発現させる温度範囲は、概ね300〜500℃の範囲であり、好ましくは350〜450℃である。好ましい加圧条件は、0.001MPa以上0.2MPa以下、さらに好ましくは0.002MPa以上0.1MPa以下である。
このような条件での加圧加熱処理が積層体の磁気特性を大きく向上させるメカニズムは必ずしも明らかではないが、0.2MPa以下の低い圧力で高温に曝すことで、積層一体化処理の際に非晶質金属薄帯と耐熱性樹脂のそれぞれに蓄積された応力が緩和されることによると考えられる。特に、非晶質金属薄帯間の電気的導通が大幅に低減され、励振磁場の周波数の二乗に比例する過電流損失が大幅に低減することで、鉄損が大幅に低減されると考えられる。
本発明の磁性部材は、珪素鋼板と樹脂との積層体であってもよい。用いられる樹脂、およびこの積層体の作製方法は、上記の非晶質金属薄帯と樹脂との積層体と同様のものを使用することができる。
珪素鋼板としては、従来から公知の珪素鋼板を使用できる。例としては、珪素含有量が珪素鋼板全量の1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%、さらに好ましくは6.5重量%のものが挙げられるが、これらに限定されない。
この珪素鋼板は、一方向性珪素鋼板、無方向性珪素鋼板などのいずれであってもよいが、一方向性珪素鋼板が好ましい。珪素鋼板の板厚は、特に限定されないが、通常50〜500μm、好ましくは50〜250μm、さらに好ましくは50〜100μmのものが使用される。
この珪素鋼板は、磁性部材としての性能を向上させるために、公知の熱処理を施してもよい。磁性部材として、珪素鋼板の積層体、または珪素鋼板と樹脂との積層体が用いられる場合、この熱処理は、積層工程の前に実施しても、その後に実施しても良い。
本発明で用いられ得る、市販の珪素鋼板としては、JFEスチール株式会社製の6.5%珪素鋼板(商標:JFEスーパーコア(JNEXコア、JNHFコア))などが挙げられる。
これらは、最大磁束密度が大きく、また100kHz帯域でも磁性損失が小さく、磁歪定数も小さいため、小型、高出力、低騒音の送信用アンテナとして使用するのに好適である。
上記方法で得られた積層体をフィルムまたはチューブで封止する前に、積層体を防錆油に浸漬あるいはスプレーによって防錆油で表面及び端面に塗布する。塗布する防錆油は、JIS−Z−0303の錆び止め包装方法通則の防錆油規格の中から溶剤希釈型のNP−1、NP−2、NP−3およびペクトラム型のNP−6、潤滑油型のNP−7とNP−8、さらに用途別分類のNP−19の防錆油等が使用できる。
このような防錆油としては、たとえば出光興産株式会社製の製品名「ダフニースーパーコートNR、TW、WR」、ダフニーオイルコートNo7やパーカー興産株式会社製の製品名「ノックスラスト207A、307、311HM、R−823S、881−S、S09H、366」、ユシロ化学工業株式会社製の製品名「ノンラスターP−126、P−307、P−313、P−306、P−601、P−750、P831、P−152」、スギムラ化学工業株式会社製の製品名「プレトンR−120、R−291A、R−312P、R−317N、R−350H、R−620、R−710、R−191M」、新日本石油株式会社製の製品「アンチラストP−1300、P−1400、P−1600、P−2000、P−3600、P−2400、P−2800、P−1920」等が上げられるが、ここに記載の防錆油に限らず、同等以上の性能の防錆油が使用できる。
防錆油の塗布方法は浸漬、スプレー、はけ塗りなど通常行われている方法ならば何でも可能であるが、工業的には浸漬が最も簡便な方法である。防錆油の厚みは通常、基油の粘度によって決まるが潤滑油を基油とした防錆油の場合は1μm〜9μmぐらいの膜厚を示し、高粘度の潤滑油を用いても10μmは越えがたい。ペトロラクタム型の潤滑油を使用すると15μm〜30μmの膜厚も確保できるがあまり厚くても特性は飽和するので好ましくは1μm〜10μmである。
防水処理の目的で積層体をフィルムまたはチューブで封止するが、封止に使用する材料として熱収縮チューブ、フィルムを用いることができる。熱収縮チューブの中に積層体を入れ、チューブの材料によって異なるが、ポリオレフィンの場合は約110℃で加熱するとチューブは収縮し、積層体を完全に密封する。
チューブの端面は更に高温で過熱することにより溶着させるか、あるいは接着剤付きのチューブにより接着することができる。この場合、一定の数の積層体を熱収縮チューブの中に入れた後、定尺に封止する方法が効率的であるが、単品で封止してもよく封止の方法には拘らない。
一般に熱収縮チューブ、フィルムはポリエチレンやエチレン共重合体のポリオレフィンの電子線架橋等による形状記憶効果を利用して作られる。熱収縮チューブ、フィルムに用いる素材としては結晶性を有するポリオレフィンのポリマーが適している。
架橋したポリマーは網状の分子結合を有しており、架橋は通常非晶質部分で起こるため、ゴムのような性質を示す。この架橋したポリオレフィンを融点以上に加熱すると結晶部分は消失するが溶融は起こらない。
もしこの段階で引き延ばし急冷した場合、延ばされた形状で結晶化が起こり、延ばされた形状を維持し続ける。これを再加熱すると、結晶が消失し、再冷却で再び結晶化するので、延ばされる前の形状に戻る。
これは形状記憶効果を利用したものである。熱収縮チューブ以外のチューブも使用可能であるが、この場合は、特願20007−278665号に記載の方法が使用可能である。
熱収縮チューブでは加熱で積層体を密封できるが、熱収縮が利用できない場合では、シャーリング等で適切な長さに切断されたチューブ内に積層体を挿入するかあるいは一定の数の積層体をチューブの中に入れた後、減圧しながら定尺にヒートシールする方法も可能である。
フィルムの厚みは、用いられるフィルムまたはチューブの材料により異なるが、好ましくは10μm〜1000μmであり、より好ましくは20μm〜800μmである。フィルムまたはチューブが厚くなれば、アンテナコアの吸湿性は低くなり、防錆性は向上するが柔軟性が困難となる。従って、本発明で用いられるフィルムまたはチューブは、優れた柔軟性を有し、加工性に優れていることが好ましい。
熱収縮フィルムとしては、例えば電子線架橋のポリオレフィンとしては住友電気工業株式会社株式会社製の製品名「スミチューブA、C、F」「スミチューブSA2」、タイコエレクトロニクスレイケム株式会社製の製品名「ZH4」「ES1000、ES2000」「ATUM」「Versafit V2、V4」、PANDUIT製の製品名「HSTTVA」等が挙げられ、電子線架橋のポリフッ化ビニリデンとしては住友電気工業株式会社株式会社製の製品名「スミチューブK、K2」、タイコエレクトロニクスレイケム株式会社製の製品名「RW−175」等が挙げられる。
その他、架橋材料として熱可塑性エラストマーよりなるポリマーアロイを用いることもでき、具体的には、エチレンプロピレン、エチレン酢酸ビニル、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸メチル、スチレンブタジエン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等の各樹脂や共重合体よりなるエラストマーおよび変性体等の熱可塑性エラストマーとポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン等の各樹脂および共重合体からなる耐熱性を備えた材料の組み合わせが理想的である。これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、2種以上の樹脂を積層した形態としてもよい。
熱収縮チューブ以外のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにシリカを蒸着した、三菱樹脂株式会社製の製品名「テックバリア」(登録商標)(例えば、「TCB−H」(フィルム厚70μm)、「TCB−LQ」(フィルム厚60μm)、「TCB−VX」(フィルム厚68μm));ポリプロピレン延伸フィルムにポリ塩化ビニリデンをコーティングした、東セロ株式会社製の製品名「V−OP(タイプOLD(M)#30)」(フィルム厚26μm)、「V−OP(タイプOLD#20)」(フィルム厚20μm);PETフィルムにアルミナを蒸着した、凸版印刷株式会社製の製品名「GXフィルム」(例えば、「GX12 CPP50」(フィルム厚60μm));および大日本印刷株式会社製の製品名「IBフィルム(型番:IB−PET−PXB)」(フィルム厚45μm)、PETフィルムにシリカをCVDコーティングした大日本印刷株式会社製の製品名「IBフィルム(型番:IB−PET−XB)」(フィルム厚40μm)等が挙げられる。
なお、本実施の形態のアンテナコア100に関して、より具体的な実施例を以下に例示する。
(実施例1)
非晶質金属薄帯として、日立金属株式会社社製の商品名「METGLAS」(登録商標)、型番:2605TCAを用いた。これは、幅約213mm、厚み約25μmであり、Fe78Si9B13(原子%)の組成を有する非晶質金属薄帯である。
この薄帯の片面全体にE型粘度計で測定すると約0.3Pa・sの粘度を有するポリアミド酸のジメチルアセトアミド溶液を、グラビアコータを用いて均一に塗布した。次いで、溶媒のジメチルアセトアミドを140℃で乾燥して除去し、その後、260℃で加熱することによりポリアミド酸を硬化して、この非晶質金属薄帯の片面に約3μmの厚さのポリイミド膜をコーティングした。
ここで用いたポリアミド酸は、イミド化後に下記式1のポリイミド基本構造単位を形成するものである。溶媒には、ジメチルアセトアミドを用いた。このポリアミド酸は、3,3'−ジアミノジフェニルエーテルと3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物との1:0.98の混合物を、ジメチルアセトアミド溶媒中で室温にて縮重合して得られたものである。ここで得られるポリイミド樹脂は、熱可塑性ポリイミド樹脂である。
Figure 0004892031
このポリイミド膜をコーティングした非晶質金属薄帯を、シャーリングにより、106mm×106mmの矩形状に切断し、これらを18枚重ねて、熱プレス機を用いて、大気中、温度260℃で、圧力5MPaを30分間印加し、積層一体化した。作製した積層体の厚さは、0.5mmであり、占積率は90%であった。
つぎに、ダイサー加工機により、106mm×106mm×0.5mmの積層体から、50mm×4.0mm×0.5mmの矩形状の積層体にカットした。さらに、端面を600番の紙鑢で研磨し、端面での磁性金属薄帯間の電気的導通を減らした。
さらに磁気特性を発現するため、熱プレス機を用いて、大気中、温度365℃で、圧力0.004MPaを2時間印加した。さらに、積層体を出光興産株式会社製の製品名ダフニーオイルコートNo7に浸漬し、膜厚を約1μm付着させた。
先の工程で作成した防錆油の付着した積層体を6枚重ねて、住友電気工業株式会社製のスミチューブF2の熱収縮チューブに入れた。その後、熱収縮チューブを100℃で加熱し、積層体を収縮梱包した。さらに、その後120℃でチューブ端部を熱溶着させ、密封した。
さらに、アンテナとしての性能を評価するために、上で得られた、熱収縮チューブで封止した非晶質金属薄帯の積層体に、φ0.4mmのポリウレタン被覆銅線を30ターン巻回して、アンテナを作製した。
鉄損、透磁率、最大磁束密度を評価するために、ポリイミド膜をコーティングした非晶質金属薄帯を、外径40mm、内径25mmの円環形に金型プレス打抜きし、これらを18枚積層してリング状の積層体を作製し、上記と同様の積層一体化プロセスを行って、外径40mm、内径25mm、厚さ0.5mmのトロイダルコアを作製した。
つぎに、以下項目について評価し、表1に示す。
Figure 0004892031
(初期特性評価)
前記アンテナのアンテナ特性を評価するため、ヒューレットパカード社製、インピーダンスアナライザHP4194Aを用いて、励振電圧レベル0.5Vrmsにて120kHzで、このアンテナのインダクタンスを測定し、L値とQ値を測定した。トロイダルコアの最大磁束密度(Bs値)は、理研電子製BHカーブトレーサにより測定した。その結果、Bs値は1.4Tであった。
(貯蔵後特性評価)
前記アンテナの貯蔵後のアンテナ特性を評価するため、85℃、RH85%の高温高湿槽内で720時間放置した後、ヒューレットパカード社製、インピーダンスアナライザHP4194Aを用いて、励振電圧レベル0.5Vrmsにて120kHzで、このアンテナのインダクタンスを測定し、L値とQ値を測定した。
(自動車用腐食試験後の耐食性評価)
各サンプルをSAE規格 J 2334にのっとって腐食試験を行い40サイクル後、錆の発錆状態を観察した。
(実施例2〜5)
表1に示した防錆油を塗布する方法以外は実施例1と同じ条件で製造し、その後は実施例1と同様な評価をおこなった。これらの結果を表1にそれぞれ示した。
(実施例6)
実施例1と同じ積層体をパーカー興産株式会社製の製品名ノックスフラスト R−823Sに浸漬し、膜厚を約3μm付着させた。先の工程で作成した防錆油の付着した積層体を6枚重ねて、パンドウィット製の電子線架橋ポリオレフィンHSTIVAの熱収縮チューブに入れた。
その後、熱収縮チューブを130℃で加熱し、積層体を収縮梱包した。さらに、その後135℃でチューブ端部を熱溶着させ、密封した。その後は実施例1と同様な評価をおこなった。これらの結果を表1にそれぞれ示した。
(実施例7)
実施例1と同じ積層体をパーカー興産株式会社製の製品名ノックスフラスト R−823Sに浸漬し、膜厚を約3μm付着させた。先の工程で作成した防錆油の付着した積層体を6枚重ねて、住友電気工業製のポリフッ化ビニリデン樹脂の熱収縮チューブに入れた。
その後、熱収縮チューブを160℃で加熱し、積層体を収縮梱包した。さらに端面を接着材で封止した。その後は実施例1と同様な評価をおこなった。これらの結果を表1にそれぞれ示した。
(実施例8)
実施例1と同じ積層体をパーカー興産株式会社製の製品名ノックスフラスト R−823Sに浸漬し、膜厚を約3μm付着させた。先の工程で作成した防錆油の付着した積層体を6枚重ねて、ダイコエレクトロニクスレイケム製の放射線架橋ポリオレフィン二重構造のES1000の4熱収縮チューブに入れた。
その後、熱収縮チューブを140℃で加熱し、積層体を収縮梱包した。さらに、その後150℃でチューブ端部を熱溶着させ、密封した。その後は実施例1と同様な評価をおこなった。これらの結果を表1にそれぞれ示した。
(比較例1)
実施例1と同じ積層体をパーカー興産株式会社製の製品名ノックスフラスト R−823Sに浸漬し、膜厚を約3μm付着させた。その後、熱収縮チューブを使用しない以外は実施例1と同様な評価を行った。この結果を表1に示した。
(実施例9〜16)
実施例1と同じ積層体を表1の実施例9〜16に示す製品名の防錆油の防錆処理を施した後、防錆油の付着した積層体を6枚重ねて、ダイコエレクトロニクスレイケム製の放射線架橋ポリオレフィンで製品名ヴァーサフィット V2の熱収縮チューブに入れた。
その後、熱収縮チューブを110℃で加熱し、積層体を収縮梱包した。さらに、その後135℃でチューブ端部を熱溶着させ、密封した。その後は実施例1と同様な評価をおこなった。これらの結果を表1にそれぞれ示した。
(比較例2)
実施例1と同じ積層体をパーカー興産株式会社製の製品名ノックスフラスト530F60に浸漬し、膜厚を約1.5μm付着させた。その後防錆油の付着した積層体を6枚重ねて、ダイコエレクトロニクスレイケム製の放射線架橋ポリオレフィンで製品名ヴァーサフィット V2の熱収縮チューブに入れた。
その後、熱収縮チューブを110℃で加熱し、積層体を収縮梱包した。さらに、その後135℃でチューブ端部を熱溶着させ、密封した。その後は実施例1と同様な評価をおこなった。この結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1と同じ積層体を防錆処理を行わず、積層体を6枚重ねて、ダイコエレクトロニクスレイケム製の放射線架橋ポリオレフィンで製品名ヴァーサフィット V2の熱収縮チューブに入れた。
その後、熱収縮チューブを110℃で加熱し、積層体を収縮梱包した。さらに、その後135℃でチューブ端部を熱溶着させ、密封した。その後は実施例1と同様な評価をおこなった。この結果を表1に示した。
(実施例17)
珪素鋼板として、JFEスチール株式会社製の6.5%珪素鋼板(商品名「JNEXコア(05JNEX2500)」、厚さ50μm、珪素鋼板b)を用いた。これは、珪素含有率が6.5%の無方向性ケイ素鋼板である。
実施例1と同様にポリイミド膜をコーティングした珪素鋼板を、シャーリングにより、106mm×106mmの矩形状に切断し、これらを56枚重ねて、熱プレス機を用いて、大気中、温度260℃で、圧力5MPaを30分間印加し、積層一体化した。作製した積層体の厚さは約3mmであり、占積率は95%であった。以上の工程以外は全て、実施例10と同様に試験片を作製し、同様の評価を行った。結果を表1に示す。
なお、当然ながら、上述した実施の形態および複数の変形例は、その内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。また、上述した実施の形態および変形例では、各部の構造などを具体的に説明したが、その構造などは本願発明を満足する範囲で各種に変更することができる。
100 アンテナコア
110 磁性部材
111 金属薄帯
112 ポリイミド樹脂
120 熱収縮性チューブ
130 防錆油
131 液槽
1000 コイルアンテナ
1001 被覆導線

Claims (9)

  1. 所定の磁束密度の磁性部材と、
    前記磁性部材を密封するフィルムからなるチューブと、
    前記チューブに封入されている防錆油と、
    を有するアンテナコア。
  2. 前記チューブが熱収縮性チューブからなる請求項1に記載のアンテナコア。
  3. 前記チューブがポリオレフィン系の前記フィルムからなる請求項1または2に記載のアンテナコア。
  4. 前記防錆油がJIS規格NP1〜NP10のうちNP1〜NP8からなる請求項1ないし3の何れか一項に記載のアンテナコア。
  5. 前記磁性部材が積層体からなる請求項1ないし4の何れか一項に記載のアンテナコア。
  6. 前記磁性部材が鉄を含む非晶質の金属薄帯とポリイミド樹脂との前記積層体からなる請求項5に記載のアンテナコア。
  7. 所定の磁束密度の磁性部材を形成する工程と、
    前記磁性部材の外面全体に防錆油を付着させる工程と、
    前記防錆油が外面全体に付着した前記磁性部材を少なくとも一端が開口している熱収縮性チューブに挿入する工程と、
    前記熱収縮性チューブを加熱により収縮させて前記磁性部材に密着させる工程と、
    前記熱収縮性チューブの端部の開口を閉止して前記磁性部材を密封するとともに前記防錆油を封入する工程と、
    を有するアンテナコアの製造方法。
  8. 両端が開口した前記熱収縮性チューブを中央から加熱して両端まで順次収縮させる請求項7に記載のアンテナコアの製造方法。
  9. 一端が開口した前記熱収縮性チューブを閉塞している他端から加熱して前記一端まで順次収縮させる請求項7に記載のアンテナコアの製造方法。
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